JP4553345B2 - 導電性粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性粉末に関し、詳しくは、例えば、紙、プラスチック、ゴム、樹脂、塗料等に混入してこれらに導電性を付与する、酸化錫層が実質的にアンチモンを含まない導電性粉末に関するものである。
近年、用途により、プラスチックにも導電性が求められてきている。例えば、ハウジング内の電気部品を大きな電磁界から遮蔽したり、帯電した部品を放電させたりする場合、ハウジング等に用いられるプラスチックは導電性のものであることが好ましい。このようにプラスチックに導電性を付与する方法としてはポリマーに導電性粉末を添加する方法が知られており、導電性粉末としては、例えば、金属粉末、カーボンブラック、アンチモン等をドープした酸化錫粉末等が知られている。
しかし、金属粉末やカーボンブラックをポリマーに添加すると得られるプラスチックが黒色になり、プラスチックの用途が限定されるため好ましくない。また、アンチモン等をドープした酸化錫粉末をポリマーに添加したものを用いると、導電性が高いためこの点では好ましいが、プラスチックが青黒色に着色するためカーボンブラック等と同様にプラスチックの用途が限定されると共に、アンチモン自体に毒性が懸念されるため、使用することが好ましくない。
これに対し、特許文献1(特許第2994020号公報)には、二酸化チタン等の粒子表面に、酸化スズの水和物からなる被覆層を形成され、得られた被覆処理物を非酸化性雰囲気中250〜600℃で加熱処理する導電性二酸化チタン粉末の製造方法が開示されている。該方法によれば、得られる導電性二酸化チタン粉末は、白色度に優れ、毒性の危惧がないものとなる。
特許第2994020号公報(第1頁)
しかしながら、上記導電性二酸化チタン粉末は、粉体抵抗が低くてもせいぜい580Ω・cm程度であり、プラスチックの導電性を向上させるためには、粉体抵抗をさらに向上させることが望まれている現状では、導電性が十分に高いとはいえない。従って、本発明の目的は、導電性及び白色度に優れ、毒性の危惧がない導電性粉末を提供することにある。
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、芯材の表面に酸化錫層が形成された導電性粉末であって、前記酸化錫層が実質的にアンチモンを含まず、且つ、前記導電性粉末は粉体pHが1.5〜4であるもの、又は酸化錫からなる導電性粉末であって、実質的にアンチモンを含まず、且つ、粉体pHが1.5〜4であるものは、導電性及び白色度に優れ、毒性の危惧がないことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明(1)は、芯材の表面に酸化錫層が形成された導電性粉末であって、前記酸化錫層が実質的にアンチモンを含まず、前記導電性粉末は粉体pHが1.5〜4且つ残留塩分が0.7〜300μmol/gであることを特徴とする導電性粉末を提供するものである。
また、本発明(2)は、本発明(1)において、前記芯材の材質が、硫酸バリウム、二酸化チタン、アルミナ又は二酸化珪素であることを特徴とする導電性粉末を提供するものである。
また、本発明(3)は、酸化錫からなる導電性粉末であって、実質的にアンチモンを含まず、粉体pHが1.5〜4且つ残留塩分が0.7〜300μmol/gであることを特徴とする導電性粉末を提供するものである。
また、本発明(4)は、本発明(1)〜(3)において、体積抵抗率が100Ω・cm未満であることを特徴とする導電性粉末を提供するものである。
本発明に係る導電性粉末は、白色度が高いため樹脂、塗料等に添加しても導電性粉末自体の色で着色し難く、アンチモンを実質的に含まないため毒性の危惧がなく、導電性が高い。
本発明に係る導電性粉末は、第1の実施の形態が、芯材の表面に酸化錫層が形成された導電性粉末であって、前記酸化錫層が実質的にアンチモンを含まず、前記導電性粉末は粉体pHが1.5〜4且つ残留塩分が0.7〜300μmol/gである導電性粉末であり、第2の実施の形態が、酸化錫からなる導電性粉末であって、実質的にアンチモンを含まず、粉体pHが1.5〜4且つ残留塩分が0.7〜300μmol/gである導電性粉末である。
(本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態)
まず、本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態について説明する。本形態で用いられる芯材は、その表面に酸化錫層を形成することが可能な実質的に粒状、フレーク状又は針状の芯材である。芯材の材質としては、例えば、硫酸バリウム、二酸化チタン、アルミナ、二酸化珪素、雲母、タルク、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛(ZnO)及びチタン酸アルカリ金属塩等が挙げられる。
芯材は、粒度D50が通常0.01〜100μm、好ましくは0.1〜10μmである。芯材の粒径が該範囲内にあると、酸化錫層を形成して得られる導電性粉末の粒度が樹脂等中に分散し易いものとなるため好ましい。本明細書において粒度D50とは、レーザー回折散乱法で求められる体積平均粒径をいう。
芯材は、比表面積が通常0.1〜150m/g、好ましくは10〜50m/gである。芯材の比表面積が該範囲内にあると、酸化錫層を形成して得られる導電性粉末の粒度が樹脂等中に分散し易いものとなるため好ましい。一方、該比表面積が0.1m/g未満であると、導電性粉末の粒子が大きいことから塗料化したときに均一な塗膜を得られ難いため好ましくない。また、該比表面積が150m/gを超えると、酸化錫の粒径と同じ大きさに近くなることから密着性の良いコート層を形成し難くなるため好ましくない。
本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態は、上記芯材の表面に酸化錫層が形成される。酸化錫層は、酸化錫SnOの微粒子が芯材の表面を実質的に隙間なく被覆して形成される表面が略平滑な層であって、実質的にアンチモンを含まないものである。なお、本明細書において実質的にアンチモンを含まないとは、アンチモンを不純物として含まないことを意味し、具体的には酸化錫層中のアンチモンの含有量が重量基準で1000ppm未満であることを意味する。第1の実施の形態の導電性粉末は、このように実質的にアンチモンを含まないため、毒性の危惧がないものとなる。
本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態は、導電性粉末中における前記酸化錫層の含有量が、通常10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%である。上記含有量が該範囲内にあると、導電性粉末の導電性が高いと共に、芯材と酸化錫層との結合が比較的強く導電性粉末を樹脂等に混練しても酸化錫層が剥離し難いものとなるため好ましい。一方、上記含有量が10重量%未満であると、酸化錫の量が少なく、導電性粉末の導電性が不十分になり易いため好ましくない。また、上記含有量が90重量%を超えると、導電性粉末の凝集が強くなり、塗膜の平滑性が失われることによりコート粉のメリットがなくなり易いため好ましくない。
本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態は、粉体pHが通常1.5〜4、好ましくは2〜4である。本発明において粉体pHとは、JIS K5101で規定される水性スラリーのpH値を意味し、具体的にはJIS K5101で用いられる顔料の水性スラリーにおいて顔料を導電性粉末として測定したものである。粉体pHが該範囲内にあると、体積抵抗率が100Ω・cm未満になり、しかも体積抵抗率の値のばらつきが少なくなり易いため好ましい。一方、粉体pHが1.5未満であると、強酸性となり、塗料成分や樹脂等を劣化させ易いため好ましくない。また、粉体pHが4を超えると、体積抵抗率が100Ω・cmを超え易いため好ましくない。
本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態は、残留塩分が通常0.7〜300μmol/g、好ましくは1〜200μmol/g、さらに好ましくは10〜100μmol/gである。残留塩分が該範囲内にあると、低抵抗であり、凝集の少ない粉体が得られ易いため好ましい。一方、残留塩分が0.7未満であると、抵抗が大きくなり易いため好ましくない。また、残留塩分が300を超えると、凝集が強くなり塗膜が平滑でなくなり易いため好ましくない。
本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態は、粒度D50が通常0.01〜100μm、好ましくは0.05〜50μm、さらに好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは0.2〜3.5μmである。導電性粉末の粒径が該範囲内にあると、樹脂等中に分散し易いものとなるため好ましい。
本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態は、比表面積が通常1〜300m/g、好ましくは5〜200m/g、さらに好ましくは10〜100m/gである。導電性粉末の比表面積が該範囲内にあると、樹脂等中に分散し易いものとなるため好ましい。一方、該比表面積が1m/g未満であると、導電性粉末の粒子が大きいことから塗料化したときに均一な塗膜を得られ難いため好ましくない。また、該比表面積が300m/gを超えると、酸化錫の粒径と同じ大きさに近くなることから密着性の良いコート層を形成し難くなるため好ましくない。第1の実施の形態の導電性粉末は、体積抵抗率が通常100Ω・cm未満、好ましくは50Ω・cm未満にあり、導電性が高い。上記本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態は、例えば、下記の導電性粉末の製造方法の第1又は第2の実施の形態により、製造することができる。
(導電性粉末の製造方法の第1の実施の形態)
導電性粉末の製造方法の第1の実施の形態は、芯材を水中に分散させたスラリーに、水溶性錫化合物を添加後、酸又はアルカリを用いて中和反応を行い、前記芯材の表面に酸化錫水和物からなる被覆層が形成された導電性粉末前駆体を生成し、該前駆体を洗浄し、乾燥した後、非酸化性雰囲気中600℃を超え且つ1200℃以下で5〜60分焼成するものである。
本形態では、まず、芯材を水中に分散させてスラリーを調製する。ここで、芯材としては、本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態で用いたものと同様のものを用いることができる。
上記スラリーは、例えば、芯材を水に芯材の粗粒がなくなるまで分散させる方法により得られる。該スラリーの生成に用いる水としては、特に限定されないが、純水等を用いると、不純物含有量の少ない酸化錫水和物を生成することにより、最終的に得られる導電性粉末の塗料分散性が良くなるため好ましい。
上記スラリー中における水と芯材との配合比率は、水1lに対して芯材が、通常10〜100g、好ましくは30〜80gである。上記配合比率が該範囲内にあると、均一な酸化錫被覆層が得られ易いため好ましい。
次に、該スラリーに、水溶性錫化合物を添加する。本形態で用いられる水溶性錫化合物としては、芯材の表面に酸化錫水和物からなる被覆層を形成することができるものであればよく特に限定されないが、例えば、錫酸ナトリウム、四塩化錫等が挙げられる。このうち、錫酸ナトリウム及び四塩化錫は水への溶解が容易であるため好ましい。
また、上記スラリー中における水と水溶性錫化合物との配合比率は、水に対する水溶性錫化合物中のSn濃度が、通常1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%である。上記配合比率が該範囲内にあると、均一な酸化錫被覆層が得られ易いため好ましい。
次に、水溶性錫化合物を添加したスラリーに、酸又はアルカリを用いて中和反応を行う。中和反応を行う方法としては、該スラリーに酸性物質やアルカリ性物質を添加する方法が挙げられる。ここで、酸性物質としては、例えば、硫酸、硝酸、酢酸等が挙げられる。硫酸は、希硫酸であると均一な酸化錫被覆層が得られ易いため好ましい。希硫酸の濃度は、通常10〜50容量%である。また、アルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア水等が挙げられる。このうち、水酸化ナトリウムは濃度を管理し易いため好ましい。
中和を行う際、スラリーのpHは、通常pH0.5〜5、好ましくはpH2.0〜4.0、さらに好ましくはpH2.0〜3.0とする。中和の際のpHを該範囲内にすることにより、水溶性錫化合物をスラリーに溶解して得られた錫酸が酸化錫水和物を生成し、芯材の表面に酸化錫水和物(SnO・nHO)からなる被覆層が形成された導電性粉末前駆体が生成する。
次に、該導電性粉末前駆体を、洗浄水の伝導度が、通常200〜3000μS、好ましくは200〜2000μS、さらに好ましくは200〜1500μS、特に好ましくは400〜1000μSになるまで洗浄する。導電性粉末前駆体の洗浄を3000μSを超えるまで行うと、残留塩分により粒子が凝集してしまい、分散性の良い導電性粉末を得ることが困難になるため好ましくない。また、導電性粉末前駆体の洗浄を200μS未満になるまで行うと洗浄水を大量に用いるため不経済であり、得られる導電性粉末の体積抵抗が高くなり易いため好ましくない。洗浄した導電性粉末前駆体は、脱水濾過後、乾燥させる。乾燥方法としては特に限定されない。
次に、乾燥した導電性粉末前駆体を非酸化性雰囲気中で焼成する。次に、該導電性粉末前駆体を、非酸化性雰囲気中で焼成する。ここで、非酸化性雰囲気としては、例えば、窒素雰囲気、水素を含有した窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等が挙げられる。このうち、水素を含有した窒素雰囲気は、安価であるため好ましい。また、水素を含有した窒素雰囲気の場合、水素の含有量は、通常0.1〜10体積%、好ましくは1〜3体積%である。水素の含有量が該範囲内にあると、酸化錫層について還元によるメタル化をさせずに酸素欠損を形成させ易いため好ましい。
焼成温度としては、通常600℃を超え且つ1200℃以下、好ましくは700〜900℃であり、焼成時間としては、通常5〜60分、好ましくは10〜30分である。焼成条件が、上記範囲内にあると、酸化錫層が焼結することなく、酸化錫層に効率的に酸素欠損を形成させ易いため好ましい。上記の工程を行うことにより、本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態を製造することができる。
(本発明に係る導電性粉末の第2の実施の形態)
次に、本発明に係る導電性粉末の第2の実施の形態について説明する。本発明に係る導電性粉末は、酸化錫(SnO)からなる導電性粉末であって、実質的にアンチモンを含まないものである。本発明に係る導電性粉末の第2の実施の形態は、粉体pHが、本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態と同様の理由により同様の範囲内にある。
本発明に係る導電性粉末の第2の実施の形態は、粒度D50及び比表面積が、本発明に係る導電性粉末の第1の実施の形態と同様の理由により同様の範囲内にある。
本発明に係る導電性粉末の第2の実施の形態は、第1の実施の形態の導電性粉末と同様に、体積抵抗率が通常100Ω・cm未満、好ましくは50Ω・cm未満にあり、導電性が高い。上記本発明に係る導電性粉末の第2の実施の形態は、例えば、下記の導電性粉末の製造方法の第2の実施の形態により、製造することができる。
(導電性粉末の製造方法の第2の実施の形態)
導電性粉末の製造方法の第2の実施の形態は、水中に溶解させた水溶性錫化合物について、酸又はアルカリを用いて中和反応を行い、酸化錫水和物からなる導電性粉末前駆体を生成し、該前駆体を洗浄し、乾燥した後、非酸化性雰囲気中600℃を超え且つ1200℃以下で5〜60分焼成するものである。
本形態では、最初に水溶性錫化合物を水中に溶解させる。ここで用いる水溶性錫化合物及び水としては、上記導電性粉末の製造方法の第1の実施の形態と同様の理由により同様のものを用いることができる。
上記水溶液中における水と水溶性錫化合物との配合比率は、水に対する水溶性錫化合物中のSn濃度を、上記導電性粉末の製造方法の第1の実施の形態と同様の理由により同様の範囲内とする。
次に、水溶性錫化合物の水溶液について、酸又はアルカリを用いて中和反応を行う。ここで中和反応を行う方法、酸性物質及びアルカリ性物質としては、上記導電性粉末の製造方法の第1の実施の形態と同様の理由により同様のものを用いることができる。
また、上記水溶液を中和する際の水溶液のpHは、上記導電性粉末の製造方法の第1の実施の形態のスラリーと同様の理由により、同様の範囲内とする。上記工程を行うと、上記水溶性錫化合物の水溶液中に、酸化錫水和物(SnO・nHO)からなる導電性粉末前駆体が生成する。
上記工程の後、上記導電性粉末前駆体を、洗浄し、乾燥した後、非酸化性雰囲気中で焼成するが、これらの工程は、上記導電性粉末の製造方法の第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
上記本発明に係る導電性粉末は、例えば、紙、プラスチック、ゴム、樹脂、塗料等に混入してこれらに導電性を付与する導電性フィラーとして、また、電池等の電極改質剤として使用することができる。また、上記導電性粉末の製造方法は、上記本発明に係る導電性粉末の製造に使用することができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
(導電性粉末の製造方法の第1の実施の形態)
水3.5lに硫酸バリウム200gを硫酸バリウムの粗粒がなくなるまで分散させてスラリーを生成した。該スラリーにSn含有量41重量%の錫酸ナトリウム576gを投入し、錫酸ナトリウムを溶解させた。該スラリーに20%希硫酸をスラリーのpHが2.5になるまで98分間かけて添加して中和した。該反応液を温水を用いて洗浄した。洗浄は、洗浄水の伝導度が450μSになるまで繰り返した。洗浄終了後は、脱水濾過を行い、濾滓(ケーキ)を回収した。
次に、得られた濾滓を150℃の雰囲気中に15時間放置して、乾燥させた。得られた乾燥ケーキをアトマイザーを用いて解砕し、該解砕物について水素を2体積%含有した窒素ガスを流通させながら、700℃で20分間焼成を行った。
得られた粉末について、被覆率(導電性粉末中における酸化錫層の含有量)、粉体pH、体積抵抗率、粒度D50及び比表面積を下記の方法により測定した。測定結果を表1に示す。
(粉体pH):JIS K5101で規定される水性スラリーのpH値を得られた試料粉体について測定し、これを粉体pHとした。
(体積抵抗率):試料粉体を三菱化学株式会社製ロレスタPAPD−41を用いて500kgf/cmに加圧した状態で、三菱化学株式会社製ロレスタAPを用いた測定値を体積抵抗率として求めた。
(粒度D50):200ccのサンプル容器に試料約0.1gを採り、0.2g/lのヘキサメタリン酸ソーダを10ml添加混合後、純水90mlを添加し、超音波分散機日本精機株式会社製US−300Tにより10分間分散しサンプル液を調整した。日機装株式会社製マイクロトラックHRAを用いて測定した。
(比表面積):ユアサアイオニクス株式会社製モノソーブを用いて測定したBET比表面積を用いた。
洗浄を洗浄水の伝導度が860μSになるまで繰り返し、被覆率が40重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
中和する際のpHを3.5とし、洗浄を洗浄水の伝導度が860μSになるまで繰り返し、被覆率が40重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
中和する際のpHを1.5とし、洗浄を洗浄水の伝導度が1870μSになるまで繰り返し、被覆率が40重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
中和する際のpHを3.0とし、洗浄を洗浄水の伝導度が2680μSになるまで繰り返し、被覆率が80重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
硫酸バリウム200gに代えて二酸化珪素200gを用い、中和する際のpHを2.0とし、洗浄を洗浄水の伝導度が740μSになるまで繰り返し、被覆率が40重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
硫酸バリウム200gに代えて二酸化チタン200gを用い、洗浄を洗浄水の伝導度が1060μSになるまで繰り返し、被覆率が40重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
(導電性粉末の製造方法の第2の実施の形態)
水3.5lにSn含有量41重量%の錫酸ナトリウム576gを投入し、錫酸ナトリウムを溶解させた。該溶解液に20%希硫酸を溶解液のpHが2.5になるまで98分間かけて添加して中和した。該反応液を温水を用いて洗浄した。洗浄は、洗浄水の伝導度が750μSになるまで繰り返した。洗浄終了後は、脱水濾過を行い、濾滓(ケーキ)を回収した。
次に、得られた濾滓を150℃の雰囲気中に15時間放置して、乾燥させた。得られた乾燥ケーキをアトマイザーを用いて解砕し、該解砕物について水素を2体積%含有した窒素ガスを流通させながら、700℃で90分間焼成を行った。
得られた粉末について、実施例1と同様にして、被覆率(導電性粉末中における酸化錫層の含有量)、粉体pH、体積抵抗率、粒度D50及び比表面積を下記の方法により測定した。測定結果を表1に示す。
錫酸ナトリウム576gに代えて四塩化錫518gを用い、20%希硫酸に代えて水酸化ナトリウム水溶液を用い、中和する際のpHを3.0とし、洗浄を洗浄水の伝導度が460μSになるまで繰り返し、以外は実施例8と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
比較例1
中和する際のpHを4.0とし、洗浄を洗浄水の伝導度が140μSになるまで繰り返し、焼成温度を300℃とし、被覆率が40重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
比較例2
中和する際のpHを1.0とし、洗浄を洗浄水の伝導度が4100μSになるまで繰り返し、焼成温度を500℃とし、被覆率が40重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
比較例3
硫酸バリウム200gに代えて二酸化珪素200gを用い、中和する際のpHを4.0とし、洗浄を洗浄水の伝導度が90μSになるまで繰り返し、焼成温度を400℃とし、被覆率が40重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
比較例4
硫酸バリウム200gに代えて二酸化チタン200gを用い、中和する際のpHを3.0とし、洗浄を洗浄水の伝導度が180μSになるまで繰り返し、焼成温度を500℃とし、被覆率が80重量%となるようにした以外は実施例1と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
比較例5
中和する際のpHを4.0とし、洗浄を洗浄水の伝導度が130μSになるまで繰り返し、焼成温度を500℃とした以外は実施例8と同様にして導電性粉末を得た。測定結果を表1に示す。
表1より、粉体pHが1.5未満又は4を超える比較例の導電性粉末は、体積抵抗が高く、導電性が悪いことが判る。
本発明に係る導電性粉末及びその製造方法は、精密電子機器の静電気障害防止、静電気災害の発生防止、防塵等のためのハウジング、建材、繊維、機械部品;電池等の用途に用いることができる。

Claims (4)

  1. 芯材の表面に酸化錫層が形成された導電性粉末であって、前記酸化錫層が実質的にアンチモンを含まず、前記導電性粉末は粉体pHが1.5〜4且つ残留塩分が0.7〜300μmol/gであることを特徴とする導電性粉末。
  2. 前記芯材の材質が、硫酸バリウム、二酸化チタン、アルミナ又は二酸化珪素であることを特徴とする請求項1記載の導電性粉末。
  3. 酸化錫からなる導電性粉末であって、実質的にアンチモンを含まず、粉体pHが1.5〜4且つ残留塩分が0.7〜300μmol/gであることを特徴とする導電性粉末。
  4. 体積抵抗率が100Ω・cm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の導電性粉末。
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