JP2002220473A - 硬化樹脂微粉末の製造方法 - Google Patents

硬化樹脂微粉末の製造方法

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JP2002220473A
JP2002220473A JP2001017055A JP2001017055A JP2002220473A JP 2002220473 A JP2002220473 A JP 2002220473A JP 2001017055 A JP2001017055 A JP 2001017055A JP 2001017055 A JP2001017055 A JP 2001017055A JP 2002220473 A JP2002220473 A JP 2002220473A
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cured
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thermosetting resin
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Keizo Masawaki
敬三 正脇
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Japan U-Pica Co Ltd
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    • C08J3/12Powdering or granulating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化樹脂微粉末をラジカル型熱硬化性樹脂から
製造するには硬化物を粉砕する方法が一般的であるが微
粉末にするには粉砕に多額の費用がかかる。本発明は、
粒子径が10μm以下である球形状の硬化樹脂微粉末をラ
ジカル型熱硬化性樹脂から安価にして容易に製造する方
法を提供するものである。 【解決手段】本発明は、液状のラジカル重合型熱硬化性
樹脂を水相中に均一分散させてなるO/W型熱硬化性樹
脂水性分散体を、常温または加熱下に硬化させた後、乾
燥することによる硬化樹脂微粉の製造方法である。本発
明による硬化樹脂粉末は粒径が10μm以下の球形状微
粉末で機能性を具備した硬化樹脂微粉末あり、例えば、
クラック防止材、低収縮材等として使用することができ
る。また硬化樹脂微粉末中に未反応の二重結合を残存さ
せることによりマトリックス樹脂中の残存モノマー、例
えば不飽和ポリエステル樹脂硬化物中の残存スチレンの
低減材等の改質材として、また超親水性付与材、超撥水
性付与材等として、あるいは抗菌防黴性付与剤、消臭性
付与剤等として使用し得るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化樹脂微粉末の
製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、液状の
ラジカル重合型熱硬化性樹脂を水相中に均一に分散させ
てなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を、常温または
加熱下に硬化させた後、乾燥させることによる硬化樹脂
微粉末の製造方法に関する。
【0002】本発明の方法による硬化樹脂微粉末は、粒
子径が10μm以下で球形の微粉末であり、架橋密度を
調節することによりモノマー吸着量をコントロールする
ことができ、例えば、クラック防止材、低収縮材等とし
て使用することができる。また、硬化樹脂微粉末中に未
反応二重結合を残存させることにより、ポリマー中の残
存モノマー例えば残存スチレン低減材等の改質材とし
て、また、モノマーの選択により超親水性付与材、超撥
水性付与材等として、抗菌剤、防黴剤を付与することに
より抗菌防黴性付与剤、消臭剤を付与することにより消
臭性付与剤等の付加価値付与剤として種々用途に用いる
ことができる。
【0003】
【従来の技術】従来、例えば不飽和ポリエステル樹脂や
エポキシアクリレート樹脂のようなラジカル重合型熱硬
化性樹脂の微粉末を得るには、一般には粉砕という手段
が採られている。従来法による硬化樹脂微粉末の製造で
は粉砕にかかるコストが高い上に、コストに見合う性能
が得られないため、殆ど実用化されていないのが現状で
あった。
【0004】また、硬化樹脂微粒子としてはラジカル重
合型モノマーに少量の多官能性モノマーを添加し、懸濁
重合法で製造された架橋樹脂微粒子が市販されている。
この方法により得られる微粒子の架橋樹脂は、例えば、
不飽和ポリエステル樹脂による透明性を重視した人工大
理石浴槽を成形する際の成形性改良のために低収縮剤と
して使用されているが製造コストが高く高価格のため、
現状ではその使用は限られた特定分野に用いられている
のが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、不飽和
ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂微粉末を製造
するには、硬化物の粉砕による方法しかなく、微粉末に
するためには粉砕に多額の費用がかかり、製造コストが
高い上に、コストに見合う性能が得られ難く一部の特殊
用途でしか使用されていなかった。また特殊機能を具備
した樹脂微粉末として、ラジカル重合型モノマーに少量
の多官能性モノマーを添加し、懸濁重合法で製造された
微粒子の架橋樹脂があるが、屈折率、極性、界面特性等
の自由度が乏しく、例えば、改質材として用いるような
場合、添加するマトリックス樹脂の熱硬化性樹脂の特性
に合わせることが困難であった。本発明は、従来の方法
におけるコスト高を克服し、安価にして容易にラジカル
重合型熱硬化性樹脂から屈折率、極性、界面特性等の特
性に自由度を有する機能性を具備した硬化樹脂微粉末を
製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、液状のラジカ
ル重合型熱硬化性樹脂を水中に均一に分散させてなるO
/W型熱硬化性樹脂水生分散体を硬化させることにより
容易に硬化樹脂微粉末が得られることが見出された。
【0007】すなわち、本発明は、(1)液状のラジカ
ル重合型熱硬化性樹脂を水相中に均一に分散させてなる
O/W型熱硬化性樹脂水性分散体を、常温または加熱下
に硬化させた後、水分を除去し、乾燥させることを特徴
とする硬化樹脂微粉末の製造方法に関する。
【0008】また、(2)液状のラジカル重合型熱硬化
性樹脂を水相中に均一に分散させてなるO/W型熱硬化
性樹脂水性分散体を、常温または加熱下に硬化させた
後、洗浄し、水分を除去し乾燥させることを特徴とする
硬化樹脂微粉末の製造方法に関する。
【0009】(3)液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂
と水との割合が、重量比で60:40〜1:99である
上記(1)または(2)記載の硬化樹脂微粉末の製造方
法に関する。
【0010】(4)液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂
が、液状不飽和ポリエステル樹脂、液状エポキシ(メ
タ)アクリレート樹脂、液状ウレタン(メタ)アクリレ
ート樹脂である上記(1)〜(3)記載の硬化樹脂微粉
末の製造方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、ラジカル重合型熱硬化
性樹脂と水とを、重量比で60:40〜1:99の割合
で水相中に均一に分散させてなるO/W型熱硬化性樹脂
水性分散体を、常温または加熱下に硬化させた後、さら
に所望により洗浄し、乾燥させることにより粒子径が1
0μm以下である球形の微粉末硬化樹脂を製造すること
ができる。
【0012】本発明による硬化樹脂微粉末は、使用する
原材料の選択、組合せ等の自由度が高く、使用する原料
を適宜選択し組み合わせることにより、硬化樹脂微粉末
の屈折率、吸油量等を広い範囲でコントロールすること
が可能であり、さらには親水性度合、親油性度合の調節
も可能である。したがって、本発明の硬化樹脂微粉末
は、例えば、クラック防止材、低収縮材として、またポ
リマー中の残存モノマー低減剤等の改質材として、更に
マトリックス樹脂と同系統の組成からなる硬化樹脂微粉
末を使用することにより、従来の懸濁重合等により製造
されている微粒子の架橋樹脂の様に、マトリックス樹脂
との界面接着力を向上させるための表面処理や表面官能
基の導入の必要とすることなく、耐水性や物理的強度を
低下させることがなく、マトリックス樹脂との界面接着
力が良好なものとなる。また、微粉末の形状が球形状で
あり粉砕品のように応力集中を起こしやすい鋭利な角が
ないことから、樹脂に添加してもマトリックス樹脂の物
理的強度の低下が殆ど無い。更に硬化樹脂微粉末の製造
に際し使用するモノマー量を少なくすることにより、不
飽和ポリエステル等のオリゴマー中の二重結合が未反応
で残りやすくなる。この様にして製造したオリゴマー中
に未反応二重結合が残存する硬化樹脂微粉末を、例え
ば、不飽和ポリエステル樹脂のようなラジカル重合型熱
硬化性樹脂に添加すると、系全体としてはモノマーのモ
ル比が低くなり、ラジカル重合型熱硬化性樹脂の硬化物
中の未反応モノマーを減少させることができる。
【0013】本発明の硬化樹脂微粉末の製造方法は、硬
化剤および必要に応じて促進剤を添加した液状のラジカ
ル重合型熱硬化性樹脂と水との混合割合を、重量比で6
0:40〜1:99の範囲、好ましくは重量比で60:
40〜20:80の範囲で混合し、水中に樹脂粒子を均
一に分散させたO/W型熱硬化性樹脂水生分散体を硬化
させることにより容易に得ることができる。
【0014】本発明の方法による硬化樹脂微粉末の製造
において、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水との
混合割合は、重量比で60:40〜1:99の範囲で、
O/W型熱硬化性樹脂水生分散体を硬化することにより
硬化樹脂微粉末を製造することができるが、上記のラジ
カル重合型熱硬化性樹脂と水との混合割合はO/W型熱
硬化性樹脂水性分散体の製造工程における液状のラジカ
ル重合型熱硬化性樹脂と水との混合割合を必ずしも規定
するものではない。すなわち、液状のラジカル重合型熱
硬化性樹脂と水との混合割合を、例えば70:30で混
合分散しO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を得た後、硬
化させる工程において液状のラジカル重合型熱硬化性樹
脂と水との混合割合が、重量比で60:40〜1:99
の範囲にあることを意味する。硬化工程において、水の
混合割合が上記の範囲よりも少ない場合は、硬化に際し
て硬化物の樹脂粒子同士の結合が強くなり、硬化乾燥後
に硬化樹脂微粉末が得られ難くなる。一方、水の混合割
合が上記範囲よりも多い場合は、硬化樹脂微粉末を得る
のに余分なコストと労力が必要になり得策でない。液状
のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水との混合分散は、デ
ィゾルバー(高速回転ミキサー)、ホモミキサーなどの
物理的混合手段、あるいは超音波照射によりO/W型熱
硬化性樹脂水性分散体を製造することができ、このO/
W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化乾燥することにより
微粉末硬化樹脂を得ることができるものである。使用さ
れる水は、イオン交換水、蒸留水および水道水のいずれ
でも差し支えない。
【0015】本発明における液状のラジカル重合型熱硬
化性樹脂は、液状不飽和ポリエステル樹脂、液状エポキ
シ(メタ)アクリレート樹脂あるいは液状ウレタン(メ
タ)アクリレート樹脂が使用される。
【0016】本発明における液状不飽和ポリエステル樹
脂は、グリコール類を主成分とする多価アルコール類と
α,β−不飽和二塩基酸および/またはその無水物、さ
らに必要に応じて飽和二塩基酸および/またはその無水
物とを重縮合させて得られる不飽和ポリエステルをスチ
レン等のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性単量
体に溶解した液状樹脂である。
【0017】上記のグリコール類は、例えばエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリトー
ル、ペンタエリスリットジアリエーテルのようなペンタ
エリスリトール誘導体、アリルグリシジルエーテル、水
素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールA誘導体、等が例示される。
【0018】また上記のα,β−不飽和二塩基酸および
/またはその無水物としては、例えば、マレイン酸また
はその無水物、フマル酸、イタコン酸またはその無水物
などが例示される。これらは単独で、または2種以上を
混合して使用することができる。
【0019】飽和二塩基酸および/またはその無水物と
しては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラブロム無水フタ
ル酸、ヘット酸、ヘキサハイドロ無水フタル酸、1,3
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサ
ンジカルボン酸等が例示される。これらは単独で、また
は2種以上を混合して使用することができる。
【0020】また、エチレン性不飽和二重結合を有する
重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル等のビニルモノマー、ジア
リルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリル
イソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート等
のアリルモノマー、フェノキシエチルアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート等が例示される。これらは単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。またこれらのう
ちスチレン、ビニルトルエンなどのビニル系モノマーが
通常一般的に使用される。
【0021】本発明における液状エポキシ(メタ)アク
リレート樹脂としては、1分子中に2個以上のグリシジ
ルエーテル基を有するエポキシ樹脂にアクリル酸または
メタクリル酸を付加反応させて得られる分子末端にエポ
キシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を、
エチレン性α,β−不飽和二重結合を有する重合性単量
体に溶解した液状樹脂である。上記1分子中に2個以上
のグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂は、例え
ば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールS等、あるいはこれらの誘導体からのビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、ビキシレノールおよびその誘導体か
らのビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノールおよ
びその誘導体からのビフェノール型エポキシ樹脂、ある
いはナフタレンおよびその誘導体からのナフタレン型エ
ポキシ樹脂、さらにはノボラック型エポキシ樹脂などの
エポキシ樹脂が挙げられ、これらは単独で、または2種
以上を混合して使用することができる。エチレン性α,
β−不飽和二重結合を有する重合性単量体は、上記した
不飽和ポリエステル樹脂に使用されると同様の重合性単
量体を使用することができる。また、液状エポキシアク
リレートまたはエポキシメタクリレート樹脂は、上記の
エポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレート
を、例えばスチレン、ジエチレングリコールジメタクリ
レートなどの液状の重合性単量体に溶解した液状樹脂で
ある。
【0022】また本発明における液状ウレタン(メタ)
アクリレート樹脂は、ポリアルコールおよび/またはポ
リエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリ
オールとジイソシアネートとを反応させて分子末端をイ
ソシアネートとを反応させてイソシアネート化し、これ
にアルコール性水酸基を有するアクリレートまたはメタ
クリレートを反応させるか、または先ずアルコール性水
酸基を有するアクリレートまたはメタクリレートとイソ
シアネートとをイソシアネート基を残してポリアルコー
ルおよび/またはポリエステルポリオールおよび/また
はポリエーテルポリオールとを反応させて得られる分子
末端にアクリレートまたはメタクリレートの二重結合を
有するウレタンアクリレート、またはウレタンメタクリ
レートを、例えばスチレン、ジエチレングリコールジメ
タクリレートなどの液状の重合性単量体に溶解した液状
樹脂である。これらは単独で、または2種以上の混合物
で使用することができる。
【0023】本発明の硬化樹脂微粉末の製造方法におい
て、O/W型熱硬化性樹脂水性分散体には、硬化剤およ
び必要に応じ促進剤を添加して使用されるが、必要に応
じ添加される促進剤は予め液状熱硬化性樹脂に添加して
O/W型熱硬化性樹脂水性分散体を調製することが望ま
しい。硬化剤は通常は使用するに際して添加される。硬
化剤が粉末あるいはペースト状で樹脂への均一溶解に時
間がかかる場合は、硬化剤を予め液状熱硬化性樹脂に添
加してO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を調製すること
が望ましい。その場合、必要に応じて添加される促進剤
は使用するに際して添加される。
【0024】本発明に使用される硬化剤としては、通常
有機過酸化物が使用される。そのような硬化剤として代
表的なものは、メチルエチルケトンパーオキサイドで代
表されるケトンパーオキサイド類、1,1−ビス(t−
ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサンで代表されるパーオキシケタール類、クメンハイ
ドロパーオキサイドで代表されるハイドロパーオキサイ
ド類、ジクミルパーオキサイドで代表されるジアルキル
パーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイドで代表さ
れるジアシルパーオキサイド類、ビス(4−t−ブチル
シクロヘキシル)パーオキシジカーボネートで代表され
るパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエートで代表されるパーオキシベンゾエート類な
どを挙げられる。このような硬化剤は、通常、液状ラジ
カル重合型熱硬化性樹脂100重量部に対して0.5〜
3.0重量部の範囲で使用され、好ましくは0.5〜
2.0重量部が使用される。
【0025】上記の促進剤は、ナフテン酸コバルトで代
表される有機酸の金属塩(金属石鹸)類、N,N−ジメ
チルアニリン、N,N−ジメチルパラトルイジンなどの
3級アミン類、フェロセン等、不飽和ポリエステル樹脂
の室温硬化に通常使用される促進剤が使用される。これ
らの促進剤は、例えば、硬化剤としてケトンパーオキサ
イドやハイドロパーオキサイドを使用した場合はナフテ
ン酸コバルトのような金属石鹸との組合せが好ましく、
硬化剤がジアシルパーオキサイドである場合には3級ア
ミンとの組合せが好ましく、硬化剤がパーオキシカーボ
ネートである場合にはフェロセンとの組合せが好まし
い。このような促進剤は、金属石鹸類は液状ラジカル重
合型熱硬化性樹脂100重量部に対して金属含有量6%
のものに換算して0.02〜2.0重量部の範囲で使用
され、好ましくは0.2〜1.0重量部が使用される。
3級アミン類は液状ラジカル重合型熱硬化性樹脂100
重量部に対して0.05〜1.0重量部の範囲で使用さ
れ、好ましくは0.1〜0.5重量部が使用される。
【0026】本発明に使用されるO/W型水性分散体の
調製に際して、必要に応じて界面活性剤を使用すること
ができる。界面活性剤の使用は本発明のO/W型水性分
散体の安定性を高めることができるので、本発明の水性
分散体を調整後直ぐに使用することなく数日間放置した
後に硬化物とするような場合には界面活性剤を添加する
ことが望ましい。
【0027】本発明に使用される界面活性剤としては、
非イオン系界面活性剤が望ましい。非イオン系界面活性
剤としては、(1)エステル型、(2)エーテル型、
(3)アルキルフェノール型、(4)ソルビタンエステ
ル型、(5)ポリオキシエチレンソルビタンエステル
型、および(6)特殊非イオン型のいずれのタイプでも
使用することができる。このような界面活性剤の添加量
は液状ラジカル硬化型熱硬化性樹脂100重量部に対し
て0.1〜10重量部の範囲で使用され、好ましくは
0.5〜2.0重量部で使用される。界面活性剤の添加
量が0.1重量部よりも少ない場合は添加の効果が発揮
されず、10重量部を超える量を添加しても水性分散体
安定性向上の効果は少なく、コストアップや洗浄に手間
がかかる等の悪影響が多くなる。
【0028】以上の通り、本発明による硬化樹脂微粉末
は、ラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを、重量比で6
0:40〜1:99の割合で水相中に均一に分散させて
なるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を、常温または加
熱下に硬化させた後、乾燥させることにより得られ、粒
子径が10μm以下、通常0.1μm〜8.0μmであ
る球形状の微粉末である。本発明による代表的な硬化樹
脂微粉末の一例として実施例1で得られた硬化樹脂微粉
末の顕微鏡写真を図1に示す。
【0029】本発明の硬化樹脂微粉末は、先に記述した
ように液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂の調製過程で
所望の特性を付与すべく適宜モノマーの選択、組合せを
行うことにより所望の特定の機能を有する硬化樹脂微粉
末とすることができる。この特定の機能を有する硬化樹
脂微粉末は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂ゲルコー
トに添加することにより得られる積層板の表面状態を改
質することができる。またBMC用不飽和ポリエステル
樹脂に添加することにより成形収縮を防止することがで
きる。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0031】実施例1 (樹脂の合成)攪拌機,温度計,還流冷却管,窒素導入
管を付けた、5リットルのガラス製5つ口フラスコにイ
ソフタル酸1900g、ジエチレングリコール2000
gプロピレングリコール700gを入れ200℃で10
時間かけて酸価15mgKOH/gまで反応させた。1
20℃まで冷却後無水マレイン酸1100gを加え、2
10℃で9時間反応させて酸価4mgKOH/g,水酸
基価60mgKOH/gの不飽和ポリエステルを得た。
得られた不飽和ポリエステルは、ハイドロキノン1gを
溶解させた3300gのスチレンに溶解して8300g
の液状不飽和ポリエステル樹脂を得た。
【0032】(微粉末硬化樹脂の製造)内径20cm、
高さ30cmの金属製容器に、上記処方にて合成した液
状不飽和ポリエステル樹脂1000gを秤量し、これに
硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル
20g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤
として「プルロニックL−61」(ポリオキエチレンプ
ロピレンエーテル型、旭電化工業(株)製)30gを加
えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水50
0g(樹脂67gに対して33g)を加え羽根の外径が
5cmのディゾルバーを使用して回転数5000rpm
で8分間高速撹拌し、O/W型水性分散体を得た。得ら
れた水性分散体に、N,N−ジメチルアニリン2gを加
え十分に溶解した後、水道水1000g加え、水の合計
使用量を1500g(樹脂40gに対して60g)に
し、均一に分散させた後、室温で1日間硬化した。得ら
れた泥状の物を濾過し、水と分離した物を水洗再度濾過
の工程を2回繰り返し、室温で1日間乾燥させて硬化樹
脂微粉末を得た。得られた微粉末を電子顕微鏡で観察し
た結果、大部分の粒子が直径3μm〜0.1μmの球形
の粒子であった。
【0033】(硬化樹脂微粉末の使用例)日本ユピカ
(株)製ゲルコート(商品名UG−502)500g
に、上記に得られた硬化樹脂微粉末を50g添加分散さ
せた後、6%ナフテン酸コバルト2.5gを添加溶解さ
せ、硬化剤として55%メチルエチルケトンパーオキサ
イドを5g添加溶解させてスプレー装置を使用して、樹
脂型に厚さ0.5mm塗布する。室温1日硬化後ユピカ
4551PT使用して、450番ガラスマットを3プラ
イ積層する。2時間放置後60℃1時間硬化させてゲル
コート付き積層板を作製した。比較のため硬化樹脂微粉
末を添加しない外は同一操作で比較用積層板を作製し
た。得られた両積層板の性能を比較すると、硬化樹脂微
粉末を添加した積層板は、表面の水に対するなじみは良
好で親油性の汚れが付き難く、親水性の汚れも水を流す
だけで簡単に除去することができた。本発明の硬化樹脂
微粉末を添加した積層板は水に対してなじみがよいもの
であるにもかかわらず、耐水性試験においては、実施例
の積層板と比較用積層板の差は全くなく、92℃片面煮
沸試験において500時間後も両者共に変化がなかっ
た。しかし、600時間経過時点では両者共に微細な膨
れが同程度発生した。
【0034】実施例2 (微粉末硬化樹脂の製造)内径20cm、高さ30cm
の金属製容器に、液状不飽和ポリエステル樹脂(日本ユ
ピカ(株)製、商品名「ユピカ6502」(比重1.1
0))1000gを秤量し、これに硬化剤として市販の
50重量%濃度の過酸化ベンゾイル20g(樹脂100
gに対して純分1g)、界面活性剤として「プルロニッ
クL−61」(ポリオキエチレンプロピレンエーテル
型、旭電化工業(株)製)30gを加えゆっくりと混ぜ
ながらよく混合したのち、水道水2000g(樹脂33
gに対して67g)を加え羽根の外径が5cmのディゾ
ルバーを使用して回転数4000rpmで8分間高速撹
拌し、O/W型水性分散体を得た。得られた水性分散体
に、N,N−ジメチルアニリン2gを加え十分に溶解し
た後、室温で1日硬化した。得られた泥状物を濾過し、
水と分離した後60℃の熱風炉で5時間乾燥させて硬化
樹脂微粉末を得た。得られた微粉末を電子顕微鏡で観察
した結果、大部分の粒子が直径5μm〜0.1μmの球
形の粒子であった。
【0035】(硬化樹脂微粉末の使用例)日本ユピカ
(株)製引き抜き成型用樹脂(商品名ユピカ3503)
2000gに上記実施例2で得られた硬化樹脂微粉末を
100g添加分散させた後、引き抜き成型法で成形を行
った結果、微細クラックおよび色むらのない成型品が得
られた。比較のため硬化樹脂微粉末を添加しないで成形
した物は、成型品断面に多数の微細クラックが見られ強
度も低かった。
【0036】実施例3 (樹脂の合成)攪拌機,温度計,還流冷却管,窒素導入
管を付けた、5リットルのガラス製5つ口フラスコにイ
ソフタル酸2700g、ネオペンチルグリコール200
0gプロピレングリコール200gを入れ190℃で1
0時間かけて酸価15mgKOH/gまで反応させた。
120℃まで冷却後フマル酸800gを加え、210℃
で7時間反応させて酸価20mgKOH/gの不飽和ポ
リエステルを得た。得られた不飽和ポリエステルは、ハ
イドロキノン1gを溶解させた2700gのスチレンに
溶解して7700gの液状不飽和ポリエステル樹脂を得
た。
【0037】(硬化樹脂微粉末の製造)内径20cm、
高さ30cmの金属製容器に、上記に合成した液状不飽
和ポリエステル樹脂1000gを秤量し、これに硬化剤
として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル20g
(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として
「プルロニックL−61」(ポリオキエチレンプロピレ
ンエーテル型、旭電化工業(株)製)10gを加えゆっ
くりと混ぜながらよく混合したのち、水道水500g
(樹脂67gに対して33g)を加え羽根の外径が5c
mのディゾルバーを使用して回転数4000rpmで5
分間高速撹拌し、O/W型熱硬化性樹脂水性分散体を得
た。得られた水性分散体に、N,N−ジメチルアニリン
2gを加え十分に溶解した後、水道水1000g加え、
水の合計使用量を1500g(樹脂40gに対して60
g)にし、均一に分散させた後、60℃で2時間硬化し
た。得られた泥状の物を濾過し、水と分離した物を水洗
再度濾過の工程を2回繰り返し、80℃の熱風炉で5時
間乾燥させて硬化樹脂微粉末を得た。得られた微粉末を
電子顕微鏡で観察した結果、大部分の粒子が直径5μm
〜0.1μmの球形の粒子であった。
【0038】(硬化樹脂微粉末の使用例)日本ユピカ
(株)製人工大理石BMC浴槽用樹脂(商品名ユピカ7
685)10kgに実施例3で得られた硬化樹脂微粉末
を1kg,ガラスフリット30kg,3mm長のガラス
繊維10kgおよび硬化剤,増粘剤,離型剤等を添加し
井上製作所(株)製プラネタリーミキサーで10分間分
散した後40℃で1日間熟成した。得られたBMC成形
材料で浴槽の成形を行った結果、クラックの発生がなく
表面平滑性に優れ、透明性のある浴槽が得られた。得ら
れた浴槽の全光線透過率は厚さ9mmの部分で29%で
あった。比較のため硬化樹脂微粉末を添加しないで同様
に成形した浴槽は成型時にクラックが入り製品が得られ
なかった。
【0039】実施例4 (樹脂の合成)攪拌機,温度計,還流冷却管,窒素導入
管を付けた、5リットルのガラス製5つ口フラスコに無
水マレイン酸3000g、プロピレングリコール250
0gを入れ、210℃で7時間反応させて酸価30mg
KOH/gの不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽
和ポリエステルは、ハイドロキノン1gを溶解させた2
000gのスチレンに溶解して7000gの液状飽和ポ
リエステル樹脂を得た。
【0040】(硬化樹脂微粉末の製造)内径20cm、
高さ30cmの金属製容器に、上記に合成した液状不飽
和ポリエステル樹脂1000gを秤量し、これに硬化剤
として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル20g
(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として
「プルロニックL−61」(ポリオキエチレンプロピレ
ンエーテル型、旭電化工業(株)製)30gを加えゆっ
くりと混ぜながらよく混合したのち、水道水500g
(樹脂67gに対して33g)を加え羽根の外径が5c
mのディゾルバーを使用して回転数4000rpmで5
分間高速撹拌し、O/W型水性分散体を得た。得られた
水性分散体に、N,N−ジメチルアニリン2gを加え十
分に溶解した後、水道水1000g加え、水の合計使用
量を1500g(樹脂40gに対して60g)にし、均
一に分散させた後、室温で1日間硬化した。得られた泥
状物を濾過し、水と分離して得られた固形物を、再度、
水洗濾過の工程を2回繰り返した後、105℃の熱風炉
で2時間乾燥させて硬化樹脂微粉末を得た。得られた微
粉末を電子顕微鏡で観察した結果、大部分の粒子が直径
6μm〜0.1μmの球形の粒子であった。
【0041】(硬化樹脂微粉末の使用例)日本ユピカ
(株)製手積み積層用樹脂(商品名ユピカ4551P
T)500gに上記に得られた硬化樹脂微粉末を50g
添加分散させた後、市販の硬化剤55%メチルエチルケ
トンパーオキサイド5gを添加溶解させて、450g/
2のガラスマットに含浸し、室温で1日硬化させた。
1日後の硬化物中の未反応スチレンを測定した結果、硬
化物全量に対し1.7%であった。比較のため硬化樹脂
微粉末を添加しないで成形した硬化物中の未反応スチレ
ンは、硬化物全量に対し4.1%であった。
【0042】実施例5 (硬化樹脂微粉末の製造)内径20cm、高さ30cm
の金属製容器に、液状エポキシメタクリレート樹脂(日
本ユピカ(株)製、商品名「ネオポール8250L」
(比重1.07))1000gを秤量し、これに抗菌剤
として「ノバロンAGT330」(東亞合成(株)製)
10g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベ
ンゾイル20g(樹脂100gに対して純分1g)、界
面活性剤として「プルロニックL−61」(ポリオキエ
チレンプロピレンエーテル型、旭電化工業(株)製)3
0gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水
道水500g(樹脂67gに対して33g)を加え羽根
の外径が5cmのディゾルバーを使用して回転数400
0rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性分散体を得
た。得られた水性分散体に、N,N−ジメチルアニリン
2gを加え十分に溶解した後、水道水1500g加え、
水の合計使用量を2000g(樹脂33gに対して67
g)にし、均一に分散させた後、室温で1日硬化した。
得られた泥状物を濾過し、水と分離した固形物を、再
度、水洗濾過の工程を2回繰り返した後、60℃の熱風
炉で5時間乾燥させて硬化樹脂微粉末を得た。得られた
微粉末を電子顕微鏡で観察した結果、大部分の粒子が直
径5μm〜0.1μmの球形の粒子であった。
【0043】(硬化樹脂微粉末の使用例)日本ユピカ
(株)製ゲルコート(商品名UG−502P)500g
に上記実施例5で得られた硬化樹脂微粉末を50g添加
分散させた後、硬化剤として55%メチルエチルケトン
パーオキサイド(MEKPO)を5g添加溶解させてス
プレー装置を使用して、樹脂型に厚さ0.1mm塗布す
る。塗布後更にその上に、UG−502Pに硬化剤とし
て55%MEKPOを1PHR添加溶解させたゲルコー
トを同様スプレー装置で厚さ0.4mm塗布、合計厚み
0.5mmにする。室温1日硬化後ユピカ4551PT
使用して、450番ガラスマットを3プライ積層した。
2時間放置後60℃1時間硬化させてゲルコート付き積
層板を作製した。比較のため硬化樹脂微粉末を添加した
ゲルコートだけで合計厚み0.5mmに塗布する以外
は、同一操作で比較用積層板を作製して得られた積層板
との抗菌性は全く同等であったが、硬化樹脂微粉末を添
加したものから得られた積層板は、抗菌剤の使用量は5
分の1で済み同等の抗菌性能を有するゲルコート付き積
層板を低価格で製造することができた。
【0044】比較例1 内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、液状不飽
和ポリエステル樹脂(日本ユピカ(株)製、商品名「ユ
ピカ6502」(比重1.10))1000gを秤量
し、これに硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化
ベンゾイル20g(樹脂100gに対して純分1g)、
界面活性剤として「プルロニックL−61」(ポリオキ
エチレンプロピレンエーテル型、旭電化工業(株)製)
30gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、
水道水500g(樹脂67gに対して33g)を加え羽
根の外径が5cmのディゾルバーを使用して回転数40
00rpmで5分間高速撹拌しO/W型水性分散体を得
た。得られた水性分散体に、N,N−ジメチルアニリン
2gを加え十分に溶解した後、室温で1日硬化した。得
られた硬化物は非常に脆い固形物で表面から粉状に削れ
易い固まりであり、乾燥しても良好な粉体は得られなか
った。
【0045】
【発明の効果】(1)本発明により得られる硬化樹脂微
粉末は、その製造に際し、硬化樹脂微粉末を得るO/W
型熱硬化性樹脂水生分散体用樹脂の製造工程において、
モノマー成分を適宜選択し、組み合わせることにより、
硬化樹脂粉末に所望の機能を付与することができるの
で、クラック防止材、低収縮材、残存モノマー低減材等
の改質材としての機能、また、超親水性付与材、超撥水
性付与材、抗菌剤や防黴剤を付与した抗菌防黴性付与
剤、あるいは消臭剤を付与した消臭性付与剤等の特殊性
能を付与した付加価値付与剤等として使用される。この
ような機能性を付与した硬化樹脂微粉末を、ラジカル重
合型熱硬化性樹脂、例えば不飽和ポリエステル樹脂に添
加することにより、マトリックス樹脂の特性を維持しな
がら特殊性能を有する硬化物を得ることができる。 (2)本発明による硬化樹脂微粉末は、硬化樹脂微粉末
の特性を使用するマトリックス樹脂と類似の樹脂組成と
して、屈折率を合わせ、吸油量を調節することにより、
マトリックス樹脂との界面接着性が良好で、透明性に優
れ、耐水劣化の少ない成型品を得るための成形クラック
防止材として有用である。 (3)また、硬化樹脂微粉末中に未反応二重結合を多く
残存させた微粉末は、ラジカル重合型熱硬化性樹脂、例
えば、不飽和ポリエステル樹脂に添加することにより、
ラジカル重合型熱硬化性樹脂硬化物中の残存モノマーを
低減する機能を有しており、硬化後のモノマー臭(例え
ば、スチレン臭)の低減や環境へのモノマーの流出を減
少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による代表的な硬化樹脂微粉末の電子顕
微鏡写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月11日(2001.12.
11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】本発明における液状のエポキシ(メタ)ア
クリレート樹脂としては、1分子中に2個以上のグリシ
ジルエーテル基を有するエポキシ樹脂にアクリル酸また
はメタクリル酸を付加反応させて得られる分子末端に
(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アク
リレート樹脂を、エチレン性α,β−不飽和二重結合を
有する重合性単量体に溶解した液状樹脂である。上記1
分子中に2個以上のグリシジルエーテル基を有するエポ
キシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ビスフェノールS等、あるいはこれらの誘導体か
らのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノールお
よびその誘導体からのビキシレノール型エポキシ樹脂、
ビフェノールおよびその誘導体からのビフェノール型エ
ポキシ樹脂、あるいはナフタレンおよびその誘導体から
のナフタレン型エポキシ樹脂、さらにはノボラック型エ
ポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が挙げられ、これらは単
独で、または2種以上を混合して使用することができ
る。エチレン性α,β−不飽和二重結合を有する重合性
単量体は、上記した不飽和ポリエステル樹脂に使用され
ると同様の重合性単量体を使用することができる。ま
た、液状エポキシアクリレートまたはエポキシメタクリ
レート樹脂は、上記のエポキシアクリレートまたはエポ
キシメタクリレートを、例えばスチレン、ジエチレング
リコールジメタクリレートなどの液状の重合性単量体に
溶解した液状樹脂である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 75:14 C08L 75:14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂を水相
    中に均一に分散させてなるO/W型熱硬化性樹脂水性分
    散体を、常温または加熱下に硬化させた後、水分を除去
    し、乾燥させることを特徴とする硬化樹脂微粉末の製造
    方法。
  2. 【請求項2】液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂を水相
    中に均一に分散させてなるO/W型熱硬化性樹脂水性分
    散体を、常温または加熱下に硬化させた後洗浄し、水分
    を除去し乾燥させることを特徴とする硬化樹脂微粉末の
    製造方法。
  3. 【請求項3】液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水と
    の割合が、重量比で60:40〜1:99である請求項
    1または2記載の硬化樹脂微粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂が、液
    状不飽和ポリエステル樹脂、液状エポキシ(メタ)アク
    リレート樹脂、液状ウレタン(メタ)アクリレート樹脂
    である請求項1〜3記載の硬化樹脂微粉末の製造方法。
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