JP3523748B2 - 屈折率分布型ガラスの製造方法 - Google Patents

屈折率分布型ガラスの製造方法

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JP3523748B2 JP07399196A JP7399196A JP3523748B2 JP 3523748 B2 JP3523748 B2 JP 3523748B2 JP 07399196 A JP07399196 A JP 07399196A JP 7399196 A JP7399196 A JP 7399196A JP 3523748 B2 JP3523748 B2 JP 3523748B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C1/00Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels
    • C03C1/006Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels to produce glass through wet route
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/12Other methods of shaping glass by liquid-phase reaction processes

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ、顕微鏡、
内視鏡等のレンズとして用いることのできる屈折率分布
型ガラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゾルゲル法により屈折率分布型レンズを
製造する方法は、一般にシリコンアルコキシド等の有機
金属化合物を加水分解、重縮合反応させることにより、
ケイ素等の金属原子と酸素原子の共有結合からなる三次
元状のゲル骨格のすきまにアルコール、水等が充填され
たゲル多孔質体を作製し、このゲル多孔質体を乾燥、焼
結することによりガラスを得る方法である。この方法を
利用して乾燥を行う前の湿潤ゲル体を各種の溶液に浸漬
することにより、ゲル中に種々の成分を浸透あるいは溶
出し、組成を媒質中で連続的に変化させたガラスを得る
ことができる。
【0003】屈折率への寄与の大きな成分を導入して、
屈折率分布型光学ガラスを作製する方法が特公平6−8
179号公報に開示されている。この方法は、金属塩を
含んだゲルを溶液に浸漬して、その時のゲル中の溶媒と
の溶解度差を利用して金属塩を析出させている。ゲル多
孔質体の浸漬溶液はゲル多孔質体に外周から中心へ向か
って浸透する。したがって、溶解度の低い溶液に浸漬し
たときに、金属塩の結晶析出が開始されるのは周辺部が
先となり、周辺部の金属塩が固定されたときにも、中心
部の金属塩は析出しておらず、金属塩の濃度に濃度勾配
がある場合には濃度勾配を小さくする方向へ濃度変化が
起こりやすい。すなわち、分布付与工程により付与され
た濃度分布形状は、濃度分布の固定開始の時点の違いの
ためにその形状を変化してしまうという問題点があっ
た。そのため、得られる屈折率分布は、図2において、
Aで示すように放物線形状に比べて中心が低くなり、半
径方向中腹部がもりあがった分布となることが多かっ
た。また、金属塩を中心部で低く、周辺部で高くするよ
うに分布させた場合にも、同様な理由により、周辺部の
金属塩の固定は速いが、中心部では分布が固定されず、
そのため得られる屈折率分布は、図3に示すような分布
形状となりやすかった。
【0004】また、ドーパントを含む金属アルコキシド
溶液を円柱状にゲル化し、その周囲にドーパントを含ま
ない金属アルコキシド溶液を加水分解してゲル化直前の
粘度になった反応物を流し込みゲル化させた後、乾燥焼
結することによりガラス化し、光ファイバー母材とする
方法が、特開昭61−111930号公報に開示されて
いる。この方法では、層状に作製したゲル中のドーパン
トが層間の濃度差ポテンシャルを利用した拡散を利用し
てなだらかな分布を得ている。このような方法により、
屈折率差が大きく屈折率分布形状が放物線状である屈折
率分布型ガラスを得るためには、多数の層を重ねること
が必要となり、各層を構成するゲルを作製するために、
金属成分の量を変化させたゾルを多数調製しなければな
らない。ところが、ゾルを作製する際に金属成分の量を
変化させると、ゾル中のpHが変化したり、また金属ア
ルコキシドの量を増やす場合には反応速度が極端に速く
なるために、これらを調整するために溶媒の量や、触媒
である酸の量を調整して、加水分解速度を制御しなけれ
ばならない。しかし、これら溶媒量、触媒量等を変化さ
せて得たゲルは収縮率や強度も変化してしまうため、積
層しても浸漬、乾燥、焼成等の工程中に層間に応力がか
かり割れやすくなる。また、大きな屈折率差を得るため
には、金属成分の濃度を大きく変化させたゲルを用意し
なければならないので、場合によってはゲルを作製する
ことすら不可能な場合もあった。
【0005】このように、従来の方法を用いて、屈折率
差が大きく、屈折率分布形状が放物線状であるような光
学的に優れた屈折率分布型光学ガラスを得ることは困難
であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、濃度分布を
付与した後に処理液に浸漬して濃度分布固定する際の分
布の乱れや、屈折率分布型レンズを濃度分布が異なる部
材の積層によって作製する場合に必要とする大きな濃度
分布差を有する部材の調整が困難であるという問題点を
解決し、光学的に優れた屈折率分布形状を有する屈折率
分布型光学ガラス素子の製造方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ゾルゲル法に
より径方向屈折率分布型光学ガラスを製造する方法にお
いて、ゲル体内部に屈折率分布に寄与する特定成分の濃
度が中心部で高く周辺部へ向かって低くなるような濃度
分布を付与した後に、ゲル体を特定成分を含有する処理
液に浸漬し、該ゲル体の周辺部の特定成分の濃度を高く
し、次いで特定成分を溶出する処理液に浸漬して処理す
る屈折率が中心部で高く周辺部で低い径方向屈折率分布
型光学ガラスの製造方法である。
【0008】また、ゾルゲル法により径方向屈折率分布
型光学ガラスを製造する方法において、ゲル体内部に屈
折率分布に寄与する特定成分の濃度が中心部で低く周辺
部へ向かって高くなるような濃度分布を付与した後に、
ゲル体を特定成分を溶出する処理液に浸漬し、ゲル体の
周辺部の特定成分の濃度を低くし、次いでゲル体を特定
成分を含有する処理液に浸漬する屈折率が中心部低く周
辺部で高い径方向屈折率分布型光学ガラスの製造方法で
ある。
【0009】また、ゾルゲル法により径方向屈折率分布
型光学ガラスを製造する方法において、屈折率分布に寄
与する特定成分の濃度が異なるゲルを同心円状に中心部
および周辺部で特定成分の濃度が低く、その中間のゲル
層の特定成分の濃度が高くなるように積層し、円柱状の
ゲル体を作製し、得られたゲル体を特定成分を溶出する
処理液に浸漬する屈折率が中心部で高く周辺部で低い径
方向屈折率分布型光学ガラスの製造方法である。
【0010】また、ゾルゲル法により径方向屈折率分布
型光学ガラスを製造する方法において、屈折率分布に寄
与する特定成分の濃度が異なるゲルを同心円状に中心部
および周辺部で特定成分の濃度が高く、その中間のゲル
層の特定成分の濃度が低くなるように積層し、円柱状の
ゲル体を作製し、得られたゲル体を特定成分を含有する
処理液に浸漬する屈折率が中心部低く周辺部で高い径方
向屈折率分布型光学ガラスの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の屈折率分布ガラスの製造
法は、まずゾルゲル法により、シリコンアルコキシド、
アルコール等を混合した溶液中に屈折率分布への寄与の
大きな金属種の塩等の特定成分の水溶液と酸等を加え加
水分解し、シリカを主成分とする円柱状のゲル多孔質体
を得る。このゲル体を図4(A)に示すように、金属種
を溶解可能な溶液に浸漬することにより、ゲル体中に凸
状に分布させる。その後に、この金属種を含む溶液にゲ
ル体を浸漬することにより外側から金属種を導入し、図
4(B)に示すような金属種の濃度が中心部で高く、周
辺部へ向かって低くなり、さらに周辺に向かって再び高
くなるように分布したゲル体を得ることができる。その
後に、このゲル体を金属種を溶出可能な溶液に浸漬し、
溶液を中心部まで浸透させ、所望の時間濃度分布を付与
した後に、この金属種をほとんど溶解しない溶液に浸漬
することにより、周辺部から金属塩の結晶が析出し固定
される。この溶液の到達する速度の差のために、中心部
の金属塩が、やや外側に移動し、結果的に、放物状の分
布を得ることができる。以上のようにして作製した多孔
質体を乾燥、焼成することにより無孔化し、屈折率が中
心部で高く、周辺部で低くなり、その形状がほぼ放物線
状分布であるような屈折率分布型レンズを作製すること
ができる。
【0012】この方法によれば、図4(B)に示した金
属濃度分布を予め付与しておき、後の濃度分布の固定工
程での分布形状の変化を相殺するため、図4(B)の分
布をどのように設定するかが重要となる。図(B)に示
した分布形状は、分布に用いる金属種成分や金属塩の種
類、また固定に用いる溶媒と金属塩の溶解度の関係、ゲ
ルの直径、およびゲル体の細孔の大きさ等に合わせて設
定する。これらの条件設定により最終的な分布として、
光学設計的に有効な放物線状分布を得ることができる。
【0013】この方法で用いる金属種の塩は必ずしも同
一の種類の塩である必要はなく、むしろ、溶出速度等を
調整するために、同種金属の異種の塩を用いることもで
きる。また、二度の溶出の工程において用いる溶媒につ
いても、溶出能力の異なる他の溶媒を用いたり、数種の
溶媒の混合比率を変えて用いたりすることにより、さら
に精密な制御が可能となる。また、上記説明中では金属
種分布を固定をする工程は、最終分布を付与した後にの
み行う例について示したが、図4(A)、図4(B)の
分布を付与する工程の後にもこの固定工程を行っても良
い。
【0014】また、シリコンアルコキシド、アルコール
等を混合した溶液に酸等を加え加水分解し、シリカを主
成分とする円柱状のゲル体を得る。ゲル体生成工程にお
いて金属成分を予め添加してもよい。このゲルを金属種
を含む溶液に浸漬することにより外側から金属種を導入
し図5(A)のように金属種を凹状に分布させる。次に
前記金属種を溶解可能な溶液に浸漬することにより、ゲ
ル外周部の金属種を溶出し、図5(B)に示すような金
属種の濃度が中心部で低く、周辺部へ向かって一度高く
なり、さらに周辺にむかって再び低くなるように分布し
たゲルを得ることができる。その後に、このゲルを金属
種を含有した溶液に浸漬することにより、金属塩を中心
部まで浸透させ、所望の時間濃度分布を付与した後に、
この金属種をほとんど溶解しない溶液に浸漬することに
より、図5(C)に示すように、周辺部から金属塩の結
晶が析出し固定され、この溶液の到達する速度の差のた
めに、中心部の金属塩が、やや外側に移動し、結果的
に、放物線状の分布を得ることができる。以上のように
して作製した多孔質体を乾燥、焼成することにより無孔
化し屈折率が中心部で低く、周辺部で高くなり、その形
状がほぼ放物線状分布であるような屈折率分布型レンズ
を作製することができる。
【0015】この方法において、図5(B)に示した金
属濃度分布の決定が重要であることは、図4(B)での
説明で述べたものと同様である。この方法で用いる金属
種の塩は必ずしも同一の種類の塩である必要はなく、む
しろ、溶出の速度や固定の速度を調整するために、同種
金属の異種の塩を用いることもできる。また、二度の溶
出の工程において用いる溶媒についても、溶出能力の異
なる溶媒を用いたり、数種の溶媒の混合比率を変えて用
いたりすることができる。また、金属種の分布を固定を
する工程は、最終分布を付与した後にのみ行う例につい
て示したが、図5(A)、図5(B)の分布を付与する
工程の後にもこの固定工程を行っても良い。、また、金
属成分の濃度の異なるゲルの積層体を溶液に浸漬し、分
布を付与することも可能である。3層のゲルを積層する
方法を例に挙げて説明する。図6(A)に示すように、
光学特性に寄与の大きな金属種Mを濃度C1 含有させた
ゾルを作製し、内径dの円筒容器に層の厚さT1 の管状
のゲルを作製する。この管状ゲルの内側に金属種Mを濃
度C2 含有した厚さT2 の管状ゲル層を形成する。その
後、この管状ゲルの内側に金属種をMを濃度C3 含有し
たゲルを充填し、半径T3 の芯のゲルを得ることができ
る。このとき、金属種Mの濃度はC1>C2かつC3>
C2となるようにする。このようにして作製されたゲル
の径方向金属成分の濃度分布は図6(A)において実線
で示されるが、年輸状のゲルは熟成中、あるいは浸漬処
理工程中に各層間で拡散することにより、金属種Mの濃
度分布は図6(A)において点線で示されるようになめ
らかに変化する。
【0016】ゲルの積層は、回転による遠心力を利用し
て型容器内壁面にはりつけて管状にゲル化させ、さらに
ゲル内面に金属種の濃度が異なるゾルをゲル化させる方
法によつてもよいし、また、径の異なる円柱、または円
筒状の型を組合わせることにより行うこともできる。型
の組み合わせによる場合には、中心のゲルを先に作製し
その周りに重ねていく方法、逆に周辺から作製していく
方法等いずれの方法を選ぶことも可能である。このよう
にして作製されたゲルを金属種を溶解可能な溶液に浸漬
することにより、図6(B)において点線で示す濃度分
布とし、続く固定工程での周辺部と中心部の固定開始時
間の違いによる金属塩の移動により、図6(B)におい
て実線で示す、ほぼ放物線状の分布をした屈折率分布型
ガラスを得ることができる。
【0017】また、図6に示した分布とは逆の分布をし
た屈折率分布型ガラスを製造する方法を図7に説明す
る。光学特性に寄与の大きな金属種Mを濃度C1 含有さ
せたゾルを作製し、内径dの円筒容器に層の厚さT1
管状のゲルを作製する。この管状ゲル内側に、金属種M
を濃度C2 含有した厚さT2 の管状ゲル層を形成する。
その後、この管状ゲルの内側に金属種をMを濃度C3
有したゲルを充填し、半径T3 の芯のゲルを得ることが
できる。このとき、金属種Mの濃度はC2>C1かつC2
>C3となるようにする。このようにして作製されたゲ
ルの径方向金属成分の濃度分布は図7(A)において実
線で示されるようなステップ状である。このようにして
作製された年輪状のゲルは熟成中、あるいは浸漬処理工
程中に各層間で拡散することにより、金属種Mの濃度分
布は図7(A)で点線で示されるように滑らかに変化す
る。管状ゲルの作製には、回転による遠心力を利用して
型容器内壁面に張り付けてゲル化させる方法を用いても
良いし、径の異なる円柱、または円筒状の型を組合わせ
ることにより行うこともできる。型の組み合わせによる
場合には、中心のゲルを先に作製しその周りに重ねてい
く方法、逆に周辺から作製していく方法等いずれの方法
を選ぶことも可能である。このようにして作製されたゲ
ルを金属種を溶解可能な溶液に浸漬することにより、図
7(B)において点線で示す分布形状となり、続く固定
工程での固定開始速度の周辺部と中心部の違いによる、
金属塩の移動距離の違いによって、図7(B)において
ほぼ放物線状分布を得ることができる。
【0018】また、ゾルの積層による方法では、3層を
積層する方法について述べたが、積層する層数をさらに
多くすれば、極値の位置や極値の大きさ、分布勾配等を
精密に調整することができる。また、図8のように濃度
を変化させたゾルを積層することによつて、極値の左右
の勾配をより精密に制御することができるこの場合に、
金属種濃度を変化させた多数種のゲルを作製する必要が
あるが、この目的はは、屈折率分布形状の変形を修正す
ることにあるため、金属濃度を大幅に変化させる必要は
なく、ゾル作製上の問題はほどんどない。また、積層し
た各層のゲルの収縮率、強度等もよく似ているため、従
来の方法で見られるような処理中の割れの問題も生じな
い。極値の位置については、分布に用いる金属種や金属
塩の種類、また固定に用いる溶媒と金属塩の溶解度の関
係、ゲルの直径、およびゲル多孔質体の細孔の大きさ等
により変化することは前述のとおりであるが、ゲルの外
径をDとしたときに、中心からおよそ(1/6)D以上
(5/12)D以下の位置に設定するとよい。
【0019】以上のように、本発明の屈折率分布型光学
ガラスの製造方法は、光学特性に寄与の大きな金属種の
含有濃度を、中心部で高く、周辺部へ向かって一度低く
し、さらに周辺に向かって再び高くなるように作製した
ゲルを溶液に浸漬して該金属種の溶出を行うものであ
り、図1(A)に示すように、(a)、(b)、(c)
の順で分布を形成するものである。そして、適当な時間
分布を付与し図1(c)のような分布を得たところで、
このゲルを金属塩の溶解度の少ない溶液に浸漬すると、
周辺部では速やかに結晶として析出するが、中心部まで
液が浸透するのに時間を要するために、中心付近の分布
は、濃度差を小さくする方向に図1(B)に示すように
変化する。このように、分布固定の際に生じる分布形状
の変化を予測し、中心部での濃度を高く、周辺部へ向か
って一度低くなるが、さらに周辺に向かって再び高くな
るような分布形状を付与しておくことにより、これらの
分布は相殺し、最終的に放物線状の形状の分布を得るこ
とができるのである。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明をさら
に説明する。 実施例1 76gのシリコンテトラエトキシドに1Nの塩酸を24
ml加え部分加水分解した後に、1Mの酢酸バリウム水
溶液29mlを加え、ゾル中のバリウム濃度が0.2M
となるようにゾルを調製し、このゾルを内径25mmの
容器に高さ150mmとなるように注入しゲル化させ
た。ゲル化後の湿潤ゲルを容器から取り出し、水/エタ
ノール=10/90(容量%)の溶液に9時間浸漬し、
ゲル中のバリウム成分を溶出し凸状に分布させる。次
に、このゲルを水/エタノール=30/70(容量%)
の0.2Mの酢酸バリウムの溶液に3時間浸漬し、ゲル
周辺部のバリウム濃度を高くした。次に、0.1M酢酸
カリウムを含む水/メタノール溶液に12時間浸漬する
ことによりゲル中のバリウム成分を溶出し、バリウム濃
度に凸状の分布を付与した。その後エタノール/エーテ
ル=50/50に浸漬し、酢酸バリウム塩の結晶をゲル
中に析出させバリウム成分の濃度分布を固定した。この
ゲルを徐々に温度をあげて、90℃まで乾燥させたの
ち、700℃まで加熱し無孔化することにより、透明な
屈折率分布型ガラス体を得た。このガラス体の両面を平
面に研磨し、屈折率分布を測定したところ、屈折率分布
は下式により表された。 N(r)=1.6030-1.9509×10-3r2-2.0154×10-8r4-5.2863×10-9r6 (1) このように高次の項の係数が小さく、得られた分布はほ
とんど2次分布であり、光学設計上の用途の幅広いもの
であった。
【0021】比較例1 76gのシリコンテトラエトキシドに1Nの塩酸を24
ml加え部分加水分解した後に、1Mの酢酸バリウム水
溶液29mlを加え、ゾル中のバリウム濃度が0.2M
となるようにゾルを調製し、このゾルを内径25mmの
容器に高さ150mmとなるように注入しゲル化させ
た。ゲル化後の湿潤ゲルを容器から取り出し、0.1M
酢酸カリウムを含む水/メタノール溶液に12時間浸漬
することによりゲル中のバリウム成分を溶出し、バリウ
ム成分に凸状の分布を付与した。その後エタノール/エ
ーテルル=50/50に浸漬し、酢酸バリウム塩の結晶
をゲル中に析出させバリウムの濃度分布を固定した。こ
のゲルを徐々に温度をあげて、90℃まで乾燥させたの
ち、700℃まで加熱し無孔化することにより、透明な
屈折率分布型ガラス体を得た。このガラス体の両面を平
面に研磨し、屈折率分布を測定したところ、屈折率分布
は下式により表された。 N(r)=1.6017-1.5571×10-3r2+2.8436×10-5r4-2.7188×10-6r6 (2) このように高次の項の係数が太きく、得られた分布は2
次分布とは遠いものであり、そのため、光学設計上使用
用途が限定されるものであった。(2)式を2次で近似
し、(2)式との差を計算したところ、図9に示すよう
なM型の分布を有していた。このM型の分布を打ち消す
方向に、予めバリウム成分をW型に分布させておいた実
施例1の方法によりほぼ放物線形状の屈折率分布が得ら
れたことにより、本発明の方法が有効であることが示さ
れた。
【0022】実施例2 208gのシリコンテトラエトキシドと152gのシリ
コンテトラメトキシドを混合した溶液にpH2の塩酸5
0mlを加え部分加水分解した後に、酢酸鉛水溶液と酢
酸の混合液を添加し、ゾル中の鉛濃度が0.12Mとな
るようにゾルを調製しこのゾルを内径56mmの容器に
高さ150mmとなるように注入してゲル化させた。ゲ
ル化後の湿潤ゲルを容器から取り出し、酢酸鉛0.22
Mのメタノール/エタノール混合溶液に12時間浸漬
し、鉛成分がゲル中で凹状になるようにした。次に、酢
酸カリウム0.15Mのメタノール溶液に5時間浸漬
し、周辺部分の鉛を溶出し、半径方向に極値を持つ分布
を得た。その後、酢酸鉛0.30Mのメタノール溶液に
21時間浸漬することにより、Pb成分が凹状に分布し
たゲルを作製した。その後イソプロパノール/アセトン
=2/8の溶液に浸漬することにより、酢酸鉛の徴結晶
を析出した。このゲルを徐々に温度をあげて、50℃ま
で乾燥させたのち、650℃まで加熱し無孔化すること
により、透明な屈折率分布型ガラス体を得た。このガラ
ス体の両面を平面に研磨し、屈折率分布を測定したとこ
ろ、屈折率分布は下式により表された。 N(r)=1.5421 + 7.3788×10-4r2 + 4.2160×10-8r4 - 8.2543×10-10r6 (3) このように高次の項の係数が小さく、得られた分布はほ
とんど2次分布であり、光学設計上使用用途の幅広いも
のであった。
【0023】比較例2 208gのシリコンテトラエトキシドと152gのシリ
コンテトラメトキシドを混合した溶液にpH2の塩酸5
0mlを加え、部分加水分解した後に、酢酸鉛水溶液と
酢酸の混合液を添加し、ゾル中の鉛濃度が0.12Mと
なるようにゾルを調製し、このゾルを内径56mmの容
器に高さ150mmとなるように注入しゲル化させた。
ゲル化後の湿潤ゲルを容器から取り出し、次いで酢酸鉛
0.15Mのメタノール溶液に21時間浸漬することに
より、鉛成分が凹状に分布したゲルを得た。得られたゲ
ルをイソプロパノール/アセトン=2/8の溶液に浸漬
することにより、酢酸鉛の微結晶を析出した。このゲル
を徐々に温度をあげて、50℃まで乾燥させたのち、6
50℃まで加熱し無孔化することにより、透明な屈折率
分布型ガラス体を得た。このガラス体の両面を平面に研
磨し、屈折率分布を測定したところ、屈折率分布は下式
により表された。 N(r)=1.5470 + 5.8894×10-4r2 +1.8491×10-6r4 - 3.0394×10-8r6 (4) このように高次の項の係数が大きく、そのため、比較例
2により得られたものは、光学設計上の用途が限定され
るものであった。
【0024】実施例3 104gのシリコンテトラエトキシドと20mlのエタ
ノールを混合した溶液に0.1Nの塩酸37mlを添加
し、1時間攪拌し部分加水分解を行った溶液に、表1に
示す濃度の酢酸鉛水溶液と酢酸の混合液を添加して、鉛
成分の異なる1層目から5層目までの5種のゾルを作製
した。このゾルを入れ子式に作製された円筒状の型を用
いて同心円状に外周部から5層に積層した。このように
して作製したゲルを40℃で3日間熟成した後に、イソ
プロパノール/アセトン=5/5の溶液に浸漬し、酢酸
鉛の微結晶を析出させW状の分布を固定した。熟成、お
よびこの固定までの間に、積層時には階段状であった濃
度分布は、ゲル内での拡散によりなめらかなW状の分布
となる。その後、0.3Mの酢酸カリウムを含有するエ
タノールに浸漬することにより鉛成分を溶出し、凸状の
分布を得、イソプロパノール/アセトン=4/6の溶
液、およびアセトンに順次浸漬することによりゲル中に
酢酸鉛を固定した。このゲルを50℃まで乾燥し、65
0℃まで加熱無孔化することにより、透明なガラス体を
得た。このガラス体の両面を平面に研磨し、屈折率分布
を測定したところ、屈折率分布はほぼ2次曲線で表さ
れ、光学設計上使用用途の広いものであった。
【0025】
【表1】
【0026】実施例4 104gのシリコンテトラメトキシドとエタノールを混
合した溶液に0.1Nの塩酸37mlを添加し、1時間
攪拌し部分加水分解を行った溶液に、表2に示す濃度の
酢酸鉛水溶液と酢酸の混合液を添加して、鉛成分の異な
る1層目から3層目までの3種のゾルを作製した。入れ
子式に作製された円筒状の型を用いて同心円状に外周部
から3層に積層した。このようにして作製したゲルを4
0℃で3日間熟成した後に、イソプロパノール/アセト
ン=5/5の溶液に浸漬し、酢酸鉛の微結晶を析出させ
M状の分布を固定する。熟成、およびこの固定までの間
に、積層時には階段状であつた濃度分布は、ゲル内での
拡散によりなめらかなM状の分布となる。その後、0.
35Mの酢酸鉛を含有するメタノール溶液に浸漬するこ
とにより鉛成分を外側からドープし、凹状の分布を有す
るゲルを得た。次いで、得られたゲルをイソプロパノー
ル/アセトン=1/9の溶液、およびアセトンに順次浸
漬することによりゲル中に酢酸鉛を固定した。このゲル
を50℃まで乾燥し、650℃まで加熱無孔化すること
により、透明なガラス体を得た。このガラス体の両面を
平面に研磨し、屈折率分布を測定したところ、屈折率分
布はほぼ2次曲線で表され、光学設計上の用途の広いも
のであった。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、カメラ、顕微鏡、内視
鏡等のレンズとして用いることのできる屈折率分布型ガ
ラスの分布形状の制御を精密に行うことができ、光学設
計上効果の高いほぼ放物線形状の分布を得ることが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における金属種の濃度の分布の変化を説
明する図である。
【図2】従来の方法による屈折率分布を説明する図であ
る。
【図3】従来の方法による屈折率分布を説明する図であ
る。
【図4】本発明における一実施例の金属種濃度の分布の
付与過程を説明する図である。
【図5】本発明における他の実施例の金属種濃度の分布
の付与過程を説明する図である。
【図6】本発明における他の実施例の金属種濃度の分布
の付与過程を説明する図である。
【図7】本発明における他の実施例の金属種濃度の分布
の付与過程を説明する図である。
【図8】多数のゲル層を積層して金属種濃度の分布を付
与する方法を説明する図である。
【図9】比較例の方法による屈折率分布を説明する図で
ある。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゾルゲル法により径方向屈折率分布型光
    学ガラスを製造する方法において、ゲル体内部に屈折率
    分布に寄与する特定成分の濃度が中心部で高く周辺部へ
    向かって低くなるような濃度分布を付与した後に、ゲル
    体を特定成分を含有する処理液に浸漬し、該ゲル体の周
    辺部の特定成分の濃度を高くし、次いで特定成分を溶出
    する処理液に浸漬して処理することを特徴とする屈折率
    が中心部で高く周辺部で低い径方向屈折率分布型光学ガ
    ラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 ゾルゲル法により径方向屈折率分布型光
    学ガラスを製造する方法において、ゲル体内部に屈折率
    分布に寄与する特定成分の濃度が中心部で低く周辺部へ
    向かって高くなるような濃度分布を付与した後に、ゲル
    体を特定成分を溶出する処理液に浸漬し、ゲル体の周辺
    部の特定成分の濃度を低くし、次いでゲル体を特定成分
    を含有する処理液に浸漬することを特徴とする屈折率が
    中心部低く周辺部で高い径方向屈折率分布型光学ガラス
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 ゾルゲル法により径方向屈折率分布型光
    学ガラスを製造する方法において、屈折率分布に寄与す
    る特定成分の濃度が異なるゲルを同心円状に中心部およ
    び周辺部で特定成分の濃度が低く、その中間のゲル層の
    特定成分の濃度が高くなるように積層し、円柱状のゲル
    体を作製し、得られたゲル体を特定成分を溶出する処理
    液に浸漬することを特徴とする屈折率が中心部で高く周
    辺部で低い径方向屈折率分布型光学ガラスの製造方法。
  4. 【請求項4】 ゾルゲル法により径方向屈折率分布型光
    学ガラスを製造する方法において、屈折率分布に寄与す
    る特定成分の濃度が異なるゲルを同心円状に中心部およ
    び周辺部で特定成分の濃度が高く、その中間のゲル層の
    特定成分の濃度が低くなるように積層し、円柱状のゲル
    体を作製し、得られたゲル体を特定成分を含有する処理
    液に浸漬することを特徴とする屈折率が中心部低く周辺
    部で高い径方向屈折率分布型光学ガラスの製造方法。
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