JP2010072303A - 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010072303A
JP2010072303A JP2008239250A JP2008239250A JP2010072303A JP 2010072303 A JP2010072303 A JP 2010072303A JP 2008239250 A JP2008239250 A JP 2008239250A JP 2008239250 A JP2008239250 A JP 2008239250A JP 2010072303 A JP2010072303 A JP 2010072303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
latent image
image
electrostatic latent
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008239250A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Shoji
毅 庄子
Satoshi Yoshida
聡 吉田
Susumu Yoshino
進 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2008239250A priority Critical patent/JP2010072303A/ja
Publication of JP2010072303A publication Critical patent/JP2010072303A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】低温定着条件で画像形成を行う際に、定着後の画像乱れを改善することが可能な静電潜像現像用トナーの提供。
【解決手段】非結晶性樹脂、結晶性樹脂、着色剤及び離型剤を含み、トナー全体における、体積平均粒子径をD50vとし、前記結晶性樹脂の含有量をA(質量%)とし、前記離型剤の含有量をC(質量%)とし、前記トナーを分級して体積平均粒子径を(1/2)×D50vの分級トナーとしたときの前記分級トナーにおける、前記結晶性樹脂の含有量をB(質量%)とし、前記離型剤の含有量をD(質量%)としたとき、AとBとCとDとが下記(1)式及び(2)式の関係を満たす静電潜像現像用トナー。
10≦(B/A)×100 ≦30・・・(1)式
10≦(D/C)×100 ≦30・・・(2)式
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置に関する。
電子写真法においては、一般的に、光導電性物質を利用した感光体(潜像保持体)表面に、種々の手段により電気的に潜像を形成し、形成された潜像を、現像剤を用いて現像しトナー像を形成した後、このトナー像を、必要に応じて中間転写体を介して、紙等の被転写体表面に転写し、加熱、加圧、加熱加圧等により定着する、という複数の工程を経て、画像が形成される。また、感光体表面に残ったトナーは、一般にブレードを用いたクリーニング工程によりクリーニングされる。
被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着技術としては、加熱ロールおよび加圧ロールから構成される一対のロール間に、トナー像が転写された被転写体を挿入し、定着する熱ロール定着法が一般的である。また、同種の技術として、ロールの一方または両方をベルトに代えた定着法も知られている。これらの技術は、他の定着法に比べ、直接画像と接触するため、高速で堅牢な画像が得られ、かつエネルギー効率が高い。
近年、画像形成に際して必要なエネルギーの省力化への要求の高まりに伴い、ある程度の使用電力を占める定着工程の省電力化を図り、また、前記定着条件を拡大させるために、トナーの定着温度をより低温化させる技術が必要となってきた。トナー定着温度を低温化させることにより、前記省電力化および前記定着条件の拡大に加えて、電源入力時における定着ロール等の定着部材の表面の定着可能温度までの待ち時間、いわゆるウォームアップタイムの短時間化、定着部材の長寿命化が可能等、大きなメリットがある。
上記トナーの定着温度を低くする手段としては、トナー用樹脂(結着樹脂)のガラス転移温度を低くする技術が一般的に行われているが、この技術では、ガラス転移温度をあまりに低くし過ぎると、粉体の凝集(ブロッキング)が起り易くなることから、低温定着性とブロッキング防止との両立を図ることが重要となる。
上記ブロッキングの発生防止と低温定着性とを両立させる手段として、結晶性樹脂を結着樹脂として用いる方法が古くから知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、結着樹脂として低融解温度結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを混合し、相溶化度を制御することで低温定着を獲得する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この技術では、低融解温度結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを混合することで、トナーの粉砕が可能となり、従来の混練粉砕法によるトナー作製も可能としている。
このような低温定着技術が普及する状況で、最近ではフルカラー高画質化の要求が多様化してきている。例えば、一つの画像内で大量のトナーを使用し、かつ高速で連続してフルカラー高画質画像を出力する状況が発生してきている。そのような状況では、従来よりも定着時にトナーにストレスがかかりやすくなる。そのため、特に低帯電な小粒子径側トナーが飛散し、所望の画像で定着せずに定着後の画像に乱れが発生しやすくなっていて、改善が望まれている。
また、トナーの破壊による感光体表面へのフィルミングに対する提案がなされている(例えば、特許文献4参照)。
特公昭56−13943号公報 特公昭62−39428号公報 特開2004−206081号公報 特開2008−64859号公報
本発明の目的は、低温定着条件で画像形成を行う際に、定着後の画像乱れを改善することが可能な静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置を提供することである。
即ち、請求項1に係る発明は、非結晶性樹脂、結晶性樹脂、着色剤及び離型剤を含み、
トナー全体における、体積平均粒子径をD50vとし、前記結晶性樹脂の含有量をA(質量%)とし、前記離型剤の含有量をC(質量%)とし、
前記トナーを分級して体積平均粒子径を(1/2)×D50vの分級トナーとしたときの前記分級トナーにおける、前記結晶性樹脂の含有量をB(質量%)とし、前記離型剤の含有量をD(質量%)としたとき、AとBとCとDとが下記(1)式及び(2)式の関係を満たす静電潜像現像用トナーである。
10≦(B/A)×100 ≦30・・・(1)式
10≦(D/C)×100 ≦30・・・(2)式
請求項2に係る発明は、体積平均粒子径が1.0μm以下の非結晶性樹脂粒子を分散した非結晶性樹脂粒子分散液、体積平均粒子径が1.0μm以下の結晶性樹脂粒子を分散した結晶性樹脂粒子分散液、着色剤を分散した着色剤分散液、及び離型剤を分散した離型剤分散液を混合し、アルミニウムを含む無機金属塩の重合体を凝集剤として用いることにより前記非結晶性樹脂粒子、前記結晶性樹脂粒子、前記着色剤、及び前記離型剤を含む凝集粒子の分散液を調製する凝集粒子分散液調製工程と、
前記結晶性樹脂粒子の溶融温度以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一する融合・合一工程とを有する請求項1に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法である。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の静電潜像現像用トナーを少なくとも含む静電潜像現像剤である。
請求項4に係る発明は、画像形成装置に着脱可能に装着され、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容し、前記トナーが請求項1に記載の静電潜像現像用トナーであるトナーカートリッジである。
請求項5に係る発明は、現像剤保持体を少なくとも備え、請求項3に記載の静電潜像現像剤を収容するプロセスカートリッジである。
請求項6に係る発明は、潜像保持体と、前記潜像保持体上に形成された静電潜像を請求項3に記載の静電潜像現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、前記潜像保持体をクリーニング部材で摺擦し転写残留成分をクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、低温定着条件で画像形成を行う際に、定着後の画像乱れを改善することが可能な静電潜像現像用トナーを得ることができる。
請求項2に係る発明によれば、低温定着条件で画像形成を行う際に、定着後の画像乱れを改善することが可能な静電潜像現像用トナーを製造することができる。
請求項3に係る発明によれば、低温定着条件で画像形成を行う際に、定着後の画像乱れを改善することが可能な静電潜像現像剤を得ることができる。
請求項4に係る発明によれば、低温定着条件で画像形成を行う際に、定着後の画像乱れを改善することが可能な静電潜像現像用トナーの供給を容易にするトナーカートリッジを得ることができる。
請求項5に係る発明によれば、低温定着条件で画像形成を行う際に、定着後の画像乱れを改善することが可能な静電潜像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項6に係る発明によれば、低温定着条件で画像形成を行う際に、定着後の画像乱れを改善することが可能な画像形成装置を得ることができる。
以下、本発明の静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置の実施形態について詳細に説明する。
<静電潜像現像用トナー>
本実施形態に係る静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある)は、非結晶性樹脂、結晶性樹脂、着色剤及び離型剤を含み、トナー全体における、体積平均粒子径をD50vとし、前記結晶性樹脂の含有量をA(質量%)とし、前記離型剤の含有量をC(質量%)とし、前記トナーを分級して体積平均粒子径を(1/2)×D50vの分級トナーとしたときの前記分級トナーにおける、前記結晶性樹脂の含有量をB(質量%)とし、前記離型剤の含有量をD(質量%)としたとき、AとBとCとDとが下記(1)式及び(2)式の関係を満たす静電潜像現像用トナーである。
10≦(B/A)×100 ≦30・・・(1)式
10≦(D/C)×100 ≦30・・・(2)式
本実施形態に係る静電潜像現像用トナーは、トナーを分級して得られた粒子径分布の小粒子径側トナー(分級トナー)において、結晶性樹脂及び離型剤の含有量を制御することで定着時のトナー溶融を制御している。結晶性樹脂については上記(1)式を満たすこと、離型剤については上記(2)式を満たすことが必要である。
低温定着化の観点から、トナー中には離型剤に加えて、結晶性樹脂が含まれる場合が多い。大量のトナーを使用して低温定着により高速で画像を形成する場合には、低帯電なトナーが定着時に飛散して所望の画像とならずに画像乱れが発生することがある。なお、本実施形態において低温定着とはトナーを120℃程度以下で加熱して定着させることをいう。
一般に、低帯電なトナーは用紙(被転写体)との静電付着力が弱いため、定着時における定着部材からの圧力ストレスによりトナーが飛散しやすい傾向にある。特に高速で大量なトナーを使用して高画質画像を形成する場合に、トナーの飛散が顕著である。低帯電なトナーは、トナーの粒度分布においては選択的に小粒子径側のトナーに多くなる。したがって、小粒子径側トナー中の離型剤、結晶性樹脂の含有量を制御し、圧力ストレスによる小粒子径側トナーの飛散を生じにくくする必要がある。
前記トナー中の結晶性樹脂及び離型剤の含有量の比(B/A)と(D/C)に関しては、(1)式、及び(2)式の関係を満たすことが必要である。(B/A)×100が10に満たないと、非結晶性樹脂を多く含む小粒子径側トナーの比率が高まり、一つの画像内で大量のトナーを使用し、かつ高速で連続して画像を出力する際に画像乱れが発生しやすくなる。また、(B/A)×100が30を超えると、結晶性樹脂を多く含む小粒子径側トナーの比率が高まるため、一つの画像内で大量のトナーを使用し、かつ高速で連続して画像を出力する際に、クリーニング性や他の部材に対するフィルミング性が悪化することがある。
また、(D/C)×100が10に満たないと、離型剤の含有が少ない小粒子径側トナーの比率が高まり、一つの画像内で大量のトナーを使用し、かつ高速で連続して画像を出力する際に画像乱れが発生しやすくなる。(D/C)×100が30を超えると、離型剤を多く含む小粒子径側トナーの比率が高まるため、一つの画像内で大量のトナーを使用し、かつ高速で連続して画像を出力する際に、クリーニング性や他の部材に対するフィルミング性が悪化することがある。
本実施形態に係る静電潜像現像用トナーは、(3)式及び(4)式の関係を満たすことが好ましい。
15≦(B/A)x100 ≦25・・・(3)式
15≦(D/C)x100 ≦25・・・(4)式
ここで、前記結晶性樹脂における『結晶性』とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10(℃/min)で測定した際の吸熱ピークの半値幅が10(℃)以内であることを意味する。一方、半値幅が10℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性樹脂(無定形高分子)を意味する。
前記トナー中の結晶性樹脂、離型剤の含有量(A、B、C及びD)の測定は、分級前後のトナーについて示差走査熱量測定(DSC)により結晶性樹脂、離型剤の融解熱を求めることにより行った。具体的には、まず既知量の結晶性樹脂と離型剤と非結晶性樹脂とを配合しDSC測定を行うことで、吸熱量−結晶性樹脂、離型剤の含有量(質量%)の検量線を作成する。次いで、50℃、24時間のアニール処理を行った、分級前後のトナー試料について測定を行い、その結果と検量線とから各々のトナー中における結晶性樹脂、離型剤の含有量A、B、C、D(質量%)を求め(B/A、D/C)を算出した。なお、DSCの測定条件は、20℃から150℃まで昇温速度10℃/分として行った。
また、本実施形態においてトナーを分級して体積平均粒子径を、(1/2)×D50vにする手法としては、エルボージェットによる分級方法が用いられる。この場合、例えばエルボージェットのカットポイントを(7/10)×D50vとすることにより、(1/2)×D50vの体積平均粒子径を有するトナーを得ることができる。ここで、分級トナーの体積平均粒子径を(1/2)×D50vとするのは、分級手段により小粒子径側の結晶性樹脂及び離型剤の比率を確認するために有効な範囲だからである。
なお、上記体積平均粒子径D50vの測定は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行うことができる。この際、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行った。
以下、本実施形態に係る静電潜像現像用トナーの構成をより詳細に説明する。
本実施形態に係る静電潜像現像用トナーは、少なくとも非結晶性樹脂、結晶性樹脂、着色剤及び離型剤を含有している必要がある。
(結晶性樹脂)
結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、ポリアルキレン樹脂、長鎖アルキル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられるが、加熱による粘度の急激な変化がより現れる点、さらに機械的強度と低温定着性の両立の観点から、結晶性ポリエステル樹脂を用いることが望ましい。
また、結晶性樹脂を構成する重合性単量体成分としては、結晶構造を容易に形成するため、芳香族成分を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族成分を有する重合性単量体が望ましい。さらに結晶性を損なわないために、構成される重合性単量体由来成分は、重合体中で単一種で各々30mol%以上であることが望ましい。特にポリエステル樹脂などにおいて2種以上の重合性単量体類が必須で構成される際には、各必須構成重合性単量体種において同上の構成であることが望ましい。
以下、結晶性樹脂を代表して結晶性ポリエステル樹脂を中心に説明する。
本実施形態で用いる結晶性ポリエステル樹脂の溶融温度は保管性と低温定着性から、50℃以上100℃以下の範囲にあることが望ましく、55℃以上90℃以下の範囲にあることがより望ましく、60℃以上85℃以下の範囲にあることがさらに望ましい。溶融温度が50℃を下回ると、保管トナーにブロックキングが生じるなどのトナー保管性や、定着後の定着画像の保管性が困難となることがある。また、溶融温度が100℃を超える場合では十分な低温定着性が得られないことがある。
なお、上記結晶性ポリエステル樹脂の溶融温度は、前記の示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
本実施形態において「結晶性ポリエステル樹脂」は、その構成成分が100%ポリエステル構造であるポリマー以外にも、ポリエステルを構成する成分と他の成分とを共に重合してなるポリマー(共重合体)も意味する。但し、後者の場合には、ポリマー(共重合体)を構成するポリエステル以外の他の構成成分が50質量%以下である。
本実施形態のトナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂は、例えば多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、本実施形態においては、前記結晶性ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸成分としては、前記脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸が含まれていてもよい。
さらに、前記脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有してもよい。
多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオールがより望ましい。脂肪族ジオールが分岐型では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、溶融温度が降下してしまう場合がある。また、主鎖部分の炭素数が7未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融解温度が高くなり、低温定着が困難となることがある。一方、主鎖部分の炭素数が20を超えると実用上の材料の入手が困難となり易い。主鎖部分の炭素数としては14以下であることがより望ましい。
本実施形態のトナーに用いられる結晶性ポリエステルの合成に好適に用いられる脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが望ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコール成分のうち、前記脂肪族ジオールの含有量が80モル%以上であることが好ましく、より望ましくは90%以上である。脂肪族ジオールの含有量が80モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下する為、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
なお、必要に応じて酸価や水酸基価の調製等の目的で、多価カルボン酸や多価アルコールを合成の最終段階で添加してもよい。多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類等が挙げられる。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類等が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度を180℃以上230℃以下として行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。
重合性単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い重合性単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い重合性単量体とその重合性単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
前記ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
本実施形態に用いる結晶性ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するのに必要なKOHのmg数)は、3.0mgKOH/g以上30.0mgKOH/g以下の範囲であることが望ましく、6.0mgKOH/g以上25.0mgKOH/g以下の範囲にあることがより望ましく、8.0mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下の範囲にあることがさらに望ましい。
酸価が3.0mgKOH/gよりも低いと水中への分散性が低下するため、湿式製法での乳化粒子の作製が非常に困難となる場合がある。また凝集の際における乳化粒子としての安定性が著しく低下するため、効率的なトナーの作製が困難になる場合がある。一方、酸価が30.0mgKOH/gを超えると、トナーとしての吸湿性が増してしまい、トナーとしての環境影響を受けやすくなることがある。
また、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下であることが望ましい。分子量(Mw)が、6,000未満であると、定着の際にトナーが紙等の記録媒体の表面へしみ込んで定着ムラを生じたり、定着画像の折り曲げ耐性に対する強度が低下する場合がある。また、重量平均分子量(Mw)が35,000を超えると、溶融時の粘度が高くなりすぎて定着に適当な粘度まで至るための温度が高くなることがあり、結果として低温定着性が損なわれる場合がある。
上記重量平均分子量の測定は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行った。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出したものである。
トナーにおける結晶性樹脂の含有量Aは、3質量%以上40質量%以下の範囲であることが望ましく、より望ましく4質量%以上35質量%以下の範囲であり、さらに望ましくは5質量%以上30質量%以下の範囲である。結晶性樹脂の含有量Aが3質量%未満であると、十分な低温定着性が得られない場合があり、40質量%より多いと、十分なトナー強度や定着画像強度が得られず、また帯電性への悪影響も生じてしまう場合がある。
以上の結晶性ポリエステル樹脂を含む結晶性樹脂は、脂肪族重合性単量体を用いて合成された結晶性ポリエステル樹脂(以下、「結晶性脂肪族ポリエステル樹脂」という場合がある)を主成分(50質量%以上)とすることが望ましい。さらにこの場合、前記結晶性脂肪族ポリエステル樹脂を構成する脂肪族重合性単量体の構成比は、60mol%以上であることが望ましく、90mol%以上であることがより望ましい。なお、脂肪族重合性単量体としては、前述の脂肪族のジオール類やジカルボン酸類が好適に用いられる。
(非結晶性樹脂)
本実施形態における非結晶性樹脂としては、スチレン/アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、等公知の樹脂材料を用いることができるが、非結晶性ポリエステル樹脂が特に望ましい。
非結晶性ポリエステル樹脂を用いることで、前記結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が向上するため、結晶性ポリエステル樹脂の融解温度における低粘度化に伴い、非結晶性ポリエステル樹脂も低粘度化し、トナーとしてのシャープメルト性(鋭敏な溶融特性)が得られるために、低温定着性に有利である。また結晶性ポリエステル樹脂との濡れ性が良好なことから、結晶性ポリエステル樹脂のトナー内部への分散性が向上し、結晶性ポリエステル樹脂のトナー表面への露出を抑制するため、帯電性への悪影響が抑制される。またこの理由により、トナーの強度や定着画像の強度向上の観点でも望ましい。
以下、本実施形態における非結晶性樹脂を代表して非結晶性ポリエステル樹脂を中心に説明する。
本実施形態において望ましく用いられる非結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものである。
多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類;が挙げられ、これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を用いることが望ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが望ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂における多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールを1種又は2種以上用いることができる。これら多価アルコールの中でも、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより望ましい。また、より良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は50℃以上80℃以下の範囲であることが望ましい。Tgが50℃より低いと、トナーの保存性や定着画像の保存性の観点で問題が生じてしまう場合がある。また80℃より高いと、従来に比べ低温で定着することができなくなる場合がある。
非結晶性ポリエステル樹脂のTgは50℃以上65℃以下であることがより望ましい。
トナー中に含まれる非結晶性樹脂と結晶性樹脂との比率は特に限定されるものではないが、非結晶性樹脂100質量部に対して結晶性樹脂が1質量部以上、30質量部以下が好ましく、2質量部以上、25質量部以下がさらに好ましく、3質量部以上、20質量部以下が特に好ましい。
なお、上記非結晶性ポリエステル樹脂の製造は、前記結晶性ポリエステル樹脂の場合に準じて行うことができる。
以上、本実施形態における結晶性樹脂、非結晶性樹脂について、結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂により説明したが、前記のポリエステル樹脂の製造以外の内容は、本実施形態における他の結晶性樹脂、非結晶性樹脂について適用可能である。
(着色剤)
本実施形態のトナーに用いられる着色剤としては、染料であっても顔料であってもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が望ましい。
望ましい着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジシンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド238、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用できる。
本実施形態に係る静電潜像現像用トナーにおける前記着色剤の含有量としては、結着樹脂(結晶性樹脂及び非結晶性樹脂の合計量)100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲が望ましい。また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用したりすることも有効である。前記着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
(離型剤)
本実施形態のトナーは、離型剤を含有する。離型剤としては、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のパラフィンワックス;シリコーン樹脂;ロジン類;ライスワックス;カルナバワックス;等が挙げられる。これらの離型剤の溶融温度は、50℃以上100℃以下が望ましく、60℃以上95℃以下がより望ましい。離型剤のトナー中の含有量は0.5質量%以上15質量%以下が望ましく、1.0質量%以上12質量%以下がより望ましい。離型剤の含有量が0.5質量%より少ないと、特にオイルレス定着において剥離不良となるおそれがある。離型剤の含有量が15質量%より多いと、トナーの流動性が悪化する等、画質および画像形成の信頼性を低下させる場合がある。
(その他の添加剤)
本実施形態のトナーには、上記成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加することができる。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
無機粒子としては、種々の目的のために添加されるが、トナーにおける粘弾性調整のために添加されてもよい。この粘弾性調整により、画像光沢度や紙への染み込みを調整することができる。無機粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機粒子を単独または2種以上を組み合わせて使用することができるが、発色性やOHP透過性等透明性を損なわないという観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が好ましく用いられる。また、シリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましく用いられる。
(トナーの特性)
本実施形態におけるトナーの体積平均粒子径は4μm以上9μm以下の範囲であることが望ましく、より望ましくは4.5μm以上8.5μm以下の範囲であり、さらに望ましくは5μm以上8μm以下の範囲である。体積平均粒子径が4μmより小さいと、トナー流動性が低下し、各粒子の帯電性が低下しやすい。また、帯電分布が広がるため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。また4μmより小さいと、前記低帯電トナーの定着時の飛散を抑制できなくなる場合があり、また格段にクリーニング性が困難となる場合がある。体積平均粒子径が9μmより大きいと、解像度が低下するためだけでなく、前記(1/2)×D50vの分級トナーの粒径も4.5μmを超えることになり、トナーの破壊等によるフィルミングが悪化する等、十分な画質が得られなくなり、近年の高画質要求を満たすことが困難となる場合がある。
なお、上記体積平均粒子径は、前記トナー全体における体積平均粒子径D50vと同義であり、前記の測定方法に準じて測定することができる。
さらに、本実施形態のトナーは、形状係数SF1が110以上140以下の範囲の球状形状であることが好ましい。形状がこの範囲の球状であることにより、転写効率、画像の緻密性が向上し、高画質な画像が形成される。
上記形状係数SF1は110以上130以下の範囲であることがより好ましい。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(5)により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(5)
上記式(5)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(5)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
<静電潜像現像用トナーの製造方法>
本実施形態に係る静電潜像現像用トナーの製造方法としては、乾式製法と湿式製法とが挙げられるが、乾式製法である混錬粉砕法の場合、製法上、小粒子径側のトナーへの結晶性樹脂の含有量が増加する傾向にあるため、あまり望ましくない。また湿式製法では、乳化凝集法、溶融懸濁法、溶解懸濁法等が挙げられる。
この中でも、結晶性樹脂を含む小粒子径のトナーを得ようとする場合には、乳化凝集法を用いることが有利である。乳化凝集法は、各種材料を徐々に凝集させ、更に被覆する工程を有することが可能である。被覆工程を経ることにより、結晶性樹脂の内包性が向上する。結晶性樹脂がトナー表面に露出すると流動性の悪化などの問題が発生するため、その対策として乳化凝集法での製造が有効である。また、本実施形態のように、小粒子径側トナーの結晶性樹脂及び離型剤の量を制御するには、乳化凝集法を用いて、原材料の添加タイミングを調整することで、結晶性樹脂及び離型剤の内包分布を制御することが有効である。
以下に本実施形態に係る静電潜像現像用トナーの製造方法の一例として、乳化凝集法による製造方法について説明する。本実施形態に係る乳化凝集法はトナーを構成する原料を乳化して樹脂粒子等の原料粒子(乳化粒子)を形成する乳化工程と、該原料粒子の凝集体を形成する凝集工程と、凝集体を融合・合一させる融合・合一工程とを有してもよい。
(乳化工程)
例えば結晶性樹脂粒子分散液の作製は、水系媒体と結晶性樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより行うことができる。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成することができる。また分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用することもできる。さらに、結晶性樹脂が油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、該樹脂をそれらの溶剤に解かして水中に分散剤や高分子電解質と共に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、結晶性樹脂粒子分散液を作製することができる。また、非結晶性樹脂の場合も、上記に準じて非結晶性樹脂粒子の分散液を作製することができる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水;アルコール類;などが挙げられるが、水のみであることが望ましい。
また、乳化工程に使用される分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等が挙げられる。
前記乳化液の作製に用いる分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。樹脂粒子の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒子径)は1.0μm以下が好ましく、60nm以上300nm以下の範囲であることがより好ましく、さらに好ましくは150nm以上250nm以下の範囲である。60nm未満では、樹脂粒子が分散液中で安定な粒子となるため、該樹脂粒子の凝集が困難となる場合がある。また1.0μmを超えると、樹脂粒子の凝集性が向上しトナー粒子を作成することが容易となるが、トナーの粒子径分布が広がってしまう場合がある。
(凝集工程)
前記凝集工程においては、まず得られた結晶性樹脂粒子の分散液、非結晶性樹脂粒子の分散液、着色剤分散液及び離型剤分散液等を混合して混合液とし、非結晶性樹脂粒子のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、攪拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる。pHとしては、2以上7以下の範囲が望ましく、2.2以上6以下の範囲がより望ましく、2.4以上5以下の範囲がさらに望ましい。この際、凝集剤を使用することも有効である。
本実施形態に係る静電潜像現像用トナーを得るためには、凝集工程での原材料の添加タイミングを調整することで粒子成長する際の結晶性樹脂及び離型剤の内包分布を制御することが好ましい。
例えば、非結晶性樹脂粒子分散液と着色剤分散液とを混合して予め定めた体積平均粒子径を示す凝集粒子を形成する(第一の凝集工程)。その後、結晶性樹脂粒子分散液及び離型剤分散液を加えて目的とする体積平均粒子径を示す凝集粒子を形成する(第二の凝集工程)。
これにより、結晶性樹脂及び離型剤の偏在が抑制される。その結果として、小粒子径分布側のトナーにまで十分に結晶性樹脂及び離型剤を内包することが可能となる。
ここで、前記予め定めた体積平均粒子径を示す凝集粒子における「予め定めた体積平均粒子径」とは、トナーの体積平均粒子径D50vに対して6/10×D50v以上9/10×D50v以下の範囲の体積平均粒子径をいう。
また、結晶性樹脂及び離型剤を凝集開始時には添加せず、粒径成長が開始した初期の段階で結晶性樹脂及び離型剤を添加する場合、結晶性樹脂を添加するタイミングが遅い程(B/A)×100の値が小さくなる傾向がある。また、離型剤を添加するタイミングが遅い程(D/C)×100の値が小さくなる傾向がある。
凝集剤としては、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に望ましい。
前記無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
本実施形態においては、アルミニウムを含む4価の無機金属塩の重合体を用いることが狭い粒度分布を得る点から好ましい。
また、前記凝集粒子が所望の粒子径になったところで非結晶性樹脂粒子を追添加することで、コア凝集粒子の表面を非結晶性樹脂で被覆した構成のトナーを作製してもよい。この場合、結晶性樹脂がトナー表面に露出しにくくなるため、帯電性や現像性の観点で望ましい構成である。追添加する場合、追添加前に凝集剤を添加したり、pH調整を行ってもよい。
(融合・合一工程)
融合・合一工程においては、前記凝集工程に準じた攪拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記結晶性樹脂の溶融温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合・合一させる。また、前記非結晶性樹脂で被覆した場合には、該非結晶性樹脂も融合しコア凝集粒子を被覆する。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5時間以上10時間以下程度行えばよい。
融合後に冷却し、融合粒子を得る。また冷却の工程で、結晶性樹脂の溶融温度近傍(溶融温度±10℃の範囲)で冷却速度を落とす、いわゆる徐冷をすることで結晶化を促進してもよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナー粒子とすることができる。
本実施形態においては、静電潜像現像用トナーの製造方法が、体積平均粒子径が1.0μm以下の非結晶性樹脂粒子を分散した非結晶性樹脂粒子分散液、体積平均粒子径が1.0μm以下の結晶性樹脂粒子を分散した結晶性樹脂粒子分散液、着色剤を分散した着色剤分散液、及び離型剤を分散した離型剤分散液を混合し、アルミニウムを含む無機金属塩の重合体を凝集剤として用いることにより前記非結晶性樹脂粒子、前記結晶性樹脂粒子、前記着色剤、及び前記離型剤を含む凝集粒子の分散液を調製する凝集粒子分散液調製工程と、前記結晶性樹脂粒子の溶融温度以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一する融合・合一工程とを有するものであってもよい。
本実施形態においては、トナー粒子表面に流動化剤や助剤等の外添剤を添加処理してもよい。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、カーボンブラック等の無機粒子や、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー粒子等、公知の粒子が使用できる。
<静電潜像現像剤>
本実施形態に係る静電潜像現像剤は、本実施形態に係る静電潜像現像用トナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電潜像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが望ましい。キャリアの芯材の体積平均粒子径としては、一般的には10μm以上500μm以下の範囲にあり、望ましくは30μm以上100μm以下の範囲にある。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
前記二成分現像剤における、本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
<画像形成装置>
次に、本実施形態に係る静電潜像現像用トナーを用いた本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、潜像保持体と、前記潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、前記潜像保持体をクリーニング部材で摺擦し転写残留成分をクリーニングするクリーニング手段とを有し、前記現像剤として本実施形態に係る静電潜像現像剤を用いるものである。以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着可能なカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、現像剤保持体を少なくとも備え、本実施形態に係る静電潜像現像剤を収容する本実施形態に係るプロセスカートリッジが好適に用いられる。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定めた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に予め定めた張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
上述した第1乃至第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、潜像保持体として機能する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定めた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像に帯電したトナーを供給して静電潜像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って予め定めた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(トナー像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロー着色剤と結晶性樹脂と非結晶性樹脂と離型剤とを含む体積平均粒子径が7μmの本実施形態に係るイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定めた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定めた1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに予め定めた1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定めたタイミングで給紙され、予め定めた2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本実施形態に係る静電潜像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は被転写体を表す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
図2で示すプロセスカートリッジでは、帯電ローラ108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることが可能である。本実施形態に係るプロセルカートリッジでは、感光体107のほかには、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備えるものであってもよい。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納するトナーカートリッジにおいて、前記トナーを既述した本実施形態に係るトナーとしたものである。なお、本実施形態に係るトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されていればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収容されてもよい。
従って、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置においては、本実施形態に係るトナーを収納したトナーカートリッジを利用することにより、本実施形態に係るトナーを容易に現像装置に供給することができる。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法(既述の方法は除く)について説明する。
(樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径)
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
(樹脂の溶融温度、ガラス転移温度の測定方法)
結晶性樹脂の溶融温度、非結晶性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用い、室温(25℃)から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、溶融温度は吸熱ピークのピーク温度とし、ガラス転移温度は階段状の吸熱量変化における中間点の温度とした。
(GSDv及びGSDp−underの測定方法)
平均体積粒度分布指標GSDvは、「GSDv=(D84v/D16v)1/2」の式によって求めた。ここで、D84vは粒子径の体積分布における小径側からの累積84%となる粒子径値であり、D16vは粒子径の体積分布における小径側からの累積16%となる粒子径値である。
また、小粒子径側平均個数粒度分布指標GSDp−underは、GSDp−under=(D50p/D16p)、の式によって求めた。ここで、D16pは粒子径の個数分布における小径側からの累積16%となる粒子径値であり、D50pは粒子径の累積50%となる粒子径値である。
D16v、D84v、D50p及びD16p等は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)測定器で測定した。
<各分散液の調製>
(結晶性ポリエステル樹脂(1))
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル90.5mol%、および5−t−ブチルイソフタル酸8.0mol%の酸成分と、エチレングリコール(酸成分に対し2mol倍量)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012質量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下として、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて過剰なエチレングリコールを除去し、230℃まで徐々に昇温を行い3時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量14000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
(非結晶性ポリエステル樹脂(1))
・エチレングリコール 520部
・ネオペンチルグリコール 600部
・テレフタル酸 920部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記のモノマーを仕込み、2時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内が攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイド1.2部を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から7時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が6.8mgKOH/g、重量平均分子量9000である非結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1))
結晶性ポリエステル樹脂(1)160部と、酢酸エチル233部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.1部とを用意し、これらを500mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株)製)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を得た。結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)中の樹脂粒子の体積平均粒子径は200nmであり、固形分量は30%であった。
(非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1))
非結晶性ポリエステル樹脂(1)160部と、酢酸エチルを233部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.1部とを用意し、これらを500mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株))により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を得た。非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)中の樹脂粒子の体積平均粒子径は200nmであり、固形分量は30%であった。
(離型剤分散液(1))
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP−9、溶融温度:75℃):50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):0.5部
・イオン交換水:200部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒子径が0.23μmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(固形分濃度:30%)を調製した。
(着色剤分散液(1))
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):15部
・イオン交換水:9000部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて1時間ほど分散して、着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の体積平均粒子径は0.16μm、固形分濃度は30%であった。
<キャリアの製造>
(キャリア1)
・フェライト粒子(体積平均粒子径:35μm、GSDv:1.20):100部
・トルエン:14部
・メチルメタクリレート−パーフルオロオクチルエチルアクリレート共重合体(共重合比80:20、重量平均分子量80000、臨界表面張力:24dyn/cm):1.6部
・カーボンブラック(商品名:VXC−72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒子径:0.3μm、トルエン不溶):0.3部
まず、前記メチルメタクリレート−パーフルオロオクチルエチルアクリレート共重合体に、カーボンブラックをトルエンに希釈して加えサンドミルで分散した。次いで、これにフェライト粒子以外の上記各成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成液を調合した。次いでこの被覆層形成液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被覆層を形成してキャリア1を得た。
<実施例1>
(トナー(1)の製造)
・非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):300部
・着色剤分散液(1):45部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.50部
上記原料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラララックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、イオン交換水を600部加えた後に、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。その後、攪拌装置、温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、マントルヒーターにて加熱し始め、35℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2〜3.5の範囲に制御した。上記pH範囲で1時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。この際、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒子径は3.5μmであった。
次に、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):100部と離型剤分散液(1):45部を前記凝集粒子中に追添加し、さらに1時間ほど保持した。この際、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒子径は3.6μmであった。
次に、非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):90部を追添加し、前記凝集粒子の表面に非結晶性ポリエステル樹脂(1)の樹脂粒子を付着させた。さらに43℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.0に上げた後、85℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、85℃で保持したままpHを6.0まで下げ、1時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子(1)を得た。得られたトナー粒子(1)の体積平均粒子径は6.0μm、GSDp−underは1.21であった。
このトナー粒子100部に対して、外添剤として、表面疎水化処理した1次粒子径40nmのシリカ粒子(日本アエロジル社製、疎水性シリカ:RX50)1.0%と、メタチタン酸100部にイソブチルトリメトキシシラン40部及びトリフルオロプロピルトリメトキシシラン10部を処理した反応生成物である1次粒子平均径20nmのメタチタン酸化合物粒子1.0%とを添加し、ヘンシェルミキサーで5分間混合した。さらに超音波振動篩(ダルトン社製)にかけてトナー(1)を得た。トナー(1)の体積平均粒子径は、トナー粒子(1)の体積平均粒子径と同じであった。
((B/A×100)と(D/C×100))
トナー(1)をエルボージェット分級機により分級し、体積平均粒子径が3.0μmのトナー(1’)にした。トナー(1)、(1’)について、前述の方法によりDSC測定を行い、各々の結晶性ポリエステル樹脂、離型剤に基づく融解熱を測定した。この結果と予め作成した検量線とから、分級前後のトナー中の結晶性ポリエステル樹脂、離型剤の含有量A(%)、B(%)、C(%)、D(%)を求めたところ、各々20%、4%、9%、1.8%であり、(B/A)×100は20、(D/C)×100は20であった。
(現像剤の作製)
得られたトナー(1):36部と前記キャリア1:414部を2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して現像剤(1)を作製した。
(トナーの諸評価)
−画像の評価−
得られた現像剤(1)を、図1に示した4連タンデム方式のDocuCentre Color500(富士ゼロックス株式会社製)の現像器に充填して、28℃/85%RHの環境下で24時間放置した。その後、出力速度230mm/sで5000枚分の画像形成を行い、所望画像に対する相違部分の画像を画像乱れとして判断し、画像乱れの評価を行った。テストチャートには日本画像学会発行のテストチャートNo.5−1を使用した。評価の指標を以下に示す。
○:5000枚まで画像乱れは認められない。
△:5000枚で画像乱れが軽微に認められるが実用上問題ない。
×:5000枚以前に画像乱れが認められて許容できない。
結果を表1に示す。
−定着性の評価−
得られた現像剤(1)を、定着装置を取り外したDocuCentre Color500の現像器に充填して、未定着画像を採取した。画像条件は40mm×50mmのソリッド像で、トナー量は13.5g/m、記録紙は普通紙のC2紙(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製、坪量:70g/m)を使用した。次いで、DocuCentre Color500(富士ゼロックス株式会社製)の定着器を定着温度が可変となるように改造して、定着温度を90℃から200℃まで段階的に上昇させながら画像の低温定着性を評価した。なお、低温定着性は、定着画像を一定荷重(60sN/m)の重りを用いて折り曲げ、その部分の画像欠損度合いをグレード付けし、ある一定のグレード(画像が殆んどはがれないレベル)以上になる定着温度を最低定着温度として、低温定着性の指標とした。結果を表1に表す。
−クリーニング性−
クリーニング性の評価にはDocuCentreColor500改造機(感光体上の現像量を任意に微調整可能なように改造したもの)を用いた。この改造機のクリーニング装置は、2.0mm厚のシリコーンゴム製ブレードを感光体ドラムの接線方向に対して角度25°で圧接させ、その線圧を15N/mに設定した。
クリーニング性の評価は、現像量4.0g/m で40mm×20mmのパッチを現像し、転写を実施することなくそのままクリーニングした。そして、クリーニング後に感光体上に残留したトナーの重量を測定して、クリーニング前後の感光体上のトナー重量比を求めた。この重量比(=(1−クリーニング後の感光体上に残留するトナーの重量/クリーニング前の感光体上に形成されたパッチ(トナー)の重量)×100)をクリーニング率とし、以下の基準で評価した。
◎:クリーニング率が98%以上の場合
○:クリーニング率が90%以上98%未満の場合
△:クリーニング率が80%以上90%未満の場合
×:クリーニング率が80%未満の場合
−フィルミング性−
フィルミング性の評価は、感光体ドラム上のトナー付着よごれを評価した。前記定着画像の出力の際に、その都度新しい感光体ドラムを使用しながら、感光体ドラム上の汚れ具合をその都度、目視で確認した。目視で汚れが全く確認できない場合は、○の評価、多少でも汚れがある場合は、×の評価とした。
<実施例2>
実施例1のトナーの製造において、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)の添加量を100部の代わりに50部、離型剤分散液(1)の添加量を45部の代わりに67部とした以外は実施例1に準じてトナー(2)を得た。トナー(2)の体積平均粒子径は6.2μmであった。
このトナー(2)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に示す。
<実施例3>
実施例1のトナーの製造において、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)の添加量を100部の代わりに113部、離型剤分散液(1)の添加量を45部の代わりに43部とした以外は実施例1に準じてトナー(3)を得た。トナー(3)の体積平均粒子径は5.5μmであった。
このトナー(3)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に示す。
<比較例1>
実施例1のトナーの製造において、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)の添加量を100部の代わりに25部、離型剤分散液(1)の添加量を45部の代わりに11部とした以外は実施例1に準じてトナー(4)を得た。トナー(4)の体積平均粒子径は6.0μmであった。
このトナー(4)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に示す。
<比較例2>
実施例1のトナーの製造において、離型剤分散液(1)の添加量を45部の代わりに9部とした以外は実施例1に準じてトナー(5)を得た。トナー(5)の体積平均粒子径は6.2μmであった。
このトナー(5)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に示す。
<比較例3>
実施例1のトナーの製造において、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)の添加量を100部の代わりに200部、離型剤分散液(1)の添加量を45部の代わりに9部とした以外は実施例1に準じてトナー(6)を得た。トナー(6)の体積平均粒子径は6.4μmであった。
このトナー(6)を用いて、実施例1に準じて現像剤を作製し、トナーの諸評価を行った。結果をトナーの特性と併せて表1に示す。
Figure 2010072303
表1に示す結果から、実施例1〜3では、B/A及びD/Cが(1)式及び(2)式をみたし、分級した小粒子径側トナーで結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤の比率が多くなり、画像乱れは問題のないことがわかる。
表1に示す結果から、比較例1〜3では、B/AまたはD/Cが(1)式または(2)式をみたさないことが発生したため、分級した小粒子径側トナーにおいて結晶性ポリエステル樹脂または離型剤の比率が少なくなり、画像乱れが発生することがわかる。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(潜像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
P、300 記録紙(被転写体)

Claims (6)

  1. 非結晶性樹脂、結晶性樹脂、着色剤及び離型剤を含み、
    トナー全体における、体積平均粒子径をD50vとし、前記結晶性樹脂の含有量をA(質量%)とし、前記離型剤の含有量をC(質量%)とし、
    前記トナーを分級して体積平均粒子径を(1/2)×D50vの分級トナーとしたときの前記分級トナーにおける、前記結晶性樹脂の含有量をB(質量%)とし、前記離型剤の含有量をD(質量%)としたとき、AとBとCとDとが下記(1)式及び(2)式の関係を満たす静電潜像現像用トナー。
    10≦(B/A)×100 ≦30・・・(1)式
    10≦(D/C)×100 ≦30・・・(2)式
  2. 体積平均粒子径が1.0μm以下の非結晶性樹脂粒子を分散した非結晶性樹脂粒子分散液、体積平均粒子径が1.0μm以下の結晶性樹脂粒子を分散した結晶性樹脂粒子分散液、着色剤を分散した着色剤分散液、及び離型剤を分散した離型剤分散液を混合し、アルミニウムを含む無機金属塩の重合体を凝集剤として用いることにより前記非結晶性樹脂粒子、前記結晶性樹脂粒子、前記着色剤、及び前記離型剤を含む凝集粒子の分散液を調製する凝集粒子分散液調製工程と、
    前記結晶性樹脂粒子の溶融温度以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一する融合・合一工程とを有する請求項1に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
  3. 請求項1に記載の静電潜像現像用トナーを少なくとも含む静電潜像現像剤。
  4. 画像形成装置に着脱可能に装着され、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容し、前記トナーが請求項1に記載の静電潜像現像用トナーであるトナーカートリッジ。
  5. 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項3に記載の静電潜像現像剤を収容するプロセスカートリッジ。
  6. 潜像保持体と、前記潜像保持体上に形成された静電潜像を請求項3に記載の静電潜像現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、前記潜像保持体をクリーニング部材で摺擦し転写残留成分をクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置。
JP2008239250A 2008-09-18 2008-09-18 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置 Pending JP2010072303A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008239250A JP2010072303A (ja) 2008-09-18 2008-09-18 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008239250A JP2010072303A (ja) 2008-09-18 2008-09-18 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010072303A true JP2010072303A (ja) 2010-04-02

Family

ID=42204145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008239250A Pending JP2010072303A (ja) 2008-09-18 2008-09-18 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010072303A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018163200A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2019124971A (ja) * 2019-05-13 2019-07-25 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018163200A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP7027693B2 (ja) 2017-03-24 2022-03-02 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2019124971A (ja) * 2019-05-13 2019-07-25 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4816345B2 (ja) 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4404136B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4760690B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4492687B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5262571B2 (ja) 静電荷像現像トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法、並びに、画像形成装置
JP2009223055A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2009237166A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置。
JP5910555B2 (ja) 静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、および画像形成方法
JP5375486B2 (ja) 電子写真用トナー及びその製造方法、電子写真用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置
JP2011017913A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP2009063974A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP5573536B2 (ja) 静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP2018045091A (ja) トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP5115020B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法、及び静電荷像現像用トナーの洗浄方法
JP2010078993A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP2014178626A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2010091875A (ja) 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置
JP5531697B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP5609198B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP2010072303A (ja) 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置
JP2010049195A (ja) 静電潜像現像用トナー及びその製造方法、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置
JP5493379B2 (ja) 静電荷現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、カートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP5298716B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5428329B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2008268367A (ja) 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置