JP2017107139A - トナー、トナー収容ユニット及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、上記トナーにおいては結晶性樹脂の成分に結着樹脂に含有されるオリゴマー成分が相溶し、可塑剤として影響することで、トナーの保存性が悪化することが分かっている。
しかしながら、上記トナーは特許文献1と同様に、熱により可塑剤の結着樹脂への相溶が始まるため、保存性が悪化する傾向にある。
ピーク強度:GPC測定により、縦軸が強度、横軸が分子量の分子量分布曲線でプロットし、分子量が20000以下の範囲において最大となる強度の値を100としたときの相対的な値
ピーク強度:GPC測定により、縦軸が強度、横軸が分子量の分子量分布曲線でプロットし、分子量が20000以下の範囲において最大となる強度の値を100としたときの相対的な値
以下詳細を説明する。
本発明のトナーは、シャープメルト性を有し、低温定着性に有利なトナー特性を実現するため、トナーのDSC測定において、1回目の昇温で40〜70℃にガラス転移点が見られ、前記ガラス転移点をX℃としたとき、2回目の昇温のガラス転移点がX〜X−20℃範囲に見られないことを特徴とする。トナーのDSC測定における1回目の昇温でのガラス転移点が40℃未満であると、保存安定性や帯電安定性が劣り、70℃よりも大きいと低温定着性が不利になる。
そこで、前記トナーのTHF可溶成分のGPCにより測定される分子量分布において、所定の条件を満たすことにより、保存性を確保することができることを見出し本発明をなすものである。
なお、ピーク強度は、GPC測定により、縦軸が強度、横軸が分子量の分子量分布曲線でプロットし、分子量が20000以下の範囲において最大となる強度の値を100としたときの相対的な値を示すものである。
本発明では、分子量が300以上5000以下の範囲における任意の分子量Mを選んだとき、前記分子量Mの±300の範囲におけるピーク強度の最大値と最小値の差が30以下となる。
図1(A)は前記条件Aを満たさない例である。図1(A)では、ピークa付近を任意の分子量Mとした例が示されており、分子量M±300の範囲における最大値と最小値の差が大きくなっていることが図示されている。また、その他のピーク(ピークb、c、d)についても差が大きくなっていることが図示されている。
一方、図1(B)は前記条件Aを満たす例である。図1(A)で示されているピークa〜dについて、最大値と最小値の差が30以下に抑えられたピークa’〜d’が図示されている。ここで、図1(B)におけるピークa’〜d’は、前記条件Aを満たすことから、任意の分子量Mの±300の範囲におけるピーク強度の最大値と最小値の差が30以下であるが、ピークとして存在するものである。
モノマーA:分子量210以下であり、かつ酸官能基を有するモノマー
モノマーの反応物としては、例えばイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの誘導体が挙げられ、また、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などがビスフェノールAプロピレンオキサイドなどに付加したものが挙げられる。
しかしながら、このような物質がトナーに残存すると、このような物質は結晶性樹脂への相溶性が非常に高いことから、可塑剤として働きやすいため、トナーの保存性が悪化しやすくなってしまう。
中でも、イソフタル酸、テレフタル酸及びフタル酸からなる芳香族ジカルボン酸の群並びにコハク酸、グルタル酸、アジピン酸及びセバシン酸からなる脂肪族ジカルボン酸の群から選択されるジカルボン酸であることが好ましい。
この場合、より優れた低温定着性、保存性、帯電安定性を得ることができる。
しかしながら、このような結晶性ポリエステルを用いる場合、前述した結着樹脂と同様に、結晶性ポリエステルに上記のようなモノマー成分が含まれていると可塑剤成分の相溶が起こりやすいため、保存性が悪化しやすくなってしまう。
その具体例としては、まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱(1回目の昇温)した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱(2回目の昇温)を行う。ガラス転移点以下のベースラインと、ガラス転移点以上のベースラインの高さが1/2に相当する曲線部分からガラス転移点を求めることができる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSK−GEL SUPER HZ2000、TSK−GEL SUPER HZ2500、TSK−GEL SUPER HZ3000
温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流速:0.35ml/min
試料:0.15wt%に調整したTHF試料溶液
試料の前処理:トナーをテトラヒドロフランTHF(安定剤含有、和光純薬社製)に0.15wt%で溶解後0.45μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。
装置:島津製作所製 ポンプLC−6A フラクションコレクターFRC−10A RI検出器 RID−10A
カラム:SHODEX K2002×2+SHODEX K2003 Φ20×300 mm
移動相:クロロホルム
流量:2.8ml/min
カラムオーブン:45℃
−トナーの重量平均分子量(Mw)−
前記トナーの重量平均分子量(Mw)としては、5000〜18000であることが好ましい。前記Mwが5000以上である場合、トナーの凝集体が発生しにくくなり、異常画像の発生を十分に抑制でき、好ましい。前記Mwが18000以下であると、トナーの低温定着性が良くなり、低温域において特に定着部材が直接当たらない記録媒体側(下側)のトナー層の溶融も十分となり、画像剥がれが発生することがなく、好ましい。
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.950〜0.980が好ましく、0.960〜0.975がより好ましい。なお、前記平均円形度が0.95未満の粒子が15%以下であるものが好ましい。
前記平均円形度が、0.950未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがある。また、0.980を超えると、ブレードクリーニング等を採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルト等のクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがある。あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
具体例を挙げると、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬社製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加する。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を前記FPIA−2100にて濃度を5,000〜15,000個/μLが得られるまでトナーの形状及び分布を測定する。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3μm〜10μmが好ましく、4μm〜7μmがより好ましい。前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、10μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径、及び前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman CoulterMutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行うことができる。
本発明のトナーは、トナー母体粒子中に、少なくとも結着樹脂を含み、さらに必要に応じて離型剤等、その他の成分を含有してもよい。また、トナー母体粒子に必要に応じて外添剤を添加することができる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、低温定着性に優れ、低分子量化しても十分な可撓性を有する点で、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂と上記他の結着樹脂とを組み合わせた樹脂が好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でも未変性ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、下記一般式(1)で表されるポリオールと、下記一般式(2)で表されるポリカルボン酸とをポリエステル化した樹脂、結晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
前記変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能なポリエステル(以下、「ポリエステルプレポリマー」と称することがある)とを、伸長反応及び/又は架橋反応して得られる樹脂などが挙げられる。前記伸長反応及び/又は架橋反応は、必要に応じて、反応停止剤(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、ケチミン化合物等のモノアミンをブロックしたものなど)により停止させてもよい。
前記活性水素基含有化合物は、水相中で、前記ポリエステルプレポリマーが伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な基を少なくとも有する重合体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。中でも、溶融時の高流動性、透明性に優れ、高分子成分の分子量を調節しやすく、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着性、離型性に優れる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が好ましく、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーがより好ましい。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーの場合、前記ポリオールと前記ポリカルボン酸とを公知のエステル化触媒(チタンテトラブトキシド、ジブチルチンオキサイド等)の存在下、150℃〜280℃に加熱し、必要により適宜減圧しながら生成し、水を溜去して水酸基含有ポリエステルを得た後に、40℃〜140℃にて、前記水酸基含有ポリエステルに前記ポリイソシアネートを反応させることにより合成する方法などが挙げられる。
前記トナーは、シャープメルト性を有し、低温定着性に有利なトナー特性を実現するため、トナーのDSC測定において、1回目の昇温で40〜70℃にガラス転移点が見られ、前記ガラス転移点をX℃としたとき、2回目の昇温のガラス転移点がX〜X−20℃範囲に見られないことを特徴とするトナーである。上記を満たすために結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、植物系ワックス(カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等)、動物系ワックス(ミツロウ、ラノリン等)、鉱物系ワックス(オゾケライト、セルシン等)、石油ワックス(パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等)等のロウ類及びワックス類;合成炭化水素ワックス(フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等)、合成ワックス(エステル、ケトン、エーテル等)等の天然ワックス以外のもの;1,2−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子であるポリメタクリル酸n−ステアリル、ポリメタクリル酸n−ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(アクリル酸n−ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子;などが挙げられる。
これらの中でも、定着時の不必要な揮発性有機化合物の発生が少ないという点で、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モノエステルワックス、ライスワックスが好ましい。
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
温度条件
1st.昇温 開始温度:20℃,昇温速度:10℃/min,終了温度:150℃,保持時間:なし
1st.降温 降温温度:10℃/min,終了温度:20℃,保持時間:なし
2nd.昇温 昇温速度:10℃/min,終了温度:150℃
測定した結果は島津製作所製のデータ解析ソフト(TA−60、バージョン1.52)を用いて解析を行う。
前記融点は、2nd.昇温で測定された吸熱ピークのピークトップの温度を用いる。
−着色剤−
前記トナーに用いられる着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができる。
また、トナーに適切な帯電能を付与するために、必要に応じて帯電制御剤をトナーに含有させることも可能である。
帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤がいずれも使用可能である。有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
本発明におけるトナーの製法や材料は、条件を満たしていれば公知のものが全て使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、混練粉砕法や、水系媒体中にてトナー粒子を造粒する、いわゆるケミカル工法がある。
これらの中でも、溶解懸濁法、前記製造方法(I)、凝集法で得られるトナーが、造粒性(粒度分布制御や、粒子形状制御等)の観点から好ましく、前記製造方法(I)で得られるトナーがより好ましい。
前記混練粉砕法は、例えば、少なくとも着色剤、結着樹脂、離型剤を有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエステル系又はエステルエーテル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、これらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
前記乳化剤又は分散剤としては、公知の界面活性剤、水溶性ポリマー等を用いることができる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、アニオン界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸、リン酸エステル等)、カチオン界面活性剤(四級アンモニウム塩型、アミン塩型等)、両性界面活性剤(カルボン酸塩型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩型等)、非イオン界面活性剤(AO付加型、多価アルコール型等)等が挙げられる。界面活性剤は、1種単独又は2種以上の界面活性剤を併用してもよい。
また、乳化又は分散の助剤として、上記の有機溶剤及び可塑剤等を併用することもできる。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化してもよい。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(d)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(e)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(f)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液に貧溶剤を添加する、又は予め溶剤に加熱溶解させた樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、溶剤を除去して樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(g)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を、適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、減圧等によって溶剤を除去して、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(h)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
前記金属塩としては特に制限はなく、ナトリウム、カリウム等の塩を構成する一価の金属;カルシウム、マグネシウム等の塩を構成する二価の金属;アルミニウム等の塩を構成する三価の金属などが挙げられる。
また、凝集の途中や凝集完了後に加熱することで樹脂微粒子同士の融着を促進することができ、トナーの均一性の観点から好ましい。さらに、加熱によりトナーの形状を制御することができ、通常、より加熱すればトナーは球状に近くなっていく。
使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させて、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
本発明における現像剤は、前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、現像手段による撹拌ストレス等に対しても、経時にわたってトナーの凝集体が生じにくく、異常画像の発生を抑制するとともに、画像濃度安定性、及び転写性を良好に維持することで、良好で安定した画像品質が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯粒子と、該芯粒子を被覆する樹脂層(被覆層)とを有するものが好ましい。
前記芯粒子としては、磁性を有する芯粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金、化合物等の磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子などが挙げられる。これらの中でも、環境面への配慮の点で、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライトなどが好ましい。
前記芯粒子の重量平均粒径Dwは、レーザー回折乃至散乱法によって求めた前記芯粒子の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。前記芯粒子の重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜80μmが好ましく、20μm〜65μmがより好ましい。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)} ・・・(I)
ただし、前記式(I)中、Dは、各チャネルに存在する芯粒子の代表粒径(μm)を表し、nは、各チャネルに存在する芯粒子の総数を表す。
[1]粒径範囲:100μm〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
前記被覆層は、少なくとも樹脂を含有しており、必要に応じてフィラー等の他の成分を含有していてもよい。
キャリアの被覆層を形成するための樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)やその変性品、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等による変性品);ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂;アイオノマー樹脂;ポリイミド樹脂、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が好ましい。
前記架橋反応性成分としては、シランカップリング剤等が挙げられる。該シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、アミノシランカップリング剤等が挙げられる。
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性フィラー、非導電性フィラーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記被覆層に、導電性フィラー及び非導電性フィラーを含有させることが好ましい。
前記非導電性フィラーは、粉体比抵抗値が100Ω・cmを超えるフィラーを指す。
前記フィラーの粉体比抵抗値の測定は、粉体抵抗測定システム(MCP−PD51、ダイアインスツルメンツ社製)及び抵抗率計(4端子4探針方式、ロレスタ−GP、三菱化学アナリテック社製)を使用して、試料1.0g、電極間隔3mm、試料半径10.0mm、荷重20kNの条件にて測定することにより行うことができる。
前記導電性フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム等の基体に二酸化スズや酸化インジウムを層として形成する導電性フィラー;カーボンブラックを用いて形成する導電性フィラーなどが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウムを含有する導電性フィラーが好ましい。
前記非導電性のフィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化ジルコニウム等を用いて形成する非導電性フィラーなどが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウムを含有する非導電性フィラーが好ましい。
前記キャリアの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、流動床型コーティング装置を使用して、前記芯粒子の表面に、前記樹脂及び前記フィラーを含有する被覆層形成溶液を塗布することにより製造する方法が好ましい。なお、前記被覆層形成溶液を塗布する際に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよいし、前記被覆層形成溶液を塗布した後に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよい。前記樹脂の縮合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被覆層形成溶液に、熱、光等を付与して樹脂を縮合する方法などが挙げられる。
前記キャリアの重量平均粒径Dwは、レーザー回折・散乱法によって求めた前記芯粒子の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。前記キャリアの重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜80μmが好ましく、20μm〜65μmがより好ましい。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)} ・・・(II)
ただし、前記式(II)中、Dは、各チャネルに存在するキャリアの代表粒径(μm)を表し、nは、各チャネルに存在するキャリアの総数を表す。
[1]粒径範囲:100μm〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えばトナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジ等があげられる。
トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも像担持体と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
本発明に用いられる画像形成方法は、静電潜像形成工程(帯電工程と露光工程)と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、さらに必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を複数色のトナーにより順次現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有してなり、さらに必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、等が挙げられる。これらの中でも、より高精細な画像が得られる点で、有機感光体(OPC)が好ましい。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電手段(帯電器)と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光手段(露光器)とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に該トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、トナー入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
スタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした場合は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした場合は、直ちに、スキャナ300が駆動し、光源を備える第1走行体33及びミラーを備える第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33から照射された光の原稿面からの反射光を第2走行体34で反射した後、結像レンズ35を介して、読み取りセンサ36で受光することにより、原稿が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報が得られる。
各色の画像形成ユニット120で形成された各色のトナー像は、ローラ14、15及び16に張架されて移動する中間転写体50上に順次転写(一次転写)され、重ね合わされて複合トナー像が形成される。
−結着樹脂A−1の合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した反応容器中に、脱イオン水160質量部、ポリアクリル酸ソーダ水溶液(固形分3.3質量%)0.04質量部、下記に示す方法で製造した分散剤A0.01質量部、硫酸ナトリウム0.4質量部を仕込み、次いで単量体成分としてスチレン80質量部、ブチルアクリレート20質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート0.3質量部、及び重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.5質量部を添加した。内容物を攪拌しながら40℃から130℃まで2時間で昇温し、140℃に到達した後、さらに3時間反応し、[結着樹脂A−1]を得た。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した反応容器中に、脱イオン水2300質量部、メタクリル酸メチル25質量部、メタクリル酸3−ナトリウムスルホプロピル75質量部を仕込み、窒素ガスを約30分流通させた。内容物を攪拌しながら60℃に昇温した後、過硫酸アンモニウム0.5質量部を添加し、3時間攪拌し、[分散剤A]を得た。
−結着樹脂A−2の合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物376部とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物109部をモル比で80/20(ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物)、イソフタル酸116部とアジピン酸44部をモル比で70/30(イソフタル酸/アジピン酸)とし、OH/COOH=1.33で仕込み、500ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に常圧で230℃で10時間反応させた。次いで、反応容器に安息香酸26部を加え、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸11部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[結着樹脂A−2]を得た。
−結着樹脂A−3の合成−
合成例2において、イソフタル酸とアジピン酸のモル比を70/30から50/50に変えた以外は同様にして[結着樹脂A−3]を得た。
−結着樹脂A−4の合成−
合成例2において、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物のモル比を80/20から50/50に変え、イソフタル酸とアジピン酸のモル比を70/30から100/0に変え、OH/COOHを1.33から1.29に変えた以外は同様にして[結着樹脂A−4]を得た。
−結着樹脂A−5の合成−
合成例2において、安息香酸仕込み量を26部から16部に変えた以外は同様にして[結着樹脂A−5]を得た。
−結着樹脂A−6の合成−
合成例2において、イソフタル酸とアジピン酸をモル比で70/30とするところをテレフタル酸とイソフタル酸をモル比で85/15に変え、OH/COOHを1.33から1.35に変えた以外は同様にして[結着樹脂A−6]を得た。
−結着樹脂A−7の合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物282部とビスフェノールAエチレンオキサイド3モル付加物173部をモル比で60/40(ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド3モル付加物)、テレフタル酸76部とフマル酸65部とドデセニルコハク酸無水物40部をモル比で46/39/15(テレフタル酸/フマル酸/ドデセニルコハク酸無水物)とし、OH/COOH=1.2で仕込み、500ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に常圧で230℃で10時間反応させた。次いで、反応容器に安息香酸26部を加え、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸11部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[結着樹脂A−7]を得た。
水1,200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕540部、及び[結着樹脂A−2]1,200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
−結着樹脂B−1の合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物376部とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物109部をモル比で80/20(ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物)、イソフタル酸116部とアジピン酸44部をモル比で70/30(イソフタル酸/アジピン酸)とし、OH/COOH=1.33で仕込み、500ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に常圧で230℃で10時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸11部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[結着樹脂B−1]を得た。
−結着樹脂B−2の合成−
合成例B−1において、イソフタル酸とアジピン酸のモル比を70/30から50/50に変えた以外は同様にして[結着樹脂B−2]を得た。
−結着樹脂B−3の合成−
合成例A−1において、スチレンを80質量部から95質量部に変え、ブチルアクリレートを20質量部から17質量部に変えた以外は同様にして[結着樹脂B−3]を得た。
−結着樹脂C−1の合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸とアジピン酸と1,4−ブタンジオールをモル比で40/9/51で仕込み、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を前記モノマー成分100部に対して0.25部投入し、窒素気流下で、180℃で生成する水を留去しながら4時間反応させた。次いで225℃まで徐々に昇温しつつ、窒素気流下、生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら3時間反応させた後、さらに5〜20mmHgの減圧下で、重量平均分子量(Mw)が約1200に達するまで反応させ、[結着樹脂C−1’]を得た。
得られた[結晶性樹脂C−1’]218部を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、酢酸エチル250部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)40部、無水マレイン酸25部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで減圧下で酢酸エチルを留去し、[結着樹脂C−1]を得た。
−結着樹脂C−2の合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、フマル酸と1,6−ヘキサンジオールをモル比で50/50で仕込み、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を前記モノマー成分100部に対して0.25部投入し、窒素気流下で、180℃で生成する水を留去しながら4時間反応させた。次いで225℃まで徐々に昇温しつつ、窒素気流下、生成する水などを留去しながら3時間反応させた後、さらに5〜20mmHgの減圧下で、重量平均分子量(Mw)が約8,000に達するまで反応させ、[結着樹脂C−2’]を得た。
得られた[結晶性樹脂C−2’]218部を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、酢酸エチル250部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)40部、無水マレイン酸25部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで減圧下で酢酸エチルを留去し、[結着樹脂C−2]を得た。
−結着樹脂C−3の合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,10−ドデカン二酸と1,9−ノナンジオールをモル比で50/50で仕込み、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を前記モノマー成分100部に対して0.25部投入し、窒素気流下で、180℃で生成する水を留去しながら4時間反応させた。次いで225℃まで徐々に昇温しつつ、窒素気流下、生成する水などを留去しながら3時間反応させた後、さらに5〜20mmHgの減圧下で、重量平均分子量(Mw)が約25,000に達するまで反応させ、[結着樹脂C−3’]を得た。
得られた[結晶性樹脂C−3’]218部を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、酢酸エチル250部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)40部、無水マレイン酸25部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで減圧下で酢酸エチルを留去し、[結着樹脂C−3]を得た。
−結着樹脂C−4の合成−
結晶性ポリ乳酸「N−3000」(Nature Works社製)を35×25cmのバットに入れ、温度80℃、湿度95%の環境下に48時間静置させ、[結着樹脂C−4]を得た。
<トナーの調製>
(原料組成)
結着樹脂1:[結着樹脂A−1] 85部
結着樹脂2:[結着樹脂C−3] 9部
着色剤:[マスターバッチ1] 7部
帯電制御剤:ボントロンE−84(オリエント化学工業社製) 1部
ワックス:カルナウバワックス(WA−05、セラリカ野田社製) 6部
上記[トナー母体粒子1]に対して疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)を[トナー母体粒子1]100部に対して1.5部添加し、20Lヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて周速33m/sにて5分間混合した。上記を500メッシュの篩により風篩し、[トナー1]を得た。
実施例1において、結着樹脂1として[結着樹脂A−1]から[結着樹脂A−2]に変え、結着樹脂2として[結着樹脂C−3]から[結着樹脂C−1]に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー2]を作製した。
実施例2において、結着樹脂1として[結着樹脂A−2]から[結着樹脂A−3]に変えた以外は、実施例2と同様にして、[トナー3]を作製した。
実施例2において、結着樹脂1として[結着樹脂A−2]から[結着樹脂A−4]に変えた以外は、実施例2と同様にして、[トナー4]を作製した。
実施例2において、結着樹脂1として[結着樹脂A−2]から[結着樹脂A−5]に変えた以外は、実施例2と同様にして、[トナー5]を作製した。
実施例2において、結着樹脂1として[結着樹脂A−2]から[結着樹脂A−6]に変えた以外は、実施例2と同様にして、[トナー6]を作製した。
実施例2において、結着樹脂1として[結着樹脂A−2]から[結着樹脂A−7]に変えた以外は、実施例2と同様にして、[トナー7]を作製した。
実施例2において、結着樹脂2として[結着樹脂C−1]から[結着樹脂C−2]に変えた以外は、実施例2と同様にして、[トナー8]を作製した。
実施例2において、結着樹脂2として[結着樹脂C−1]から[結着樹脂C−3]に変えた以外は、実施例2と同様にして、[トナー9]を作製した。
実施例2において、結着樹脂1として[結着樹脂A−2]から[結着樹脂B−1]に変えた以外は、実施例2と同様にして、[トナー10]を作製した。
実施例2において、結着樹脂1として[結着樹脂A−2]から[結着樹脂B−2]に変えた以外は、実施例2と同様にして、[トナー11]を作製した。
実施例1において、結着樹脂1として[結着樹脂A−1]から[結着樹脂B−3]に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー12]を作製した。
実施例2において、結着樹脂1と結着樹脂2の投入部数をそれぞれ94部と0部に変更した以外は、実施例2と同様にして、[トナー13]を作製した。
実施例2において、結着樹脂2として[結着樹脂C−1]から[結着樹脂C−4]に変えた以外は、実施例2と同様にして、[トナー14]を作製した。
上記実施例、比較例により得られたトナーについて、以下の測定を行った。
DSC測定は、DSC−6220R(セイコーインスツル社製)を用い、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱(1回目の昇温)した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱(2回目の昇温)した。ガラス転移点以下のベースラインと、ガラス転移点以上のベースラインの高さが1/2に相当する曲線部分からガラス転移点Tg(℃)を求めた。
GPC測定は、以下のようにして測定を行った。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSK−GEL SUPER HZ2000、TSK−GEL SUPER HZ2500、TSK−GEL SUPER HZ3000
温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流速:0.35ml/min
試料:0.15wt%に調整したTHF試料溶液
試料の前処理:トナーをテトラヒドロフランTHF(安定剤含有、和光純薬社製)に0.15wt%で溶解後0.45μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いた。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical co.社製又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
上記得られた分子量分布において、分取GPCを行った。分取GPCは以下のように行った。
装置:島津製作所製 ポンプLC−6A フラクションコレクターFRC−10A RI検出器 RID−10A
カラム:SHODEX K2002×2+SHODEX K2003 Φ20×300 mm
移動相:クロロホルム
流量:2.8ml/min
カラムオーブン:45℃
得られたトナーを用いて、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
図画像は、画像形成装置(「IPSIO Color 8100」;リコー社製)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いて、厚紙(「複写印刷用紙<135>」;NBSリコー社製)をセットし、ベタ画像で1.0±0.1mg/cm2のトナーが現像されるように調節した。得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
◎:定着下限が110℃未満
○:定着下限が110℃以上125℃未満
△:定着下限が125℃以上150℃未満
×:定着下限が150℃以上
トナーを50℃で8時間保管した後、42メッシュの篩にて2分間ふるい、金網上の残存率をもって耐熱保存性の指標とした。
耐熱保存性は以下の4段階で評価した。「◎」及び「○」は全く問題ないレベルであり、「△」は若干保存性が悪いが、実用上問題ないレベルであり、「×」は高品質なトナーとして問題のあるレベルである。
◎:5%未満
○:5%以上10%未満
△:10%以上25%未満
×:25%以上
各現像剤を用いて、画像面積率12%の文字画像パターンを用いて、連続10万枚出力する耐久試験を実施し、そのときの帯電量の変化を評価した。スリーブ上から現像剤を少量採取し、ブローオフ法により帯電量変化を求め、下記基準により評価した。
◎:帯電量の変化が2.0μc/g未満
○:帯電量の変化が2.0μc/g以上5.0μc/g未満
△:帯電量の変化が5.0μc/g以上8.0μc/g未満
×:帯電量の変化が8.0μc/g以上
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写ベルト
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電装置
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写ローラ
63 感光体クリーニング装置
64 除電ランプ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100A、100B、100C 画像形成装置
120 画像形成ユニット
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (6)
- 少なくとも結着樹脂を含有するトナーであって、
前記トナーの示差走査熱量測定(DSC)において、1回目の昇温で40〜70℃にガラス転移点が見られ、前記ガラス転移点をX℃としたとき、2回目の昇温のガラス転移点がX〜X−20℃の範囲に見られず、
前記トナーのTHF可溶成分のGPCにより測定される分子量分布において、分子量が300以上5000以下の範囲における任意の分子量Mを選んだとき、前記分子量Mの±300の範囲における以下に定義されるピーク強度の最大値と最小値の差が30以下であることを特徴とするトナー。
ピーク強度:GPC測定により、縦軸が強度、横軸が分子量の分子量分布曲線でプロットし、分子量が20000以下の範囲において最大となる強度の値を100としたときの相対的な値 - 分取GPCにより、分子量が300以上5000以下における任意の分子量Mの±300の範囲において、ピーク強度の最大値と最小値の差が30以下である成分を分取した際に、分取された成分のうちいずれかの成分中に、下記モノマーAを含む物質が含有されていることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
モノマーA:分子量210以下であり、かつ酸官能基を有するモノマー - 前記モノマーAが、イソフタル酸、テレフタル酸及びフタル酸からなる芳香族ジカルボン酸の群並びにコハク酸、グルタル酸、アジピン酸及びセバシン酸からなる脂肪族ジカルボン酸の群から選択されるジカルボン酸であることを特徴とする請求項2に記載のトナー。
- 前記結着樹脂が、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及び1,9−ノナンジオールからなる脂肪族ジオールの群から選択される1種以上と、フマル酸、セバシン酸及びドデカンジカルボン酸からなる脂肪族ジカルボン酸の群から選択される1種以上とからなるポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のトナーを収容したことを特徴とするトナー収容ユニット。
- 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、
該記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有し、
前記トナーが、請求項1〜4のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
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