JPH068179B2 - 屈折率分布ガラスの製造方法 - Google Patents

屈折率分布ガラスの製造方法

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JPH068179B2
JPH068179B2 JP2095055A JP9505590A JPH068179B2 JP H068179 B2 JPH068179 B2 JP H068179B2 JP 2095055 A JP2095055 A JP 2095055A JP 9505590 A JP9505590 A JP 9505590A JP H068179 B2 JPH068179 B2 JP H068179B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、カメラ、顕微鏡などの一般光学レンズ、光デ
ィスクのピックアップレンズ等に有用な大形(大口径)
の屈折率分布ガラスの製造方法に関する。
[従来の技術及び課題] この種の屈折率分布ガラスは、現在固体ガラス中での1
価のカチオン(例えばタリウムとカリウム)の相互拡散
に基づくイオン交換法で製造され、直径1〜2mmのもの
が複写機のレンズアレイや光通信用マイクロレンズ等と
して用いられている。しかしながら、かかる方法では固
体ガラス中でのイオンの拡散速度は極めて遅いため、カ
メラ等の光学系に用いるような大口径の製品を製造する
ことはできないという問題があった。
このようなことから、屈折率分布ガラスの製造方法とし
て以下に説明するシリコンアルコキシドを主要出発原料
とするゾルゲル法(特開昭63−277525号)が知
られている。まず、シリコンアルコキシドトと水溶性塩
(酢酸鉛)を出発原料としてゲルを作製する。つづい
て、このゲルをエージングした後、ゲル中の水分を除去
する。この工程において、ゲル中の酢酸鉛が表面側に拡
散するため、酢酸鉛の水−イソプロパノール混合液でゲ
ル中の酢酸鉛を再溶解して前記拡散による濃度分布を解
消して一定の濃度とする。ひきつづき、イソプロパノー
ルで処理してゲル中の水分を抽出する。こうした前処理
工程の後に硝酸カリウム水溶液に浸漬してゲルの細孔中
の酢酸鉛を外部に拡散、流出して酢酸鉛の濃度分布を形
成すると共に、硝酸カリウムを同細孔に拡散して酢酸鉛
の濃度分布によるゲルの熱膨張差を該硝酸カリウムで補
償する。次いで、イソプロパノール−アセトン溶液及び
アセントンで順次処理してゲルの細孔壁に酢酸鉛と硝酸
カリウムを析出して固定化する。この後、室温大気中で
乾燥し、更に焼結して屈折率分布ガラスを製造する。
上述した従来法において、反応時間を調節して気泡を含
まない均質なゲルを得るために酢酸鉛とは別に硝酸鉛を
添加しているが、硝酸鉛は通常の溶媒に対する溶解度が
大きく、鉛の濃度分布の固定がし難いという問題があ
る。また、前処理工程ではその後の工程での鉛の濃度分
布を固定化し易くするためにゲル作製時に要した水を大
気中で蒸発によって一部除去するため、水を含むゲルは
この過程で自重で変形したり、ひび割れを生じる。しか
も、酢酸鉛の濃度分布形成工程において硝酸カリウムを
ゲルの細孔に拡散して酢酸鉛の濃度分布によるゲルの熱
膨張差を該硝酸カリウムで補償する際に、該硝酸カリウ
ムを酢酸鉛の濃度分布と反転した状態の濃度分布を持た
せることが難しいため、焼成時に酢酸塩の濃度分布に起
因した熱膨張差を前記硝酸カリウムで相殺できず、クラ
ックを発生する恐れがある。この傾向は、ゲルが大形化
するほど顕著となる。その結果、作製可能なガラスの大
きさに限界があり、直径7mm、高さ10mm程度以上のレン
ズを製造できない。
更に、酢酸鉛の濃度分布形成工程においてゲルの細孔に
は酢酸鉛がイオンの状態で存在しているため、ゲルを硝
酸カリウム水溶液に浸漬すると前記酢酸鉛が短時間で硝
酸カリウム水溶液に流出することから、酢酸鉛の濃度分
布制御が難しい。その結果、前記鉛の濃度分布の固定の
困難さと相俟って所期目的の屈折率分布を持つガラスを
製造することが困難となる。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされた
もので、所期目的の屈折率分布を持つ大形(大口径;直
径10mm以上)のガラスを簡単かつ再現性よく製造し得る
方法を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、(a)シリコンのアルコキシドとホウ素のアル
コキシドからなる溶液を加水分解してゾルを調製する工
程と、 (b)前記ゾルに酢酸鉛の水溶液と有機酸を加えてゲル状
多孔体を得る工程と、 (c)前記ゲル状多孔体をエージングし、更に酢酸鉛の水
−イソプロパノール溶液、イソプロパノール−アセトン
溶液及びアセトンで順次処理する前処理を行なう工程
と、 (d)前処理したゲル状多孔体を酢酸カリウム及び酢酸ナ
トリウムから選ばれる一方又は両者の低級アルコール溶
液中に浸漬し、ゲル状多孔体の表面から内部に向けて次
第に変化する鉛イオンの濃度分布を形成する工程と、 (e)前記鉛イオンの濃度分布を形成したゲル状多孔体を
イソプロパノール−アセトン溶液及びアセントンで順次
処理する工程と、 (f)前記ゲル状多孔体を乾燥、加熱してガラス体とする
工程と、 を具備したことを特徴とする屈折率分布ガラスの製造方
法である。
前記(a)工程で用いられるシリコンのアルコキシドとし
ては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラブトキシシラン等を挙げることができる。
また、ホウ素のアルコキシドとしては、例えばホウ素エ
トキシド、ホウ素ブトキシド等を挙げることができる。
前記(b)工程で用いる有機酸としては、例えばを酢酸、
マレイン酸、クエン酸等を挙げることができ、特に酢酸
が好ましい。
前記(c)工程で用いられる水−イソプロパノール溶液中
の水は、添加される酢酸鉛を溶解するために必要である
が、あまり多くするとゲル状多孔体中に水分を抽出する
のが困難となることから、その濃度を20%以下にするこ
とが望ましい。
前記(d)工程で用いられる低級アルコールとしては、例
えばメタノール、エタノール、プロパノール等を挙げる
ことができ、特にエタノールが好ましい。
前記(f)の乾燥工程においては、アセトン蒸気で飽和し
た容器内にゲル状多孔体を載置し、該容器の蓋体に開口
した微細孔を通してアセトンを徐々に蒸発させながら乾
燥を行なうことがより好適である。
[作用] 本発明の作用を、以下に各工程毎に別けて説明する。
(a)工程; このゾルの調製工程において、ホウ素のアルコキシドを
加えることによりその後の(f)工程でのガラス化に際し
ての焼結温度を低くできると共に、クリストバライトの
生成を抑制して失透のない透明なガラスを製造できる。
(b)工程; ゾルに酢酸鉛の水溶液と共に有機酸を導入することによ
って、ゲル化時間の調整を行うことができ、更に気泡の
ない大形のゲル状多孔体を得ることができる。
(c)工程; この前処理工程での酢酸鉛の水−イソプロパノール溶液
の処理により、前記ゲル状多孔体中の水分の大部分を抽
出できると共に、既に不要でその後の工程に支障をきた
す前記有機酸を除去できる。また、この処理によりゲル
状多孔体はその後の乾燥時に自重で変形しない程度の強
度が付与される。更に、水−イソプロパノール溶液中の
酢酸鉛を加えることによって、ゲル状多孔体の細孔に存
在するイオン化された鉛、酢酸の水−イソプロパノール
溶液中への流出に対して前記溶液中に酢酸鉛により補給
されるため、ゲル状多孔体の鉛濃度を初期状態に維持で
きる。
前記前処理工程でのイソプロパノール−アセトン溶液及
びアセントンの処理により、ゲル状多孔体中の水を完全
に除去でき、ゲル状多孔体の細孔壁上に酢酸鉛の微結晶
を均一に析出できる。
(d)工程; 前記ゲル状多孔体を酢酸カリウム及び酢酸ナトリウムか
ら選ばれる一方又は両者の低級アルコール溶液中に浸漬
することによって、前記(c)工程でゲル状多孔体の細孔
壁に析出した酢酸鉛の微結晶が徐々に低級アルコール溶
液中に溶解し、外部に流出すると共に、酢酸カリウム
(又は酢酸ナトリウム)がゲル状多孔体の細孔中に拡散
する。これにより、ゲル多孔体の表面から内部に向けて
次第に増加する酢酸鉛(鉛イオン)の濃度分布を形成で
きる。一方、酢酸カリウム(又は酢酸ナトリウム)のゲ
ル状多孔体内での濃度を表面から内部に向けて次第に減
少する分布を持たせることができる。このため、ゲル状
多孔体中での鉛の濃度分布による焼結過程でのガラスの
熱膨張係数の変動を該鉛と膨張係数が近似したカリウム
(又はナトリウム)で補償することができる。
また、前記(c)工程でゲル状多孔体の細孔壁に予め、酢
酸鉛の微結晶として析出させることによって、低級アル
コール溶液に浸漬した際、ゲル状多孔体の細孔にイオン
の状態で鉛、酢酸が存在する場合のようなゲル状多孔体
の外部への急激な酢酸鉛の流出を抑制でき、酢酸鉛の濃
度分布の制御を容易に行うことができる。
(e)工程; このイソプロパノール−アセトン溶液及びアセントンで
順次処理する工程により、酢酸鉛を溶解する低級アルコ
ールが除去され、前記濃度分布に従って再び酢酸鉛と酢
酸カリウム(又は酢酸ナトリウム)の微結晶がゲル状多
孔体の細孔壁上に析出して固定化される。
(f)工程; このゲル状多孔体の乾燥、加熱工程により、前記濃度分
布に従って鉛が分散され、屈折率分布を持つガラスを製
造できる。また、この工程において酢酸鉛と反対の濃度
分布をもってゲル状多孔体の細孔壁に析出した酢酸カリ
ウム(又は酢酸ナトリウム)により、熱膨張係数の差に
起因するクラック発生等を防止できる。
更に、前記乾燥工程をアセトン蒸気で飽和した容器内に
ゲル状多孔体を載置し、該容器に蓋体に開口した微細孔
を通してアセトンを徐々に蒸発させながら行なうことに
よって、ゲル状多孔体表面での急激なアセトンの蒸発を
抑制できるため、表面に微小なクラック発生のない良好
な屈折率分布ガラスを製造できる。
以上のように(b)工程で気泡のない大型のゲル状多孔体
を得ることができること、(c)の前処理工程において鉛
の濃度分布の制御性の妨げとなる水分をゲル状多孔体か
ら抽出し、かつこの工程以降の溶媒として水を用いない
こと、同前処理工程でゲル状多孔体にして乾燥時に自重
で変形しない程度の強度を付与できると共に、酢酸鉛の
濃度分布制御性を良好にするためにゲル状多孔体の細孔
壁上に酢酸鉛の微結晶を析出すること、(d)工程でゲル
状多孔体の表面から内部に向けて次第に増加する酢酸鉛
(鉛イオン)の濃度分布を形成すると共に酢酸カリウム
(又は酢酸ナトリウム)を拡散してゲル状多孔体中での
鉛の濃度分布によるガラスの熱膨張係数の変動を該鉛と
膨張係数が近似したカリウム(又はナトリウム)で補償
すること、(e)工程で前記濃度分布に従って再び酢酸鉛
と酢酸カリウム(又は酢酸ナトリウム)の微結晶がゲル
状多孔体の細孔壁上に析出して固定化することによっ
て、酢酸鉛が所定の濃度分布をもって細孔中に固定化さ
れ、かつ十分な強度を有する大形(大口径)のゲル状多
孔体を作製でき、その後の(f)工程での乾燥、加熱によ
りクラック発生を招くことなく所期目的の屈折率分布を
持つ大口径(直径10mm以上)のガラスを製造できる。
また、(d)工程においてゲル状多孔体の低級アルコール
溶液中への浸漬時間を調整することによってゲル状多孔
体の酢酸鉛(鉛イオン)の濃度分布を高い精度で制御で
きるため、屈折率分布の異なるガラスを簡単な操作で製
造できる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1 まず、テトラメトキシシラン30m、テトラエトキシシ
ラン30m及び硼素エトキシド12.4mからなる混合液
に、pH2の塩酸水溶液25mを添加してゾルを調製した
後、室温に冷却されるまで放置した。つづいて、このゾ
ルに1.25モル/の酢酸鉛水溶液107.63mと酢酸15.3
5mの混合液を添加し、各般混合した後、内径35mmの
ポリプロピレン容器内に50mmの深さまで注入した。この
工程において、酢酸の導入によりゲル化時間を調節で
き、気泡のない大形のゲル状多孔体を得ることが可能と
なる。
次いで、前記容器を密封して30℃、5日間保持してゲル
化及びエージングによるゲル状多孔体の強化を行った。
つづいて、容器からゲル状多孔体(直径35mm、高さ50m
m)を取り出し、イソプロパノールと水を体積比で8:2の
割合で含む0.61モル/の酢酸鉛溶液に移し、60℃、3
日間撹拌浸漬した。この工程により、ゲル状多孔体の水
の大部分が抽出されると共に、既に不要となったその後
の工程で支障となる酢酸が除去された。また、ゲル状多
孔体はその後の乾燥時に自重で変化しない強度になっ
た。ひきつづき、前記ゲル状多孔体を体積比で8:2のイ
ソプロパノールとアセトンの混合液中で、30℃、2日間
撹拌浸漬し、更に体積比5:5のイソプロパノールとアセ
トンの混合液中で30℃、2日間撹拌浸漬した後、アセト
ン中で30℃、2日間保持した。この工程により、ゲル状
多孔体中の水は完全に除去され、ゲル状多孔体の細孔壁
上に酢酸鉛の微結晶が均一に析出した。
次いで、前記ゲル状多孔体を0.61モル/の酢酸カリウ
ムエタノール溶液中に30℃、4時間浸漬した。この工程
により、ゲル状多孔体の細孔中に析出した酢酸鉛の微結
晶が徐々に溶け、その細孔中を拡散して外部に流出し、
表面から内部に向けて次第に濃度が増大する酢酸鉛の濃
度分布が形成されると共に、酢酸カリウムがゲル状多孔
体の細孔内に拡散して酢酸鉛と反対の濃度分布が形成さ
れた。
次いで、ゲル状多孔体を体積比5:5ののイソプロパノー
ルとアセトンの混合液中に移して30℃、2日間保持した
後、アセトン中で30℃、2日間保持した。この工程によ
り、酢酸鉛に対して溶解性の高いエタノールが除去さ
れ、前記濃度分布に従って酢酸鉛の微結晶がゲル状多孔
体の細孔壁に再び析出すると共に、酢酸カリウムも微結
晶となってゲル状多孔体の細孔壁に析出した。この後、
底部に少量のアセトンが収容されたガラス容器中に設置
したポリテトラフルオロエチレ製基台上に前記ゲル状多
孔体を移し、該容器を微細な孔が穿設されたアルミニウ
ム箔で密封した後、前期微細な孔を通してアセトンを徐
々に蒸発させて乾燥した。この工程により、容器底部に
収容された少量のアセトンが蒸発してゲル状多孔体周囲
をアセトンの飽和蒸気で覆うため、ゲル状多孔体中のア
セトンの急激な蒸発が抑制され、表面にひび割れ等を生
じることなくゲル状多孔体の乾燥がなされた。また、ゲ
ル状多孔体をポリテトラフルオロエチレン製基台上設置
することによって、アセトンの蒸発に伴ってゲル状多孔
体が収縮する際の摩擦抵抗を低減できた。
次いで、乾燥した直径約20mm、高さ30mmのゲル状多孔体
を管状電気炉内で加熱してガラス化した。加熱条件は、
室温から460℃までは30℃/hrの昇温速度とし、240℃
と、460℃でそれぞれ12時間保持し、460℃からは15℃/
hrの速度で昇温し、510℃と580℃でそれぞれ12時間保持
した後、室温まで100℃/hrの降温速度で冷却した。460
℃よりやや高い温度までは酸素ガスを毎分50m流し、
その後冷却開始までは酸素の代わりにヘリウムガスを流
した。
本実施例1によれば、直径13mm、高さ20mmの透明で、泡
などが存在しないガラス体が得られた。また、この円柱
状ガラス体の断面内における半径方向の屈折率分布を測
定した結果を第1図に示す。この第1図より、中心から
6mmまでの範囲では方物線状の分布をなし、周辺と中心
部との屈折率の差は0.05であった。
一方、ゲルの作製工程で酢酸の代わりに硝酸鉛水溶液を
用い、前処理としてイソプロパノールとアセトンによる
水の抽出を行わずに大気に晒して水の一部除去を行う特
開昭63−2775号の方法で得られた円柱状ガラス体
は直径7mm、高さ10mmであった。また、かかる方法では
ゲル中の細孔への酢酸鉛の濃度分布形成を制御性よく行
なえないために、目的とする屈折率分布を持つ円柱状ガ
ラス体を得ることが困難であった。これに対し、本実施
例1ではゲル状多孔体の前処理段階での自重による円形
と鉛イオンの移動が抑制される結果、大口径でかつ中心
部と周辺部間の屈折率差を持つレンズ素子が得られるこ
とが確認された。
実施例2 実施例1と同様な方法により酢酸鉛の微結晶が細孔壁上
に析出された直径35mm、高さ50mmのゲル状多孔体を作製
した。つづいて、このゲル状多孔体を0.61モル/の酢
酸カリウムのエタノール溶液に浸漬し、30℃、16時間保
持した後、実施例1と同様な処理により鉛濃度分布の固
定、乾燥及び焼成を行うことにより直径13mm、高さ20mm
の透明な円柱状ガラス体を製造した。この円柱状ガラス
体の断面内における半径方向の屈折率分布を測定した結
果を第2図に示す。
第2図から明らかなようにより、本実施例2の円柱状ガ
ラス体は中心部で高く、周辺部に向けて次第に低くなる
屈折率分布を有しているが、その分布勾配は実施例1の
円柱状ガラス体とは相違している。このようなことか
ら、ゲル状多孔体を酢酸カリウムのエタノール溶液に浸
漬する時間によって屈折率分布を精密に制御可能である
ことがわかる。
なお、上記実施例ではゲル状多孔体を得る工程において
有機酸として酢酸を用いたが、酢酸の代りにクエン酸、
マレイン酸を用いても実施例と同様な屈折率分布を持つ
大口径のガラス体を得ることができる。
上記実施例では、鉛イオンの濃度分布形成工程を酢酸カ
リウムのエタノール溶液を用いたが、酢酸カリウムのメ
タノール、プロパノール溶液、又は酢酸ナトリウムのメ
タノール、エタノール、プロパノール溶液や酢酸ナトリ
ウム及び酢酸ナトリウムのメタノール、エタノール、プ
ロパノール溶液を用いても実施例と同様な屈折率分布を
持つ大口径のガラス体を得ることができる。
[発明の効果] 以上詳述した如く、本発明によれば所期目的の屈折率分
布を持つ大形(大口径;直径10mm以上)のガラスを簡単
かつ再現性よく製造でき、ひいてはカメラ、顕微鏡など
の一般光学レンズ、光ディスクのピックアップレンズな
どに有効に利用できる等顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で製造された円柱状ガラス体の断面内
における半径方向の屈折率分布を示す線図、第2図は実
施例2で製造された円柱状ガラス体の断面内における半
径方向の屈折率分布を示す線図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)シリコンのアルコキシドとホウ素のア
    ルコキシドからなる溶液を加水分解してゾルを調製する
    工程と、 (b)前記ゾルに酢酸鉛の水溶液と有機酸を加えてゲル状
    多孔体を得る工程と、 (c)前記ゲル状多孔体をエージングし、更に酢酸鉛の水
    −イソプロパノール溶液、イソプロパノール−アセトン
    溶液及びアセントンで順次処理する前処理を行なう工程
    と、 (d)前処理したゲル状多孔体を酢酸カリウム及び酢酸ナ
    トリウムから選ばれる一方又は両者の低級アルコール溶
    液中に浸漬し、ゲル状多孔体の表面から内部に向けて次
    第に変化する鉛イオンの濃度分布を形成する工程と、 (e)前記鉛イオンの濃度分布を形成したゲル状多孔体を
    イソプロパノール−アセトン溶液及びアセントンで順次
    処理する工程と、 (f)前記ゲル状多孔体を乾燥、加熱してガラス体とする
    工程と、 を具備したことを特徴とする屈折率分布ガラスの製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記(f)の乾燥工程において、アセトン蒸
    気で飽和した容器内にゲル状多孔体を載置し、該容器の
    蓋体に開口した微細孔を通してアセトンを徐々に蒸発さ
    せながら乾燥を行なうことを特徴とする請求項1記載の
    屈折率分布ガラスの製造方法。
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