JPH11100216A - 屈折率分布型光学素子とその製造方法 - Google Patents

屈折率分布型光学素子とその製造方法

Info

Publication number
JPH11100216A
JPH11100216A JP10168414A JP16841498A JPH11100216A JP H11100216 A JPH11100216 A JP H11100216A JP 10168414 A JP10168414 A JP 10168414A JP 16841498 A JP16841498 A JP 16841498A JP H11100216 A JPH11100216 A JP H11100216A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
barium
gel
optical element
distribution
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10168414A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuko Morita
祐子 森田
Hiroaki Kinoshita
博章 木下
Satoshi Noda
野田  聡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP10168414A priority Critical patent/JPH11100216A/ja
Priority to US09/124,007 priority patent/US6174828B1/en
Publication of JPH11100216A publication Critical patent/JPH11100216A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B3/00Simple or compound lenses
    • G02B3/0087Simple or compound lenses with index gradient
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/12Other methods of shaping glass by liquid-phase reaction processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C1/00Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels
    • C03C1/006Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels to produce glass through wet route
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/078Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing an oxide of a divalent metal, e.g. an oxide of zinc
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/06Doped silica-based glasses
    • C03B2201/30Doped silica-based glasses doped with metals, e.g. Ga, Sn, Sb, Pb or Bi
    • C03B2201/40Doped silica-based glasses doped with metals, e.g. Ga, Sn, Sb, Pb or Bi doped with transition metals other than rare earth metals, e.g. Zr, Nb, Ta or Zn
    • C03B2201/42Doped silica-based glasses doped with metals, e.g. Ga, Sn, Sb, Pb or Bi doped with transition metals other than rare earth metals, e.g. Zr, Nb, Ta or Zn doped with titanium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/06Doped silica-based glasses
    • C03B2201/30Doped silica-based glasses doped with metals, e.g. Ga, Sn, Sb, Pb or Bi
    • C03B2201/54Doped silica-based glasses doped with metals, e.g. Ga, Sn, Sb, Pb or Bi doped with beryllium, magnesium or alkaline earth metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2203/00Fibre product details, e.g. structure, shape
    • C03B2203/10Internal structure or shape details
    • C03B2203/22Radial profile of refractive index, composition or softening point

Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率差が大きく、色収差が小さな、光学機
器での利用に好適な屈折率分布型光学素子を得る。 【解決手段】 SiO2、BaO、TiO2を必須成分と
する径方向に屈折率分布を有する屈折率分布型光学素子
において、径方向の中心でのケイ素に対するバリウムの
モル比がBa/Si≧0.4である屈折率分布型光学素
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ・顕微鏡・
内視鏡等の光学レンズとして使用する屈折率分布型光学
素子、およびその製造に関する。
【0002】
【従来の技術】屈折率分布型光学素子(以下、GRIN
レンズとも称す)は、レンズ媒質中の屈折率分布によっ
てレンズ作用を持つ新しい光学素子であり、レンズ面で
の屈折に加えレンズ媒質中での光線の屈曲をも利用する
ことで、従来にとない収差補正能力を持っている。特に
半径方向に屈折率分布を持ったラジアル型屈折率分布型
光学素子(r−GRIN)は、像面湾曲や色収差など、
非球面レンズでさえも補正不可能な収差の補正が可能で
あって、次世代の光学素子として注目されている。
【0003】GRINレンズの持つ特徴は、色収差が補
正できることにあり、カメラや顕微鏡のような白色光源
下で使用するレンズ系において有効である。色収差を補
正する特性は、低分散分布または負分散分布と呼ばれる
特性であり、概略的には、素子の径方向の屈折率変化
が、高屈折率・低分散から低屈折率・高分散に変化する
特性である。このような特性を有するGRINレンズの
元素構成が特開平3−141302号公報、特開平5−
88003号公報、特開平6−263474号公報等に
開示されている。分散分布の特性は、V10(=Nd10
(NF10 −NC10))という媒質のアッベ数で示され
る。媒質のアッベ数は、正の数値が小さいほど媒質中で
大きな色収差が発生することを意味し、このような特性
を高分散分布特性と称されている。
【0004】V10が正の大きな値をとる場合は媒質中で
発生する色収差が少なく、低分散分布と称されている。
10が無限大になったとき、色収差は全く発生しない零
分散分布を示す。さらに負の値をとる場合を負分散分布
と称されている。負分散分布の場合でも、負の値が大き
いほど発生する色収差は少なく、負の値が小さいほど発
生する色収差は大きくなるが、発生する色収差の方向が
正の値をとる高分散分布・低分散分布の場合と異なり、
赤のように波長の長い光ほど光が大きく屈折し、青のよ
うに波長の短い光ほど屈折量は少なくなる。このような
色収差は、従来のガラスレンズでは生じない特異な現象
であり、光学系の構成に新たな可能性を開くレンズ材料
である。とくに、色収差の発生が少ない低分散分布と、
通常とは逆方向の色収差が発生する負分散分布とを有し
た屈折率分布型光学素子が有効である。
【0005】また、GRINレンズの特性は、媒質中で
色収差が発生しないことが重要であると共に、媒質での
光の屈曲量を決める光軸上と周辺部の屈折率差:Δnが
大きいことが重要である。Δnが大きいほどGRINレ
ンズ媒質内での光線の屈曲は大きくなり、GRINレン
ズの単位長さ当たりのレンズ作用が大きくなることか
ら、レンズの長さを短くすることが可能となり、レンズ
系の小型化が実現でき、大きな屈折力を利用することで
レンズ系の画角を広くするなどの高性能化が可能とな
る。ΔnはGRINレンズの屈折率分布を付与するドー
パントの中心と周辺の濃度差によって形成されるので、
Δnの大きなGRINレンズを得るためには、ドーパン
トに大きな濃度差を形成することが必要である。
【0006】また、このような特性を示すガラスを工業
的に大規模に安定して安価に供給することができるガラ
ス組成として、SiO2−BaO−TiO2−K2O系 が
特開平6−1570698号公報に開示されている。し
かし、開示されているガラス組成は、ガラスとしては安
定しており、大量生産に適しているが、Δnを0.02
程度以上に大きくするのは困難であった。この系は、S
iO2 −BaO−TiO2−K2O系であるので、屈折率
分布を決めるドーパントはバリウム成分であり、バリウ
ムに大きな濃度分布を付与することが難しく、現在開示
されている組成範囲でのΔnの大きさには限界があっ
た。Δnが大きくならない原因は、中心部と周辺部での
バリウム濃度差が充分でないからであり、その原因をさ
らに詳細に調べると、特に周辺部のバリウムの濃度を低
下させることが難しいために中心部と周辺部でのバリウ
ムの濃度差を十分にとれないことにある。
【0007】バリウムへの濃度分布の付与は、ゲルをア
ルコールなどの溶媒に一定時間浸漬することによって、
ゲル内に予め存在するバリウムを浸漬液中に拡散して溶
出させる方法によって行われているので、周辺部のバリ
ウムの濃度を低下させることが難しいものと推測され
る。バリウムの拡散溶出は、ゲル内のバリウム濃度とゲ
ルを浸漬する処理液中のバリウム濃度との差によって行
われるが、ゲルを浸漬する処理液が有限量であるため、
処理液中のバリウム濃度はゲルから溶出したバリウム成
分によって上昇し、やがてゲル内外の濃度差がなくなり
拡散が停止する方向に動く。したがって、ゲル周辺のバ
リウム濃度は浸漬液中のバリウム濃度より低下させるこ
とはできない。 一方、浸漬液中に溶出したバリウム成
分を連続的に取り除く方法も考えられるが、浸漬液中か
らバリウム成分を取り除く方法は、浸漬処理における不
安定な要素となるので、ゲル内のバリウム濃度分布を再
現性良く、しかも厳密に制御するためには現実的ではな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光学機器へ
の適用において有効である低分散分布と負分散分布を有
し、△nが大きな屈折率分布型光学素子材料を、安定し
た品質で容易に提供することを課題とするものであり、
とくにバリウム成分に濃度分布を有した品質の優れた屈
折率分布型光学素子材料を提供することを課題とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、SiO2、B
aO、TiO2を必須成分とする径方向に屈折率分布を
有する屈折率分布型光学素子において、径方向の中心で
のケイ素に対するバリウムのモル比がBa/Si≧0.
4である屈折率分布型光学素子である。径方向でのケイ
素に対するチタン濃度がモル比でTi/Si≧0.2の
範囲の一定の値である屈折率分布型光学素子である。径
方向のケイ素に対するチタンのモル比がTi/Si≧
0.2の範囲で濃度分布を有していない前記の屈折率分
布型光学素子である。周辺部のバリウム元素比と中心部
のバリウム元素比の差ΔBaと周辺部のチタン元素比と
中心部のチタン元素比の差ΔTiの比が(ΔTi/ΔB
a)≦0.15である前記の屈折率分布型光学素子であ
る。
【0010】また、ゾルゲル法による屈折率分布型光学
素子の製造方法において、ケイ素に対するバリウムのモ
ル比がBa/Si≧0.4であるウェットゲルの周辺部
からバリウム成分を溶出させる屈折率分布型光学素子の
製造方法である。ゾルゲル法による屈折率分布型光学素
子の製造方法において、ケイ素に対するバリウムのモル
比がBa/Si≧0.4となる比率で原料を攪拌混合し
た後にゲル化し、このウェットゲルに濃度分布を付与し
た後に、ゲル化し濃度分布を付与した後にガラス化する
屈折率分布型光学素子の製造方法である。ゾルゲル法に
よる屈折率分布型光学素子の製造方法において、ケイ素
に対するバリウムのモル比がBa/Si<0.4である
ウェットゲルにモル比がBa/Si≧0.4となるまで
バリウム成分を含浸し、その後周辺部からバリウム成分
を溶出させる屈折率分布型光学素子の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、屈折率分布型光学素子
として、径方向の中心部のバリウム濃度を高濃度とする
ことで、従来の問題であったバリウム成分についての中
心と外周部の濃度差を大きくしたものである。すなわ
ち、径方向の中心軸でのバリウムのケイ素に対する濃度
をモル比でBa/Si≧0.4として、中心部のバリウ
ム濃度を大きくしたことによって、周辺部のバリウム濃
度を十分に低下しなくても濃度差を大きくすることがで
きるのでΔnを大きくすることが可能となる。中心部の
バリウム濃度を大きくすると、単に中心部と周辺部での
バリウムの濃度差を大きくすることができるのみではな
く、光軸上の屈折率が高くなるため、レンズ面での光の
屈折が大きくなるという利点も同時に生じる。バリウム
濃度(Ba/Si)が0.4以下の場合には、Δnはほ
ぼ0.02が限界値であるが、中心部のバリウム濃度
(Ba/Si)を0.4以上にすることによってさらに
大きなΔnを有する屈折率分布型光学素子が得られるの
で、光軸上の屈折率が高くなるという効果と相まって、
光学系の小型化・高性能化に大きく貢献することができ
る。
【0012】分散分布が零近辺から負の領域すなわち負
分散分布では、特に大きなΔnを実現するのが難しい
が、Ba/Si値を大きくすることで、実用になる程度
のΔnの実現が可能である。特に負分散分布領域、すな
わちV10値が負の領域では、従来Δnを0.01以上に
することは困難であったが、本発明によりΔnを0.0
2前後まで大きくすることが可能になる。
【0013】また、従来、屈折率分布型光学素子におい
ては、ガラス組成の調製によって色収差の低減は可能で
あったが、屈折率分布型光学素子の表面を曲面研磨加工
して、レンズ媒質内の屈折率分布による光線の屈折に加
えて、レンズ表面での屈折作用を併用した場合には、レ
ンズ表面での屈折によって色収差が生じる。この様な色
収差を本発明の屈折率分布型光学素子においては、ケイ
素中のチタンの濃度を径方向でTi/Si≧0.2の均
一な値としたことによって色収差の低減を行うものであ
る。
【0014】色収差補正の目的でチタンを径方向にシリ
コンに対する濃度を一定量としてドープすることは、特
開平6−1570698号公報等に記載されているが、
ゲルの処理過程においてチタンが外周部より溶出し、チ
タンの成分にわずかな凸分布が付与された場合には、従
来のようにチタンの濃度が小さい場合には、色収差が大
きく発生してしまうことが明らかとなった。とくに、チ
タンにわずかな凸分布が付与された場合には平坦な分布
よりもより多くのチタンを含有させる必要がある。
【0015】Ti/Si≧0.2である組成域では、若
干量のチタンに凸分布が生じたとしても低分散分布や負
分散分布を有する屈折率分布型光学素子を得ることが可
能である。中心部におけるチタンの濃度が大きいときほ
どチタンの凸状濃度分布が大きくてもこれらの分散分布
特性を得ることができる。チタンの凸分布の程度は、バ
リウムの凸分布との大きさの比の値を目安にすることが
有効である。チタンの凸分布の大きさは周辺部Ti/S
i比と中心部Ti/Si比の差ΔTiを用いて表し、バ
リウムの凸分布の大きさは周辺部Ba/Si比と中心部
Ba/Si比の差ΔBaを用いて表わす。中心部の組成
がTi/Si≧0.2である屈折率分布型光学素子で
は、ΔTi/ΔBa≦0.15となるときに低分散分布
の光学特性が得られる。より、好ましくはΔTi/ΔB
a≦0.10である。また、中心部の組成がTi/Si
≧0.3である場合には、ΔTi/ΔBa≦0.20と
なるときに低負分散分布の光学特性が得られる。また、
チタンの凸状の濃度分布は、分散分布特性のみならず屈
折率差を大きくする効果もあるので、バリウムの凸分布
による屈折率差に加えて屈折率差を大きくする利点を得
られる。
【0016】屈折率分布型光学素子の製造工程における
処理工程でのチタンの溶出を皆無とすることは難しく、
処理工程の条件設定の選択幅を減らすことになる。そこ
で、逆にチタンの凸状濃度分布を適当な範囲内で許容す
ることは、処理工程の条件の設定の幅を広げることにな
るので製造工程からみても好都合である。
【0017】屈折率分布型光学素子での光の屈曲を決定
するバリウム成分と、色収差を決めるチタン成分とは、
基本的に別個の濃度分布であり、それらは相互に独立し
て作用する組成構成を採っているため、それぞれに対し
て最適になるような分布条件とすることで、特性の両立
ができるという大きな特徴がある。そして、これらの2
つの特性が両立した屈折率分布型光学素子では単レンズ
で十分な結像性能を持つという特別な効果がある。
【0018】一般にチタン量を増すほど分散分布は低分
散分布から負分散分布に変化するが、Δnは小さくなる
傾向にあるため、Δnを大きくするためにはチタン量が
多いほどバリウム量をも多くする必要がある。しかしな
がら、両成分があまりに多くなると、ガラス骨格を形成
するシリコンが相対的に少なくなるためにガラス化が困
難になったり、熱的・化学的な耐久性が悪くなるために
実用性が乏しくなる傾向にある。ガラスの安定性から
は、(Ba+Ti)/Si<1.2程度が実用的な範囲
と考えられるが、より安定な領域としては(Ba+T
i)/Si<1.1である。さらに、Si含有量が多い
ほど安定性は増すが、光学的な能力が低くなる傾向にあ
る。ただし、光学的能力は使用する光学系によってその
要求仕様が異なるので、明確な下限を示すことは困難で
ある。
【0019】また、本発明の成分を有するガラスは、あ
らかじめゲル中のバリウム濃度がBa/Si≧0.4で
あるゲルから、バリウム成分を溶出させることによって
製造することができる。ゲル中にバリウムの濃度分布を
付与するにあたって、光学的に利用価値の高い屈折率分
布形状を作製するためには、ゲルを処理液中に浸漬し、
拡散作用によってバリウム成分を溶出させるか、または
ゲルを浸漬する処理液中のカオチンとゲル中のバリウム
イオンを交換させることによってバリウム成分を溶出さ
せる方法が望ましい。そのためには、あらかじめゲル中
のバリウム濃度がBa/Si≧0.4であるゲルを製造
し、ゲルを処理液に浸漬するとよい。
【0020】屈折率分布型光学素子は、屈折率分布形状
がほぼ放物線状のものが、光学的な適用範囲が広いの
で、そのような分布をバリウムの濃度分布においても実
現することが望ましい。バリウム成分を処理液に浸漬し
て溶出させて放物線状の濃度分布を形成する場合には、
中心部の濃度も初期濃度よりいくぶん低下する。中心部
の濃度の低下は、ゲルの形状、必要とする屈折率分布形
状等によって異なるが、初期濃度の80%程度にまで低
下することが多いので、好ましくは、処理前のゲル中に
含ませるバリウムの濃度はBa/Si≧0.6であるこ
とが好ましい。
【0021】このようなバリウムを高濃度に含有したゲ
ルは、Ba/Si≧0.4、好ましくはBa/Si≧
0.6となる比率で原料を攪拌混合しゾルを調整し、こ
のゾルをゲル化させるて得ると良い。ゾルの段階は、各
構成元素が溶液状態で混合されるので、攪拌を十分に行
うことで分子、原子レベルでの均一さを実現することが
可能である。濃度分布を付与する前のゲル中でバリウム
が高濃度で、しかも均一であることは濃度分布付与前の
バリウム濃度に分布が発生せずに好ましい。また、拡散
によってバリウムに濃度分布を付与する際にもゲル内が
実質的に均一なゲル構造であれば再現性も良い。
【0022】しかし、ゾル中に多量のバリウム成分をア
ルコキシドを原料として導入することは、アルコキシド
の低い溶解度のためにほとんど不可能である。また、金
属塩を原料とした場合でもBa/Si≧0.4という濃
度を達成するには多量の溶媒を必要とするので、ゾルの
ゲル化時のゲル強度が小さくなり、ゲルの取り扱い等が
問題となる場合がある。
【0023】具体的には、バリウムを高濃度に含有する
ゲルの調製は、溶媒への溶解度の高い塩化バリウム、硝
酸バリウム、酢酸バリウム等のバリウム塩を原料として
用い、シリコンアルコキシドとチタンアルコキシドとの
混合液に混合することによって調製することができる。
この際に、シリコンアルコキシドと、チタンアルコキシ
ドを安定して混合し反応させるためには予め部分加水分
解して用いると良い。また、用いる溶媒は、バリウム塩
を多量に溶解させるものが良く、水や、メタノール等の
低級アルコール、セロソルブ類、各種のジオール類等が
好ましい。ゲル化に際しては、塩基性が大きな塩を多量
に用いるとゲル化が必要以上に促進されて、ゲル化速度
が大きくなりすぎ、混合物の攪拌を均一に十分に行うこ
とが困難となり、不均一なゲルが形成されて相分離した
ゲルとなったり、光学的な用途には使用することができ
ないような脈理を生じることが避けられない。ゾルの形
成に使用する溶媒量を少なくすることで、ゲルの強度を
高めることが考えられるが、溶媒量が減少すると溶解量
が小さくなるので、バリウムの溶解度を確保するため
に、ゲル化反応に悪影響を及ぼさない程度にバリウム塩
を溶解させる溶媒、あるいはゾルを予め加温しても良
い。
【0024】また、バリウム成分が含まれていないゲ
ル、あるいはバリウム濃度が低いゲルに外部からバリウ
ム成分を導入しても良い。ゲル内のバリウム濃度Ba/
Si≧0.4、好ましくはBa/Si≧0.6になるま
でバリウム成分をゲルに含浸させる製法が有効である。
バリウム成分の導入には、ゲルを浸漬する処理液として
濃度0.1〜2mol/l程度のバリウム塩溶液を用い
ることができる。ゲル中にバリウム成分について濃度分
布を形成させずに均一に導入することが望ましいので、
バリウム成分がゲル内で均一な濃度となるまで充分に長
い時間浸漬することが好ましい。また、高濃度のバリウ
ム成分を含有するゾルからゲルを作製する場合に、ゾル
中で局所的にゲル化反応が進み、結果として均一な成分
のゲルが作製できない現象が生じることがある。この現
象は、ゾル中のバリウム濃度が高いほど顕著である。局
所的なゲル化を防ぐためには、溶媒やpHの条件によっ
てゲル化反応を遅延することが考えられるが、これらの
諸条件は、単にゲル化の速度を変えるだけでなく、得ら
れたゲル構造にも大きな影響があり、ゲルの強度や濃度
分布を形成する際の屈折率に寄与する成分の拡散の状
態、乾燥や焼成での歩留まりなどに影響するため、ゲル
化速度の遅延にも限界がある。そういう場合にも本方法
が有効である。
【0025】また、本方法でゲル化の後に、ゲルに含浸
させたバリウムは、ゲル骨格構造に化学的に取り込まれ
ることはなく、また物理的に骨格構造を作る細孔内に閉
じ込められることもないので、溶出が容易に行われると
いう利点もある。これは、バリウムの周辺部での濃度を
より低減することができることを意味し、より大きなΔ
nを可能にする。いずれの方法でも、バリウム成分に濃
度分布を付与する際に中心のバリウム濃度を必要以上に
低下することは避けなければならず、ゲルから溶出する
バリウム量はできるだけ少なくするのが望ましい。例え
ば、ゲル内の細孔径が中心ほど小さくなるようにして、
中心部のバリウムの溶出を抑制するなどの方法も有効で
ある。この方法では、バリウムが単純な拡散則に依ら
ず、複雑な挙動を示すため、放物線形状を実現する条件
は、いくつかのパラメータによって設定する必要があ
る。
【0026】また、径方向のケイ素に対するチタンのモ
ル比がTi/Si≧0.2の範囲の濃度分布を有してい
ないものとするためには、バリウム成分に対する濃度分
布付与の際に、チタン成分がバリウム成分と同様な作用
で溶出しないことが求められる。例えば、バリウムはゲ
ル骨格間にゲル骨格と結合関係を持たずに存在させるの
に対して、チタンは、ゲル骨格と結合関係を持たせるこ
とで、容易に溶出しないようにすることができる。具体
的には、ゾル調製の際にチタンのみをケイ素の骨格と選
択的に反応させるものであり、ケイ素およびチタンをア
ルコキシドあるいはその誘導体を原料とし、ゾル形成反
応時に直接の化学的結合が形成されるようにし、バリウ
ム成分については、ケイ素との結合関係を形成しないよ
うに、金属塩を原料としたり、あるいはゲルを作製した
後にバリウム成分を含有する液中に浸漬してバリウム成
分を含浸させても良い。
【0027】チタンが凸状の分布であるものとする場合
にも、その凸形状はバリウム成分に比べ小さいので、チ
タン成分の溶出はバリウム成分と同様な作用で溶出しな
いことが望ましい。そのため、基本的にはバリウムがゲ
ル骨格間に存在し、チタンはゲル骨格と結合関係を持た
せておき、チタンとゲル骨格との結合の強度を調整して
おくことにより、チタンをわずかに溶出させることがで
きる。また、液体への浸漬処理工程において、わずかに
骨格結合を切断する作用のある処理液を使用することに
よっても、チタン成分の凸状分布を形成することができ
る。具体的には、チタンとゲル骨格の結合強度の調整の
パラメータとしては、ゾルを調整する際の溶媒の種類や
量、またゾルをゲル化した後の熟成の際の温度や熟成期
間等の条件などが挙げられる。また、浸漬処理工程の溶
液としては、塩酸や硫酸等の薄い酸を含有する処理液を
用いてもよい。
【0028】以上、屈折率分布や分散分布特性に対する
寄与の大きいチタンとバリウムの組成比の構成に関して
述べてきたが、ガラス化促進、焼成温度低減、熱膨張緩
和の効果を得るために、K2O、Na2O等のアルカリ金
属をさらに導入することができる。これらの金属は、ゾ
ル作製時に混合したり、無機塩あるいは有機塩を溶解し
た溶液にゲルを浸漬することにより導入する。これらの
イオンを含む処理液にBa塩を含有するゲルを浸漬する
ことにより、ゲル中のBaの拡散が促進される。
【0029】また、分散分布を調整する成分であるTi
2 は本願の効果を損なわない範囲でTa25あるいは
Nb25と置き換えることができる。置換量の目安とし
ては、TiO2/SiO2比0.1をTa25/SiO2
比で0.05から0.08に相当する量のTa25に置
換したり、あるいはNb25/SiO2比で0.09〜
0.1に相当する量のNb25で置換するのがよい。
【0030】しかし、Ta、Nbのアルコキシドは、T
iアルコキシドに比べ反応の制御が難しいことや、アル
コキシドの価格も高いので、Ti含有量の多いほど、反
応面、コスト面で有利である。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を説
明する。 実施例1 テトラメチルシリケート50mlに0.01規定の塩酸
15mlを加えて1時間攪拌し、部分加水分解反応を行
った。この溶液を攪拌しながら、チタンノルマルブトキ
シド35gを溶解したエタノール60mlを滴下し、さ
らに1時間攪拌を続け、チタンノルマルブトキシドを反
応させて得られたゾル中に室温(25℃)において、
1.5mol/mlの酢酸バリウム水溶液218mlと
酢酸85mlを混合液を40℃に加温して添加した。次
いで、さらに3分間攪拌した後、直径10mmのフッ素
樹脂製容器に深さ30mmまで注ぎ入れ、容器に蓋をし
て密閉し室温でゲル化させ、続いて得られたゲルを5日
間熟成した。次に、ゲルを容器から取り出し、還流管を
付けた2リットルのセパラブルフラスコの中に45本入
れ、さらに60℃のイソプロパノール:水=6:4の混
合液に酢酸バリウムを溶解した濃度0.45mol/l
溶液を注ぎ込んで、液温60℃の水浴中で加温しなが
ら、フラスコ内でマグネチックスターラーで2日間攪拌
しながら、酢酸の除去とゲルの熟成を行った。
【0032】液中熟成の終わったゲルをメタノール:エ
タノール=5:5、エタノールの順に溶媒を変えて浸漬
することにより、ゲル細孔中に酢酸バリウムの微結晶を
析出、固定させた。得られた均質ゲルを0.3mol/
lの酢酸カリウムのメタノール溶液であり、かつ、0.
15mol/lの酢酸メタノール溶液となるように調節
した溶液150mlに23時間浸漬して濃度分布を付与
した後、アセトンに浸漬することにより、酢酸バリウ
ム、酢酸カリウムの微結晶に濃度分布を形成してゲル細
孔中に析出、固定した。
【0033】このゲルを30℃の乾燥空気中で5日間乾
燥させてドライゲルとし最後に管状炉により酸素及びヘ
リウムを通気しながら730℃まで昇温して焼結するこ
とにより割れのない直径4mmのガラス体を得た。得ら
れたガラスについて、各成分の濃度、Δn、V10を表1
に示す。ガラス組成は、酸化物に換算したmol%であ
り、屈折率分布型光学素子の光軸部に相当するガラス中
央部での組成である。
【0034】実施例2〜15 実施例1と同様にして、各成分量、配合比、濃度、浸漬
処理時間等を調整して、実施例1と同様にしてガラスを
作製し、得られたガラスについて各成分の濃度、Δn、
10を表1に示す。ガラス組成は、得られた屈折率分布
光学素子の組成分布を実際に定量分析して求めた元素比
を酸化物に換算したmol%であり、屈折率分布型光学
素子の光軸部に相当するガラス中央部での組成である。
Ba/Si、Ti/Si比についてもガラス中央部の組
成比を示している。実施例2、3、8、および実施例
4、5、9からは、Ti/Si一定では中心でのBa/
Siが大きいほどΔnは大きくなる。また、実施例6、
7、8、9、10からは、中心でのBa/Siが同じ場
合には、Ti/Siが大きいほど分散分布が低分散分布
ないし負分散分布に向かうとともにΔnが小さくなる傾
向が見られる。
【0035】
【表1】 SiO2 BaO TiO2 K2O Ba/Si Ti/Si Δn V10 実施例1 46.1 34.9 14.5 4.6 0.771 0.300 0.026 680 実施例2 57.4 24.6 12.3 5.7 0.429 0.214 0.0214 118.9 実施例3 49.0 35.0 10.5 5.6 0.714 0.214 0.0291 107.6 実施例4 52.6 22.6 18.8 6.0 0.429 0.357 0.0134 -44.4 実施例5 44.3 35.4 15.8 4.4 0.800 0.357 0.0194 -54.7 実施例6 50.0 28.6 15.7 5.7 0.571 0.314 0.0218 -110.9 実施例7 53.4 30.5 10.7 5.3 0.571 0.200 0.0272 93.2 実施例8 53.0 30.3 11.4 5.3 0.571 0.214 0.0262 113.6 実施例9 49.3 28.2 17.6 4.9 0.571 0.357 0.0162 -47.1 実施例10 49.0 28.0 19.6 3.5 0.571 0.400 0.0131 -24.5 実施例11 49.3 37.3 8.5 4.9 0.757 0.171 0.0328 69 実施例12 45.8 31.4 17.0 5.9 0.686 0.371 0.0172 -45 実施例13 46.1 34.9 14.5 4.6 0.757 0.314 0.0221 -125.9 実施例14 53.0 35.6 6.1 5.3 0.671 0.114 0.0363 49.4 実施例15 59.8 27.4 6.0 6.8 0.457 0.100 0.0312 46.8
【0036】比較例1〜3 実施例1と同様にして、本発明の組成を満たさない表4
に示す組成のガラスを作製した。これらのガラスについ
て、△n、v10を測定したところ、いずれも屈折率△
nが小さく適用光学系が極めて限定されるものであっ
た。なお、表中のガラス組成は、得られた屈折率分布型
光学素子の組成分布を定量分析して求めた元素比を酸化
物に換算したmol%であり、屈折率分布型光学素子の
光軸部に相当するガラス中央部での組成である。Ba/
Si、Ti/Si比についてもガラス中央部の組成比を
示している。
【0037】
【表2】 SiO2 BaO TiO2 K2O Ba/Si Ti/Si Δn V10 比較例1 64.6 18.3 13.9 3.2 0.283 0.215 0.0116 144.5 比較例2 59.4 13.1 20.7 6.8 0.221 0.348 0.0068 -43.3 比較例3 53.3 17.4 23.9 5.6 0.326 0.448 0.0093 -22.1
【0038】実施例16〜19 得られたゲルを塩酸へ浸漬して周辺部のチタン成分の溶
出を行い、周辺部のチタン成分の濃度を変えたゲルを作
製した点を除き実施例1と同様にガラスを作製し、得ら
れたガラスについて、各成分の濃度、Δn、V10を、比
較のための実施例12の結果とともに表2において、実
16〜実19として示す。ガラス組成は、酸化物に換算
したmol%であり、屈折率分布型光学素子の光軸部に
相当するガラス中央部での組成である。Ba/Si、T
i/Si比については、ガラス中央部での組成から計算
した値である。凸分布の大きさは、Ti量の差の一番大
きい実施例19の場合でも、Ti/Siで0.028と
いう小差であり、中心でのTi/Siと比較しても、数
%である。しかし、小差であってもΔnや分散分布を示
すV10値は大きく変化することがわかる。したがって、
チタンの濃度分布制御には、本発明で示したような方法
を適用することが不可欠である。
【0039】
【表3】 SiO2 BaO TiO2 K2O Ba/Si Ti/Si ΔTi/ΔBa Δn V10 (いずれも mol%) 中心部 周辺部 中心部 周辺部 実12 45.8 31.4 17.0 5.9 0.686 0.415 0.371 0.371 0 0.0172 -45 実16 45.8 31.4 17.0 5.9 0.686 0.415 0.371 0.364 0.025 0.0195 −97.
7 実17 45.8 31.4 17.0 5.9 0.686 0.415
0.371 0.357 0.052 0.0219 -1173.3 実18 45.8 31.4 17.0 5.9 0.686 0.415 0.371 0.350 0.077 0.0243 149.1 実19 45.8 31.4 17.0 5.9 0.686 0.415 0.371 0.343 0.10 0.0267 77.3
【0040】実施例20〜25 実施例16と同様にして、各成分量、配合比、濃度、浸
漬処理時間等を調整して、ガラスを作製し、得られたガ
ラスについて、各成分の濃度、Δn、V10を表3におい
て実20ないし実25として示す。ガラス組成は、得ら
れた屈折率分布光学素子の組成分布を定量分析し求めた
元素比を酸化物に換算したmol%であり、屈折率分布
型光学素子の光軸部に相当するガラス中央部での組成で
ある。Ba/Si、Ti/Si比についてもガラス中央
部の組成比を示している。
【0041】比較例4 実施例16と同様にして、各成分量、配合比、濃度、浸
漬処理時間等を調製して、ガラスを作製し、得られたガ
ラスについて、各成分の濃度、△n、v10を表4にお
いて比4として示す。ガラス組成は、得られた屈折率分
布型光学素子の組成分布を定量分析して求めた元素比を
酸化物に換算したmol%であり、屈折率分布型光学素
子の光軸部に相当するガラス中央部での組成である。こ
の屈折率分布型ガラスの場合、△Ti/△Baが大き過
ぎたために色収差発生量の大きい高分散分布となってし
まった。
【0042】
【表4】 SiO2 BaO TiO2 K2O Ba/Si Ti/Si ΔTi/ΔBa Δn V10 (いずれも mol%)中心部周辺部 中心部周辺部 実20 44.5 30.3 19.5 5.7 0.681 0.272 0.438 0.379 0.143 0.0422 78.2 実21 46.8 27.6 18.4 7.2 0.590 0.286 0.393 0.361 0.106 0.0310 107.6 実22 52.2 22.8 20.5 4.5 0.437 0.216 0.393 0.375 0.078 0.0216 -304.7 実23 54.5 23.4 16.3 5.6 0.429 0.221 0.299 0.290 0.043 0.0257 220 実24 58.0 23.7 13.3 5.0 0.409 0.181 0.229 0.224 0.023 0.0320 95 実25 46.0 34.5 13.5 6.0 0.75 0.435 0.293 0.28
5 0.027 0.028 188 比4 58.0 23.7 13.3 5.0 0.409 0.181 0.229 0.174 0.242 0.0544 27.2
【0043】実施例26 テトラメチルシリケート50mlに0.01規定の塩酸
25mlを加えて1時間攪拌し、部分加水分解反応を行
った。この溶液を攪拌しながらチタンノルマルブトキシ
ド35gを溶解したエタノールを徐々に加え、さらに1
時間攪拌を続けて十分に反応させた。ここに、40℃に
加温した1.5mol/mlの酢酸バリウム水溶液21
8mlと酢酸85mlを混合したものを添加した。これ
をさらに3分間攪拌した後、直径10mmのフッ素樹脂
製容器に深さ30mmまで注ぎ入れ、容器に蓋をして密
閉し室温でゲル化させ、続いて得られたゲルを5日間熟
成した。次に、ゲルを容器から取り出し、還流管を取り
付けた2リットルのセパラブルフラスコの中に45本を
入れ、さらに60℃のイソプロパノール:水=6:4の
混合溶媒を用いた酢酸バリウムの0.45mol/l溶
液を注ぎ込んで蓋をし、液温を60℃に保持した状態で
攪拌しながら2日間、酢酸の除去とゲルの熟成を行っ
た。
【0044】液中熟成の終わったゲルを、メタノール:
エタノール=5:5、エタノールの順に溶媒を変えて浸
漬することにより、ゲル細孔中に酢酸バリウムの微結晶
を析出、固定させた。
【0045】得られた均質ゲルを、0.3mol/lの
酢酸カリウムのメタノール溶液であり、かつ0.15m
ol/lの酢酸のメタノール溶液となるように調製した
溶液150mlに23時間浸漬して濃度分布を付与した
後、アセトンに浸漬することにより、濃度分布した酢酸
バリウム、酢酸カリウムの微結晶をゲル細孔中に析出、
固定した。このゲルを30℃の乾燥空気中で5日間乾燥
させてドライゲルとし最後に管状炉により酸素及びヘリ
ウムを通気しながら730℃まで昇温して焼結すること
により割れのない直径4mmのガラス体を得た。このガ
ラス体は実施例12の組成に類似したBa/Si=0.
771、Ti/Si=0.3で、光学特性は△n=0.
026、V10=680であった。
【0046】実施例27 テトラメチルシリケート50mlに0.01規定の塩酸
25mlを加えて1時間攪拌し、部分加水分解反応を行
った。この溶液を攪拌しながらチタンイソプロポキシド
22gを溶解したエタノールを徐々に加え、さらに1時
間攪拌を続けて十分に反応させた。次いで、1.5mo
l/mlの酢酸バリウム水溶液118mlと酢酸48m
lを混合したものを添加した。これをさらに3分間攪拌
した後、直径10mmのフッ素樹脂製容器に深さ30m
mまで注ぎ入れ、容器に蓋をして密閉し室温でゲル化さ
せ、続いて得られたゲルを5日間熟成した。次に、ゲル
を容器から取り出し、セパラブルフラスコを用いて、6
0℃のイソプロパノール:水=6:4の混合溶媒を用い
た酢酸バリウムの0.7mol/l溶液に3日間ゲルを
浸漬してゲル細孔中に酢酸バリウムを均一に含ませた。
次に、メタノール:エタノール=5:5、エタノールの
順に溶媒を変えて浸漬することにより、ゲル細孔中に酢
酸バリウムの微結晶を析出、固定させた。
【0047】得られた均質ゲルを、メタノール:アセト
ン=2:1混合溶媒を用いた0.3mol/lの酢酸カ
リウムの溶液150mlに40時間浸漬して濃度分布を
付与した後、アセトンに浸漬することにより、濃度分布
した酢酸バリウム、酢酸カリウムの微結晶をゲル細孔中
に析出、固定した。このゲルを30℃の乾燥空気中で5
日間乾燥させてドライゲルとし、最後に管状炉により酸
素及びヘリウムを通気しながら730℃まで昇温して焼
結することにより割れのない直径4mmのガラス体を得
た。このガラス体は中心部のバリウム濃度はほぼBa/
Si=0.42であった。Ti/Si比はゾル調整の際
の比率と比べて変化がなく、0.236であった。
【0048】
【発明の効果】本発明のガラス組成を用いることによ
り、光学的効果の高い光学設計が可能な低・負分散分布
の屈折率分布型光学素子素材を、工業的に大規模に安定
して安価に供給することができるようになる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2、BaO、TiO2を必須成分と
    する径方向に屈折率分布を有する屈折率分布型光学素子
    において、径方向の中心でのケイ素に対するバリウムの
    モル比がBa/Si≧0.4であることを特徴とする屈
    折率分布型光学素子。
  2. 【請求項2】 径方向でのケイ素に対するチタン濃度が
    モル比でTi/Si≧0.2の範囲の一定の値であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の屈折率分布型光学素子。
  3. 【請求項3】 中心部における元素比がTi/Si≧
    0.2であり、周辺部のバリウム元素比と中心部のバリ
    ウム元素比の差ΔBaと周辺部のチタン元素比と中心部
    のチタン元素比の差ΔTiの比が、(ΔTi/ΔBa)
    ≦0.15であることを特徴とする請求項1記載の屈折
    率分布型光学素子。
  4. 【請求項4】 ゾルゲル法による屈折率分布型光学素子
    の製造方法において、ケイ素に対するバリウムのモル比
    がBa/Si≧0.4であるウェットゲルの周辺部から
    バリウム成分を溶出させることを特徴とする屈折率分布
    型光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 ゾルゲル法による屈折率分布型光学素子
    の製造方法において、ケイ素に対するバリウムのモル比
    がBa/Si≧0.4となる比率で原料を攪拌混合し、
    ゲル化して得たウェットゲルに濃度分布を付与し、その
    後にガラス化することを特徴とする屈折率分布型光学素
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 ゾルゲル法による屈折率分布型光学素子
    の製造方法において、ケイ素に対するバリウムのモル比
    がBa/Si<0.4であるウェットゲルにモル比がB
    a/Si≧0.4となるまでバリウム成分を含浸し、そ
    の後周辺部からバリウム成分を溶出させることを特徴と
    する屈折率分布型光学素子の製造方法。
JP10168414A 1997-07-30 1998-06-16 屈折率分布型光学素子とその製造方法 Pending JPH11100216A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10168414A JPH11100216A (ja) 1997-07-30 1998-06-16 屈折率分布型光学素子とその製造方法
US09/124,007 US6174828B1 (en) 1997-07-30 1998-07-29 Gradient-index optical element and its fabrication method

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-204851 1997-07-30
JP20485197 1997-07-30
JP10168414A JPH11100216A (ja) 1997-07-30 1998-06-16 屈折率分布型光学素子とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11100216A true JPH11100216A (ja) 1999-04-13

Family

ID=26492129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10168414A Pending JPH11100216A (ja) 1997-07-30 1998-06-16 屈折率分布型光学素子とその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6174828B1 (ja)
JP (1) JPH11100216A (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002057812A2 (en) * 2001-01-17 2002-07-25 Neophotonics Corporation Optical materials with selected index-of-refraction
US6542665B2 (en) * 2001-02-17 2003-04-01 Lucent Technologies Inc. GRIN fiber lenses
CN100501467C (zh) * 2005-04-05 2009-06-17 东洋玻璃株式会社 光纤准直仪系统和光纤准直仪阵列系统的制造方法
US8411375B2 (en) * 2008-01-25 2013-04-02 Aptina Imaging Corporation Method and apparatus providing gradient index of refraction lens for image sensors
CN105887021A (zh) * 2016-03-20 2016-08-24 杰讯光电(福建)有限公司 一种自聚焦透镜的制备方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3847583A (en) * 1969-08-13 1974-11-12 Jenaer Glaswerk Schott & Gen Process for the manufacture of multi-component substances
JP2659101B2 (ja) 1989-10-27 1997-09-30 オリンパス光学工業株式会社 屈折率分布型光学素子
JPH068179B2 (ja) * 1990-04-12 1994-02-02 東京工業大学長 屈折率分布ガラスの製造方法
JP3105522B2 (ja) * 1990-06-20 2000-11-06 オリンパス光学工業株式会社 屈折率分布型光学素子の製造方法
JP3209533B2 (ja) * 1991-02-15 2001-09-17 オリンパス光学工業株式会社 屈折率分布型光学素子の製造方法
JP3187879B2 (ja) 1991-09-30 2001-07-16 オリンパス光学工業株式会社 屈折率分布型光学素子
JP3219437B2 (ja) 1991-10-28 2001-10-15 オリンパス光学工業株式会社 屈折率分布型光学素子
JP3206997B2 (ja) 1992-11-13 2001-09-10 オリンパス光学工業株式会社 屈折率分布型シリケートガラス
JPH0873227A (ja) * 1994-06-30 1996-03-19 Olympus Optical Co Ltd ガラス体の製造方法及びゲルの浸漬装置
JP3708238B2 (ja) * 1996-08-08 2005-10-19 オリンパス株式会社 屈折率分布型光学素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US6174828B1 (en) 2001-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5182236A (en) Gradient index glasses and sol-gel method for their preparation
US5068208A (en) Sol-gel method for making gradient index optical elements
JP3206997B2 (ja) 屈折率分布型シリケートガラス
JPH11100216A (ja) 屈折率分布型光学素子とその製造方法
US5439495A (en) Solution doping of sol gel bodies to make graded index glass articles
US5294573A (en) Sol-gel process of making gradient-index glass
EP2305612B1 (en) Method of producing grin lens
JP2002274860A (ja) 光散乱性ガラス材料及びその製造方法
JPH09202652A (ja) 屈折率分布型光学素子の製造方法
JPH0977518A (ja) 屈折率分布型光学素子の製造方法
JPH04260608A (ja) 屈折率分布型光学素子の製造方法
JP3337522B2 (ja) 屈折率分布型光学素子の製造方法
KR100605793B1 (ko) 솔-젤 공법에 따른 실리카 글래스의 제조 방법
JPH059036A (ja) 屈折率分布を有する石英ガラスの製造方法
JPH0570150A (ja) 屈折率分布型光学素子の製造方法
JPH05178622A (ja) 屈折率分布を有する石英系ガラス体の製造方法
JPH0118019B2 (ja)
JPS60166240A (ja) 屈折率分布透明体の製造方法
JPH11100235A (ja) 屈折率分布型光学素子の製造方法
JPH05306126A (ja) 屈折率分布型光学素子およびその製造方法
JPS6340731A (ja) 屈折率分布型レンズの製造方法
JPH06171956A (ja) ガラスの製造方法
JPH08165121A (ja) 負屈折力型・屈折率分布型光学素子の製造方法
JP2005145751A (ja) Grinレンズの製造方法及びgrinレンズ
JP3290714B2 (ja) 屈折率分布型光学素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060414