JPH06321562A - 屈折率分布型光学素子の製造方法 - Google Patents

屈折率分布型光学素子の製造方法

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JPH06321562A
JPH06321562A JP13295793A JP13295793A JPH06321562A JP H06321562 A JPH06321562 A JP H06321562A JP 13295793 A JP13295793 A JP 13295793A JP 13295793 A JP13295793 A JP 13295793A JP H06321562 A JPH06321562 A JP H06321562A
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JP
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sol
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gel
optical element
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JP13295793A
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Minoru Inami
実 井波
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06321562A publication Critical patent/JPH06321562A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/12Other methods of shaping glass by liquid-phase reaction processes

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 様々な光学特性を有する光学素子を提供でき
るというゾルゲル法の利点を活かしつつ、ゲル形成時に
組成の分布付与を行い、特に凹分布のみの製造を可能と
し、従来のゾルゲル法による屈折率分布型光学素子の製
造方法よりも短時間に作製できる方法を提供する。 【構成】 ガラス形成酸化物の原料である金属アルコキ
シドを含むゾルを、半透過膜により形成された容器内に
注入する。該ゾルを内含する該半透過膜容器を、組成分
布を有することが屈折率分布を有することとなる金属要
素を含む溶液に浸漬する。その後、乾燥、焼結して屈折
率分布型光学素子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラ、顕微鏡等の光
学レンズとして利用される屈折率分布型光学素子のゾル
ゲル法による製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゾルゲル法により屈折率分布型光学素子
を作製する方法としては、大別して2種類存在し、第1
に特開昭61−183136号公報またはUSP4,7
97,376による方法、第2に特開平3−29581
8号公報による方法がある。これらの方法は、いずれも
ゲルを作製した後にウェットゲル段階でそのゲルをある
溶液に浸漬し、第1の方法については、溶液の拡散とお
そらくはその溶液による金属原子と酸素原子との間の結
合の切断とにより、第2の方法については、溶液の拡散
とおそらくはその溶液に対する金属塩の溶解度の差とに
より、それぞれゲル内に組成分布を付与し、その組成分
布が即ち屈折率分布に寄与するラジアル型屈折率分布型
光学素子の製造方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法でゾルゲル法によりラジアル型屈折率分布型光学素子
を作製する場合、組成および屈折率分布が、中心部で低
く、周辺部で高い、いわゆる凹分布となるもの、特に凹
分布のみを目的とするものは製造することができなかっ
た。
【0004】また、上記従来技術の場合、ゲル化後にそ
のゲルをある溶液に浸漬し、ある組成に濃度分布を付与
するため、浸漬する時間およびその後の洗浄等の処理な
どの時間を必要とし、原理的に作製のために時間を要す
るという欠点を有していた。
【0005】さらに、多成分系のガラスにおいて、ある
成分については凸分布とし、他の成分については凹分布
とする等というように、多成分系の全ての成分または大
部分の成分に分布を付与しようとする、いわゆる分布の
複合化を行おうとすると、ウェットゲル段階では、溶媒
の選択等についてかなりの制約があって困難性を有し、
ガラス化後の段階では、いわゆるイオン交換法を用いな
くてはならず、かかる場合は組成分布付与できる金属種
が1価の金属イオンを含む場合に限られ、かつ、作製工
程が更に長期にわたるという欠点を有していた。
【0006】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、様々な光学特性を有する光学素子を提供
できるというゾルゲル法の利点を活かしつつ、ゲル形成
時に組成の分布付与を行い、特に凹分布のみの製造を可
能とし、従来のゾルゲル法による屈折率分布型光学素子
の製造方法よりも短時間に作製できる方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、屈折率分布型光学素子を製造するにあた
り、ガラス形成酸化物の原料である金属アルコキシドを
含むゾルを、半透過膜により形成された容器内に注入す
る工程と、該ゾルを内含する該半透過膜容器を、組成分
布を有することが屈折率分布を有することとなる金属要
素を含む溶液に浸漬する工程とを設けることとした。
【0008】かかる構成より、容器外に存在する金属要
素が半透過膜を通って、容器内に侵入する一方、容器内
のゾルは、適当なゲル化時間を有し、徐々に粘性を増加
していく。適当な浸漬時間を選択することにより、金属
要素の侵入が制御され、かかる金属要素の濃度分布が容
器周辺部において高く、容器中心部において低い、いわ
ゆる凹分布を付与することが可能となる。また、ゾルが
適当なゲル化時間を有することにより、かかるゲル化と
ともに上記の凹分布を固定することが可能となり、かか
る構成の下、ゲル形成時にある組成に凹分布を付与する
ものである。
【0009】なお、製造される光学素子は、いわゆるラ
ジアル型の屈折率分布型光学素子に限らず、いわゆるア
キシャル型、スフェリカル型等の屈折率分布型光学素子
をも作製可能である。
【0010】
【作用】まず、半透過膜内に入れるゾルについて説明す
る。ゾルには、ガラス形成酸化物となる金属アルコキシ
ドが含まれていることを要する。この金属アルコキシド
は、その後、ゲル化し、乾燥、焼結して、所望のガラス
を得る際の必要不可欠な成分である。かかるガラス形成
酸化物は、一種類含まれていれば良いが、一種類に限ら
れることはない。また、ガラス形成酸化物となる金属ア
ルコキシドが含まれている限り、それ以外のいわゆるガ
ラス修飾酸化物となるものであって、屈折率等のガラス
の物性に寄与することとなる金属塩および金属アルコキ
シド等を含んでいても構わない。
【0011】かかる金属塩を含んでいる場合であって、
金属塩がイオン化した際の金属イオン等が、ゲル作製時
に半透過膜外に侵出することが可能である場合は、ゲル
作製時に一種の組成についての凹分布を形成するだけで
なく、金属塩による金属種について凸分布を形成するこ
とが可能となる。この場合は、見かけ上、半透過膜を通
じて液−液間でのイオン交換を行っているように見え
る。
【0012】ゾル内にゲル化を進行させる試薬(以下単
に「ゲル化剤」という)、例えば加水分解のための酸ま
たはアルカリ等を含んでいる場合と含んでいない場合と
がある。前者、すなわちゲル化剤を含んでいる場合、半
透過膜外の溶液の侵入によらずともゲル化がなされ、一
般的なゾルゲル法によるゲル化が生じる。一方、後者、
すなわちゲル化剤を含んでいない場合、そのままの状態
ではゲル化は進行しない。ただし、半透過膜外の溶液に
ゲル化剤が含まれていて、かつ、そのゲル化剤が半透過
膜を通過するものであれば、ゾルを入れた半透過膜容器
を浸漬することにより、ゲル化剤がゾル内に侵入し、ゲ
ル化が進行することとなる。したがって、ゾルにゲル化
剤が含まれていない場合には、溶液にゲル化剤が含まれ
ていることを要する。
【0013】なお、ここで、ゲル化剤には、ゾルをゲル
化させる役割を果たすだけの試薬、例えば上記の酸・ア
ルカリである塩酸やアンモニアなどが含まれる他、それ
以外の役割をも有するもの、例えばアルカリ金属・アル
カリ土類金属の塩等の水溶液等もこれに含まれる。
【0014】次に、内部にゾルを注入した半透過膜容器
を浸漬する溶液について説明する。その溶液には、組成
分布を有することが屈折率分布を有することとなる金属
要素、即ち、ゾルに含まれていない金属カチオン種であ
って、その組成分布を付与すると屈折率分布を付与する
こととなる金属カチオン種等が含まれていることを要す
る。かかるカチオン等の供給源として、カチオンを含む
塩またはカチオンを含む化合物等が存在し、例えば金属
塩や金属アルコキシド等がある。
【0015】金属アルコキシドの場合には、その金属ア
ルコキシド(M1 (OR1 n )が容器内部に侵入する
とともに、容器内部に存在する金属アルコキシド(M2
(OR2 m )と反応し、M1 とM2 とが酸素を介し
て、結合する。したがって、浸漬する溶液に存在する金
属アルコキシド(M1 (OR1 n )が容器内に侵入、
拡散することにより、結合による組成分布が形成され、
その点では単なる拡散工程と見かけ上同様な現象が生じ
る。
【0016】一方、金属塩の場合には、上記の金属アル
コキシド同士のかかる結合は、ほとんど生じないため、
組成分布を固定化するためには、浸漬による拡散工程の
終了後に適当な溶媒に浸漬する工程を必要とする場合も
ある。
【0017】上記カチオンや化合物の大きさとしては、
半透過膜の孔よりも小さいものであることを要する。か
かる条件を満たせば、そのカチオン等は半透過膜を通過
し、溶液からゾルに向かって移動拡散することができ
る。したがって、カチオン等が含まれていれば、移動拡
散およびその時間を制御することにより、本発明の効果
である組成の凹分布を形成することができ、カチオン等
以外のものが含まれていても、カチオン等が含まれてい
る限り、本発明の効果は減ぜられない。ただし、それ以
外のものが含まれている場合は、拡散時間等に変化を生
じてくる場合もある。また、該溶液に含まれる金属カチ
オン種は、一種類である必要はなく、光学特性を考慮し
た形で、二種以上のカチオオンを含めることも可能であ
る。
【0018】さらに、半透過膜については、その性質は
次に掲げる条件を満たすものであることを要する。すな
わち、容器内部に入れるゾルを構成するものであって、
かつ、ガラス形成酸化物になり得るものを内部から外部
に侵出させないという第一の条件と、容器外部にあるも
のであって、屈折率分布を発現することとなるカチオン
等を外部から内部に透過させるという第二の条件とを備
えるものである。
【0019】したがって、半透過膜の孔は、ゾルを構成
する成分および溶液を構成する成分等との関係で相対的
に定まるものであり、絶対的に定まるものではない。す
なわち、その孔の大きさとの比較により、ゾルに入れる
ガラス形成酸化物たりうる金属アルコキシドと、溶液に
存在する金属要素との関連から孔の大きさがある値の半
透過膜を用いればよいことになる。
【0020】なお、容器内部には、ゾル、すなわち、ガ
ラス形成酸化物たりうる金属アルコキシドを入れるが、
それが反応した形のダイマー・トリマー等のオリゴマー
の場合や、その誘導体、ダブルアルコキシド、ガラス形
成酸化物たりうる微粒子等の存在も考えられ、これらの
大きさをも考慮した上で半透過膜の孔の大きさを相対的
に決定することができる。
【0021】このような考えを式に表すと、 (ゾル内に存在する金属アルコキシド等の大きさ)>
(半透過膜の孔の大きさ)>(溶液内に存在する金属要
素の大きさ) ということになる。
【0022】また、半透過膜の材質等については、それ
を使用する期間中、ゲルにより侵されないこと、浸漬す
る溶液によっても侵されないこと、ゲル化の後にそのゲ
ルを容器から取り出すこと等を考慮したものであること
が望まれる材質である。
【0023】
【実施例1】シリコンテトラメトキシド75.5ml
(0.51mol)にイソプロパノール46ml(0.
6mol)を加え、撹拌した後に2Nの塩酸10mlを
加え、撹拌し、均一のゾルとした。かかるゾルを平均粒
径0.3μmのテトラフルオロカーボン製のフィルター
状のものからなる円筒状容器に注入した。
【0024】内部にゾルを有する上記円筒状容器を、チ
タンテトライソブトキシドを8mol/l含むイソプロ
パノール溶液に25℃で、2時間浸漬した。浸漬後、そ
の容器を引き上げると、中のゾルは既に流動性を失って
いてゲル化していることが確かめられた。
【0025】その後、容器からゲルを取り出して、乾燥
後、焼成することにより、周辺部の屈折率が1.566
で、中心部の屈折率が1.527である、図1に示すよ
うな屈折率分布を有する光学素子を作製することができ
た。
【0026】本実施例により、屈折率が周辺部で高く、
中心部で低い、いわゆる凹分布のみを有する光学素子を
作製することが可能となり、またその作製時間として、
従来技術と比べて、比較的短時間とすることが可能とな
った。
【0027】なお、本実施例に示した浸漬時間は、本実
施例の原料、温度、溶媒の種類、フィルター状のものの
平均孔径等を考慮して設定したものであり、他の浸漬時
間であっても、より最適な時間は存在し得るもので、こ
れらの条件が変化すれば、変化し得るものであることは
いうまでもない。
【0028】
【実施例2】シリコンテトラメトキシド30.0ml
(0.20mol)に、メタノール16.5mlと水3
6mlと市販のアンモニア溶液0.2mlとを混合して
撹拌した溶液を、加えて、撹拌した。かかるゾルを平均
孔径0.01μmのテトラフルオロカーボン製のフィル
ター状のものからなる円筒状容器に注入した。
【0029】内部にゾルを有する上記円筒状容器を、酢
酸鉛(Pb(CH3 COO)2 )0.52mol/lを
含む水−イソプロパノール溶液(vol比で水:イソプ
ロパノール=1:4)に25℃で、2時間浸漬した。浸
漬後、その容器を引き上げると、中のゾルは既に流動性
を失っていてゲル化していることが確かめられた。
【0030】その後、内部にゲルを有する円筒状容器
を、イソプロパノール、イソプロパノールとアセトンの
混合溶媒、アセトンに順次30分ずつ浸漬し、その後、
その容器からゲルを取り出して、乾燥後、焼成すること
により、周辺部の屈折率が1.550で、中心部の屈折
率が1.515である、図2に示すような屈折率分布を
有する光学素子を作製することができた。
【0031】円筒状容器に入れるゾルは、シリカ成分の
元となるシリコンアルコキシドに限られず、他の金属ア
ルコキシドを含む場合でも、かかる金属アルコキシドが
浸漬中に溶出しない限り、上記と同様に用いることがで
きる。
【0032】
【実施例3】シリコンテトラエトキシド30ml(0.
13mol)、シリコンテトラメトキシド30ml
(0.20mol)およびトリエチルボレート12.4
ml(0.073mol)を混合し、これに1/100
規定の塩酸25mlを加えて室温で1時間撹拌し、部分
加水分解反応を行った。ここに、1.25mol/lの
酢酸鉛水溶液107.63mlと酢酸15.35mlを
混合したものを添加した。これを、更に室温で激しく3
分間撹拌した後、2分間静置し、平均孔径0.01μm
のテトラフルオロカーボン製のフィルター状のものから
なる円筒状容器に注入した。
【0033】内部にゾルを有する上記円筒状容器を、酢
酸カリウムを0.61mol/l含むエタノール溶液に
20℃で、1時間浸漬した。浸漬後、その容器を引き上
げると、中のゾルは既に流動性を失っていてゲル化して
いることが確かめられた。
【0034】そのゲルを円筒状容器から取り出し、イソ
プロパノール、イソプロパノール:アセトン=5:5、
アセトンに順次30分ずつ浸漬した後、その溶媒から引
き上げ、乾燥、焼成を行ってガラスを得た。
【0035】このガラスの組成分布および屈折率を調べ
ると、それぞれ図3および図4に示すように、組成分布
にあっては、鉛が凸状、カリウムが凹状の分布を有し、
屈折率にあっては、凸状の分布を有していた。
【0036】本実施例により、一方の組成が周辺部で高
く、中心部で低い、凹形状の組成分布を有するととも
に、他方の組成が周辺部で低く、中心部で高い、凸形状
の組成分布を有し、屈折率としては、周辺部で低く、中
心部で高い、凸形状の分布を有する光学素子を作製する
ことが可能となった。また、本実施例では、ゲル形成段
階で凸凹の双方の組成分布を形成することができるた
め、従来では長時間要した作製期間が短時間となり、作
製工程におけるゲルの破壊等による歩留まりの低下を防
止することが可能となった。
【0037】
【実施例4】シリコンテトラメトキシド50ml(0.
34mol)とトリエチルボレート12ml(0.07
1mol)とを混合し、これに1/100規定の塩酸2
5mlを加えて室温で1時間撹拌し、部分加水分解を行
った。ここに、2mol/lの酢酸カリウム水溶液13
4.5mlと酢酸61.4mlを混合したものを添加し
た。これを、更に室温で激しく3分間撹拌した後、2分
間静置し、平均孔径0.3μmのテトラフルオロカーボ
ン製のフィルター状のものからなる円筒状容器に注入し
た。
【0038】内部にゾルを有する上記円筒状容器を、酢
酸カリウムを1mol/l含み、かつ、チタンテトライ
ソブトキシドを1mol/l含むメタノール溶液に20
℃で、1時間浸漬した。浸漬後、該容器を引き上げる
と、中のゾルは既に流動性を失っていてゲル化している
ことが確かめられた。
【0039】そのゲルを円筒状容器から取り出し、イソ
プロパノール、イソプロパノール:アセトン=5:5、
アセトンに順次30分ずつ浸漬した後、その溶媒から引
き上げた。そのゲルを更に0.2mol/lの酢酸鉛メ
タノール溶液に2時間浸漬した後、イソプロパノール、
イソプロパノール:アセトン=5:5、アセトンに順次
30分ずつ浸漬した。その後、このゲルを乾燥、焼成し
て、ガラスを得た。
【0040】このガラスの組成分布および屈折率を調べ
たところ、それぞれ図5および図6に示すように、組成
分布にあっては、鉛が凹状、カリウムが凸状の分布を有
し、屈折率にあっては、凹状の分布を有していた。
【0041】本実施例により、3種以上の組成につい
て、凹凸凹等のように分布の複合化を行うことが可能と
なり、この分布の複合化の際に要する時間も従来行われ
ていたものより大幅に短縮され、作製工程におけるゲル
の破壊等による歩留まりの低下を防止することも可能と
なった。さらに、これにより、多種多彩な光学素子の設
計およびその短時間での作製が可能となった。
【0042】
【実施例5】シリコンテトラメトキシド75.5ml
(0.51mol)に、ゲルマニウムテトラエトキシド
33.2ml(0.15mol)を加え、更にイソプロ
パノール46ml(0.6mol)を加え、撹拌した。
これに、2Nの塩酸10mlを加え、撹拌し、均一のゾ
ルとした。かかるゾルを平均孔径0.3μmのテトラフ
ルオロカーボン製のフィルター状のものからなる円筒状
容器に注入した。
【0043】内部にゾルを有する上記円筒状容器を、チ
タンテトライソブトキシドを8mol/l含むイソプロ
パノール溶液に25℃で、2時間浸漬した。浸漬後、そ
の容器を引き上げると、中のゾルは既に流動性を失って
いてゲル化していることが確かめられた。
【0044】このゲルを、30℃で、2日間熟成した
後、室温下で水に3時間浸漬した。浸漬後、乾燥、焼成
を行い、ガラスを得た。
【0045】このガラスの組成分布(屈折率分布)を調
べたところ、ゲルマニウムについては、周辺部で低く、
中心部で高い、凸分布を有し、チタンについては、周辺
部で高く、中心部で低い、凹分布を形成した屈折率分布
型光学素子であった。
【0046】
【実施例6】実施例1に示した方法により乾燥ゲルを作
製した。そのゲルを600℃までの焼成、すなわち、仮
焼成をして、多孔質体を作製した。その後、この多孔質
体を、いわゆる分子スタッフィング法により、屈折率分
布型光学素子とした。つまり、多孔質体を硝酸タリウム
2mol/l水溶液に100℃で2時間浸漬し、その
後、70℃に加温したエタノール40vol%を含む水
溶液に1時間浸漬した後、硝酸タリウムを多孔質体の孔
に固定するため、0℃のエタノールに再び浸漬した。こ
の多孔質体を乾燥、焼成してガラスを得た。
【0047】このガラスの組成分布(屈折率分布)を調
べたところ、組成分布が、チタンについては、中心部が
低く、周辺部が高い、凹分布を有し、タリウムについて
は、凸分布を有した屈折率分布型光学素子であった。
【0048】なお、本実施例では、実施例1に示した方
法により作製したゲルのみについて言及したが、これに
限られることはなく、実施例2〜5で作製したゲルにつ
いても同様に多孔質体を作製した後、いわゆる分子スタ
ッフィング法により屈折率分布型光学素子を作製するこ
とができる。
【0049】
【実施例7】シリコンテトラメトキシド50ml(0.
34mol)とトリエチルボレート12ml(0.07
1mol)とを混合し、これに1/100規定の塩酸2
5mlを加えて室温で1時間撹拌し、部分加水分解を行
った。ここに、2mol/lの酢酸カリウム水溶液13
4.5mlと酢酸61.4mlを混合したものを添加し
た。これを、更に室温で激しく3分間撹拌した後、2分
間静置し、平均孔径0.01μmのテトラフルオロカー
ボン製のフィルター状のものからなる円筒状容器に注入
した。
【0050】内部にゾルを有する上記円筒状容器を、酢
酸カリウムを1mol/l含み、かつ、チタンテトライ
ソブトキシドを1mol/l含むメタノール溶液に20
℃で、1時間浸漬した。浸漬後、その容器を引き上げる
と、中のゾルは既に流動性を失っていてゲル化している
ことが確かめられた。
【0051】そのゲルを円筒状容器から取り出し、イソ
プロパノール、イソプロパノール:アセトン=5:5、
アセトンに順次30分ずつ浸漬した後、その溶媒から引
き上げた。その後、このゲルを乾燥、焼成して、ガラス
を得た。
【0052】このガラスの組成分布を調べたところ、カ
リウムについては、どの点においても、ほぼ同様な値を
有しており、チタンについては、中心部が低く、周辺部
が高い、凹分布を有していた。
【0053】このガラスを、更にいわゆるイオン交換を
行った。すなわち、作製したガラスをLiNO3 の溶融
塩に浸漬して、LiとKのイオン交換を行った。
【0054】イオン交換を行った後、そのガラスの組成
分布を調べたところ、チタンについては、凹分布、カリ
ウムについては、凸分布を有していた。このことは、本
発明とイオン交換法とを有効に利用することにより、分
布の複合化が可能であることを示している。また、この
ガラスの屈折率を測定したところ、分布を有する光学素
子であることがわかった。
【0055】なお、このイオン交換についても、上記の
実施例4により作製したガラスに限られるものではな
く、本発明によりガラス化したものであって、ガラス内
に一価のカチオンが存在するものであれば適用できる。
【0056】さらに、本発明で、ゲル形成時にある組成
Aについて凹状の分布を作製した後、ウェットゲル状態
で特開平3−295818号公報記載の方法等により組
成B・Cに凸状の分布を形成し、次に仮焼成した多孔質
体の状態で分子スタッフィング法により組成Dに凹また
は凸状の分布を形成し、ガラスの状態でイオン交換法に
より更に組成E・Fについて凹凸状の分布を形成するこ
とも可能である。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の屈折率分布型光
学素子の製造方法によれば、様々な光学特性を有する光
学素子を提供できるというゾルゲル法の利点を活かしつ
つ、従来では不可能であった凹分布のみの製造ができ、
また従来のゾルゲル法による屈折率分布型光学素子の製
造方法よりも短時間に作製できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で作製した屈折率分布型光学
素子の屈折率分布を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例2で作製した屈折率分布型光学
素子の屈折率分布を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例3で作製した屈折率分布型光学
素子の組成分布を示すグラフである。
【図4】同実施例3で作製した屈折率分布型光学素子の
屈折率分布を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例4で作製した屈折率分布型光学
素子の組成分布を示すグラフである。
【図6】同実施例4で作製した屈折率分布型光学素子の
屈折率分布を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス形成酸化物の原料である金属アル
    コキシドを含むゾルを、半透過膜により形成された容器
    内に注入する工程と、該ゾルを内含する該半透過膜容器
    を、組成分布を有することが屈折率分布を有することと
    なる金属要素を含む溶液に浸漬する工程とを有すること
    を特徴とする屈折率分布型光学素子の製造方法。
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