JPH08216345A - 積層フイルム - Google Patents

積層フイルム

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JPH08216345A
JPH08216345A JP7026789A JP2678995A JPH08216345A JP H08216345 A JPH08216345 A JP H08216345A JP 7026789 A JP7026789 A JP 7026789A JP 2678995 A JP2678995 A JP 2678995A JP H08216345 A JPH08216345 A JP H08216345A
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JP
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film
polyester
coating
polymer
group
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JP7026789A
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Sadami Miura
定美 三浦
Satoshi Kitazawa
諭 北澤
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗膜とベースフイルムとの密着性、塗膜表面
の離型性に優れ、塗膜成分の背面転写が少なく、シリコ
ーン樹脂層に対する接着性に優れた離型フイルム等に有
用な積層フイルムを提供する。 【構成】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、
主鎖のシリコーン系ポリマーに側鎖としてポリエステル
系ポリマーをグラフトしたポリエステル変性シリコーン
重合体を含む水性液を塗布し、乾燥、延伸してつくられ
た塗膜が設けられている積層フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層フイルムに関し、更
に詳しくは塗膜とベースフイルムとの密着性、塗膜表面
の離型性に優れ、塗膜成分の背面転写が少なく、シリコ
ーン樹脂層に対する接着性に優れた離型フイルム等に有
用な積層フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートやポリエチ
レンナフタレート等のポリエステルからなるフイルム
は、離型フイルム(例えば工程離型用、粘着剤保護用
等)等の一般工業材料用として広く使用されている。
【0003】工程離型用の離型フイルムは、例えば塩化
ビニルシートやポリウレタンシート等の樹脂シートを製
造する工程に用いるフイルムであり、例えば塩化ビニル
やポリウレタンゾルの水性液等を離型フイルムの表面に
塗布し、加熱乾燥して樹脂シートを離型フイルム上に形
成させた後、離型フイルムを剥離して塩化ビニルシート
やポリウレタンシート等を得るために用いる。
【0004】また、粘着剤保護用の離型フイルムは、例
えば粘着剤層を表面層に有する粘着テープ等の表面を保
護するために用いるフイルム(保護フイルム)であり、
粘着テープ等を使用する際には離型フイルムを剥離して
使用する。
【0005】しかしながら、ポリエステルフイルムを離
型フイルムとして使用する場合、離型層を積層しないで
用いると、種々の樹脂や粘着剤に対する離型性が不足す
るため実用に供することが難しい。
【0006】このため、ポリエステルフイルムを離型フ
イルムとして用いるには通常フイルムの表面に離型性塗
膜を積層する方法が採られ、塗膜を塗設するための多く
の塗布剤が開発されている。塗膜の塗設を製膜工程中で
行う場合、環境保全或いは防災上の理由で通常は水性塗
布剤が使用される。しかしながら、従来の水性塗布剤を
用いた離型性塗膜ではベースフイルムとの密着性と塗膜
表面の離型性の両方を満足することが困難であり、更に
フイルムをロール状に巻いて或いは重ね合わせて保管す
る際に塗膜成分の一部が隣接するフイルムの表面に移行
する(以下『背面転写』ということがある)問題があ
る。
【0007】例えば、シリコーン系樹脂と他のバインダ
ー樹脂とを単にブレンドした組成物を含む水性塗液を用
いて塗設した塗膜を用いる方法ではシリコーン系樹脂と
バインダー樹脂との相溶性が悪いため密着性と離型性と
を両立させることが困難であり、塗膜中の成分が背面転
写し易い(背面転写性が劣る)。また、主鎖がアクリレ
ート化合物からなり側鎖がシリコーン成分であるグラフ
トポリマーを含有する水性塗液を用いる方法(特開平3
−99827号)では、グラフトポリマーをつくる際に
側鎖成分のシリコーン系ポリマーの一部が未反応成分と
して残りやすく、このため塗膜中の未反応シリコーン系
ポリマーが背面転写し易いという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、塗膜とベースフイルムと
の密着性を維持しつつ塗膜表面の離型性や塗膜中の成分
の背面転写性を改良し、更に塗膜面にシリコーン樹脂層
を積層する場合にシリコーン樹脂層に対する接着性に優
れた積層フイルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、
主鎖のシリコーン系ポリマーに側鎖としてポリエステル
系ポリマーをグラフトしたポリエステル変性シリコーン
重合体を含む水性液を塗布し、乾燥、延伸してつくられ
た塗膜が設けられている積層フイルムによって達成され
る。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。 [ベースフイルム]本発明においてベースフイルムはポ
リエステルフイルムであるが、該フイルムを構成するポ
リエステルは、ジカルボン酸成分とグリコール成分から
なる線状ポリエステルである。
【0011】このジカルボン酸成分としては、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4´−ジフェ
ニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸等を挙げることができ、特に、テレフタル
酸或いは2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0012】また、グリコール成分としては、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ビスフェノール等を挙げ
ることができ、特に、エチレングリコールが好ましい。
【0013】かかるポリエステルとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート或いはポリエチレン―2,6―ナフタ
レートが高ヤング率である等の機械的特性に優れ、耐熱
寸法安定性がよい等の熱的特性等に優れるため好まし
い。
【0014】このポリエチレンテレフタレート或いはポ
リエチレン―2,6―ナフタレートは、上記ジカルボン
酸成分或いはグリコール成分等を共重合したポリエステ
ルであってもよく、三官能以上の多価カルボン酸成分或
いはポリオール成分をポリエステルが実質的に線状とな
る範囲(例えば5モル%以下)で少量共重合したポリエ
ステルであってもよい。かかるポリエステルは常法によ
りつくることができ、ポリエステルの固有粘度が0.4
以上、平均分子量が10,000以上であるとフイルム
の剛性が大きい等の機械的特性が良好となるため好まし
い。
【0015】上記のポリエステルには、フイルムの滑り
性を良好なものとするため有機や無機の微粒子を滑剤と
して、例えば0.001〜5重量%の配合割合で含有さ
せることができる。かかる微粒子の具体例として、シリ
カ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化カルシ
ウム、酸化チタン、グラファイト、カーボンブラック、
酸化亜鉛、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒子、
架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シ
リコーン樹脂粒子等を好ましく挙げることができる。
【0016】前記微粒子以外にも酸化防止剤、帯電防止
剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、可塑剤、架橋剤、有機
滑剤(潤滑剤)、紫外線吸収剤、他の樹脂等を必要に応
じて添加することができる。
【0017】本発明におけるポリエステルフイルムは、
従来から知られている方法で製造することができる。例
えば、前記ポリエステルを溶融し冷却ドラム上にキャス
トして未延伸フイルムとし、次いで該未延伸フイルムを
該ポリエステルの二次転移点Tg−10℃(特にTg+
10℃)以上の温度で縦方向に2〜7倍延伸して一軸延
伸フイルムとし、この一軸延伸フイルムに水性塗液を塗
布した後、70〜130℃で乾燥し、次いで80〜17
0℃で横方向に2〜9倍延伸して塗膜を塗設した二軸延
伸積層フイルムとすることができ、更に160〜260
℃で熱処理することができる。また、二軸延伸積層フイ
ルムは熱処理する前に必要に応じて更に縦方向及び/又
は横方向に再度延伸することもできる。二軸延伸積層フ
イルムの面積延伸倍率は8倍以上、さらには9倍以上と
するのが望ましく、面積延伸倍率の上限は、フイルムの
用途にもよるが、35倍迄、特に30倍迄とするのが好
ましい。延伸後に熱処理して配向結晶化を完結させるこ
ともできる。二軸延伸積層フイルムの厚さは2〜300
μmが好ましい。
【0018】[ポリエステル変性シリコーン重合体]本
発明においては、ポリエステルフイルムの少なくとも片
面に、ポリエステル変性シリコーン重合体を含む水性液
を塗布し、乾燥、延伸してつくられた塗膜を設ける。こ
のポリエステル変性シリコーン重合体とは、シリコーン
系ポリマーを主鎖とし、これに側鎖としてポリエステル
系ポリマーをグラフトした重合体(以下『グラフト重合
体』ということがある)である。
【0019】本発明に用いるグラフト重合体は、例えば
ポリマー構造中に官能基を有するシリコーン系ポリマー
と、少なくとも片方の末端にシリコーン系ポリマー構造
中の官能基と反応し得る官能基を有するポリエステル系
ポリマーとを反応させることにより得られる。グラフト
重合体は上記以外の製法で得られたものでもよい。
【0020】主鎖のシリコーン系ポリマー鎖(S)と、
側鎖のポリエステル系ポリマー鎖(E)の重量割合は、
重量比で、S/E=10/90〜90/10が好まし
く、S/E=25/75〜75/25が更に好ましい。
S/Eが10/90未満では塗膜の離型性が不足し、S
/Eが90/10を超えると塗膜のベースフイルムとの
密着性が不足することがあるため好ましくない。尚、本
発明に用いるグラフト重合体はその一部が架橋剤で架橋
されたものであってもよい。
【0021】[シリコーン系ポリマー]グラフト重合体
をつくるのに用いるシリコーン系ポリマーは、ポリジメ
チルシロキサンを骨格とし、ポリマー構造中に官能基を
有する変性ポリジメチルシロキサンである。この官能基
としてはアルコキシ基、オキシラン基、ポリオキシアル
キレン基、不飽和鎖式炭化水素基(例えばビニル基、ア
リル基)、水酸基、カルボキシル基、SiH基、アミノ
基、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基等
を挙げることができる。
【0022】また、水性塗液中でのグラフト共重合体の
分散性を良好なものとするため、シリコーン系ポリマー
には、親水基が含まれていることが好ましい。この親水
基としてはアルコキシ基、水酸基、アミノ基、スルホン
酸塩基、カルボン酸塩基、ポリオキシアルキレン基等を
挙げることができる。
【0023】シリコーン系ポリマーの平均分子量は50
0〜50,000、特に800〜25,000であるこ
とが好ましい。平均分子量が500未満であると離型性
が低下し、50,000を超えるとベースフイルムへの
密着性が不足するようになる。
【0024】[ポリエステル系ポリマー]このシリコー
ン系ポリマーに、ポリエステル系ポリマーをグラフトす
るには、例えばシリコーン系ポリマー構造中の官能基と
ポリエステル系ポリマーの末端官能基を結合させる方法
を用いることができる。
【0025】グラフト重合体をつくるのに用いるポリエ
ステル系ポリマーは、ジカルボン酸成分とグリコール成
分とを構成成分とする線状ポリエステルであり、少なく
とも片方の末端にシリコーン系ポリマー構造中の官能基
と反応し得る官能基を有するポリエステル系ポリマーで
ある。
【0026】このジカルボン酸成分としては、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4´−ジフェ
ニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸等を挙げる
ことができる。
【0027】また、グリコール成分としては、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレン
グリコール、トリエチレングリコール、ビスフェノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリア
ルキレンオキシド共重合体、ビスフェノール・アルキレ
ンオキシド付加体等を挙げることができる。
【0028】ポリエステル系ポリマーは、塗膜とベース
フイルムとの密着性を優れたものにするため上記構成成
分からなる共重合ポリエステルであることが好ましい。
【0029】ポリエステル系ポリマー末端の官能基とし
ては、例えばアルコキシ基、オキシラン基、ポリオキシ
アルキレン基、不飽和鎖式炭化水素基(例えばビニル
基、アリル基)、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、
イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基、オキ
サゾリン基等を挙げることができる。
【0030】尚、ポリエステル系ポリマーは、水性塗液
中でのグラフト重合体の分散性を良好なものとするため
に分子内に親水基を有することが好ましい。この親水基
としては例えばアルコキシ基、水酸基、アミノ基、スル
ホン酸塩基、カルボン酸塩基、ポリオキシアルキレン基
等を挙げることができる。
【0031】ポリエステル系ポリマーの平均分子量は5
00〜35,000、特に800〜25,000である
ことが好ましい。平均分子量が500未満であると塗膜
のベースフイルムへの密着性が低下することがあり、3
5,000を超えると塗膜の離型性が低下することがあ
り好ましくない。
【0032】[水性塗液]本発明においてはベースフイ
ルムに塗膜を塗設するため前記のグラフト共重合体を含
む水性塗液を用いる。この水性塗液は、グラフト共重合
体の水溶液、エマルジョン、ディスパージョン等の水性
液で用いることが好ましい。水性塗液には塗膜とベース
フイルムとの密着性を調節すること等の目的で、他のバ
インダー樹脂を加えることができる。他のバインダー樹
脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、アクリル変性
ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、セルロース系樹
脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。更に、水
性塗液には前記成分以外に滑剤(無機や有機の微粒
子)、界面活性剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、
顔料、蛍光増白剤、可塑剤、架橋剤、潤滑剤、紫外線吸
収剤等を添加することができる。
【0033】水性塗液中の全固形物成分当たりのグラフ
ト共重合体の比率は50〜100重量%であることが好
ましい。この比率が50重量%未満では塗膜の離型性や
塗膜と更に積層する場合のシリコーン樹脂層との接着性
が不足する。
【0034】水性塗液中の全固形分濃度は、通常は1〜
35重量%で、特に2〜20重量%で使用することが好
ましい。尚、水性塗液には少量の有機溶剤が含まれてい
てもよい。
【0035】[塗膜の塗設]本発明においては、ポリエ
ステルフイルムの少なくとも片面に、前記水性塗液を塗
布し、加熱乾燥、延伸することにより塗膜を塗設する
が、水性塗液の塗布方法としては、公知の任意の塗工法
が適用でき、例えばグラビアコート法、リバースロール
コート法、ダイコート法、キスコート法、リバースキス
コート法、オフセットグラビアコート法、マイヤーバー
コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エ
アーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単
独または組み合わせて適用することができる。水性塗液
のWET塗布量は走行しているフイルム1m2 当り1〜
30g、特に2〜20gが好ましい。塗布量がこの範囲
にあると乾燥が容易になり、かつ塗布斑が生じ難いので
好ましい。
【0036】本発明で水性塗液を塗布するポリエステル
フイルムとは、延伸可能なポリエステルフイルムであ
り、例えばポリエステルを押出機にて熱溶融せしめ、フ
イルム状に押出し、急冷して得られる未延伸フイルム;
未延伸フイルムを縦方向(長手方向)または横方向(幅
方向)の何れか一方に延伸せしめた一軸延伸フイルム;
縦方向或いは横方向の一軸延伸フイルムを横方向或いは
縦方向に逐次延伸せしめた(更に延伸可能な)二軸延伸
フイルム、または未延伸フイルムを縦方向および横方向
の二方向に同時延伸せしめた(更に延伸可能な)二軸延
伸フイルム;二軸延伸フイルムを熱固定および/または
熱弛緩せしめた(更に延伸可能な)二軸延伸熱処理フイ
ルム等を挙げることができる。
【0037】かかるポリエステルフイルムの厚さは、未
延伸フイルムでは10〜1000μm、一軸延伸フイル
ムでは2〜500μm、二軸延伸フイルムおよび二軸延
伸熱処理フイルムでは2〜300μmが好ましい。
【0038】水性塗液は前記ポリエステルフイルムのう
ち一軸延伸フイルム、特に縦方向の一軸延伸フイルムに
塗布し、乾燥、延伸することが、塗膜の密着性が強固な
ものになり、かつ効率良く積層フイルムを製造できるた
め好ましい。例えば、ポリエステルを押出機にて熱溶融
し、シート状に押出し冷却して未延伸フイルムとし、こ
の未延伸フイルムを縦方向に延伸して一軸延伸フイルム
とした後、水性塗液を塗布し、乾燥しつつ横方向に延伸
し、必要なら更に縦や横に再延伸した後熱処理して塗膜
の密着性が強固な積層フィルムをつくることができる。
【0039】塗設した塗膜の厚さは0.005〜3μ
m、特に0.01〜1μmが好ましい。塗膜の厚さが
0.005μmよりも薄いと離型性が不足することがあ
り、3μmを超えると塗膜が削れ易くなることがあるた
め好ましくない。
【0040】[乾燥及び延伸温度]本発明で水性塗液を
塗布した後、乾燥させる温度は70〜130℃とするこ
とが塗液を迅速に乾燥させることができるため好まし
い。この乾燥のための加熱はポリエステルフイルムを延
伸する過程の加熱を兼ねことができる。また、ポリエス
テルフイルムを延伸温度は80〜170℃、熱処理温度
は160〜260℃とすることができる。
【0041】[シリコーン樹脂層]本発明においては、
更に優れた離型性を有する積層フイルムとするため、塗
膜の上に更にシリコーン樹脂を含む離型層を設けること
ができる。このシリコーン樹脂には付加重合或いは縮合
重合により得られるポリジメチルシロキサン系重合体を
用いるが、離型層と塗膜との接着性を良好なものとする
ため、前記グラフト共重合体においてシリコーン系ポリ
マー単位(S)とポリエステル系ポリマー単位(E)の
重量比が、S/E≧50/50のポリマーを用いること
が好ましい。
【0042】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。各特性値は下記の方法で測定した。
【0043】1.離型性 ポリエステルフイルムの塗膜塗設面に塩化ビニルゾルを
塗布し、乾燥後、更に塩化ビニル層支持のために粘着テ
ープを貼り付け、サンプルを73mm幅に切断した後、
引張り試験機にて塗膜表面と塩化ビニル層とを剥離する
際の剥離力(g/73mm)を測定した。
【0044】2.ベースフイルムへの密着性 積層ポリエステルフイルム2枚を塗膜塗設面と塗膜非塗
設面とが向き合うように重ね合わせ、145g/2cm
2 の荷重下で繰返し摩擦した後に塗膜表面の状態を観察
して下記のランク付けを行う。 A:塗膜表面が殆ど変化していない ……密着性良好 B:塗膜表面が少し削られている ……密着性やや良
好 C:塗膜表面がかなり削られている ……密着性不良
【0045】3.背面転写性 ポリエステルフイルムの塗膜塗設面と非塗設面とを重ね
合わせ5Kg/cm2の荷重を加え、3時間保持した
後、塗膜非塗設面に粘着テープを貼り付け、その剥離強
度(Pa)を測定した。また、ポリエステルフイルムの
塗膜非塗設面同志を重ね合わせた場合について同様に剥
離強度(P0 )を測定した。次いで、P0とPaの値か
ら背面転写度(T)を下記式により求め、背面転写性を
下記の基準により評価した。
【0046】
【数1】T=[(P0 −Pa)/P0 ]×100 A:T≦15 ……背面転写性良好 B:15<T≦30 ……背面転写性やや良好 C:T>30 ……背面転写性不良
【0047】[実施例1]固有粘度0.62のポリエチ
レンテレフタレートを押出機にて溶融し、シート状の溶
融ポリマーをダイスから冷却ドラム上に押出し急冷して
未延伸フイルムとし、次いで、該未延伸フイルムを縦方
向に3.4倍延伸して一軸延伸フイルムとした。この一
軸延伸フイルムの片面に、水酸基価34、エポキシ価8
67のポリジメチルシロキサン(S−1:平均分子量
9,600)51重量部と、酸成分がテレフタル酸(4
4モル%)、イソフタル酸(45モル%)及び5−Na
スルホイソフタル酸(11モル%)、グリコール成分が
エチレングリコール(49モル%)、ネオペンチルグリ
コール(41モル%)及び1,4−ブタンジオール(1
0モル%)からなり片末端にブロックドイソシアネート
基を有する共重合ポリエステル(E−1:平均分子量
3,210)49重量部とを反応させて得られたグラフ
ト共重合体(K−1:平均分子量19,250)80重
量%、平均粒径45nmの酸化珪素8重量%並びにポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル12重量%から
なる組成物の2重量%水性液をキスロールコーターで塗
布した。次いで、この塗布フイルムを100℃で乾燥し
た後、横方向に4.1倍延伸し、224℃で熱処理して
厚さ65μm、塗膜の厚さ0.033μmの積層フイル
ムをつくった。この積層フイルムの特性を表1に示す。
【0048】[実施例2〜8、比較例1〜2]塗液の組
成、塗膜厚さを表1に記載のように変更した以外は実施
例1と同様にして得た積層フイルムまたは単層フイルム
の特性を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1の塗膜組成において[K−2]、[K
−3]及び[K−4]は、それぞれ下記の重合体であ
る。
【0051】[K−2]:S−1(50重量部)とE−
2(E−1の酸成分およびグリコール成分と成分比率が
同一で平均分子量が1,600の共重合ポリエステル:
50重量部)からなるグラフト共重合体(平均分子量:
19,160) [K−3]:S−1(48重量部)とE−3(E−1の
酸成分およびグリコール成分と成分比率が同一で平均分
子量が1,925の共重合ポリエステル:52重量部)
からなるグラフト共重合体(平均分子量:19,75
0) [K−4]:酸価34、エポキシ価835のカルボキシ
ル基及びエポキシ基を有するポリジメチルシロキサンの
アルカリ中和K塩(平均分子量:9,750)
【0052】
【発明の効果】本発明における塗膜には、主鎖のシリコ
ーン系ポリマーに側鎖としてポリエステル系ポリマーを
グラフトしたポリエステル変性シリコーン重合体を用い
るため未反応のシリコーン系ポリマーの背面転写が少な
く、ポリエステル系ポリマー鎖がベースフイルムとの密
着性を確保し、シリコーン系ポリマー鎖が離型性やシリ
コーン樹脂層との接着性を優れたものとするものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 302 B05D 7/24 302V B29C 55/02 7639−4F B29C 55/02 B32B 27/36 B32B 27/36 C08J 7/04 CFD C08J 7/04 CFDF // B29K 67:00 B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、主鎖のシリコーン系ポリマーに側鎖としてポリエス
    テル系ポリマーをグラフトしたポリエステル変性シリコ
    ーン重合体を含む水性液を塗布し、乾燥、延伸してつく
    られた塗膜が設けられている積層フイルム。
  2. 【請求項2】 工程離型用または粘着剤保護用の離型フ
    イルムに用いる請求項1記載の積層フイルム。
  3. 【請求項3】 塗膜の上に更にシリコーン樹脂を含む離
    型層を設けた離型フイルムに用いる請求項1記載の積層
    フイルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006150970A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Huhtamaki Forchheim Zweigniederlassung Der Huhtamaki Deutschland Gmbh & Co Kg シリコーン薄膜の製造方法、シリコーン薄膜及びその使用

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