JP7118834B2 - トナーバインダー及び樹脂粒子 - Google Patents
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非結晶性樹脂(A)と結晶性ポリエステル樹脂(C)とを含有するトナーバインダーであって、結晶性ポリエステル樹脂(C)が以下の条件(1)を満たす結晶性ポリエステル樹脂(c1)と結晶性ポリエステル樹脂(c2)とを結合剤を用いて結合させたブロックポリマーであるトナーバインダー、及び前記トナーバインダーを含有する樹脂粒子である。
条件(1):0.5(cal/cm3)1/2≦[前記(c1)のSP値と前記(c2)のSP値の差の絶対値]≦2.0(cal/cm3)1/2
条件(1):0.5(cal/cm3)1/2≦[前記(c1)のSP値と前記(c2)のSP値の差の絶対値]≦2.0(cal/cm3)1/2
本発明において「結晶性」とは、軟化点(以下、Tmと略記)と融解熱の最大ピーク温度(以下、Taと略記)との比(Tm/Ta)が0.8~1.55であり、示差走査熱量測定(DSC)において、吸熱ピークの極大を有することを指す。また、「非結晶性」とは、(Tm/Ta)が1.55より大きいことを指す。Tm、Taは以下の方法で測定することができる。
高化式フローテスター{「CFT-500D」[(株)島津製作所製]等}を用いて測
定する。
Tmの測定に供する(a)は、1gを測定試料として用いる。測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)をTmとする。
示差走査熱量計{「DSC210」[セイコー電子工業(株)製]等}を用いて測定する。
Taの測定に供する(a)は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分の速度で降温し、次に70℃から10℃まで0.5℃/分の速度で降温する。ここで、一度DSCにより、昇温速度20℃/分で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される20~100℃にある吸熱ピーク温度をTa’とする。複数ある場合は最も吸熱量が大きいピークの温度をTa’とする。その後、試料を(Ta’-10)℃で6時間保管した後、(Ta’-15)℃で6時間保管する。
次いで、前記(a)を、DSCにより降温速度10℃/分で0℃まで冷却した後、昇温速度20℃/分で昇温して吸発熱変化を測定して同様のグラフを描き、吸熱量の最大ピークに対応する温度を、融解熱の吸熱ピーク温度(Ta)とする。
非結晶性ポリエステル樹脂(a1)のポリオール成分(xa)としては、ジオール及び3価以上のポリオールが挙げられる。
ジオールとしては、炭素数2~10のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール及び1,10-デカンジオール等)、炭素数4~10のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等)、炭素数11~36のアルキレングリコール(1,12-ドデカンジオール等)、炭素数11~36のアルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等)、炭素数6~36の脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等)、前記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン〔アルキレン基の炭素数2~4(オキシエチレン、オキシプロピレン等)、以下のポリオキシアルキレン基も同じ〕エーテル〔オキシアルキレン単位(以下、AO単位と略記)の数1~30〕及び2価フェノール〔単環2価フェノール(ハイドロキノン等)及びビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)〕のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2~30)、カルボキシ基を有するジオール、スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオール、及びこれらの塩が挙げられる。
これらのうち、トナーの場合に低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及びビスフェノールのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2~30)が好ましい。
これらのうち好ましいのは、3~8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2~30)である。
ジカルボン酸としては、炭素数8~36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)、炭素数4~36のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸及びセバシン酸等)、炭素数6~40の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)等〕、炭素数4~36のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸及びメサコン酸等)及びこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合等の公知の方法で行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル及びアゾビスシアノ吉草酸等)及び有機過酸化物重合開始剤〔ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2、2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等〕等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、ジ-t-ブチルパーオキサイド又は2、2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体の全量に基づいて、好ましくは0.01~10重量%、更に好ましくは0.05~8重量%、特に好ましくは0.1~6重量%である。
以下の(w11)重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素と(w12)重合性二重結合とを有する芳香族炭化水素等が挙げられる。
(w11)重合性二重結合を有する脂肪族炭化水素:
重合性二重結合を有する鎖状炭化水素としては、炭素数2~30のアルケン(エチソプレン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン及び1,7-オクタジエン等)が挙げられる。
重合性二重結合を有する環状炭化水素としては、炭素数6~30のモノ又はジシクロアルケン(シクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等)及び炭素数5~30のモノ又はジシクロアルカジエン[(ジ)シクロペンタジエン等]等が挙げられる。
スチレン、スチレンのハイドロカルビル(炭素数1~30のアルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体(α-メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4-ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン等)及びビニルナフタレン等が挙げられる。
炭素数3~15の不飽和モノカルボン酸{(メタ)アクリル酸[「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する]、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等}、炭素数3~30の不飽和ジカルボン酸及びその無水物[(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びメサコン酸等]及び炭素数3~10の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1~10)エステル(マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル及びシトラコン酸モノデシルエステル等)等が挙げられる。
アミン塩としては、アミン化合物であれば特に限定されないが、1級アミン塩(エチルアミン塩、ブチルアミン塩及びオクチルアミン塩等)、2級アミン(ジエチルアミン塩及びジブチルアミン塩等)、3級アミン(トリエチルアミン塩及びトリブチルアミン塩等)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルラウリルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩及びトリブチルラウリルアンモニウム塩等が挙げられる。
炭素数2~14のアルケンスルホン酸(ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等)、スチレンスルホン酸及びそのアルキル(炭素数2~24)(α-メチルスチレンスルホン酸等)、炭素数5~18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル-(メタ)アクリレート(スルホプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸等)、炭素数5~18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド[2-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2-ジメチルエタンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及び3-(メタ)アクリルアミド-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸等]、アルキル(炭素数3~18)アリルスルホコハク酸(プロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸及び2-エチルヘキシル-アリルスルホコハク酸等)、重合度が2~30のポリオキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン等。オキシアルキレンは単独又は併用でもよく、併用する場合、付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよい。)、モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[重合度が5~15のポリオキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル及び重合度が5~15のポリオキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]及びこれらの塩等が挙げられる。
アルキル基の炭素数が1~24である(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル-2-アクリロイロキシエチルホスフェート等)、アルキル基の炭素数が1~24である(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(2-アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)が挙げられる。
なお、塩としては、前記(w2)でカルボキシ基と重合性二重結合を有する単量体を構成する塩として例示したものが挙げられる。
ヒドロキシスチレン、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1-ブテン-3-オール、2-ブテン-1-オール、2-ブテン-1,4-ジオール、プロパルギルアルコール、2-ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び庶糖アリルエーテル等が挙げられる。
(w61)アミノ基と重合性二重結合を有する単量体、(w62)アミド基と重合性二重結合を有する単量体、(w63)ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3~10の単量体、(w64)ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数8~12の単量体等が挙げられる。
(w61)アミノ基と重合性二重結合を有する単量体:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノエチルメタクリレート、N-アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4-ビニルピリジン、2-ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N-ジメチルアミノスチレン、メチル-α-アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N-ビニルピロール、N-ビニルチオピロリドン、N-アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール及びこれらの塩等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’-メチレン-ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド及びN-ビニルピロリドン等が挙げられる。
(w63)ニトリル基と重合性二重結合を有する炭素数3~10の単量体:
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアクリレート等が挙げられる。
(w64)ニトロ基と重合性二重結合を有する炭素数8~12の単量体:
ニトロスチレン等が挙げられる。
グリシジル(メタ)アクリレート及びp-ビニルフェニルフェニルオキサイド等が挙げられる。
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロロスチレン、ブロムスチレン、ジクロロスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン及びクロロプレン等が挙げられる。
(w91)重合性二重結合を有する炭素数2~24のエステル、(w92)重合性二重結合を有する炭素数3~16のエーテル、(w93)重合性二重結合を有する炭素数4~12のケトン、(w94)重合性二重結合を有する炭素数2~16の含硫黄化合物等が挙げられる。
(w91)重合性二重結合を有する炭素数2~24のエステル:
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル-4-ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル-α-エトキシアクリレート、炭素数1~22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びエイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2~8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2~8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン及びテトラメタアリロキシエタン等)等、ポリアルキレングリコール鎖と重合性二重結合を有する単量体[ポリエチレングリコール[Mn=300]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn=500)モノアクリレート、メチルアルコールEO10モル付加物(メタ)アクリレート及びラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート[多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
(w92)重合性二重結合を有する炭素数3~16のエーテル:
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル-2-エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル-2-メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル-2-ブトキシエチルエーテル、3,4-ジヒドロ-1,2-ピラン、2-ブトキシ-2’-ビニロキシジエチルエーテル、アセトキシスチレン及びフェノキシスチレン等が挙げられる。
(w93)重合性二重結合を有する炭素数4~12のケトン:
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等が挙げられる。
(w94)重合性二重結合を有する炭素数2~16の含硫黄化合物:
ジビニルサルファイド、p-ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等が挙げられる。
分岐型脂肪族ジオールとしては、炭素数2~36の分岐型脂肪族ジオール(例えば、ネオペンチルグリコール及び2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール)等)が挙げられる。
上記の脂肪族ジオール以外の脂肪族ジオールとしては、炭素数4~36のアルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール)、炭素数4~36の脂環式ジオール(例えば、1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA)、上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)〔エチレンオキサイド(以下EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下BOと略記する)など〕付加物(付加モル数1~30)及びポリブタジエンジオールなど)が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3~8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物である。
ジカルボン酸としては、炭素数4~36の脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸など);炭素数6~40の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)など〕、炭素数4~36のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸など);炭素数8~36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t-ブチルイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸など)などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸及びポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1~4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
条件(1):0.5(cal/cm3)1/2≦[前記(c1)のSP値と前記(c2)のSP値の差の絶対値]≦2.0(cal/cm3)1/2
前記(c1)のSP値と前記(c2)のSP値の差の絶対値が0.5(cal/cm3)1/2未満であると、定着時の加温より前に前記(A)と前記(c1)が相溶したり、樹脂粒子表面に結晶性ポリエステル樹脂(C)が露出したりして耐熱保存安定性が悪化する。前記(c1)のSP値と前記(c2)のSP値の差の絶対値が2.0(cal/cm3)1/2を超えると、結晶性ポリエステル樹脂(C)を製造する際の反応性が悪くなる。
条件(2):[前記(A)のSP値と前記(c1)のSP値の差の絶対値]≦1.0(cal/cm3)1/2
条件(3):[前記(A)のSP値と前記(c2)のSP値の差の絶対値]>1.0(cal/cm3)1/2
前記(A)のSP値と前記(c1)のSP値の差の絶対値が1.0(cal/cm3)1/2未満であると低温定着性が向上する。前記(A)のSP値と前記(c2)のSP値の差の絶対値が1.0(cal/cm3)1/2以上であると耐熱保存性が向上する。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147~154頁)」
多価カルボン酸及び酸無水物としては、前記ジカルボン酸成分と同様のものが挙げられる。多価アルコールとしては、前記ジオール成分と同様のものが挙げられる。
多価イソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6~20の芳香族ジイソシアネート(ジフェニルメタンジイソシアネート等)、炭素数2~18の脂肪族ジイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート等)、炭素数4~15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8~15の芳香脂肪族ジイソシアネート及びこれらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
多官能エポキシとしては、ビスフェノールA型又は-F型エポキシ化合物(ビスフェノールA型又は-F型ジグリシジルエーテル等)、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールA又は-FのAO付加体のジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAのAO付加体のジグリシジルエーテル、ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等)のジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジ又はトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリ又はテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘプタ又はヘキサグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン・フェノール付加型グリシジルエーテル、メチレンビス(2,7-ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、1,6-ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
結合剤として、反応性の観点から、好ましくは多価イソシアネート及び多官能エポシキであり、更に好ましくは多価イソシアネートである。
条件(4):HLB値(c1)> HLB値(A)> HLB値(c2)
ここでHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値とは、無機性/有機性のバランスを示す尺度であり、HLB値が高いほど無機性が高いことを意味する。計算は小田法を用い、下記式によって算出される。なお、(c1)及び(c2)のHLB値は、ポリエステル末端のカルボキシ基及びヒドロキシ基を含めて計算する。
HLB値 ≒ 10×無機性/有機性
(参考:「界面活性剤入門」2007年 三洋化成工業株式会社発行 P212)
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。使用できるエステル化触媒は、非晶性ポリエステル樹脂(a1)の製造方法で用いたものと同様の物を使用することができる。
脱水反応としては、両者とも両末端アルコール樹脂で、これらを結合剤(多価カルボン酸等)で結合する反応等が挙げられる。この場合、無溶剤下、反応温度180℃~230℃で反応し、ブロックポリマーが得られる。
付加反応としては、両者とも末端にヒドロキシ基を有する樹脂であり、これらを結合剤(多価イソシアネート等)で結合する反応等が挙げられる。この場合、(c1)及び(c2)ともに溶解可能な溶剤に溶解させ、これに結合剤を投入し、反応温度80℃~150℃で反応し、ブロックポリマーが得られる。また、もう一つの場合、(c1)又は(c2)のどちらか一方と結合剤とを反応させた後、(c1)又は(c2)のどちらか他方を投入して反応し、ブロックポリマーが得られる。また、両者とも末端にカルボキシ基を有する樹脂の場合、これらを結合剤(多価エポキシ等)で結合する反応等があげられる。この場合、(c1)及び(c2)ともに溶解可能な溶剤に溶解させ、これに結合剤を投入し、反応温度80℃~150℃で反応し、ブロックポリマーが得られる。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ソルベントイエロー(21、77及び114等)、ピグメントイエロー(12、14、17及び83等)、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、ソルベントレッド(17、49、128、5、13、22及び48・2等)、ディスパースレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ソルベントブルー(25、94、60及び15・3等)、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性金属の粉末、マグネタイト、ヘマタイト並びにフェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブチレン、1-ヘキセン、1-ドデセン、1-オクタデセン及びこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及び熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[マレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1~18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1~18)エステル等]等との共重合体、ポリメチレン(サゾールワックス等のフィシャートロプシュワックス等)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸カルシウム等)及び脂肪酸エステル(ベヘニン酸ベヘニル等)等が挙げられる。
トナーバインダーの含有率は、樹脂粒子の重量に基づき、好ましくは30~97重量%であり、更に好ましくは40~95重量%、特に好ましくは45~92重量%である。
着色剤の含有率は、樹脂粒子の重量に基づき、好ましくは0~60重量%であり、更に好ましくは0.1~55重量%、特に好ましくは0.5~50重量%である。
離型剤の含有率は、樹脂粒子の重量に基づき、好ましくは0~30重量%であり、更に好ましくは0.5~20重量%、特に好ましくは1~10重量%である。
荷電制御剤の含有率は、樹脂粒子の重量に基づき、好ましくは0~20重量%であり、更に好ましくは0.1~10重量%、特に好ましくは0.5~7.5重量%である。
また、本発明の樹脂粒子は、必要に応じて、キャリアー粒子[鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト及び樹脂(アクリル樹脂及びシリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等]と混合して、電気的潜像の現像剤として用いることができるが、この粒子化の過程(乳化転相法及び重合法等)で得ることもできる。
具体的には、樹脂粒子の構成成分を有機溶剤に溶解又は分散した後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。特開2002-284881号公報に記載の有機微粒子を用いる方法により製造してもよい。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管、窒素導入管及び減圧装置を備えた反応容器に、エチレングリコール348重量部、セバシン酸843重量部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート2重量部を入れ、180℃に昇温し、同温度で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させ、次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成する水を留去しながら4時間反応させ、更に0.007~0.026MPaの減圧下で水を留去しながら反応させ、酸価が0.1[mgKOH/g]以下になった時点で取り出し、結晶性ポリエステル樹脂(c0-1)を得た。
製造例1において、エチレングリコール348重量部を1,6-ヘキサンジオール643重量部に、セバシン酸843重量部をアジピン酸737重量部に変更した他は製造例1と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂(c0-2)を得た。
製造例1において、エチレングリコール348重量部を1,12-ドデカンジオール614重量部に、セバシン酸843重量部を466重量部に変更した他は製造例1と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂(c0-3)を得た。
製造例1において、エチレングリコール348重量部を1,9-ノナンジオール529重量部に、セバシン酸843重量部をドデカン二酸675重量部に変更した他は製造例1と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂(c0-4)を得た。
製造例1において、エチレングリコール348重量部を1,12-ドデカンジオール596重量部に、セバシン酸843重量部をドデカン二酸595重量部に変更した他は製造例1と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂(c0-5)を得た。
製造例1において、エチレングリコール348重量部を554重量部に、セバシン酸843重量部をコハク酸850重量部に変更した他は製造例1と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂(c0-6)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、窒素を導入しながら結晶性ポリエステル樹脂(c0-1)42.2重量部、結晶性ポリエステル樹脂(c0-3)52.8重量部、酢酸エチル100重量部を入れ、60℃に昇温し、均一に溶解させ、次いで結合剤として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)5重量部を、窒素を導入しながら投入した。
次いで90℃に昇温し、10時間かけてウレタン化反応を行い、結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-1)の酢酸エチル溶液を得た後酢酸エチルを留去し、結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-1)を得た。結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-1)のNCO含有率は0%であった。
以下の表2に記載の原料を用いた以外は製造例7と同様にして、結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-2)、(C-3)及び(C-6)~(C-8)を得た。結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-2)、(C-3)及び(C-6)~(C-8)のNCO含有率はそれぞれ0%であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、窒素を導入しながら結晶性ポリエステル樹脂(c0-2)19.0重量部、結晶性ポリエステル樹脂(c0-5)76.0重量部、酢酸エチル100重量部を入れ、60℃に昇温し、均一に溶解させ、次いで結合剤として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル5重量部を、窒素を導入しながら投入した。
次いで90℃に昇温し、10時間かけて付加反応を行い、結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-4)の酢酸エチル溶液を得た後酢酸エチルを留去し、結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-4)を得た。結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-4)のエポキシ当量は0であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、窒素を導入しながら結晶性ポリエステル樹脂(c0-2)42.2重量部、酢酸エチル100重量部を入れ、60℃に昇温し、均一に溶解させ、次いで結合剤として、イソホロンジイソシアネート(IPDI)5重量部を、窒素を導入しながら投入した。
次いで90℃に昇温し、10時間かけてウレタン化反応を行い、その後、結晶性ポリエステル樹脂(c0-4)52.8重量部を入れ、更に10時間かけてウレタン化反応を行い、結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-5)の酢酸エチル溶液を得た後酢酸エチルを留去し、結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-5)を得た。結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-5)のNCO含有率は0%であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物235重量部、ビスフェノールA・PO3モル付加物196重量部、ビスフェノールA・EO2モル付加物243重量部、トリメチロールプロパン9重量部、テレフタル酸226重量部、アジピン酸40重量部及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2重量部を入れ、次いで230℃まで徐々に昇温しながら、0.5~2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸28重量部を加え、常圧密閉下1時間反応後、取り出し、非結晶性ポリエステル樹脂(A-1)を得た。
製造例15において、ビスフェノールA・PO2モル付加物235重量部、ビスフェノールA・PO3モル付加物196重量部、ビスフェノールA・EO2モル付加物243重量部、トリメチロールプロパン9重量部、テレフタル酸226重量部、アジピン酸40重量部をプロピレングリコール826重量部、トリメチロールプロパン27重量部、テレフタル酸584重量部、アジピン酸87重量部に変更した他は製造例15と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂(A-2)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、キシレン250重量部を投入し、別のガラス製ビーカーに、スチレン395重量部、n-ブチルアクリレート105重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド5重量部を投入したものを40℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに投入した。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下70℃で2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から6時間、70℃で熟成し、非結晶性ポリビニル樹脂(A-3)溶液を得た後、キシレンを留去して、非結晶性ポリビニル樹脂(A-3)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、水690.0重量部、ポリオキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステルのナトリウム塩「エレミノールRS-30」[三洋化成工業(株)製]9.0重量部、スチレン90.0重量部、メタクリル酸90.0重量部、アクリル酸ブチル110.0重量部及び過硫酸アンモニウム1.0重量部を投入し、350回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
次いで75℃まで昇温し、同温度で5時間反応させた。更に、1重量%過硫酸アンモニウム水溶液30重量部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン-メタクリル酸-アクリル酸ブチル-メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の微粒子分散液(O-1)を得た。
微粒子分散液に分散されている粒子の体積平均粒径を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA-920」[(株)堀場製作所製]を用いて測定したところ、0.1μmであった。微粒子分散液(O-1)の一部を取り出し、Tg及びMwを測定したところ、Tgは65℃であり、Mwは150,000であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、プロピレングリコール557重量部、テレフタル酸ジメチルエステル569重量部、アジピン酸184重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3重量部を投入し、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール及び水を留去しながら4時間反応させ、更に0.007~0.026MPaの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは175重量部であった。
次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸121重量部を加え、常圧密閉下で2時間反応後、220℃、常圧で軟化点が180℃になるまで反応させ、ポリエステル樹脂(Mn=8,500)を得た。
ビーカーに、フタロシアニンブルー20重量部と着色剤分散剤「ソルスパーズ28000」[アビシア(株)製]4重量部、得られたポリエステル樹脂20重量部及び酢酸エチル56重量部を投入し、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによってフタロシアニンブルーを微分散して、着色剤分散液(P-1)を得た。着色剤分散液(P-1)の「LA-920」で測定した体積平均粒径は0.2μmであった。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、キシレン454重量部、熱減成型ポリオレフィン(低分子量ポリエチレン) 「サンワックス LEL-400」[軟化点:128℃、三洋化成工業(株)製]150重量部を投入し、窒素置換後撹拌下170℃に昇温し、同温度でスチレン595重量部、メタクリル酸メチル255重量部、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34重量部及びキシレン119重量部の混合溶液を3時間かけて滴下し、更に同温度で30分間保持した。次いで0.039MPaの減圧下でキシレンを留去し、変性ワックス(w-1)を得た。
変性ワックス(w-1)のグラフト鎖のSP値は10.35(cal/cm3)1/2、Mnは1,900、Mwは5,200、Tgは56.9℃であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、パラフィンワックス「HNP-9」[融解熱最大ピーク温度:73℃、日本精鑞(株)製]10重量部、変性ワックス(w-1)1重量部及び酢酸エチル33重量部を投入し、撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、離型剤分散液(W-1)を得た。得られたパラフィンワックス微粒子の体積平均粒径は0.25μmであった。
結晶性ポリエステルブロック樹脂(C-1)10重量部と、非結晶性ポリエステル樹脂(A-1)90重量部とを乾式配合し、トナーバインダー(R-1)を得た。
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に、着色分散液(P-1)30重量部、離型剤分散液(W-1)140重量部、トナーバインダー(R-1)100重量部及び酢酸エチル153重量部を投入し、撹拌してトナーバインダーを均一に溶解させ、樹脂溶液(D-1)を得た。ビーカーに、イオン交換水170.2重量部、微粒子分散液0.3重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液「エレミノールMON-7」[三洋化成工業(株)製]36重量部及び酢酸エチル15.3重量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。次いで、TKオートホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、樹脂溶液(D-1)63.8重量部投入し2分間撹拌した。次いでこの混合液を撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に移し、50℃で混合液中の酢酸エチル濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た。次いで洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下として、樹脂粒子(S-1)を得た。
以下の表4に記載の原料を用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(S-2)~(S-7)、(S’-1)~(S’-2)を得た。
樹脂粒子(S-1)~(S-7)、(S’-1)~(S’-2)を水に分散して、コールターカウンター「マルチサイザーIII」(ベックマンコールター社製)で体積平均粒径を測定した。
樹脂粒子(S-1)~(S-7)、(S’-1)~(S’-2)を40℃の雰囲気で1日間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記の基準で耐熱保存安定性を評価した。
[評価基準]
○:ブロッキングが発生していない。
×:ブロッキングが発生している。
熱定着機を外したプリンターを用いて紙面上に0.6mg/cm2となるよう均一に樹脂粒子(S-1)~(S-7)、(S’-1)~(S’-2)を載せた。この紙を加圧ローラーを有する熱定着機に定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通して、コールドオフセットの発生温度を測定した。コールドオフセットの発生温度が低いほど低温定着性に優れることを意味する。
樹脂粒子0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F-150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、50%R.H.で8時間以上調湿した後、ターブラーシェーカーミキサー(ウイリー・ア・バショッフェン社製)にて50rpm×10分間摩擦撹拌し帯電量を測定した。測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。摩擦時間10分の帯電量をもって飽和帯電量とした。なお、トナー用とした場合にはマイナス帯電量が高いほど帯電特性が優れており、-25μC/g以下であれば帯電特性が良好であると判断される。
上記飽和帯電量の測定において、調湿条件を(1)温度23℃、湿度50%から(2)温度40℃、湿度85%に変更した以外は、同様の操作を行い、樹脂粒子の帯電量(μC/g)を測定した。調湿条件(2)での帯電量と調湿条件(1)での帯電量との比[Q(40℃、85%)/Q(23℃、50%)]を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
[評価基準]
○:0.5以上
△:0.3以上0.5未満
×:0.3未満
・エチレングリコール[日本触媒製]
・1,6-ヘキサンジオール[宇部興産製]
・1,9-ノナンジオール[クラレ製]
・1,12-ドデカンジオール[宇部興産製]
・セバシン酸[豊国製油製]
・アジピン酸[旭化成製]
・ドデカン二酸[宇部興産製]
・コハク酸[三井化学製]
・ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)[旭化成製]
・ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)[東ソー製]
・イソホロンジイソシアネート(IPDI)[東京化成工業製]
・ビスフェノールAジグリシジルエーテル[東京化成工業製]
・ビスフェノールA・PO2モル付加物(BP-2P)[三洋化成工業製]
・ビスフェノールA・PO3モル付加物(BP-3P)[三洋化成工業製]
・ビスフェノールA・EO2モル付加物(BPE-20)[三洋化成工業製]
・トリメチロールプロパン(TMP)[三菱ガス化学製]
・テレフタル酸[三井化学製]
・チタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート[三洋化成工業製]
・無水トリメリット酸[百川化工有限公司製]
Claims (7)
- 非結晶性樹脂(A)と結晶性ポリエステル樹脂(C)とを含有するトナーバインダーであって、結晶性ポリエステル樹脂(C)が以下の条件(1)を満たす結晶性ポリエステル樹脂(c1)と結晶性ポリエステル樹脂(c2)とを結合剤を用いて結合させたブロックポリマーであるトナーバインダー。
条件(1):0.5(cal/cm3)1/2≦[前記(c1)のSP値と前記(c2)のSP値の差の絶対値]≦2.0(cal/cm3)1/2 - 更に、結晶性ポリエステル樹脂(c1)と結晶性ポリエステル樹脂(c2)が、以下の条件(2)及び(3)を満たす請求項1記載のトナーバインダー。
条件(2):[前記(A)のSP値と前記(c1)のSP値の差の絶対値]≦1.0(cal/cm3)1/2
条件(3):[前記(A)のSP値と前記(c2)のSP値の差の絶対値]>1.0(cal/cm3)1/2 - 非結晶性樹脂(A)、結晶性ポリエステル樹脂(c1)及び結晶性ポリエステル樹脂(c2)の親水性親油性バランス(HLB値)[小田法による]が以下の条件(4)を満たす請求項1又は2に記載のトナーバインダー。
条件(4):HLB値(c1)> HLB値(A)> HLB値(c2) - 結晶性ポリエステル樹脂(c1)と結晶性ポリエステル樹脂(c2)との重量比(c1/c2)が、25/75~75/25である請求項1~3いずれか1項に記載のトナーバインダー。
- 非結晶性樹脂(A)と結晶性ポリエステル樹脂(C)との重量比(A/C)が、99/1~60/40である請求項1~4いずれか1項に記載のトナーバインダー。
- 結合剤が多価イソシアネート及び/又は多官能エポキシである請求項1~5いずれか1項に記載のトナーバインダー。
- 請求項1~6いずれか1項に記載のトナーバインダーを含有する樹脂粒子。
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