JP4833423B2 - 多孔質硬化物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂からなる樹脂粒子が結合した微細な気孔を有する硬化粒子集合体からなる多孔質硬化物の製造方法に関する。さらに詳しくは、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂を水相中に分散してなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化させ樹脂粒子が結合し連続気孔を有する硬化粒子集合体からなる強度に優れた多孔質硬化物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は、先に、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを混合し、水相中に樹脂粒子が均一に分散されてなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化させることにより樹脂粒子が結合した硬化粒子集合体からなる微細な連続気孔を有する多孔質硬化物が得られることを見出した。
このO/W型熱硬化性樹脂水性分散体より得られる多孔質硬化物は、強化材の存在下では、実用上必要な強度を得ることは可能であったが、強化材の存在しない場合には強度が十分ではない等の問題があり、より高い強度を有するものが要求された。また、通常の成型品に抗菌性等の機能を付与した高付加価値製品を製造する場合、一般に原料樹脂に機能付与剤を配合して成形されるので成形品表面に局在化させて所望する機能を付与することは困難であった。そのため一定以上の性能を発現させるためには多量の付与剤を使用しなければならず、コスト高とならざるを得なかった。一方、成形品の表面に抗菌性等の機能を付与する方法として、成形品の表面に機能付与剤を塗布する等の手段により付与することはできるが、持続性に問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを混合し、水相中に樹脂粒子が均一に分散されてなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化させて得られる樹脂粒子が結合し微細な連続気孔を有する硬化樹脂粒子集合体からなる機械的強度に優れた多孔質硬化物を提供することを目的とする。
【0004】
また、本発明は、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを混合し、水相中に樹脂粒子が均一に分散されてなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化させて得られる抗菌性、防黴性または消臭性などの機能が硬化物の表面層に局在化した、樹脂粒子が結合し微細な連続気孔を有する硬化樹脂粒子集合体からなる機械的強度に優れた多孔質硬化物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを混合してなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化させて得られる多孔質硬化物の強度を向上させる方法につき種々検討し、O/W型熱硬化性樹脂水性分散体としてゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体の混合物からなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を使用することにより、単一のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体から得られる硬化物に比べ、強化材の存在下で硬化させた場合は勿論、強化材の存在しない系で硬化させた場合においても得られる多孔質硬化物の強度が向上することを見出した。またO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化させる過程における樹脂粒子のゲル化から硬化に至る硬化反応の挙動に着目し、ゲル化状態から硬化する過程において加熱または加圧するか、振動を与えることにより、得られる多孔質硬化物の強度が大幅に向上することが認められた。O/W型熱硬化性樹脂水性分散体のゲル化段階で、加熱、加圧あるいは振動を与えることはゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体混合物から多孔質硬化物を得る場合に特に有効である。またゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体の一つに抗菌性、防黴性または消臭性等の機能を付与したゲル化時間の長いO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を使用することにより抗菌性、防黴性または消臭性等の機能を硬化物の表面に局在化させることができることが分かり、これに基づき本発明を完成した。
【0006】
本発明は、(1)液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂を水相中に分散してなるゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体混合物からなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化させることを特徴とする多孔質硬化物の製造方法に関する。
【0007】
(2)ゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体混合物において、抗菌性、防黴性または消臭性の少なくとも1種の機能を有するラジカル重合型熱硬化性樹脂からなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体がゲル化時間の長いO/W型熱硬化性樹脂水性分散体であることを特徴とする上記(1)記載の多孔質硬化物の製造方法に関する。
【0008】
(3)ゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体混合物を硬化させるに際して、O/W型熱硬化性樹脂水性分散体がゲル状態に達した段階で、加熱、加圧または振動の少なくとも一つの処理を行って硬化させることを特徴とする上記(1)または(2)記載の多孔質硬化物の製造方法に関する。
【0010】
(4)強化材の存在下に、ゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体混合物からなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化させることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の多孔質硬化物の製造方法に関する。
【0011】
(5)液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂が、液状不飽和ポリエステル樹脂、液状エポキシ(メタ)アクリレーと樹脂、液状ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、液状(メタ)アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の多孔質硬化物の製造方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを混合し、水相中に樹脂粒子が均一に分散されてなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体(以下、単に「O/W型水性分散体」または「水性分散体」という)を硬化せて多孔質硬化物を製造する方法において、ゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体混合物からなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を、強化材の存在下または不存在下に硬化させ樹脂粒子が結合し微細な連続気孔を有する強度に優れた硬化粒子集合体からなる多孔質硬化物を製造する方法に関するものである。
【0013】
一般に熱硬化性樹脂のゲル化時間に関しては、通常ゲル化時間が異なる2種類の樹脂を混合した場合は、各々のゲル化時間の間で1つのゲル化時間を示すようになると考えられている。樹脂粒子を水中に分散させた場合、樹脂微粒子は個々にゲル化時間を有して分散しており、異なるゲル化時間を有する樹脂微粒子が混合されても水中においては粒子間が水相で隔離された状態にあるので、個々の粒子は混合されることはなくそれぞれのゲル化時間を有する微粒子として存在する。このことからO/W型水性分散体において、ゲル化時間の異なる水性分散体を複数混合した場合には、分散している樹脂粒子単位でみるとゲル化時間を異にする複数の粒子からなる水性分散体として存在する。また、性能の異なる樹脂のO/W型水性分散体を混合した場合も同様に異なった性能を維持した粒子の水性分散体として存在させることができる。
【0014】
本発明に使用される熱硬化性樹脂粒子が水相中に分散されたO/W型水性分散体を硬化させて硬化物を生成する際、硬化過程において水相中に分散した樹脂粒子は、近接する粒子同士が接触し結合した状態でゲル化が起こり略球状の形態で粒子同士が結合した状態で固定され、硬化反応が進行し硬化に至るものと考えられる。この場合ゲル化時間の異なる複数の水性分散体混合物では、ゲル化および硬化反応はそれぞれ個別に進行するものと考えられ、ゲル化および硬化反応に差異が生じ、ゲル化時間の短い樹脂粒子が先にゲル化が起こり略球状の形態で固定される。一方、同一系内に存在する長いゲル化時間を有する樹脂粒子の水性分散体は、先にゲル化した樹脂粒子の硬化反応に伴う発熱や外部からの加熱などにより、分散安定性が壊れ微粒子状態で存在し難くなり、ゲル化時間の長い樹脂粒子は、先にゲル化し固定された粒子の表面に吸着され樹脂が付着した状態で硬化される。その結果、硬化樹脂粒子間あるいは硬化樹脂粒子表面にゲル化時間の長い樹脂が付着した状態で硬化するので、硬化樹脂粒子間の結合が強くなり十分な強度が得られるものと考えられる。
【0015】
本発明のゲル化時間の異なる複数のO/W型水性分散体混合物からなるO/W型水性分散体から硬化物を得る過程において、水性分散体がゲル状態に達した段階(具体的には水性分散体のゲル化時間経過後)で加熱して硬化反応を行わせることにより微粒子同士の接合部分の面積を高めることができ硬化物の強度をさらに向上させることができることが認められた。この微粒子同士の接合面積を高めるには加熱の他にゲル状態に達した段階で、加圧あるいは振動等の物理的作用を与えることによっても同様に粒子同士の接合面積を高めることができ、硬化物の強度を向上させることができる。O/W型水性分散体のゲル化段階で、加熱、加圧あるいは振動を与えることはゲル化時間の異なる複数のO/W型水性分散体混合物から多孔質硬化物を得る場合に特に有効であるが、単一のO/W型水性分散体を硬化させて多孔質硬化物を得る場合においても水性分散体がゲル化状態に達した段階で、加熱、加圧あるいは振動の少なくとも一つの処理を行って硬化を行うことにより、得られる多孔質硬化物の強度をより高めることができる。
【0016】
上記のゲル化時間の異なる複数のO/W型水性分散体混合物からなる水性分散体の硬化過程における先にゲル化した樹脂粒子表面にゲル化時間の長い樹脂が付着し硬化に至る事象を応用することにより、ゲル化時間の異なる複数のO/W型水性分散体混合物において、ゲル化時間の長いO/W型水性分散体に抗菌性等の機能を付与したラジカル重合型熱硬化性樹脂かならるO/W型水性分散体を使用することにより、ゲル化時間の短い樹脂粒子がゲル化した樹脂粒子表面にゲル化時間の長い樹脂粒子が付着し薄い膜状で硬化することにより、少量の機能性付与剤の使用量で広い面積に抗菌性等の機能を付与できることから硬化物の表面層に特定の機能を局在化させることができる。
【0017】
本発明において、O/W型水性分散体がゲル状態に達した段階で加熱することによりゲル化した樹脂粒子およびその表面に付着した樹脂粒子の硬化反応が促進され得られる多孔質硬化物の強度が高められる。または加圧あるいは振動することによりゲル化した樹脂粒子およびその表面に付着した樹脂粒子の接合度合いを高めて硬化させるので得られる多孔質硬化物の強度が高められる。ゲル状態に達した段階で実施する加熱、加圧または振動の条件等は、使用した水性分散体混合物の組合わせや樹脂の種類、成型品の形態等により一概に定めることはできないが、加熱温度は、一般的には樹脂成型温度よりも10℃〜70℃高い温度範囲であり、最高でも95℃以上にすることはない。また加圧は、一般的には10Pa〜1000Pa、好ましくは20Pa〜500Paの圧力である。また振動は水性分散体中の樹脂微粒子の衝突を起させる程度の振動であればよい。
【0018】
本発明により製造される多孔質硬化物は、ゲル化時間の長い樹脂粒子が、先にゲル化し固定された粒子の表面に吸着され樹脂が付着した状態で硬化され、硬化樹脂粒子間あるいは硬化樹脂粒子表面にゲル化時間の長い樹脂が付着した状態で硬化された粒状の樹脂粒子同士が結合し微細な連続する気孔を有する硬化粒子集合体からなる多孔質硬化物で、一般には、気孔率10容量%〜40容量%、気孔径0.1μm〜1.0μmを有するものである。本発明において、気孔率および気孔径は下記の方法により測定される値である。
【0019】
(1) 気孔率
硬化物の乾燥前後の重量を測定し、水の比重を1.0としその値の差[(乾燥前重量)−(乾燥後重量)]を気孔部分の容積(a)とする。乾燥後の硬化物の重量(b)、硬化物中の強化材含有量の値(燃焼法により可燃物重量(c)と燃焼残渣重量(d))を求め下記式から気孔率(X)を求めた。
【0020】
【数1】
[強化材がガラス質であるとき]
X(%)=a/[(c/硬化物真比重+d/ガラス真比重)]×100
【0021】
【数2】
[強化材が有機質であるとき(有機質の真比重を硬化物と同一として近似値を用いた)]
X(%)=a/[(b/硬化物真比重+a)]×100
【0022】
(2) 気孔径
(株)島津製作所製ポロシオメーター「オートポアIII 9420」を使用し、水銀の圧入圧力と圧入量から平均気孔径を求めた。
【0023】
本発明おいて、ゲル化時間の異なる複数のO/W型水性分散体混合物は、ゲル化時間が異なるそれぞれの液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを混合し、水相中に樹脂粒子を均一に分散させて得られるそれぞれ異なるゲル化時間を有するO/W型水性分散体の複数を混合することによりゲル化時間の異なる複数のO/W型水性分散体混合物とすることができる。また、本発明におけるゲル化時間の異なる複数のO/W型水性分散体混合物は、ゲル化時間の異なる異種のラジカル重合型熱硬化性樹脂のO/W型水性分散体の複数を混合することができる。
この場合、個々のO/W型水性分散体は、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを重量比で、90:10〜60:40、好ましくは85:15〜70:30の範囲で混合することにより樹脂粒子が水相中に均一に分散されたO/W型水性分散体を得ることができる。
【0024】
本発明において、ゲル化時間の異なる複数のO/W型水性分散体混合物を使用する場合、個々の水性分散体のゲル化時間それ自体は特に規定されないが、ゲル化時間を大別して2種類に分けて、長いゲル化時間を有するO/W型水性分散体のゲル化時間は、同一温度において短いゲル化時間を有するO/W型水性分散体のゲル化時間に対して、ゲル化時間の比がほぼ1.5倍〜20倍、好ましくは2.0倍〜10倍であることが望ましい。混合するO/W型水性分散体のゲル化時間の比が小さく1.5倍以下ではゲル化時間の差が小さく、殆ど同時にゲル化してしまうため、本発明の効果が十分に得られない。またその比が大きく20倍以上の場合には、硬化不良が起こり十分な強度が得られない場合があり好ましくない。
【0025】
本発明においてO/W型水性分散体のゲル化時間の調節は添加される硬化剤、促進剤あるいは禁止剤の添加量により調節することができるが、硬化剤や促進剤の添加量で調節するよりも禁止剤の添加量で調節することが好ましい。また、複数のO/W型水性分散体混合物の場合、混合される水性分散体において使用される硬化剤と促進剤との組み合わせは必ずしも同一にする必要はないが、同一の組み合わせにすることが好ましい。
【0026】
本発明において、抗菌性、防黴性または消臭性等の機能を硬化物の表面に局在化させる場合には、O/W型水性分散体混合物の一つの水性分散体に、抗菌性、防黴性または消臭性の少なくとも1種の機能を有するラジカル重合型熱硬化性樹脂からなるO/W型水性分散体が使用される。
本発明における抗菌性、防黴性又は消臭性の少なくとも1種の機能を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂は、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に抗菌性付与剤、防黴性付与剤または消臭性付与剤の少なくとも1種を混合することにより得られる。抗菌性を付与する方法は、ラジカル重合型熱硬化性樹脂に抗菌性付与剤を混合する方法と、抗菌性を発現する物質を原料成分の一つに用いてラジカル重合型熱硬化性樹脂を製造することにより抗菌性を付与する方法とがある。
【0027】
液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に抗菌性付与剤を混合して抗菌性を付与する際に使用される抗菌剤としては、銀に代表される金属系抗菌剤が使用される。
このような抗菌剤としては、例えば、東亞合成株式会社から市販されている「ノバロンAGT300」、「ノバロンAG300」、「ノバロンVZ100」等が例示される。
【0028】
また、抗菌性を発現する物質を原料成分の一成分に使用して抗菌性を有する液状ラジカル重合型熱硬化性樹脂とする方法としては、例えば不飽和ポリエステル樹脂を製造する際に、使用される二塩基酸の一部を4級アンモニウム塩または4級ピリジニウム塩を含む二塩基酸に換えて使用することにより、抗菌性を有する液状不飽和ポリエステル樹脂を得ることができる。4級アンモニウム塩または4級ピリジニウム塩を含む二塩基酸としては、3,5−ジカルボキシメチル−ラウリルピリジニウムクロライド,3,5−ジカルボキシメチル−ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等が例示される。
【0029】
また、防黴性を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂は、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に防黴性付与剤を混合して防黴性を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂を得ることができる。液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に混合して防黴性を付与するためにの防黴剤としては、市販の防黴剤例えば、東亞合成株式会社から市販されている「カビノン800」や「カビノン900」が例示される。
【0030】
また、消臭性を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂は、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に消臭性付与を混合して消臭性を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂を得ることができる。液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に混合して消臭性を付与するための消臭剤は市販のものが使用され、例えば、東亞合成株式会社から市販されている「ケスモンNS80E」や「ケスモンTNS200」等が例示される。
【0031】
本発明における液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂は、特に特定されないが、一般的には、液状不飽和ポリエステル樹脂、液状エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、液状ウレタン(メタ)アクリレート樹脂あるいは液状(メタ)アクリル樹脂(いわゆるアクリルシラップ)が使用される。
【0032】
本発明における液状不飽和ポリエステル樹脂は、グリコール類を主成分とする多価アルコール類とα,β−不飽和二塩基酸および/またはその無水物、さらに必要に応じて飽和二塩基酸および/またはその無水物とを重縮合させて得られる不飽和ポリエステルをスチレン等のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性単量体に溶解した液状樹脂である。
【0033】
上記のグリコール類は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリットジアリエーテルのようなペンタエリスリトール誘導体、アリルグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、ビスフェノールA誘導体、等が例示される。
【0034】
また上記のα,β−不飽和二塩基酸および/またはその無水物としては、例えば、マレイン酸またはその無水物、フマル酸、イタコン酸またはその無水物などが例示される。これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0035】
飽和二塩基酸および/またはその無水物としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラブロム無水フタル酸、ヘット酸、ヘキサハイドロ無水フタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸等が例示される。これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0036】
また、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のビニルモノマー、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート等のアリルモノマー、フェノキシエチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等が例示される。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。またこれらのうちスチレン、ビニルトルエンなどのビニル系モノマーが通常一般的に使用される。
【0037】
本発明における液状エポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、1分子中に2個以上のグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂にアクリル酸またはメタクリル酸を付加反応させて得られる分子末端にエポキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を、エチレン性α,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体に溶解した液状樹脂である。上記1分子中に2個以上のグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等、あるいはこれらの誘導体からのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノールおよびその誘導体からのビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノールおよびその誘導体からのビフェノール型エポキシ樹脂、あるいはナフタレンおよびその誘導体からのナフタレン型エポキシ樹脂、さらにはノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。エチレン性α,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体は、上記した不飽和ポリエステル樹脂に使用されると同様の重合性単量体を使用することができる。
液状エポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレート樹脂は、上記のエポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレートを、例えばスチレン、ジエチレングリコールジメタクリレートなどの液状の重合性単量体に溶解した液状樹脂である。
【0038】
また本発明における液状ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、ポリアルコールおよび/またはポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールとジイソシアネートとを反応させて分子末端をイソシアネートとを反応させてイソシアネート化し、これにアルコール性水酸基を有するアクリレートまたはメタクリレートを反応させるか、または先ずアルコール性水酸基を有するアクリレートまたはメタクリレートとイソシアネートとをイソシアネート基を残してポリアルコールおよび/またはポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールとを反応させて得られる分子末端にアクリレートまたはメタクリレートの二重結合を有するウレタンアクリレート、またはウレタンメタクリレートを、例えばスチレン、ジエチレングリコールジメタクリレートなどの液状の重合性単量体に溶解した液状樹脂である。これらは単独で、または2種以上の混合物で使用することができる。
【0039】
また本発明に使用される液状のアクリル樹脂またはメタクリル樹脂としては、メチルメタクリレートを主成分とし部分的に他の重合性単量体を共重合体させたメチルメタクリレート共重合体、またはこの共重合体をメチルメタクリレートに溶解した液状樹脂であって、通常アクリルシラップと呼ばれるものであり。なお、これらの液状樹脂は熱硬化性とするには、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレートのような多官能性メタクリレートまたはアクリレート系の単量体が併用される。
【0040】
本発明に使用されるO/W型水性分散体は、液状のラジカル重合性熱硬化性樹脂と水とを、重量比で90:10〜60:40、好ましくは、85:15〜70:30の割合で物理的混合手段により混合することにより容易に製造することができる。具体的には、硬化剤、必要に応じて促進剤を添加した液状のラジカル重合性熱硬化性樹脂に、所定量の水を加え、例えば、ディゾルバー(高速回転ミキサー)、ホモミキサーなどの物理的混合手段、あるいは超音波照射により混合することにより安定した水性分散体を得ることができる。使用される水は、イオン交換水、蒸留水および水道水のいずれでも差し支えなく特に限定するものではない。
【0041】
本発明に使用されるO/W型水性分散体には、硬化剤および必要に応じ促進剤を添加して使用されるが、必要に応じ添加される促進剤は予め液状熱硬化性樹脂に添加してO/W型水性分散体を調製することが望ましい。硬化剤は通常は使用するに際して添加される。硬化剤が粉末あるいはペースト状で樹脂への均一溶解に時間がかかる場合は、硬化剤を予め液状熱硬化性樹脂に添加してO/W型水性分散体を調製することが望ましい。その場合、必要に応じて添加される促進剤は使用するに際して添加される。
【0042】
本発明に使用される硬化剤としては、通常有機過酸化物が使用される。そのような硬化剤として代表的なものは、メチルエチルケトンパーオキサイドで代表されるケトンパーオキサイド類、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンで代表されるパーオキシケタール類、クメンハイドロパーオキサイドで代表されるハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイドで代表されるジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイドで代表されるジアシルパーオキサイド類、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートで代表されるパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシベンゾエートで代表されるパーオキシベンゾエート類などを挙げられる。このような硬化剤は、通常、液状ラジカル重合型熱硬化性樹脂100重量部に対して0.5〜3.0重量部の範囲で使用され、好ましくは0.5〜2.0重量部が使用される。
【0043】
上記の促進剤は、ナフテン酸コバルトで代表される有機酸の金属塩(金属石鹸)類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルパラトルイジンなどの3級アミン類、フェロセン等、不飽和ポリエステル樹脂の室温硬化に通常使用される促進剤が使用される。これらの促進剤は、例えば、硬化剤としてケトンパーオキサイド、やハイドロパーオキサイドを使用した場合はナフテン酸コバルトのような金属石鹸との組合せが好ましく、硬化剤がジアシルパーオキサイドである場合には3級アミンとの組合せが好ましく、硬化剤がパーオキシカーボネートである場合にはフェロセンとの組合せが好ましい。このような促進剤は、金属石鹸類は液状ラジカル重合型熱硬化性樹脂100重量部に対して金属含有量6%のものに換算して0.02〜2.0重量部の範囲で使用され、好ましくは0.2〜1.0重量部が使用される。3級アミン類は液状ラジカル重合型熱硬化性樹脂100重量部に対して0.05〜1.0重量部の範囲で使用され、好ましくは0.1〜0.5重量部が使用される。
【0044】
本発明のO/W型水性分散体の調製に際して、必要に応じて界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の使用は本発明のO/W型水性分散体の安定性を高めることができるので、本発明の水性分散体を調製後直ぐに使用することなく数日間放置した後に硬化物とするような場合には界面活性剤を添加することが望ましい。
【0045】
本発明に使用される界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤が望ましい。非イオン系界面活性剤としては、(1)エステル型、(2)エーテル型、(3)アルキルフェノール型、(4)ソルビタンエステル型、(5)ポリオキシエチレンソルビタンエステル型、および(6)特殊非イオン型のいずれのタイプでも使用することができる。このような界面活性剤の添加量は液状ラジカル硬化型熱硬化性樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で使用され、好ましくは0.5〜2.0重量部で使用される。界面活性剤の添加量が0.1重量部よりも少ない場合は添加の効果が発揮されず、10重量部を超える量を添加した場合には耐水性が低下する虞があり好ましくない。
【0046】
本発明においてはO/W型水性分散体を硬化させて得られる多孔質硬化物に、さらに強度や耐久性等を付与するために必要に応じて強化材を併用することができる。このような強化材としては、ガラスクロス、カーボンクロス、ガラスチョップドストランドマット、アラミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維などの合成繊維クロス、あるいはこれら合成繊維不織布、レイヨン系不織布等が挙げられる。
【0047】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
[水性分散体の製造例]
製造例1
(水性分散体(B1)の製造)
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、液状不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ(株)製、「ユピカ6502」(比重1.10))1000gを秤量し、これに禁止剤としてハイドロキノン0.2g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル20g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として「プルロニックL−61」(ポリオキシエチレンプロピレンエーテル型、旭電化工業(株)製)10gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水429g(樹脂70gに対して30g)を加え羽根の外径が5cmのディゾルバーを使用して回転数4000rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性分散体(B1)を得た。得られた水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は15分であった。
【0049】
製造例2
(水性分散体(B2)の製造)
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、液状エポキシアクリレート樹脂(日本ユピカ(株)製、「ネオポール8250H」(比重1.05))100gを秤量し、これに禁止剤としてハイドロキノン0.04g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル2g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として「プルロニックL−61」1gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水43g(樹脂70gに対して30g)を加え羽根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数4000rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性分散体(B2)を得た。得られた水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は50分であった。
【0050】
製造例3
(ゲル化時間の異なる水性分散体混合物からなる水性分散体(C1)の調製)
上記のゲル化時間が15分の水性分散体(B1)1350gと、ゲル化時間が50分の水性分散体(B2)150gとを混合し水性分散体混合物からなる水性分散体(C1)を調製した。この水性分散体(C1)は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は17分であった。
【0051】
製造例4
(樹脂(A1)の合成)
攪拌機,温度計,還流冷却管,窒素導入管を付けた、5リットルのガラス製5つ口フラスコにイソフタル酸1900g、ジエチレングリコール2000gプロピレングリコール700gを入れ200℃で10時間を要して酸価15mgKOH/gまで反応させた。120℃まで冷却後無水マレイン酸1100gを加え、210℃で9時間反応させて酸価4mgKOH/g,水酸基価60mgKOH/gの不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽和ポリエステルは、ハイドロキノン1gを溶解させた3300gのスチレンに溶解して8300gの不飽和ポリエステル樹脂(A1)を得た。
【0052】
(水性分散体(B3)の製造)
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、上記の液状不飽和ポリエステル樹脂(A1)2000gを秤量し、これに禁止剤としてハイドロキノン0.1g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル40g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として「イオネットT−20C」(ポリオキシエチレンソルビタンエステル 三洋化成(株)製)20gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水667g(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の外径が5cmのディゾルバーを使用して回転数4000rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性分散体(B3)を得た。得られた水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は8分であった。
【0053】
製造例5
(水性分散体(B4)の製造)
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、上記の液状不飽和ポリエステル樹脂(A1)500gを秤量し、これに禁止剤としてハイドロキノン0.3g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル10g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として「イオネットT−20C」5gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水167g(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数4000rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性分散体(B4)を得た。得られた水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は80分であった。
【0054】
製造例6
(水性分散体(B5)の製造)
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、上記の液状不飽和ポリエステル樹脂(A1)500gを秤量し、これに抗菌剤として「ノバロンAGZ330」(東亜合成(株)製)2.5g、禁止剤としてハイドロキノン0.025g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル10g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として「イオネットT−20C」5gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水167g(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数4000rpmで5分間高速撹拌し、抗菌性を付与したO/W型水性分散体(B5)を得た。得られた水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は8分であった。
【0055】
製造例7
(水性分散体(B6)の製造)
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、上記の液状不飽和ポリエステル樹脂(A1)500gを秤量し、これに抗菌剤として「ノバロンAGZ330」2.5g、禁止剤としてハイドロキノン0.3g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル10g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として「イオネットT−20C」5gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水167g(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数4000rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性分散体(B6)を得た。得られた水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は80分であった。
【0056】
製造例8
(ゲル化時間の異なる水性分散体混合物からなる水性分散体(C2)の調製)
上記のゲル化時間8分の水性分散体(B3)1200gと、ゲル化時間80分の水性分散体(B4)300gを混合して水性分散体混合物からなる水性分散体(C2)を調製した。この水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は10分であった。
【0057】
製造例9
(水性分散体の一つに抗菌性を付与した水性分散体を使用した水性分散体混合物からなる水性分散体(C3)の調製)
上記のゲル化時間8分の水性分散体(B3)160gと、ゲル化時間80分の抗菌性を付与した水性分散体(B6)40gを混合して水性分散体混合物からなる水性分散体(C3)を調製した。この水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は10分であった。
【0058】
製造例10
(樹脂(A2)の合成)
攪拌機,温度計,還流冷却管,窒素導入管を付けた、5リットルのガラス製5つ口フラスコにイソフタル酸790g、ジエチレングリコール1500gジプロピレングリコール1500gを入れ200℃で10時間を要して酸価15mgKOH/gまで反応させた。120℃まで冷却後無水マレイン酸1800gを加え、210℃で8時間反応させて酸価25mgKOH/g、水酸基価45mgKOH/gの不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽和ポリエステルは、ハイドロキノン1gを溶解させた3300gのスチレンに溶解して8300gの不飽和ポリエステル樹脂(A2)を得た。
【0059】
(樹脂(A3)の合成)
攪拌機,温度計,還流冷却管,窒素導入管を付けた、5リットルのガラス製5つ口フラスコにイソフタル酸2500g、ジエチレングリコール1360gジプロピレングリコール1380gを入れ220℃で14時間を要して酸価15mgKOH/gまで反応させた。120℃まで冷却後無水マレイン酸630gを加え、210℃で6時間反応させて酸価22mgKOH/g,水酸基価40mgKOH/gの不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽和ポリエステルは、ハイドロキノン1gを溶解させた3300gのスチレンに溶解して8300gの不飽和ポリエステル樹脂(A3)を得た。
【0060】
(水性分散体(B7)の製造)
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、上記の液状不飽和ポリエステル樹脂(A2)1000gを秤量し、これに禁止剤としてハイドロキノン0.1g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル40g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として「PEG400」10gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水333g(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数4000rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性分散体(B7)を得た。得られた水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は9分であった。
【0061】
製造例11
(水性分散体(B8)の製造)
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、上記の液状不飽和ポリエステル樹脂(A3)1000gを秤量し、これに禁止剤としてハイドロキノン0.1g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル40g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として「PEG400」(ポリオキシエチレングリコール型 三洋化成(株)製)10gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水333g(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数4000rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性分散体(B8)を得た。得られた水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は11分であった。
【0062】
製造例12
(水性分散体(B9)の製造)
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、上記の液状不飽和ポリエステル樹脂(A3)500gを秤量し、これに禁止剤としてハイドロキノン0.3g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル10g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として「イオネットT−20C」5gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水167g(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数4000rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性分散体(B9)を得た。得られた水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は80分であった。
【0063】
製造例13
(ゲル化時間の異なる水性分散体混合物からなる水性分散体(C4)の調製)
上記のゲル化時間9分の水性分散体(B7)500gと、ゲル化時間11分の水性分散体(B8)850g、およびゲル化時間80分の水性分散体(B9)150gを混合して水性分散体混合物からなる水性分散体(C4)を調製した。この水性分散体は、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加したときの25℃でのゲル化時間は11分であった。
【0064】
実施例1〜3
上記製造例で得られた水性分散体C1,C2およびC4の各水性分散体500gにN,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加混合し、気泡を除いた後、厚さ3mmのスペーサーを置いた40cm角のガラス板上に静かに流し、40cm角のガラス板で覆い25℃で2時間硬化させた。得られた硬化物は80℃で30分後硬化して厚さ3mmの多孔質硬化物を作製し、該多孔質硬化物をそれぞれ硬化物番号1,2,3とした。尚、得られた多孔質硬化物のそれぞれの気孔率、気孔径は、硬化物1は気孔率32容量%,気孔径0.6μm、硬化物2は気孔率27容量%,気孔径0.5μm、硬化物3は気孔率28容量%,気孔径0.6μm、であった。
【0065】
上記実施例で得られた水性分散体C1,C2およびC4を硬化させた多孔質硬化物の曲げ強度を下記表1に示す。曲げ強度はJIS K7203に準拠して測定した。尚、比較として上記水性分散体混合物(C4)に使用した個々の水性分散体(B3)および水性分散体(B4)につき同様にして作製した厚さ3mmの多孔質硬化物(硬化物番号4、5)の曲げ強度を示す。
【0066】
【表1】
表からゲル化時間の異なる水性分散体混合物からなる水性分散体から得られる多孔質硬化物が、個々の水性分散体から得られる多孔質硬化物に比べ明らかに強度が向上していることが分る。
【0067】
実施例4
25℃におけるゲル化時間が11分の上記水性分散体(C4)500gに、促進剤N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部を添加混合し、気泡を除去した後25℃に保たれた部屋で、縦40cm×横40cmのガラス板上に厚さ3mmのスペーサーを置いた型内に水性分散体を静かに流し、40cm角のガラス板で覆った。型内に流し込んだ水性分散体がゲル状態に達した段階で(N,N−ジメチルアニリン添加11分経過後)、80℃の熱風炉で30分硬化させて多孔質硬化物を得た。得られた多孔質硬化物は気孔率27容量%、気孔径0.6μmであった。この多孔質硬化物の曲げ強度は8.3MPaであり、上記実施例3の多孔質硬化物(曲げ強度6.9MPa)に比べ、水性分散体がゲル状態に達した段階で加熱を行うことにより強度が一段と向上した。
【0068】
実施例5
上記の実施例4と同様の水性分散体(C4)を使用し、実施例4と同様の型に促進剤N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対して0.2部混合した水性分散体(C4)を流し込み、ガラス板で覆い、該水性分散体がゲル状態に達した段階で(N,N−ジメチルアニリン添加11分経過後)、18Kgの重りをガラス板上に置きゲル状物を加圧下(圧力113Pa)に常温で2時間硬化させた後、80℃で30分後硬化させて多孔質硬化物を得た。得られた多孔質硬化物は気孔率27容量%、気孔径0.6μmであった。この多孔質硬化物の曲げ強度は7.9MPaであり、上記実施例3の多孔質硬化物(曲げ強度6.9MPa)に比べ、強度が一段と向上した。
【0069】
実施例6
上記の実施例4と同様の水性分散体(C4)を使用し、実施例4と同様に促進剤を混合した水性分散体(C4)を型に流し込み、ガラス板で覆い、該水性分散体がゲル状態に達した段階で(N,N−ジメチルアニリン添加11分経過後)、電気式振動器で10分間振動を与えた後、25℃で1時間硬化させた後、80℃で30分後硬化させて多孔質硬化物を得た。得られた多孔質硬化物は気孔率27容量%、気孔径0.6μmであった。この多孔質硬化物の曲げ強度は7.5MPaであり、上記実施例3の多孔質硬化物(曲げ強度6.9MPa)に比べ、強度が一段と向上した。
【0070】
参考例1
上記製造例4で製造したゲル化時間8分の水性分散体(B3)500gにジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加混合し、気泡を除去した後25℃に保たれた部屋で、上記実施例4と同様に成形型に流し込み40cm角のガラス板で覆い、該水性分散体がゲル状態に達した段階で(N,N−ジメチルアニリン添加8分経過後)、80℃の熱風炉で30分硬化させて多孔質硬化物を得た。得られた多孔質硬化物は気孔率27容量%、気孔径0.6μmであった。この多孔質硬化物の曲げ強度は3.1MPaであり、水性分散体がゲル化を呈した後加熱しない常温(25℃)で2時間硬化した後、80℃、30分後硬化した多孔質硬化物の曲げ強度(0.8MPa)に比べ、著しく向上した。
【0071】
実施例7
(水性分散体の1種として抗菌性を有する水性分散体を用いた硬化物)
上記製造例4で製造したゲル化時間8分の水性分散体(B3)450gと、上記製造例7で製造したゲル化時間80分の抗菌性を付与した水性分散体(B6)50gを混合して水性分散体混合物からなる水性分散体を調製した。該水性分散体にN,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部を添加混合し、気泡を除去した後25℃に保たれた部屋で、縦40cm×横40cmのガラス板上に厚さ3mmのスペーサーを置いた型内に水性分散体を静かに流し、40cm角のガラス板で覆い、常温で2時間硬化させた後、80℃で30分後硬化させて多孔質硬化物(硬化物番号6)を得た。尚、気孔率は27容量%、気孔径は0.5μmであった。この硬化物は抗菌性を有する水性分散体の樹脂が多孔質硬化物表層部に存在する硬化物である。
【0072】
比較例3
(ゲル化時間の短い水性分散体として抗菌性を有する水性分散体を用い、ゲル化時間の長い他の水性分散体とからなる硬化物)
上記製造例6で製造したゲル化時間8分の抗菌性を有する水性分散体(B5)450gと、ゲル化時間80分の水性分散体(B4)50gを混合して水性分散体混合物からなる水性分散体を調製した。該水性分散体にN,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加混合し、気泡を除去した後、上記実施例7と同様にして多孔質硬化物(硬化物番号7)を得た。尚、気孔率は26容量%、気孔径は0.5μmであった。この硬化物は抗菌性を有しない水性分散体の樹脂が多孔質硬化物の表層部に存在する硬化物である。
【0073】
比較例4
(ゲル化時間が同じである2種の水性分散体を用いた硬化物)
ゲル化時間80分の水生分散体(B4)450gと、ゲル化時間80分の抗菌性を付与した水性分散体(B6)50gとを混合して水性分散体混合物からなる水性分散体を調製した。該水性分散体にN,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加混合し、気泡を除去した後、上記実施例7と同様にして多孔質硬化物(硬化物番号8)を得た。尚、気孔率は27容量%、気孔径は0.6μmであった。
【0074】
対照例
ゲル化時間8分の水性分散体(B3)450gと、ゲル化時間80分の水性分散体(B4)50gとを混合して水性分散体混合物からなる水性分散体を調製した。該水性分散体にN,N−ジメチルアニリンを樹脂に対し0.2部添加混合し、気泡を除去した後、上記実施例7と同様にして多孔質硬化物(硬化物番号9)を得た。尚、気孔率は27容量%、気孔径は0.6μmであった。
【0075】
応用例
上記実施例7及び比較例3、4、対照例で得られた硬化物番号6〜9の多孔質硬化物について抗菌性試験を行った。その結果を表2に示す。
尚、本抗菌性試験は、大腸菌を1.5×105個/ml含有する水を、上記硬化物番号6〜9の多孔質硬化物で濾過し、濾過水を密閉容器中に38℃で24時間放置した後、容器内の濾過水中の菌体個数を調べた。
【0076】
【表2】
【0077】
上記表2から、
(1)硬化物番号6の多孔質硬化物は、抗菌性を付与した水性分散体をゲル化時間の短い水性分散体に混合した水性分散体から得られた多孔質硬化物で、該多孔質硬化物は表面層に抗菌性を有する水性分散体からなる樹脂層が存在しており、該多孔質硬化物で濾過した濾過水は菌の増殖は殆ど認められなかった。
(2)硬化物番号7の多孔質硬化物は、抗菌性を有する水性分散体がゲル化時間が短く抗菌性を有する樹脂粒子の表面に、ゲル化時間の長い他の水性分散体の樹脂が付着した硬化物で、該多孔質硬化物で濾過した濾過水では菌の増殖が認められ除菌効果が殆どない。
(3)硬化物番号8の多孔質硬化物は、抗菌性を有する水性分散体と他の水性分散体とのゲル化時間が等しく同時にゲル化が起こり硬化が進行した硬化物で、該多孔質硬化物で濾過した濾過水では菌の増殖が認められ除菌効果が殆どない。
(4)硬化物番号9の多孔質硬化物は、抗菌性を有しない水性分散体2種の混合物からなる水性分散体からなる多孔質硬化物で、該多孔質硬化物で濾過した濾過水では菌の増殖が認められ除菌効果はない。
【0078】
参考例2
(強化材の存在下に硬化させた硬化物)
20℃におけるゲル化時間が22分の不飽和ポリエステル樹脂からなる水性分散体(B1)500gに、N,N−ジメチルアニリンを樹脂に対して2部添加、混合し、気泡を除去した後、20℃に保たれた部屋で、450g/m2のガラスチョップドストランドマット3プライに含浸させた後、該ガラスチョップドストランドをセロハン紙およびポリエステルフィルムで被覆した。N,N−ジメチルアニリン添加22分経過後に80℃の熱風炉で30分硬化させた。硬化後被覆材を除き室温で一昼夜放置して乾燥し、ガラス繊維で強化された厚さ3mmの板状の多孔質硬化物を得た。得られた多孔質硬化物は曲げ強度75MPaであった。比較として室温で24時間硬化させた後80℃で30分後硬化し硬化後被覆材を除き一昼夜放置して乾燥し、ガラス繊維で強化された厚さ3mmの板状の多孔質硬化物を得た。多孔質硬化物は曲げ強度42MPaであった。尚、得られた多孔質硬化物は気泡径0.5μm、気孔率26容量%であった。
【0079】
【発明の効果】
(1)O/W型熱硬化性樹脂水性分散体としてゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体の混合物からなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を使用することにより、単一のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体から得られる硬化物に比べ、強化材の存在下で硬化させた場合は勿論、強化材の存在しない系で硬化させた場合においても得られる多孔質硬化物の強度が向上する。
(2)ゲル化時間の異なる水性分散体を複数混合したO/W型熱硬化性樹脂水性分散体の混合物から多孔質硬化物を製造するに際して、ゲル化時間の長い水性分散体として抗菌性、防黴性または消臭性等の機能を付与した水性分散体を使用することにより、抗菌剤、防黴剤、消臭剤等の高価な機能性付与剤を表面層に局在化させた多孔質硬化物成形品を得ることができる。
(3)またゲル化時間の異なる複数のO/W型水性分散体混合物からなる水性分散体がゲル状態に達した段階で、加熱、加圧または振動の少なくとも1つの処理を行って硬化させることにより、さらに機械的強度に優れた高強度の多孔質硬化物を得ることができる。
Claims (5)
- 液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂を水相中に分散してなるゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体混合物からなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化させることを特徴とする多孔質硬化物の製造方法。
- ゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体混合物において、抗菌性、防黴性または消臭性の少なくとも1種の機能を有するラジカル重合型熱硬化性樹脂からなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体がゲル化時間の長いO/W型熱硬化性樹脂水性分散体であることを特徴とする請求項1記載の多孔質硬化物の製造方法。
- ゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体混合物を硬化させるに際して、O/W型熱硬化性樹脂水性分散体がゲル状態に達した段階で、加熱、加圧または振動の少なくとも一つの処理を行って硬化させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多孔質硬化物の製造方法。
- 強化材の存在下に、ゲル化時間の異なる複数のO/W型熱硬化性樹脂水性分散体混合物からなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質硬化物の製造方法。
- 液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂が、液状不飽和ポリエステル樹脂、液状エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、液状ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、液状(メタ)アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の多孔質硬化物の製造方法。
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