JP2018087320A - 樹脂粒子、複合樹脂粒子及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
フルカラー電子写真用には従来、電子写真感光体等の潜像坦持体に色画像情報に基づく潜像を形成し、該潜像を対応する色のトナーにより現像し、次いで該トナー像を転写材上に転写するといった画像形成工程を繰り返した後、転写材上のトナー像を加熱定着して多色画像を得る方法や装置が知られている。
また、最近では用いられる転写材として、表面凹凸の大きい再生紙や、表面が平滑なコート紙など多くの種類の紙が用いられる。これらの転写材の表面性に対応するために、ソフトローラーやベルトローラーなどのニップ幅の広い定着器が好ましく用いられている。しかし、ニップ幅を広くすると、トナーと定着ローラーとの接触面積が増え、定着ローラーに溶融トナーが付着する、いわゆる高温オフセット現象が発生するため、耐オフセット性が要求されるのが前提である。
上記に加えて、多色画像(フルカラー)は写真画像などの再現等から白黒画像(モノクロ)に比べて高い光沢が必要とされ、得られる画像のトナー層が平滑になるようにする必要がある。
したがって、高い光沢を有しながら耐オフセット性を維持しつつ、低温定着性を発現させる必要があり、広いワーキングレンジで高光沢なトナー画像が要求されるようになってきている。
しかしながら、この方法は高温でのオフセット現象はある程度防止できても、同時に定着下限温度も上昇するため低温定着が困難となり、また、イソシアネートから誘導されるウレア基やウレタン基の高凝集性により、樹脂の粉砕性が著しく悪くなる。更に樹脂の均一性が損なわれ耐熱保存性も悪化し、未だ高速化、省エネルギー化の要求には十分に答えられていない。
すなわち、本発明は、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂(a)を水性溶媒中に分散させて(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂を得る工程を含む樹脂粒子の製造方法、樹脂粒子の表面に樹脂微粒子(P)が付着した複合樹脂粒子の製造方法であって、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂(a)を樹脂微粒子(P)を含有する水性溶媒中に分散させて(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂を得る工程を含む複合樹脂粒子の製造方法及び上記樹脂粒子の製造方法で得られた樹脂粒子又は複合樹脂粒子の製造方法で得られた複合樹脂粒子を含んでなるトナーの製造方法である。
以下に、本発明の樹脂粒子の製造方法を順次、説明する。
ポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂とは、実質的に分子内に炭素−炭素二重結合を有するポリエステル樹脂(a)を縮合重合で得た後に、(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)に起因する炭素−炭素二重結合同士で架橋反応が起って化学結合した非線形ポリエステル変性樹脂(A)のことである。
また、樹脂粒子中に含有する樹脂は1種類でもよいし、2種類以上の樹脂の混合物でもよく、たとえばポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂と、後述するポリエステル樹脂(b){ポリエステル樹脂(a)を除くポリエステル樹脂であり、アルコール成分(y)と飽和カルボン酸成分(x)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂}及び/又は結晶性ポリウレタン樹脂(C)との組み合わせでもよい。
また、ポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)及び結晶性ポリウレタン樹脂(C)はそれぞれ1種類を用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、本発明のポリエステル樹脂(a)は1種類以上のアルコール成分(y)と1種類以上の不飽和カルボン酸成分(z)を重縮合して得られ、不飽和カルボン酸成分(z)に起因する炭素−炭素二重結合を分子内に有する。
さらに、(a)は、(y)と(z)以外に、1種類以上の飽和カルボン酸成分(x)を構成原料として併用して重縮合してもよい。
これらモノオールのうち好ましいものは炭素数8〜24のアルカノールであり、さらに好ましくはドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの併用である。
炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);
炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);
上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン付加物(平均付加モル数=1〜30);2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン等)〕、ビスフェノール類のポリオキシアルキレン付加物(平均付加モル数2〜30);等が挙げられる。
これらのうち、低温定着性と耐熱保存性の観点から、ビスフェノール類のポリオキシアルキレン付加物が好ましい。
アルキレン基の炭素数は好ましくは2〜4(オキシエチレン及びオキシプロピレン等)である。
[式中、Xは炭素数1〜3のアルキレン基、−SO2−、−O−、−S−、または直接結合を表し;Arは、水酸基及びXが結合する部分以外の水素原子がハロゲン原子または炭素数1〜30のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を表す。]
これらの中で好ましくはEO及びPOである。AOの平均付加モル数は、好ましくは2〜30モル、さらに好ましくは2〜10モルである。
ビスフェノール類のポリオキシアルキレン付加物のうち、トナーの定着性の観点から好ましいものは、ビスフェノールAのEO付加物及びPO付加物(平均付加モル数2〜4、好ましくは2〜3)である。
特に好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、3価の脂肪族多価アルコール及びビスフェノールAのポリオキシアルキレン付加物(平均付加モル数2〜5)であり、最も好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン及びビスフェノールAのポリオキシアルキレン付加物(平均付加モル数2〜3)である。
さらに好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらの併用である。また、これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
このような飽和カルボン酸成分(x)としては、炭素数2〜50の脂肪族カルボン酸(ステアリン酸及びベヘン酸等)、炭素数7〜37の芳香族カルボン酸(安息香酸等)炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸及びセバシン酸等)、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)等が挙げられる。
耐熱保存性、帯電性及び帯電安定性の観点からさらに好ましくは、安息香酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの併用である。
特に好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、本発明におけるポリエステル樹脂(a)の製造法は特に限定はしないが、前述のようにアルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合することにより得られる。さらにポリエステル樹脂(a)が非線形である場合は、例えば不飽和カルボン酸成分(z)に加えて、アルコール成分(y)として3価以上のポリオールを用いる場合や、飽和カルボン酸成分(x)として3価以上のカルボン酸またはこの酸無水物もしくは低級アルキルエステルを用いる場合などが挙げられる。非線形であることにより、耐熱保存性と耐ホットオフセット性が向上する。
例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに好ましくは2〜40時間である。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えばセイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
上記測定から吸発熱量と温度とのグラフを描き、そのグラフの低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μL
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
分子量の測定は、0.25重量%になるようにポリエステル樹脂等をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
ポリエステル樹脂(a)の酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定することができる。
(c)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル反応開始剤の使用量が、0.1重量部以上の場合に架橋反応が進行し易くなる傾向にあり、50重量部以下の場合に、臭気が良好となる傾向にある。この使用量は、30重量部以下であることがより好ましく、20重量部以下であることがさらに好ましく、10重量部以下であることが特に好ましい。
(d)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
揮発性の観点から、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル及びハイドロキノンジビニルエーテルが好ましい。
揮発性および反応性の観点から、1−オクテン−3−オール及び1−フェニルアリルアルコールが好ましい。
揮発性および反応性の観点から、イソプロペニルベンジルエーテル及び1,3−ジイソプロペニルベンゼンが好ましい。
揮発性および反応性の観点から、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン及び2,5−ノルボルナジエンが好ましい。
化合物(d)としては、上記の化合物(d1)やアリルアルコール化合物(d2)、イソプロペニル化合物(d3)及びジエン化合物(d4)以外に、スチレンなどの芳香族ビニル化合物、アルキルアクリレート化合物及びアルキルメタクリレート化合物などを用いてもよい。
ここで樹脂粒子中にはポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂の他に、必要により任意成分{後述するポリエステル樹脂(b)、着色剤、結晶性ポリウレタン樹脂(C)、離型剤、荷電制御剤及び流動化剤等}を含んでいてもよく、樹脂粒子中に任意成分を含んでいる場合は、THF不溶解分及び/又はTHF溶解分にもこれらの任意成分が含まれる。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量をTHF不溶解分の重量とし、試料の重量からTHF不溶解分の重量を引いた重量をTHF溶解分の重量とし、THF不溶解分とTHF溶解分の重量比を算出する。
本発明の製造方法により得られる樹脂粒子がポリエステル樹脂(b)を含有すると、低温定着性が向上する。
これらのアルコール成分(y)のうち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレン付加物(平均付加モル数2〜30)である。
耐熱保存性の観点からさらに好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレン付加物(平均付加モル数2〜5)である。
特に好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール及びビスフェノールAのポリオキシアルキレン付加物(平均付加モル数2〜5)であり、最も好ましくは、プロピレングリコール及びビスフェノールAのポリオキシアルキレン付加物(平均付加モル数2〜3)である。
これらの飽和カルボン酸成分(x)のうち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から好ましいものは、炭素数7〜37の芳香族カルボン酸、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸である。
耐熱保存性、帯電性及び帯電安定性の観点からさらに好ましくは、安息香酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸及びこれらの併用である。
特に好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、ポリエステル樹脂(b)としては、THF不溶解分を実質的に含まないものが好ましい。THF不溶解分を含まなければ微量の架橋点を有していても構わないし、分子末端を飽和ポリカルボン酸(3価以上のものでもよい)の無水物の無水トリメリット酸、無水フタル酸及び無水マレイン酸等で変性したものであってもよい。
なお、本発明における「結晶性」とは後述のDSC測定の昇温過程において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを意味する。この目的で併用する結晶性ポリウレタン樹脂(C)とは、結晶性樹脂中にウレタン結合を含有していればどのような結晶性樹脂でもよく、例えば、結晶性ポリエステルジオールとジイソシアネートとを反応させることにより得られる。さらに酸無水物またはカルボキシル含有ジオールを使用することで水性溶媒に分散させ易くなる点で好ましい。
水性溶媒中でポリエステル樹脂(a)を含む分散体を安定して形成させる方法としては、水性溶媒中にポリエステル樹脂(a)を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。
ポリエステル樹脂(b)を用いる場合、あらかじめポリエステル樹脂(b)とポリエステル樹脂(a)を混合し、水性媒体中に分散することができる。さらに(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋することで、ポリエステル樹脂(b)の存在下に、ポリエステル樹脂(a)を架橋することができる。
また、ラジカル反応性基を有する化合物(d)を用いる場合、あらかじめポリエステル樹脂(a)とラジカル反応性基を有する化合物(d)を混合し、水性媒体中に分散することができる。さらにラジカル反応性基を有する化合物(d)と(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋することもできる。
さらに、上記ポリエステル樹脂以外の他のトナー原料(着色剤、離型剤、結晶性ポリウレタン樹脂(C)及び荷電制御剤等)を用いる場合、あらかじめポリエステル樹脂(a)と他のトナー原料を混合し、水性媒体中に分散することができる。さらに(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋することで、ポリエステル樹脂(a)中にあらかじめ他のトナー原料を混合した状態で架橋することができる。あらかじめ樹脂中に他のトナー原料を混合して架橋することは樹脂中にトナー原料を分散し固定化させやすくトナーの流動性、帯電性及び帯電安定性の観点において好ましい。
また、本発明においては、着色剤、離型剤、結晶性ポリウレタン樹脂(C)及び荷電制御剤等の他のトナー原料は、必ずしも、水性溶媒中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散装置は、例えばホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー[特殊機化工業(株)製]等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー[(株)荏原製作所製]、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー[特殊機化工業(株)製]、コロイドミル[神鋼パンテック(株)製]、ウルトラビスコミル(アイメックス製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機[三井三池化工機(株)製]、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル[太平洋機工(株)製]等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー[みずほ工業(株)製]、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機[冷化工業(株)製]等の膜乳化機、バイブロミキサー[冷化工業(株)製]等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。これらのうち粒径の均一性の観点から好ましいのは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーである。
有機溶剤の具体例としては、芳香族炭化水素溶剤(トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びテトラリン等);脂肪族又は脂環式炭化水素溶剤(n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット及びシクロヘキサン等);塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン及びパークロロエチレン等のハロゲン溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート及びエチルセロソルブアセテート等のエステル又はエステルエーテル溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール及びベンジルアルコール等のアルコール溶剤;ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶剤、N−メチルピロリドン等の複素環式化合物溶剤、並びにこれらの2種以上の混合溶剤等が挙げられる。上記の有機溶剤の中でも沸点が100℃未満の揮発性のあるものが好ましい。好ましい有機溶剤としては、酢酸エチル、アセトン及びメチルエチルケトン等が挙げられる。
また、本発明に用いる有機溶剤は、分散体中[ポリエステル樹脂(a)及び必要によりポリエステル樹脂(b)、離型剤、結晶性ポリウレタン樹脂(C)、着色剤を含む油性液(G)中]以外にも、乳化分散の際に必要に応じて水性溶媒中に加えてもよい。
カチオン界面活性剤(s−2)としては、4級アンモニウム塩型界面活性剤及びアミン塩型界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤(s−3)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤及びリン酸エステル塩型両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤(s−4)としては、AO付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
これらの界面活性剤(s)の具体例としては、特開2002−284881号公報に記載のもの等が挙げられる。
〔1〕分散体を減圧下又は常圧下で乾燥する方法。
〔2〕分散体を遠心分離器、スパクラフィルター及び/又はフィルタープレスなどにより固液分離し、必要に応じて水等を加え固液分離を繰り返した後、得られた固体を乾燥する方法。
〔3〕分散体を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)。
以下に、本発明の樹脂粒子の製造方法を順次、説明する。
ポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂としては、上記記載の樹脂粒子と同様のものが挙げられる。
また、複合樹脂粒子中に含有する樹脂は1種類でもよいし、2種類以上の樹脂の混合物でもよく、たとえば本発明で規定されたポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂と、ポリエステル樹脂(b)及び/又は結晶性ポリウレタン樹脂(C)との混合物等が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)及び結晶性ポリウレタン樹脂(C)はそれぞれ1種類を用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明の製造方法により得られる複合樹脂粒子がポリエステル樹脂(b)及び/又は結晶性ポリウレタン樹脂(C)を含有すると、低温定着性が向上する。
好ましい方法として具体的には、あらかじめポリエステル樹脂(b)とポリエステル樹脂(a)とを混合したものを、樹脂微粒子(P)を含有する水性溶媒中に分散させて、(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋することで、ポリエステル樹脂(b)の存在下に、ポリエステル樹脂(a)を架橋する方法等が挙げられる。
ここで複合樹脂粒子中にはポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂の他に、必要により任意成分{ポリエステル樹脂(b)、結晶性ポリウレタン樹脂(C)、後述する樹脂微粒子(P)、着色剤、離型剤、荷電制御剤及び流動化剤等}を含んでいてもよく、複合樹脂粒子中に任意成分を含んでいる場合は、THF不溶解分及び/又はTHF溶解分にもこれらの任意成分が含まれる。
また、本発明の複合樹脂粒子の製造方法は、樹脂微粒子(P)を使用して、ポリエステル樹脂(a)を樹脂微粒子(P)を含有する水性溶媒中に分散させて(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂を得る工程を含む以外は公知の方法と同様に実施することができる。
本発明の複合樹脂粒子の製造方法においては、樹脂粒子の表面に樹脂微粒子(P)が付着された複合樹脂粒子を形成することが可能であり、本発明の複合樹脂粒子の製造方法は、製造した複合樹脂粒子が前記樹脂粒子と比較して、粒子径が小さくなる点、粒度分布がシャープになる点、帯電安定性が良好になる点で好ましい。
ポリエステル樹脂(b)を用いる場合、あらかじめポリエステル樹脂(b)とポリエステル樹脂(a)を混合し、樹脂微粒子(P)を含有する水性媒体中に分散することができる。さらに(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋することで、ポリエステル樹脂(b)の存在下に、ポリエステル樹脂(a)を架橋することができる。
また、ラジカル反応性基を有する化合物(d)を用いる場合、あらかじめポリエステル樹脂(a)とラジカル反応性基を有する化合物(d)を混合し、樹脂微粒子(P)を含有する水性媒体中に分散することができる。さらにラジカル反応性基を有する化合物(d)と(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋することもできる。
さらに、上記ポリエステル樹脂以外の他のトナー原料(着色剤、結晶性ポリウレタン樹脂(C)、離型剤及び荷電制御剤等)を用いる場合、あらかじめポリエステル樹脂(a)と他のトナー原料を混合し、樹脂微粒子(P)を含有する水性媒体中に分散することができる。さらに(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋することで、ポリエステル樹脂(a)中にあらかじめ他のトナー原料を混合した状態で架橋することができる。あらかじめ樹脂中に他のトナー原料を混合して架橋することは樹脂中にトナー原料を分散し固定化させやすくトナーの流動性、帯電性及び帯電安定性の観点において好ましい。
また、本発明においては、着色剤、結晶性ウレタン樹脂(C)、離型剤及び荷電制御剤等の他のトナー原料は、必ずしも、水性溶媒中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。また複合樹脂粒子を製造する際は、樹脂粒子と同様の方法(上記記載の水性溶媒、有機溶剤の種類、分散、重合の方法等)で製造してもよい。
樹脂としてはビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂及びポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては、上記樹脂の2種以上を併用してもよい。無機化合物としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びリン酸三カルシウム等が挙げられ、これらのうち2種以上を併用してもよい。
これらのうち好ましいのは、定着性の観点から、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びそれらの複合樹脂である。
[1]ビニル樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂微粒子(P)の分散液を製造する方法。
[2]ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂等の重付加又は縮合樹脂の場合において、前駆体(モノマー及びオリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤存在下で媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えて硬化させ樹脂微粒子(P)の分散体を製造する方法。
[3]ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂等の重付加又は重縮合樹脂の場合において、前駆体(モノマー及びオリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
[4]あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び重縮合等いずれの重合反応様式であってもよい。以下の本項の重合反応についても同様。)により作製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで分級することによって樹脂微粒子(P)を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
[5]あらかじめ重合反応により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子(P)を得た後、前記樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
[6]あらかじめ重合反応により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に、貧溶剤を添加するか、又はあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子(P)を析出させ、次いで溶剤を留去して樹脂粒子を得た後、前記樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
[7]あらかじめ重合反応により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で媒体中に分散させ、加熱又は減圧等により溶剤を除去する方法。
[8]あらかじめ重合反応により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に、適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
着色剤の含有量は、本発明の製造方法により得られる樹脂粒子又は複合樹脂粒子100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは3〜10重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部、さらに好ましくは40〜120重量部である。
荷電制御剤はトナー重量に基づき、0〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜7.5重量%である。
流動化剤はトナー重量に基づき、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%である。
また、添加剤の合計量はトナー重量に基づき、3〜70重量%、好ましくは4〜58重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで耐ホットオフセット性、帯電性、トナーの流動性、耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性及びドキュメントオフセット性が良好なものを容易に得ることができる。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物755部(95.7モル%)、トリメチロールプロパン14部(4.3モル%)、テレフタル酸112部(32.0モル%)、アジピン酸106部(34.7モル%)、フマル酸81部(33.3モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた後取り出し、ポリエステル樹脂(a−1)を得た。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分とを仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(a−2)を得た。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(a−3)を得た。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(a−4)を得た。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(a−5)を得た。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物678部(100モル%)、テレフタル酸280部(72.8モル%)、安息香酸77部(27.2モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6部、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸34部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(b−1)を得た。この(b−1)は不飽和カルボン酸成分(z)を含まない。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール710部(100モル%)、テレフタル酸775部(100モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6部、220℃で窒素気流下に、生成する水と過剰のプロピレングリコールを留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(b−2)を得た。なお回収されたプロピレングリコールは325部であった。この(b−2)は不飽和カルボン酸成分(z)を含まない。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物604部(72.2モル%)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール61部(21.6モル%)、トリメチロールプロパン20部(6.2モル%)、テレフタル酸288部(79.6モル%)、アジピン酸65部(20.4モル%)、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.6部、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸34部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(b−3)を得た。この(b−3)は不飽和カルボン酸成分(z)を含まない。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ドデカン二酸2191部と1,6−ヘキサンジオール1288部および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート1.6部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が0.5以下になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステルを得た。
次に、撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、結晶性ポリエステル3139部とメチルエチルケトン1899部を仕込み、75℃で均一に溶解した。さらにヘキサメチレンジイソシアネート195部を仕込み、90℃で22時間反応させ、次いで120℃まで昇温し、無水トリメリット酸86部を加え、10時間反応後取り出し、メチルエチルケトンを除去し、結晶性ポリウレタン樹脂(C−1)を得た。得られた(C−1)の融点は69℃であり、Mnは6000であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業(株)製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁分散液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。
さらに、1重量%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成して樹脂微粒子(P−1)(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。樹脂微粒子(P−1)をLA−920で測定した体積平均粒径は、50nmであった。樹脂微粒子(P−1)の一部を乾燥して樹脂分を単離した。分散液中の樹脂分のTgは60℃であり、Mwは120,000であった。
<水相の調製>
水1146部、前記樹脂微粒子(P−1)の水性分散液27部、界面活性剤であるドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業(株)製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、カルナバワックス136部、及び酢酸エチル504部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃のまま30時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液640部をビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で9時間分散して、ワックス分散液を得た。
次いで、得られたワックス分散液に、ポリエステル樹脂(a−1)の50重量%酢酸エチル溶液2700部とポリエステル樹脂(b−1)の50重量%酢酸エチル溶液6300部を添加し、顔料としてカーボンブラック(MA−100)360部を仕込み、1時間混合した。次いで前記混合液を25℃に保ちエバラマイルダー(入り口側よりG、M、Sの組み合わせ)で、流量1kg/minで10パスし、有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、45分)は、50重量%であった。
反応容器中に、前記有機溶媒相800部、及び2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(c−1)3.6部を仕込み、ホモミキサー(特殊機化製TKホモミキサーMKII)を用いて回転速度5,000rpmにて1分間混合した後、反応容器中に前記水相1200部を添加し、前記ホモミキサーで、回転速度9,000rpmにて25℃で3分間混合した。その後攪拌機で20分攪拌し、乳化スラリーを調製した。
次に、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、65℃にて5時間かけて(a−1)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋反応させながら脱溶剤行い、樹脂粒子の表面に樹脂微粒子(P)が付着された複合樹脂粒子の分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーは、マルチサイザーIV(ベックマンコールター社製)で測定した体積平均粒径が5μm、粒度分布が1.2であった。
前記分散スラリー1000部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水1000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水3000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転速度8,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。ここで得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機で40℃にて48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩うと、水性媒体を除去した複合樹脂粒子(D−1)が得られた。
<水相の調製>
実施例1と同様の方法で、乳白色の液体(水相)を得た。
ポリエステル樹脂(a−1)の50重量%酢酸エチル溶液2700部の代わりにポリエステル樹脂(a−2)の50重量%酢酸エチル溶液1800部、ポリエステル樹脂(b−1)の50重量%酢酸エチル溶液6300部の代わりにポリエステル樹脂(b−2)の50重量%酢酸エチル溶液7200部を添加した以外は、実施例1と同様の方法で有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、45分)は、50重量%であった。
反応容器中に、前記有機溶媒相800部、及び2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(c−1)3.6部を仕込み、ホモミキサー(特殊機化製TKホモミキサーMKII)を用いて回転速度5,000rpmにて1分間混合した後、反応容器中に前記水相1200部を添加し、前記ホモミキサーで、回転速度9,000rpmにて25℃で3分間混合した。その後攪拌機で20分攪拌し、乳化スラリーを調製した。
次に、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、65℃にて5時間かけて(a−2)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋反応させながら脱溶剤行い、樹脂粒子の表面に樹脂微粒子(P)が付着された複合樹脂粒子の分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーは、マルチサイザーIV(ベックマンコールター社製)で測定した体積平均粒径が5μm、粒度分布が1.2であった。
前記分散スラリー1000部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水1000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水3000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転速度8,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。ここで得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機で40℃にて48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩うと、水性媒体を除去した複合樹脂粒子(D−2)が得られた。
<水相の調製>
実施例1と同様の方法で、乳白色の液体(水相)を得た。
ポリエステル樹脂(a−1)の50重量%酢酸エチル溶液2700部の代わりにポリエステル樹脂(a−3)の50重量%酢酸エチル溶液4050部、ポリエステル樹脂(b−1)の50重量%酢酸エチル溶液6300部の代わりにポリエステル樹脂(b−1)の50重量%酢酸エチル溶液4950部、さらに結晶性ポリウレタン樹脂(C−1)を225部添加した以外は、実施例1と同様の方法で有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、45分)は、52重量%であった。
反応容器中に、前記有機溶媒相800部、及び2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(c−1)3.6部を仕込み、ホモミキサー(特殊機化製TKホモミキサーMKII)を用いて回転速度5,000rpmにて1分間混合した後、反応容器中に前記水相1200部を添加し、前記ホモミキサーで、回転速度9,000rpmにて25℃で3分間混合した。その後攪拌機で20分攪拌し、乳化スラリーを調製した。
次に、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、65℃にて5時間かけて(a−3)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋反応させながら脱溶剤行い、樹脂粒子の表面に樹脂微粒子(P)が付着された複合樹脂粒子の分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーは、マルチサイザーIV(ベックマンコールター社製)で測定した体積平均粒径が5μm、粒度分布が1.2であった。
前記分散スラリー1000部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水1000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水3000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転速度8,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。ここで得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機で40℃にて48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩うと、水性媒体を除去した複合樹脂粒子(D−3)が得られた。
<水相の調製>
実施例1と同様の方法で、水1173部、界面活性剤であるドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業(株)製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、淡黄色の液体(水相)を得た。
実施例1と同様の方法で有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、45分)は、50重量%であった。
反応容器中に、前記有機溶媒相800部、及び2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(c−1)3.6部を仕込み、ホモミキサー(特殊機化製TKホモミキサーMKII)を用いて回転速度5,000rpmにて1分間混合した後、反応容器中に前記水相1200部を添加し、前記ホモミキサーで、回転速度9,000rpmにて25℃で3分間混合した。その後攪拌機で20分攪拌し、乳化スラリーを調製した。
次に、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、65℃にて5時間かけて(a−1)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋反応させながら脱溶剤行い、樹脂粒子の表面に樹脂微粒子(P)が付着されていない樹脂粒子の分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーは、マルチサイザーIV(ベックマンコールター社製)で測定した体積平均粒径が5.8μm、粒度分布が1.4であった。
前記分散スラリー1000部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水1000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水3000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転速度8,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。ここで得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機で40℃にて48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩うと、水性媒体を除去した樹脂粒子(D−4)が得られた。
<水相の調製>
実施例1と同様の方法で、乳白色の液体(水相)を得た。
結晶性ポリウレタン樹脂(C−1)を450部添加した以外は、実施例1と同様の方法で有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、45分)は、53重量%であった。
反応容器中に、前記有機溶媒相800部、及び2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(c−1)3.6部を仕込み、ホモミキサー(特殊機化製TKホモミキサーMKII)を用いて回転速度5,000rpmにて1分間混合した後、反応容器中に前記水相1200部を添加し、前記ホモミキサーで、回転速度9,000rpmにて25℃で3分間混合した。その後攪拌機で20分攪拌し、乳化スラリーを調製した。
次に、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、65℃にて5時間かけて(a−1)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋反応させながら脱溶剤行い、樹脂粒子の表面に樹脂微粒子(P)が付着された複合樹脂粒子の分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーは、マルチサイザーIV(ベックマンコールター社製)で測定した体積平均粒径が5μm、粒度分布が1.2であった。
前記分散スラリー1000部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水1000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水3000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転速度8,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。ここで得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機で40℃にて48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩うと、水性媒体を除去した複合樹脂粒子(D−5)が得られた。
<水相の調製>
実施例1と同様の方法で、乳白色の液体(水相)を得た。
ポリエステル樹脂(a−1)の50重量%酢酸エチル溶液2700部の代わりにポリエステル樹脂(a−5)の50重量%酢酸エチル溶液630部、ポリエステル樹脂(b−1)の50重量%酢酸エチル溶液6300部の代わりにポリエステル樹脂(b−1)の50重量%酢酸エチル溶液8370部を添加した以外は、実施例1と同様の方法で有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、45分)は、50重量%であった。
反応容器中に、前記有機溶媒相800部、及び2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(c−1)3.6部を仕込み、ホモミキサー(特殊機化製TKホモミキサーMKII)を用いて回転速度5,000rpmにて1分間混合した後、反応容器中に前記水相1200部を添加し、前記ホモミキサーで、回転速度9,000rpmにて25℃で3分間混合した。その後攪拌機で20分攪拌し、乳化スラリーを調製した。
次に、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、65℃にて5時間かけて(a−1)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合を架橋反応させながら脱溶剤行い、樹脂粒子の表面に樹脂微粒子(P)が付着された複合樹脂粒子の分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーは、マルチサイザーIV(ベックマンコールター社製)で測定した体積平均粒径が5μm、粒度分布が1.2であった。
前記分散スラリー1000部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水1000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水3000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転速度8,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。ここで得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機で40℃にて48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩うと、水性媒体を除去した複合樹脂粒子(D−6)が得られた。
<水相の調製>
実施例1と同様の方法で、乳白色の液体(水相)を得た。
ポリエステル樹脂(a−1)の50重量%酢酸エチル溶液2700部の代わりにポリエステル樹脂(b−3)の50重量%酢酸エチル溶液1800部、ポリエステル樹脂(b−1)の50重量%酢酸エチル溶液6300部の代わりにポリエステル樹脂(b−1)の50重量%酢酸エチル溶液7200部を添加した以外は、実施例1と同様の方法で有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、45分)は、50重量%であった。
反応容器中に、前記有機溶媒相800部、及び2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(c−1)3.6部を仕込み、ホモミキサー(特殊機化製TKホモミキサーMKII)を用いて回転速度5,000rpmにて1分間混合した後、反応容器中に前記水相1200部を添加し、前記ホモミキサーで、回転速度9,000rpmにて25℃で3分間混合した。その後攪拌機で20分攪拌し、乳化スラリーを調製した。
次に、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、65℃にて5時間かけて脱溶剤行い、複合樹脂粒子の分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーは、マルチサイザーIV(ベックマンコールター社製)で測定した体積平均粒径が5μm、粒度分布が1.2であった。
前記分散スラリー1000部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水1000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水3000部を添加し、ホモミキサーで混合(回転速度8,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。ここで得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機で40℃にて48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩うと、水性媒体を除去した複合樹脂粒子(D’−1)が得られた。
製造例4で得た線形ポリエステル樹脂(a−4)30部と製造例6で得たポリエステル樹脂(b−1)70部を二軸混練器(栗本鉄工所製, S5KRCニーダー)に10kg/毎時で供給し、同時にラジカル反応開始剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン(c−2)1.0部を0.10kg/時で供給して160℃で15分間混練押出して架橋反応を行った。得られたものを冷却し、トナーバインダーを得た。
さらにトナーバインダー100部に対して、顔料のカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、離型剤のカルナバワックス3部を加え、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。
ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径が8μm、粒度分布が1.8の樹脂粒子(D’−2)を得た。
得られた樹脂粒子または複合樹脂粒子(D−1)〜(D−6)それぞれ99部に流動化剤のコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1部をサンプルミルにて混合して、本発明の製造方法により得られるトナー(T−1)〜(T−6)を得た。
原料の配合は表3を参考にして実施例と同様にトナーを製造し、比較のトナー(T’−1)〜(T’−2)を得た。つぎに実施例と同様に評価し、その結果を表3に示した。
以下に、得られたトナーの低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、流動性、耐熱保存性、帯電性、帯電安定性、粉砕性、耐折り曲げ性、ドキュメントオフセット性、画像強度の測定方法と評価方法を、判定基準を含めて説明する。
トナーを紙面上に0.85mg/cm2となるよう均一に載せた。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/秒、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
低温定着性と同様に定着評価を行う。画像の下に白色の厚紙を敷き、光沢度計(株式会社堀場製作所製、「IG−330」)を用いて、入射角度60度にて、印字画像の光沢度(%)を測定した。光沢度が高いほど、光沢性に優れることを意味する。
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。この評価条件では、温度が高いほどオフセットが発生しにくいことを意味し、180℃以上であると実際の使用態様でオフセットの発生を抑制できる。
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーのかさ密度(g/100ml)を測定し、流動性を下記の判定基準で判定した。
○:33以上
△:25以上33未満
×:25未満
トナー1gを密閉容器に入れ、温度50℃、湿度50%の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
[判定基準]
○:ブロッキングが全く発生していない。
△:一部にブロッキングが発生している。
×:全体にブロッキングが発生している。
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)10gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿した。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて90rpm×2分間摩擦攪拌し、攪拌後の混合粉体0.2gを目開き20μmステンレス金網がセットされたブローオフ粉体帯電量測定装置に装填し、ブロー圧10KPa,吸引圧5KPaの条件で、残存フェライトキャリアの帯電量を測定し、定法により樹脂粒子の帯電量(μC/g)を算出した。なお、トナー用としてはマイナス帯電量が高いほど帯電特性が優れている。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
○:−15未満
△:−15以上−5未満
×:−5以上
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿した。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×20分間と60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
○:0.7以上
△:0.6以上0.7未満
×:0.6未満
二軸混練機で混練、冷却した粗粉砕物(8.6メッシュパス〜30メッシュオンのもの)を、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]により下記の条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.5MPa
粉砕時間:15分
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
これを分級せずに、体積平均粒径(μm)、個数平均粒径(μm)、粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)をコールターカウンター−TAII(米国コールター・エレクトロニクス社製)により測定し、下記の判定基準で粉砕性を評価した。
なお、粉砕工程を実施しない実施例7〜12、比較例3は、樹脂粒子の分散スラリーを測定した。
○: 体積平均粒子径5.5μm未満かつ粒度分布1.0以上1.8未満
△: 体積平均粒子径5.5μm以上6.0μm未満かつ粒度分布1.0以上1.8未満
×: 体積平均粒子径6.0μm以上又は粒度分布1.8以上
低温定着性の評価で定着した画像を画像面が内側になるように紙を折り曲げ、30gの加重で2往復擦る。
紙を広げて、画像上の折り曲げたあとの白すじの有無を目視で判定した。
[判定基準]
○:白すじなし
△:わずかに白すじあり
×:白すじあり
低温定着性の評価で得られた画像が定着されたA4の紙2枚を、定着面同士で重ね合わせ、420gの加重(0.68g/cm2)をかけ、60℃で60分間静置した。
重ね合わせた紙同士を引き離したときの状態について、下記の判定基準でドキュメントオフセット性を評価した。
○:抵抗なし
△:パリパリと音がするが、紙面から画像は剥がれない
×:紙面から画像が剥がれる
低温定着性の評価で定着した画像を、JIS K5600に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけ引っ掻き試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から画像強度を評価した。鉛筆硬度が高いほど画像強度に優れることを意味する。
○: H以上
△: B〜F
×: 2B以下
一方、不飽和カルボン酸成分(z)を含有しないポリエステル樹脂(b)を用いた比較例3のトナーと比較例4のトナーとはいくつかの性能項目が不良であった。
さらに、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、電子ペーパー用粒子などの用途として好適である。
Claims (9)
- アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂(a)を水性溶媒中に分散させて(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂を得る工程を含む樹脂粒子の製造方法。
- ポリエステル樹脂(a)のガラス転移温度(Tga)が−20〜45℃である請求項1に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 樹脂粒子中のテトラヒドロフラン不溶解分とテトラヒドロフラン溶解分との重量比が5/95〜50/50である請求項1又は2に記載の樹脂粒子の製造方法。
- ポリエステル樹脂(a)のピークトップ分子量が2,000〜12,000である請求項1〜3いずれかに記載の樹脂粒子の製造方法。
- ポリエステル樹脂(a)を除く、ポリエステル樹脂(b)をさらに含む樹脂粒子であって、ポリエステル樹脂(b)はアルコール成分(y)と飽和カルボン酸成分(x)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂である請求項1〜4いずれかに記載の樹脂粒子の製造方法。
- ポリエステル樹脂(a)由来の構造部分とポリエステル樹脂(b)との重量比が5/95〜50/50である請求項5に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 樹脂粒子が結晶性ポリウレタン樹脂(C)を含有する樹脂粒子である請求項1〜6いずれかに記載の樹脂粒子の製造方法。
- 樹脂粒子の表面に樹脂微粒子(P)が付着した複合樹脂粒子の製造方法であって、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂(a)を樹脂微粒子(P)を含有する水性溶媒中に分散させて(a)中の(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂を得る工程を含む複合樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1〜7いずれかに記載の樹脂粒子の製造方法で得られた樹脂粒子又は請求項8に記載の複合樹脂粒子の製造方法で得られた複合樹脂粒子を含んでなるトナーの製造方法。
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