JP2014175174A - 導電性粒子 - Google Patents

導電性粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP2014175174A
JP2014175174A JP2013047096A JP2013047096A JP2014175174A JP 2014175174 A JP2014175174 A JP 2014175174A JP 2013047096 A JP2013047096 A JP 2013047096A JP 2013047096 A JP2013047096 A JP 2013047096A JP 2014175174 A JP2014175174 A JP 2014175174A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin oxide
conductive
mass
conductive particles
sulfur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013047096A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Izeki
博行 井関
Akihiro Nara
昭浩 奈良
Yoshio Mawatari
芳夫 馬渡
Takahiko Sakagami
貴彦 坂上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Mining and Smelting Co Ltd filed Critical Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority to JP2013047096A priority Critical patent/JP2014175174A/ja
Publication of JP2014175174A publication Critical patent/JP2014175174A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

【課題】低温低湿下から高温高湿下までの広い環境条件において導電性が安定している導電性粒子を提供すること。
【解決手段】本発明の導電性粒子は、少なくとも表面域が導電性酸化スズを含み、かつ該導電性酸化スズが存在する部位に硫黄が含まれている。導電性粒子は、芯材からなる中心域と、芯材の表面に形成された前記表面域とを有するものであってもよく、粒子全体が、硫黄が含有された導電性酸化スズを95質量%以上含むものであってもよい。導電性粒子は、導電性酸化スズ100質量部に対する硫黄の含有量が0.1〜5質量部であることが好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性粒子に関する。
従来、プラスチック等の非導電性材料に導電性を付与する方法として、導電性を付与する材料を添加する方法が知られている。このような導電性を付与する材料としては、例えば界面活性剤、金属粉末、カーボンブラック等が知られている。しかし、界面活性剤を例えばプラスチックに添加すると、得られるプラスチックの導電性が温度及び湿度によってばらつくことがある。金属粉末やカーボンブラックをプラスチックに添加すると、得られるプラスチックが黒色になり、プラスチックの用途が限定されることがある。
前記の技術とは別に、アンチモンをドープした酸化スズ粉末を導電性材料として用いることが知られている(例えば特許文献1参照)。しかし、アンチモンをドープした酸化スズ粉末をプラスチックに添加すると、プラスチックが青黒色になり、カーボンブラック等と同様にやはりプラスチックの用途が限定されることがある。またアンチモンの使用に起因する環境負荷の問題もある。
酸化スズにアンチモンをドープすることによる不都合を解消する目的で、ノンドープの酸化スズに酸素欠損を生じさせて、酸化スズの導電性を向上させる技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。同文献には、酸化スズ粉末の表面を有機処理層で被覆することで、導電性の経時的な安定性を高めることについても記載されている。
特開2004−349167号公報 特開2005−330163号公報
しかし、上述した各文献に記載の技術では、導電性粒子の環境安定性を高めることまでは考慮されていない。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消しうる導電性粒子を提供することにある。
本発明は、少なくとも表面域が導電性酸化スズを含み、かつ該導電性酸化スズが存在する部位に硫黄が含まれている導電性粒子を提供するものである。
本発明によれば、低温低湿下から高温高湿下までの広い環境条件において導電性が安定している導電性粒子が提供される。
以下、本発明の導電性粒子を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の導電性粒子は、少なくとも表面域が、SnO2で表される導電性酸化スズを含んでいる。表面域よりも中心側に位置する中心域は、導電性酸化スズを含んで構成されているか、又は導電性酸化スズ以外の物質から構成される芯材からなる。導電性粒子がその中心域に芯材を有する場合、導電性酸化スズを含む表面域は、芯材の表面に形成されている。この場合、導電性酸化スズを含む表面域は、芯材の表面全域を被覆している。表面域は、導電性酸化スズからなっていてもよく、あるいは導電性酸化スズ及びその他の物質を含んで構成されていても良い。
本発明の導電性粒子は、平均一次粒子径が好ましくは0.01μm以上1.0μm以下であり、更に好ましくは0.03μm以上0.9μm以下であり、一層好ましくは0.05μm以上0.8μm以下である。平均一次粒子径がこの範囲であると、導電性粒子が樹脂等の中に分散し易いものとなるので好ましい。一次粒子径は、例えば、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
導電性粒子が、上述した芯材を含んでいる場合、該芯材の材質としては、例えばアルミナ、二酸化チタン、硫酸バリウム、二酸化ケイ素、雲母、タルク、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛(ZnO)及びチタン酸アルカリ金属塩等が挙げられる。特に、アルミナ、二酸化チタン、硫酸バリウム又は二酸化ケイ素を用いることが、導電性粒子の白色度を高める観点及び導電性粒子を樹脂等の中に分散し易くする観点から好ましい。芯材の形状は、その表面に導電性酸化スズを形成することが可能な形状であればよく、導電性粒子の具体的な用途に応じて適宜選択することができる。例えば球状、フレーク状、針状等の形状のものを用いることができる。
芯材の平均粒子径は、上述した導電性粒子の平均一次粒子径、及び導電性粒子の具体的な用途を考慮して適切な値が選択される。例えば芯材はその平均粒子径が好ましくは0.01μm以上1.0μm以下であり、更に好ましくは0.03μm以上0.9μm以下である。芯材の平均粒子径がこの範囲内にあれば、導電性粒子が樹脂等の中に分散し易いものとなるので好ましい。芯材の平均粒子径は、体積基準の累積50%粒子径のことであり、レーザー回折散乱法で求めることができる。
導電性粒子を樹脂等の中に一層分散し易いものとする観点から、芯材は、BET比表面積が2m2/g以上100m2/g以下であることが好ましく、4m2/g以上80m2/g以下であることが更に好ましく、4m2/g以上40m2/g以下であることが一層好ましい。芯材のBET比表面積は、例えば、(株)島津製作所製のモノソーブMS−17を用いて測定することができる。
導電性粒子が、上述した芯材を含んでいる場合、該導電性粒子における導電性酸化スズの含有割合は15質量%以上99質量%以下であることが好ましく、15質量%以上58質量%以下であることが更に好ましく、15質量%以上56質量%以下であることが一層好ましい。導電性酸化スズの含有割合を、この範囲内に設定することによって、導電性粒子の導電性を十分に高いものとすることができる。また、芯材と導電性酸化スズとの密着性を十分なものとすることができる。更に、導電性粒子の分散性を十分なものとすることができる。
本発明の導電性粒子は、導電性酸化スズが酸素欠損型の導電性酸化スズであり、酸化スズ中にドープ元素を実質的に非含有であることが好ましい。このような導電性酸化スズを用いれば、先に背景技術の項で述べたアンチモンをドープした酸化スズのようにプラスチックが青黒色となることなく、導電性粒子の導電性を高めることができるので、導電性の向上と白色度の向上とを両立させることができる。酸素欠損型の導電性酸化スズは、例えば、後述する導電性粒子の製造の際に、水酸化スズを還元焼成することによって得ることができる。なお、ドープ元素を実質的に非含有とは、酸化スズの導電性を高める作用を有する元素を意図して含有させないことを言う。したがって、原料中の不純物や製造工程におけるコンタミネーション等に起因して、導電性酸化スズ中に、酸化スズの導電性を高める作用を有する元素が不可避的に混入している場合には、そのような導電性酸化スズは「ドープ元素を実質的に非含有」のものである。
本発明の導電性粒子は、高い環境安定性を有する。具体的には、本発明の導電性粒子は、低温低湿下から高温高湿下までの広い環境条件において導電性が安定しているものである。本発明者らは、導電性粒子の環境安定性について鋭意検討した結果、驚くべきことに、導電性酸化スズの存在する部位に硫黄が存在することによって、導電性粒子の環境安定性が向上することを見出したものである。ここで言う「硫黄」とは、単体の硫黄及び硫黄を含む化合物の双方を包含する硫黄化学種の総称である。
後述するとおり、導電性粒子における硫黄の存在割合は微量なので、硫黄がどのような形態で存在しているかは明らかではない。本発明者の仮説ではあるが、硫黄は、例えば硫酸塩の形態で、導電性粒子の表面及びその近傍に存在しているのではないかと思われる。硫黄が導電性の環境安定性に寄与する理由としては、前記の硫酸塩が高い保水性を示すことで、低温低湿下から高温高湿下までの広い環境条件においてプロトン伝導が安定することによる可能性が考えられる。導電性粒子に硫黄を含有させるには、例えば、後述するように、導電性粒子の製造時、導電性酸化スズを得るための中和反応に供するスズ化合物含有液に、硫黄を含有する塩を添加したり、この中和反応に、硫酸等の硫黄を含む酸を用いたりすればよい。硫酸を用いる場合には、導電性粒子の表面域を平滑にする観点から希硫酸の形で用いることが好ましい。
導電性粒子がその中心域にTiO2などをはじめとする各種の芯材を含む場合、該導電性粒子は、導電性酸化スズ100質量部に対する硫黄の含有量が0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.15質量部以上4.8質量部以下であることが更に好ましく、0.2質量部以上4.6質量部以下であることが一層好ましい。一方、導電性粒子が芯材を含まず、その全体が、硫黄が含有された導電性酸化スズを含む場合にも、該導電性粒子は、導電性酸化スズ100質量部に対する硫黄の含有量が0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.15質量部以上4.8質量部以下であることが更に好ましく、0.2質量部以上4.6質量部以下であることが一層好ましい。導電性酸化スズ100質量部に対する硫黄の含有量をこの範囲内に設定することで、導電性粒子の環境安定性を十分なものとすることができる。また導電性粒子に硫黄臭が発生することを効果的に防止できる。なお、導電性粒子が芯材を含まず、その全体が、硫黄が含有された導電性酸化スズを含む場合、該粒子における硫黄が含有された導電性酸化スズの割合は95質量%以上であることが好ましい。最も好ましくは、導電性粒子の全体が硫黄が含有された導電性酸化スズからなる。
導電性粒子は、導電性の環境安定性の指標であるRLL/RHHの値が、好ましくは1以上10以下であり、更に好ましくは1以上9以下であり、一層好ましくは1以上8以下である。前記のRLL/RHHの値は、低温低湿環境下における体積抵抗RLL(Ω・cm)と、高温高湿環境下における体積抵抗RHH(Ω・cm)との比であり、例えば、後述する実施例記載の方法によって求めることができる。ここで言う低温低湿とは10℃、20%RHであり、高温高湿とは、35℃、85%RHである。
上述したとおり、本実施形態の導電性粒子は導電性の高いものである。具体的には、本実施形態の導電性粒子は、常温常湿環境下における体積抵抗RNNが、好ましくは1Ω・cm以上1.0×103Ω・cm以下であり、更に好ましくは1Ω・cm以上5.0×102Ω・cm以下であり、一層好ましくは1Ω・cm以上1.0×102Ω・cm以下である。ここで言う常温常湿とは25℃、55%RHである。体積抵抗RNNは、後述する実施例記載の方法によって求めることができる。
次に、本発明の導電性粒子の好ましい製造方法について説明する。ここでは、中心域に芯材を含む導電性粒子の製造を例に挙げて導電性粒子の製造方法を説明する。この製造方法では、芯材を媒体中に分散させたスラリーに、水溶性スズ化合物を添加した後、該スラリーの中和反応を行って芯材の表面を水酸化スズが被覆した導電性粒子の前駆体を生成させ、該前駆体を焼成して導電性酸化スズを生成させる。この製造工程中、前記中和反応の前に、硫黄を含む塩を前記スラリーに添加するか、及び/又は前記中和反応に硫黄を含む酸を用いる。
本製造方法では、まず、芯材を媒体中に分散させてスラリーを調製する。ここで、芯材としては、先に説明したものを用いることができる。また、媒体としては、芯材の種類や、水酸化スズの被覆層を形成するときの反応等に応じて適切な液体が選択される。一般的には水が用いられる。
スラリーにおける媒体と芯材との配合比率は、媒体1リットルに対して芯材が40g以上250g以下、特に60g以上200g以下であることが好ましい。両者の配合比率がこの範囲内にあると、芯材の表面に水酸化スズの均一な被覆層が容易に形成されるからである。
得られたスラリーに、水溶性スズ化合物を添加する。水溶性スズ化合物は、被覆層である水酸化スズの層を形成するための反応物の一つである。水溶性スズ化合物としては、芯材の表面に水酸化スズの被覆層を形成し得るものが用いられる。そのような水溶性スズ化合物としては、スズ酸ナトリウム及び四塩化スズ等が挙げられる。これらの水溶液スズ化合物は水への溶解が容易なので好適に用いられる。
スラリーにおける媒体と水溶性スズ化合物との配合比率は、媒体100質量部に対する水溶性スズ化合物中のSn量が10質量部以上70質量部以下、特に15質量部以上65質量部以下であることが好ましい。両者の配合比率がこの範囲内にあると、芯材の表面に水酸化スズの均一な被覆層が容易に形成されるので好ましい。なお、前記の媒体と前記の水溶性スズ化合物との配合比率は、中和開始時点における配合比率である。
スラリーに、硫黄を含む塩を添加する工程は、水溶性スズ化合物の添加よりも前であってもよく、あるいは後であってもよい。更に、同時であってもよい。硫黄を含む塩としては、各種の硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜硫酸水素塩等を挙げることができる。硫酸塩としては、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。亜硫酸塩としては、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウム等が挙げられる。チオ硫酸塩としては、例えばチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等が挙げられる。亜硫酸水素塩としては、例えば亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素カルシウム、亜硫酸水素アンモニウム等が挙げられる。 これらの塩は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、工業的な入手のし易さの観点から、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウムを用いることが好ましい。
硫黄を含む塩の添加量は、スラリー中に存在するSn量100質量部に対して硫黄を含む塩のS量が0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.15質量部以上4.8質量部以下であることが更に好ましく、0.2質量部以上4.6質量部以下であることが一層好ましい。両者の配合比率がこの範囲内にあると、環境安定性の高い導電性粒子を容易に形成することができる。
次に、水溶性スズ化合物及び硫黄を含む塩を添加したスラリーの中和反応を行う。高い環境安定性を有する導電性粒子を容易に得る観点から、本製造方法では、中和反応に、硫酸等の硫黄を含有する酸を用いることができる。中和反応前に硫黄を含む塩をスラリーに添加している場合は、硫黄を含有しない酸、例えば、硝酸、酢酸等を用いてもよい。また酸を用いる代わりに、中和反応に水酸化ナトリウム、アンモニア水等のアルカリを用いてもよい。
中和を行った状態でのスラリーのpHは、通常0.5以上5以下であり、好ましくは2.0以上4.0以下であり、更に好ましくは2.0以上3.0以下である。中和の際のpHをこの範囲内にすることにより、芯材の表面が水酸化スズで被覆された導電性粒子の前駆体が生成する。
次に、生成した導電性粒子の前駆体を、水で洗浄し、乾燥する。そして、乾燥した導電性粒子の前駆体を焼成する。この場合、酸素欠損型の導電性酸化スズを生成させる場合には、焼成雰囲気として非酸化性雰囲気中を用いることが有利である。非酸化性雰囲気としては、例えば、窒素雰囲気、爆発限界未満の濃度の水素を含有した窒素雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気等が挙げられる。このうち、水素を含有した窒素雰囲気は安価なので工業的観点から好ましい。水素を含有した窒素雰囲気を用いる場合、水素の濃度は、爆発限界未満の濃度である好ましくは0.1体積%以上10体積%以下、更に好ましくは1体積%以上3体積%以下である。水素の濃度がこの範囲内にあると、スズを金属に還元させることなく、酸素欠損を有する導電性酸化スズの被覆層を形成し易いためである。
焼成温度は、好ましくは300℃以上800℃以下、更に好ましくは400℃以上700℃以下である。焼成時間は、好ましくは20分以上120分以下、更に好ましくは40分以上100分以下である。焼成温度及び時間がこれらの範囲内にあると、酸化スズに酸素欠損を生じさせるのに十分であり、かつ凝集を起こし難いからである。この焼成を行うことによって、目的とする導電性粒子が得られる。
このようにして得られた導電性粒子は、例えばその高い環境安定性を利用して、プリンタや複写機関連の帯電ローラー、感光ドラム、トナー、静電ブラシ等の分野、フラットパネルディスプレイ、CRT、ブラウン管等の分野、塗料、インク、エマルジョンの分野等など、幅広い用途に適用できる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。本発明の他の実施形態の導電性粒子としては、例えば、芯材を有さず、粒子全体が導電性酸化スズからなるものであること以外は、前記の実施形態と同様の導電性粒子が挙げられる。このような導電性粒子を製造するには、前記の導電性粒子の製造方法において、芯材を分散させたスラリーに中和反応を行う代わりに、水溶性スズ化合物を溶解させた媒体に、中和反応を行う以外は、前記の製造方法と同様の製造方法を用いればよい。この場合、硫黄を含む塩を用いる場合は、中和反応前の前記の溶液に硫黄を含む塩を添加すればよい。また、媒体の種類、硫黄を含む塩の種類、水溶性スズ化合物の種類、媒体と硫黄を含む塩との配合比率、媒体と水溶性スズ化合物との配合比率、中和に用いる酸やアルカリの種類、焼成条件等は、いずれも、前記の導電性粒子の製造方法と同様である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
本実施例では、芯材表面を導電性酸化スズで被覆した導電性粒子を製造した。芯材である酸化チタン粒子(BET比表面積10m2/g、平均粒径0.19μm)150.0gを、水1500mlに分散させた。得られた分散スラリーを75℃まで加熱した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、分散スラリーのpHを12程度に調整した。pH調整後の分散スラリーに、硫酸ナトリウム(Na2SO4、純度99%)10gを添加した。次いで、スズ酸ナトリウム(Na2SnO3、純度96%)120.0gを水500mlに溶解してなるスズ酸ナトリウム水溶液を全量、分散スラリーに添加した。その後、分散スラリーを30分間攪拌した後、20%硫酸水溶液を90分間かけて添加してpH2.5まで中和した。中和後のスラリーをpH2.5、75℃に保持しながら3時間熟成した。熟成後のスラリーをろ過し、固形分を水で洗浄した後、乾燥した。得られた乾燥物を、横型チューブ炉中で、2体積%H2/N2雰囲気下で500℃、2時間還元焼成して、導電性粒子を得た。得られた導電性粒子は白色のものであった。なお、芯材の平均粒子径及びBET比表面積は、上述の方法によって測定した(以下、実施例2ないし5及び比較例1及び2で用いた芯材についても同様である。)。
〔実施例2ないし5及び比較例1及び2〕
芯材の種類(材質、平均粒子径又はBET比表面積)、硫酸ナトリウム添加量及びスズ酸ナトリウム添加量について、以下の表1記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子を製造した。ただし、実施例4においては、熟成後のスラリーをろ過した後、固形分を洗浄せずに乾燥させた。実施例2ないし5で得られた導電性粒子は白色のものであった。
〔実施例6〕
本実施例は、芯材を用いずに導電性粒子を合成した例である。スズ酸ナトリウム(Na2SnO3、純度96%)120.0gを水500mlに溶解してなるスズ酸ナトリウム水溶液を75℃まで加熱した後、スラリーを30分間攪拌した。その後、20%硫酸水溶液を90分間かけて添加してpH2.5まで中和した。その後は実施例1と同様にして、芯材を含まない導電性粒子を得た。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた導電性粒子について、酸化スズ含有量(質量%)を以下の方法で測定し、また、酸化スズ100質量部に対する硫黄の含有量(質量部)を以下の方法で得た。また、常温常湿環境下における体積抵抗RNN(Ω・cm)、低温低湿環境下における体積抵抗RLL(Ω・cm)及び高温高湿環境下における体積抵抗RHH(Ω・cm)を、以下の方法で測定した。得られたRLLとRHHから、両者の比(RLL/RHH)を算出した。更に、一次粒子径を以下の方法で測定した。それらの結果を以下の表2に示す。
〔酸化スズ含有量及び硫黄含有量〕
酸化スズの含有量は、硫酸カリウム含有の硫酸と硝酸の混合溶媒を用いて導電性粒子を溶解し、その溶液についてICPを用いてスズを定量し、スズの量をSnO2の量に換算して求めた。硫黄の含有量は、酸素気流中、導電性粒子を700℃で燃焼させ、発生したガス中に含まれる硫黄量をガス分析計により測定した。得られた酸化スズの含有量と、得られた硫黄の含有量とから、酸化スズ100質量部に対する硫黄の含有量(質量部)を算出した。
〔RNN、RLL及びRHH
試料の周囲の環境を、23℃・50%RHの常温常湿環境とし、当該環境下で試料を24時間放置した後、圧力500kgf/cm2で圧縮し、得られたサンプルについて、三菱化学社製ロレスタPAPD−41を用い、四端子法に従い抵抗を測定した。得られた値をRNN(Ω・cm)とした。同様にして、試料の環境を上述した低温低湿環境に設定してRLL(Ω・cm)を測定し、また、試料の環境を上述した高温高湿環境に設定してRHH(Ω・cm)を測定した。得られたRLL及びRHHの値から、両者の比(RLL/RHH)を算出した。
〔一次粒子径〕
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製のJSM−6330F、倍率30000倍)により、粒子形状を観察した。同時に、任意に200個の粒子のフェレ径を計測し、その個数平均値をもって一次粒子径とした。
Figure 2014175174
Figure 2014175174
表2に示す結果から明らかなとおり、各実施例の導電性粒子は、RLL/RHHが各比較例の導電性粒子に比べて著しく低く、抵抗の環境安定性が高いことが判る。

Claims (8)

  1. 少なくとも表面域が導電性酸化スズを含み、かつ該導電性酸化スズが存在する部位に硫黄が含まれている導電性粒子。
  2. 芯材からなる中心域と、芯材の表面に形成された前記表面域とを有する請求項1に記載の導電性粒子。
  3. 導電性酸化スズの含有割合が15質量%以上99質量%以下である請求項2に記載の導電性粒子。
  4. 前記芯材が、アルミナ、二酸化チタン、硫酸バリウム又は二酸化ケイ素からなる請求項2又は3に記載の導電性粒子。
  5. 導電性酸化スズ100質量部に対する硫黄の含有量が0.1質量部以上5質量部以下である請求項2ないし4のいずれか一項に記載の導電性粒子。
  6. 粒子全体が、硫黄が含有された導電性酸化スズを95質量%以上含むものである請求項1に記載の導電性粒子。
  7. 導電性酸化スズ100質量部に対する硫黄の含有量が0.1質量部以上5質量部以下である請求項6に記載の導電性粒子。
  8. 導電性酸化スズが、ドープ元素を実質的に非含有である酸素欠損型の導電性酸化スズである請求項1ないし7のいずれか一項に記載の導電性粒子。
JP2013047096A 2013-03-08 2013-03-08 導電性粒子 Pending JP2014175174A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013047096A JP2014175174A (ja) 2013-03-08 2013-03-08 導電性粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013047096A JP2014175174A (ja) 2013-03-08 2013-03-08 導電性粒子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014175174A true JP2014175174A (ja) 2014-09-22

Family

ID=51696200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013047096A Pending JP2014175174A (ja) 2013-03-08 2013-03-08 導電性粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014175174A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023136283A1 (ja) * 2022-01-13 2023-07-20 石原産業株式会社 被覆酸化アルミニウム粒子及びその製造方法、並びにその用途

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005108731A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 導電性粉末
JP2005330163A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 導電性酸化錫粉末、その製造方法、導電性ペースト及び導電性塗料

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005108731A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 導電性粉末
JP2005330163A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 導電性酸化錫粉末、その製造方法、導電性ペースト及び導電性塗料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023136283A1 (ja) * 2022-01-13 2023-07-20 石原産業株式会社 被覆酸化アルミニウム粒子及びその製造方法、並びにその用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4801617B2 (ja) 導電性酸化亜鉛粒子及びその製造方法
JP2009199776A (ja) 白色導電粉末とその製造方法および用途
JPWO2008056744A1 (ja) 光触媒活性を示すコーティング剤の製造方法およびこれにより得られるコーティング剤
WO2012091021A1 (ja) 白色導電性粉末、導電性混合粉末、分散液、塗料、及び膜組成物
JP4904575B2 (ja) 表面改質透明導電性酸化スズ微粉末とその製造方法およびその分散体
WO2004089829A1 (ja) 複合化酸化インジウム粒子およびその製造方法ならびに導電性塗料、導電性塗膜および導電性シート
JP5400306B2 (ja) 白色導電粉末およびその用途
JP2014175174A (ja) 導電性粒子
JP5977603B2 (ja) 白色導電性粉末、その分散液、塗料、及び膜
JP5051566B2 (ja) 透明導電性微粉末とその製造方法、および分散液、塗料
JP5289077B2 (ja) 針状酸化錫微粉末およびその製造方法
JP5514436B2 (ja) 酸化錫層を有する白色導電性粉末の製造方法
JP6952051B2 (ja) 赤外線遮蔽材、及び酸化スズ粒子の製造方法
JP5674354B2 (ja) 導電性針状酸化アンチモン錫微粉末およびその製造方法
JP5209877B2 (ja) 硫化銅粉、硫化銅粉の製造方法及びその硫化銅粉を用いて得られる帯電防止機材
JP5644877B2 (ja) 光触媒粒子の分散液の製法
JP2016157672A (ja) 導電性粒子及びそれを含む導電性組成物
JPH08329735A (ja) 導電性粉末及びその製造方法
Rajeshwari et al. Synthesis and Characterization of Nanosize Poly (p-phenylenediamine) in the presence of Benzalkonium Chloride
JP6200814B2 (ja) リンを含む酸化スズ粒子及びリンを含む酸化スズゾルの製造方法
JP2010157447A (ja) 酸化錫層を有する白色導電性無機粉末とその製造方法
JP2010157446A (ja) 導電性酸化錫粉末とその製造方法、および用途
JP3394556B2 (ja) 導電性硫酸バリウムフィラー及びその製造方法
JP5977602B2 (ja) 白色導電性粉末、その分散液、塗料、及び膜
JP6577327B2 (ja) 導電性粒子及びそれを含む導電性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151210

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170117

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170704