JP5928799B2 - 電子写真用トナー、現像剤、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真用トナー、現像剤、及び画像形成装置 Download PDF

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本発明は、複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式の画像形成に用いられるトナーの製造に適したトナー、該トナーを用いた現像剤、並びに該現像剤を用いた画像形成装置に関する。
従来から、電子写真方式の画像形成装置等において、電気的又は磁気的に形成された潜像は、電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称することもある)によって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、該潜像をトナーにより現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の転写材上に転写され、次いで、紙等の転写材上に定着される。トナー像を転写紙上に定着する定着工程においては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ローラ定着方式や加熱ベルト定着方式といった熱定着方式が広く一般に用いられている。
近年では、画像形成装置の高速化、省エネルギー化に対する市場からの要求は益々大きくなり、低温定着性に優れ、高品位な画像を提供できるトナーが求められている。トナーの低温定着性を達成するためには、トナーの結着樹脂の軟化温度を低くする必要があるが、結着樹脂の軟化温度が低いと、定着時にトナー像の一部が定着部材の表面に付着し、これがコピー用紙上に転移する、いわゆるオフセット(以下、ホットオフセットとも呼ぶ)が発生しやすくなる。また、トナーの耐熱保存性が低下し、特に高温環境下においてトナー粒子同士が融着する、いわゆるブロッキングが発生する。その他に、現像器内においてもトナーが現像器内部やキャリアに融着して汚染する問題や、トナーが感光体表面にフィルミングしやすくなる問題があった。
これらの問題を解決できる技術として、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を用いることが知られている。即ち、結晶性樹脂は、樹脂の融点で急激に軟化することができ、融点以下における耐熱保存性を担保しながら、トナーの軟化温度を融点付近にまで下げることが可能である。したがって、低温定着性と耐熱保存性を両立することができる。
結晶性樹脂を用いたトナーとして、例えば、結晶性ポリエステルをジイソシアネートで伸長させた結晶性樹脂を結着樹脂に用いたトナーが開示されている(特許文献1及び2参照)。これらのトナーは、低温定着性には優れるが、耐ホットオフセット性が不十分であり、近年に求められる品質には達していなかった。
また、スルホン酸基を含む不飽和結合による架橋構造を有する結晶性樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献3参照)。このトナーは、それまでの従来技術に較べて耐ホットオフセット性を改善することができている。また、軟化温度と融解熱ピーク温度の比率と粘弾特性を規定し、低温定着性と耐熱保存性に優れた樹脂粒子の技術が開示されている(特許文献4参照)。
しかしながら、これらのような結晶性樹脂を結着樹脂の主成分として用いたトナーは、樹脂の特性から、耐衝撃性に優れたものであったが、ビッカース硬さのような押し込み硬さには弱く、現像器内での撹拌ストレスにより、キャリアや感光体へのフィルミング、外添剤の埋没による帯電性や流動性の悪化が生じやすい問題があった。また、熱定着時に定着媒体上で溶融したトナーが、再び結晶化するまでには時間を要するため、画像表面の硬度が速やかに回復できない。このため、定着後の排紙工程における排紙ローラ等によって、画像表面にローラ跡による光沢変化や傷が発生する問題があった。更には、トナーの再結晶化によって画像表面の硬度が回復した後においても、硬度が不十分なため、引っ掻きや擦れに弱い画像となる問題があった。
一方、このようなトナー強度や画像強度の問題以外にも、結晶性樹脂は、規則正しい分子構造を有することからトナー現像に適切な帯電量を示さず、帯電性に乏しい傾向にあるという問題もあった。さらに、ウレタン基やアミノ基のような極性基を有した場合はトナーが正帯電性を示しやすく、トナーの現像効率や転写効率が低下してしまう可能性が考えられた。
これらの問題を解決できる技術として帯電制御剤であるカリックスアレンをトナー中に添加させることが知られている。種々ある帯電制御剤の中でも、カリックスアレンは無色で毒性を有さず、重合法によるトナー製造工程において分解しないという利点を有しており、従来より使用されていた。例えば、エステルワックスとカリックスアレンをオープンロール型混練機で結着樹脂に練り込むことで、カリックスアレンの分散性を向上させたトナーが提案されている(特許文献5参照)。しかしこのトナーは粉砕時に、カリックスアレンが存在する部位で粉砕されるものとそうでないものが混在するため、トナー粒子毎に表面のカリックスアレンの存在量が異なり、帯電特性のバラつきが生じやすかった。
また、カリックスアレンからなる小粒子を母体粒子表面に外添させたトナーが提案されている(特許文献6参照)。このトナーはカリックスアレン小粒子をトナー表面に均一に付着させることができるが、現像機内の撹拌ストレスによりカリックスアレンがキャリアや感光体へフィルミングしたり、トナーへ埋没したりするため、経時での帯電安定性が乏しいという問題があった。
また、カリックスアレンを有し、非結晶性ポリエステルを結着樹脂として用いた重合トナーが提案されている(特許文献7及び8参照)。これらトナーはカリックスアレンを均一に分散させ良好な帯電特性を示すが、カリックスアレンがトナーの定着性を阻害し、充分な低温定着性を得ることができなかった。
また、極性基を有したカリックスアレンを導入し、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂を結着樹脂として用いたトナーが提案されている(特許文献9参照)。このトナーは、極性基を有したカリックスアレンを用いているため結晶性樹脂と非結晶性樹脂が混在したトナー中においてもカリックスアレンが均一に分散され、良好な帯電特性を示しており、さらに結着樹脂として結晶性ポリエステルを併用することで低温定着性も改善されているが、近年に求められる省エネ品質には達していなかった。
このように、結着樹脂の主成分として結晶性樹脂を含有するトナーにおいて、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存性に優れるとともに、結晶性樹脂特有の課題であるトナーの耐ストレス性の不足(トナーのフィルミング、出力画像の耐擦性等)を、低温定着性への悪影響を与えずに解消し、さらに帯電性にも優れるトナー及びその関連技術は未だ得られておらず、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、結着樹脂の主成分として結晶性樹脂を含有するトナーにおいて、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存性に優れるとともに、トナーの耐ストレス性不足によるキャリアへのフィルミング、出力画像の耐擦性の弱さを解消し、さらに帯電性、長期撹拌における帯電安定性が良好なトナー、並びにこのトナーを用いた現像剤及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、結晶性樹脂の骨格にウレタン結合及び/又はウレア結合を導入することで該骨格に由来する凝集力の増大により、結晶性樹脂の硬度を向上させることが可能であることを見出した。また、分子量の異なる2種のウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂を用いることで、トナー全体としての結晶化度の調整がより効果的に可能となり、ウレタン結合及び/又はウレア結合導入によるトナーの耐熱保存性の悪化も抑制することが可能となると共に、トナーの耐ホットオフセット性も向上させることが可能であることも見出した。また、ウレタン結合及び/又はウレア結合を結着樹脂中に導入することで、正帯電性を示しやすくなるが、カリックスアレンを添加することで適正な帯電量を示し、かつ経時での帯電安定性が向上することを見出した。これは、カリックスアレンがトナー中に導入されたことでトナーの見かけ上の耐ストレス性が向上し、キャリアへの樹脂のフィルミングが減少したためと考えられる。また、耐ストレス性が向上したことにより、出力画像の耐擦性も改善されることを見出した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための具体的な手段としては以下の通りである。即ち、
(1)少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤を含有してなるトナーであって、
前記結着樹脂が結晶性樹脂を50重量%以上含有し、
前記結晶性樹脂がウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂であり、かつ、前記結晶樹脂がそれぞれ重量平均分子量の異なる結晶性樹脂(A)(低分子量体)及び結晶性樹脂(B)(高分子量体)の2種の結晶性樹脂を含有し、 前記帯電制御剤が下記一般式(I)で示されるカリックスアレン誘導体であることを特徴とする電子写真用トナー。
Figure 0005928799

但し、前記一般式(I)において、n及びmはそれぞれ整数であり、n+mは4〜8である。Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または―(CHCOOR10(R10は水素原子又は低級アルキル基を表し、qは1〜3の整数を示す)基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、―NO、―NH、―N(R(Rは低級アルキル基)、―SO(Rは水素原子)、フェニル基、アルコキシ基、または―Si(CHである。R及びRは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、―NH、―N(R(Rは低級アルキル基)である。Rは、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基である。R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は―(CHCOOR20(R20は水素原子又は低級アルキル基を表し、pは1〜3の整数を示す)基である。R12は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、―NO、―NH、―N(R17(R17は低級アルキル基)、―SO18(R18は水素原子)、フェニル基、アルコキシ基、又は―Si(CHである。R13及びR14は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、―NH、又は―N(R19(R19は低級アルキル基)である。R15は、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基である。
(2)前記結晶性樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)が20,000以上30,000以下であることを特徴とする(1)に記載の電子写真用トナー。
(3)前記トナーの70℃における貯蔵弾性率G’(70)(Pa)が5.0×10<G’(70)<5.0×10であり、且つ、前記トナーの160℃における貯蔵弾性率G’(160)(Pa)が1.0×10<G’(160)<1.0×10であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の電子写真用トナー。
(4)前記カリックスアレン誘導体がハロゲン基を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(5)前記カリックスアレン誘導体がトナーの表面近傍に分散していることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(6)前記カリックスアレン誘導体が、トナー母体粒子に外添されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真トナー。
(7)前記カリックスアレンのトナー中での平均分散径が、10nm〜500nmであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真用トナーと、キャリアとを含むことを特徴とする現像剤。
(9)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記現像剤が、(8)に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、結着樹脂の主成分として結晶性樹脂を含有するトナーにおいて、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存性に優れるとともに、トナーの耐ストレス性不足によるキャリアへのフィルミング、出力画像の耐擦性の弱さを解消し、さらに帯電性、長期撹拌における帯電安定性が良好なトナー、並びにこのトナーを用いた現像剤及び画像形成装置を提供することができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施の形態における構成例を示す概略説明図である。 本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態における構成例を示す概略説明図である。 図2に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。 本発明に係る画像形成装置で用いられるプロセスカートリッジの一実施の形態における構成例を示す概略説明図である。
(トナー)
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<結着樹脂>
本発明における結着樹脂は、結晶性樹脂を該結着樹脂に対して50重量%以上含有し、実質的に結着樹脂の主成分が結晶性樹脂からなる。結晶性樹脂による優れた低温定着性と耐熱保存性の両立性を最大限に発現させるには、好ましくは結晶性樹脂が65重量%以上、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。50重量%未満の場合、結着樹脂の熱急峻性がトナーの粘弾特性上で発現できず、低温定着性と耐熱保存性の両立は難しい。
本発明における前記結晶性樹脂はウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶樹脂であり、好ましくは、それぞれ重量平均分子量の異なる2種の結晶性樹脂(A)(低分子量体)及び結晶性樹脂(B)(高分子量体)を含有する。結晶性樹脂の骨格にウレタン結合及び/又はウレア結合を導入することで骨格に由来する凝集力の増大により、結晶性樹脂の硬度を向上することができる。ウレタン結合及び/又はウレア結合を導入しない場合、結晶性樹脂の硬度が低下し、トナーの耐フィルミング性や出力画像の耐擦性が悪化する。また、分子量の異なる2種のウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂を用いることで、トナー全体としての結晶化度の調整がより効果的に可能となり、ウレタン結合及び/又はウレア結合導入によるトナーの耐熱保存性の悪化も抑制することが可能となると共に、トナーの耐ホットオフセット性も向上させることが可能である。結晶性樹脂として1種類しか用いなかった場合は、低温定着性と保存性の両立が困難となったり、結晶性樹脂の硬度が低下し、トナーの耐フィルミング性や出力画像の耐擦性が悪化する。
本発明におけるトナーの上記ウレタン結合及び/又はウレア結合を有してなる結晶性樹脂以外の結着樹脂としては、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有してなる結晶性樹脂以外の結晶性樹脂、及び非結晶性樹脂が挙げられる。前記トナーにおける結着樹脂の含有量としては、結着樹脂としての機能を果たしていれば特に制限はないが、前記トナー100質量部に対し、好ましくは50質量部以上、より好ましくは70質量部以上、更に好ましくは80質量部以上である。
本発明における結晶性とは、高化式フローテスターにより測定される軟化温度と、示差走査熱量計(DSC)により測定される融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が0.80〜1.55であって、熱により急峻に軟化する性状であり、この性状を有する樹脂を結晶性樹脂とする。また、非結晶性とは、軟化温度と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が1.55より大きく、熱により緩やかに軟化する性状であり、この性状を有する樹脂を非結晶性樹脂とする。
本発明の低分子量体である結晶性樹脂(A)は、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から、その融解熱の最大ピーク温度が45〜70℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは53〜65℃、更に好ましくは58〜62℃である。45℃より低い場合は、低温定着性は良くなるが耐熱保存性が悪化し、70℃より高い場合は逆に耐熱保存性は良くなるが低温定着性が悪化する。また高分子量体である結晶性樹脂(B)は、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から、その融解熱の最大ピーク温度が55〜80℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは63〜75℃、更に好ましくは68〜72℃である。55℃より低い場合は、低温定着性は良くなるが耐熱保存性が悪化し、80℃より高い場合は逆に耐熱保存性は良くなるが低温定着性が悪化する。
結晶性樹脂の軟化温度と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)は、0.80〜1.55であるが、好ましくは0.85〜1.25、より好ましくは0.90〜1.20、更に好ましくは0.90〜1.19である。この値が小さい程、樹脂が急峻に軟化する性状を持ち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から優れている。
樹脂およびトナーの軟化温度は、高化式フローテスター(例えば、CFT−500D(島津製作所製))を用いて測定できる。試料として1gの樹脂を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化温度とした。
本発明における樹脂の融解熱の最大ピーク温度は、示差走査熱量計(DSC)(例えば、TA−60WS及びDSC−60(島津製作所製))を用いて測定できる。融解熱の最大ピーク温度の測定に供する試料は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分の速度で降温し、次に70℃から10℃まで0.5℃/分の速度で降温する。ここで、一度DSCにより、昇温速度20℃/分で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される20℃〜100℃にある吸熱ピーク温度を「Ta*」とする。吸熱ピークが複数ある場合は、最も吸熱量が大きいピークの温度をTa*とする。その後、試料を(Ta*−10)℃で6時間保管した後、更に(Ta*−15)℃で6時間保管する。次いで、上記試料を、DSCにより、降温速度10℃/分で0℃まで冷却した後、昇温速度20℃/分で昇温して吸発熱変化を測定して、同様のグラフを描き、吸発熱量の最大ピークに対応する温度を、融解熱の最大ピーク温度とした。
また、トナーとしての貯蔵弾性率は、5.0×10<G’(70)<5.0×10であり、且つ、前記トナーの160℃における貯蔵弾性率G’(160)(Pa)が1.0×10<G’(160)<1.0×10であることが好ましい。G’(70)が5.0×10以下であると耐熱保存性が悪化したり、トナーの耐フィルミング性や耐擦性が悪化する場合がある。またG’(70)が5.0×10以上であると低温定着性が悪化する可能性がある。一方、G’(160)が1.0×10以下であると耐ホットオフセット性が悪化する場合がある。また、G’(160)が1.0×10以上であると画像光沢が悪化する場合がある。
樹脂およびトナーの動的粘弾特性値(貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”)は、動的粘弾性測定装置(例えば、ARES(TAインスツルメント社製))を用いて測定できる。周波数1Hz条件下で測定される。試料は、直径8mm、厚さ1〜2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて200℃まで昇温速度2.0℃/minで昇温させて測定した。
結晶性樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、20,000〜30,000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が20,000未満である場合は耐熱保存性が悪化したり、トナーの硬度が低下して、トナーの耐フィルミング性や耐擦性が悪化する場合がある。重量平均分子量(Mw)が30,000より大きい場合は低温定着性が悪化する場合がある。
結晶性樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、40,000〜300,000が好ましく、50,000〜150,000が特に好ましい。40,000より小さい場合はトナーの耐ホットオフセット性が悪化したり、トナーの耐フィルミング性や出力画像の耐擦性が悪化する傾向があり、300,000より大きい場合は特に低温での定着時にトナーが充分に溶融せず、画像の剥がれが生じ易くなり、トナーの低温定着性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
前記結晶性樹脂(A)と前記結晶性樹脂(B)のMwの差は、5,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましい。5,000より小さい場合は、トナーの定着幅が狭くなる傾向にあるため、好ましくない。
前記結晶性樹脂(A)と前記結晶性樹脂(B)との含有比率は、(A):(B)=95:5〜70:30の範囲であることが好ましい。この範囲よりも(A)の比率が多い場合には、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する傾向にあり、この範囲よりも(B)の比率が多い場合には、トナーの低温定着性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
本発明において、樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、GPC−8220GPC(東ソー社製))を用いて測定できる。カラムはTSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)を使用した。測定する樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬製)にて0.15wt%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液は測定装置に100μl注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.35ml/minで測定した。試料の分子量測定にあたっては、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。前記標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
本発明における結晶性樹脂は、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂であることを特徴とする。本発明における結晶性樹脂は、好ましくはそれぞれ重量平均分子量の異なる2種の結晶性樹脂(A)(低分子量体)及び結晶性樹脂(B)(高分子量体)からなることを特徴とし、該条件を満たしていれば良く、例えば、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂等が挙げられる。中でも、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂が、樹脂としての結晶性を保持しつつ、高い硬度を示す点で好ましい。
<<ウレタン変性ポリエステル樹脂>>
前記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、例えば、ポリエステル樹脂と少なくとも2価以上のイソシアネート化合物との反応や、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂とポリオール成分との反応により得ることができる。
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、ジオール成分とジカルボン酸成分との重縮合により合成される重縮合ポリエステル樹脂、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステル樹脂が結晶性発現の観点から好ましい。
〔ジオール成分〕
前記ジオール成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、鎖炭素数が2〜36の範囲であることが好ましい。脂肪族ジオールとしては、直鎖型と分岐型が挙げられるが、直鎖型脂肪族ジオールが好ましく、炭素数4〜6の直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。ジオール成分としては複数のものを使用してもよいが、ジオール成分全体量に対して、直鎖型脂肪族ジオールの含有量は80mol%以上であることが好ましく、より好ましくは90mol%以上である。80mol%以上の場合は、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性の両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にあるので好ましい。
前記直鎖型脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,15−ペンタデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,17−ヘプタデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましく、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールがより好ましい。
その他必要に応じて使用されるジオールとしては、炭素数2〜36の上記以外の脂肪族ジオール(1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ヘキサンジオール
、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、オ
ペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);炭素数4〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)〔エチレンオキサイド(以下EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下BOと略記する)など〕付加物(付加モル数1〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30);ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど);およびポリブタジエンジオールなどが挙げられる。
また、必要により用いられる3〜8価またはそれ以上のアルコール成分としては、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、およびポリグリセリン;糖類およびその誘導体、例えばショ糖、およびメチルグルコシド);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど)のAO付加物(付加モル数2〜30);アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーの共重合物など];などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコールおよびノボラック樹脂のAO付加物であり、さらに好ましいものはノボラック樹脂のAO付加物である。
〔ジカルボン酸成分〕
前記カルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸が好ましく、脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖型と分岐型が挙げられるが、直鎖型ジカルボン酸がより好ましい。更に、直鎖型ジカルボン酸の中でも、炭素数6〜12の飽和脂肪族ジカルボン酸が特に好ましい。
前記ジカルボン酸としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸等);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)等〕、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸など);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸など)などが挙げられる。
また、必要により用いられる3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸または3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物または炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。これらジカルボン酸の中では、前記脂肪族ジカルボン酸(好ましくはアジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等)を単独で使用、又は2種以上を併用するのが好ましいが、脂肪族ジカルボン酸と共に芳香族ジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、及びこれらの低級アルキルエステル類等)を共重合したものも同様に好ましい。芳香族ジカルボン酸の共重合量としては20mol%以下が好ましい。
〔ラクトン開環重合物〕
前記ポリエステル樹脂としてのラクトン開環重合物は、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどの炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物などの触媒を用いて、開環重合させることにより得ることができる。これらのうち、好ましいラクトンは、結晶性の観点からε−カプロラクトンである。
また、開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、上記のラクトン類を開環重合させて得られる、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物であってもよく、その末端を例えばカルボキシル基になるように変性したものであってもよい。また、市販品を用いてもよく、例えば、ダイセル株式会社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7などの高結晶性ポリカプロラクトンが挙げられる。
〔ポリヒドロキシカルボン酸〕
前記ポリエステル樹脂としてのポリヒドロキシカルボン酸は、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体)などのヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合することで得られるが、グリコリド、ラクチド(L体、D体、メソ体)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間もしくは3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を金属酸化物、有機金属化合物などの触媒を用いて、開環重合する方が分子量の調整の観点から好ましい。これらのうち、好ましい環状エステルは、結晶性の観点からL−ラクチド、およびD−ラクチドである。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
〔2価以上のイソシアネート成分〕
前記イソシアネート成分としては、芳香族イソシアネート類、脂肪族イソシアネート類、脂環式イソシアネート類、芳香脂肪族イソシアネート類が挙げられ、中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜20の芳香族ジイソシアネート、2〜18の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネート、8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネートおよびこれらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。また、必要により、3価以上のイソシアネートを併用してもよい。
前記芳香族イソシアネート類の具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂肪族イソシアネート類の具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
前記脂環式イソシアネート類の具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族イソシアネート類の具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、前記ジイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのジイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物(例えば、変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用)が含まれる。
これらのうちで好ましいものはNCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜15の芳香族ジイソシアネート、4〜12の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネートであり、特に好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
<<ウレア変性ポリエステル樹脂>>
前記ウレア変性ポリエステル樹脂は、例えば、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂とアミン化合物との反応により得ることができる。
〔2価以上のアミン成分〕
前記アミン成分としては、脂肪族アミン類、芳香族アミン類が挙げられ、中でも炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類が挙げられる。また、必要により、3価以上のアミン類を使用してもよい。
前記炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類としては、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど);炭素数4〜18のポリアルキレンジアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど〕;これらの炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体(ジアルキルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなど);脂環または複素環含有脂肪族ジアミン{炭素数4〜15の脂環式ジアミン〔1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など〕、炭素数4〜15の複素環式ジアミン〔ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕};炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミン類(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)、等が挙げられる。
前記炭素数6〜20の芳香族ジアミン類としては、非置換芳香族ジアミン〔1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミン、2,4’−および4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリアミン、ナフチレンジアミンなど〕;炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン〔2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなど〕、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物;核置換電子吸引基(Cl、Br、I、Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ジアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4’−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリンなど〕;二級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔前記非置換芳香族ジアミン、前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物、前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの一級アミノ基の一部または全部がメチル、エチルなどの低級アルキル基で二級アミノ基に置き換ったもの〕〔4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕が挙げられる。
3価以上のアミン類としては、ポリアミドポリアミン〔ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど〕、ポリエーテルポリアミン〔ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物など〕等が挙げられる。
<<ポリウレタン樹脂>>
前記ポリウレタン樹脂としては、ジオール成分とジイソシアネート成分とから合成されるポリウレタン樹脂等が挙げられるが、必要に応じて3価以上のアルコール成分やイソシアネート成分を用いてもよい。
該ジオール成分とジイソシアネート成分、3価以上のアルコール成分やイソシアネート成分の具体例については、前述のものと同様である。
<<ポリウレア樹脂>>
前記ポリウレア樹脂としては、ジアミン成分とジイソシアネート成分とから合成されるポリウレア樹脂等が挙げられるが、必要に応じて3価以上のアミン成分やイソシアネート成分を用いてもよい。
該ジアミン成分とジイソシアネート成分、3価以上のアミン成分やイソシアネート成分の具体例については、前述のものと同様である。
本発明における結晶性樹脂は、結晶性部と非結晶性部をもつブロック樹脂であってもよく、結晶性部には、上記の結晶性樹脂を用いることができる。非結晶性部の形成に用いられる樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられるが、その限りではない。これらの非結晶性部の組成は、前記結晶性部と同様のものが挙げられ、使用するモノマーも、前記ジオール成分、前記ジカルボン酸成分、前記ジイソシアネート成分、および前記ジアミン成分が具体例として挙げられ、非結晶性樹脂となるものであれば、いかなる組合せでも構わない。
本発明において結着樹脂前駆体として、活性水素基と反応可能な官能基を有する変性結晶性樹脂を用いてもよく、変性結晶性樹脂としては、上記の結晶性樹脂を活性水素基と反応可能な官能基を有する化合物と反応させることで得られる。前記変性された結晶性樹脂は、トナーの製造過程において、活性水素基を有する樹脂や、活性水素基を有する架橋剤や伸長剤などの化合物と反応させることで、樹脂を高分子量化させることができる。
前記活性水素基と反応可能な官能基としては特に制限はないが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基などの官能基が挙げられ、反応性や安定性の観点より好ましくはイソシアネート基などが挙げられる。
前記変性結晶性樹脂としては、上記の活性水素基と反応可能な官能基を有する結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹
脂などが挙げられる。
前記活性水素基を有する樹脂および活性水素基を有する架橋剤や伸長剤などの化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記活性水素基と反応可能な官能基がイソシアネート基である場合には、活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられ、反応速度の観点から、アミン類が特に好適である。
末端にイソシアネート基を有する変性された結晶性樹脂をアミン類と反応させて得られる樹脂は、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有してなる結晶性樹脂となる。
前記アミン類としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。また、これらのアミノ基をケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)でブロックした、ケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
本発明における結着樹脂としては、本発明の条件を満たしていれば、前記結晶性樹脂と共に非結晶性樹脂を併用してもよい。
前記非結晶性樹脂としては、非結晶性であれば特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂など、および活性水素基と反応可能な官能基を有するように変性されたこれらの樹脂類が挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における結着樹脂前駆体とは、上述の結着樹脂を構成するモノマーやオリゴマー、および、上述の活性水素基と反応可能な官能基を有する変性された樹脂、オリゴマー類を含む伸長または架橋反応が可能な化合物を指し、本発明の条件を満たしていれば、これらは結晶性樹脂であっても非結晶性樹脂であってもよい。
<帯電制御剤>
本発明におけるトナーは、帯電制御剤としてカリックスアレン誘導体を含有する。本発明のトナーの結着樹脂は、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有しているため、トナー全体として正帯電性を示しやすくなるが、前記カリックスアレンを添加することで適性な負帯電性及び帯電量を示し、かつ経時での帯電安定性を向上させることができる。これは、カリックスアレンがトナー中に導入されたことでトナーの見かけ上の耐ストレス性が向上し、キャリアへの樹脂のフィルミングが減少したためと考えられる。また、耐ストレス性が向上したことにより、出力画像の耐擦性も改善できる。
前記カリックスアレン誘導体としては、トナーに対して帯電特性を付与する目的で添加され、高い帯電性を有することが好ましい。
前記カリックスアレン誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005928799
(但し、式(I)において、n及びmはそれぞれ整数であり、n+mは4〜8である。Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または―(CHCOOR10(R10は水素原子又は低級アルキル基を表し、qは1〜3の整数を示す)基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、―NO、―NH、―N(R(Rは低級アルキル基)、―SO(Rは水素原子)、フェニル基、アルコキシ基、または―Si(CHである。R及びRは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、―NH、―N(R(Rは低級アルキル基)である。Rは、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基である。R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は―(CHCOOR20(R20は水素原子又は低級アルキル基を表し、pは1〜3の整数を示す)基である。R12は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、―NO、―NH、―N(R17(R17は低級アルキル基)、―SO18(R18は水素原子)、フェニル基、アルコキシ基、又は―Si(CHである。R13及びR14は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、―NH、又は―N(R19(R19は低級アルキル基)である。R15は、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
前記カリックスアレン誘導体は帯電性の観点より、ハロゲン基を有することが好ましく、R2、R3、R4、R12、R13、R14の少なくとも1つにハロゲン原子が含まれることが好ましい。さらに前記ハロゲン基がフルオロ基、クロロ基、ブロモ基であることが好ましい。電気陰性度の高いハロゲン基を有したカリックスアレン誘導体をトナー中に導入することで高い負帯電性を付与することができる。前記ハロゲン基を有するカリックスアレン誘導体としては、特に限定されないが、トリフルオロメトキシ基を有するカリックスアレン誘導体、p−ブロモフェニル基を有するカリックスアレン誘導体等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
前記カリックスアレン誘導体はトナーの表面近傍に分散していることが好ましい。カリックスアレン誘導体は、前記トナーの結着樹脂に対する親和性の差を利用することで、トナー粒子本体中の樹脂相に任意に含有させることができる。カリックスアレン誘導体をトナー粒子の表面近傍における樹脂相に含有させることで、少ない量でも効率よくトナーに帯電能力を付与させることができる。また、トナー表面をカリックスアレン誘導体で覆うため、トナーの硬度が向上し、耐フィルミング性や耐擦性を向上することができる。
また、前記トナー中における前記カリックスアレン誘導体の存在状態は、以下のように観察することができる。
即ち、トナー粒子を酸化ルテニウム水溶液の蒸気中に曝して3分間染色し、30分大気中で放置した後、30分硬化型エポキシ樹脂で包埋する。次いで、ウルトラミクロトームを使用して、切削厚み80nm、切削速度0.4mm/secでダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic35)で切削する。次いで、コロジオン膜メッシュ上に切片を固定し、JEM−2100F(日本電子製TEM)にて、加速電圧200kV、SpotSize3、CL AP1、OL AP3の条件で、明視野法による観察を行うことができる。
前記カリックスアレン誘導体は、トナー母体粒子に外添することで表面に付着させてもよい。カリックスアレン誘導体をトナー母体粒子に外添させることで、内添させた場合よりもより表面に位置させることができるため、帯電効率が非常に良好となる。また、本発明における結着樹脂は、通常の非晶性樹脂よりも柔軟な結晶性樹脂を使用しているため、カリックスアレン誘導体がトナー表面に強固に付着され、現像機内の撹拌による脱離が抑制される。
前記カリックスアレン誘導体の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー重量に対して0.5%〜4.0%が好ましい。カリックスアレン誘導体の添加量が0.5%未満であると、充分な帯電付与能力が得られなかったり、経時での帯電安定性が悪化する可能性がある。また、トナー表面のカリックスアレン誘導体量が少ないため、充分な硬度が得られず、トナーの耐フィルミング性や耐擦性が悪化する場合がある。一方、カリックスアレン誘導体の添加量が4.0%を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。また、現像機内の撹拌ストレスによりカリックスアレン誘導体がトナーから脱離しやすくなるため経時での帯電安定性が悪化したり、トナー表面をカリックスアレン誘導体が密に覆ってしまうため低温定着性が悪化する可能性がある。
前記カリックスアレン誘導体のトナー中での分散径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜500nmが好ましく、30nm〜400nmがより好ましく、50nm〜300nmが特に好ましい。分散径が10nm未満であると、カリックスアレン誘導体がトナー表面を密に覆ってしまうため低温定着性が悪化する可能性がある。また、分散径が、500nmを超えると、トナーとキャリアとを攪拌する際に、カリックスアレン誘導体がキャリアへ移行し、キャリアを汚染させることで帯電量が低下するおそれがある。
前記カリックスアレン誘導体の分散径は、例えば、上述したようなTEMにより確認することができる。
前記カリックスアレン誘導体がトナー表面近傍に分散している場合又は外添によりトナー母体粒子に付着させた場合、カリックスアレン誘導体の前記トナー母粒子に対する表面被服率は1%〜70%が好ましい。トナー母粒子に対する表面被服率が1%未満であると、充分な帯電付与能力が得られなかったり、経時での帯電安定性が悪化する可能性がある。また、トナー表面を覆っているカリックスアレン誘導体量が少ないため、充分な硬度が得られず、トナーの耐フィルミング性や耐擦性が悪化する場合がある。一方、トナー母粒子に対する表面被服率が70%を超えると、トナー表面をカリックスアレン誘導体が密に覆ってしまうため低温定着性が悪化する可能性がある。
<トナーの製造方法>
本発明におけるトナーの製法や材料は、条件を満たしていれば公知のものが全て使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、混練粉砕法や、水系媒体中にてトナー粒子を造粒するいわゆるケミカル工法がある。本発明における結晶性樹脂は耐衝撃性が高く、混練粉砕法では10μm以下の粒子径まで粉砕するには、非常に高い粉砕エネルギーが必要となるため、結晶性樹脂を容易に造粒可能なケミカル工法が好ましい。また、混練粉砕法により得られるトナーは、トナー表面に露出する帯電制御剤量を制御することができないため、トナー間での帯電量にばらつきが生じやすく、帯電量分布がブロードになる傾向がある。一方、ケミカル工法では帯電制御剤のトナー中における分散状態を制御することが可能であるため、好ましい。
前記水系媒体中にてトナー粒子を造粒するケミカル工法としては、例えば、モノマーを出発原料として製造する懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法などや、樹脂や樹脂前駆体を有機溶剤などに溶解して水系媒体中にて分散及び/又は乳化させる溶解懸濁法、樹脂や樹脂前駆体と適当な乳化剤からなる溶液に水を加えて転相させる転相乳化法、これらの工法によって得られた樹脂粒子を水系媒体中に分散させた状態で凝集させて加熱溶融等により所望サイズの粒子に造粒する凝集法などが挙げられる。これらの中でも、溶解懸濁法で得られるトナーであることが、結晶性樹脂による造粒性(粒度分布制御の容易さ、粒子形状の制御など)の観点からより好ましい。
以下に、これらの製法についての詳細な説明をする。
−混練粉砕法−
前記混練粉砕法は、例えば、少なくとも帯電制御剤、着色剤、結着樹脂及び離型剤を有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
−ケミカル工法−
前記ケミカル工法では、例えば、少なくとも帯電制御剤、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含有してなる微粒子を、水系媒体中に分散及び/又は乳化して前記トナーの母体粒子を造粒する方法である。
樹脂を有機樹脂微粒子の水性分散液にする方法としては、特に限定されないが、以下の(a)〜(h)が挙げられる。
(a)ビニル系樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させて樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)またはその溶剤溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化させたものでも良い。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(d)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(e)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(f)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(g)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する方法。
(h)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
また、水系媒体中への乳化、分散に際し、必要に応じて、界面活性剤や、高分子系保護コロイド等を用いることもできる。
前記界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸、及び、その金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは3級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
結着樹脂や結着樹脂前駆体、着色剤及び離型剤を含むトナー組成物を溶解又は分散させる場合に用いる有機溶剤としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
結着樹脂や結着樹脂前駆体、着色剤及び離型剤を含むトナー組成物を溶解又は分散させて得られる油相の固形分濃度は、40〜80%程度であることが好ましい。濃度が高すぎると、溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらく、濃度が低すぎると、トナーの製造量が少なくなる。
着色剤や離型剤などの樹脂以外のトナー組成物、およびそれらのマスターバッチなどは、それぞれ個別に有機溶剤に溶解または分散させ、前記樹脂溶解液又は分散液に混合しても良い。
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー組成物100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。また、2000重量部を超えると経済的でない。
前記水系媒体中には、無機分散剤または有機樹脂微粒子をあらかじめ水系媒体中に分散させていても良く、粒度分布がシャープになるとともに分散安定性の観点で好ましい。
前記無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
前記有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良いが、例えは、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、2種以上を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという観点からビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。
水系媒体中への乳化、分散の方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。中でも、粒子の小粒径化の観点からは、高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは20〜80℃である。
前記トナー組成物に前記結着樹脂前駆体を有する場合、前記結着樹脂前駆体が伸長または架橋反応するのに必要な前記活性水素基を有する化合物などを、水系媒体中で前記トナー組成物を分散する前に油相中にあらかじめ混合しておいても良いし、水系媒体中で混合しても良い。
前記有機溶剤を得られた乳化分散体から除去するためには、公知の方法を使用することができる。
例えば、常圧または減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
水系媒体に分散されたトナーの母体粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。
即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いても良いし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にすることができる。
得られた乾燥後のトナー粉体と前記帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。
装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
<その他の成分>
−着色剤−
本発明のトナーにおける着色剤としては特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
トナーの着色剤の色としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーなどから選択される少なくとも1種とすることができる。各色のトナーは着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーが好ましい。
ブラック用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35、などが挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36、などが挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36、などが挙げられる。
トナー中の着色剤の含有量は、トナー全体の1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。含有量が1質量%未満では、トナーの着色力が低下することがあり、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。その例としては、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリp−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
また、これらのマスターバッチ用樹脂は、本発明における結晶性樹脂であっても何ら問題ない。
マスターバッチは、高せん断力をかけて、樹脂と着色剤とを混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂との相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水及び有機溶媒を除去する方法である。混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
−異形化剤−
異形化剤は、カラートナーの形状を異形化することを目的として含有させる。異形化剤としては、この目的が達成できるものであれば適宜選択することができるが、層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することが好ましい。このような層状無機鉱物としてはスメクタイト系の基本結晶構造を持つものを有機物カチオンで変性したものが望ましい。また、層状無機鉱物の2価金属の一部を3価の金属に置換することにより、金属アニオンを導入することができる。しかし、金属アニオンを導入すると親水性が高くなるため、金属アニオンの少なくとも一部を有機物アニオンで変性した層状無機化合物が望ましい。
前記有機物カチオン変性剤としては特に制限はなく、第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩、イミダゾリウム塩などが挙げられる。中でも、第4級アルキルアンモニウム塩が望ましく、例えば、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記有機物アニオン変性剤としては特に制限はなく、分岐、非分岐又は環状のアルキル(炭素数1〜44)、アルケニル(炭素数1〜22)、アルコキシ(炭素数8〜32)、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜22)、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を有する硫酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、又はリン酸塩が挙げられる。中でもエチレンオキサイド骨格を持ったカルボン酸が望ましい。
層状無機鉱物の少なくとも一部を有機物イオンで変性することにより、適度な疎水性を持ち、トナー組成物を含む油相が非ニュ−トニアン粘性を持ち、トナーを異形化することができる。
層状無機鉱物は適宜選択することができ、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト及びこれらの混合物等が挙げられる。中でも、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができ、添加量を少量とすることができることから、モンモリロナイト又はベントナイトが好ましい。
前記一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の含有量は、トナー材料中の0.05〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましい。
前記一部を有機物カチオンで変性した層状無機鉱物の市販品としては、Bentone3、Bentone 38、Bentone 38V(以上、レオックス社製)、チクソゲルVP(United catalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone 27(レオックス社製)、チクソゲルLG(United catalyst社製)、クレイトンAF、クレイトンAPA(以上、サザンクレイ社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイトが挙げられる。中でも好ましいのは、クレイトンAF、クレイトンAPAである。
また前記一部を有機物アニオンで変性した層状無機鉱物としては、DHT−4A(協和化学工業社製)を下記一般式で表される有機物アニオンで変性させたものがより好ましい。下記一般式で表される有機物アニオンの市販品としては、例えばハイテノール330T(第一工業製薬社製)が挙げられる。
Figure 0005928799
[上記式中、Rは炭素数13のアルキル基、R2は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、nは2〜10の整数を表し、Mは1価の金属元素を表す。]
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましく、60℃〜90℃が特に好ましい。前記融点が40℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易くなる。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分間で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分間で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1,000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0質量%〜40質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
−無機微粒子−
本発明のトナーには、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として無機微粒子を添加してもよい。
無機微粒子としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。その例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmが好ましく、5〜500nmがより好ましい。
無機微粒子のトナー中の含有量は0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。この範囲ならばトナーの流動性、現像性、帯電性が向上する。
−流動性向上剤−
流動性向上剤は、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止するための材料である。その例としては、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。特にシリカや酸化チタンを添加するときは、このような流動性向上剤によって表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが好ましい。
−クリーニング性向上剤−
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために添加する。その例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。このポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
−磁性材料−
磁性材料としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。その例としては、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、上記本発明のトナーを含有し、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有する。本発明の現像剤は、一成分現像剤であっても、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
二成分現像剤におけるキャリアの含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーとキャリアの好ましい混合割合は、キャリア100部に対しトナー1〜10部である。
<キャリア>
キャリアとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、この芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
芯材の材料としては特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体(感光体)への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−亜鉛(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
芯材の粒径としては、質量平均粒径(D50)で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。D50が10μm未満では、キャリア粒子の分布において微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがある。また、200μmを超えると、比表面積が低下しトナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
芯材を被覆する樹脂層の材料としては特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー〔フッ化三重(多重)共重合体〕、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、キャリアへのトナーフィルミング防止効果が高い点で、シリコーン樹脂が好ましい。
樹脂層を構成するシリコーン樹脂としては特に制限はなく、一般に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
シリコーン樹脂の市販品としては、ストレートシリコーン樹脂として、信越化学工業社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
変性シリコーン樹脂の市販品としては、信越化学工業社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
芯材を被覆する樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の体積平均粒子径は、1μm以下が好ましい。体積平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
芯材を被覆する樹脂層は、例えば、シリコーン樹脂等を有機溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、塗布溶液を芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記有機溶剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
樹脂層の焼付手段には特に制限はなく、外部加熱方式でも内部加熱方式でもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
樹脂層のキャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。0.01質量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
(画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ)
画像形成方法は、静電潜像形成工程、現像工程、転写工程、定着工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
画像形成装置は、静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、定着手段を少なくとも有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有する。
<静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段>
静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適であり、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
静電潜像の形成は、静電潜像形成手段により、例えば静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができる。静電潜像形成手段は、例えば静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
帯電は、例えば帯電器を用いて静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。帯電器としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。また、帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。また、帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、帯電ローラに直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
露光は、例えば露光器を用いて静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。露光器としては、帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
現像工程は、静電潜像を、本発明のトナー又は現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。可視像の形成は、現像手段により、例えば静電潜像を本発明のトナー又は現像剤を用いて現像することにより行うことができる。現像手段は、本発明のトナー又は現像剤を用いて現像できる限り特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。その例としては、本発明のトナー又は現像剤を収容し、静電潜像に現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
現像器は、乾式現像方式のものでも湿式現像方式のものでもよく、また、単色用現像器でも多色用現像器でもよい。その例としては、現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが好適に挙げられる。
現像器内では、例えば、トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて静電潜像担持体(感光体)の表面にトナーによる可視像が形成される。
<転写工程及び転写手段>
転写工程は、可視像を記録媒体に転写する工程である。中間転写体を用い、中間転写体上に可視像を一次転写した後、この可視像を記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、この複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。転写は、転写手段により、例えば可視像を転写帯電器を用いて静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができる。転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、この複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段を有する態様が好ましい。なお、中間転写体としては特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
転写手段(第一次転写手段、第二次転写手段)は、静電潜像担持体(感光体)上に形成された可視像を記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有することが好ましい。転写手段は1つでも2つ以上でもよい。転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。なお、記録媒体には特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
<定着工程及び定着手段>
定着工程は、定着手段を用いて記録媒体に転写された可視像を定着させる工程である。各色のトナーに対し記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。定着手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。定着手段としては、発熱体を具備する加熱体と、この加熱体と接触するフィルムと、このフィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材とを有し、フィルムと加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段が好ましい。加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。なお、目的に応じて、定着工程及び定着手段と共に或いはこれらに代えて、例えば公知の光定着器を用いてもよい。
<その他の工程及び手段>
<<除電工程及び除電手段>>
除電工程は、除電手段により、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電する工程である。除電手段としては特に制限はなく、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加できればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができる。その例としては除電ランプ等が好適に挙げられる。
<<クリーニング工程及びクリーニング手段>>
クリーニング工程は、クリーニング手段により、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程である。クリーニング手段としては特に制限はなく、静電潜像担持体上に残留する電子写真トナーを除去できればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができる。その例としては、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
<<リサイクル工程及びリサイクル手段>>
リサイクル工程は、リサイクル手段により、クリーニング工程により除去したトナーを現像手段にリサイクルさせる工程である。リサイクル手段としては特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
<<制御工程及び制御手段>>
制御工程は、制御手段により、画像形成方法の各工程を制御する工程である。制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
画像形成装置により画像形成する一態様例について、図1を参照しながら説明する。
図1に示す画像形成装置100は、静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下、感光体10という)と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置30と、現像手段としての現像装置45と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有するクリーニング手段としてのクリーニング装置60と、除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されてこれを張架する3個のローラ51によって、図1中の矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍に中間転写体用クリーニングブレードなどのクリーニング装置90が配置されている。また、転写紙などの記録媒体95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、この中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像装置45は、ブラック用現像ユニット45K、イエロー用現像ユニット45Y、マゼンタ用現像ユニット45M及びシアン用現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック用現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー用現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ用現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン用現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。
図1に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体10を一様に帯電させる。露光装置30が感光体10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光体10上に形成された静電潜像を、現像装置45からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。この可視像(トナー像)がローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙などの記録媒体95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙などの記録媒体95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
画像形成装置により画像形成する他の態様例について、図2を参照しながら説明する。図2に示す装置100Cはタンデム型カラー画像形成装置である。このタンデム画像形成装置100Cは、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。なお、図3は図2に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図2中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体(転写紙)と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために、転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、或いは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図3に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M、及びシアン用感光体10C)と、感光体10を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に感光体を露光(図3中、L)し、感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、この静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、このトナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成されたブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上にブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写装置本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。或いは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により合成カラー画像(カラー転写像)をシート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成されたシート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより合成カラー画像(カラー転写像)がシート(記録紙)上に定着される。その後、シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排出トレイ57上にスタックされ、或いは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排出トレイ57上にスタックされる。
<プロセスカートリッジ>
プロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能であり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有する。
現像手段としては、本発明の現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有し、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
プロセスカートリッジは、例えば図4に示すように、静電潜像担持体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有する。図4中、103は露光手段による露光、105は記録媒体をそれぞれ示す。
次に、図4に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて説明すると、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例により制限されるものではない。以下の記載において部は質量部を示す。
−結晶性樹脂(A)の製造−
(製造例1)結晶性ポリウレタン樹脂A−1の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,4−ブタンジオール135部、1,6−ヘキサンジオール177部、及びメチルエチルケトン(MEK)400部を入れた。この溶液にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)491部入れ、窒素気流下にて80℃で8時間反応した後、減圧下にて溶媒を除去して[結晶性ポリウレタン樹脂A−1]を得た。得られた[結晶性ポリウレタン樹脂A−1]は、重量平均分子量Mw25000、融解熱の最大ピーク温度Ta60℃であった。
(製造例2)結晶性ポリウレタン樹脂A−2の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,4−ブタンジオール135部、1,6−ヘキサンジオール177部、及びメチルエチルケトン(MEK)400部を入れた。この溶液に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)718部入れ、窒素気流下にて80℃で8時間反応した後、減圧下にて溶媒を除去して[結晶性ポリウレタン樹脂A−2]を得た。得られた[結晶性ポリウレタン樹脂A−2]は、重量平均分子量Mw19000、融解熱の最大ピーク温度Ta57℃であった。
(製造例3)結晶性ポリウレタン樹脂A−3の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,4−ブタンジオール135部、1,6−ヘキサンジオール177部、及びメチルエチルケトン(MEK)400部を入れた。この溶液にイソホロンジイソシアネート(IPDI)649部入れ、窒素気流下にて80℃で8時間反応した後、減圧下にて溶媒を除去して[結晶性ポリウレタン樹脂A−3]を得た。得られた[結晶性ポリウレタン樹脂A−3]は、重量平均分子量Mw35000、融解熱の最大ピーク温度Ta62℃であった。
(製造例4)結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂A−4の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、1,6−ヘキサンジオール230部、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量Mwがおよそ9,000に達するまで反応を行った。
続いて、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル450部を加えて溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)12部を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂A−4]を得た。得られた[結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂A−4]は、重量平均分子量Mw21,000、融解熱の最大ピーク温度Ta55℃であった。
(製造例5)結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂A−5の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸152部、アジピン酸110部、1,4−ブタンジオール176部、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量Mwがおよそ10,000に達するまで反応を行った。
続いて、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル450部を加えて溶解した後、イソホロンジイソシアネート(IPDI)14部を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂A−5]得た。得られた[結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂A−5]は、重量平均分子量Mw29,000、融解熱の最大ピーク温度Ta66℃であった。
(製造例6)結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂A−6の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸152部、アジピン酸110部、1,4−ブタンジオール176部、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量Mwがおよそ10,000に達するまで反応を行った。
続いて、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル450部を加えて溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)15部を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂A−6]を得た。得られた[結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂A−6]は、重量平均分子量Mw26,000、融解熱の最大ピーク温度Ta63℃であった。
(製造例7)結晶性ポリウレア樹脂A−7の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,4−ブタンジアミン132部、1,6−ヘキサンジアミン174部、メチルエチルケトン(MEK)400部を入れて攪拌した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)494部を加え、窒素気流下にて60℃で8時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[結晶性ポリウレア樹脂A−7]得た。得られた結[晶性ポリウレア樹脂A−7]は、重量平均分子量Mwが23,000、融解熱の最大ピーク温度Ta63℃であった。
(製造例8)結晶性ポリエステル樹脂A−8の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、1,6−ヘキサンジオール213部、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量Mwがおよそ27,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A−8]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A−8]は、重量平均分子量Mw27,000、融解熱の最大ピーク温度Ta62℃であった。
−結晶性樹脂(B)及びその前駆体(B’)の製造−
(製造例9)結晶性ポリウレタン樹脂B−1の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,4−ブタンジオール135部、1,6−ヘキサンジオール177部、及びメチルエチルケトン(MEK)400部を入れた。この溶液にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)496部入れ、窒素気流下にて80℃で8時間反応した後、減圧下にて溶媒を除去して[結晶性ポリウレタン樹脂B−1]を得た。得られた[結晶性ポリウレタン樹脂B−1]は、重量平均分子量Mw60,000、融解熱の最大ピーク温度Ta70℃であった。
(製造例10)結晶性ポリウレタン樹脂B−2の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,4−ブタンジオール135部、1,6−ヘキサンジオール177部、及びメチルエチルケトン(MEK)400部を入れた。この溶液に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)733部入れ、素気流下にて80℃で8時間反応した後、減圧下にて溶媒を除去して[結晶性ポリウレタン樹脂B−2]を得た。得られた[結晶性ポリウレタン樹脂B−2]は、重量平均分子量Mw45,000、融解熱の最大ピーク温度Ta66℃であった。
(製造例11)結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂B−3の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸152部、テレフタル酸125部、1,6−ヘキサンジオール230部、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量Mwがおよそ20,000に達するまで反応を行った。
続いて、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル450部を加えて溶解した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)9部を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂B−3]を得た。得られた[結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂B−3]は、重量平均分子量Mw65,000、融解熱の最大ピーク温度Ta68℃であった。
(製造例12)結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂B−4の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸152部、テレフタル酸125部、1,6−ヘキサンジオール213部、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量Mwがおよそ30,000に達するまで反応を行った。
続いて、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル450部を加えて溶解した後、イソホロンジイソシアネート(IPDI)5部を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂B−4]を得た。得られた[結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂B−4]は、重量平均分子量Mw70,000、融解熱の最大ピーク温度Ta70℃であった。
(製造例13)結晶性ポリウレア樹脂B−5の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,4−ブタンジアミン132部、1,6−ヘキサンジアミン174部、メチルエチルケトン(MEK)400部を入れて攪拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)743部を加え、窒素気流下にて60℃で8時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[結晶性ポリウレア樹脂B−5]を得た。得られた[結晶性ポリウレア樹脂B−5]は、重量平均分子量Mwが60,000、融解熱の最大ピーク温度Ta66℃であった。
(製造例14)結晶性ポリエステル樹脂B−6の製造
冷却管、撹拌機および窒素導入管を装備した反応槽中に、ドデカン二酸345部、1,6−ヘキサンジオール195部、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量Mwがおよそ64,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B−6]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂B−6]は、重量平均分子量Mw64,000、融解熱の最大ピーク温度Ta66℃であった。
(製造例15)結晶性樹脂前駆体B’−7の製造
冷却管、撹拌機および窒素導入管を装備した反応槽中に、[結晶性樹脂A8]516部、酢酸エチル450部を加えて溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)15部を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させ、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整することで、末端にイソシアネート基を有する[結晶性樹脂前駆体B’−7]の50重量%酢酸エチル溶液を得た。
(製造例16)結晶性樹脂前駆体B’−8の製造
冷却管、撹拌機および窒素導入管を装備した反応槽中に、[結晶性樹脂A4]546部、酢酸エチル450部を加えて溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)18部を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させ、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整することで、末端にイソシアネート基を有する[結晶性樹脂前駆体B’−8]の50重量%酢酸エチル溶液を得た。
−非結晶性樹脂の製造−
(製造例17)非結晶性ポリエステル樹脂C−1の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物215部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物132部、テレフタル酸126部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.8重量部を入れ、窒素気流下にて230℃で、生成する水を留去しながら6時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下にて1時間反応させ、180℃まで冷却させた後、無水トリメリット酸8部を入れ、5〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量Mwがおよそ10,000に達するまで反応を行って、[非結晶性ポリエステル樹脂C−1]を得た。得られた[非結晶性ポリエステル樹脂C−1]は重量平均分子量Mwがおよそ10,000、ガラス転移温度60℃、融解熱の最大ピーク温度Ta68℃であった。
(製造例18)非結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂C−2の製造例
冷却管、撹拌機および窒素導入管を装備した反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物217部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物133部、テレフタル酸100部、アジピン酸26部および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.8部を入れ、窒素気流下にて230℃で、生成する水を留去しながら6時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下にて1時間反応させ、180℃まで冷却させた後、無水トリメリット酸5部を入れ、5〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量Mwがおよそ10,000に達するまで反応を行った。
次いで、得られた結晶性樹脂に、酢酸エチル450部を加えて溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)14部を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去し、[非結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂C−2]を得た。得られた[非結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂C−2]は重量平均分子量Mwがおよそ40,000、ガラス転移温度61℃、融解熱の最大ピーク温度Ta67℃のであった。
(製造例19)非結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂C−3の製造例
冷却管、撹拌機および窒素導入管を装備した反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物215部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物132部、テレフタル酸100部、アジピン酸26部および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.8部を入れ、窒素気流下にて230℃で、生成する水を留去しながら6時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下にて1時間反応させ、180℃まで冷却させた後、無水トリメリット酸5部を入れ、5〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量Mwがおよそ6,000に達するまで反応を行った。
得られた結晶性樹脂に、酢酸エチル450部を加えて溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)21部を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去し、[非結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂C−3]を得た。[非結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂C−3]は重量平均分子量Mwがおよそ20,000、ガラス転移温度54℃、融解熱の最大ピーク温度Ta62℃であった。
表1に製造した樹脂の諸物性を示した。
Figure 0005928799
−帯電制御剤の製造−
(製造例20)カリックスアレン誘導体D−1の製造例
一般式(I)を有するカリックスアレン誘導体のうち、mが8、nが0、Rが水素原子、Rがtert−ブチル基、R乃至Rが水素原子で置換されたカリックスアレン誘導体D−1(オリエント化学社製:BONTRON E−89)を合成した。合成法は、まず、0.18molのp−tertブチルフェノールと0.30molのバラホルムアルデヒドとを水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で4時間還流して脱水し、次いで冷却した後濾過した。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン、水を用いてこの順で洗浄し、乾燥した。次に、クロロホルムにより、これを再結晶し、白色針状結晶の[カリックスアレン誘導体D−1]を得た。
(製造例21)カリックスアレン誘導体D−2の製造例
前記一般式(I)において、mが4〜8、nが0、Rが水素原子、Rがフェニル基、R乃至Rが水素原子で置換されたカリックスアレン誘導体D−2を合成した。合成法は、まず、0.18molのp−フェニルフェノールと0.30molのバラホルムアルデヒドとを水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で4時間還流して脱水し、次いで冷却した後濾過して沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン、水を用いてこの順で洗浄し、乾燥した。次に、クロロホルムにより、これを再結晶し、白色針状結晶の[カリックスアレン誘導体D−2]を得た。
(製造例22)カリックスアレン誘導体D−3の製造例
前記一般式(I)において、mが4〜8、nが0、Rがメチル基、R乃至Rが水素原子で置換されたカリックスアレン誘導体D−3を合成した。合成法は、まず、0.18molのアニソールと0.30molのバラホルムアルデヒドとを水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で4時間還流して脱水し、次いで冷却した後濾過した。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン、水を用いてこの順で洗浄し、乾燥した。次に、クロロホルムにより、これを再結晶し、白色針状結晶の[カリックスアレン誘導体D−3]を得た。
(製造例23)カリックスアレン誘導体D−4の製造例
前記一般式(I)において、mが4〜8、nが0、R乃至Rが水素原子、Rがメチル基、R乃至Rが水素原子で置換されたカリックスアレン誘導体D−4を合成した。合成法は、まず、0.18molの2−メチルフェノールと0.30molのバラホルムアルデヒドとを水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で4時間還流して脱水し、次いで冷却した後濾過した。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン、水を用いてこの順で洗浄し、乾燥した。次に、クロロホルムにより、これを再結晶し、白色針状結晶の[カリックスアレン誘導体D−4]を得た。
(製造例24)カリックスアレン誘導体D−5の製造例
前記一般式(I)において、mが4〜8、nが0、R乃至Rが水素原子、Rがメチル基、Rが水素原子で置換されたカリックスアレン誘導体D−5を合成した。合成法は、まず、0.18molの2−メチルフェノールと0.30molのバラホルムアルデヒドとを水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で4時間還流して脱水し、次いで冷却した後濾過した。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン、水を用いてこの順で洗浄し、乾燥した。次に、クロロホルムにより、これを再結晶し、白色針状結晶の[カリックスアレン誘導体D−5]を得た。
(製造例25)カリックスアレン誘導体D−6の製造例
前記一般式(I)において、m+nが4〜8、m:nが1:1、Rが水素原子、Rがメチル基、R乃至Rが水素原子、R11が水素原子、R12がフェニル基、R13乃至R15が水素原子で置換されたカリックスアレン誘導体D−6を合成した。合成法は、まず、0.18molのp−メチルフェノールと0.18molのp−フェニルフェノールと0.30molのバラホルムアルデヒドとを水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で4時間還流して脱水し、次いで冷却した後濾過した。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン、水を用いてこの順で洗浄し、乾燥した。次に、クロロホルムにより、これを再結晶し、白色針状結晶の[カリックスアレン誘導体D−6]を得た。
(製造例26)カリックスアレン誘導体D−7の製造例
前記一般式(I)において、m+nが4〜8、m:nが4:1、Rが水素原子、Rがtert−ブチル基、R乃至Rが水素原子、R11が水素原子、R12がメトキシ基、R13乃至R15が水素原子で置換されたカリックスアレン誘導体D−7を合成した。合成法は、まず、0.72molのp−tertブチルフェノールと0.18molのp−メトキシフェノールと0.30molのバラホルムアルデヒドとを水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で4時間還流して脱水し、次いで冷却した後濾過した。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン、水を用いてこの順で洗浄し、乾燥した。次に、クロロホルムにより、これを再結晶し、白色針状結晶の[カリックスアレン誘導体D−7]を得た。
(製造例27)カリックスアレン誘導体D−8の製造例
前記一般式(I)において、m+nが4〜8、m:nが1:1、Rが水素原子、Rがtert−ブチル基、R乃至Rが水素原子、R11が水素原子、R12がフェニル基、R13乃至R15が水素原子で置換されたカリックスアレン誘導体D−8を合成した。合成法は、まず、18molのp−tertブチルフェノールと18molのp−フェニルフェノールと0.30molのバラホルムアルデヒドとを水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で4時間還流して脱水し、次いで冷却した後濾過した。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン、水を用いてこの順で洗浄し、乾燥した。次に、クロロホルムにより、これを再結晶し、白色針状結晶の[カリックスアレン誘導体D−8]を得た。
(製造例28)カリックスアレン誘導体D−9の製造例
前記一般式(I)において、m+nが4〜8、m:nが1:1、Rが水素原子、Rがフェニル基、R乃至Rが水素原子、R11が水素原子、R12がトリフルオロメトキシ基、R13乃至R15が水素原子で置換されたカリックスアレン誘導体D−9を合成した。合成法は、まず、0.18molのp−フェニルフェノールと0.18molのp−トリフルオロメトキシフェノールと0.30molのバラホルムアルデヒドとを水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で4時間還流して脱水し、次いで冷却した後濾過した。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン、水を用いてこの順で洗浄し、乾燥した。次に、クロロホルムにより、これを再結晶し、白色針状結晶の[カリックスアレン誘導体D−9]を得た。
(製造例29)カリックスアレン誘導体D−10の製造例
前記一般式(I)において、m+nが4〜8、m:nが1:1、Rが水素原子、Rがフェニル基、R乃至Rが水素原子、R11が水素原子、R12がクロロ基、R13乃至R15が水素原子で置換されたカリックスアレン誘導体D−10を合成した。合成法は、まず、0.18molのp−フェニルフェノールと0.18molのp−クロロフェノールと0.30molのバラホルムアルデヒドとを水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で4時間還流して脱水し、次いで冷却した後濾過した。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン、水を用いてこの順で洗浄し、乾燥した。次に、クロロホルムにより、これを再結晶し、白色針状結晶の[カリックスアレン誘導体D−10]を得た。
(製造例30)カリックスアレン誘導体D−11の製造例
前記一般式(I)において、mが4〜8、nが0、Rが水素原子、Rがp−ブロモフェニル基、R乃至Rが水素原子で置換されたカリックスアレン誘導体A−11を合成した。合成法は、まず、0.18molのp−ブロモフェニルフェノールと0.30molのバラホルムアルデヒドとを水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で4時間還流して脱水し、次いで冷却した後濾過した。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン、水を用いてこの順で洗浄し、乾燥した。次に、クロロホルムにより、これを再結晶し、白色針状結晶の[カリックスアレン誘導体D―11]を得た。
−帯電制御剤分散液の製造−
(製造例31)カリックスアレン誘導体分散液D’−1の製造
カリックスアレン誘導体D−1(オリエント化学社製:BONTRON E−89)をビーカー内に10部、前記各種結晶性樹脂(A)10部、酢酸エチル80部を仕込み、50℃に加熱し結晶性樹脂を溶解した。溶解した溶液をビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスして[カリックスアレン誘導体分散液D’−1]を調製した。[カリックスアレン誘導体分散液D’−1]の平均粒子径(分散径)は45nmであった。
(製造例32〜41)カリックスアレン誘導体分散液D’−2〜D’−11製造
カリックスアレン誘導体分散液D’−1の製造において、溶液のパス回数、ジルコニアビーズ充填量を表2に示すように変更した以外は同様にして、[カリックスアレン誘導体分散液D’−2]〜[カリックスアレン誘導体分散液D’−11]を調製した。製造したカリックスアレン誘導体分散液の組成、分散径を表2に示す。
(製造例42)サリチル酸ジルコニウム錯体分散液D’−12の製造
サリチル酸ジルコニウム錯体(保土ヶ谷化学社製:TN−105)をビーカー内に10部、前記各種結晶性樹脂(A)10部、酢酸エチル80部を仕込み、50℃に加熱し結晶性樹脂を溶解した。溶解した溶液をビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして[サリチル酸ジルコニウム錯体分散液D’−12]を調製した。[サリチル酸ジルコニウム錯体分散液D’−12]の平均粒子径(分散径)は550nmであった。
Figure 0005928799
−帯電制御剤粉末の製造−
(製造例43)カリックスアレン誘導体粉末D”−1の製造
ビーカー内にカリックスアレン誘導体D−1(オリエント化学社製:BONTRON E−89)を10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、イオン交換水100部を混合し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で8パスして[カリックスアレン誘導体水分散液]を調製した。
上記水分散液を洗浄し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを充分に洗い流した後に乾燥し、[カリックスアレン誘導体粉末D”−1]を得た。[カリックスアレン誘導体粉末D”−1]の平均粒子径は50nmであった。
(製造例44〜47)カリックスアレン誘導体粉末D”−2、4、9、11の製造
製造例43のカリックスアレン誘導体水分散液の製造において、溶液のパス回数、ジルコニアビーズ充填量を表3に示すように変更した以外は同様にして、[カリックスアレン誘導体粉末D”−2、4、9、11]を調製した。
製造したカリックスアレン誘導体粉末の組成、分散径を表3に示す。
(製造例48)サリチル酸ジルコニウム錯体粉末D”−12の製造
ビーカー内にサリチル酸ジルコニウム錯体(保土ヶ谷化学社製:TN−105)を10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、イオン交換水100部を混合し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスして[カリックスアレン誘導体水分散液]を調製した。
上記水分散液を洗浄し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを充分に洗い流した後に乾燥し、[サリチル酸ジルコニウム錯体粉末D”−12]を得た。[サリチル酸ジルコニウム錯体粉末D”−12]の平均粒子径は550nmであった。
Figure 0005928799
<トナー1〜9、11〜31、33〜34の製造(溶解懸濁法、エステル伸長法)>
−顔料マスターバッチの作製−
水1,000部、及びDBP吸油量が42ml/100g、pHが9.5のカーボンブラック(Printex35、デグサ社製)530部、及び1200部の各トナーで使用する結晶性樹脂(A)を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。 二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
−ケチミン化合物の合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、イソホロンジアミン30部、及びメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応させ、ケチミン化合物を合成した。
得られたケチミン化合物は、アミン価が423mgKOH/gであった。
−微粒子分散液の製造−
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)10部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
これを加熱して、系内温度75℃まで昇温し6時間反応させた。
さらに1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成してビニル樹脂(スチレンーメタクリル酸一メタクリル酸ブチルーアルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩の共重合体)の水性分散液である微粒子分散液Wを得た。
微粒子分散液WをELS−800で測定した体積平均粒径は0.08μmであった。
微粒子分散液Wの一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のフローテスター測定によるガラス転移温度は74℃であった。
−水系媒体の調製−
イオン交換水300部、微粒子分散液300部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を40℃で混合撹拌して均一に溶解させて[水系媒体]を調製した。なお[水系媒体]は容器内にて40℃に保つようにした。
−樹脂溶液の調整−
反応容器内に表4に示す部数で各種結晶性樹脂(A)、結晶性樹脂(B)又は結晶性樹脂(B)の前駆体(B’)、非結晶性樹脂(C)、及び酢酸エチル100部を加えて50℃で攪拌して、「樹脂溶液1〜9、11〜31、33〜34」を調製した。なお[樹脂溶液]は容器内にて50℃に保つようにした。
Figure 0005928799
−油相の調製−
次に、50℃に保たれた樹脂溶液1〜9、11〜31、33〜34各200部に、パラフィンワックス(HNP−9(融点75℃)、日本精蝋社製)5部、及び顔料マスターバッチ18部を添加し、さらに各帯電制御剤分散液を下記表5に示した部で添加した。ただし帯電制御剤を外添させてトナー表面に付着させるトナー20〜24、33〜34の樹脂溶液には帯電制御剤分散液は加えなかった。溶液を50℃にてビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒で、粒径が0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスし、「油相1〜9、11〜31、33〜34」を得た。ただし、油相8、9は更に、ケチミン化合物2.5部を加えて溶解させ油相を得た。

Figure 0005928799
−トナーの調製−
次に、別の容器内に、40℃に保たれた[水系媒体]相150部を入れ、40〜50℃にてTK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmで攪拌しながら、50℃に保たれた[油相1]〜[油相9]、[油相11]〜[油相31]、油相33]〜[油相34]100部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを得た。更に、攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリー100部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら、60℃で10時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
次に、分散スラリー100部を減圧濾過し、得られた濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%の水酸化ナトリウム水溶液20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを40℃で36時間乾燥し、目開きが75μmのメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]〜[トナー母体粒子9]、[トナー母体粒子11]〜[トナー母体粒子31]、[トナー母体粒子33]〜[トナー母体粒子34]を作製した。
−カリックスアレン誘導体粉末の外添−
得られた[トナー母体粒子20]〜[トナー母体粒子24]、[トナー母体粒子33]〜[トナー母体粒子34]を100部と、下記表6に示す部のカリックスアレン誘導体を混合し、ハイブリダイゼーションシステム((株)奈良機械製作所NHS−O)を用いて、12000rpmの条件で2分間混合・付着処理を行い、[帯電制御剤外添トナー20]〜[帯電制御剤外添トナー24]、[帯電制御剤外添トナー33]〜[帯電制御剤外添トナー34]を得た。
Figure 0005928799
<トナー10、32の製造(混練粉砕法)>
結晶性樹脂(A)、結晶性樹脂(B)、非結晶性樹脂(C)、帯電制御剤粉末を下記表7に示す部で添加し、さらにパラフィンワックス(HNP−9(融点75℃)、日本精蝋社製)5部、顔料マスターバッチ18部を添加して、へンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製、FM10B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で80〜120℃の温度で溶融、混練した。得られた混練物は室温まで冷却後、ハンマーミルにて200〜300μmに粗粉砕した。次いで、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、重量平均粒径が5.5±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で、重量平均粒径が6.1±0.2μm、4μm以下の微粉量が10個数%以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、[トナー母体粒子10]、[トナー母体粒子32]を得た。
Figure 0005928799
得られた[トナー母体粒子1]〜[トナー母体粒子19]、[トナー母体粒子25]〜[トナー母体粒子32]、[帯電制御剤外添トナー20]〜[帯電制御剤外添トナー24]、[帯電制御剤外添トナー33]〜[帯電制御剤外添トナー34]を100部と、外添剤としての疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、[トナー1]〜[トナー34]を作製した。
以上により作成したトナーの組成、物性一覧を表8に示した。
トナーの粒径分布、貯蔵弾性率G’の測定方法は下記の通りである。
<<体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径並びに比(Dv/Dn)の測定>>
トナー(トナー母体粒子)の粒度分布は、コールターマルチサイザーを用いて行った。即ち、測定装置としてはコールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機株式会社製)及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製した。測定法としては、この電解液としての水溶液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mL加え、更に測定試料を2〜20mg加え、超音波分散器で約1〜3分の分散処理を行った。更に、別のビーカーに電解水溶液100〜200mLを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIIによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定することにより行った。得られた体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)から両者の比(Dv/Dn)を求めた。
<<貯蔵弾性率G’の測定>>
トナーの動的粘弾特性値(貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”)は、動的粘弾性測定装置ARES(TAインスツルメント社製)を用いて測定した。試料は、直径8mm、厚さ1〜2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて200℃まで昇温速度2.0℃/minで昇温させて測定した。
Figure 0005928799
−キャリアの作製−
トルエン100部に、下記成分を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
カーボンブラック 10部
流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
−現像剤の作製−
トナー1〜34のそれぞれを5部と、前記キャリア95部とを混合して、実施例1〜24及び比較例1〜10の各現像剤を作製した。
次に、得られた各現像剤を用いて、以下の評価方法に従って、定着性、耐熱保存性、飽和帯電量、経時帯電安定性、キャリアへの耐フィルミング性、出力画像の耐擦性を評価した。結果を下記表9に示す。
<評価方法>
<<定着性>>
(定着下限温度)
画像形成装置Aを用い、転写紙(NBSリコー製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.1mg/cmのシアン単色のベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着下限温度は低い程、低温定着性に優れる。このようにして得た定着下限温度について、下記の評価基準に基づいて、評価した。A〜Cの評価が合格基準である。
A:定着下限温度が110℃未満
B:定着下限温度が110℃以上115℃未満
C:定着下限温度が115℃以上125℃未満
D:定着下限温度が125℃以上
(定着上限温度)
画像形成装置Aを用い、転写紙(リコー製、タイプ6200)上に、転写後のトナー付
着量が0.85±0.1mg/cmのシアン単色のベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、ホットオフセットの有無を目視評価し、ホットオフセットが発生しない上限温度を定着上限温度とした。
また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。下記の評価基準に基づいて、評価した。A〜Cの評価が合格基準である。
A:定着上限温度が190℃以上
B:定着上限温度が180℃以上190℃未満
C:定着上限温度が170℃以上180℃未満
D:定着上限温度が170℃未満
<<耐熱保存性(針入度)>>
50mLのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。A〜Cの評価が合格基準である。
なお、本明細書においては貫入深さ(mm)を針入度として表す。
〔評価基準〕
A:針入度25mm以上
B:針入度15mm以上25mm未満
C:針入度5mm以上15mm未満
D:針入度5mm未満
<<飽和帯電量>>
現像剤をサンプリングし、Vブローオフ装置(リコー創造開発社製)を用いて、トナーの飽和帯電量を測定することにより、帯電性を評価した。 サンプリングした現像剤6gを常温常湿(温度20℃、湿度65%RH)に2時間放置した後、金属ゲージに入れ、攪拌装置を用いて、280rpmで600秒間攪拌混合した。
次に、現像剤1gを計量した後、シングルモード法を用いてトナーの帯電量分布を測定した。 なお、シングルモード法とは、Vブローオフ装置で、シングルモードを選び、測定条件を高さ5mm、吸い込み100、2回ブローとする方法である。
また、ブロー時、635メッシュを用いた。 測定した帯電量を下記基準に基づいて評価した。A〜Dの評価が合格基準である。
〔評価基準〕
A:飽和帯電量が−40μC/g未満
B:−40μC/g以上−30μC/g未満
C:−30μC/g以上−20μC/g未満
D:−20μC/g以上−10μC/g未満
E:−10μC/g以上
<<経時帯電安定性>>
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagioColor2800)を改造して、線速及び転写時間を調整可能にチューニングした評価機を用い、各現像剤について、A4サイズ、トナー付着量0.6mg/cmのベタパターンをテスト画像として100,000枚のランニング試験を実施した。経時帯電安定性の代用指標として1,000枚ごとに現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定し、初期値とランニング試験後のトナーの帯電量を比較することで経時帯電安定性を下記基準に基づいて評価した。A〜Cの評価が合格基準である。
〔評価基準〕
A:帯電量の減少が5μc/g未満
B:帯電量の減少が5μc/g以上10μc/g未満
C:帯電量の減少が10μc/g以上15μc/g未満
D:帯電量の減少が15μc/g以上
<<耐フィルミング性>>
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagioColor2800)改造機に現像剤をセットし、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後の現像剤を抜き取り、現像剤を目開き32μmのメッシュが張られたゲージ内に適量入れ、エアブローを行い、トナーとキャリアを分離した。次いで、得られたキャリア1.0gを50mlガラス瓶に入れ、クロロホルム10mlを加えて、50回手振りして、10分間静置させた。その後、上澄みのクロロホルム溶液をガラスセルに入れ、濁度計を用いてクロロホルム溶液の透過率を測定した。耐フィルミング性は、トナーのキャリア汚染の指標となる特性であり、トナーの機械的強度が高い程、キャリア汚染が少ない。耐フィルミング性を下記基準に基づいて評価した。A〜Cの評価が合格基準である。
〔評価基準〕
A:透過率が95%以上
B:透過率が90%以上95%未満
C:透過率が80%以上89%未満
D:透過率が70%以上79%未満
<<耐擦性>>
画像形成装置Aを用い、転写紙(NBSリコー製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.1mg/cmのシアン単色の紙全面ベタ画像を作成し、トナーの定着下限温度+20℃に定着ベルトの温度を設定して定着を行い、得られた出力画像の表面を、S型摩擦試験器SUTHERLAND2000 Rub TESTER(Danilee Co.社製)を用いて、加重800gにて再生紙((株)NBSリコー製、再生紙 資源 タイプA)で文字画像を50回摺擦し、画像表面の摺擦傷の程度をランク見本と比較してランク評価を行った。ランクは1.0〜5.0まで0.5単位で評価を行い、5.0に近いほど結果に優れ、4.0以上であれば従来の出力画像並みである。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は280mm/sで実施し、A4横方向で通紙を行った。耐擦性を下記基準に基づいて評価した。A〜Cの評価が合格基準である。各ランクの詳細は下記の通りである。
ランク5.0:若干の光沢度変化があるが、目視では殆ど摺擦傷が無い
ランク4.0:光沢度変化があり、若干の摺擦傷がある
ランク3.0:光沢度変化が大きく、明らかな摺擦傷がある
ランク2.0:明らかな摺擦傷があり、下地の転写紙が僅かに見える
ランク1.0:画像の多くが剥がれ、下地の転写紙が見える
〔評価基準〕
A:ランク5
B:ランク4
C:ランク3
D:ランク2以下
Figure 0005928799
結着樹脂が結晶性樹脂を主成分として50重量%以上含有し、該結晶性樹脂がウレタン結合及び/又はウレア結合を有する分子量の異なる2種の結晶性樹脂(A)(低分子量体)及び結晶性樹脂(B)(高分子量体)を含有し、帯電制御剤がカリックスアレン誘導体であるトナーは、低温定着性と耐熱保存性を両立すると共に、結晶性樹脂特有の課題である耐ストレス性(耐フィルミング性、耐擦性)が向上することがわかった。また、帯電制御剤としてカリックスアレンを用いることで、トナーの飽和帯電量、経時帯電安定性共に良好であった。一方、比較例1では結晶性樹脂の結着樹脂に対する含有量が少ないため、低温定着性、耐熱保存性が悪化した。比較例2、3、9では結晶性樹脂(A)または(B)がウレタンまたはウレア結合を有していないため、結着樹脂同士の凝集力が劣り、定着上限温度、耐ストレス性が悪化した。また耐ストレス性が悪化することにより、結着樹脂のキャリアへのフィルミングがおき、経時帯電安定性にも影響を及ぼした。比較例4、5は結晶性樹脂(A)または(B)どちらか一方しか含有していないため、低温定着性と耐熱保存性を両立することは困難であった。また高分子量体である結晶性樹脂(B)がない場合、耐ストレス性が悪化した。比較例6は帯電制御剤を添加していないため、飽和帯電量、経時帯電安定性が著しく低下し、実用可能なものではなかった。比較例7は帯電制御剤としてサリチル酸ジルコニウム錯体を用いたが、造粒性が著しく悪く、トナー化することができなかった。このようにサリチル酸ジルコニウム錯体を使用すると著しく造粒性が悪化し、溶解懸濁法ではトナーを製造できなかったため、比較例8では同じく帯電制御剤としてサリチル酸ジルコニウム錯体を用い、混練粉砕法によりトナーを製造した。また比較例10では溶解懸濁法によりトナー母体粒子を製造し、サリチル酸ジルコニウム錯体粉末を表面に外添する方法でトナーを製造した。しかしどちらのトナーも帯電制御剤を含有していないものと比較して飽和帯電量は向上したが、カリックスアレン誘導体を用いたトナーよりも経時帯電安定性、耐ストレス性は劣るものであった。
10 感光体
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45 現像装置
45K ブラック用現像ユニット
45Y イエロー用現像ユニット
45M マゼンタ用現像ユニット
45C シアン用現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100 画像形成装置
100C タンデム型カラー画像形成装置
101 静電潜像担持体(感光体)
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
L 露光
特公平4−024702号公報 特公平4−024703号公報 特許第3910338号公報 特開2010−077419号公報 特許第4076929号公報 特開2004−109533号公報 特許第3730587号公報 特開2011−128349号公報 特開2010−117631号公報

Claims (9)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤を含有してなるトナーであって、
    前記結着樹脂が結晶性樹脂を50重量%以上含有し、前記結晶性樹脂がウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂であり、かつ、前記結晶樹脂がそれぞれ重量平均分子量の異なる結晶性樹脂(A)(低分子量体)及び結晶性樹脂(B)(高分子量体)の2種の結晶性樹脂を含有し、
    前記帯電制御剤が下記一般式(I)で示されるカリックスアレン誘導体であることを特徴とする電子写真用トナー。
    Figure 0005928799

    但し、前記一般式(I)において、n及びmはそれぞれ整数であり、n+mは4〜8である。Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または―(CHCOOR10(R10は水素原子又は低級アルキル基を表し、qは1〜3の整数を示す)基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、―NO、―NH、―N(R(Rは低級アルキル基)、―SO(Rは水素原子)、フェニル基、アルコキシ基、または―Si(CHである。R及びRは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、―NH、―N(R(Rは低級アルキル基)である。Rは、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基である。R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は―(CHCOOR20(R20は水素原子又は低級アルキル基を表し、pは1〜3の整数を示す)基である。R12は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、―NO、―NH、―N(R17(R17は低級アルキル基)、―SO18(R18は水素原子)、フェニル基、アルコキシ基、又は―Si(CHである。R13及びR14は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、―NH、又は―N(R19(R19は低級アルキル基)である。R15は、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基である。
  2. 前記結晶性樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)が20,000以上30,000以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記トナーの70℃における貯蔵弾性率G’(70)(Pa)が5.0×10<G’(70)<5.0×10であり、且つ、前記トナーの160℃における貯蔵弾性率G’(160)(Pa)が1.0×10<G’(160)<1.0×10であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記カリックスアレン誘導体がハロゲン基を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 前記カリックスアレン誘導体がトナーの表面近傍に分散していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  6. 前記カリックスアレン誘導体が、トナー母体粒子に外添されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  7. 前記カリックスアレンのトナー中での平均分散径が、10nm〜500nmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用トナーと、キャリアとを含むことを特徴とする現像剤。
  9. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記現像剤が、請求項8に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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