JP3043781B2 - 屈折率分布型光学素子の製造方法 - Google Patents

屈折率分布型光学素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、屈折率分布型光学素子の製造方法に係り、
特に光学レンズなどの製造に適用されるゾル・ゲル法に
よる屈折率分布型光学素子の製造方法に関する。
[従来の技術] 従来、径方向に屈折率分布を有する屈折率分布型光学
素子の製造方法として、ゾル・ゲル法が用いられてい
る。
上記ゾル・ゲル法において、屈折率分布を付与する方
法として、以下に掲げる方法が知られている。
それは、少なくとも一種の金属成分を含有するシリカ
ゲルを調製後、ゲル化させた後、このウェットゲルを酸
などの上記金属成分を溶解・拡散し得る溶液に浸漬し、
その後、乾燥・焼成するという方法である。
上記方法において、上記金属成分を金属アルコキシド
として導入し、酸などによって分布付与する方法(Elec
tronics Letters,Vol.22(1986),PP.1108〜1110,“r
−GRIN TiO2−SiO2 Glass Rods Prepared by a Sol−Ge
l Method")と、上記金属成分を水溶性金属塩として導
入し、水溶液などで分布を付与する方法(Journal of N
on−Crystalline Solids Vol.85(1986),PP.244〜246,
“Preparation of Gradient−Index Glass Rods by the
Sol−Gel Process")が知られている。
[発明が解決しようとする課題] 従来までの2方法により、屈折率分布付与を行い、得
られたガラス体の径方向の屈折率分布を測定すると、第
1図(a)のようなガラス体中心部で屈折率が高く、周
辺部で低い、屈折率差Δn=n1−n2となるものが得られ
る。この屈折率差Δnを制御するためには、屈折率分布
付与のための酸などへのウェットゲルの浸漬時間を変化
させれば良いが、中心部の屈折率n1を保持し、放物線の
開きを変化させる、即ちΔnを変化させる制御は行えな
かった。
つまり、第1図(b)に示すようなΔn′=n4−n2
いう屈折率分布11は、分布付与のための時間を第1図
(a)の場合より長く、適当な時間浸漬すれば、作製で
きるが、Δn′=n1−n3(=n4−n2)という屈折率分布
12を有するガラス体は、浸漬時間を変化させても作製で
きないという欠点を有していた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもの
で、屈折率の最大値と最小値をそれぞれ制御することが
できる屈折率分布型光学素子の製造方法を提供すること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の屈折率分布型光
学素子の製造方法は、少なくとも1種の金属アルコキシ
ドと少なくとも1種の金属塩とを任意の比率で加えてゾ
ルを調製する工程と、前記ゾルをゲル化させた後、前記
ゲルを前記金属アルコキシドにより導入した金属成分は
溶出せずに前記金属塩を溶出する溶液に浸漬する工程と
を有している。その後、洗浄・乾燥・燒結することによ
り、最終的な屈折率分布型光学素子を製造することがで
きる。
[作 用] シリコンアルコキシドSi(OR4)及び金属アルコキシ
ドM(OR′)を原料として、ゾルを調製し、ゲル化し
た場合、アルコキシドが加水分解・脱水縮合反応を起こ
すため、金属Mは、ゲル中で酸素(O)を介して、シリ
コン(Si)と−M−O−Si−という強い化学結合を形成
していると考えられる。従って、金属Mに組成分布を付
与するためには、この結合を切断する必要があるため、
ゲルを酸中浸漬する方法が取られている。
一方、Si(OR)と金属塩MiXjを用いてゲル化した場
合、ゲル中で上記−M−O−Si−という結合はなく、金
属イオンMk+が非架橋酸素と電気的に結合しているのみ
である。そのため、金属イオンMk+は容易に他のカチオ
ンと置換することが可能で、金属塩を溶解する溶媒中に
ゲルを浸漬するだけで、容易に金属イオンMk+が拡散し
て組成分布を付与することが可能であると考えられる。
このように、金属Mの供給原料により、組成分布付与
の手法・メカニズムが異なっていると考えられる。
本発明は、上記の特性を利用して、金属導入の原料と
して金属アルコキシドと金属塩の両方を用い、組成分布
付与の段階で一方のみの組成分布を選択的に付与するこ
とにより、今まで実現することが困難であった種々の特
性を持つ屈折率分布型光学素子を得ようとするものであ
る。
より具体的には、まず、ゾル調製時の原料として、シ
リコンアルコキシドSi(OR)と分布付与する金属塩Mi
Xjと前記塩と同じ金属種のアルコキシドM(OR′)
異種金属の金属アルコキシドM′(OR″)n′をそれぞ
れ表1に示すように、100−(x+y+z)、x,y,zのモ
ル分率でゲルを作製する。次に、水・アルコールなどの
金属塩を溶解し、かつ−M−O−Si−、−M′−O−Si
−結合を切断しない溶媒中にゲルを浸漬することによっ
て、金属アルコキシドで導入した金属では組成分布付与
は行われずに、塩で導入した金属のみで組成分布を付与
することが可能となる。
つまり、第2図(b)に示すような金属Mの組成分布
は、金属原料を一種のみで導入したとき(第2図
(a))に比べ、アルコキシドで導入した部分が溶出さ
れず、金属塩で導入した部分のみが溶出し、中央部n5
ほぼ同じであるがΔnを小さく制御することが可能とな
る。
この方法を更に応用することにより、多くの種類の屈
折率分布型光学素子を得ることができる。
まず、第1に前記ゾル調整時のモル比率においてz=
0もしくは、zを一定とし、x+yを一定として、x,y
を変化させた場合、第3図のようにn8は変化せずにΔn
の大きさを制御できる。つまり、径方向の屈折率分布曲
線をn=ar2+b(放物線)とすれば、bが一定でaを
制御することが可能となる。
第2に、x及びyを一定としてzを変化させることに
より、もしくはx及びzを一定としてyを変化させるこ
とにより、第4図のようにΔnは変化せずに中心部の屈
折率を変化させる制御ができる。つまり、径方向の屈折
率分布曲線(放物線)n=ar2+bにおいてaが一定で
bを制御することが可能となる。
さらに、aとbを制御する方法を同時に組み込む、つ
まり、x,y,zを任意に変化させることにより、屈折率分
布曲線(n=ar2+b)におけるaとbをガラス化範囲
内で任意に制御することが可能となる。
また、以上の特性を光学ガラスの特性を表す分散を考
慮したν−nd図(アッベ数−屈折率図)に示すと、第
2図(a)および(b)の屈折率分布は、それぞれ第5
図の線分αα3αで表わされる。また、第4図
に示した3つの屈折率分布がzを変化させることにより
得られたものである場合は、各分布はν−nd図上で中
心屈折率の大きい順にそれぞれ第6図の線分ββ2
β4βで表わされ、上記3つの屈折率分布がy
を変化させることにより得られた場合には、中心屈折率
の大きい順にそれぞれ線分γγ2γ4γ
表わされる。このように、塩・アルコキシドの量・種類
を変化させることにより、屈折率差Δnや分散特性を種
々変化させることが可能となる。
[実施例] (第1実施例) シリカ(SiO2)成分とチタニア(TiO2)成分とのモル
比が80:20となるように、シリコンテトラメトキシドSi
(OCH3412.17g(0.08モル)を含有する40.5mlメタノ
ール溶液にテタンテトラ n−ブトキシドTi(OnC4H9
43.40g(0.01モル)を加え、さらに、四塩化チタンTiCl
41.89g(0.01モル)を含有する水溶液6.0mlを加えた
後、1N(1規定)アンモニア水溶液を3ml加えてゾルを
調製し、内径18mmのポリプロピレン容器に上記ゾルを注
入し、放置後ウェットゲルを作製した。
次に、得られたゲル体を容器から取り出し、四塩化チ
タンを溶解する溶媒である純水に2時間浸漬してチタン
成分の濃度分布付与を行った。
その後、四塩化チタンが不溶である溶液アセトンで洗
浄し、乾燥・焼成することにより、径5.2mmのガラス体
を得た。このガラス体の径方向の屈折率分布を測定した
ところ、第8図のA2に示すような、中心部分でndo=1.6
54で周辺部分でnd=1.554、Δn=0.100の放物線分布を
有することがわかった。
次に、チタニア成分20モル%中、上記ゾル調製時、組
成比率では、Ti(OnC4H9410モル%、TiCl410モル%で
あったものを、Ti(OnC4H94:TiCl4=5:15(A)、15:
5(C)としたものについて、上記と同様な方法により
ガラス体を作製し、径方向の屈折率を測定したところ、
それぞれ第8図のA1,A3に示すような分布を有し、屈折
率分布曲線n=ar2+bにおいてbを一定とし、aを変
化させる制御が可能であることがわかった。
(第2実施例) SiO2成分をPbO成分とZrO2成分との組成比率が80:10:1
0となるように、シリコンテトラエトキシドSi(OC2H5
(0.08モル)のエタノール溶液にジルコニウムテトラ
n−ブトキシドZr(OnC4H9(0.01モル)を加え、硝
酸鉛Pb(NO3(0.01モル)を含む水溶液を加えた
後、1N塩酸を加えて、ゾルを調製し、内径18mmのポリプ
ロピレン容器に上記ゾルを注入し、放置後、ウェットゲ
ルを作製した。
次に、得られたゲル体を容器から取り出し、純水に浸
漬して、硝酸鉛を溶解させ、Pb成分の濃度分布付与を行
った。その後、イソプロパノールで洗浄し、乾燥・焼成
することにより、径5.1mmのガラス体を得た。、このガ
ラス体の径方向の屈折率分布を測定したところ、第9図
のB1に示すような分布を有することがわかった。
次に、ゾル調製時にPbO成分の比率を10モル%と一定
にし、SiO2成分とZrO2成分の比率を75:15、70:20とした
ものについて、屈折率分布を測定したところ、それぞれ
第9図のB2,B3に示すような分布を有し、分布曲線n=a
r2+bにおいて、aを一定として、bを変化させる制御
が可能であることがわかった。
(第3実施例) SiO2成分とTiO2成分とZrO2成分との組成比率が70:20:
10となるように、Si(OC2H5(0.07モル)のエタノ
ール溶液にTi(OnC4H9(0.01モル)とTiCl4(0.01
モル)とZr(OnC4H9(0.01モル)を加えた後に、1N
塩酸を加えて、ゾルを調製し、内径18mmのポリプロピレ
ン容器に上記ゾルを注入し、放置後、ウェットゲルを得
た。
次に、得られたゲル体を容器から取り出し、純水に浸
漬して、TiCl4を溶解させて、Ti成分の濃度分布付与を
行った。その後、アセトンで洗浄し、乾燥・焼成するこ
とにより、径5.3mmのガラス体を得た。このガラス体の
径方向のに屈折率分布を測定したところ、第10図の3−
1に示すような屈折率分布を有することがわかった。
次に、ゾル調製時に、表2のように組成比を変化させ
たところ、屈折率分布曲線は第10図のようになった。
これにより組成比を変化させることにより、分布曲線
n=ar2+bにおいて、a,bを変化・制御できることがわ
かった。
また、表2により得られたガラスの特性をν−nd
に書き換えると、それぞれ第11図の線分εε5ε
4ε6ε8εのようになり、様々な特性
を持つ屈折率分布型光学素子が得られることがわかっ
た。
上記以外の金属塩・金属アルコキシドの組み合わせを
原料として使用すれば、その特性の範囲が広がることは
言うまでもない。
また、数種の金属塩を導入し、組成分布を付与するこ
とも可能である。
[発明の効果] 以上のように、本発明の方法を用いて、屈折率分布型
光学素子を製造することにより、屈折率の最大値と最小
値をそれぞれ制御することができる。また、数種の金属
成分を用いることにより、分散特性をも制御することが
できる。そのため、様々な特性を有する屈折率分布型光
学素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)および(b)はそれぞれ従来技術を説明す
るためのグラフ、第2図(a)(b),第3図から第7
図まではそれぞれ本発明の作用を説明するためのグラ
フ、第8図は本発明の第1実施例を説明するためのグラ
フ、第9図は本発明の第2実施例を説明するためのグラ
フ、第10図および第11図はそれぞれ本発明の第3実施例
を説明するためのグラフである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 8/02 C03B 37/016

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一種の金属アルコキシドと少な
    くとも一種の金属塩とを任意の比率で加えてゾルを調製
    する工程と、前記ゾルをゲル化させた後、前記ゲルを前
    記金属塩を溶出する溶液に浸漬する工程とを有すること
    を特徴とする屈折率分布型光学素子の製造方法。
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