JP6357503B2 - トナーバインダーおよびトナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法や静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜像の現像に用いられるトナー組成物およびトナーバインダーに関する。
近年、電子写真システムの発展に伴い、複写機やレーザープリンター等の電子写真装置の需要は急速に増加しており、それらの性能に対する要求も高度化している。一般に、電子写真方式では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成した後、トナーを用いて潜像を現像し、トナー画像を形成する。そのトナー画像を紙等の記録媒体上に転写した後、加熱等の方法で定着する。
これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナーはまず安定した帯電量を保持することが必要であり、次に紙への定着性が良好であることが必要とされる。また、装置は定着部に加熱体を有するため、装置内で温度が上昇することから、トナーは、装置内でブロッキングしないことが要求される。
さらに、電子写真装置の小型化、高速化、高画質化の促進とともに、定着工程における消費エネルギーを低減するという省エネルギーの観点から、トナーの低温定着性の向上が強く求められている。また、トナー画像を熱ロール定着方式により定着する場合には定着時に熱ロールと溶融状態のトナーとが直接接触するが、このとき熱ロール上に移行したトナーが次に送られてくる転写紙等を汚す、いわゆるオフセット現象が発生するため、耐オフセット性が要求されるのが前提である。したがって、耐オフセット性を維持しつつ、低温定着性を発現させる必要があり、より広いワーキングレンジ、例えば定着温度幅が50℃以上を有するトナーが要求されるようになってきている。
トナーバインダーは、上述のようなトナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等が知られているが、最近では、保存性と定着性のバランスを取りやすいことから、ポリエステル樹脂が特に注目されている。
従来、ポリエステル樹脂の定着温度幅を拡大させる方法として、三官能以上のモノマーを使用した三次元架橋構造を有する非線状ポリエステル樹脂を用いる方法が検討されてきた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載された非線状ポリエステル樹脂は、耐ホットオフセット性に優れ、高い最高定着温度を発現することができるものの、低温定着性のレベルがまだ十分ではなかった。
そこで、低温定着性を改良する手段として、2価のカルボン酸化合物と、2価のアルコール化合物からなる線状ポリエステル樹脂を使用することが検討されている。(例えば、特許文献2参照)。しかしながら三次元構造を有しない線状ポリエステル樹脂は、低温定着性に優れるという反面、耐ホットオフセット性に劣るため広い定着温度幅が得られないという問題があった。
そこで、高分子化用樹脂とポリエステル樹脂の混合物とイソシアネートとの反応生成物を用いたトナーが提案されている。(特許文献3〜5)
しかしながら、この方法でも同様に高温でのオフセット現象はある程度防止できても、同時に定着下限温度も上昇するため低温定着が困難となり、また、イソシアネートから誘導されるウレア基やウレタン基の高凝集性により、樹脂の粉砕性が著しく悪くなる。さらに樹脂の均一性が損なわれ耐熱保存性も悪化し、未だ高速化、省エネルギー化の要求には十分に答えられていない。
そこで、不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂を、ラジカル反応開始剤で架橋反応させて得られる生成物を用いたトナーが提案されている。(特許文献6〜11)
しかしながら、この方法でも同様に高温でのオフセット現象はある程度防止できても、同時に定着下限温度も上昇するため低温定着が困難となり、未だ高速化、省エネルギー化の要求には十分に答えられていない。
一方で、特許文献12では水相中で造粒する懸濁重合法により得られるケミカルトナーが提案されている。この方法は、モノマー、重合開始剤、着色剤、離型剤等を、分散安定剤を含む水相中に攪拌しながら加えて油滴を形成させ、その後、昇温して重合反応を行わせることにより、トナー粒子を得る方法である。この懸濁重合法によれば、トナー粒子の小粒径化や樹脂の均一化ができることで低温定着性、耐ホットオフセット性と耐熱保存性の両立も可能であるものの、界面活性剤(分散安定剤)を用いなければならず、これが残存することによって帯電性を低下させるという問題がある。
以上、述べたように、低温定着性および耐ホットオフセット性を両立しつつ、トナーの光沢性、流動性、耐熱保存性、帯電安定性、粉砕性、画像強度、耐折り曲げ性およびドキュメントオフセット性のすべてを満足する優れたトナーバインダーおよびトナーは、これまでなかった。
特開昭57−109825号公報 特開平4−12367号公報 特開昭63−56659号公報 特開平4−211272号公報 特開2004−258627号公報 特開2001−013726号公報 特開2006−154625号公報 特開2005−99428号公報 特開2008−233531号公報 国際公開第2007/34813号 特開2010−204141号公報 特開2007−212753号公報
本発明は、低温定着性および耐ホットオフセット性を両立しつつ、トナーの光沢性、流動性、耐熱保存性、帯電安定性、粉砕性および画像強度のすべてを満足する優れたトナーバインダーおよびトナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、非線形ポリエステル変性樹脂(A)を含有するトナーバインダーであって、非線形ポリエステル変性樹脂(A)が、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを構成原料とするポリエステル樹脂(A1)とラジカル反応性基を有する数平均分子量1,000以下の化合物(a)とが架橋した変性樹脂であり、(A)が(A1)中の(z)および(a)由来の炭素−炭素二重結合同士で架橋してなる変性樹脂であり、トナーバインダーが−20℃〜80℃の温度範囲に示差走査熱量測定(DSC)によるチャートでガラス転移温度Tgを示す変曲点を少なくとも1個有することを特徴とするトナーバインダー;およびこのトナーバインダーが着色剤を含有するトナーである。
本発明により、低温定着性および耐ホットオフセット性を両立しつつ、トナーの光沢性、流動性、耐熱保存性、帯電安定性、粉砕性および画像強度に優れたトナーバインダーおよびトナーを提供することが可能になった。
本発明のトナーバインダーは、非線形ポリエステル変性樹脂(A)を含有するトナーバインダーであって、この非線形ポリエステル変性樹脂(A)が、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを構成原料とするポリエステル樹脂(A1)とラジカル反応性基を有する数平均分子量1,000以下の化合物(a)とが架橋した変性樹脂であり、(A)が(A1)中の(z)および(a)由来の炭素−炭素二重結合同士で架橋してなる変性樹脂であり、トナーバインダーが−20℃〜80℃の温度範囲に示差走査熱量測定(DSC)によるチャートでガラス転移温度Tgを示す変曲点を少なくとも1個有することを特徴とするトナーバインダーである。
また、トナーバインダーは、示差走査熱量測定(DSC)により得られるチャートの−20℃〜80℃の温度範囲に、ガラス転移温度(Tg)を示す変曲点を少なくとも1個有する。
以下に、本発明のトナーバインダーを順次、説明する。
本発明のトナーバインダーは、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを構成原料とするポリエステル樹脂(A1)中の(z)およびラジカル反応性基を有する数平均分子量1,000以下の化合物(a)由来の炭素−炭素二重結合同士架橋してなる非線形ポリエステル変性樹脂(A)を必須成分として含む。
また、ポリエステル樹脂は1種類でもよいし、2種類以上のポリエステル樹脂の混合物でもよく、たとえば本発明で規定された非線形ポリエステル変性樹脂(A)と、後述するポリエステル樹脂(A1)を除く、ポリエステル樹脂(B)の組み合わせでもよい。
また、本発明におけるポリエステル樹脂(A1)は、1種類以上のアルコール成分(y)と、1種類以上の不飽和カルボン酸成分(z)を重縮合して得られ、不飽和カルボン酸成分(z)に起因する炭素−炭素二重結合を分子内に有する。
さらに、(A1)は、(y)と(z)以外に、1種類以上の飽和カルボン酸成分(x)を構成原料として併用して重縮合してもよい。
アルコール成分(y)としては、モノオール(y1)、ジオール(y2)、3〜8価またはそれ以上のポリオール(y3)等が挙げられる。
モノオール(y1)としては、炭素数1〜30のアルカノール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)等が挙げられる。
これらモノオールのうち好ましいものは炭素数8〜24のアルカノールであり、さらに好ましくはドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの併用である。
ジオール(y2)としては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール及び1,12−ドデカンジオール等);
炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);
炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);
上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン〔アルキレン基の炭素数2〜4(オキシエチレン及びオキシプロピレン等)以下のポリオキシアルキレン基も同じ〕エーテル〔オキシアルキレン単位(以下、AO単位と略記)の数1〜30〕;
2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);等が挙げられる。
これらのうち、低温定着性と耐熱保存性の観点から、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテルが好ましい。
ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテルは、通常、ビスフェノール類にアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」をAOと略記することがある。)を付加して得られる。ビスフェノール類としては、下記一般式(8)で示されるものが挙げられる。
OH−Ar−X−Ar−OH (8)
[式中、Xは炭素数1〜3のアルキレン基、−SO−、−O−、−S−、または直接結合を表し;Arは、ハロゲン原子または炭素数1〜30のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を表す。]
具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、トリクロロビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ジブロモビスフェノールF、2−メチルビスフェノールA、2,6−ジメチルビスフェノールA及び2,2’−ジエチルビスフェノールFが挙げられ、これらは2種以上を併用することもできる。
これらビスフェノール類に付加するアルキレンオキサイドとしては、炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドが好ましく、具体的には、エチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」をEOと略記することがある。)、プロピレンオキサイド(以下、「プロピレンオキサイド」をPOと略記することがある。)、1,2−、2,3−、1,3−又はiso−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
これらの中で好ましくはEO及び/又はPOである。AOの付加モル数は、好ましくは2〜30モル、さらに好ましくは2〜10モルである。
ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテルのうち、トナーの定着性の観点から好ましいものは、ビスフェノールAのEO及び/又はPO付加物(平均付加モル数2〜4、特に2〜3)である。
3〜8価またはそれ以上の価数のポリオール(y3)としては、以下の(y31)〜(y35)が挙げられる。
炭素数3〜36の3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール(y31)(アルカンポリオール及びその分子内又は分子間脱水物;
例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン及びジペンタエリスリトールなど
糖類及びその誘導体(y32);
例えばショ糖及びメチルグルコシドなど
上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30)(y33);
トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)(y34);
ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)(y35)等
が挙げられる。
これらのアルコール成分(y)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)、3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール、及びノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
保存安定性の観点からさらに好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)、ノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
特に好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)であり、最も好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜3)である。
不飽和カルボン酸成分(z)としては、不飽和モノカルボン酸(z1)、不飽和ジカルボン酸(z2)、およびこれらの酸の無水物や低級アルキルエステルが挙げられる。
不飽和モノカルボン酸(z1)としては、炭素数2〜30の不飽和モノカルボン酸が挙げられ、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、プロピオル酸、2−ブチン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、3−ブテン酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、4−ペンテン酸、2−エチル−2−ブテン酸、10−ウンデセン酸、2,4−ヘキサジエン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸(z2)としては、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸が挙げられ、具体的にはドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸及びグルタコン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[数平均分子量(以下Mnと記載、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による):450〜10,000](α−オレフィン/マレイン酸共重合体等が挙げられる。
これらの不飽和カルボン酸(z)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸、プロピオル酸、ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸である。
さらに好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、及びこれらの併用である。また、これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分として、不飽和カルボン酸成分(z)は必須であるが、飽和カルボン酸成分(x)を構成原料として併用してもよい。
このような飽和カルボン酸成分(x)としては、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸及びセバシン酸等)、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、等が挙げられる。
飽和カルボン酸成分(x)として、これらのカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよいし、これらのカルボン酸と併用してもよい。
これらの飽和カルボン酸成分(x)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、及び炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸である。
保存安定性の観点からさらに好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びこれらの併用である。
特に好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂(A1)は、特に限定はしないが高温下での弾性を向上させる観点から非線形であることが好ましい。
また、本発明におけるポリエステル樹脂(A1)の製造法は特に限定はしないが、前述のようにアルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)を構成原料とする。さらにポリエステル樹脂(A1)が非線形である場合は、例えば不飽和カルボン酸成分(z)に加えて、構成原料であるアルコール成分(y)として3価以上のポリオールを用いる場合や、飽和カルボン酸成分(x)として3価以上のカルボン酸またはこの酸無水物もしくは低級アルキルエステルを用いる場合などが挙げられる。非線形であることにより、耐熱保存性と耐ホットオフセット性が向上する。
本発明におけるポリエステル樹脂(B)は、ポリエステル樹脂(A1)を除く、ポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂(B)は、1種類以上のアルコール成分(y)と、1種類以上の飽和カルボン酸成分(x)を重縮合して得られる。
アルコール成分(y)としては、(A1)のアルコール成分(y)と同様のものが挙げられる。
カルボン酸成分(x)としては、(A1)の飽和カルボン酸成分(x)と同様のものが挙げられる。
本発明において、各々のポリエステル樹脂は、通常のポリエステル樹脂と同様にして製造することができる。
例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに好ましくは2〜40時間である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒〔例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)及びそれらの分子内重縮合物等〕、及び特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
また、ポリエステル重合安定性を得る目的で、安定剤を添加してもよい。安定剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ヒンダードフェノール化合物などが挙げられる。
アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)および/または飽和カルボン酸成分(x)の合計の仕込み比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.4/1〜1/1.2である。
ポリエステル樹脂(A1)のガラス転移温度(TgA1)は、−35〜45℃であることが好ましく、さらに好ましくは−30〜43℃、特に好ましくは−25〜40℃であり、最も好ましくは−20〜38℃である。
Tgが45℃以下であると低温定着性が良好になり、−35℃以上であると耐熱保存性が良好になる。なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えばセイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
具体的には 試料5mgをDSC装置の容器に入れ,ガラス転移終了時より約30℃高い温度まで毎分20℃で加熱し、ガラス転移温度より約50℃低い温度まで毎分60℃で冷却した後、ガラス転移終了時より約30℃高い温度まで毎分20℃で加熱する。
上記測定から吸発熱量と温度とのグラフを描き、そのグラフの低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
ポリエステル樹脂(A1)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるピークトップ分子量が2,000〜12,000であることが好ましく、さらに好ましくはピークトップ分子量が3,000〜11,500であり、特に好ましくはピークトップ分子量が3,500〜11,000であり、最も好ましくはピークトップ分子量が4,000〜10,500である。
ピークトップ分子量が2,000〜12,000であると、低温定着性とホットオフセット性が好ましくなる。
ここでピークトップ分子量(以下、Mpと略称することがある。)とは、試料の有する分子量分布を、標準ポリスチレン試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出し、得られた分子量分布のチャート中のピーク最大値から求められた分子量である。チャート中のピークは1つとは限らないので、複数のピークがある場合はピーク値の中で最大値を示すピークから求める。なお、GPC測定の測定条件は、以下のとおりである。
本発明において、ポリエステル樹脂等の樹脂のピークトップ分子量、数平均分子量(以下、Mnと略称することがある。)、重量平均分子量(以下、Mwと略称することがある。)は、GPCを用いて以下の条件で測定することができる。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μL
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
分子量の測定は、0.25重量%になるようにポリエステル樹脂等をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
ここで、「非線形」のポリエステル変性樹脂(A)とは、主鎖中に分岐(架橋点)を有するポリエステル樹脂である。
非線形ポリエステル変性樹脂(A)の製造法は、まず、実質的に非線形で分子内に炭素−炭素二重結合を有するポリエステル樹脂(A1)を縮合重合で得た後に、ラジカル反応開始剤(c)から発生するラジカルを利用して、(A1)中の不飽和カルボン酸成分(z)に起因する炭素−炭素二重結合同士で架橋反応が起って化学結合して、非線形ポリエステル変性樹脂(A)を製造する。
本発明で架橋反応のために用いる化合物(a)は、分子内にラジカル反応性基を有し、その数平均分子量1,000以下に限られるが、ラジカル反応性基としては、ビニル基などが挙げられる。このビニル基としては、例えば、アリル基、イソプロペニル基、アクリル基、メタクリル基、オレフィン基、及びジエン基などが挙げられる。
本発明の化合物(a)としては、その種類は特に制限されないが、例えばビニルエーテル化合物(a1)やアリルアルコール化合物(a2)、イソプロペニル化合物(a3)、ジエン化合物(a4)などが挙げられる。
ビニルエーテル化合物(a1)としては、例えば、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールエチルビニルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ハイドロキノンジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。
揮発性の観点から、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ハイドロキノンジビニルエーテルが好ましい。
アリルアルコール化合物(a2)としては、例えば、アリルアルコール、2−メチルアリルアルコール、1−オクテンー3−オール、1−フェニルアリルアルコール、2−フェニルアリルアルコール、3−フェニルアリルアルコール等が挙げられる。
揮発性および反応性の観点から、1−オクテンー3−オール、1−フェニルアリルアルコールが好ましい。
イソプロペニル化合物(a3)としては、例えば、イソプロペニルベンジルエーテル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、2−イソプロペニルナフタレン等が挙げられる。
揮発性および反応性の観点から、イソプロペニルベンジルエーテル、1,3−ジイソプロペニルベンゼンが好ましい。
ジエン化合物(a4)としては、例えば、2−メチル1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、シクロデカジエン、シクロドデカジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン等が挙げられる。
揮発性および反応性の観点から、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、2,5−ノルボルナジエンが好ましい。
一方、スチレンなどの電子供与性モノマーとアルキルアクリレートなどの電子受容性モノマーを併用してポリエステル樹脂(A1)を架橋させる場合は、反応性の観点からこの電子受容性モノマーと電子供与性モノマー同士が重合するため、ポリエステル樹脂(A1)を架橋する化合物の分子量が大きくなる。すなはち、架橋点間分子量が大きくなるため、低温定着性と耐熱保存性および耐ホットオフセット性のバランスが悪化するため、電子供与性モノマーと電子受容性モノマー同士の併用は好ましくない。
本発明でポリエステル樹脂(A1)とラジカル反応性基を有する数平均分子量1,000以下の化合物(a)の架橋反応のために用いるラジカル反応開始剤(c)としては、特に制限されず、アゾ系化合物又はジアゾ系化合物(c1)や有機過酸化物(c2)が用いられる。
アゾ系化合物又はジアゾ系化合物(c1)としては、特に制限されないが、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
有機過酸化物(c2)としては、特に制限されないが、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α、α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−へキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシへキシン−3、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、オクタニノルパーオキシド、デカノリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、m−トルイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンソエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
これらの中でも開始剤効率が高く、シアン化合物などの有毒な副生成物を生成しないことから、有機過酸化物(c2)が好ましい。
さらに、架橋反応が効率よく進行し、使用量が少なくて済むことから、水素引抜き能の高い反応開始剤が特に好ましく、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α、α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−へキシルパーオキシド等の水素引抜き能の高いラジカル反応開始剤が、特に好ましい。
ラジカル反応開始剤(c)の使用量は、特に制限されないが、不飽和カルボン酸成分(z)の重量に基づいて、0.1〜50重量%が好ましい。
ラジカル反応開始剤の使用量が、0.1重量%以上の場合に架橋反応が進行し易くなる傾向にあり、50重量%以下の場合に、臭気が良好となる傾向にある。この使用量は、30重量%以下であることがより好ましく、20重量%以下であることがさらに好ましく、10重量%以下であることが特に好ましい。
非線形ポリエステル変性樹脂(A)は、ポリエステル樹脂(A1)とラジカル反応性基を有する数平均分子量1,000以下の化合物(a)を混合して反応させて得られるポリエステル樹脂であり、架橋反応が有効に起こりトナーの耐ホットオフセット性と耐熱保存性が良好になることから好ましい。
例えば、非線形ポリエステル変性樹脂(A)を製造する際にラジカル付加反応によって分子間で炭素−炭素結合を生成させる架橋反応の場合は、ポリエステル樹脂(A1)の主鎖中または側鎖中に炭素−炭素二重結合を導入するために、不飽和二重結合を有するカルボン酸化合物および/または不飽和二重結合を有するアルコール化合物を用いて重縮合反応させ、これらの化合物をポリエステル樹脂(A1)の構成成分として組み込めばよい。
ポリエステル樹脂(A1)中の炭素−炭素二重結合の含有量は、特に制限されないが、不飽和カルボン酸(z)である場合には、ポリエステル樹脂(A1)を構成する酸成分の原料モル数に基づいて、10〜100モル%であることが好ましく、不飽和二重結合を有する構成成分がアルコール成分である場合には、ポリエステル樹脂(A1)を構成するアルコール成分の原料のモル数に基づいて、1〜50モル%であることが好ましい。
また、不飽和二重結合を有するカルボン酸原料とアルコール原料の両者を併用する場合には、両者の合計が10〜100モル%であることが好ましい。不飽和二重結合の含有量が10モル%以上の場合に、トナーの耐ホットオフセット性が良好になる傾向にあり、また、架橋反応が有効に起こる傾向にある。
ポリエステル樹脂(A1)の酸価は、帯電性安定性の観点から好ましくは0〜30mgKOH/g、さらに好ましくは0〜25mgKOH/g、特に好ましくは0〜10mgKOH/gである。
ポリエステル樹脂(A1)の酸価、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定することができる。
非線形ポリエステル変性樹脂(A)のTHF不溶解分が(A)の重量に基づいて好ましくは50%重量以上であり、さらに好ましくは55重量%以上であり、特に好ましくは60重量%以上である。
THF不溶解分が50重量%以上であると、耐熱保存性と耐ホットオフセット性が良好となる。
非線形ポリエステル変性樹脂(A)のTHF不溶解分を調整する際には、例えば不飽和カルボン酸成分(z)の導入量を調整する、ピークトップ分子量を調整する、ポリエステル樹脂(A1)とポリエステル樹脂(B)との重量比を調整するなどすることが挙げられる。
本発明では、トナーバインダーのTHF不溶解分または溶解分の貯蔵弾性率と軟化点を測定したり、あるいは非線形ポリエステル変性樹脂(A)の不溶解分の含有率を測定したりするが、以下の方法で行う。
トナーバインダー0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。室温まで冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を、10kPa以下の減圧下で、80℃で3時間、THFを除去して乾燥する。乾燥して得られた樹脂をトナーバインダー中のTHFに対する不溶解分とした。
次に、上記グラスフィルターにてろ別した溶解液を、10kPa以下の減圧下で、80℃で3時間減圧し、THFを完全に除去する。ここで得られた樹脂分をトナーバインダー中のTHFに対する溶解分とした。
また、非線形ポリエステル変性樹脂(A)のTHF不溶解分の含有率も同様の操作で行う。なお、ポリエステル樹脂(B)を併用する場合、ポリエステル樹脂(A1)のみをラジカル重合して非線形ポリエステル変性樹脂(A)を合成し、THF不溶解分の含有率を計算する。
本発明のトナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の150℃における貯蔵弾性率G’x150(単位Pa)は、トナー化時の耐ホットオフセット性の観点から、次の不等式(1)を満たすことが好ましい。
G’x150≧10,000 (1)
好ましくは左辺のG’x150が30,000以上であり、さらに好ましくは50,000以上である。
G’x150が10,000以上であると、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないと考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となる。
トナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の貯蔵弾性率G’を調整する際には、例えば、G’x150を大きくしたい場合は、ポリエステル樹脂のTmを上げる、3価以上の構成成分の比率を上げ架橋点の数を増やす、分子量を大きくする、Tgを高くする、等で達成できる。
本発明のトナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の150℃における貯蔵弾性率G’x150(単位Pa)とTHFに対する不溶解分の180℃における貯蔵弾性率G’x180(単位Pa)は、トナー化時の耐ホットオフセット性の観点から、次の式(2)を満たすことが好ましい。
G’x150/G’x180≦10 (2)
好ましくはG’x150/G’x180が9以下であり、さらに好ましくは0.1〜8である。
G’x150、G’x180が10以下であると、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないと考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となる。
トナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の貯蔵弾性率G’を調整する際には、例えば、G’x150/G’x180を小さくしたい場合は、ポリエステル樹脂のTmを上げる、3価以上の構成成分の比率を上げ架橋点の数を増やす、分子量を大きくする、またはTgを高くする、等で達成できる。
本発明のトナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の150℃における貯蔵弾性率G’x150(単位Pa)とTHFに対する溶解分の150℃における貯蔵弾性率G’y150(単位Pa)は、トナー化時の耐ホットオフセット性、低温定着性の観点から、次の式(3)を満たすことが好ましい。
G’x150/G’ y150≧500 (3)
好ましくは左辺のG’x150/G’ y150が1,000以上であり、さらに好ましくは2,000以上である。
G’x150、G’y150が500以上であると、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないで、さらに低温領域では低粘度化しやすくなると考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となり、低温定着性も良好となる。
トナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の貯蔵弾性率G’を調整する際には、例えば、G’x150/G’ y150を大きくしたい場合(G’ x150を大きくする場合)は、非線形ポリエステル変性樹脂(A)のTmを上げる、3価以上の構成成分の比率を上げ架橋点の数を増やす、分子量を大きくする、またはTgを高くする、等で達成できる。
また、トナーバインダー中のTHFに対する溶解分の貯蔵弾性率G’を調整するには、例えば、G’x150/G’ y150を大きくする場合(G’ y150を小さくする場合)、ポリエステル樹脂(B)のTmを下げる、分子量を小さくする、またはTgを低くする、等で達成できる。
本発明のトナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の150℃における貯蔵弾性率G’x150(単位Pa)と損失弾性率G’’x150(単位Pa)の比は、トナー化時の光沢性、耐ホットオフセット性の観点から、次の式(4)を満たすことが好ましい。
G’’x150/G’x150≧ 0.1 (4)
好ましくは左辺が0.2以上であり、さらに好ましくは0.3以上であり、特に好ましくは、0.5以上である。
G’’x150/G’x150が0.1以上であると、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないで、さらに低温領域では低粘度化しやすくなると考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となり、低温定着性や光沢性も良好となる。
トナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の貯蔵弾性率G’や損失弾性率G’’を調整する際には、例えば、G’’x150/G’x150を大きくしたい場合(G’x150を大きくする場合)は、非線形ポリエステル変性樹脂(A)のTmを上げる、3価以上の構成成分の比率を上げ架橋点の数を増やす、分子量を大きくする、またはTgを高くする、等で達成できる。
本発明のトナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の120℃における貯蔵弾性率G’x120(単位Pa)と損失弾性率G’’x120(単位Pa)の比は、トナー化時の耐ホットオフセット性の観点から、次の不等式(5)を満たすことが好ましい。
G’’y120/G’y120≦ 15 (5)
好ましくは左辺が10以下であり、さらに好ましくは11〜12であり、特に好ましくは12〜13、最も好ましくは13〜15以下である。
G’’x120/G’x120が0.1以上であると、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないで、さらに低温領域では低粘度化しやすくなると考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となり、低温定着性や光沢性も良好となる。
トナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の貯蔵弾性率G’や損失弾性率G’’を調整する際には、例えば、G’’x120/G’x120を小さくしたい場合(G’x120を小さくする場合)は、非線形ポリエステル変性樹脂(A)のTmを下げる、3価以上の構成成分の比率を上げ架橋点の数を増やす、分子量を小さくする、Tgを低くする、またはポリエステル樹脂(B)の比率を上げる等で達成できる。
本発明において、トナーバインダー中のTHFに対する不溶解分と溶解分の貯蔵弾性率G’x150、G’x180、G’ y150は、下記粘弾性測定装置を用いて測定される。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/分
昇温開始:100℃
昇温終了:200℃
本発明において、トナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の貯蔵弾性率G’x60は、下記粘弾性測定装置を用いて測定される。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :8mmパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/分
昇温開始:40℃
昇温終了:130℃
本発明のトナーバインダー中のTHF不溶解分のフローテスターによる軟化点Tm(単位℃)は、トナー化時の耐ホットオフセット性の観点から、次の式(6)を満たすことが好ましい。
140≦Tm≦250 (6)
より好ましくはTmが150以上245以下であり、さらに好ましくはが160以上240以下であり、とくに好ましくは165以上238以下であり、最も好ましくは170以上235以下である。
Tmが140以上250以下であると、高温領域でも実用範囲において粘度が高く維持され、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となる。
トナーバインダー中のTHF不溶解分のフローテスターによる軟化点Tmを調整するには、例えば、Tmを大きくする場合、非線形ポリエステル変性樹脂(A)のTmを上げる、3価以上の構成成分の比率を上げ架橋点の数を増やす、分子量を大きくする、Tgを高くする、または非線形ポリエステル変性樹脂(A)の比率を上げる等で達成できる。
本発明のトナーバインダー中のTHF不溶解分のフローテスターによる軟化点Tm(単位℃)とTHF溶解分のフローテスターによる軟化点Tm(単位℃)は、トナー化時の耐ホットオフセット性、低温定着性の観点から、次の式(7)を満たすことが好ましい。
Tm−Tm≧55 (7)
より好ましくは左辺のTm−Tmが70以上であり、さらに好ましくは80以上であり、特に好ましくは90以上であり、最も好ましくは100以上である。
Tm−Tmが55以上であると、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないで、さらに低温領域では低粘度化しやすくなると考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となり、低温定着性も良好となる。
トナーバインダー中のTHF不溶解分のフローテスターによる軟化点Tmを調整するには、例えば、Tm−Tmを大きくする場合(Tmを大きくする場合)、非線形ポリエステル変性樹脂(A)のTmを上げる、3価以上の構成成分の比率を上げ架橋点の数を増やす、分子量を大きくする、Tgを高くする、または非線形ポリエステル変性樹脂(A)の比率を上げる等で達成できる。
トナーバインダー中のTHF溶解分のフローテスターによる軟化点Tmを調整するには、例えば、Tm−Tmを大きくする場合(Tmをを小さくする場合)、ポリエステル樹脂(B)のTmを下げる、分子量を小さくする、またはTgを低くする、等で達成できる。
本発明において、トナーバインダー中のTHF不溶解分のフローテスターによる軟化点Tm(単位℃)とTHF溶解分のフローテスターによる軟化点Tm(単位℃)は以下の方法で測定される。
<軟化点〔Tm〕>
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点〔Tm〕とする。
本発明のトナーバインダーのTHF可溶分のMnは、トナーの耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、500〜24,000が好ましく、さらに好ましくは700〜17,000、特に好ましくは900〜12,000である。
本発明のトナーバインダーのTHF可溶分のMwは、トナーの耐ホットオフセット性と低温定着性の両立の観点から、15,000〜120,000が好ましく、さらに好ましくは20,000〜100,000、特に好ましくは22,000〜90,000であり、最も好ましくは25,000〜80,000である。
本発明のトナーバインダーのTHF可溶分の分子量分布Mw/Mnは、トナーの耐ホットオフセット性と耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、5〜30が好ましく、さらに好ましくは6〜28、特に好ましくは7〜26である。
ところで、低温定着性をさらに向上させる目的で、本発明のトナーバインダーは、ポリエステル樹脂(B)を非線形ポリエステル変性樹脂(A)と併用することが好ましい。
この目的で併用するポリエステル樹脂(B)としては、不飽和カルボン酸成分(z)を含まない樹脂である。
また、ポリエステル樹脂(B)としては、THF不溶解分を実質的に含まないものあれば、どのようなポリエステル樹脂でもよい。THF不溶解分を含まなければ微量の架橋点を有していても構わないし、分子末端を飽和ポリカルボン酸(3価以上のものでもよい)の無水物で変性したものであってもよい。
ポリエステル樹脂(A1)とポリエステル樹脂(B)との重量比(A1)/(B)は、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性の両立の点から、5/95〜50/50が好ましく、さらに好ましくは7/93〜45/60であり、特に好ましくは、10/90〜40/60である。
本発明のトナーバインダー中のTHF不溶解分とTHF溶解分の重量比は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量をTHF不溶解分の重量とし、試料の重量からTHF不溶解分の重量を引いた重量をTHF溶解分の重量とし、THF不溶解分とTHF溶解分の重量比を算出する。
本発明のトナーバインダー中のTHF不溶解分とTHF溶解分の重量比は、耐ホットオフセット性、低温定着性、光沢性両立の点から、5/95〜50/50であることが好ましく、さらに好ましくは7/93〜45/60であり、特に好ましくは、9/91〜40/60である。
非線形ポリエステル変性樹脂(A)と併用することが好ましいポリエステル樹脂(B)とは、不飽和カルボン酸成分(z)を構成原料として有していないポリエステル樹脂である。
また、ポリエステル樹脂(B)は線形であっても非線形であってもよいが、低温定着性と耐熱保存性の観点から線形が好ましい。
具体的には、アルコール成分(y)と、飽和カルボン酸(x)を組み合わせて縮合したポリエステル樹脂である。
また、ポリエステル樹脂(B)はTHF不溶解分を含まなければ微量の架橋点を有していても構わないし、分子末端をポリカルボン酸(3価以上のものでもよい)の無水物の無水トリメリット酸、無水フタル酸、無水マレイン酸等で変性したものであってもよい。
また、例えばポリエステル樹脂(A1)とポリエステル樹脂(B)の2種類の樹脂を混合する場合において、ポリエステル樹脂(B)中でポリエステル樹脂(A1)とラジカル反応開始剤(c)とを反応させるのが好ましい方法である。
ポリエステル樹脂(B)のTHF可溶分のMnは、トナーの耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、1,000〜15,000が好ましく、さらに好ましくは1,200〜10,000、特に好ましくは1,500〜5,000である。
ポリエステル樹脂(B)のTHF可溶分のMwは、トナーの耐ホットオフセット性と耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、2,000〜30,000が好ましく、さらに好ましくは2,500〜20,000、特に好ましくは3,000〜10,000である。
本発明のトナーバインダーは−20℃〜80℃の温度範囲には示差走査熱量測定(DSC)によるチャートでガラス転移温度(Tg)を示す変曲点を少なくとも1個有することが必須である。ガラス転移点を示す変曲点を2個以上有してもよく、そのうちの1個がこの温度範囲であればよい。
トナーバインダーの製造方法について説明する。
トナーバインダーは非線形ポリエステル変性樹脂(A)を含有していれば特に限定されず、たとえば非線形ポリエステル変性樹脂(A)のほかに、1種類以上のポリエステル樹脂や添加剤を混合する場合、あるいはポリエステル樹脂(A1)とポリエステル樹脂(B)を混合する場合、混合方法は通常行われる公知の方法でよく、粉体混合、溶融混合、溶剤混合のいずれでもよい。また、トナー化時に混合してもよい。この方法の中では、均一に混合し、溶剤除去の必要のない溶融混合が好ましい。
粉体混合する場合の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、及びバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置、及び連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロール等が挙げられる。
溶剤混合の方法としては、2種類のポリエステル樹脂を溶剤(酢酸エチル、THF及びアセトン等)に溶解し、均一化させた後、脱溶剤、粉砕する方法や、2種類のポリエステル樹脂を溶剤(酢酸エチル、THF及びアセトン等)に溶解し、水中に分散させた後、造粒、脱溶剤する方法などがある。
この溶融混合を行うための具体的方法としてはポリエステル樹脂(A1)とポリエステル樹脂(B)との混合物を二軸押出機に一定速度で注入し、同時にラジカル反応開始剤(c)も一定速度で注入し、100〜200℃の温度で混練搬送しながら反応を行わせるなどの方法がある。
このとき、二軸押出機に投入または注入される反応原料であるポリエステル樹脂(A1)とポリエステル樹脂(B)は、それぞれ樹脂反応溶液から冷却することなくそのまま直接押出機に注入するようにしてもよいし、また一旦製造した樹脂を冷却、粉砕したものを二軸押出機に供給することにより行ってもよい。
また、溶融混合する方法がこれら具体的に例示された方法に限られるわけではなく、例えば反応容器中に原料を仕込み、溶液状態となる温度に加熱し、混合するような方法など適宜の方法で行うことができることはもちろんである。
本発明のトナーは、本発明のトナーバインダー及び着色剤を含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末若しくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは3〜10重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部、さらに好ましくは40〜120重量部である。
本発明のトナーは、トナーバインダー、着色剤以外に、必要により、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等から選ばれる1種以上の添加剤を含有する。
離型剤としては、フローテスターによる軟化点〔Tm〕が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
離型剤はトナー重量に基づき、0〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。
荷電制御剤はトナー重量に基づき、0〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜7.5重量%である。
流動化剤はトナー重量に基づき、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%である。
また、添加剤の合計量はトナー重量に基づき、3〜70重量%、好ましくは4〜58重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナーは、公知の混練粉砕法、乳化転相法、重合法等のいずれの方法により得られたものであってもよい。
例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。
なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
本発明のトナーは、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト、および樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリア粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリア粒子との重量比は、通常1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナーは、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<製造例1> [ポリエステル樹脂(A1−1)の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物755部(95.7モル%)、トリメチロールプロパン14部(4.3モル%)、テレフタル酸112部(32.0モル%)、アジピン酸106部(34.7モル%)、フマル酸81部(33.3モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた後取り出し、ポリエステル樹脂(A1−1)を得た。
<製造例2> [ポリエステル樹脂(A1−2)の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A1−2)を得た。
<製造例3> [ポリエステル樹脂(A1−3)の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A1−3)を得た。
<製造例4> [ポリエステル樹脂(A1−4)の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A1−4)を得た。
<比較製造例1> [ポリエステル樹脂(A1’−1)の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A1’−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A1’−1)は不飽和カルボン酸成分(z)を含有しないため、本発明のポリエステル樹脂(A1)には該当しない。
<比較製造例2> [ポリエステル樹脂(A1’−2)の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A1’−2)を得た。
表1にポリエステル樹脂(A1−1)〜(A1−4)及びポリエステル樹脂(A1’−1)〜(A’−2)のTg、ピークトップ分子量を記載した。
<製造例5> [ポリエステル樹脂(B−1)の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物678部(100モル%)、テレフタル酸280部(72.8モル%)、安息香酸77部(27.2モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6部、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸34部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(B−1)を得た。この(B−1)は不飽和カルボン酸成分(z)を含まない。
<製造例6> [ポリエステル樹脂(B−2)の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール710部(100モル%)、テレフタル酸775部(100モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6部、220℃で窒素気流下に、生成する水と過剰のプロピレングリコールを留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(B−2)を得た。なお回収されたプロピレングリコールは325部であった。
<実施例1> [トナーバインダー(C−1)の製造]
ポリエステル樹脂(A1−1)30部とポリエステル樹脂(B−1)70部を二軸混練器(栗本鉄工所製, S5KRCニーダー)に10kg/時で供給し、同時にジエチレングリコールジビニルエーテル(a−1)1.0部およびラジカル反応開始剤としてパーブチルD(c−1)1.0部を0.10kg/時で供給して170℃で15分間混練押出して架橋反応を行った。得られたものを冷却し、トナーバインダー(C−1)を得た。
また、非線形ポリエステル変性樹脂(A−1)のTHF不溶解分は70重量%であった。
<実施例2> [トナーバインダー(C−2)の製造]
表2に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1−2)とポリエステル樹脂(B−2)と、ジエチレングリコールジビニルエーテル(a−1)およびパーブチルP(c−2)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、トナーバインダー(C−2)を得た。
また、非線形ポリエステル変性樹脂(A−2)のTHF不溶解分は90重量%であった。
<実施例3> [トナーバインダー(C−3)の製造]
表2に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1−3)とポリエステル樹脂(B−1)と、ジエチレングリコールジビニルエーテル(a−1)およびパーブチルZ(c−4)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、トナーバインダー(C−3)を得た。
また、非線形ポリエステル変性樹脂(A−3)のTHF不溶解分は75重量%であった。
<実施例4> [トナーバインダー(C−4)の製造]
表2に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1−4)とポリエステル樹脂(B−1)と、2−エチルヘキシルビニルエーテル(a−2)およびパーブチルI(c−5)を仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行い、トナーバインダー(C−4)を得た。
また、非線形ポリエステル変性樹脂(A−4)のTHF不溶解分は25重量%であった。
<比較例1> [トナーバインダー(C’−1)の製造]
表2に示した重量部数のポリエステル樹脂(A1’−1)とポリエステル樹脂(B−1)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(a−1)、パーブチルD(c−1)をそれぞれ仕込み、実施例1と同様に架橋反応を行いトナーバインダー(C’−1)を得た。
ポリエステル樹脂(A1’−1)は、架橋反応しなかったため、非線形ポリエステル変性樹脂(A)は得られなかった。
<比較例2> [トナーバインダー(C’−2)の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表2に示した(A1’−2)70部を140℃に昇温溶解し、スチレン21.9部、ブチルアクリレート6.2部、マレイン酸モノブチル1.9部と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(c−3)を混合したものを滴下ロートから8時間かけて滴下した。140℃で4時間熟成反応し、非線形ポリエステル変性樹脂(A’−2)を得た。(A’−2)をそのまま使用し、トナーバインダー(C’−2)とした。ラジカル反応開始剤(c−3)は使用しているが、ラジカル反応性基を有するMn1,000以下の化合物は使用していない。
また、非線形ポリエステル変性樹脂(A1’−2)のTHF不溶解分は10重量%であった。
<実施例4> [トナー(T−1)の製造]
ポリエステル樹脂成分(C−1)85部に対して、顔料のカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6部、離型剤のカルナバワックス4部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]4部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部に流動化剤としてコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル製]1部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−1)を得た。
<実施例5、6> [トナー(T−2)、(T−3)の製造]
表3に記載した原料の配合部数で、実施例4と同様にトナーを製造し、本発明のトナー(T−2)、(T−3)を得た。
<比較例3、4> [トナー(T’−1)、(T’−2)の製造]
表3に記載した原料の配合で、実施例4と同様にトナーを製造し、トナー(T’−1)、(T’−2)を得た。
[評価方法]
以下に、得られたトナーの低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、流動性、耐熱保存性、帯電安定性、粉砕性、画像強度の測定方法と評価方法を判定基準を含めて説明する。
<低温定着性>
トナーを紙面上に0.85mg/cmとなるよう均一に載せる。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/秒、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cmの条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
この評価条件では、一般には120℃以下が必要とされる。
<光沢性>
低温定着性と同様に定着評価を行う。画像の下に白色の厚紙を敷き、光沢度計(株式会社堀場製作所製、「IG−330」)を用いて、入射角度60度にて、印字画像の光沢度(%)を測定した。
光沢度が高いほど、光沢性に優れることを意味する。この評価条件では、通常好ましい範囲は10以上である。
<耐ホットオフセット性(ホットオフセット発生温度)>
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。この評価条件では、通常好ましい範囲は180℃以上である。
<流動性>
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーのかさ密度(g/100ml)を測定し、流動性を下記の判定基準で判定した。
[判定基準]
○:33以上
△:25以上33未満
×:25未満
<耐熱保存性>
トナーを50℃の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
[判定基準]
○:ブロッキングが発生していない。
△:一部にブロッキングが発生している。
×:全体にブロッキングが発生している。
<帯電安定性>
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿する。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×20分間と60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
[判定基準]
○:0.7以上
△:0.6以上0.7未満
×:0.6未満
<粉砕性>
二軸混練機で混練、冷却した粗粉砕物(8.6メッシュパス〜30メッシュオンのもの)を、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]により下記の条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.5MPa
粉砕時間:10分
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
これを分級せずに、体積平均粒径(μm)をコールターカウンター−TAII(米国コールター・エレクトロニクス社製)により測定し、下記の判定基準で粉砕性を評価した。
[判定基準]
○: 10μm未満
△: 10μm以上12μm未満
×: 12μm以上
<画像強度>
低温定着性の評価で定着した画像を、JIS K5600に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけ引っ掻き試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から画像強度を評価した。鉛筆硬度が高いほど画像強度に優れることを意味する。一般にはH以上が必要とされる。
[判定基準]
○: H以上
△: B〜F
×: 2B以下
表3の評価結果から明らかなように、本発明の実施例4〜6のトナーはいずれもすべての性能評価が優れた結果が得られた。
一方、不飽和カルボン酸成分(z)を含有しない比較例3、化合物(a)ではなくスチレン/ブチルアクリレート/マレイン酸モノブチル共重合オリゴマーで架橋した比較例4のトナーは、いくつかの性能項目が不良であった。
本発明のトナーバインダー及びトナーは、低温定着性および耐ホットオフセット性を両立しつつ、トナーの光沢性、流動性、耐熱保存性、帯電安定性、粉砕性および画像強度に優れ、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いる静電荷像現像用トナー及びトナーバインダーとして好適に使用できる。
さらに、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、電子ペーパー用粒子などの用途として好適である。

Claims (11)

  1. 非線形ポリエステル変性樹脂(A)を含有するトナーバインダーであって、非線形ポリエステル変性樹脂(A)が、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを構成原料とするポリエステル樹脂(A1)とラジカル反応性基を有する数平均分子量1,000以下の化合物(a)とが架橋した変性樹脂であり、
    (A)が(A1)中の(z)および(a)由来の炭素−炭素二重結合同士で架橋してなる変性樹脂であり、
    トナーバインダーが−20℃〜80℃の温度範囲に示差走査熱量測定(DSC)によるチャートでガラス転移温度Tgを示す変曲点を少なくとも1個有し、
    下記の関係式(1)〜(3)を満足することを特徴とするトナーバインダー。
    G’ x150 ≧ 10,000 (1)
    G’ x150 /G’ x180 ≦ 10 (2)
    G’ x150 /G’ y150 ≧ 500 (3)
    [但し、関係式中、G’ x150 は、トナーバインダー中のテトラヒドロフラン(THF)に対する不溶解分の150℃における貯蔵弾性率(単位Pa)を、G’ x180 はTHFに対する不溶解分の180℃における貯蔵弾性率(単位Pa)を、G’ y150 は、トナーバインダー中のTHFに対する溶解分の150℃における貯蔵弾性率(単位Pa)を表す。]
  2. ポリエステル樹脂(A1)のガラス転移温度TgA1が−35〜45℃である請求項1に記載のトナーバインダー。
  3. ポリエステル樹脂(A1)のピークトップ分子量Mpが2,000〜12,000である請求項1または2に記載のトナーバインダー。
  4. 非線形ポリエステル変性樹脂(A)のTHF不溶解分が(A)の重量に基づいて50重量%以上である請求項1〜3いずれかに記載のトナーバインダー。
  5. さらにポリエステル樹脂(A1)を除く、ポリエステル樹脂(B)を含有する請求項1〜4いずれかに記載のトナーバインダー。
  6. ポリエステル樹脂(A1)とポリエステル樹脂(B)との重量比(A1)/(B)が5/95〜50/50である請求項5に記載のトナーバインダー。
  7. 下記の関係式(4)と関係式(5)を満足する請求項1〜いずれかに記載のトナーバインダー。
    G’’x150/G’x150≧ 0.1 (4)
    G’’y120/G’y120≦ 15 (5)
    [但し、関係式中、G’’x150は、トナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の150℃における損失弾性率(単位Pa)を表し、G’’y120は、トナーバインダー中のTHFに対する溶解分の120℃における損失弾性率(単位Pa)を表し、G’x150は、トナーバインダー中のTHFに対する不溶解分の150℃における貯蔵弾性率(単位Pa)を表し、G’y120は、トナーバインダー中のTHFに対する溶解分の120℃における貯蔵弾性率(単位Pa)を表す。]
  8. 下記の関係式(6)と関係式(7)を満足する請求項1〜いずれかに記載のトナーバインダー。
    140 ≦Tm≦ 250 (6)
    Tm−Tm≧ 55 (7)
    [但し、関係式中、Tmは、トナーバインダーのTHF不溶解分のフローテスターによる軟化点(℃)を、TmはトナーバインダーのTHF溶解分のフローテスターによる軟化点(℃)を表す。]
  9. 化合物(a)のラジカル反応性基がビニル基である請求項1〜いずれかに記載のトナーバインダー。
  10. トナーバインダー中のTHF不溶解分とTHF溶解分との重量比が5/95〜50/50である請求項1〜いずれかに記載のトナーバインダー。
  11. 請求項1〜10いずれかに記載のトナーバインダーと着色剤とを含有するトナー。
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