JP2780277B2 - 架橋粒子製造方法 - Google Patents

架橋粒子製造方法

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JP2780277B2 JP22778588A JP22778588A JP2780277B2 JP 2780277 B2 JP2780277 B2 JP 2780277B2 JP 22778588 A JP22778588 A JP 22778588A JP 22778588 A JP22778588 A JP 22778588A JP 2780277 B2 JP2780277 B2 JP 2780277B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる三次元架橋粒子の製造方
法に関し、詳細には、一分子中にラジカル重合性不飽和
結合およびイオン性親水性基を併せ有する、いわゆる親
水性不飽和化合物と光重合開始剤とを、あるいは親水性
不飽和化合物とその他の共重合可能なラジカル重合性親
水性不飽和化合物と光重合開始剤とを必須の成分として
含んでなる組成物を重合させることを特徴とする三次元
架橋粒子の製造方法に関し、さらに詳細には組成物を水
中に分散させ、次いで流動状態下に、活性光線を照射せ
しめることを特徴とする三次元架橋粒子の製造方法に関
する。
〔従来の技術〕
近年、塗料や印刷インキなどの分野において、球状微
細粒子を使用した形の組成物が注目されつつある。かか
る球状微細粒子の添加により、それらの風合いや感触、
そして機械的特性などを改質を図らんとするものである
が、当該分野において検討されている当該粒子の多く
は、複雑にして長時間の工程を経て得られるものであ
り、また、当該粒子の殆んどが高剛性で、かつ高ガラス
転移点のものであるために、脆弱で風合いが限定される
など、近年の多様なニーズに対応しうるような粒子を見
い出すことは、至極、困難である。とりわけ、強靭で耐
溶剤性にすぐれる粒子に至っては、未だに見い出されな
いままにある。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで、本発明者らは叙上の如き実状に鑑みて、鋭意
検討を重ねた結果、本発明を完成させるに到ったが、本
発明は、極めて簡便にして極めて多様する特性を有する
三次元架橋粒子と、その製造方法を提供することを目的
とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は必須の成分として、一分子中にラ
ジカル重合性不飽和結合及びイオン性親水性基を有する
親水性不飽和化合物(A)と、光重合開始剤(B)と
を、あるいは該親水性不飽和化合物(A)と、該親水性
不飽和化合物(A)以外のラジカル重合性不飽和結合を
有し、イオン性親水性基を有さない非親水性不飽和化合
物(C)と、光重合開始剤(B)とを含んでなる特定の
組成物を重合させることを特徴とする三次元架橋粒子の
製造方法を提供しようとするものであり、そして、こう
した特定の組成物を水中に分散させた状態で、撹拌など
の適当な物理的ないしは化学工学的な手段による流動状
態下において、活性光線を照射せしめることから成る、
三次元架橋粒子の製造方法を提供しようとするものであ
る。
ここにおいて、イオン性親水性とは、一般式 や一般式 などで示されるようなイオン性の基を指称するものであ
り、当該イオン性親水基は粒子形成組成物を水中に分散
させたさいに、良好な保護コロイドを形成するものであ
る。
そのために、本発明においては、これらのイオン性親
水基を粒子形成性化合物ないしは粒子形成性組成物中に
含有させているわけである。
したがって、本発明には、非架橋性の分散助剤を使用
する方法に比して、大きな長所がある。
すなわち、周知の通り、樹脂の組成や分子量とか、溶
解性パラメーターなどにより、樹脂の水への分散性は大
きく変動するものであり、分散助剤を使用するという従
来方法による場合には、かかる分散助剤を極めて多量に
要する場合もあって、そのために、どうしても粒子の物
理的特性や化学的性質が樹脂本来の特性から乖離してし
まったり、分散助剤の除去に多大の労力と時間とを要し
たりするという不具合があるが、それに対して、本発明
におけるような自己分散型の方式による場合には、分散
助剤を全く必要としなく、その逆に、何らイオン性親水
性を有しないような化合物をも同時に分散させることが
可能となるため、種々の特性を有する粒子を幅広く設計
できるばかりでなく、分散助剤の除去などといった後処
理工程が不要となる大きなメリットがある。
前述したようなイオン性親水基とラジカル重合性不飽
和結合とを同一分子内に有する親水性不飽和化合物
(A)として代表的なもののみに止めるならば、まず、
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート類が
挙げられるが、これらは「エピクロン850、1050もしく
は4050」〔大日本インキ化学工業(株)製の、ビスフェ
ノールAタイプのエポキシ化合物〕;ネオペンチルグリ
コール、グリセリンはもしくはトリメチロールプロパン
の如き多価アルコールのポリグリシジルエーテル;上記
多価アルコールのポリアルキレングリコールのポリグリ
シジルエーテル;またはアジピン酸、セバチン酸、フタ
ル酸もしくはトリメリット酸の如き多価カルボン酸のポ
リグリシジルエステルなどの各種エポキシ化合物中に含
まれるエポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させ、次
いでかくして得られるエポキシ(メタ)アクリレート類
中のヒドロキシル基に酸無水物を付加せしめるという方
法とか、更に高分子量物を得るために、二価のエポキシ
化合物のnモルに、二価のカルボキシル基含有化合物の
(n−2)モルと2モルの(メタ)アクリル酸とを反応
させ、次いで酸無水物を反応せしめるという方法とか、
あるいは二価のエポキシ化合物のnモルに、(n+2)
モルの二価カルボン酸を反応させ、次いで酸無水物を反
応させ、しかるのちグリシジル(メタ)アクリレートの
如きラジカル重合性不飽和結合含有エポキシ化合物を反
応せしめるという方法などによって得られるものであ
り、次いで、カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アク
リレート類が挙げられるが、これらはジメチロールプロ
ピオン酸の如き三級カルボン酸含有二価アルコールを、
多価アルコールおよび多価カルボン酸と共縮合させ、次
いでかくして得られる三級カルボキシル基含有ポリエス
テルポリオールのヒドロキシル基1当量に、トリレンジ
イソシアネート、、キサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、もしくはジフェニルメタン
−4,4′−ジイシアネートの如きジイソシアネート類の
0.7〜1モルをウレタン化反応させ、次いで2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレートもしくはカプロラクトン変性
−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの如きヒ
ドロキシル基含有(メタ)アクリレート化合物の0.4〜
1モルをウレタン化反応せしめるという方法などによっ
て得られるものである。
当該親水性不飽和化合物(A)の代表例としては、ま
た、「アントックスMS−60もしくはRA−1024」〔日本乳
化剤(株)製品〕の如きポリエーテル変性不飽和スルホ
ン酸金属塩含有(メタ)アクリレート類をはじめ;2−ナ
トリウムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレ
フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸もしくは
5−カリウムスルホイソフタル酸の如きスルホン酸金属
塩含有ジカルボン酸を、このスルホン酸金属塩を含有し
ない他の多価カルボン酸類と多価アルコールと共縮合さ
せ、次いでかくして得られるポリエステルポリオール類
のヒドロキシル基1当量に対し、前掲した如きジイソシ
アネート化合物の0.7〜1モルをウレタン化反応させ、
さらに前掲した如きヒドロキシル基含有(メタ)アクリ
レート化合物を0.4〜1モルの割合でウレタン化反応せ
しめて得られるスルホン酸金属塩含有ウレタン(メタ)
アクリレート類;上掲した如きスルホン酸金属含有ジカ
ルボン酸の1モルに対し、多価アルコールを2モル以上
となる割合でエステル化反応させ、次いでかくして得ら
れる低分子量ポリエステル化合物に、ε−カプロラクト
ン、γ−ブチロラクトンもしくは3−メチル−δ−バレ
ロラクトンの如きラクトン類を開環付加反応させ、しか
るのち、かくして得られるラクトン変性ポリエステルポ
リオール類のヒドロキシル基1当量に対し、前掲のジイ
ソシアネート化合物の0.7〜1モルをウレタン化反応さ
せ、さらに前掲のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレ
ート化合物を0.4〜1モルの割合でウレタン化反応せし
めて得られるスルホン酸金属含有ラクトン変性ウレタン
(メタ)アクリレート類;または上掲のスルホン酸金属
塩含有ジカルボン酸と、このスルホン酸金属塩を含有し
ない他の多価カルボン酸および多価アルコールとを共縮
合させ、次いでかくして得られるポリエステルポリカル
ボン酸類のカルボキシル基1当量に対し、二価のエポキ
シ化合物の0.7〜1モルと、(メタ)アクリル酸の0.4〜
1モルとを反応せしめて得られるスルホン酸金属塩含有
エポキシ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。こ
れらの親水性不飽和化合物(A)は、目的とする三次元
架橋粒子の物理特性、耐溶剤性および耐久性などを良好
ならしめるため、一分子中に2個以上のラジカル重合性
不飽和結合を有する親水性不飽和化合物を含むことが必
要である。この場合2個以上のラジカル重合性不飽和結
合を有する親水性不飽和化合物の数平均分子量は400〜2
0,000なる範囲のものが好ましい。
すなわち、十分なる三次元架橋の形成を考慮して、上
記の分子量領域にある親水性多官能化合物の使用が必要
となる。
この分子量が400未満の場合には、どうしても、所望
の高靭性をもったものが得られ難くなるし、一方、20,0
00を超える場合には、架橋密度が低くなりすぎ、ひいて
は、良好な耐溶剤性などの特性をもったものが得られ難
くなるので、いずれも好ましくない。
また、本発明においては、当該親水性不飽和化合物
(A)としては、一分子中に1個のラジカル重合性不飽
和結合を有する化合物、つまり親水性単官能化合物のみ
を用いるときには、所望の特性をもった目的物を得るこ
とができないので、5重量%以上の2個以上のラジカル
重合性不飽和結合を有する親水性不飽和化合物を含む
か、親水性不飽和化合物(A)に、イオン性親水性基を
何ら含まない非親水性多官能化合物(C)を併用し、2
個以上のラジカル重合性不飽和結合を有する化合物を5
重量%以上含ませるかして耐溶剤性などの実用性能を具
備させるために必要にして十分な三次元架橋化を図る必
要がある。この場合2個以上のラジカル重合性不飽和結
合を有し、イオン性親水性基を有さない非親水性多官能
化合物としては、数平均分子量が170〜20,000のものが
好ましい。
こうした種々の、分子中に2個以上のラジカル重合性
不飽和結合を有する親水性多官能化合物を使用する場合
や非親水性多官能化合物を併用する場合においても、次
に述べる如き特定の、イオン性親水基の含有率の範囲内
に入るようにすることが重要であり、このようにするこ
とによって始めて、本発明の目的物を得ることが可能と
なる。
すなわち、以上に掲げられた如き種々の親水性不飽和
化合物(A)中に含有されるイオン性親水基は、保護コ
ロイドを有効、かつ安定的に形成する上で、粒子形成性
組成物中に、前掲の〔I〕式で示されるようなイオン性
親水基の場合には0.01〜0.3ミリモル/gなる範囲内で、
前掲の〔II〕式で示されるようなイオン性親水基の場合
には0.2〜3.0ミリモル/gなる範囲内で、それぞれ、含有
されることが望ましい。
かかるイオン性親水基の含有率が上記した範囲に満た
ない場合には、どうしても、安定な保護コロイドの形成
化が果たし得なくなるようになり、ひいては光照射前ま
たは光照射中に、粒子形成性組成物それ自体が凝集沈殿
してしまうなどの不都合を生ずるケースが多くなったり
するし、一方、上記範囲を超えて多くなりすぎる場合に
は、水溶化の状態、つまり水溶液となってしまい、良好
な架橋粒子を得ることが望めなくなるので、いずれも好
ましくない。
これら前掲のイオン性親水基の中でも、一般式〔I〕
で示されるような、いわゆるスルホン酸アルカリ金属塩
を含有する化合物は、少量でも極めて安定な保護コロイ
ドを形成するものである処から、三次元架橋粒子の硬化
物、つまり硬化粒子の物性ないしは性能などに及ぼす影
響も実質的になく、殆んど認められないために、特に望
ましいものであると言える。
本発明の目的物たる三次元架橋粒子は、粒子形成性組
成物の分子量や組み合わせによって、その物性が変化す
るものであるが、本発明の目的とする強靭性にすぐれる
粒子を得るためには、一分子中にウレタン結合を0.2〜
5ミリモル/gなる範囲内で含有し、かつ数平均分子量が
400〜20,000なるウレタン(メタ)アクリレート類が、
全粒子形成性組成物の20重量%以上を占めるように設計
することが望ましい。
また、かかるウレタン(メタ)アクリレート類を単独
で使用する場合には、とくに該ウレタン(メタ)アクリ
レート類として、同一分子内に前掲の一般式〔I〕で示
されるイオン性親水基と2個以上の(メタ)アクリロイ
ル基とを併せ有するという特定の親水性多官能ウレタン
(メタ)アクリレートを用いることが肝要であり、この
ようにすることによって、極めて強靭で弾性に富み、し
かも耐溶剤性などにもすぐれる三次元架橋粒子を得るこ
とができる。
本発明においては、さまざまな特性をもった三次元架
橋粒子を広い範囲で設計することが可能である。
すなわち、本発明においては、良好に保護コロイドを
形成しうる程度にイオン性親水基を含有させ、そして該
イオン性親水基が存在するように、なおかつ、三次元架
橋して耐溶剤性や耐熱性などの実用性能を維持し向上せ
しめ得るような組成物となっていればよいが、とりわ
け、機械的特性などの向上化を期する場合には、前掲さ
れた如き各種の親水性不飽和化合物(A)とは全く別
の、イオン性親水性基を有さず、該化合物と共重合可能
なラジカル重合性不飽和結合を有する非親水性化合物
(C)を、適宜、添加混合して用いることができるのは
勿論である。
かかる共重合可能な他のラジカル重合性非親水性化合
物(C)として代表的なもののみを挙げるに止めれば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレートもしくはシクロヘキシル(メタ)アク
リレートの如き、一価アルコールの(メタ)アクリル酸
エステル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、
ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートのジ(メタ)
アクリレートもしくはスピログリコールジ(メタ)アク
リレートの如き、二価アルコール(ジオール)の(メ
タ)アクリル酸ジエステル類;トリメチロールエタント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシ
アヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレートもしくはジペンタエリス
リトールポリ(メタ)アクリレートの如き多官能(メ
タ)アクリレート類をはじめ、これらの各(メタ)アク
リレート類の原料アルコール類にエチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、ε−カプロラクトンもしくはγ
−ブチロラクトンなどを付加反応させて得られる、アル
キレンオキサイド変性ないしはラクトン変性アルコール
類の(メタ)アクリル酸エステル類や、上掲した如き各
多官能(メタ)アクリレート類の誘導体としての、たと
えば、原料(メタ)アクリル酸の一部を脂肪酸、蟻酸も
しくは安息香酸の如きモノカルボン酸で置換した形の変
性(メタ)アクリレート類とか、アルコキシ(ポリ)ア
ルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートまたはポ
リアルキレングリコール(メタ)アクリレート、あるい
はイオン性親水基を含有しない、ポリエステル、ポリエ
ーテル、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリ
ブタジエン、ポリペンタジエンもしくは、ひまし油系の
各種ポリオール類のポリ(メタ)アクリレート類とか、
同じく、イオン性親水基を含有しないウレタン(メタ)
アクリレート類やエポキシ(メタ)アクリレート類など
の各種(メタ)アクリレート類などであり、さらにはス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビ
ニルまたはビニルピロリドンなどのその他のビニル化合
物などである。このように、当該ラジカル重合性非親水
性不飽和化合物(C)としては、一分子中にただ1個の
ラジカル重合性不飽和結合しか有さない化合物と、一分
子中に2個以上のラジカル重合性不飽和を有する化合物
との両タイプの化合物がある。一分子中に2個以上のラ
ジカル重合性不飽和を有する化合物としては、当該分野
において公知慣用の化合物の中から適宜、選択し、混合
して用いればよい。
次いで、前記した光重合開始剤(B)としては、公知
慣用のものであれば、いずれも使用できるが、そのうち
でも代表的なものとしては、ベンゾフェノン類、アセト
フェノン類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類また
はチオキサントン類などが挙げられる。
これらの光重合開始剤(B)は単独使用でも、2種以
上の併用でもよく、その使用量としては、粒子形成組成
物の100重量部に対して0.02〜20重量部、好ましくは0.5
〜15重量部なる範囲内が適切である。
以上に掲げられたような、親水性不飽和化合物(A)
と光重合開始剤(B)とを、あるいは親水性不飽和化合
物(A)と、該化合物(A)と共重合可能な他のラジカ
ル重合性非親水性不飽和化合物(C)と、光重合開始剤
(B)とを必須の成分とする本発明の粒子形成性組成物
は、水中に均一に分散して、安定な分散状態を呈するも
のであるが、そのさい、水の量が多すぎる場合には、生
産性が劣るようになるし、逆に少なすぎる場合には、分
散状態が悪化するようになって不具合が起こる可能性が
高くなるので、当該組成物と水との比率としては、重量
比で、60:40〜5:95、好ましくは50:50〜10:90なる範囲
内が適切である。
本発明の目的物たる三次元架橋粒子は、以上のような
構成になる粒子形成性組成物を水中に分散させた状態
で、該組成物に活性光線を照射せしめることにより形成
されるが、粒子同志の付着や凝集などを防止し、かつ粒
径を揃えるために、適当な流動下に照射を行なうこと
が、是非共、必要である。
かかる流動の手段としては、振とう法、撹拌法、超音
波法またはループ式流下法などの公知慣用の方式が適用
できるが、これらの方式を適宜、組み合わせて用いるこ
ともできる。
本発明において、前記した活性光線とは、200〜500nm
なる範囲内の波長をもった光線を指称し、たとえば、低
圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボ
ンアークランプまたはキセノンランプなどが代表的なも
のとして挙げられるが、就中、高圧水銀灯またはメタル
ハライドランプなどの使用が、実用的には、望ましい。
当該活性光線の照射に当たっては、当該光線が分散液
に照射されればよく、たとえば、水分散液流体容器上か
ら直接照射する方法とか、容器外から石英硝子やテフロ
ンなどの紫外線を遮断しにくい材質を通して照射する方
法とか、石英製のループリアクターを通しながら照射す
る方法とか、あるいは容器内に二重管で内包された照射
光源を浸漬して照射する方法などの種々の手段が採用さ
れ、これらの各手段を適宜、組み合わせて用いることも
できる。
かくして本発明により得られる硬化粒子は、通常、0.
01〜200ミクロンなる範囲内の粒径を有するものである
のがよく、かかる範囲の硬化粒子は、種々の用途に有用
であり、とりわけ、塗料および印刷インキ用などの用途
の場合には、0.1〜150ミクロン程度のものであるのが望
ましい。
〔発明の効果〕
これまでに記述した通り、本発明にあっては、非反応
性の水分散助剤を何ら使用せずに三次元架橋粒子が得ら
れるという技術的特徴と、極めて柔軟でゴム弾性を有す
るものから高剛性なものに至る、架橋粒子のガラス転移
点にかかわりのない広範囲の三次元架橋粒子が得られる
という利用範囲的特徴と、さらには簡便にして極めて短
時間に目的架橋粒子が得られるという操作的特徴とを有
する。
しかも、本発明の目的物は、その粒子中に非反応性の
内部可塑剤な物質を何ら含有するものではなく、加え
て、十分な網目構造を有するものであるため、汎用の有
機溶剤のほか、ジメチルホルムアミドやテトラヒドロフ
ランなどの強溶剤にも溶解することがなく、したがっ
て、塗料などに用いられた場合に、粒子の溶解に伴う増
粘の心配もなければ、可塑剤的成分の溶出に伴う、ゆず
肌やハジキなどの発生の心配も全くないので、極めて有
利なものである。
さらに、本発明の目的物は、弾性に富み、かつ強靭な
粒子である処から、塗料用以外にも、接着剤、シーリン
グ、成形材または化粧品など、広範な用途に利用でき
る。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により一層具体的に説明する
が、以下において部および%は、特に断わりのない限
り、すべて重量基準であるものとする。
実施例1 ジメチロールプロピオン酸の67部、ネオペンチルグリ
コールの312部およびアジピン酸の365部を、常法により
エステル化反応させて酸価が86で、かつ水酸基価が172
なる高酸価のポリエステルを得た。
別に、2,4−トリレンジイソシアネートの174部と2−
ヒドロキシプロピルアクリレートの130部とを、常法に
よりウレタン化反応させ、ここへ先に得られた高酸価ポ
リエステルの326部を加えてウレタン化反応を続行し
て、酸価が22なるウレタンアクリレートを得た。
次いで、このウレタンアクリレートの80部にフェノキ
シエチルアクリレートの20部を混合し、さらにトリエチ
ルアミンを用いて中和してから、ベンジルジメチルケタ
ールの5部を添加混合して、有効成分が30%となるよう
に水中に分散させた処、均一で安定な水分散液が得られ
た。
しかるのち、この分散液の200部を石英フラスコに移
して、撹拌下に250mW/cm2なる高圧水銀灯を用いて25分
間に亘り、紫外線照射を行なった処、平均粒径が4ミク
ロンなる三次元架橋粒子が得られた。
実施例2 エポキシ当量が195なる「エピクロン850」の390部と
アクリル酸の144部とを、常法によりエステル化反応さ
せ、さらにテトラヒドロ無水フタル酸の30部を加えてハ
ーフエステル化をを行ない、酸価が20なるカルボキシル
基含有オリゴエステルアクリレートを得た。
次いで、この生成物に含まれるカルボキシル基を同当
量の水酸化ナトリウム水溶液で中和し、さらにベンジル
メチルケタールの28.2部を添加混合してから、有効成分
が30%となるように水中に分散させた処、均一にして安
定なる水分散液が得られた。
しかるのち、この分散液の200部を、実施例1と同様
にして10分間、紫外線照射せしめた処、平均粒径が2.5
ミクロンなる三次元架橋粒子が、硬化粒子として得られ
た。
実施例3 ネオペンチルグリコールとε−カプロラクトンとを常
法により開環縮合させて得られた、水酸基価が140なる
カプロラクトンポリエステルジオールの801.4部と、イ
ソホロンジイソシアネートの444部と、2−ヒドロキシ
エチルアクリレートの232部とを、常法によりウレタン
化反応させ、イオン性親水基を全く含まないウレタンア
クリレートを得た。
次いで、このウレタンアクリレートの95部と、「アン
トックス、RA−1024」の5.6部と、ベンゾインイソブチ
ルエーテルの5部とを混合して、有効成分が20%となる
ように水中に分散させた処、均一で安定な水分散液が得
られた。
しかるのち、この分散液の200部を、実施例1と同様
にして、10分間に亘り紫外線照射せしめた処、平均粒径
が35ミクロンなる硬化粒子が得られた。
実施例4 5−ナトリウムスルホイソフタル酸の5.36部、ネオペ
ンチルグリコールの312部およびアジピン酸の289.1部
を、常法によりエステル化反応させて、水酸基価が208
なるポリエステルを得た。
次いで、このポリエステルの270部と、イソホロンジ
イソシアネートの222部と、2−ヒドロキシエチルアク
リレートの116部とをウレタン化反応させて、スルホン
酸金属塩含有ウレタンアクリレートを得た。
しかるのち、このウレタンアクリレートの80部と、フ
ェノキシエチルアクリレートの20部と、ベンジルジメチ
ルケタールの5部とを均一に混合してから、有効成分が
30%となるように水中に分散させた処、均一にして安定
なる水分散液が得られた。
次いで、この分散液の200部を、実施例1と同様にし
て、20分間に亘り紫外線照射せしめた処、平均粒径が5
ミクロンなる硬化粒子が得られた。
実施例5 5−ナトリウムスルホイソフタル酸の26.8部およびネ
オペンチルグリコールの322.4部を、常法によりエステ
ル化反応させて、水酸基価が974なるオリゴエステルジ
オールを得た。
次いで、このオリゴエステルジオールの115.2部にテ
トラヒドロ無水フタル酸の304部をエステル化反応させ
て、酸価が268なるポリエステルジカルボン酸を得た。
しかるのち、このポリエステルジカルボン酸の419部
とネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの432
部とアクリル酸の144部とを、常法によりエポキシエス
テル化反応させて、スルホン酸金属塩含有エポキシアク
リレートを得た。
次いで、このエポキシアクリレートの60部と、実施例
3で得られたイオン性親水基を全く含まないカプロラク
トン変性ウレタンアクリレートの40部と、ベンジルジメ
チルケタールの5部とを均一に混合してから、有効成分
が25%となるように水中に分散させた処、均一にして安
定なる分散液が得られた。
しかるのち、この分散液の200部を、実施例と同様に
して、15分間に亘り紫外線照射せしめた処、平均粒径が
25ミクロンなる硬化粒子が得られた。
実施例6 5−ナトリウムスルホイソフタル酸の26.8部およびエ
チレングリコールの68.2部を、常法によりエステル化反
応させて、水酸基価が1,228なるオリゴエステルジオー
ルを調製し、さらにこのジオールにε−カプロラクトン
の708.6部を重縮合させて、水酸基価が140なるスルホン
酸金属含有ポリカプロラクトンポリエステルを得た。
別に、トリメチロールプロパンとε−カプロラクトン
とから常法により得られた、水酸基価が140なるポリカ
プロラクトンポリエステルの100部と、先に得られたス
ルホン酸金属塩含有ポリカプロラクトンポリエステルの
300部と、2,4−トリレンジイソシアネートの174部と、
2−ヒドロキシプロピルアクリレートの130部とを、常
法によりウレタン化反応させて、スルホン酸金属塩含有
ウレタンアクリレートを得た。
次いで、このウレタンアクリレートの80部と、カルビ
トールアクリレートの20部と、ベンジルジメチルケタノ
ールの5部とを均一に混合してから、有効成分が20%と
なるように水中に分散させた処、均一にして安定なる分
散液が得られた。
しかるのち、この分散液の200部を、実施例1と同様
にして15分間、紫外線照射せしめた処、平均粒径が0.7
ミクロンなる三次元架橋粒子が得られた。
実施例7 5−カリウムスルホイソフタル酸の28.4部およびエチ
レングリコールの68.2部をエステル化反応させ、さらに
ε−カプロラクトンの707部を重縮させて、水酸基価が1
40なるスルホン酸金属塩含有ポリカプロラクトンポリエ
ステルを得た。
次いで、このポリエステルの200部と、別にエチレン
グリコールとε−カプロラクトンとから得られた、水酸
基価が140なるポリラクトンポリエステルの200部と、イ
ソホロンジイソシアネートの222部と、2−ヒドロキシ
エチルアクリレートの116部とを、常法によりウレタン
化反応させて、スルホン酸金属塩含有ウレタンアクリレ
ートを得た。
しかるのち、このウレタンアクリレートの100部と、
ベンジルジメチルケタールの2部とを均一に混合してか
ら、有効成分含有率が20%となるように水中に分散させ
て均一で、かつ安定なる分散液を得た。
次いで、この分散液の500部を、実施例1と同様にし
て、20分間に亘り紫外線照射せしめた処、平均粒径が15
ミクロンなる三次元架橋粒子が得られた。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一分子中に2個以上のラジカル重合性不飽
    和結合及びイオン性親水性基を有する親水性不飽和化合
    物を5重量%以上含有する、ラジカル重合性不飽和結合
    及びイオン性親水性基を有する親水性不飽和化合物
    (A)と光重合開始剤(B)とを含んでなる組成物を重
    合させることを特徴とする、三次元架橋粒子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】一分子中に2個以上のラジカル重合性不飽
    和結合及びイオン性親水性基を有する親水性不飽和化合
    物、及び一分子中に2個以上のラジカル重合性不飽和結
    合を有し、イオン性親水性基を有さない非親水性不飽和
    化合物を5重量%以上含有する、ラジカル重合性不飽和
    結合及びイオン性親水性基を有する親水性不飽和化合物
    (A)及びラジカル重合性不飽和結合を有し、イオン性
    親水性基を有さない非親水性不飽和化合物(C)と光重
    合開始剤(B)とを含んでなる組成物を重合させること
    を特徴とする、三次元架橋粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】前記一分子中に2個以上のラジカル重合性
    不飽和結合及びイオン性親水性基を有する親水性不飽和
    化合物が、数平均分子量が400〜20,000なる(メタ)ア
    クリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートで
    ある請求項1記載の三次元架橋粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】前記一分子中に2個以上のラジカル重合性
    不飽和結合を有し、イオン性親水性基を有さない非親水
    性化合物が、数平均分子量が400〜20000なる(メタ)ア
    クリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートで
    ある請求項2記載の三次元架橋粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記親水性不飽和化合物(A)のイオン性
    親水性基が、一般式 で示される基である請求項1〜4のいずれか1項記載の
    三次元架橋粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】前記重合が、前記組成物を水中に分散さ
    せ、次いで流動下に、活性光線を照射せしめることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の三次元架橋
    粒子の製造方法。
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