JPH08197687A - 積層フイルム - Google Patents

積層フイルム

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JPH08197687A
JPH08197687A JP7008927A JP892795A JPH08197687A JP H08197687 A JPH08197687 A JP H08197687A JP 7008927 A JP7008927 A JP 7008927A JP 892795 A JP892795 A JP 892795A JP H08197687 A JPH08197687 A JP H08197687A
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film
coating
polyester
group
silicone
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JP7008927A
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Sadami Miura
定美 三浦
Satoshi Kitazawa
諭 北澤
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗膜とベースフイルムとの密着性、塗膜表面
の離型性に優れ、塗膜成分の背面転写が少ない離型フイ
ルム等に有用な積層フイルムを提供する。 【構成】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、
アクリル−シリコーンブロックポリマーを含む水性塗液
を塗布し、乾燥、延伸してつくられた塗膜が設けられて
いる積層フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層フイルムに関し、更
に詳しくは塗膜とベースフイルムとの密着性、塗膜表面
の離型性に優れ、塗膜成分の背面転写が少ない離型フイ
ルム等に有用な積層フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートやポリエチ
レンナフタレート等のポリエステルからなるフイルムは
磁気カード、磁気テープ等の磁気記録材料用として、ま
た包装材料、工程材料、粘着材料、写真材料、グラフィ
ック材料等の一般工業材料用として広く使用されてい
る。しかしながら、かかるポリエステルフイルムを例え
ば離型フイルムとして使用する場合、未処理のままでは
種々の樹脂や粘着剤に対する離型性が不足するため実用
に供することが難しい。即ち、粘着テープの保護フイル
ムや塩化ビニル、ポリウレタンゾル用の工程離型フイル
ム等にはポリエステルフイルムを未処理のままで使用す
ることが困難である。
【0003】このような問題を解決するには、ポリエス
テルフイルムの表面に離型性塗膜を積層する方法が採ら
れ、塗膜を塗設するための多くの塗布剤が開発されてい
る。塗膜の塗設を製膜工程中で行う場合、環境保全或い
は防災上の理由で通常は水性塗布剤が使用される。しか
しながら、従来の水性塗布剤を用いた離型性塗膜では塗
膜とベースフイルムとの密着性と塗膜表面の離型性の両
方を満足することが困難であり、更に塗膜成分の一部が
フイルムの反対面に移行する(以下『背面転写性』とい
うことがある)問題がある。例えば、シリコーン系樹脂
と他のバインダー樹脂とを単にブレンドした組成物を含
む水性塗液を用いて塗設した塗膜を用いる方法ではシリ
コーン系樹脂とバインダー樹脂との相溶性が悪いため密
着性と離型性とを両立させることが困難であり、背面転
写性も劣る。また、主鎖がアクリレ−ト化合物からなり
側鎖がシリコーン成分であるグラフトポリマーを含有す
る水性塗液を用いる方法(特開平3−99827号)で
は、グラフトポリマーをつくる際に側鎖成分のシリコー
ン系ポリマーの一部が未反応成分として残りやすく、こ
のため塗膜中の未反応シリコーン系ポリマーが背面転写
し易いという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、ベ−スフイルムとの密着
性を維持しつつ塗膜表面の離型性や背面転写性を改良
し、更にシリコーン樹脂層を積層する場合にシリコーン
樹脂層に対する接着性が優れた積層フイルムを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するため、次の構成からなる。ポリエステルフイル
ムの少なくとも片面に、アクリル−シリコーンブロック
ポリマーを含む水性塗液を塗布し、乾燥、延伸してつく
られた塗膜が設けられている積層フイルム。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。
【0007】[ベースフイルム]本発明においてベース
フイルムはポリエステルフイルムであるが、該フイルム
を構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分とグリコ
ール成分からなる線状ポリエステルである。
【0008】このジカルボン酸成分としては、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4´−ジフェ
ニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸等を挙げることができ、特にテレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸がポリエステルフ
イルムの機械的特性、熱的特性等に優れるため好まし
い。
【0009】また、グリコール成分としては、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ビスフェノール、等を挙
げることができ、特にエチレングリコールがポリエステ
ルフイルムの機械的特性、熱的特性等に優れるため好ま
しい。
【0010】かかるポリエステルとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート或いはポリエチレン―2,6―ナフタ
レートを好ましく例示することができる。このポリエチ
レンテレフタレート或いはポリエチレン―2,6―ナフ
タレートは、上記ジカルボン酸成分或いはグリコール成
分等を共重合したポリエステルであってもよく、三官能
以上の多価カルボン酸成分或いはポリオール成分をポリ
エステルが実質的に線状となる範囲(例えば5モル%以
下)で少量共重合したポリエステルであってもよい。か
かるポリエステルは常法によりつくることができ、平均
分子量は10,000以上であることがフイルムの機械
的特性が良好となるため好ましい。
【0011】上記のポリエステルには、フイルムの滑り
性を良好なものとするため有機や無機の微粒子を滑剤と
して、例えば0.001〜5重量%の配合割合で含有さ
せることができる。かかる微粒子の具体例として、炭酸
カルシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、グラファイ
ト、カオリン、シリカ、アルミナ、酸化珪素、酸化亜
鉛、カーボンブラック、炭化珪素、酸化錫、アクリル樹
脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒
子、架橋シリコーン樹脂粒子等を好ましく挙げることが
できる。
【0012】前記微粒子以外にも帯電防止剤、酸化防止
剤、有機滑剤、触媒、着色剤、顔料、蛍光増白剤、可塑
剤、架橋剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、他の樹脂等を必要
に応じて添加することができる。
【0013】本発明におけるポリエステルフイルムは、
従来から知られている方法で製造することができる。例
えば、前記ポリエステルを溶融し冷却ドラム上にキャス
トして未延伸フイルムとし、次いで該未延伸フイルムを
縦方向に2〜7倍延伸して一軸延伸フイルムとし、この
一軸延伸フイルムに水性塗液を塗布した後、乾燥しつつ
横方向に2〜7倍延伸して塗膜を塗設した二軸延伸積層
フイルムとすることができる。フイルムの延伸温度はポ
リエステルの二次転移温度(Tg)−10℃以上の温度
とすることができ、二軸延伸積層フイルムを必要に応じ
て更に縦方向及び/又は横方向に再度延伸することもで
きる。二軸延伸フイルムの面積延伸倍率は8倍以上、さ
らには9倍以上とするのが望ましく、面積延伸倍率の上
限は、フイルムの用途にもよるが、35倍迄、特に30
倍迄とするのが好ましい。延伸後に熱処理して配向結晶
化を完結させることもできる。二軸延伸フイルムの厚さ
は2〜300μmが好ましい。
【0014】[アクリル−シリコーンブロックポリマ
ー]本発明におけるアクリル−シリコーンブロックポリ
マー(以下『ブロック共重合体』ということがある)
は、アクリルポリマー単位とシリコーンポリマー単位と
がブロックポリマーとして共重合されたポリマーであ
る。このブロック共重合体の構造は、シリコーン系ポリ
マー単位(S)とアクリル系ポリマー単位(A)とがA
−[S−A]n −S、A−[S−A]n −S−A、S−
A−[S−A]n−S、(n=0〜100)のように結
合したものである。かかるブロック共重合体をつくる方
法としては、例えば片末端に官能基Xを有するAと両末
端にXと反応しうる官能基Yを有するSを例えば2:1
の比率で反応させてA−S−A型をつくる方法、両末端
に官能基Zを有するAと両末端にZと反応しうる官能基
Wを有するSを例えば5:4の比率で反応させて主とし
てA−(S−A)n −S−A型をつくる方法、両末端の
みに重合開始機能を付与したSにAを構成するアクリル
系単量体を重合させてブロックポリマーとする方法等を
挙げることができる。末端の反応には重合開始剤として
通常使用する過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニ
トリル等を用いることができる。前記構造式でnとして
は0〜50が好ましい。ブロック共重合体をつくるのに
用いるSとAの重量比はS/A=10/90〜90/1
0が好ましく、S/A=20/80〜80/20が更に
好ましい。S/Aが10/90未満では塗膜の離型性が
劣り、S/Aが90/10を超えると塗膜のベースフイ
ルムとの密着性が不足する。尚、本発明に用いるブロッ
ク共重合体はその一部が架橋剤で架橋されたものであっ
てもよい。
【0015】[シリコーン系ポリマー]ブロック共重合
体をつくるのに用いるシリコーン系ポリマー成分は、ポ
リジメチルシロキサンであり分子の末端に少なくとも1
個の反応性基を有する。この反応性基としてはアルコキ
シ基、オキシラン基、ポリオキシアルキレン基、ビニル
基、水酸基、カルボキシル基、SiH基、アミノ基、イ
ソシアネート基が好ましい。特に片末端又は両末端に水
酸基、カルボキシル基、アミノ基、SiH基、イソシア
ネート基を有するポリマーが反応性に優れるため好まし
い。また、水性塗液での分散性を良好なものとするた
め、シリコーン系ポリマーは分子内に親水基を含むこと
が好ましい。この親水基としてはアルコキシ基、水酸
基、アミノ基、カルボン酸塩基、ポリオキシアルキレン
基を挙げることができる。
【0016】このシリコーン系ポリマーの平均分子量は
500〜50,000、特に800〜20,000が好
ましい。平均分子量が500未満では離型性が不足し、
50,000を越えるとベースフイルムへの密着性が不
足するようになる。
【0017】[アクリル系ポリマー]ブロック共重合体
をつくるのに用いるアクリル系ポリマー成分は、メタク
リル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸、
アクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチ
ロール化アクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミ
ド、メタクリル酸塩、アクリル酸塩、酢酸ビニル、ビニ
ルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、マレイン
酸、無水マレイン酸、マレイミド、桂皮酸ビニル、スチ
レン、スチレンスルホン酸塩等の共重合体である。ブロ
ック共重合体をつくるのに予めつくられたポリマー成分
を用いる場合は、片末端又は両末端に水酸基、カルボキ
シル基、アミノ基、イソシアネート基、ビニル基、等の
官能基を有するポリマーが好ましい。また、水性塗液で
の分散性を良好なものとするため、アクリル系ポリマー
は分子内に親水基を含むことが好ましい。この親水基と
してはメチロール基、アルコキシメチル基、水酸基、ア
ミノ基、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、ポリオキシ
アルキレン基等挙げることができる。また、ブロック共
重合体をつくるのにアクリル系単量体を用いる場合は、
ブロック化する時に前記の単量体を両末端のみに重合開
始機能を付与したシリコーン系ポリマーに直接付加重合
させることができる。
【0018】アクリル系ポリマーの平均分子量は500
〜500,000、特に800〜50,000が好まし
い。平均分子量が500未満では塗膜のベースフィルム
への密着性が不足し、500,000を超えると塗膜の
離型性が不足するようになる。
【0019】[水性塗液]本発明においてはベースフイ
ルムに塗膜を塗設するため前記のブロック共重合体を含
む水性塗液を用いる。この水性塗液は、ブロック共重合
体の水溶液、エマルジョン、ディスパージョン等の水性
液で使用することが好ましい。水性塗液には塗膜とベー
スフイルムとの密着性を調節すること等の目的で、他の
バインダ−樹脂を加えることができる。他のバインダ−
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、アクリル変
性ポリエステル樹脂、ポリエ−テル樹脂、水溶性樹脂、
シリコーン樹脂等を挙げることができる。更に、水性塗
液には前記成分以外にフィラー、界面活性剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、可塑剤、
架橋剤、滑り剤、紫外線吸収剤等を添加することができ
る。
【0020】水性塗液中の全固形物成分当たりのブロッ
ク共重合体の比率は50〜100重量%であることが好
ましい。この比率が50重量%未満では塗膜の離型性や
塗膜と更に積層する場合のシリコーン樹脂層との接着性
が不足する。
【0021】水性塗液は通常、固形分濃度が1〜30重
量%で、特に2〜20重量%で使用することが好まし
い。尚、水性塗液には少量の有機溶剤が含まれていても
よい。
【0022】[塗膜の塗設]本発明においては、ポリエ
ステルフイルムの少なくとも片面に、前記水性塗液を塗
布し、加熱乾燥、延伸することにより塗膜を塗設する
が、水性塗液の塗布方法としては、公知の任意の塗工法
が適用でき、例えばグラビアコート法、リバースロール
コート法、ダイコート法、キスコート法、リバースキス
コート法、オフセットグラビアコート法、マイヤーバー
コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エ
アーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単
独または組み合わせて適用することができる。水性塗液
のWET塗布量は走行しているフイルム1m2 当り1〜
20g、特に2〜12gが好ましい。塗布量がこの範囲
にあると乾燥が容易になり、かつ塗布斑が生じ難いので
好ましい。
【0023】本発明で水性塗液を塗布するポリエステル
フイルムとは、例えばポリエステルを熱溶融せしめ、そ
のままフイルム状とした未延伸フイルム;未延伸フイル
ムを縦方向(長手方向)または横方向(幅方向)の何れ
か一方に延伸せしめた一軸延伸フイルム;縦方向或いは
横方向の一軸延伸フイルムを横方向或いは縦方向に逐次
延伸せしめた(更に延伸可能な)二軸延伸フイルム、ま
たは未延伸フイルムを縦方向および横方向の二方向に同
時延伸せしめた(更に延伸可能な)二軸延伸フイルム;
二軸延伸フイルムを熱固定および/または熱弛緩せしめ
た(更に延伸可能な)二軸延伸熱処理フイルムを挙げる
ことができる。
【0024】かかるポリエステルフイルムの厚さは、未
延伸フイルムでは10〜1000μm、一軸延伸フイル
ムでは2〜500μm、二軸延伸フイルムおよび二軸延
伸熱処理フイルムでは2〜300μmが好ましい。
【0025】水性塗液は前記ポリエステルフイルムのう
ち延伸可能なフイルム、例えば一軸延伸フイルム、特に
縦方向の一軸延伸フイルムに塗布し、乾燥、延伸するこ
とが、塗膜の密着性が強固なものになり、かつ効率良く
積層フイルムを製造できるため好ましい。例えば、ポリ
エステルを熱溶融し、シート状に押出し冷却して未延伸
フイルムとし、この未延伸フイルムを縦方向に延伸して
一軸延伸フイルムとした後、水性塗液を塗布し、乾燥し
つつ横方向に延伸し、必要なら更に縦や横に再延伸した
後熱処理して塗膜を塗設した積層フィルムがつくられ
る。
【0026】塗設した塗膜の厚さは0.005〜3μ
m、特に0.015〜1μmが好ましい。塗膜の厚さが
0.005μmよりも薄いと離型性が不足することがあ
り、1μmを超えると塗膜が削れ易くなることがあるた
め好ましくない。
【0027】[乾燥及び延伸条件]本発明で水性塗液を
塗布した後、乾燥させる温度は70〜130℃とするこ
とが塗液を迅速に乾燥させることができるため好まし
い。この乾燥のための加熱はポリエステルフイルムを延
伸する過程の加熱を兼ねことができる。また、ポリエス
テルフイルムを延伸温度は80〜170℃、熱処理温度
は170〜260℃とすることができる。
【0028】[離型フイルム]本発明の積層フイルム
は、工程離型用または粘着剤保護用の離型フイルムに用
いることができる。尚、工程離型用の離型フイルムと
は、例えば塩化ビニルシートやポリウレタンシート等の
樹脂シートを製造する工程に用いるフイルムであり、例
えば塩化ビニルやポリウレタンゾルの水性液等を離型フ
イルムの表面に塗布し、加熱乾燥して樹脂シートを離型
フイルム上に形成させた後、離型フイルムを剥離して塩
化ビニルシートやポリウレタンシート等を得るために用
いるフイルムをいう。また、粘着剤保護用の離型フイル
ムとは、例えば粘着剤層を表面層に有する粘着テープ等
の表面を保護するために用いるフイルムであり、粘着テ
ープ等を使用する際には離型フイルムを剥離して使用す
る。
【0029】[シリコーン樹脂層]本発明においては、
更に優れた離型性を有する離型フイルムとするため、塗
膜の上に更にシリコーン樹脂を含む離型層を設けること
ができる。このシリコーン樹脂には付加重合或いは縮合
重合により得られるポリジメチルシロキサン系重合体を
用いるが、離型層と塗膜との接着性を良好なものとする
ため、前記ブロック共重合体においてシリコーン系ポリ
マー単位(S)とアクリル系ポリマー単位(A)の重量
比が、S/A≧50/50のポリマーを用いることが好
ましい。
【0030】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。各特性値は下記の方法で測定した。
【0031】1.離型性 ポリエステルフイルムの塗膜塗設面に塩化ビニルゾルを
塗布し、乾燥後、更に塩化ビニル層支持のためにセロテ
ープを貼り付け、塗膜表面と塩化ビニル層とを剥離する
際の剥離力を測定してg/60mm幅で示す。
【0032】2.ベースフイルムへの密着性 積層ポリエステルフイルム2枚を塗膜塗設面と塗膜非塗
設面とが向き合うように重ね合わせ、120g/2cm
2 の荷重下で繰返し摩擦した後に塗膜表面の状態を観察
して下記のランク付けを行う。 A:塗膜表面が殆ど変化していない ……密着性良好 B:塗膜表面が少し削られている ……密着性やや良
好 C:塗膜表面がかなり削られている ……密着性不良
【0033】3.背面転写性 ポリエステルフイルムの塗膜塗設面と非塗設面とを重ね
合わせ5Kg/cm2の荷重を加え、3時間保持した
後、塗膜非塗設面に粘着テープを貼り付け、その剥離強
度(Pa)を測定した。また、ポリエステルフイルムの
塗膜非塗設面同志を重ね合わせた場合について同様に剥
離強度(P0 )を測定した。次いで、P0とPaの値か
ら背面転写度(T)を下記式により求め、背面転写性を
下記の基準により評価した。
【0034】
【数1】T=[(P0 −Pa)/P0 ]×100 A:T≦15 ……背面転写性良好 B:15<T≦30 ……背面転写性やや良好 C:T>30 ……背面転写性不良
【0035】[実施例1]固有粘度0.62のポリエチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを溶融し
て冷却ドラム上にキャストし、次いで縦方向に3.2倍
延伸して一軸延伸フイルムとした。この一軸延伸フイル
ムの片面にメタクリル酸エチル(55モル%)、アクリ
ル酸エチル(26モル%)、アクリル酸ブチル(12モ
ル%)及びアクリル酸ソーダ(7モル%)からなり両末
端にアクリレート基を有する共重合体(A−1;平均分
子量4,980)51重量部と、両末端にアミノ基を有
しカルボン酸ソーダ基(酸価53に相当)を含有するポ
リジメチルシロキサン(S−1;平均分子量2,51
0)49重量部とを付加重合してつくられたアクリル−
シリコーンブロックポリマー(B−1;平均分子量9,
960)82重量%、平均粒径が63nmの酸化珪素5
重量%並びにポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル13重量%からなる組成物の4重量%水性液をキスロ
ールコーターで塗布した。次いで塗布フイルムを104
℃で乾燥後、横方向に4.8倍延伸し、更に214℃で
熱処理して厚さ45μmの積層フイルムをつくった。こ
のフイルムの塗膜厚さは0.04μmであった。この積
層フイルムの特性を表1に示す。
【0036】[実施例2〜8、比較例1〜3]塗液の組
成、塗膜厚さを表1に記載のように変更した以外は実施
例1と同様にして得た積層フイルムの特性を表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】表1の塗膜組成において[B−1]、[B
−2]、[B−3]、[B−4]および[B−5]はそ
れぞれ下記の重合体である。
【0039】[B−1]:メタクリル酸エチル(55モ
ル%)、アクリル酸エチル(26モル%)、アクリル酸
ブチル(12モル%)及びアクリル酸ソーダ(7モル
%)からなり、両末端にアクリレート基を有する共重合
体(A−1;平均分子量4,980)51重量部と、両
末端にアミノ基を有しカルボン酸ソーダ基(酸価53に
相当)を含有するポリジメチルシロキサン(S−1;平
均分子量2,510)49重量部とを付加重合してつく
られたアクリル−シリコーンブロックポリマー(平均分
子量:9,960)。
【0040】[B−2]:上記の共重合体(A−1)6
7重量部と、両末端にアミノ基を有し、カルボン酸ソー
ダ基(酸価41に相当)を含有するポリジメチルシロキ
サン(S−2;平均分子量5,010)33重量部とを
付加重合してつくられたアクリル−シリコーンブロック
ポリマー(平均分子量:15,130)。
【0041】[B−3]:上記の共重合体(A−1)3
3重量部と、両末端にアミノ基を有し、カルボン酸ソー
ダ基(酸価49に相当)を含有するポリジメチルシロキ
サン(S−3;平均分子量4,995)67重量部とを
付加重合してつくられたアクリル−シリコーンブロック
ポリマー(平均分子量:14,985)。
【0042】[B−4]:酸価45のカルボキシル基、
及びエポキシ価1,045のエポキシ基を含有するポリ
ジメチルシロキサンのアルカリ中和Na塩(平均分子
量:9,450)。
【0043】[B−5]:メタクリル酸エチル(71モ
ル%)、アクリル酸メチル(10モル%)、アクリル酸
ブチル(4モル%)、メタクリル酸グリシジル(8モル
%)及びアクリル酸カリウム(7モル%)からなる共重
合体(平均分子量:26,050)33重量部の側鎖
に、カルボン酸カリウム基(酸価44に相当)を含有す
るポリジメチルシロキサン鎖(平均分子量:4,21
0)を67重量部グラフト共重合させた重合体。
【0044】
【発明の効果】本発明の積層フイルムは、アクリル系ポ
リマーとシリコーン系ポリマーとがブロック状に結合し
ているブロック共重合体を塗膜の成分として用いるた
め、アクリル系ポリマー鎖により塗膜とベースフイルム
との密着性が優れたものとなり、シリコーン系ポリマー
鎖により塗膜の離型性やシリコーン樹脂層との接着性が
優れたものとなる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 55/12 7639−4F B32B 7/06 27/08 27/30 A 27/36 C08J 7/04 CFD F // B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、アクリル−シリコーンブロックポリマーを含む水性
    塗液を塗布し、乾燥、延伸してつくられた塗膜が設けら
    れている積層フイルム。
  2. 【請求項2】 工程離型用または粘着剤保護用の離型フ
    イルムに用いる請求項1記載の積層フイルム。
  3. 【請求項3】 塗膜の上に更にシリコーン樹脂を含む離
    型層を設けた離型フイルムに用いる請求項1記載の積層
    フイルム。
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