JPH06316420A - ガラスの製造方法 - Google Patents

ガラスの製造方法

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JPH06316420A
JPH06316420A JP12825993A JP12825993A JPH06316420A JP H06316420 A JPH06316420 A JP H06316420A JP 12825993 A JP12825993 A JP 12825993A JP 12825993 A JP12825993 A JP 12825993A JP H06316420 A JPH06316420 A JP H06316420A
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glass
gel
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sol
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JP12825993A
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Takanao Fukuoka
荘尚 福岡
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Olympus Optical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C1/00Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels
    • C03C1/006Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels to produce glass through wet route

Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の元素に所定の濃度分布をもち、屈折
率、色分散、熱膨張係数、ガラス転移点等の特性の分布
を有したガラスを容易に作製する。 【構成】 ゾルゲル法により、所定の粒度分布および所
定の組成を有した微粒子を含むゾルを調製し、微粒子に
加速度をかけながらゲル化させる。この後に、組成分布
を付与し、ガラスを得る。組成分布を付与する方法は、
イオン交換法、分子スタッフィング法、ゾルゲル法によ
る溶出法、ゾルゲル法による交換法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゾルゲル法によるガラ
スの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、組成分布を有したガラスの製造方
法には、イオン交換法によりLi,Cs,Tl等のアル
カリ金属に濃度分布を有したセルフォック、分子スタッ
フィング法によりLi,Cs,Tl,Rb等に濃度分布
を有したガラス(特公昭60−54891号公報)、ゾ
ルゲル法による溶出法によりTi,Geに濃度分布を有
したガラス(特開昭61−101425号公報、特開昭
61−101426号公報)、交換法によりPbとKに
濃度分布を有したガラス(特開平3−295818号公
報)およびゾルを回転してゲル化させる屈折率分布を有
したガラス(特開昭60−145917号公報、特開昭
64−51336号公報)の作製方法が提案されてい
る。さらに、色収差に対する補正効果をも加味した屈折
率分布型光学素子の組成が、特開平3−141302号
公報に開示され、例えば、Yに凸状の濃度分布、Pbに
凹状の濃度分布が付与されている。
【0003】また、予め、ゾルゲル法による溶出法また
は交換法やCVD法により、第一のドーパントに所定の
濃度分布を有する多孔体を作製し、次に第二のドーパン
トを含んだ溶液に浸漬することによって、第二の所定の
濃度分布を付与する屈折率分布光学素子の製造方法が、
特開平4−55339号公報に開示されている。また、
ゾルゲル法による溶出法または交換法により、第一工程
としてガラス形成酸化物に濃度分布を付与したゲル体を
作製してガラス母材を得た後に、第二工程としてイオン
交換する屈折率分布型光学素子の製造方法が、特開平3
−80133号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のセルフォックや
特公昭60−54891号公報、特開平3−29581
8号公報、特開昭60−145917号公報、特開昭6
1−101425号公報、特開昭61−101426号
公報に示されている、アルカリ金属、Pb、Ti、Ge
に濃度分布を有する屈折率分布を有したガラスは、屈折
率差に対しては注意が払われているが、色分散に対して
は十分考慮しておらず、カメラ、顕微鏡等の白色光源下
での色収差を補正する光学的効果は高くなかった。
【0005】これに対し、色分散をも十分考慮した、光
学的効果の高い屈折率分布を有したガラスが、特開平3
−141302号公報に提案され、この中には元素の分
布形状は凸状と凹状の組み合わせが示されている。しか
し、元素の分布形状の僅かのずれも光学特性に大きな影
響を与え、任意の元素について、凸状と凹状の精密な分
布制御が必要であったが、このような精密な濃度分布制
御は非常に困難であった。
【0006】そこで、精密な濃度分布制御を行うため
に、予め、ゾルゲル法による溶出法もしくは交換法また
はCVD法により、第一のドーパントに所定の濃度分布
を有する多孔体を作製し、これを母材としてイオン交換
したり、第二のドーパントを含んだ溶液に浸漬すること
によって、第二の所定の濃度分布を付与する屈折率分布
型光学素子の製造方法が、特開平3−80133号公
報、特開平4−55339号公報に開示されている。
【0007】この方法により、例えば、特開平3−14
1302号公報に提案されているように、Yに凸状の濃
度分布、Pbに凹状の濃度分布をもつ屈折率分布を有し
たガラスを作製する場合に、CVD法により第一のドー
パントに所定の濃度分布を有する母材を作製すると、Y
は最大でも数mol%程度しかドープすることができ
ず、原料の蒸気圧が異なっているために、3成分系以上
の所定の組成分布を有するガラス体を作製することは非
常に困難であり、その上、円錐状の脈理が発生すること
が多かった。
【0008】また、ゾルゲル法による溶出法により第一
のドーパントに所定の濃度分布を有する母材を作製する
と、金属原子への濃度分布の付与は、ドーパント金属の
溶出によっているため、原理的に凸状の分布を作りやす
い。そこで、第一のドーパントによる濃度分布は凸状と
し、次に金属原子の凸状の濃度分布を有したゲルを、第
二のドーパントを含んだ溶液に浸漬して、凹状の濃度分
布を第二のドーパントに付与することになる。このとき
に、特開平3−141302号公報中にも示されている
ように、第一のドーパントの原料として、ゲル骨格中に
Si−O−M(Mは金属原子)の形をとって結合するこ
とができる金属アルコキシドを用いると、凹状の濃度分
布を第二のドーパントに付与する工程で、第一のドーパ
ントによる凸状の濃度分布は崩れることがない。しか
し、La,Ba,Sr,Ca,Y,Znのアルコキシド
の水や有機溶媒に対する溶解度は非常に小さいために、
これらの元素の大量のドープは困難であり、特開平3−
141302号公報中に示されているような前記元素を
10mol%以上含有したガラスを作製することは困難
であった。さらに、ゾルゲル法による溶出法または交換
法により第一のドーパントに所定の濃度分布を有する母
材を作製すると、どちらの方法を用いても金属原子の濃
度分布付与工程が必ず複数回必要となり、工程が長くな
るという欠点を有していた。
【0009】ゾルを回転しながらゲル化させて屈折率分
布を有したガラス体の作製方法(特開昭60−1459
17号公報、特開昭64−5133号公報)では、回転
させて移動させる物質は、溶液に添加したLi,Ge,
Ti,Zr,Naなどの金属アルコキシドの加水分解に
より生じたコロイド粒子である。この粒子は、粒径が数
nmの非常に小さな粒子であると考えられ、ゾル中を移
動せさるためには非常に高速の回転を必要とする。この
ために、ゲルの強度が低下したり、管状のゲルしか得ら
れないことが多く、この後に、イオン交換法、分子スタ
ッフィング法、ゾルゲル法により金属元素に濃度分布を
付与することは、ゲルの外周部と中央部の孔の両方から
金属原子の移動が行われるため、所望の分布形状の制御
は事実上不可能であり、光学素子として使用するために
は、更にこの後に中央部の孔を潰す必要があるために、
高温を必要とし、分布形状が乱れてしまう欠点を有して
いた。
【0010】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、種々の元素に所定の濃度分布をもつ、す
なわち、屈折率、色分散、熱膨張係数、ガラス転移点等
の種々の特性の分布を有したガラスを容易に作製する製
造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のガラスの製造方法は、ゾルゲル法によりガ
ラスを製造するにあたり、所定の粒度分布および所定の
組成を有した微粒子を含むゾルを調製し、微粒子に加速
度をかけながらゲル化させ、この後に組成分布を付与す
ることとした。このとき、イオン交換法、分子スタッフ
ィング法またはゾルゲル法による溶出法もしくは交換法
から選ばれた少なくとも一つの方法により元素に濃度分
布を付与するとよい。
【0012】
【作用】図1に本発明の概念図を示す。横軸は本発明の
ゾルゲルプロセスにおけるマトリックスの状態の変化を
時間経過として示したもので、縦軸はそのときに濃度分
布を付与する方法である。まず、ゲル中に金属元素の濃
度分布を付与する。この方法は、所定の粒度分布を有し
た微粒子を含むゾルを調製し、微粒子に加速度をかけな
がらゲル化させるもので、微粒子の粒径、密度等の違い
を利用して、図1中の斜線部1に示した領域のゾルがゲ
ル化して固化するときに、ゲル中に金属元素の濃度分布
が付与される。したがって、ゲル化時には、既に第一の
濃度分布が形成されており、特開平3−80133号公
報および特開平4−55339号公報中に示されている
ゾルゲル法によりゲルを作製し、第一の濃度分布を付
与、固定し、更に第二の濃度分布を付与、固定する場合
に比べて、第一の濃度分布の付与、固定を行う必要がな
く、大幅に工程を短縮することができる。このことは、
特に組成分布を有した大型のガラスを製造する場合に効
果を有する。また、このとき、ゾル中の微粒子はガラス
微粒子やゲル微粒子であることが多く、例えば、Y等の
アルコキシドの溶解度が低い元素であっても、ガラスや
ゲル等の微粒子としてY原子をゾル中に添加するので、
容易に多量のYを含有したゲルおよびこれを焼成してガ
ラスを得ることができる。
【0013】また、ゾル中の微粒子の粒径は、特開昭6
0−145917号公報や特開昭64−51336号公
報に示されている従来法よりも2桁以上大きいために、
ゲル化時の回転には必ずしも高速を必要としない。従っ
て、高速回転でない場合には、ゲルに過剰な力が加わる
ことがないため、割れたりすることがない。また、従来
法では高速回転でゲル化していたため、管状のゲルが得
られることが多かったが、本発明ではかかる高速回転を
必要としないので、円柱状のゲルが得られ、その後のイ
オン交換法、分子スタッフィング法、ゾルゲル法による
溶出法または交換法による元素の濃度分布付与は、ゲル
またはガラスの外周部からのみ行われるため、元素の分
布を非常に制御しやすくなる。
【0014】次に、このようにして得られたゲルまたは
ガラスに更に金属元素の濃度分布を付与するが、図1に
示したように、ゾルゲル法による溶出法または交換法は
乾燥前の湿潤ゲルの状態で、分子スタッフィング法は湿
潤ゲルを乾燥した乾燥ゲルの状態または乾燥ゲルをある
程度焼成した多孔質ガラスの状態で、イオン交換法は多
孔質ガラスまたは緻密化したガラスの状態で、それぞれ
濃度分布を付与することができる。つまり、何種類もの
方法により濃度分布を付与することも可能である。
【0015】以下、第一の濃度分布に引き続き行われ
る、更なる第二の濃度分布付与の方法について具体的に
説明する。ゾルゲル法を用いる場合は、図1中の斜線部
2の領域において濃度分布を付与することができ、次の
二つの方法が挙げられる。ひとつは、溶出法と呼ばれる
もので、Si−O−M結合を形成しやすい原料であっ
て、その原料が有機溶媒や水などに可溶であるもの、例
えば金属アルコキシド等(M=Ti,Ge,Zr,A
l,Nb,Ta,P等)を用いて、前述のようにゾルに
含まれている微粒子に加速度をかけながらゲル化させ、
第一の濃度分布を付与する。このゲルからTi,Ge,
Zr,Al,Nb,Ta,P等を溶出するために、得ら
れたゲルを酸、水等の溶液に浸漬する。このとき、第一
の濃度分布を形成している微粒子中の結合は、ゲル中の
Si−O−M結合に比較して非常に強いために、微粒子
中の金属成分は溶出することはなく、Ti,Ge,Z
r,Al,Nb,Ta,P等のみが溶出され、第二の濃
度分布が付与される。したがって、第一の濃度分布付与
による金属原子と第二のそれとを異なる金属原子とすれ
ば、複数の金属原子に対して個別に非常に精密な濃度分
布を付与することができる。
【0016】もう一つの方法は、交換法と呼ばれるもの
で、湿潤ゲルを金属塩溶液に浸漬して、ゲル中の金属イ
オンと溶液中の金属イオン等とを交換する方法である。
湿潤ゲル中の金属原子の第一の濃度分布は、ガラス等の
微粉末の分布によっているので、金属塩をゲル中に導入
する工程、金属イオンに濃度分布を付与する工程、濃度
分布を固定する工程において、用いる溶媒などに湿潤ゲ
ルを浸漬しても、ゲル中に形成されている第一の濃度分
布は、保持されており、変化することはない。したがっ
て、複数の金属原子に対して個別に非常に精密な濃度分
布を付与することができる。
【0017】分子スタッフィング法では、図1中の斜線
部3に示した領域、つまり、湿潤ゲルを乾燥した乾燥ゲ
ル、あるいは、ある程度まで焼成した多孔質ガラス状態
のときに、更なる濃度分布を付与することができる。ゲ
ル中の金属原子の第一の濃度分布は、ガラス等の微粉末
の分布によっているので、分子スタッフィング法の工程
のスタッフィング、アンスタッフィング時に、多孔質ガ
ラス中に形成されている第一の濃度分布は、保持されて
おり、変化することはなく、第二の濃度分布が付与され
る。したがって、複数の金属原子に対して個別に非常に
精密な濃度分布を付与することができる。
【0018】イオン交換法では、図1中の斜線部4に示
した領域、つまり、多孔質ガラスまたは焼成して密なガ
ラスとした後に、更なる濃度分布を付与することでき
る。この方法では、ガラス中での拡散速度が大きな1価
の金属イオンのみ交換できるので、ガラス化したときに
1価の金属イオンを含んでいなければならない。従っ
て、ゾル調製時に1価の金属イオンを含むゾルを調製し
たり、ゲルを1価の金属イオンを含む溶液に浸漬した
り、ドライゲルや多孔質ガラスに1価の金属イオンを含
ませるための分子スタッフィング法を行ったりする処理
を必要とする。このように1価の金属イオンを含むゲル
等を乾燥、焼結して第一の濃度分布を有したガラスを作
製する。このようにして作製されたガラス中には、既に
ゲル化時に形成された多価の金属イオンは、事実上、ガ
ラス中を拡散しないので、これらの濃度分布はイオン交
換により崩れることはなくなる。したがって、複数の金
属原子に対して個別に非常に精密な濃度分布を付与する
ことができる。ただし、イオン交換法により第二の濃度
分布を付与する場合は、ガラス中に含まれている一価の
金属イオンの濃度分布は変化する。
【0019】以上に述べたように、第一の濃度分布を完
全に固定した状態で第二の濃度分布を付与することがで
きるので、第二の濃度分布の付与中に第一の濃度分布が
崩れることがなくなり、それぞれの濃度分布は最適な条
件下で行うことができ、精密な組成分布の制御が可能と
なり、種々の特性が分布したガラスを製造することがで
きる。例えば、屈折率分布型ガラスでは、屈折率分布、
色分散分布だけでなく、更にガラス化を助ける成分やガ
ラスの化学的な耐久性を向上させる成分等もガラス中に
分布させることも考えられ、より一層の精密な金属成分
の濃度分布が要求される。そこで、本発明を適用するこ
とにより、所望の濃度分布を付与することが可能となる
のである。
【0020】ここで、第一の濃度分布とは、それ以降に
付与される濃度分布(第二の濃度分布付与)以前に付与
されている濃度分布のことで、一つの金属元素のみに対
するものではなく、複数の分布を有していても良く、ど
のような方法で付与されるものでも、原理的に本発明は
適用可能である。
【0021】
【実施例1】164.6mlのSi(OCH3 )4 と1
32mlのエタノールに18.8mlの2規定塩酸を添
加して1時間攪拌した。そこに、26.3gのZr(O
nC4 O7 )4 を13.20mlのエタノールで稀釈し
た溶液を添加して、1時間攪拌し、132.0mlのエ
タノールと172.4mlの純水および97.8mlの
1規定アンモニア水を加えた。この溶液を円筒形の容器
に流し込み、更に円筒容器の回転中心軸付近となる部分
に、平均粒径が1μmの10ZrO2 ・90SiO2 組
成のガラス粒子10gと平均粒径が2μmの10ZrO
2 ・90SiO2 組成のガラス粒子22gと平均粒径が
3μmの10ZrO2 ・90SiO2 組成のガラス3
4.2gをエタノール70mlに超音波により分散した
溶液を添加し、300r,p.m.で回転させたとこ
ろ、約1時間でゲル化し、Nbに凸状の濃度分布を付与
したゲルを得た。
【0022】このゲルを硝酸ナトリウムの溶液中に浸漬
し、乾燥、焼結したところ、Zrに濃度分布を有し、N
aを均一に含有するシリカ系ガラス母材を得た。このガ
ラスをTlNO3 を主成分とする溶融塩中に浸漬して、
ガラス中のナトリウムイオンと溶融塩中のタリウムイオ
ンを交換した。
【0023】得られたガラスの屈折率分布を測定したと
ころ、図2に示すように、屈折率差が0.04、アッベ
数差が6の中心部の屈折率が高い屈折率分布を有してい
た。
【0024】
【実施例2】59.1gのGe(OCH3 )4 と12
6.2mlのSi(OC2 H5 )4 、172.8mlの
メタノールおよび10.2mlの1/100規定のHC
l水溶液を加えてあらかじめ部分加水分解した溶液を添
加して、更に混合した。その後、72.0mlの1/1
00規定のNH4 OH、198.7mlのイソプロパノ
ール混合溶液を滴下して攪拌し、加水分解してゾルを調
製した。このゾルを内径25mmのガラス容器内に流し
込み、平均粒径が5μmの30TiO2 ・70SiO2
組成のガラス微粒子を20g、平均粒径が0.5μmの
20TiO2 ・80SiO2 組成のガラス微粒子を20
g、平均粒径が0.1μmの10TiO2・90SiO2
組成のガラス微粒子を20g、メタノール35.0m
lに超音波により分散した溶液を、ガラス容器の回転軸
部となる部分に静かに加えた。これを300r.p.
m.で回転させて、ゲル中に前記微粒子の分布を有した
湿潤ゲルを作製した。
【0025】この湿潤ゲルをH2 Oに8時間浸漬し、G
eに凸状の濃度分布を付与し、エタノールで洗浄した後
に、100℃まで乾燥を行い、乾燥ゲルを得た。この乾
燥ゲルを電気炉で450℃まで焼成して、有機物を除去
し、多孔質ガラスとした。この多孔質ガラスを100℃
のCsNO3 水溶液に3時間浸漬して、細孔内にCsN
O3 水溶液を満たした。次に、70℃の40vol%の
エタノールを含むH2Oに浸漬して、細孔内のCsNO3
水溶液を徐々に多孔質ガラス外に抽出させ、Csに凸
状の濃度分布を形成させた。さらに、0℃のエタノール
に浸漬してCsNO3 の微結晶を析出させ、Csの濃度
分布を固定した。これを十分乾燥させて、950℃まで
焼成してガラス化した。このガラスをKNO3 の溶融塩
に10日間浸漬して、CsとKをイオン交換したとこ
ろ、割れ、泡のない直径約10mmのガラスロッドが得
られた。
【0026】このガラスロッドを切断して径方向のG
e,Ti,Cs,Kの分布をEPMAで測定したとこ
ろ、信号強度は、Ge,Ti,Csは中心部が高く、周
辺部が低いパラボリックな形状、Kはガラスの外周部1
mm程度のみに周辺部が高く、中心部へと減少していく
形状を有していた。また同時に、周辺部が低く、中心部
が高い屈折率分布が付与されていた。
【0027】
【実施例3】187.5gのSi(OC2 5 )4 、1
72.8mlのメタノールおよび16.2gの1/10
0規定のHCl水溶液を加えてあらかじめ部分加水分解
した。その後、72.0mlの1/100規定のNH4
OH、198.7mlのイソプロパノール混合溶液を滴
下して攪拌し、加水分解してゾルを調製した。このゾル
を内径25mmのガラス容器内に流し込み、平均粒径が
2μmの10Y2 3・30Al2 3 ・60SiO2
組成のガラス微粒子を10g、平均粒径が0.6μmの
20Y2 3 ・30Al2 3 ・50SiO2 組成のガ
ラス微粒子を20g、平均粒径が0.2μmの30Y2
3 ・30Al2 3 ・40SiO2 組成のガラス微粒
子を35g,60mlのメタノールに超音波により分散
した溶液を、ガラス容器の回転中心軸となる部分に静か
に加えた。これを300r.p.m.で回転させて、Y
に凸状の濃度分布を有した湿潤ゲルを作製した。
【0028】この湿潤ゲルを0.2mol/lの酢酸鉛
のメタノール溶液に2時間浸漬し、鉛を凹状に導入し
た。このゲルをイソプロパノール、イソプロパノール:
アセトン=1:1(体積比)の溶液、およびアセトンに
順次浸漬し、微結晶を沈澱させて濃度分布を付与した湿
潤ゲルを得た。これを100℃まで乾燥を行い、乾燥ゲ
ルを得た。このゲルを電気炉で1200℃まで焼結し
て、ガラス化したところ、直径約10mmの割れ、泡の
ないガラスロッドが得られた。
【0029】このガラスロッドを切断して径方向のYと
Pbの分布をEPMAで測定したところ、信号強度は、
Yは中心部が25mol%、周辺部が5mol%で、中
心部が高く、周辺部が低いパラボリックな形状を有し、
Pbは中心部が2mol%、周辺部が6mol%で、中
心部が低く、周辺部が高いパラボリックが形状を有して
おり、同時に周辺部が低く、中心部が高い屈折率分布が
付与されていた。このときの屈折率差は0.076、ア
ッベ数差は1.4であり、色収差補正上非常に有効な色
分散分布特性を有していた。
【0030】
【実施例4】50mlのSi(OCH3 4 、12ml
のB(OC2 5 3 に平均粒径が1μmの30K2
・70SiO2 組成のゲル微粒子11.8gと平均粒径
が0.7μmの3.35gの20K2 O・80SiO2
組成のゲル微粒子10.5gと平均粒径が0.3μmの
10K2 O・90SiO2 組成のゲル微粒子9.25g
および平均粒径が0.1μmの5K2 O・95SiO2
組成のゲル微粒子9.25gを超音波により分散し、2
5mlの0.01N−HCl水溶液を加え、1時間加水
分解した。この溶液に134.5mlの2Nの酢酸カリ
ウム水溶液、22.42mlの1.2mol/lの酢酸
鉛水溶液、61.4mlの酢酸を添加し、3分間激しく
攪拌してゾルを調製し、内径20mmの円筒型ガラス容
器内に流し込み、750r.p.m.で回転、ゲル化さ
せた。
【0031】このゲルをイソプロパノール:アセトン=
1:1(体積比)の溶液、およびアセトンに順次浸漬
し、ゲル細孔中に酢酸カリウムと酢酸鉛の微結晶を析出
させた。その後に、0.2mol/lの酢酸鉛のメタノ
ール溶液に2時間浸漬し、鉛を凹状に導入した。このゲ
ルをイソプロパノール、イソプロパノール:アセトン=
1:1(体積比)の溶液、およびアセトンに順次浸漬
し、微結晶を沈澱させて濃度分布を付与した湿潤ゲルを
得た。このゲルを100℃で乾燥して600℃で焼結
し、ガラス化したところ、直径7mmのガラスロッドが
得られた。
【0032】このガラスロッドを切断して径方向のPb
とKの分布をEPMAで測定したところ、信号強度は、
Pbは中心部が低く、周辺部が高いバラボリックな形
状、Kは中心部が高く、周辺部が低い分布を有してお
り、同時に中心部が低く、周辺部が高い屈折率分布が付
与され、かつ熱膨張係数が径方向でほぼ一定となってい
た。
【0033】なお、以上の説明中では焼成してガラスと
しているが、用途により必ずしもガラス化する必要はな
く、乾燥を行った多孔質ゲル、および完全に焼結してな
い多孔質ガラスを製造することも何等原理的に制限され
るものではない。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明のガラスの製造方
法によれば、所望の屈折率分布、色分散分布、熱膨張係
数分布、ガラス転移点分布等を持つガラスなど、ガラス
中に種々の特性が分布しているガラスを容易に製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程を示す概念図である。
【図2】本発明の実施例1により得られた屈折率分布を
有するガラスの光学特性を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゾルゲル法によりガラスを製造するにあ
    たり、所定の粒度分布および所定の組成を有した微粒子
    を含むゾルを調製し、微粒子に加速度をかけながらゲル
    化させ、この後に組成分布を付与することを特徴とする
    ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 ゲル化させた後の組成分布を付与する方
    法が、イオン交換法、分子スタッフィング法、ゾルゲル
    法による溶出法、ゾルゲル法による交換法より選ばれた
    少なくとも一つの方法であることを特徴とする請求項1
    記載のガラスの製造方法。
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