JP4816345B2 - 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、静電潜像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真法においては、一般的に、光導電性物質を利用した感光体(潜像保持体)表面に、種々の手段により電気的に潜像を形成し、形成された潜像を、現像剤を用いて現像しトナー像を形成した後、このトナー像を、必要に応じて中間転写体を介して、紙等の被転写材表面に転写し、加熱、加圧、加熱加圧等により定着する、という複数の工程を経て、画像が形成される。また、感光体表面に残ったトナーは、一般にブレードを用いたクリーニング工程によりクリーニングされる。
被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着技術としては、加熱ロールおよび加圧ロールから構成される一対のロール間に、トナー像が転写された被転写体を挿入し、定着する熱ロール定着法が一般的である。また、同種の技術として、ロールの一方または両方をベルトに代えた定着法も知られている。これらの技術は、他の定着法に比べ、直接画像と接触するため、高速で堅牢な画像が得られ、かつエネルギー効率が高い。
近年、画像形成に際して必要なエネルギーの省力化への要求の高まりに伴い、ある程度の使用電力を占める定着工程の省電力化を図り、また、前記定着条件を拡大させるために、トナーの定着温度をより低温化させる技術が必要となってきた。トナー定着温度を低温化させることにより、前記省電力化および前記定着条件の拡大に加えて、電源入力時における定着ロール等の定着部材の表面の定着可能温度までの待ち時間、いわゆるウォームアップタイムの短時間化、定着部材の長寿命化が可能等、大きなメリットがある。
上記トナーの定着温度を低くする手段としては、トナー用樹脂(結着樹脂)のガラス転移温度を低くする技術が一般的に行われているが、この技術では、ガラス転移温度をあまりに低くし過ぎると、粉体の凝集(ブロッキング)が起り易くなることから、低温定着性とブロッキング防止との両立を図ることが重要となる。
上記ブロッキングの発生防止と低温定着性とを両立させる手段として、結晶性樹脂を結着樹脂として用いる方法が古くから知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、結着樹脂として低融解温度結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを混合し、相溶化度を制御することで低温定着を獲得する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この技術では、低融解温度結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを混合することで、トナーの粉砕が可能となり、従来の混練粉砕法によるトナー作製も可能としている。
さらに、トナー中の微粉に含まれる結晶性樹脂含有量をより積極的に多くする方法も提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。
特公昭56−13943号公報 特公昭62−39428号公報 特開2004−206081号公報 特開2004−264582号公報 特開2004−264584号公報
本発明の目的は、トナーの低温定着性を維持し、クリーニング性及び他の部材に対する耐フィルミング性を改善することが可能な静電潜像現像用トナー及びその製造方法、並びにそれを用いた静電潜像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち請求項1に係る発明は、非結晶性樹脂と、融点が50〜100℃の結晶性樹脂と、を各々水系媒体中に分散して結晶性樹脂粒子及び非結晶性樹脂粒子として乳化する乳化工程と、前記結晶性樹脂粒子、前記非結晶性樹脂粒子及び着色剤を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、該凝集粒子を融合させる融合工程と、を有し、前記結晶性樹脂粒子の凝析値C(mol/樹脂g)及び前記非結晶性樹脂粒子の凝析値D(mol/樹脂g)が、下記式(3)〜(5)の関係を満たす静電潜像現像用トナーの製造方法によるトナーであって、前記トナー全体における体積平均粒径をD50T、結晶性樹脂の含有量をA(質量%)とし、前記トナーを分級して体積平均粒径を(1/5)×D50T〜(2/3)×D50Tの範囲としたトナーの結晶性樹脂の含有量をB(質量%)としたとき、A及びBが下記式(1)の関係を満たす静電潜像現像用トナーである。
50≦(B/A)×100≦90 ・・・ 式(1)
1×10 −5 ≦C≦1×10 −1 ・・・ 式(3)
1×10 −5 ≦D≦1×10 −1 ・・・ 式(4)
C≦D ・・・ 式(5)
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の静電潜像現像用トナーにおけるA及びBが、下記式(2)の関係を満たす静電潜像現像用トナーである。
50≦(B/A)×100≦80 ・・・ 式(2)
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の静電潜像現像用トナーにおける結晶性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂であり、非結晶性樹脂が非結晶性ポリエステル樹脂である静電潜像現像用トナーである。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の静電潜像現像用トナーの小粒径側個数粒度分布指標GSDp−underが1.15〜1.30の範囲である静電潜像現像用トナーである。
請求項5に係る発明は、トナーを含み、該トナーが請求項1に記載の静電潜像現像用トナーである静電潜像現像剤である。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の静電潜像現像剤がキャリアを含み、該キャリアの体積平均粒度分布指標GSDvが1.15〜1.35の範囲である静電潜像現像剤である。
請求項7に係る発明は、トナーが少なくとも収容され、該トナーが請求項1に記載の静電潜像現像用トナーであるトナーカートリッジである。
請求項8に係る発明は、現像剤保持体を少なくとも備え、請求項5に記載の静電潜像現像剤を収容するプロセスカートリッジである。
請求項9に係る発明は、像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、潜像保持体をクリーニング部材で摺擦し転写残留成分をクリーニングするクリーニング手段と、を有し、前記現像剤が請求項5に記載の静電潜像現像剤である画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項に記載の静電潜像現像用トナーにおける結晶性樹脂粒子の凝析値C(mol/樹脂g)及び非結晶性樹脂粒子の凝析値D(mol/樹脂g)が、下記式(3’)〜(5’)の関係を満たす静電潜像現像用トナーである。
1×10−3≦C≦5×10−2 ・・・ 式(3’)
1×10−3≦D≦5×10−2 ・・・ 式(4’)
C<D ・・・ 式(5’)
本発明の請求項1に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低温定着条件で画像形成を行う際のクリーニング不良、フィルミングの発生を防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低温定着条件で画像形成を行う際のクリーニング不良、フィルミングの発生をより効果的に防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、さらにトナーの機械的強度と低温定着とを両立させることができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、さらにクリーニング、耐フィルミングの維持性を高めることができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低温定着条件で画像形成を行う際のクリーニング不良、フィルミングの発生を防止することができる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低温定着条件で画像形成を行う際のクリーニング不良、フィルミングの発生をより効果的に防止することができる。
請求項7に係る発明によれば、クリーニング不良、フィルミングの発生がなく低温定着条件で画像形成が可能な静電潜像現像用トナーの供給を容易にし、上記特性の維持性を高めることができる。
請求項8に係る発明によれば、クリーニング不良、フィルミングの発生がなく低温定着条件で画像形成が可能な静電潜像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項9に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低温定着条件でクリーニング不良、フィルミングの発生ない画像形成を維持することができる
請求項10に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、微粉側における非結晶性樹脂に対する結晶性樹脂の比率を、より効率よく低減させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<静電潜像現像用トナー>
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある)は、非結晶性樹脂と、融点が50〜100℃の結晶性樹脂と、着色剤とを含有し、トナー全体における体積平均粒径をD50T、結晶性樹脂の含有量をA(%)とし、トナーを分級して体積平均粒径を(1/5)×D50T〜(2/3)×D50Tの範囲としたトナーの結晶性樹脂の含有量をB(%)としたとき、A及びBが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
50≦(B/A)×100≦90 ・・・ 式(1)
一般に、クリーニング工程においてクリーニングブレードにより押し付けられるトナーは、微粉ほどクリーニングブレードと感光体との接触部分の奥側(接触位置に近い側)に配置される傾向があり、クリーニングブレードから受ける圧力はより大きくなる。したがって、感光体との摩擦によりトナー粒子全体が高温になることはなくても、表面が瞬間的に温度が上昇することがあり、例えば、低温定着化の観点からトナー中に融点が50〜100℃の結晶性樹脂が含まれる場合、その昇温により急速にトナーの粘度が下がり変形しやすくなる。その結果、クリーニングブレードから受ける圧力はさらに増加し、感光体等にフィルミング(フィルム状に付着すること)を生じたり、クリーニングブレードに押し付けられてクリーニング不良として検出される。
なお、前記低温定着とはトナーを120℃程度以下で加熱して定着させることをいう。
一方、結晶性樹脂を含むトナーを小粒径で得ようとする場合には後述する乳化凝集法を用いることが有利であるが、一般に乳化凝集法においては、合一工程で粒径の小さい樹脂粒子ほど合一が進行する傾向がある。さらに、トナーの微粉中に含有される結晶性樹脂は、前記樹脂粒子の合一を加速し、よりトナーにおいて微粉となる合一が促進され、結果としてトナー中に形状分布が拡大し、かつトナー中の微粉の形状はより球形に近くなる。このように微粉の形状が球状化すると、クリーニングブレードによりクリーニングする際に微粉で球状のトナーがブレードを通過しやすくなり、クリーニング不良が発生しやすくなる。さらに、この微粉トナーの通過を抑制するためによりクリーニングブレードの条件を厳しくすると、微粉トナーは破壊し感光体等の表面に付着するフィルミングの原因となってしまう。
このように、トナー中に結晶性樹脂が含まれる場合、その製法におけるトナー粒子生成メカニズムの点からも、微粉トナーに含有される結晶性樹脂量を制御することが、かぶりやクリーニング不良、フィルミングの観点で重要となる。
本発明者等が鋭意検討した結果、トナー中に非結晶性樹脂と融点が50〜100℃の結晶性樹脂とが含まれる場合、トナー全体における体積平均粒径をD50T、結晶性樹脂の含有量をA(質量%)とし、トナーを分級して体積平均粒径を(1/5)×D50T〜(2/3)×D50Tの範囲としたトナーの結晶性樹脂の含有量をB(質量%)としたとき、A及びBが下記式(1)の関係を満たす、すなわち、微粉トナーほど結晶性樹脂の含有量を減少させることにより、前記クリーニングブレードの微粉トナーに対する圧力に対して変形を生じにくくし、フィルミングやクリーニング不良の発生を抑制できることが見出されたものである。
50≦(B/A)×100≦90 ・・・ 式(1)
ここで、前記結晶性樹脂における『結晶性』とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、具体的には、昇温速度10(℃/min)で測定した際の吸熱ピークの半値幅が10(℃)以内である吸熱ピークを有することを意味する。一方、半値幅が10℃を超える樹脂や、階段状の吸熱量変化が認められる樹脂は、本発明における非結晶性樹脂(無定形高分子)を意味する。
また、前記トナーを分級して体積平均粒径D50Tを1/5〜2/3とする手法としては、エルボージェットによる分級方法が用いられる。この場合、例えばエルボージェットのカットポイントを(5/6)×D50Tとすることにより、(2/3)×D50Tの体積平均粒径を有するトナーを得ることができる。
ここで、体積平均粒径D50Tを1/5〜2/3とするのは、分級手段により微粉側の結晶性樹脂及び非結晶性樹脂の比率を確認するために有効な範囲だからであり、D50Tが2/3より大きいと微粉側の比率の情報としては十分でなく、またD50Tを1/5より小さくすることは実際上困難である。
なお、上記体積平均粒子径D50Tの測定は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行うことができる。この際、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行った。
前記トナー中の結晶性樹脂の含有量の比(B/A)に関しては、(B/A)×100が式(1)の関係を満たすことが必要である。(B/A)×100が50に満たないと、非結晶性樹脂を多く含む微粉トナーの比率が高まり定着性や耐オフセット性が低下する。90を超えると、ブレードクリーニングにおけるクリーニング不良や感光体等へのフィルミングが発生する。
上記A及びBは、下記式(2)の関係を満たすことが望ましく、式(2’)の関係を満たすことがより望ましい。
50≦(B/A)×100≦80 ・・・ 式(2)
50≦(B/A)×100≦70 ・・・ 式(2’)
前記トナー中の結晶性樹脂の含有量(A%、B%)の測定は、分級前後のトナーについて示差走査熱量測定(DSC)により結晶性樹脂の融解熱を求めることにより行った。具体的には、まず既知量の結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを配合しDSC測定を行うことで、吸熱量−結晶性樹脂の含有量(質量%)の検量線を作成する。次いで、50℃、24時間のアニール処理を行った、分級前後のトナー試料について測定を行い、その結果と検量線とから各々のトナー中における結晶性樹脂の含有量A、B(質量%)を求め(B/A)を算出した。なお、DSCの測定条件は、20℃から150℃まで昇温速度10℃/分として行った。
以下、本発明の静電潜像現像用トナーの構成をより詳細に説明する。
本発明のトナーは、少なくとも非結晶性樹脂と、融点が50〜100℃の結晶性樹脂とを含有している必要がある。
(結晶性樹脂)
結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、ポリアルキレン樹脂、長鎖アルキル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられるが、前記加熱による粘度の急激な変化がより現れる点、さらに機械的強度と低温定着との両立の観点から、結晶性ポリエステル樹脂を用いることが望ましい。
また、結晶性樹脂を構成する重合性単量体成分としては、結晶構造を容易に形成するため、芳香族成分を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族成分を有する重合性単量体が望ましい。さらに結晶性を損なわないために、構成される重合性単量体由来成分は、重合体中で単一種で各々30mol%以上であることが望ましい。特にポリエステル樹脂などにおいて2種以上の重合性単量体類が必須で構成される際には、各必須構成重合性単量体種において同上の構成であることが望ましい。
以下、結晶性樹脂を代表して結晶性ポリエステル樹脂を中心に説明する。
本発明で用いる結晶性ポリエステル樹脂の融点は50〜100℃の範囲にあることが必要であり、55〜90℃の範囲にあることがより望ましく、60〜85℃の範囲にあることがさらに望ましい。融点が50℃を下回ると、保管トナーにブロックキングが生じるなどのトナー保管性や、定着後の定着画像の保管性が困難となる。また、融点が100℃を超える場合では十分な低温定着性が得られない。
なお、上記結晶性ポリエステル樹脂の融点は、前記の示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
本発明において「結晶性ポリエステル樹脂」は、その構成成分が100%ポリエステル構造であるポリマー以外にも、ポリエステルを構成する成分と他の成分とを共に重合してなるポリマー(共重合体)も意味する。但し、後者の場合には、ポリマー(共重合体)を構成するポリエステル以外の他の構成成分が50質量%以下である。
本発明のトナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂は、例えば多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、本実施形態においては、前記結晶性ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸成分としては、前記脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていてもよい。
さらに、前記脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有してもよい。
多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、主鎖部分の炭素数が7〜20である直鎖型脂肪族ジオールがより望ましい。脂肪族ジオールが分岐型では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下してしまう場合がある。また、主鎖部分の炭素数が7未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融解温度が高くなり、低温定着が困難となることがある一方、主鎖部分の炭素数が20を超えると実用上の材料の入手が困難となり易い。主鎖部分の炭素数としては14以下であることがより望ましい。
本発明のトナーに用いられる結晶性ポリエステルの合成に好適に用いられる脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが望ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコール成分のうち、前記脂肪族ジオールの含有量が80モル%以上であることが好ましく、より望ましくは90%以上である。脂肪族ジオールの含有量が80モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下する為、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
なお、必要に応じて酸価や水酸基価の調製等の目的で、多価カルボン酸や多価アルコールを合成の最終段階で添加してもよい。多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類等が挙げられる。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類等が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度を180〜230℃として行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。
重合性単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い重合性単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い重合性単量体とその重合性単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
前記ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
本発明に用いる結晶性ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、3.0〜30.0mgKOH/gの範囲であることが望ましく、6.0〜25.0mgKOH/gの範囲にあることがより望ましく、8.0〜20.0mgKOH/gの範囲にあることがさらに望ましい。
酸価が3.0mgKOH/gよりも低いと水中への分散性が低下するため、湿式製法での乳化粒子の作製が非常に困難となる場合がある。また凝集の際における乳化粒子としての安定性が著しく低下するため、効率的なトナーの作製が困難になる場合がある。一方、酸価が30.0mgKOH/gを超えると、トナーとしての吸湿性が増してしまい、トナーとしての環境影響を受けやすくなることがある。
また、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000〜35,000であることが望ましい。分子量(Mw)が、6,000未満であると、定着の際にトナーが紙等の記録媒体の表面へしみ込んで定着ムラを生じたり、定着画像の折り曲げ耐性に対する強度が低下する場合がある。また、重量平均分子量(Mw)が35,000を超えると、溶融時の粘度が高くなりすぎて定着に適当な粘度まで至るための温度が高くなることがあり、結果として低温定着性が損なわれる場合がある。
上記重量平均分子量の測定は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行った。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出したものである。
トナーにおける結晶性ポリエステル樹脂の含有量としては、3〜40質量%の範囲であることが望ましく、より望ましく4〜35質量%の範囲であり、さらに望ましくは5〜30質量%の範囲である。結晶性ポリエステル樹脂の含有量が3質量%未満であると、十分な低温定着性が得られない場合があり、40質量%より多いと、十分なトナー強度や定着画像強度が得られず、また帯電性への悪影響も生じてしまう場合がある。
以上の結晶性ポリエステル樹脂を含む結晶性樹脂は、脂肪族重合性単量体を用いて合成された結晶性ポリエステル樹脂(以下、「結晶性脂肪族ポリエステル樹脂」という場合がある)を主成分(50質量%以上)とすることが望ましい。さらにこの場合、前記結晶性脂肪族ポリエステル樹脂を構成する脂肪族重合性単量体の構成比は、60mol%以上であることが望ましく、90mol%以上であることがより望ましい。なお、脂肪族重合性単量体としては、前述の脂肪族のジオール類やジカルボン酸類を好適に用いることができる。
(非結晶性樹脂)
本発明における非結晶性樹脂としては、スチレン/アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、等公知の樹脂材料を用いることができるが、非結晶性ポリエステル樹脂が特に望ましい。
非結晶性ポリエステル樹脂を用いることで、前記結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が向上するため、結晶性ポリエステル樹脂の融解温度における低粘度化に伴い、非結晶性ポリエステル樹脂も低粘度化し、トナーとしてのシャープメルト性(鋭敏な溶融特性)が得られるために、低温定着性に有利である。また結晶性ポリエステル樹脂との濡れ性が良好なことから、結晶性ポリエステル樹脂のトナー内部への分散性が向上し、結晶性ポリエステル樹脂のトナー表面への露出を抑制するため、帯電性への悪影響が抑制される。またこの理由により、トナーの強度や定着画像の強度向上の観点でも望ましい。
以下、本発明における非結晶性樹脂を代表して非結晶性ポリエステル樹脂を中心に説明する。
本発明において望ましく用いられる非結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものである。
多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類;が挙げられ、これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を用いることが望ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが望ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂における多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールの1種又は2種以上用いることができる。これら多価アルコールの中でも、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより望ましい。また、より良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は50〜80℃の範囲であることが望ましい。Tgが50℃より低いと、トナーの保存性や定着画像の保存性の観点で問題が生じてしまう場合がある。また80℃より高いと、従来に比べ低温で定着することができなくなる場合がある。
非結晶性ポリエステル樹脂のTgは50〜65℃であることがより望ましい。
また、非結晶性ポリエステル樹脂としては、前記結晶性ポリエステル樹脂の溶解度パラメータSPA、非結晶性ポリエステル樹脂の溶解度パラメータSPBとしたとき、両者が下記式(6)の関係を満たすことが望ましい。
SPB−SPA < 0.7 ・・・ 式(6)
なお、上記溶解度パラメータ(以下、「SP値」という場合がある)は、原子団の加成性を利用したFedorsらの方法[Polym.Eng.Sci.,vol14,p147(1974)]を用いて、重合性単量体構成より下式(7)により計算することができる。
SP値 =(ΣΔei/ΣΔvi)1/2 ・・・ 式(7)
(上記式において、Δeiは原子または原子団の蒸発エネルギー、Δviは原子または原子団のモル体積を各々表す。)
式(6)について、SPBとSPAとの差が0.7以上であると、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が低下し、結晶性ポリエステル樹脂のトナー内部分散性が悪化し、トナー表面露出による帯電性の悪化する場合がある。また、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との濡れ性が低下することによりトナーの強度や定着画像の強度が低下する場合がある。
なお、上記非結晶性ポリエステル樹脂の製造は、前記結晶性ポリエステル樹脂の場合に準じて行うことができる。
以上、本発明における結晶性樹脂、非結晶性樹脂について、結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂により説明したが、前記のポリエステル樹脂の製造以外の内容は、本発明における他の結晶性樹脂、非結晶性樹脂について適用可能である。
(着色剤)
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、染料であっても顔料であってもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が望ましい。
望ましい着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジシンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド238、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用できる。
本発明の静電潜像現像用トナーにおける前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1〜30質量部の範囲が望ましい。また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
(その他の添加剤)
本発明のトナーには、必要に応じて離型剤を含有してもよい。離型剤としては、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のパラフィンワックス;シリコーン樹脂;ロジン類;ライスワックス;カルナバワックス;等が挙げられる。これらの離型剤の融点は、50℃〜100℃が望ましく、60℃〜95℃がより望ましい。離型剤のトナー中の含有量は0.5〜15質量%が望ましく、1.0〜12質量%がより望ましい。離型剤の含有量が0.5質量%より少ないと、特にオイルレス定着において剥離不良となるおそれがある。離型剤の含有量が15質量%より多いと、トナーの流動性が悪化する等、画質および画像形成の信頼性を低下させるおそれがある。
本発明のトナーには、上記成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加することができる。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
無機粒子としては、種々の目的のために添加されるが、トナーにおける粘弾性調整のために添加されてもよい。この粘弾性調整により、画像光沢度や紙への染み込みを調整することができる。無機粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機粒子を単独または2種以上を組み合わせて使用することができるが、発色性やOHP透過性等透明性を損なわないという観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が好ましく用いられる。また、シリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましく用いられる。
(トナーの特性)
本発明におけるトナーの体積平均粒径は4〜9μmの範囲であることが望ましく、より望ましくは4.5〜8.5μmの範囲であり、さらに望ましくは5〜8μmの範囲である。体積平均粒径が4μmより小さいと、トナー流動性が低下し、各粒子の帯電性が低下しやすく、また帯電分布が広がるため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。また4μmより小さいと、格段にクリーニング性が困難となる場合がある。体積平均粒径が9μmより大きいと、解像度が低下するため、十分な画質が得られなくなり、近年の高画質要求を満たすことが困難となる場合がある。
なお、上記体積平均粒径は、前記トナー全体における体積平均粒径D50Tと同義であり、前記の測定方法に準じて測定することができる。
また、トナー中の微粉はクリーニング性を困難とする傾向にあるため、トナー粒度分布における小粒径側の粒度分布を狭化して、かつ前記式(1)の関係を満たすことが、前述したように良好なクリーニング維持性の観点から非常に重要となる。その観点から、本発明のトナーの体積粒度分布において、小粒径側個数粒度分布指標GSDp−underが1.15〜1.30の範囲であることが望ましく、より望ましくは1.15〜1.25の範囲である。良好なクリーニング維持性を達成するためにはメカニズム上微粉側の粒度分布が重要であり、GSDp−underが1.30を超えると、トナー中の微粉量そのものが多くなり良好なクリーニング維持性を得ることが困難となる場合がある。なお、GSDp−underを1.15未満とすることは、実際上困難である。
小粒径側個数粒度分布指標GSDp−underは以下のように求められる。前記D50Tを測定する場合に準じて、測定器としてマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定されたトナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナー粒子の個数について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を数平均粒子径D16pとし、累積50%となる粒径をD50pとしたとき、小粒径側個数粒度分布指標GSDp−underは(D50p/D16p)として算出される。
特に結晶性ポリエステル樹脂をトナー中に含有する場合は、トナーの機械的強度の低下や非静電的付着力の増加により、前記微粉量が多くなった場合のクリーニング不良発生の傾向が顕著となる。そのため、前記微粉側の粒度分布を規定するとともに、通常でもクリーニングが困難になる小粒径側10質量%粒子の結晶性ポリエステル樹脂含有量を、トナー全体におけるそれよりも少なくすることが好ましい。
具体的には、トナーの主体粒径や微粉側分布にもよるが、少なくともトナー全体の結晶性ポリエステル樹脂含有量A(質量%)に対する、小粒径側10質量%粒子の結晶性ポリエステル樹脂含有量B’(質量%)の比(B’/A)×100を90以下とすることが望ましく、85以下とすることがより望ましい。一方、(B’/A)×100が50未満であると、クリーニング性や帯電性の観点では望ましいが、定着の際にトナーが定着不良となり、微小なオフセットを生じることがある。
さらに、本発明のトナーは、形状係数SF1が110〜140の範囲の球状形状であることが好ましい。形状がこの範囲の球状であることにより、転写効率、画像の緻密性が向上し、高画質な画像形成を行うことができる。
上記形状係数SF1は110〜130の範囲であることがより好ましい。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(8)により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(8)
上記式(8)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布した高級アルコール粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(8)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法としては、乾式製法と湿式製法とが挙げられるが、乾式製法である混錬粉砕法の場合、前述のように微粉トナーへの結晶性樹脂の含有量が増加する傾向にあるため、望ましくない。また湿式製法では、乳化凝集法、溶融懸濁法、溶解懸濁法等が挙げられる。この中では、乳化凝集法が粒度分布の制御、特に小粒径側の分布狭化の観点で望ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーを前記乳化凝集法により作製する方法については後述する。
<静電潜像現像用トナーの製造方法>
本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法は、結晶性樹脂及び非結晶性樹脂を各々水系媒体中に分散して結晶性樹脂粒子及び非結晶性樹脂粒子として乳化する乳化工程と、前記結晶性樹脂粒子及び非結晶性樹脂粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、該凝集粒子を融合させる融合工程と、を有し、前記結晶性樹脂粒子の凝析値C(mol/樹脂g)及び前記非結晶性樹脂粒子の凝析値D(mol樹脂/g)が、下記式(3)〜(5)の関係を満たすことを特徴とする。
1×10−5≦C≦1×10−1 ・・・ 式(3)
1×10−5≦D≦1×10−1 ・・・ 式(4)
C≦D ・・・ 式(5)
前記凝析値とは、固形分濃度10質量%、pH7、25℃の乳化液中における1gの樹脂粒子を凝集させるのに必要な最小塩化マグネシウム量(mol/樹脂g)であり、これが大きいほど乳化粒子(樹脂粒子)が分散液中で安定であること(凝集しにくいこと)を示している。
前記結晶性樹脂粒子と非結晶性樹脂粒子とを凝集させるには、この凝析値をある範囲にする必要があり、C、Dが1×10−5より小さいと、凝集粒子の粒径は制御が極めて困難になり、反対にC、Dが1×10−1より大きいと、凝集が生じにくく、粒度の制御が難しくなる。
また結晶性樹脂の凝析値Cは非結晶性樹脂の凝析値D以下である必要がある。これにより、結晶性樹脂をより早く凝集させることによりトナー微粉中における結晶性樹脂の含有量を減少させることができる。
上記結晶性樹脂及び非結晶性樹脂の凝析値C、Dは各々下記式(3’)〜(5’)の関係を満たすことが望ましい。
1×10−3≦C≦5×10−2 ・・・ 式(3’)
1×10−3≦D≦5×10−2 ・・・ 式(4’)
C<D ・・・ 式(5’)
以下、本発明の静電潜像現像用トナーの製造方法の一例として、乳化凝集法による製造方法について説明する。
乳化凝集法はトナーを構成する原料を乳化して樹脂粒子(乳化粒子)を形成する乳化工程と、該樹脂粒子の凝集体を形成する凝集工程と、該凝集体を融合させる融合工程と、を有する。乳化凝集法はトナー粒子を小径で粒度分布を狭くすることが可能であるため、微粉トナーの割合を減少させることができる。
(乳化工程)
例えば結晶性樹脂粒子の形成は、水系媒体と結晶性樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより行うことができる。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成することができる。また分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用することもできる。さらに、油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に解かして水中に分散剤や高分子電解質と共に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、結晶性樹脂粒子の分散液を作製することができる。
また、非結晶性樹脂の場合も、上記に準じて非結晶性樹脂粒子の分散液を作製することができる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水;アルコール類;などが挙げられるが、水のみであることが望ましい。
また、乳化工程に使用される分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウムの等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等が挙げられる。
前述のように、本発明のトナーの製造方法では、結晶性樹脂粒子及び非結晶性樹脂粒子樹脂粒子の凝析値を制御することにより、微粉トナー中における結晶性樹脂含有量を少なくすることができる。
ここで、本発明における凝析値(または臨界凝集濃度)について説明する。前記のように、本発明における凝析値は、固形分濃度10質量%、pH7、25℃の乳化液中における1gの樹脂粒子を凝集させるのに必要な最小塩化マグネシウム量(mol/樹脂g)である。一般的に、凝析値(または臨界凝集濃度)は乳化液や懸濁液の分散安定性、分散剤の分散性、凝集剤の凝集力などの指標として慣用的に用いられている。凝析値の決定にはさまざまな方法があり、目的に応じて選択されるが、評価条件に応じて乳化液の化学的安定性を評価することができる。本発明における凝析値の試験方法としては、トナー作製の際に用いられる程度の固形分濃度の乳化液を用い、また、広範囲の凝析値を決定するために塩化マグネシウム水溶液を試験用凝集剤として用いた。
以下に、本発明における凝析値の求め方について説明する。
−凝析値の測定方法−
・試験用乳化液の調製
まず、試料となる乳化液(樹脂粒子分散液)を固形分濃度12.5質量%、pH7、25℃に調製する。pHの調整には硝酸および水酸化ナトリウムを用いた。
・塩化マグネシウム水溶液の調製
塩化マグネシウム2水和物をイオン交換水に溶解し、各濃度(1.0×10−5〜5.0mol/l)の塩化マグネシウム水溶液を調製した。
・凝析試験
全体の固形分濃度が10質量%となるように、前記乳化液と各濃度の塩化マグネシウム水溶液と8:2(乳化液:塩化マグネシウム水溶液)の質量比で混合し攪拌した。次いで、各試料の粒度を粒度分布測定器(LSコールター、コールター社製)により測定した。それらの結果を、横軸を塩化マグネシウム濃度、縦軸を粒度としてグラフ化し、そのグラフの変曲点から凝析値(または臨界凝集濃度)を求めた。
本発明においては、上記のようにして求められる結晶性樹脂粒子及び非結晶性樹脂粒子の凝析値C、Dが、前記式(3)〜(5)の関係を満たす必要がある。特に、式(5)に示すように、非結晶性樹脂粒子の凝析値Dは結晶性樹脂粒子の凝析値C以上とする必要がある。
結晶性樹脂粒子の凝析値Cを、非結晶性樹脂粒子の凝析値Dよりも小さくする方法としては、樹脂を構成する重合性単量体に親水性の高いものを用いる方法、または共重合成分として親水性の高いものを用いる方法、さらには非結晶性樹脂を構成する重合性単量体よりも結晶性樹脂を構成する重合性単量体の芳香環の組成を増加する方法、等が挙げられる。ここで、上記親水性が高いものとは、例えばスルホニル基、カルボキシル基などを有する化合物が挙げられる。
具体的には、前記結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂の場合には、結晶性ポリエステル樹脂を合成するために用いる単量体として、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸などを用い、非結晶性ポリエステル樹脂を合成するための単量体として、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類などを用いることが望ましい。
前記乳化工程における乳化液に含まれる樹脂粒子の含有量は、10〜50質量%の範囲とすることが望ましく、より望ましくは20〜40質量%の範囲である。前記含有量が10質量%より少ないと粒度分布が広がり、トナー特性が悪化する場合がある。また50質量%を超えるとばらつきのない撹拌が困難となり、粒度分布が狭く特性の揃ったトナーを得ることが困難となる場合がある。
前記乳化液の分散法としては、前記乳化液の分散に用いる分散機として、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。
樹脂粒子の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒径)で0.08〜0.8μmの範囲が望ましく、0.09〜0.6μmがより望ましく、0.10〜0.5μmがさらに望ましい。
また、ポリエステル樹脂を用いた乳化工程においては、特に結晶性ポリエステル樹脂粒子の粒子径及び微粉量と、非結晶性ポリエステル樹脂粒子の粒子径及び微粉量とを制御することが、本発明のトナーを高める上でより望ましい。
具体的には、結晶性ポリエステル樹脂粒子の粒子径を60〜300nm、10〜40nmの微粉量を0〜5質量%とし、かつ、非結晶性ポリエステル樹脂粒子の粒子径を60〜300nm、10〜40nmの微粉量を0〜5質量%とすることが望ましい。
一般に後述する凝集工程における粒子の凝集は、類似の粒径の粒子同士ほど生じやすい性質を持っている。凝集工程では平均的な粒子径を有する粒子に対して凝集を生じやすいように調整するために、より小粒径の粒子は凝集しにくく、そのため粒度も大きくなりにくい。そのため非結晶性樹脂より結晶性樹脂の含有量の多い微粉が生じやすくなる。そこで、これらの粒度分布を前記のように調整することにより、本発明のトナーの特性を高めることができる。
前記のように、結晶性ポリエステル樹脂粒子及び非結晶性ポリエステル樹脂粒子の粒子径は60〜300nmの範囲であることが望ましく、より望ましく150〜250nmの範囲である。60nm未満では、安定な粒子となるため樹脂粒子の凝集が困難となる場合がある。また300nmを超えると、樹脂粒子の凝集性が向上しトナー粒子を作成することが容易となるが、トナーの粒子径分布が広がってしまう場合がある。
また、結晶性ポリエステル樹脂粒子の粒子径が10〜40nmの微粉量が0〜5質量%の範囲であることが望ましい。粒子径が60〜300nmの樹脂粒子の安定性と、10〜40nmの樹脂粒子の安定性とは大きく異なり、微粉である10〜40nmの樹脂粒子は樹脂中の酸価が高くなるため、粒子の安定性が高くなる。そのため相対的に60〜300nmである樹脂粒子の安定性は低下し、メカニズム系全体が不安定な状態にある。この状態において、結晶性ポリエステル樹脂粒子の微粉量が0〜5質量%の範囲であると、酸価が平均より高い微粉が減少するため、60〜300nmの樹脂粒子の安定性にばらつきがなくなる。そのため乳化凝集法において、造粒挙動が安定したトナーの製造を行うことができる。
また、非結晶性ポリエステル樹脂粒子についても、10〜40nmの微粉量が0〜5質量%の範囲であれば、酸価が平均より高い微粉が低減され、粒子の安定性にばらつきのない60〜300nmの粒子が多く存在することになり、樹脂粒子の保存性が向上するだけでなく、乳化凝集法により造粒されたトナーの粒度分布を狭くすることができる。
一方、非結晶性樹脂粒子の微粉量が0〜5質量%の範囲であるが結晶性ポリエステル樹脂粒子の微粉量が5質量%より多いと、結晶性ポリエステル樹脂粒子の微粉量が多いため、相対的に60〜300nmの樹脂粒子の安定性が低下する。そのため、乳化凝集法によりトナー造粒を試みると、粒子の安定性の低下した乳化粒子がトナー内に多く取り込まれ、トナー粒子に非結晶性ポリエステル樹脂が偏在した微粉トナーとなってしまい、トナー特性として、トナー部分の定着性が劣り、オフセット特性が悪化する場合がある。
また、結晶性ポリエステル樹脂粒子の微粉量が0〜5質量%の範囲であるが、非結晶性樹脂粒子の微粉量が5質量%より多いと、非結晶性樹脂における60〜300nmの樹脂粒子の安定性が低下する。そのため、乳化凝集法によりトナー造粒を試みると、トナーの造粒挙動が定まらず粒度分布の広がったトナーが得られ、GSDp−underを1.30以下となることは困難となる場合がある。
さらに、結晶性ポリエステル樹脂粒子の前記微粉量と非結晶性樹脂粒子の前記微粉量とがともに5質量%を超える場合、粒子の安定性が低下した樹脂粒子同士を配合するため、乳化凝集法によりトナー造粒するとトナーの粒度分布が著しく広くなり、GSDp−underを1.30以下とすることはより困難となる場合がある。
以上のように、帯電性、耐フィルミング特性、クリーニング性をより向上させるには、結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂における樹脂粒子の微粉量をともに0〜5質量%の範囲とすることが望ましい。
なお、各樹脂粒子中の微粉量の確認手法としては以下の手順により行う。
まず、樹脂粒子分散液を遠心分離機により14000rpmで4時間かけて分離することで、樹脂粒子の沈殿物と白色の上澄み液とに分けることができる。この上澄み液を乾燥させ、走査型電子顕微鏡(SEM)(日立社製、S4700)にて観察すると分散粒子の粒径が10〜40nmであることが確認できる。さらにこの上澄み液を凍結乾燥機により乾燥させることで、粒子径が10〜40nmの微粉の固形分を得ることができ、その質量を測定することで、微粉量を特定することができる。
(凝集工程)
前記凝集工程においては、まず得られた結晶性樹脂粒子の分散液、非結晶性樹脂粒子の分散液及び顔料分散液等を混合して混合液とし、非結晶性樹脂のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、攪拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる。pHとしては、2〜7の範囲が望ましく、2.2〜6の範囲がより望ましく、2.4〜5の範囲がさらに望ましい。この際、凝集剤を使用することも有効である。
用いられる凝集剤は、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に望ましい。
前記無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
また、前記凝集粒子が所望の粒径になったところで、非結晶性樹脂粒子を追添加することで、コア凝集粒子の表面を非結晶性樹脂で被覆した構成のトナーを作製してもよい。この場合、結晶性樹脂がトナー表面に露出しにくくなるため、帯電性や現像性の観点で望ましい構成である。追添加する場合、追添加前に凝集剤を添加したり、pH調整を行ってもよい。
(融合工程)
融合工程においては、前記凝集工程に準じた攪拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3〜9の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記結晶性樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。また、前記非結晶性樹脂で被覆した場合には、該非結晶性樹脂も融合しコア凝集粒子を被覆する。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5〜10時間程度行えばよい。
融合後に冷却し、融合粒子を得る。また冷却の工程で、結晶性樹脂の融点近傍(融点±10℃の範囲)で冷却速度を落とす、いわゆる徐冷をすることで結晶化を促進してもよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナー粒子とすることができる。
本発明においては、トナー粒子表面に流動化剤や助剤等の外添剤を添加処理してもよい。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、カーボンブラック等の無機粒子や、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー粒子等、公知の粒子が使用できるが、これらのうち少なくとも2種以上の外添剤を使用し、該外添剤の少なくとも1種は、30nm〜200nmの範囲、さらには30nm〜180nmの範囲の平均1次粒子径を有することが望ましい。
外添剤の平均1次粒子径が30nmより小さいと、初期的なトナーの流動性は良好であるが、トナーと感光体との非静電的付着力を減できず、転写効率が低下し画像のぬけが発生したり、画像の均一性を悪化(濃度ばらつきを大きく)させてしまったりする場合がある。また、経時による現像器内でのストレスによって粒子がトナー表面に埋め込まれ、帯電性が変化し、コピー濃度の低下や背景部へのカブリ等の問題を引き起こす場合がある。平均1次粒子径が200nmより大きいと、トナー表面から脱離しやすく、また流動性悪化の原因ともなる場合がある。
<静電潜像現像剤>
本発明の静電潜像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが望ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmの範囲にあり、望ましくは30〜100μmの範囲にある。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
上記のようにして得られたキャリアの体積平均粒度分布指標GSDvは1.15〜1.35の範囲であることが望ましく、1.15〜1.25の範囲であることがより望ましい。
GSDvが1.35を超えると、小粒径トナーが現像されやすくなるため前記本発明のトナーの効果が得られにくくなる場合がある。また、GSDvを1.15より小さくすることは実際上困難である。
なお、前記キャリアのGSDvの値は、次のようにして測定し算出した。まず、測定器としてマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定されたキャリアの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のキャリアの体積について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒子径D16vと定義し、累積84%となる粒径を、体積平均粒子径D84vと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標GSDvは、(D84v/D16v)1/2として定義される。
前記二成分現像剤における本発明のトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲が望ましく、3:100〜20:100程度の範囲がより望ましい。
<画像形成装置>
次に、本発明の静電潜像現像用トナーを用いた本発明の画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置は、潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、潜像保持体をクリーニング部材で摺擦し転写残留成分を除去するクリーニング手段と、を有し、前記現像剤として本発明の静電潜像現像剤を用いるものである。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着可能なカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、現像剤保持体を少なくとも備え、本発明の静電潜像現像剤を収容する本発明のプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本発明の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1〜第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに所定距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に所定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
上述した第1〜第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を所定の電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像に帯電したトナーを供給して静電潜像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V〜−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロー着色剤と結晶性樹脂及び非結晶性樹脂とを含む体積平均粒径が7μmのイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き所定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が所定の1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに所定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1〜第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に所定のタイミングで給紙され、所定の2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本発明の静電潜像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
図2で示すプロセスカートリッジでは、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることが可能である。本発明のプロセルカートリッジでは、感光体107のほかには、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
次に、本発明のトナーカートリッジについて説明する。本発明のトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納するトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本発明のトナーであることを特徴とする。なお、本発明のトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収容されてもよい。
従って、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置においては、本発明のトナーを収納したトナーカートリッジを利用することにより、本発明のトナーを容易に現像装置に供給することができるため、連続した画像形成において優れたクリーニング性、耐フィルミング性を維持することができる。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法(既述の方法は除く)について説明する。
(樹脂の分子量、分子量分布測定方法)
本発明において、結晶性ポリエステル樹脂等の分子量、分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
(樹脂の融点、ガラス転移温度の測定方法)
結晶性樹脂の融点、非結晶性樹脂のガラス転移点(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用い、25℃から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、融点は吸熱ピークのピーク温度とし、ガラス転移点は階段状の吸熱量変化における中間点の温度とした。
<各樹脂の合成>
(結晶性ポリエステル樹脂(1))
加熱乾燥した3口フラスコに、エチレングリコール497部と、5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチル23.7部と、フマル酸ジメチル22.8部と、セバシン酸ジメチル857部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.4部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスで不活性雰囲気とし、機械攪拌にて180rpmで5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(1)985部を合成した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は8500であり、数平均分子量(Mn)は3700であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂(1)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は72℃であった。樹脂のNMRスペクトルから測定計算した、共重合成分5−スルホイソフタル酸成分、フマル酸成分とセバシン酸成分との含有比はそれぞれ2:5:93であった。
(非結晶性ポリエステル樹脂(1))
加熱乾燥した二口フラスコに、テレフタル酸ジメチルを194部と、1,3−ブタンジオール90部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気とし、機械攪拌にて180rpmで5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、非結晶性ポリエステル樹脂(1)(芳香族ジカルボン酸由来構成成分の含有量が100構成%である酸由来構成成分と、脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が100構成モル%であるアルコール由来構成成分と、を含む非結晶性ポリエステル樹脂)240部を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は9500であり、数平均分子量(Mn)は4200であった。また、非結晶性ポリエステル樹脂(1)のDSCスペクトルを、前述の示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱量変化が観察された。階段状の吸熱量変化の中間点をとったガラス転移温度は53℃であった。
<各分散液の調製>
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(1))
結晶性ポリエステル樹脂(1)160部と、酢酸エチル233部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.1部とを用意し、これらを500mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株)製)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)中の樹脂粒子の体積平均粒径は200nmであり、固形分量は30%であった。また、上記結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)中の樹脂粒子の凝析値を測定したところ、2.9×10−3(mol/樹脂g)であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(2))
結晶性ポリエステル樹脂(1)160部と、酢酸エチルを233部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.5部とを用意し、これらを500mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株))により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)中の樹脂粒子の体積平均粒径は200nmであり、固形分量は30%であった。また、上記結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)中の樹脂粒子の凝析値を測定したところ、5.0×10−6(mol/樹脂g)であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(3))
結晶性ポリエステル樹脂(1)160部と、酢酸エチルを233部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.3部とを用意し、これらを500mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株))により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)中の樹脂粒子の体積平均粒径は200nmであり、固形分量は30%であった。また、上記結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)中の樹脂粒子の凝析値を測定したところ、7.8×10−5(mol/樹脂g)であった。
(非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1))
非結晶性ポリエステル樹脂(1)160部と、酢酸エチルを233部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.1部とを用意し、これらを500mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株))により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)を得た。
非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)中の樹脂粒子の体積平均粒径は200nmであり、固形分量は30%であった。また、上記非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)中の樹脂粒子の凝析値を測定したところ、1.4×10−2(mol/樹脂g)であった。
(非結晶性ポリエステル樹脂分散液(2))
非結晶性ポリエステル樹脂(1)160部と、酢酸エチルを233部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.5部とを用意し、これらを500mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株))により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより非結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を得た。
非結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)中の樹脂粒子の体積平均粒径は200nmであり、固形分量は30%であった。また、上記非結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)中の樹脂粒子の凝析値を測定したところ、8.0×10−6(mol/樹脂g)であった。
(非結晶性ポリエステル樹脂分散液(3))
非結晶性ポリエステル樹脂(1)160部と、酢酸エチルを233部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.03部とを用意し、これらを500mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株))により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより非結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)を得た。
非結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)中の樹脂粒子の体積平均粒径は200nmであり、固形分量は30%であった。また、上記非結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)中の樹脂粒子の凝析値を測定したところ、7.8×10−4(mol/樹脂g)であった。
(非結晶性ポリエステル樹脂分散液(4))
非結晶性ポリエステル樹脂(1)160部と、酢酸エチルを233部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.35部とを用意し、これらを500mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株))により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより非結晶性ポリエステル樹脂分散液(4)を得た。
非結晶性ポリエステル樹脂分散液(4)中の樹脂粒子の体積平均粒径は200nmであり、固形分量は30%であった。また、上記非結晶性ポリエステル樹脂分散液(4)中の樹脂粒子の凝析値を測定したところ、8.2×10−2(mol/樹脂g)であった。
(離型剤分散液)
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP−9、融点:75℃):50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):0.5部
・イオン交換水:200部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が0.23μmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
(着色剤分散液)
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):15部
・イオン交換水:9000部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて1時間ほど分散して、着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の体積平均粒径は0.16μm、固形分濃度は23%であった。
<キャリアの製造>
(キャリア1)
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm、GSDv:1.20):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロアクリレート共重合体(臨界表面張力:24dyn/cm):1.6部
・カーボンブラック(商品名:VXC-72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒径:0.3μm、トルエン不溶):0.3部
まず、パーフルオロアクリレート共重合体に、カーボンブラックをトルエンに希釈して加えサンドミルで分散した。次いで、これにフェライト粒子以外の上記各成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成液を調合した。次いでこの被覆層形成液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被覆層を形成してキャリア1を得た。
キャリア1の体積平均粒度分布指標GSDvは1.20であった。
(キャリア2)
キャリア1の製造において、用いたフェライト粒子を体積平均粒径:35μm、GSDv:1.40のものとした以外は、キャリア1の製造に準じてキャリア2を得た。
キャリア2の体積平均粒度分布指標GSDvは1.40であった。
<実施例1>
(トナー(1)の製造)
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):125部
・非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):325部
・着色剤分散液:21.74部
・離型剤分散液:50部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.40部
上記原料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラララックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、攪拌装置、温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、マントルヒーターにて加熱し始め、42℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2〜3.5の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。この際、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒子径は5.4μmであった。
次に、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):100部を追添加し、前記凝集粒子の表面に非結晶性ポリエステル樹脂(1)の樹脂粒子を付着させた。さらに44℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.0に上げた後、95℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、95℃で保持したままpHを6.0まで下げ、1時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子(1)を得た。得られたトナー粒子(1)の体積平均粒子径は6.2μm、GSDp−underは1.20であった。
このトナー粒子100部に対して、外添剤として、表面疎水化処理した1次粒子径40nmのシリカ粒子(日本アエロジル社製、疎水性シリカ:RX50)1.0%と、メタチタン酸100部にイソブチルトリメトキシシラン40部及びトリフルオロプロピルトリメトキシシラン10部を処理した反応生成物である1次粒子平均径20nmのメタチタン酸化合物粒子1.0%とを添加し、ヘンシェルミキサーで5分間混合した。さらに超音波振動篩(ダルトン社製)にかけてトナー(1)を得た。
(微粉側の組成(B/A×100))
トナー(1)をエルボージェット分級機により大粒径側を分級し、D50Tが3.0μmのトナー(1’)とした。トナー(1)、(1’)について、前述の方法によりDSC測定を行い、各々の結晶性ポリエステル樹脂に基づく融解熱を測定した。この結果と予め作成した検量線とから、分級前後のトナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量A(%)、B(%)を求めたところ、各々20.0%、14.0%であり、(B/A)×100は70であった。
(現像剤の作製)
得られたトナー(1):36部と前記キャリア1:414部を2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して現像剤(1)を作製した。
(トナーの諸評価)
−クリーニング性、フィルミング性の評価−
得られた現像剤(1)を、図1に示した4連タンデム方式のDocuCentre Color500(富士ゼロックス(株)製)の現像器に充填して、28℃/85%RHの環境下で24時間放置した。その後、DocuCentre Color500改造機(転写電流についてOn/Offが可能になるように調整できるようにしたもの)に入れ、前記環境下でトナーの乗り量が0.1mg/cm2のハーフトーン画像が感光体に現像されるように調整し、転写電流をOff(転写を行わない)にしたまま5000枚分の画像形成を行った。
その際、500枚ごとに転写電流をOnにして1枚画像を転写して画像を確認し、以下の基準によりクリーニング不良を確認した。
○:5000枚までクリーニング不良は認められない。
△:5000枚でクリーニング不良が軽微に認められるが実用上問題ない。
×:5000枚以前にクリーニング不良が認められて許容できない。
また、500枚ごとに感光体表面を目視で確認し、感光体表面のフィルミングを以下の判断基準により評価した。
○:5000枚までフィルミングは認められない。
△:5000枚でフィルミングが軽微に認められるが実用上問題ない。
×:5000枚以前にフィルミングが認められて許容できない。
結果を表1に示す。
−帯電特性の評価−
得られた現像剤(1)をDocuCentre Color500(富士ゼロックス(株)製)改造機の現像器に充填して、28℃/85%RHの環境下で24時間放置した。その後、現像器の調整モードで現像器を3分間空回しを行い、次いで現像スリーブから現像剤を採取してトナーの帯電量をブローオフ帯電量測定機(東芝社製、TB200)を用いて測定した。結果を表1に表す。
−定着性の評価−
得られた現像剤(1)を、定着装置を取り外したDocuCentre Color500の現像器に充填して、未定着画像を採取した。画像条件は40mm×50mmのソリッド像で、トナー乗り量は0.50mg/cm2、記録紙はミラーコートプラチナ紙(坪量:127gsm)を使用した。次いで、DocuCentre Color500(富士ゼロックス(株)製)の定着器を定着温度が可変となるように改造して、定着温度を90℃から140℃まで段階的に上昇させながら画像の低温定着性と耐オフセット性とを評価した。なお、低温定着性は、定着画像を荷重(60sN/m)の重りを用いて10秒間折り曲げ、戻した後、折り曲げ部分の画像欠損部分の最大幅が0.3mm以下になる定着温度を最低定着温度とした。
結果を表1に表す。
<実施例2>
実施例1のトナーの製造において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の添加量を125部の代わりに100部とした以外は実施例1に準じてトナー(2)を得た。トナー(2)の体積平均粒径は5.9μmであった。
(微粉側の組成)
トナー(2)をエルボージェット分級機により大粒径側を分級し、D50Tが2.5μmのトナー(2’)とした。トナー(2)、(2’)について、前述の方法によりDSC測定を行い、各々の結晶性ポリエステル樹脂に基づく融解熱を測定した。この結果と予め作成した検量線とから、分級前後のトナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量A(%)、B(%)を求めたところ、各々16%、12.6%であり、(B/A)×100は79であった。
このトナー(2)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に示す。
<実施例3>
実施例1のトナーの製造において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の添加量を125部の代わりに150部とした以外は実施例1に準じてトナー(3)を得た。トナー(3)の体積平均粒径は6.0μmであった。
(微粉側の組成)
トナー(3)をエルボージェット分級機により大粒径側を分級し、D50Tが3.5μmのトナー(3’)とした。トナー(3)、(3’)について、前述の方法によりDSC測定を行い、各々の結晶性ポリエステル樹脂に基づく融解熱を測定した。この結果と予め作成した検量線とから、分級前後のトナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量A(%)、B(%)を求めたところ、各々19.0%、16.3%であり、(B/A)×100は86であった。
このトナー(3)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に示す。
<実施例4>
実施例1のトナーの製造において、凝集剤として用いたポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液の添加量を1.75部の代わりに2.00部とした以外は実施例1に準じてトナー(4)を得た。トナー(4)の体積平均粒径は5.8μm、GSDp−underは1.28であった。
(微粉側の組成)
トナー(4)をエルボージェット分級機により大粒径側を分級し、D50Tが3.9μmのトナー(4’)とした。トナー(4)、(4’)について、前述の方法によりDSC測定を行い、各々の結晶性ポリエステル樹脂に基づく融解熱を測定した。この結果と予め作成した検量線とから、分級前後のトナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量A(%)、B(%)を求めたところ、各々16.0%、12.3%であり、(B/A)×100は77であった。
このトナー(4)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に示す。
<実施例5>
実施例1のトナーの製造において、凝集剤として用いたポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液の添加量を1.75部の代わりに1.50部とした以外は実施例1に準じてトナー(5)を得た。トナー(5)の体積平均粒径は5.5μm、GSDp−underは1.34であった。
(微粉側の組成)
トナー(5)をエルボージェット分級機により大粒径側を分級し、D50Tが3.5μmのトナー(5’)とした。トナー(5)、(5’)について、前述の方法によりDSC測定を行い、各々の結晶性ポリエステル樹脂に基づく融解熱を測定した。この結果と予め作成した検量線とから、分級前後のトナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量A(%)、B(%)を求めたところ、各々16.0%、10.2%であり、(B/A)×100は64であった。
このトナー(5)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に示す。
<実施例6>
実施例1のトナーの製造において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)125部の代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)125部を用いた以外は実施例1に準じてトナー(6)を得た。トナー(6)の体積平均粒径は5.8μm、GSDp−underは1.24であった。
(微粉側の組成)
トナー(6)をエルボージェット分級機により大粒径側を分級し、D50Tが3.1μmのトナー(6’)とした。トナー(6)、(6’)について、前述の方法によりDSC測定を行い、各々の結晶性ポリエステル樹脂に基づく融解熱を測定した。この結果と予め作成した検量線とから、分級前後のトナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量A(%)、B(%)を求めたところ、各々16.0%、11.2%であり、(B/A)×100は70であった。
このトナー(6)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に示す。
<実施例7>
実施例1のトナーの製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)325部の代わりに非結晶性ポリエステル樹脂分散液(4)325部を用いた以外は実施例1に準じてトナー(7)を得た。トナー(7)の体積平均粒径は5.9μmであった。
このトナー(7)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に示す。
<実施例8>
実施例1の現像剤の作製において、キャリア1の代わりにキャリア2を用いた以外は実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。
結果をトナー、キャリアの特性と併せて表1に示す。
<比較例1>
実施例1のトナーの製造において、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を用いた以外は実施例1に準じてトナー(8)を得た。トナー(8)の体積平均粒径は6.1μmであり、GSDp−underは1.28であった。
(微粉側の組成)
トナー(8)をエルボージェット分級機により大粒径側を分級し、D50Tが3.0μmのトナー(8’)とした。トナー(8)、(8’)について、前述の方法によりDSC測定を行い、各々の結晶性ポリエステル樹脂に基づく融解熱を測定した。この結果と予め作成した検量線とから、分級前後のトナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量A(%)、B(%)を求めたところ、各々16.0%、6.4%であり、(B/A)×100は40であった。
得られたトナー(8)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に表す。
<比較例2>
実施例1のトナーの製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の代わりに非結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を用いた以外は実施例1に準じてトナー(9)を得た。トナー(9)の体積平均粒径は5.8μmであり、GSDp−underは1.38であった。
(微粉側の組成)
トナー(9)をエルボージェット分級機により大粒径側を分級し、D50Tが3.1μmのトナー(9’)とした。トナー(9)、(9’)について、前述の方法によりDSC測定を行い、各々の結晶性ポリエステル樹脂に基づく融解熱を測定した。この結果と予め作成した検量線とから、分級前後のトナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量A(%)、B(%)を求めたところ、各々16.0%、19.2%であり、(B/A)×100は120であった。
得られたトナー(9)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に表す。
<比較例3>
実施例1のトナーの製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の代わりに非結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を用い、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を用いた以外は実施例1に準じてトナー(10)を得た。トナー(10)の体積平均粒径は6.2μm、GSDp−underは1.41であった。
(微粉側の組成)
トナー(10)をエルボージェット分級機により大粒径側を分級し、D50Tが2.8μmのトナー(10’)とした。トナー(10)、(10’)について、前述の方法によりDSC測定を行い、各々の結晶性ポリエステル樹脂に基づく融解熱を測定した。この結果と予め作成した検量線とから、分級前後のトナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量A(%)、B(%)を求めたところ、各々16.0%、14.4%であり、(B/A)×100は90であった。
得られたトナー(10)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に表す。
<比較例4>
実施例1のトナーの製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の代わりに非結晶性ポリエステル樹脂分散液(3)を用いた以外は実施例1に準じてトナー(11)を得た。トナー(11)の体積平均粒径は6.1μm、GSDp−underは1.25であった。あった。
(微粉側の組成)
トナー(11)をエルボージェット分級機により大粒径側を分級し、D50Tが3.8μmのトナー(11’)とした。トナー(11)、(11’)について、前述の方法によりDSC測定を行い、各々の結晶性ポリエステル樹脂に基づく融解熱を測定した。この結果と予め作成した検量線とから、分級前後のトナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量A(%)、B(%)を求めたところ、各々16.0%、17.6%であり、(B/A)×100は110であった。
得られたトナー(11)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に表す。
Figure 0004816345
表1に示す結果から、結晶性ポリエステル樹脂粒子及び非結晶性ポリエステル樹脂粒子の凝析値が前記式(3)〜(5)の関係を満たす分散液を用いた実施例では、分級した微粉側における結晶性ポリエステル樹脂の比率が低くなり、クリーニング性、フィルミング性、帯電性、定着性が良好となった。
一方、比較例1では結晶性ポリエステル樹脂粒子の凝析値が規定範囲より低いため、B/Aが小さくなりすぎ、非晶性ポリエステル樹脂成分が多く存在する小粒径粒子が多く発生し、クリーニング性、定着性を悪化させていると思われる。
比較例2では非晶性ポリエステル樹脂分散液の凝析値が規定範囲より低いため、非晶性ポリエステル樹脂粒子の凝集性が促進され、GSDp−underが大きくなり、B/Aも高くなる(結晶性ポリエステル樹脂成分が高くなる)。そのためフィルミング性、クリーニング性、帯電性が悪化した。
比較例3では、結晶性ポリエステル樹脂分散液と非晶性ポリエステル樹脂分散液ともに分散液の凝析値が10-5を下回っているため、分散液内の凝集性が著しく広くなることにより粒度分布も広くなり、トナー内の成分も偏在している。その結果、非晶性ポリエステル樹脂成分が多く存在する粒子がフィルミング性、クリーニング性を悪化させ、結晶性ポリエステル樹脂成分が多く存在する粒子が帯電性を悪化させていると思われる。
比較例4では、両分散液における凝析値が規定範囲より高いため粒度分布は良いものの、結晶性ポリエステル樹脂分散液の凝析値が非晶性ポリエステル樹脂分散液の凝析値より高くなっているため、非晶性ポリエステルの凝集性が促進され、微粉トナーにおける結晶性ポリエステル樹脂成分が高くなる。その結果、フィルミング性、クリーニング性、帯電性が悪化した。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P 記録紙(被転写体)

Claims (10)

  1. 非結晶性樹脂と、融点が50〜100℃の結晶性樹脂と、を各々水系媒体中に分散して結晶性樹脂粒子及び非結晶性樹脂粒子として乳化する乳化工程と、前記結晶性樹脂粒子、前記非結晶性樹脂粒子及び着色剤を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、該凝集粒子を融合させる融合工程と、を有し、前記結晶性樹脂粒子の凝析値C(mol/樹脂g)及び前記非結晶性樹脂粒子の凝析値D(mol/樹脂g)が、下記式(3)〜(5)の関係を満たす静電潜像現像用トナーの製造方法によるトナーであって、前記トナー全体における体積平均粒径をD50T、結晶性樹脂の含有量をA(質量%)とし、前記トナーを分級して体積平均粒径を(1/5)×D50T〜(2/3)×D50Tの範囲としたトナーの結晶性樹脂の含有量をB(質量%)としたとき、A及びBが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする静電潜像現像用トナー。
    50≦(B/A)×100≦90 ・・・ 式(1)
    1×10 −5 ≦C≦1×10 −1 ・・・ 式(3)
    1×10 −5 ≦D≦1×10 −1 ・・・ 式(4)
    C≦D ・・・ 式(5)
  2. 前記A及びBが、下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
    50≦(B/A)×100≦80 ・・・ 式(2)
  3. 前記結晶性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂であり、前記非結晶性樹脂が非結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 小粒径側個数粒度分布指標GSDp−underが1.15〜1.30の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  5. トナーを含み、該トナーが請求項1に記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とする静電潜像現像剤。
  6. キャリアを含み、該キャリアの体積平均粒度分布指標GSDvが1.15〜1.35の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の静電潜像現像剤。
  7. トナーが少なくとも収容され、該トナーが請求項1に記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とするトナーカートリッジ。
  8. 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項5に記載の静電潜像現像剤を収容することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、潜像保持体をクリーニング部材で摺擦し転写残留成分をクリーニングするクリーニング手段と、を有し、前記現像剤が請求項5に記載の静電潜像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記結晶性樹脂粒子の凝析値C(mol/樹脂g)及び前記非結晶性樹脂粒子の凝析値D(mol/樹脂g)が、下記式(3’)〜(5’)の関係を満たすことを特徴とする請求項に記載の静電潜像現像用トナー。
    1×10−3≦C≦5×10−2 ・・・ 式(3’)
    1×10−3≦D≦5×10−2 ・・・ 式(4’)
    C<D ・・・ 式(5’)
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