JPH06171956A - ガラスの製造方法 - Google Patents

ガラスの製造方法

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JPH06171956A
JPH06171956A JP34545792A JP34545792A JPH06171956A JP H06171956 A JPH06171956 A JP H06171956A JP 34545792 A JP34545792 A JP 34545792A JP 34545792 A JP34545792 A JP 34545792A JP H06171956 A JPH06171956 A JP H06171956A
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glass
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gel
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JP34545792A
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Takahisa Fukuoka
荘尚 福岡
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/12Other methods of shaping glass by liquid-phase reaction processes

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 屈折率が大きくなるにつれてアッベ数も大き
くなるかあるいは変化しない、色収差補正に優れかつ屈
折率差の大きな、光学的に優れた特性を持つ屈折率分布
型のガラスを容易に得る。 【構成】 La,Y,Gdのうちの少なくとも1種の元
素の原料として無機または有機塩を用い、この元素に濃
度分布を付与する。また、Nb,Ta,Ti,Zrのう
ちの少なくとも1種の元素の原料として金属アルコキシ
ドまたはその誘導体を用いる。これら原料を用いてゾル
ゲル法によりガラスを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屈折率分布を有したガ
ラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属アルコキシド、金属酸化物
等の粒子、水ガラスなどによりゾルを調製し、これをゲ
ル化後に乾燥、焼成するゾルゲル法のガラスの製造方法
が知られている。また、従来、屈折率分布を有したガラ
スには、イオン交換法によるLi、Cs、Tl等のアル
カリ金属に濃度分布を有したセルフォック、分子スタッ
フィング法によるLi、Cs、Tl、Rb等に濃度分布
を有したガラス(特公昭60−54891号公報)、ゾ
ルゲル法によるPb、TiまたはGeに濃度分布を有し
たガラスがある(特開昭3−295818号公報、特開
昭60−145917号公報、特開昭60−14598
号公報)。さらに、色収差に対する補正効果をも加味し
た屈折率分布型光学素子の組成が特開平3−14130
2号公報に開示され、図3に示すnd −νd 図上でA方
向または垂直方向の光学特性(屈折率が大きくなるにつ
れてアッベ数も大きくなるかあるいは変化しない)を有
した屈折率分布型光学素子が特に収差補正の点で有効で
あることが示されている。また、ゾル調製時に金属塩と
金属アルコキシドを用いる屈折率分布型光学素子の製造
方法が特開平4−55326号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のセ
ルフォックや、アルカリ金属またはPb、Tiもしくは
Geに濃度分布を有する屈折率分布を有したガラスは、
屈折率差に対しては注意が払われているものの、分散に
対しては十分な考慮がされておらず、カメラ、顕微鏡等
の白色光源下での色収差を補正する光学的効果は高くな
かった。
【0004】そこで、色収差をも十分考慮した、光学的
効果の高い屈折率分布を有したガラスが提案され、元素
の分布形状は凸状と凹状の組み合わせが考えられてい
る。しかし、元素の分布形状の僅かのずれも光学特性に
大きな影響を与えるため、任意の元素について、凸状と
凹状の精密な分布制御が必要であったが、このような精
密な制御は非常に困難であった。
【0005】また、そこで、凸状または凹状の金属の分
布形状と、他の金属のSiに対する比が一定である平坦
な分布形状の組み合わせを有したガラスの組成が提案さ
れているが、具体的な製造方法は明らかでなかった。
【0006】一方、ゾル調製時に金属塩と金属アルコキ
シドを用いる従来の屈折率分布型光学素子の製造方法で
は、図3に示すB方向の光学特性を持つ屈折率分布型光
学素子の製造方法は明らかではあるものの、図3に示す
A方向や垂直方向の光学特性を持つ屈折率分布型光学素
子の製造方法は明らかではなく、特にLa、Y、Gdな
どの希土類元素を用いた屈折率分布型光学素子の具体的
な製造方法は明らかではなかった。さらに、この方法で
は、ゾル調製に用いた金属塩を溶出する溶液に浸漬する
ため、原理上、ゾル調製時に添加した金属塩を溶かし出
すのみとなり、ゾル調製時に添加した金属には、凸状の
分布しか付与することができなかった。
【0007】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、希土類元素に凸状または凹状の分布形状
を持ち、かつNb、Ta、Ti、ZrまたはNb、T
a、Ti、Pb、Zr、Bi、Sb、Ag、Sn、I
n、Tlのうちの少なくとも1種の元素が、Siに対す
る比が一定である平坦な分布を有し、屈折率が大きくな
るにつれてアッベ数も大きくなるかあるいは変化しな
い、色収差補正に優れかつ屈折率差の大きな、光学的に
優れた特性を持つ屈折率分布型のガラスを容易に得るこ
とができるガラスの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、La、Y、Gdのうちの少なくとも1種
の元素に濃度分布を有し、Nb、Ta、Ti、Zrのう
ちの少なくとも1種の元素を含む屈折率分布を有するガ
ラスをゾルゲル法により製造するにあたり、La、Y、
Gdのうちの少なくとも1種の元素の原料として無機ま
たは有機塩を用いる一方、Nb、Ta、Ti、Zrのう
ちの少なくとも1種の元素の原料として金属アルコキシ
ドまたはその誘導体を用いることとした。
【0009】また、本発明は、La、Y、Gdのうちの
少なくとも1種の元素に濃度分布を有し、Nb、Ta、
Ti、Pb、Zr、Bi、Sb、Ag、Sn、In、T
lのうちの少なくとも1種の元素を含む屈折率分布を有
するガラスをゾルゲル法により製造するにあたり、N
b、Ta、Ti、Pb、Zr、Bi、Sb、Ag、S
n、In、Tlのうちの少なくとも1種の元素の原料と
して微粉末を用いることとした。
【0010】
【作用】本願発明者は、図3中でA方向または垂直方向
となるような屈折率差が大きく、かつ色分散をも考慮し
た、光学的に優れた特性を持つ屈折率分布を有したガラ
スの組成について鋭意検討した結果、以下のようなこと
見出した。すなわち、屈折率に対する寄与の大きな元素
を用いればよいが、このような屈折率に対する寄与の大
きな元素には、La、Y、Gd、Ba、Nb、Ta、T
i、Pb、Zr、Bi、Sb、Ag、Sn、In、T
l、Ge、Zn、Ca、Sr等が挙げられる。さらに、
色分散について検討したところ、これらの元素は色分散
に対する寄与で分類することができ、色分散を余り出さ
ないA群(La、Y、Gd、Ba、Ca、Sr、Ge、
Zn)と、色分散を大きく出すB群(Nb、Ta、T
i、Pb、Zr、Bi、Sb、Ag、Sn、In、T
l)に分けることができる。
【0011】これら元素について検討した結果、A群を
凸状または凹状に分布させ、B群をSiに対する比が一
定で分布させたときに、図3中のA方向や垂直方向の光
学特性が得られることがわかった。
【0012】さらに、La、Y、GdおよびBa、S
r、Ca、Geについて検討した結果、Ba、Sr、C
a、Geは図3中のA方向や垂直方向の光学特性が得ら
れるものの、大きな屈折率差を付与することが困難であ
った。これに対し、La、Y、Gdは、屈折率に対する
寄与が大きいため、図3中のA方向や垂直方向の光学特
性を持つ上に、大きな屈折率差を付与することが可能と
なった。
【0013】次に、プロセスについて説明する。まず、
1段階目の加水分解として、シリコンのアルコキシドを
部分的に加水分解し、(1)式のような反応を起こさせ
る。 Si(OR)4 +H2 O→Si(OR)3 (OH)+ROH (1) これにTi、Nb、Ta、Zrのアルコキシド(M
F (OR)X )を反応させると、(2)式に示すような
反応により酸素を介してSiと金属MF との結合が生成
する。 Si(OR)3 +MF (OR)X →(OR)3 −Si−O−MF (OR)X-1 (2) 次に、2段階目の加水分解を行い、残っているアルコキ
シ基(−OR)を反応させると、重縮合反応が起こって
金属MF が取り込まれたシリカ骨格となる。
【0014】希土類元素の金属MG の無機または有機塩
は、上述したどの段階で添加してもよい。例えば、加水
分解時に添加する水や溶媒に溶解して添加してもよく、
F(OR)X やSi(OR)4 の溶媒、例えばアルコ
ール等の有機溶媒に溶解して添加してもよい。希土類元
素の金属MG の無機または有機塩を溶媒に溶解し、ゲル
化後のウエットゲル、またはこれを乾燥したドライゲル
を浸漬して金属MG を導入する場合には、金属MG がゲ
ル中に均一に導入される前に固定を行えば、凹状の分布
を付与することができ、金属MG がゲル中に均一に導入
された後に固定し、その後に溶出すれば、凸状の分布を
付与することができる。これらの方法は、金属MG の分
布形状および金属MG の無機または有機塩の溶媒に対す
る溶解性等によって選ばれる。
【0015】金属MG に凸状の分布を付与する場合につ
いて説明する。まず、ゲル中に導入されたLa、Y、G
d等の金属MG は、必要があれば微結晶として固定され
る。このときには、図1に示すような金属に分布を持っ
た湿潤シリカゲルが得られる。このとき、金属MG はゲ
ル細孔中に微結晶として沈澱しているだけなので、Si
と(2)式のような反応は起さず、Siと酸素を介して
強い共有結合は形成しない。
【0016】この後に金属MG に濃度分布を付与する。
濃度分布は金属MG 微結晶を溶解する溶液にゲルを浸漬
して溶出したり、酸または金属イオンを含んだ溶液を用
いて金属MG を水素イオンや金属イオンと交換すること
によって行われる。したがって、図2(A)に示すよう
な金属MG が凸状で金属MF が平坦に分布したゲルが得
られる。このとき、金属MG を溶出する溶液中に他の金
属種等を含有させ、それをゲル中に取り込ませることも
できる。
【0017】図2(B)に示すように、金属MG に凹状
の分布を付与する場合は、水やアルコール等に金属MG
の塩やアルコキシドを溶解した溶液に、ゲルを浸漬する
ことにより行われる。このときも、金属MG をゲル中か
ら溶出するときと同様の機構により金属MF は溶出しな
い。この後に乾燥、焼成して目的とするガラスを製造す
ることができる。
【0018】微粉末を用いる場合は、金属MG の原料と
して金属アルコキシドおよびその誘導体並びに金属塩を
用いることができる。金属MG の原料に金属アルコキシ
ドを用い、凸状の分布を付与する場合は、前述の(1)
式のように、Siアルコキシドと金属MG の原料の金属
アルコキシドは反応して、Si−O−MG 結合が形成さ
れる。そこに、金属MF の原料の微粉末を超音波等を用
いて、溶媒に分散させて添加する。この金属MF の原料
の微粉末は、ゾル調製中であればいつ添加してもよく、
(1)、(2)式の反応の前後に添加してもよい。この
ように調製したゾルをゲル化させると、図1に示すよう
な金属に分布を持った湿潤ゲルが得られる。この後に、
金属MG を溶出またはゲル外の成分と交換する溶液に湿
潤ゲルを適当な時間浸漬すると、図2(A)に示すよう
な分布を持つゲルが得られる。
【0019】このときに、ゲル中にはSi−O−MG
合が存在するが、まだガラス化していないために、微粉
中の結合と比較すると、Si−O−MG 結合は強固な結
合ではなく、希釈した酸等の溶液によりSi−O−MG
が切断されて、金属MG がゲル中から溶出され、分布が
付与される。
【0020】一方、金属MF は微粉末により供給されて
いるため、MF −O結合は強固であり、金属MG を溶出
するために用いる希釈された酸などの溶液では、溶出な
どは起こらず、金属MF は変化することはない。このと
き、金属MG を溶出する溶液中に他の金属種等を含有さ
せ、ゲル中に取り込ませることもできる。この後に、乾
燥、焼成して目的とするガラスを製造することができ
る。
【0021】次に、金属MG の原料として金属塩を用
い、金属MF の原料として微粉末を用いた場合は、金属
G を水または有機溶媒に溶解した溶液と、微粉末を水
または有機溶媒に分散させた液を用いてゾルを調製す
る。その後、これをpH調製やSiのアルコキシドの反
応等によりゲル化させる。すると、図1に示すような金
属に分布を持った湿潤シリカゲルが得られる。この後
に、必要があれば固定するための溶液にゲルを浸漬して
ゲル細孔に微結晶を析出させ、固定する。
【0022】その後、濃度分布を金属MG に付与する
が、この溶液は金属MG の微結晶を溶解すればよいの
で、一般に水または有機溶媒が用いられており、このよ
うな溶液では微粉末中の金属MF は溶出しない。したが
って、溶出液は金属MG を溶出するものを選定すればよ
く、金属MF については考慮する必要がない。このよう
にして、図2(A)に示すような分布を持つゲルが得ら
れる。このとき、金属MGを溶出する溶液中に他の金属
種等を含有させ、それをゲル中に取り込ませることもで
きる。この後に、乾燥、焼成して目的とするガラスを製
造することができる。
【0023】ここで用いた微粉末は、ゲルに取り込まれ
てガラス化するものであれば特に制限はなく、ガラス微
粉末、ゲル微粉末等を用いることができる。したがっ
て、含有させる成分の自由度が非常に大きくなる。
【0024】このように、2つ以上の成分を任意の分布
とする場合にも、金属MG の分布を崩すことなく、金属
G に分布付与を行うことができる。このとき、金属M
F の量の制御はゾル調製時の成分比で制御することがで
きるので、実質的に分布付与は金属MG のみでよいこと
になり、ある金属には凸状、またある金属には凹状と2
種類の異なった分布形状を制御する必要がなくなるため
に、条件設定が容易となり、かつ短い工程で金属に分布
を付与することが可能となる。
【0025】また、(2)式はSiのアルコキシドに制
限されているわけではなく、M1 −O−M2 のような酸
素を介した金属原子の結合を形成するものであれば、特
に制限はない。
【0026】以上で述べた希土類元素の無機塩には、硝
酸塩、塩化物、硫酸塩、炭酸塩等を用いることができ、
有機塩には、酢酸塩、蟻酸塩、アセチルアセトン塩、ジ
オール等が金属に配位した各種有機酸塩を用いることが
できる。また、金属アルコキシドの誘導体には、β−ジ
ケトンが部分的に金属アルコキシドのアルコキシ基(−
OR)と置換したもの等を用いることができる。
【0027】
【実施例1】120gのSi(OC2 5 4 に184
gのエタノールを加え、41.8gの1規定塩酸を加え
て部分加水分解し、51.9gのTi(On 4 9
4 をエタノールに溶解して混合した。その後に61.6
gのAl(Osec 4 9 3 を添加して2時間60℃
で撹拌した。そして、酢酸水溶液に溶解した116.6
gの酢酸ランタン1.5水和物を添加して撹拌し、ゾル
を調製した。このゾルを60℃で保持してゲル化させて
ゲルを得た。このゲルを0℃のエタノールに浸漬して酢
酸ランタンを微結晶として固定し、メタノール:H2
=6:4(体積比)の溶液に浸漬して、ランタンに濃度
分布を付与した。この後に100℃で乾燥し、1380
℃まで焼成してガラスを得た。
【0028】このガラスを切断して径方向にEPMAで
分析を行ったところ、ランタンにはほぼ放物線状の分布
を有しており、チタンの信号強度はほぼ一定であり、チ
タンの原子数の分布は一定であった。また、このガラス
の屈折率と分散の分布を測定したところ、周辺部ではn
d :1.66、νd :34、中心部ではnd :1.7
3、νd :36であり、図3中に示したA方向の光学特
性を持っており、光学的に効果の高い屈折率分布を有し
たガラス体であった。
【0029】
【実施例2】73gのSi(OCH3 4 に184gの
エタノールを加え、41.8gの1/10規定塩酸を加
えて部分加水分解し、130gのTa(OC2 5 5
をエタノールに溶解して混合した。その後に19.8g
の硼酸を添加して、水に溶解した71.6gの蟻酸イッ
トリウムを添加して撹拌し、ゾルを調製した。このゾル
を60℃で保持してゲル化させてゲルを得た。このゲル
を0℃のエタノールに浸漬して蟻酸イットリウムを微結
晶として固定し、メタノール:H2 O=8:2(体積
比)の溶液に浸漬して、イットリウムに濃度分布を付与
した。この後に100℃で乾燥し、1300℃まで焼成
してガラスを得た。
【0030】このガラスを切断して径方向にEPMAで
分析を行ったところ、イットリウムにはほぼ放物線状の
分布を有しており、タンタルの信号強度はほぼ一定であ
った。また、このガラスの屈折率と分散の分布を測定し
たところ、周辺部ではnd :1.83、νd :39、中
心部ではnd :1.77、νd :39であり、図3中に
おいて垂直方向の光学特性を持っており、光学的に効果
の高い屈折率分布を有したガラス体であった。
【0031】
【実施例3】平均粒径が5μmの30Nb2 5 ・70
SiO2 組成のガラス微粉末60.9gをメタノール9
5.0mlに超音波により分散した。そこに62.5g
のSi(OC2 5 4 、38.4gのメタノールおよ
び5.4gの1/100規定のHCl水溶液を加えてあ
らかじめ部分加水分解した溶液を添加して、更に混合し
た。その後、72.0mlの1/100規定NH4 OH
に溶解した82.2gの蟻酸ランタン無水物、198.
7mlのイソプロパノール混合溶液を滴下して撹拌し、
加水分解してゾルを調製した。このゾルを内径25mm
のガラス容器内でゲル化させて湿潤ゲルを作製した。
【0032】このゲルを500mlの水に24時間浸漬
し、径方向にランタンの分布を付与し、エタノールに浸
漬後、100℃まで乾燥を行った。この乾燥ゲルを電気
炉で1400℃まで焼結して、ガラス化したところ、直
径約10mmのガラスロッドが得られた。
【0033】このガラスロッドを切断して径方向のLa
とNbの分布をEPMAで測定したところ、信号強度
は、Laは中心部が高くかつ周辺部が低いパラボリック
な形状、Nbは平坦な形状を有していた。さらに、径方
向の光学特性を測定したところ、中心部ではnd :1.
828、νd :37、周辺部ではnd :1.749、ν
d :35.5で、図3中に示したA方向の光学特性を有
していた。
【0034】
【実施例4】平均粒径30μmの40PbO・10Al
2 5 ・50SiO2 組成の非晶質微粉末68.0gを
150.0mlのエタノールに超音波により分散した溶
液に、43.2gのSi(OCH3 4 、64.9gの
Al(Osec 4 9 2 (C6 9 2 )、83.5
gのアセチルアセトンおよび135gのイットリウムア
セチルアセトネイト2水和物を溶解した150gの1/
10規定のHCl水溶液を加えて加水分解し、ゾルを調
製した。このゾルを内径25mmのガラス容器内でゲル
化させて湿潤ゲルを作製した。
【0035】このゲルを3規定HCl水溶液500ml
に24時間浸漬し、径方向にYの分布を付与し、エタノ
ールで洗浄後、100℃まで乾燥を行った。この乾燥ゲ
ルを電気炉で1300℃まで焼結して、ガラス化したと
ころ、直径約10mmのガラスロッドが得られた。
【0036】このガラスロッドを軸に直角に切断して径
方向の光学特性を測定したところ、中心部ではnd
1.770、νd :34、周辺部ではnd :1.72
9、νd:34で、図3において垂直方向の光学特性を
有しており、光学的に有効なガラス体であった。
【0037】
【実施例5】平均粒径が10μmの10Al2 3 ・5
2 3 ・35Tl2 O・50SiO2 組成の非晶質微
粉末120.9gをブタノール270.0gに超音波に
より分散した溶液に、27.8gのZr(On
4 9 4 、19.1gのSi(OCH3 4 、26
5.4mlのエタノールおよび40.0mlの1/10
0規定NH4 OH水溶液を加えて加水分解し、ゾルを調
製し、内径25mmのガラス容器内でゲル化させて湿潤
ゲルを作製した。
【0038】約0.3mol/lの酢酸ガドリニウム水
溶液に上記ゲルを浸漬して、ガドリニウムに凹状の分布
を付与した。次いで、1−プロパノール、アセトンに浸
漬して分布を固定し、100℃で乾燥し、この乾燥ゲル
を電気炉で1300℃まで焼結してガラス化したとこ
ろ、直径約10mmのガラスロッドが得られた。
【0039】このガラスロッドを軸に直角に切断して径
方向の光学特性を測定したところ、中心部ではnd
1.859、νd :27、周辺部ではnd :1.79
8、νd:25で、図3中に示したA方向の光学特性を
有しており、光学的に有効なガラス体であった。
【0040】なお、上記実施例では径方向に屈折率分布
を有する光学素子についてのみ述べたが、軸方向に屈折
率分布を有するものにも応用できることは言うまでもな
い。また、本発明の効果を損なわない範囲において、ガ
ラス作製上や耐性向上のための成分を更に添加してもよ
い。
【0041】以上のように、本発明のガラスの製造方法
によれば、希土類元素に濃度分布を持ち、かつNb、T
a、Ti、ZrまたはPb、Bi、Sb、Ag、Sn、
In、Tlのうちの少なくとも1種の元素が、Siに対
する比が一定である平坦な分布を有し、色分散等をも考
慮した光学的に優れた特性を持つ屈折率分布型光学素子
素材としてのガラスを容易に作製することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】濃度分布を付与する前のゲル中の金属原子の含
有量の分布を示す概念図である。
【図2】濃度分布を付与した後のゲル中の金属原子の含
有量の分布を示す概念図である。
【図3】屈折率分布を有したガラスの光学特性を示す概
念図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 La、Y、Gdのうちの少なくとも1種
    の元素に濃度分布を有し、Nb、Ta、Ti、Zrのう
    ちの少なくとも1種の元素を含む屈折率分布を有するガ
    ラスをゾルゲル法により製造するにあたり、La、Y、
    Gdのうちの少なくとも1種の元素の原料として無機ま
    たは有機塩を用いる一方、Nb、Ta、Ti、Zrのう
    ちの少なくとも1種の元素の原料として金属アルコキシ
    ドまたはその誘導体を用いることを特徴とするガラスの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 La、Y、Gdのうちの少なくとも1種
    の元素に濃度分布を有し、Nb、Ta、Ti、Pb、Z
    r、Bi、Sb、Ag、Sn、In、Tlのうちの少な
    くとも1種の元素を含む屈折率分布を有するガラスをゾ
    ルゲル法により製造するにあたり、Nb、Ta、Ti、
    Pb、Zr、Bi、Sb、Ag、Sn、In、Tlのう
    ちの少なくとも1種の元素の原料として微粉末を用いる
    ことを特徴とするガラスの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6250108B1 (en) 1997-07-02 2001-06-26 Olympus Optical Co., Ltd Glass-making method

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US6250108B1 (en) 1997-07-02 2001-06-26 Olympus Optical Co., Ltd Glass-making method

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