JP3488087B2 - 屈折率分布ガラスの製造方法 - Google Patents

屈折率分布ガラスの製造方法

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  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀塩カメラ、デジ
タルカメラ、顕微鏡、内視鏡等の光学素子に応用可能な
ゾルゲル法による屈折率分布ガラスの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ゾルゲル法によりガラスを作製するに
は、ガラスの骨格となるシリコンのアルコキシドをエタ
ノール等を溶媒とし、塩酸などの触媒下で加水分解反応
させてゾルを調整する。ゾルはさらに重縮合反応により
ウェットゲルとなる。このウェットゲル中の細孔に含ま
れる溶媒を乾燥により除去した後に、焼成することによ
って緻密化し、ガラスとする。このゾルゲル法によるガ
ラスの作製方法を応用して屈折率分布ガラスを作製する
場合には、上記の基本工程の他に、金属成分に濃度分布
を形成してゲル中に含有させる必要がある。
【0003】例えば、屈折率が中心から周辺に向かって
連続的に減少しているような凸レンズの作用を有する屈
折率分布ガラスでは、まず、ゲル中に金属成分を含有さ
せる。ゲル中に金属成分を含有させる方法としては、金
属成分をゾルの段階で添加し、これをゲル化させる方法
と、ゲルを作製した後に金属成分を含んだ溶液中に浸漬
するなどしてゲルに含浸させる方法がある。これらの方
法によって、さきにゲル中に含有させた金属成分を、該
金属成分を溶出し得る溶液に浸漬する方法等により、金
属成分に濃度分布を形成する。
【0004】放物線状の屈折率分布や大きな屈折率差を
持った屈折率分布型光学素子を作製する方法が、特開平
10−53422号公報に開示されている。この方法
は、ゾルゲル法により作製したゲルに金属成分の濃度分
布を形成後、濃度分布を固定する際に、金属成分の濃度
分布を固定する速度が、金属成分に濃度分布を形成する
速度より速いことを特徴とし、付与した濃度分布を迅速
に固定することにより濃度分布の形状が変化することを
防ぐ方法である。
【0005】その実施の形態の一例として、次のような
ことが記載されている。ゾルゲル法による組成に分布を
有した屈折率分布型光学素子の製造方法において、ゲル
中に金属成分の濃度分布を付与する行程において、ゲル
中に含有している金属成分Mの溶解度が5×10-3mo
l/l以下、1×10-4mol/l以上である溶媒、具
体的にはアルコール、グリコール、エーテル、ケトン、
およびヘキサンなどの飽和炭化水素、エステル等のいず
れかの溶媒やこれらの混合溶媒を用いて濃度分布付与を
行う。特にメタノールやエタノール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアル
コール類や、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ルやプロピレングリコール等のグリコール類、ジエチル
エーテル等のエーテル、アセトン、ジエチルケトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、2−メチル
ペンタン、ジメチルブタン、ヘプタン等の飽和炭化水
素、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸
イソブチル等のエステル類、水等を組み合わせて用いる
ことにより効果を得ることができると記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−5342
2号公報に開示されている溶剤について本願発明者が詳
細に検討した結果、屈折率分布形状の保持や、大屈折率
差を得るために特に効果の高い溶剤としてジエチルエー
テルが挙げられる。例えば、分布付与溶液にメタノール
とジエチルエーテルの混合溶媒を用い、分布固定にアセ
トンを用いた場合などである。しかし、特開平10−5
3422号公報に開示されているジエチルエーテルは揮
発性が著しく高いため、わずかな火気で引火し、危険で
ある。また、ゲルの浸漬処理を行う作業者の健康を守る
という観点からも、生産現場において防爆性、安全性で
問題がある。
【0007】さらに、ジエチルエーテルの使用は、屈折
率分布ガラスの屈折率分布形状を不均一化する原因とな
り、良品率を減少、すなわち歩留まりを減少させる。こ
の現象もジエチルエーテルの揮発性が高いことに起因す
る。例えば、ジエチルエーテルとメタノールの混合液
に、バリウムを含むゲルを浸漬してバリウム成分に凸分
布を付与する行程の場合、通常数十時間の浸漬時間を必
要とするので、その間に揮発性の高いジエチルエーテル
のみが揮発するため分布付与溶液の液組成が変化しやす
く、バリウムの溶出速度が変化するために屈折率分布が
ばらつきやすいのである。特に、高品質・高画質を必要
とする光学機器に使用するレンズでは、屈折率分布をお
およそ1×10-5オーダーで制御することが必要である
ので、歩留まりが大きな課題となる。この課題を解決す
るためには、ゲル浸漬容器を密閉系にして揮発量を少な
くすることはできるが、気化しやすいジエチルエーテル
の蒸気がゲル浸漬容器内に滞留し、火災等の危険がある
という問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、屈折率分布ガ
ラスの製造方法において、シリコンアルコキシドと、屈
折率分布形成用金属成分から形成したウェットゲルを、
炭素数6以上のジアルキルエーテル、エチレングリコー
ルジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキ
ルエーテルから選ばれた溶媒を含有する処理液に浸漬す
る屈折率分布ガラスの製造方法である。また、屈折率分
布形成用金属成分がBa、La、Y、Gdから選ばれる
少なくとも1種であり、処理液が含有する溶媒がジプロ
ピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエー
テル、ジヘキシルエーテル、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエ
タン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテルより選ばれた1種を含む前記の屈折
率分布ガラスの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者は、屈折率分布形状の保
持や大屈折率差を得る能力に優れた溶剤で、かつ、ゲル
を浸漬する溶液に用いる溶媒の引火点が比較的高く、安
全性の高い溶剤を用い、かつ、屈折率分布形状の揃った
屈折率分布ガラスを歩留まり良く得るという観点から製
造方法を鋭意研究の結果、本発明を完成した。すなわ
ち、濃度分布付与液として使用する溶媒が、ジアルキル
エーテル (Cn2n+1−O−Cn2n+1) である場合に
は、nは3以上のものが用いられる。一般的にエーテル
系化合物のなかでもジエチルエーテルは、引火点が−4
5℃であり、非常に引火性が大きいが、nの増加にした
がって引火点が高くなるとともに、蒸発速度も小さくな
る。また。エチレングリコールジアルキルエーテルや、
ジエチレングリコールジアルキルエーテルは、ジアルキ
ルエーテルに比べて引火点が高く、また蒸発速度も小さ
い液体である。そして、これらの液体をウェットゲルの
処理液として用いることによって、濃度分布付与のため
に処理液の濃度を一定に保ちやすくなる。したがって、
金属種の溶出を制御しやすく、屈折率分布形状のばらつ
きを小さく抑えることができるので、歩留まりの向上が
できるのである。 その結果、ゲルの浸漬処理を比較
的安全に行うことができ、かつ、放物線状の屈折率分布
や大屈折率差を持った屈折率分布ガラスを歩留まり良く
得ることができることである。
【0010】また、屈折率分布形成用金属成分がBa、
La、Y、Gdから選ばれる少なくとも1種であり、浸
漬液としては、具体的には、ジプロピルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエ
ーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキ
シエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルが
挙げられる。
【0011】これらの化合物は、放物線状の屈折率分布
形状の保持や大屈折率差を得る際に好適であり、ゲルの
浸漬処理を比較的安全に行うことができる。また、これ
らの化合物は、他の有機溶剤と混合しやすいので広い範
囲で混合溶媒を作ることができるので、屈折率分布ガラ
スの製造工程に用いるのに適した物質である。これらの
物質の分子式と引火点はそれぞれ以下の表1に示され
る。
【0012】
【表1】シ゛フ゜ロヒ゜ルエーテル ;C3H7OC3H7 ;−21.1℃シ゛イソフ゜ロヒ゜ルエーテル ;(CH3)2CHOCH(CH3)2 ; −9.4℃シ゛フ゛チルエーテル ;C4H9OC4H9 ; 37.8℃シ゛ヘキシルエーテル ;C6H13OC6H13 ; 76.7℃ 1,2-シ゛メトキシエタン ;CH3OCH2CH2OCH3 ; 1.1℃ 1,2-シ゛エトキシエタン ;C2H5OCH2CH2OC2H5 ; 35℃ 1,2-シ゛フ゛トキシエタン ;C4H9OCH2CH2OC4H9 ; 85℃シ゛エチレンク゛リコールシ゛メチルエーテル ;CH3OCH2CH2OCH2CH2OCH3 ; 63℃シ゛エチレンク゛リコールシ゛エチルエーテル ;C2H5OCH2CH2OCH2CH2OC2H5 ; 82℃シ゛エチレンク゛リコールシ゛フ゛チルエーテル ;C4H9OCH2CH2OCH2CH2OC4H9 ;118℃
【0013】これらは、いずれも引火点が先行例に記載
されていたジエチルエーテルの−45℃に比べ高く、取
り扱いがより安全となり、屈折率分布ガラスが製造しや
すい。 なかでもジプロピルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテルは、
屈折率分布ガラスの中心部のバリウム濃度を下げ、か
つ、周辺部を大きく下げて大屈折率差が得られるという
効果を有している。この詳しい反応機構は分かっていな
いが、中心部で相対的にバリウム濃度が小さくて大きな
屈折率差が得られるので大変有効である。すなわち、バ
リウム濃度が大きいとガラスの結晶化を促進して白色の
結晶を作ってしまいガラスの中心部におけるガラスの失
透を生じるために、レンズとして使用することができな
くなるが、バリウム濃度に起因する失透を防止すること
が可能となる。また、これらの溶剤の中でもジイソプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテルは、工業的に良く用い
られている溶剤なので、安価に入手しやすく、特に屈折
率分布ガラスの製造に最適である。
【0014】本発明の実施の形態をバリウム塩を含むウ
ェットゲルを炭素数が6以上のジアルキルエーテルを含
む分布付与液に浸漬し、バリウム成分に凸分布を付与し
たSi−Ti−Ba−K系屈折率分布ガラスの製造方法
を例に挙げて説明する。まず、シリコンアルコキシドと
チタンアルコキシドを加水分解してさらにバリウム塩、
例えば酢酸バリウムの溶液を加えてゾルを作製し、これ
をゲル化させてウェットゲルを作製する。得られたウェ
ットゲルは、シリコンとチタンと酸素原子が結合してゲ
ル骨格、すなわち固相を形成しており、バリウムは溶液
に溶解している状態で存在している。次いで、このウェ
ットゲルを乳酸を添加したアルコール溶液に浸漬して、
バリウム塩の微結晶をゲルの細孔中に析出させる。
【0015】次に、バリウム塩を析出させたウェットゲ
ルを、メタノールとジイソプロピルエーテルを混合した
濃度分布付与液に浸漬する。分布付与液中のメタノール
とジイソプロピルエーテルの体積比は、80:20ない
し40:60とすることが好ましい。また、メタノール
とジイソプロピルエーテルを混合溶媒として含む濃度分
布付与液中に添加する物質としては酢酸カリウムと乳酸
を挙げることができる。濃度分布付与液に浸漬するとウ
ェットゲルの外周部でバリウム濃度が小さく、中心部で
濃度が大きな凸状の分布を付与することができる。
【0016】次に、ウェットゲルを分布固定溶液である
アセトンに浸漬する。アセトンはバリウム塩の溶解度が
低いため、バリウム塩の溶出が停止するので、付与した
濃度分布の状態をゲル内部に固定することができる。得
られたウェットゲルを乾燥、焼成することで透明なガラ
ス体が得られる。得られるガラス体は、波長633nm
における屈折率分布形状が、放物線状分布を持つ屈折率
分布ガラスである。
【0017】濃度分布付与液には、炭素数6以上のジア
ルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテ
ル、ジエチレングリコールジアルキルエーテルから選ば
れた溶媒とともに、溶解度の高いメタノール、エタノー
ル、プロパノールなどのアルコール類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシドなど比較的金属塩の溶解
度の高い溶媒を混合して用いることができる。また、濃
度分布付与液には、濃度分布付与の対象となる金属成分
に応じて、カリウムなどの金属の有機および無機塩、乳
酸などの有機酸や無機酸を添加することができる。
【0018】これらの溶剤を混合した溶液ではジエチル
エーテルに比べ引火点が高いため安全である上、揮発し
にくいので浸漬処理中の液組成の変化が少なく、安定し
て屈折率分布の揃った屈折率分布ガラスを製造すること
ができる。また、エーテル、エチレングリコールアルキ
ルエーテル、ジエチレングリコールアルキルエーテル等
を分布固定液として使用しても良い。
【0019】バリウム塩を含むウェットゲルをメタノー
ルに浸漬し、バリウム成分に凸分布を付与した後にエー
テルを含む処理液に浸漬しバリウム成分の凸分布を固定
した、Si−Ti−Ba−K系屈折率分布ガラスの製造
方法を例に上げて説明する。先に説明した方法と同様に
してバリウム塩を析出させたウェットゲルを、濃度分布
付与液に浸漬した。濃度分布付与液にはメタノールに、
酢酸カリウムと乳酸を添加した溶液を用いた。所定の時
間浸漬を行い、バリウムに凸状の濃度分布を付与した
後、ウェットゲルを濃度分布固定液であるジブチルエー
テルとアセトンとの混合液に浸漬する。ジブチルエーテ
ルとアセトンとの体積比は20:80ないし80:20
の割合で混合することが好ましい。得られたウェットゲ
ルを乾燥、焼成することで波長633nmにおける屈折
率分布形状が完全な放物線状分布を持つ屈折率分布ガラ
スが得られる。
【0020】濃度分布固定液として用いる場合には、炭
素数6以上のジアルキルエーテル、エチレングリコール
ジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキル
エーテルから選ばれた溶媒とともに、比較的金属塩の溶
解度の低い溶媒であるアセトン、ジオキサン、テトラヒ
ドロフランを混合して用いることができる。
【0021】また、ウェットゲルは、シリコンアルコキ
シドのほかに、Ti、Nb、Zr、Taやこのほかの金
属元素のアルコキシドを用いて、シリコンと金属元素と
をゲル骨格に持つウェットゲルを用いてもよいし、シリ
コンのみでもよい。また、金属塩の金属種は、大きな屈
折率差を得るという観点から、Ba、La、Y、Gdが
もっともよいがこの他の金属種を用いたものであっても
良い。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し本発明を説明す
る。 実施例1 シリコンテトラメトキシドSi(OCH34の38gに
エタノール70mlと2規定塩酸9.5mlを加えて室
温で1時間攪拌し、その溶液にチタンテトラノルマルブ
トキシド22gとエタノール70mlとを混合した溶液
を添加して1時間攪拌した。この溶液に、1mol/l
の酢酸バリウム水溶液75mlと、酢酸34mlとを加
えて20分攪拌してゾルを得た。このゾルを直径9.5
mmのフッ素樹脂製型に注入してして50℃の恒温槽で
放置しゲル化させた後、さらに熟成することにより、円
柱状のウェットゲル100本を得た。
【0023】このウェットゲルを0.25mol/lの
酢酸バリウムのイソプロパノール:水=60:40の混
合溶液、エタノール:メタノール75:25に乳酸を添
加した混合液、エタノールに乳酸を添加した混合液の順
に浸漬処理し、ゲル細孔中に酢酸バリウムの微結晶を析
出させた。さらに、0.15mol/lの酢酸カリウム
と乳酸を添加したメタノール:ジイソプロピルエーテル
=75:25の溶液中に、36時間浸漬することによっ
て、バリウム成分に組成分布を付与した。さらに、この
ゲルをアセトン中で浸漬処理した。得られたゲルを30
℃の乾燥器中で乾燥し、熱処理炉で720℃まで焼成し
たところ、98本の割れのないガラス体が得られた。
【0024】これらのガラス体の波長633nmにおけ
る屈折率分布形状を測定したところ、中心部の屈折率が
1.6734、外周部の屈折率が1.6478、屈折率
差0.02581であった。この屈折率分布を4次の偶
関数に当てはめたところ係数として以下の値が得られ
た。この式の4次の項の係数は非常に小さく、ほぼ完全
な放物分布を有する屈折率分布ガラスを得ることができ
た。また、これらのガラスの屈折率差のばらつきを調べ
たところ、0.02581±0.002とばらつきを抑
えることができた。 N(r)=1.6745-2.5872x10-2xr2 +1.5452×10-5xr4
【0025】実施例2 実施例1と同様にして作製したバリウム塩微結晶を析出
させたウェットゲルを0.15mol/lの酢酸カリウ
ムと乳酸を添加したメタノールの溶液中に、16時間浸
漬することによって、バリウム成分に組成分布を付与し
た。さらにこのゲルをアセトン:ブチルエーテル=5
0:50の溶液中で浸漬処理した。得られたゲルを30
℃の乾燥器中で乾燥し、熱処理炉で720℃まで焼成し
たところ、96本の割れのないガラス体が得られた。こ
れらのガラス体の波長633nmにおける屈折率分布形
状を測定したところ、中心部の屈折率が1.6842、
外周部の屈折率が1.6478、屈折率差0.0251
9であった。この屈折率分布を4次の偶関数に当てはめ
たところ、係数として以下の値が得られた。この式の4
次の項の係数は非常に小さく、ほぼ完全な放物分布を有
する屈折率分布ガラスを得ることができた。また、これ
らのガラスの屈折率差のばらつきを調べたところ、0.
02519±0.0002とばらつきを抑えることがで
きた。 N(r)=1.6745-1.2890x10-2xr2+2.0451×10-5xr4
【0026】
【発明の効果】シリコンアルコキシドと、屈折率分布形
成用金属成分から形成したウェットゲルの金属成分の濃
度分布の付与または濃度分布の固定を、取り扱い易い環
境においてしかも正確に行うことができるので、ばらつ
きのない屈折率分布ガラスを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 8/02 C03B 20/00 C01B 33/00 - 33/193

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率分布ガラスの製造方法において、
    シリコンアルコキシドと、屈折率分布形成用金属成分か
    ら形成したウェットゲルを、炭素数6以上のジアルキル
    エーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジ
    エチレングリコールジアルキルエーテルから選ばれた溶
    媒を含有する処理液に浸漬することを特徴とする屈折率
    分布ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 屈折率分布形成用金属成分がBa、L
    a、Y、Gdから選ばれる少なくとも1種であり、処理
    液が含有する溶媒がジプロピルエーテル、ジイソプロピ
    ルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、
    1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタ
    ン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコール
    ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
    テル、ジエチレングリコールジブチルエーテルより選ば
    れた1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の屈折
    率分布ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属成分に濃度分布を付与するため
    の前記処理液がメチルアルコールとジイソプロピルエー
    テルの混合液であり、メチルアルコールとジイソプロピ
    ルエーテルの体積比が80:20ないし40:60であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の屈折率分布
    ガラスの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属成分に濃度分布を付与した後、
    当該濃度分布を固定するための前記処理液がジブチルエ
    ーテルとアセトンの混合液であり、ジブチルエーテルと
    アセトンの体積比が20:80ないし80:20である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の屈折率分布ガ
    ラスの製造方法。
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