JP4820010B2 - 多孔質硬化物およびその製造方法 - Google Patents

多孔質硬化物およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗菌性、防黴性または消臭性を有する硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物に関する。さらに詳しくは、熱硬化性樹脂からなるO/W型水性分散体を硬化させてなる球状の樹脂粒子が結合し微細な連続気孔を有し、抗菌性、防黴性または消臭性を有する硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、精密濾過膜材料は、有機膜、中空糸、セラミック、金属膜などが知られており精密濾過膜として使用されている。しかしこれらの精密濾過膜において、セラミックや金属膜などはその製造過程で、焼成工程や溶融工程等高温で処理されるので抗菌剤などが分解し一般には抗菌性等を付与することは不可能である。また有機膜や中空糸などは抗菌性等の機能を付与することは可能であるが薄膜に異物の混入が行なわれることになり濾過膜の強度が低下する危険性が高い。また抗菌剤などを表面に付着させることは可能であるが持続性がない等から現在使用されている精密濾過装置は抗菌機能を有していない。そのため現実には細菌を完全に(100%)濾過することは不可能であり、精密濾過水といえども細菌の増殖により汚水化が進むのが現状である。
本発明者は、先に熱硬化性樹脂からなる水性分散体を硬化させてなる球状の樹脂粒子が結合し微細な連続気孔を有する新規な多孔質硬化物を見出した。この多孔質硬化物は軽量で耐久性があり、設計の自由性にも優れており、その上安価であり精密濾過材として好適なものである。また多孔質体であることにより断熱性、調湿機能を備えており防音性があるなどの特性を活用して壁材等として使用することができる。しかし、微細な連続気孔を有する多孔質体であるがために細菌や黴が繁殖しやすい等の問題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、精密濾過膜や壁材等として有用である、熱硬化性樹脂からなる水性分散体を硬化してなる球状の樹脂粒子が結合した微細な連続気孔を有する多孔質硬化物が有する特性を生かし、かつ抗菌性、防黴性または消臭性を有する多孔質硬化物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記につき種々検討を行った結果、ラジカル重合型熱硬化性樹脂は簡単に抗菌性、防黴性または消臭性等の機能を付与することができること、また抗菌性、防黴性または消臭性等の機能を付与したラジカル重合型熱硬化性樹脂を水に均一に分散させてO/W型熱硬化性樹脂水性分散体とした場合でも抗菌性、防黴性または消臭性等の機能が損なわれることはなく、該O/W型熱硬化性樹脂水性分散体を硬化させることにより容易に抗菌性、防黴性または消臭性等の機能を有し、かつ精密濾過が可能な1μm以下の平均連続気孔径を有する多孔質硬化物を得ることができ、これにより細菌の繁殖等を抑制し細菌類を完全に除去できる精密濾過膜の製造が可能となり、また住環境に悪影響を与える細菌の繁殖や黴の発生を防止した防音、調湿、消臭機能を有する壁材が得られることを見出し本発明を完成させた。
【0005】
すなわち、本発明は、(1)抗菌性、防黴性または消臭性の少なくとも1種を付与した、液状不飽和ポリエステル樹脂または液状エポキシ(メタ)アクリレート樹脂から選ばれる液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを混合し、水相中に樹脂粒子が均一に分散してなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を、強化材の存在下に常温または加熱下に硬化させてなり、球状の樹脂粒子が結合した有効気孔径が0.1〜1.0μmであり、気孔率が10〜40容量%である微細な連続気孔を有し、抗菌性、防黴性または/および消臭性を有する硬化物粒子集合体からなることを特徴とする多孔質硬化物に関する。
【0008】
(2)前記強化材が、ガラスクロス、カーボンクロス、ガラスチョップドストランドマット、アラミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維の合成繊維クロス、あるいはこれら合成繊維不織布、レイヨン系不織布から選ばれる少なくとも1種である上記(1)に記載の多孔質硬化物に関する。
【0010】
(3)さらに本発明は、上記(1)または(2)に記載の多孔質硬化物からなる濾過材に関する。
【0011】
(4)また本発明は、上記(1)または(2)に記載の多孔質硬化物からなる壁材に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の抗菌性、防黴性または/および消臭性を有する多孔質硬化物(以下、単に「抗菌性機能等を有する多孔質硬化物」と記すことがある。)は、抗菌性、防黴性あるいは消臭性の少なくとも1種を付与した液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを混合し、水相中に樹脂粒子が均一に分散されてなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体(以下単に「O/W型水性分散体」という)を、強化材の存在下、常温又は加熱下に硬化して得られ、球状の硬化樹脂粒子が結合した微細な連続気孔を有し、抗菌性、防黴性または/および消臭性を有する硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物である。本発明の微細な連続気孔を有する硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物は、微細な連続気孔を利用した抗菌性等の特殊機能を有する精密濾過膜、また微細気孔の広い表面積を利用して湿度調整機能や防音性、断熱性を有し抗菌性等の特殊機能を有する壁材等に利用される。
【0013】
本発明における抗菌性、防黴性または/および消臭性を付与した液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂は、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に、抗菌性付与剤、防黴性付与剤または消臭性付与剤の少なくとも1種を混合分散することにより得られる。抗菌性を付与する方法は、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に抗菌性付与剤を混合分散する方法と、抗菌性を発現する物質(抗菌性付与剤)を原料成分の一成分に用いてラジカル重合型熱硬化性樹脂を製造することにより液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に抗菌性を付与する方法とがある。
【0014】
液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に混合分散して抗菌性を付与するための抗菌性付与剤としては、銀に代表される市販の金属系抗菌剤が使用される。このよな抗菌剤としては、例えば、東亞合成株式会社から市販されている「ノバロンAGT300」、「ノバロンAG300」、「ノバロンVZ100」等が例示される。また抗菌性を発現する物質を原料成分の一成分に使用して抗菌性を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂とする方法としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂を製造する際に、使用される二塩基酸の一部を4級アンモニウム塩または4級ピリジニウム塩を含む二塩基酸に変えて使用することにより、抗菌性を有する液状不飽和ポリエステル樹脂を得ることができる。
【0015】
また、防黴性を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂としては、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に防黴性付与剤を混合分散して防黴性を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂を得ることができる。液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に混合分散して防黴性を付与するための防黴付与剤としては市販されているものが使用される。例えば、東亞合成株式会社から市販されている「カビノン800」、「カビノンCV800」等が例示される。
【0016】
また、消臭性を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂としては、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に消臭性付与剤を混合分散して消臭性を有する液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂を得ることができる。液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に混合分散して消臭性を付与するための消臭剤としては市販されているものが使用される。例えば、東亞合成株式会社から市販されている「ケスモンNS80E」,「ケスモンTNS200」等が例示される。
【0017】
本発明の抗菌性機能等を有する多孔質硬化物は、抗菌性、防黴性または消臭性の少なくとも1種の機能を付与した液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを混合し、水相中に樹脂粒子が均一に分散されてなるO/W型水性分散体を、強化材の存在下、常温または加熱下に硬化することにより得ることができる。該多孔質硬化物は、有効気孔径が0.1〜1.0μmで、気孔率が10〜40容量%であり、抗菌性、防黴性または消臭性の少なくとも1種の機能を有し、連続した微細気孔を有する多孔質硬化物粒子集合体からなる。
【0018】
本発明における液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂は、液状不飽和ポリエステル樹脂、液状エポキシ(メタ)アクリレート樹脂使用される。
【0019】
本発明における液状不飽和ポリエステル樹脂は、グリコール類を主成分とする多価アルコール類とα,β−不飽和二塩基酸および/またはその無水物、さらに必要に応じて飽和二塩基酸および/またはその無水物とを重縮合させて得られる不飽和ポリエステルをスチレン等のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性単量体に溶解した液状樹脂である。
【0020】
上記のグリコール類は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリットジアリエーテルのようなペンタエリスリトール誘導体、アリルグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、ビスフェノールA誘導体等が例示される。
【0021】
また上記のα,β−不飽和二塩基酸および/またはその無水物としては、例えば、マレイン酸またはその無水物、フマル酸、イタコン酸またはその無水物などが例示される。これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0022】
飽和二塩基酸および/またはその無水物としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラブロム無水フタル酸、ヘット酸、ヘキサハイドロ無水フタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸等が例示される。これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0023】
抗菌性を付与するための抗菌性を発現する物質(抗菌性付与剤)として用いられる4級アンモニウム塩または4級ピリジニウム塩を含む二塩基酸としては、例えば、3,5−ジカルボキシメチル−ラウリルピリジニウムクロライド,3,5−ジカルボキシメチル−ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等が例示される。これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0024】
また、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のビニルモノマー、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート等のアリルモノマー、フェノキシエチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等が例示される。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。またこれらのうちスチレン、ビニルトルエンなどのビニル系モノマーが通常一般的に使用される。
【0025】
本発明における液状エポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、1分子中に2個以上のグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂にアクリル酸またはメタクリル酸を付加反応させて得られる分子末端にエポキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を、エチレン性α,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体に溶解した液状樹脂である。上記1分子中に2個以上のグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等、あるいはこれらの誘導体からのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノールおよびその誘導体からのビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノールおよびその誘導体からのビフェノール型エポキシ樹脂、あるいはナフタレンおよびその誘導体からのナフタレン型エポキシ樹脂、さらにはノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。エチレン性α,β−不飽和二重結合を有する重合性単量体は、上記した不飽和ポリエステル樹脂に使用されると同様の重合性単量体を使用することができる。
液状エポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレート樹脂は、上記のエポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレートを、例えばスチレン、ジエチレングリコールジメタクリレートなどの液状の重合性単量体に溶解した液状樹脂である。
【0026】
また本発明の液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂には、液状ウレタン(メタ)アクリレート樹脂も使用することが可能である。この液状ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、ポリアルコールおよび/またはポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールとジイソシアネートとを反応させ分子末端をイソシアネートと反応させてイソシアネート化し、これにアルコール性水酸基を有するアクリレートまたはメタアクリレートを反応させるか、または先ずアルコール性水酸基を有するアクリレートまたはメタアクリレートとイソシアネートとをイソシアネート基を残してポリアルコールおよび/またはポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールとを反応させて得られる分子末端にアクリレートまたはメタアクリレートの二重結合を有するウレタンアクリレートまたはメタアクリレートを、例えばスチレン、ジエチレングリコールジメタクリレートなどの液状の重合性単量体に溶解した液状樹脂である。これらは単独で、または2種以上の混合物で使用することができる。
【0027】
また本発明の液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂には、液状のアクリル樹脂またはメタクリル樹脂も使用することが可能である。この液状のアクリル樹脂またはメタクリル樹脂としては、メチルメタクリレートを主成分とし部分的に他の重合性単量体を共重合させたメチルメタクリレート共重合体、またはこの共重合体をメチルメタクリレートに溶解した液状樹脂であって、通常アクリルシラップと呼ばれるものである。なお、これらの液状樹脂は熱硬化性とするには、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレートのような多官能性メタクリレートまたはアクリレート系の単量体が併用される。
【0028】
本発明に使用されるO/W型水性分散体は、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを物理的混合手段により混合することにより容易に製造することができる。具体的には、硬化剤、必要に応じて促進剤を添加した液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に、所定量の水を加え、例えば、ディゾルバー(高速回転ミキサー)、ホモミキサーなどの物理的混合手段、あるいは超音波照射により混合することにより安定した水性分散体を得ることができる。使用される水は、イオン交換水、蒸留水および水道水のいずれでも差し支えなく特に限定するものではない。
【0029】
本発明に使用されるO/W型水性分散体における、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水との混合割合は、重量比で90:10〜60:40の範囲であり、好ましくは、85:15〜70:30である。水の混合割合が上記の範囲よりも多い場合は、硬化物の樹脂粒子同士の結合が弱くなり、硬化物の強度が低下するので好ましくない。一方、水の混合割合が上記範囲よりも少ない場合は、水性分散体の形態がW/O型となり、本発明の目的とする微細な連続気孔を有する抗菌性機能等を有する多孔質硬化物は得られない。
【0030】
本発明において抗菌性、防黴性または消臭性等の機能を付与するために配合される抗菌剤、防黴剤または消臭剤は、一般には微粉末状態で市販されており、本発明における液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂にはこれら付与剤を粉末で添加し撹拌することにより容易に混合分散され、所望の機能を付与した液状ラジカル重合型熱硬化性樹脂を得ることができるが、長期間の放置により沈降分離する場合もあるので、O/W型水性分散体の製造直前に添加し混合分散することが望ましい。またO/W型水性分散体の調製後は高い揺変性を有するため、付与剤が沈降分離することなく長期間安定に所望の機能を保持することができる。
【0031】
本発明において抗菌性機能等を有する多孔質硬化物を成型する方法としては、O/W型水性分散体を成形型に導入して成型する方法や、本発明のO/W型水性分散体は、適度な粘度を有し揺変性を示しスチレン臭が殆ど無いため、例えば不飽和ポリエステル樹脂の成型等に実施されるハンドレイアップ法、スプレイアップ法により容易に強化材で強化された抗菌性機能等を有する多孔質硬化物を成型することができる。その他に、不飽和ポリエステル樹脂等の成型方法として知られている種々方法によっても成型することが可能である。例えば、レジンインジェクション法を用いることにより、強化材で強化された抗菌性機能等を有する多孔質硬化物からなる筒状や箱状の成型品、更には多段積層セルを成型することも可能である。
【0032】
本発明に使用されるO/W型水性分散体には、硬化剤および必要に応じ促進剤を添加して使用されるが、促進剤は予め液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に添加してO/W型水性分散体を調製することが望ましい。硬化剤は通常成型等に使用するに際して添加される。硬化剤が粉末あるいはペースト状であって樹脂への均一溶解に時間がかかる場合は、硬化剤を予め液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂に添加してO/W型水性分散体を調製することが望ましい。その場合、促進剤は成型等に使用するに際して添加される。
【0033】
本発明に使用される硬化剤としては、通常有機過酸化物が使用される。そのような硬化剤として代表的なものは、メチルエチルケトンパーオキサイドで代表されるケトンパーオキサイド類、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンで代表されるパーオキシケタール類、クメンハイドロパーオキサイドで代表されるハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイドで代表されるジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイドで代表されるジアシルパーオキサイド類、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートで代表されるパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシベンゾエートで代表されるパーオキシベンゾエート類などを挙げられる。このような硬化剤は、通常、液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂100重量部に対して0.5〜3.0重量部の範囲で使用され、好ましくは0.5〜2.0重量部が使用される。
【0034】
上記の促進剤は、ナフテン酸コバルトで代表される有機酸の金属塩(金属石鹸)類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルパラトルイジンなどの3級アミン類、フェロセン等、不飽和ポリエステル樹脂の室温硬化に通常使用される促進剤が使用される。これらの促進剤は、例えば、硬化剤としてケトンパーオキサイド、やハイドロパーオキサイドを使用した場合はナフテン酸コバルトのような金属石鹸との組合せが好ましく、硬化剤がジアシルパーオキサイドである場合には3級アミンとの組合せが好ましく、硬化剤がパーオキシカーボネートである場合にはフェロセンとの組合せが好ましい。このような促進剤は、金属石鹸類は液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂100重量部に対して金属含有量6%のものに換算して0.02〜2.0重量部の範囲で使用され、好ましくは0.2〜1.0重量部が使用される。
3級アミン類は液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂100重量部に対して0.05〜1.0重量部の範囲で使用され、好ましくは0.1〜0.5重量部が使用される。
【0035】
本発明のO/W型水性分散体の調製に際して、必要に応じて界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の使用は本発明のO/W型水性分散体の安定性を高めることができるので、本発明の水性分散体を調整後直ぐに使用することなく数日間放置した後に硬化物とするような場合には界面活性剤を添加することが望ましい。
【0036】
本発明に使用される界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤が望ましい。非イオン系界面活性剤としては、(1)エステル型、(2)エーテル型、(3)アルキルフェノール型、(4)ソルビタンエステル型、(5)ポリオキシエチレンソルビタンエステル型、および(6)特殊非イオン型のいずれのタイプでも使用することができる。このような界面活性剤の添加量は液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で使用され、好ましくは0.5〜2.0重量部で使用される。界面活性剤の添加量が0.1重量部よりも少ない場合は添加の効果が発揮されず、10重量部を超える量を添加した場合には耐水性が低下する虞があり好ましくない。
【0037】
本発明のO/W型水性分散体から得られる多孔質硬化物に強度、耐久性などを付与するために必要に応じて強化材を併用することができる。実用的には通常強化材が使用される。このような強化材としては、例えば、ガラスクロス、カーボンクロス、ガラスチョップドストランドマットアラミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維のような合成繊維クロス、あるいはこれら合成繊維不織布、レイヨン系不織布等が挙げられる。
【0038】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
実施例1
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、液状不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ(株)製、「ユピカ6502」(比重1.10)500gを秤量し、これに抗菌性付与剤として「ノバロンVZ100」(東亞合成(株)製)を5g、防黴性付与剤として「カビノンCV800」(東亞合成(株)製)を5g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル10g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として「プルロニックL−61」(ポリオキシエシレンプロピレンエーテル型、旭化成工業(株)製)5gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水167g(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数5000rpmで5分間高速撹拌し、O/W型水性分散体を得た。得られたO/W型水性分散体に、N,N−ジメチルアニリン1gを加え十分に溶解した後、離型剤として金属石鹸を塗布した型上で、該水性分散体を230g/mのガラスチョップドストランドマット2プライ、ポリエステル不織布OL−40 1プライに含浸させた後、水性分散体を含浸させたガラスマットおよびポリエステル不織布をセロハン紙およびポリエステルフィルム等の被覆材で覆い、室温で一昼夜放置して硬化させた。硬化後被覆材を取り除き室温で一昼夜放置し乾燥させ、抗菌性および防黴性を有する厚さ2mmの繊維強化硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物を得た。得られた硬化物の気孔率は約19容量%で、有効気孔径は0.5μmであった。
【0040】
実施例2
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、液状エポキシアクリレート樹脂(日本ユピカ(株)製、「ネオポール8250」(比重1.08))1000gを秤量し、これに防黴性付与剤として「カビノンCV−800」を10g、消臭性付与剤として「ケスモンTNS120」(東亞合成(株)製)を10g、硬化剤として市販の「パーカドックス16」(化薬アクゾ(株)製)10g(樹脂100gに対して純分1g)、および界面活性剤として「ノニオンHS−206」(ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル型、日本油脂(株)製)10g(樹脂100gに対して1g)を加え、ゆっくり混ぜながら十分に混合した後、蒸留水429g(樹脂70gに対して30g)を加え羽根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数3000rpmで8分間高速撹拌し、O/W型水性分散体を得た。得られたO/W型水性分散体に、10重量%フルオレッセンのスチレン溶液20gを加え十分に溶解した後、離型剤として界面活性剤(ノニオンHS−206)を塗布した型上で、該水性分散体を450g/mのガラスチョップドストランドマット3プライに含浸させた後、水性分散体を含浸させたガラスマットをポリエチレンフィルムで覆い、室温で一昼夜放置して硬化させた。硬化後ポリエチレンフィルムを取り除き室温で一昼夜放置し乾燥させ、防黴性および消臭性を有する厚さ3mmの繊維強化硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物を得た。得られた硬化物の気孔率は約25容量%で、平均気孔径は0.4μmであった。
【0041】
実施例3
(抗菌性樹脂の合成)
攪拌機,温度計,還流冷却管,窒素導入管を付けた、5リットルのガラス製5つ口フラスコにイソフタル酸916g、3,5−カルボキシメチル−ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド1661g、プロピレングリコール922g、ネオペンチルグリコール1148gを入れ200℃で10時間を要して酸価15mgKOH/gまで反応させた。一旦120℃まで冷却後フマル酸1279gを加え、210℃で9時間反応させて酸価9mgKOH/g、水酸基価18mgKOH/gの不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽和ポリエステルは、ハイドロキノン1gを溶解させた3300gのスチレンに溶解して8300gの抗菌性を有する不飽和ポリエステル樹脂を得た。
【0042】
(多孔質硬化物の製造)
内径20cm、高さ30cmの金属製容器に、上記で得られた液状不飽和ポリエステル樹脂1000gを秤量し、これに消臭剤として「ケスモンTNS120」10g、硬化剤として市販の50重量%濃度の過酸化ベンゾイル20g(樹脂100gに対して純分1g)、界面活性剤として「プルロニックL−61」10gを加えゆっくりと混ぜながらよく混合したのち、水道水333g(樹脂75gに対して25g)を加え羽根の外径が6cmのディゾルバーを使用して回転数5000rpmで5分間高速撹拌しO/W型水性分散体を得た。得られたO/W型水性分散体に、硬化促進剤としてN,N−ジメチルアニリン2gを加え十分に溶解した後、離型剤として金属石鹸を塗布した型上で、該水性分散体を450g/mのガラスチョップドストランドマット3プライに含浸させた後、水性分散体を含浸させたガラスマットをセロハン紙およびポリエステルフィルムの被覆材で覆い、室温で一昼夜放置して硬化させた。硬化後被覆材を取り除き室温で一昼夜放置し乾燥させ、抗菌性、防黴性および消臭性を有する厚さ3mmの繊維強化硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物を得た。得られた硬化物の気孔率は約25容量%で、平均気孔径は0.4μmであった。
【0043】
比較例1
抗菌性付与剤よよび防黴製付与剤を添加しなかった以外は実施例1と同様に実施し、厚さ2mmの繊維強化硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物を得た。得られた硬化物の気孔率は約19容量%で、有効気孔径は0.5μmであった
【0044】
比較例2
実施例1に使用したと同様の金属製容器に、液状不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ(株)製、「ユピカ6510」(比重1.10))1000gを秤量し、これに硬化剤として市販の「パーカドックス16」10g(樹脂100gに対して純分1g)、および界面活性剤として「ノニオンHS−206」10g(樹脂100gに対して純分1g)を加え、ゆっくり混ぜながら十分に混合した後、蒸留水429g(樹脂70gに対して30g)を加え羽根の外径が4cmのディゾルバーを使用して回転数3000rpmで8分間高速撹拌し、O/W型水性分散体を得た。得られたO/W型水性分散体に、10重量%フルオレッセンのスチレン溶液20gを加え十分に溶解した後、離型剤として界面活性剤(ノニオンHS−206)を塗布した型上で、該水性分散体を450g/mのガラスチョップドストランドマット3プライに含浸させた後、水性分散体を含浸させたガラスマットをポリエステルフィルムで覆い、室温で一昼夜放置して硬化させた。硬化後ポリエステルフィルムを取り除き室温で一昼夜放置し乾燥させ、厚さ3mmの繊維強化硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物を得た。得られた硬化物の気孔率は約25容量%で、有効気孔径は0.4μmであった。
【0045】
比較例3
実施例1に使用したと同様の金属製容器に、液状不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ(株)製、「ユピカ6510」(比重1.10))1000gを秤量し、これに硬化剤として市販の「パーカドックス16」10g(樹脂100gに対して純分1g)、および10重量%フルオレッセンのスチレン溶液20gを加え十分に溶解した後、離型剤を塗布した型上で、この不飽和ポリエステル樹脂を450g/mのガラスチョップドストランドマット3プライに含浸させた後、ポリエステルフィルムで覆い、室温で一昼夜放置して硬化させ、厚さ3mmの繊維強化硬化物を得た。
【0046】
尚、本発明において硬化物の気孔率、気孔径は下記により測定した。
【0047】
(1)気孔率
硬化物の乾燥前後の重量を測定し、水の比重を1.0としてその値の差[(乾燥前重量)−(乾燥後重量)]を気孔部分の容積(a)とする。また乾燥後の硬化物の重量(b)、硬化物中の強化材含有量の値(燃焼法により可燃物重量(c)と燃焼残渣重量(d))を求め下記式から気孔率(X)を求めた。
【0048】
【数1】
[強化材がガラス質であるとき]
X(%)=a/[(c/硬化物真比重+d/ガラス真比重)]×100
【0049】
【数2】
[強化材が有機質であるとき(有機質真比重を樹脂硬化物と同一として近似値を用いた)]
X(%)=a/(b/硬化物真比重+a)×100
【0050】
(2)気孔径
島津製作所製ポロシオメーター「オートポアIII 9420」を使用し、水銀の圧入圧力と圧入量から平均気孔径を求めた。
【0051】
本発明の実施例1で得られた抗菌性および防黴性を有する多孔質硬化物を使用した精密濾過膜と、比較例1で得られた多孔質硬化物を使用した精密濾過膜濾過膜との性能比較試験を行った。試験方法は、実施例1の多孔質硬化物を使用した精密濾過膜、または比較例1で得られた多孔質硬化物を使用した精密濾過膜を設置した濾過器に50g/cmの圧力で浴槽の残り湯の濾過を行った。試験当初透過流束は1.2m/m・dayであった。3ヶ月および1年経過後に濾過を行った時点で実施例1の多孔質硬化物を使用した精密濾過膜は、透過流束1.0m/m・dayと0.6m/m・dayであったのに対して、比較例1の多孔質硬化物を使用した精密濾過膜は透過流束0.6m/m・dayと0.02m/m・dayであった。この結果から、実施例1の多孔質硬化物を使用した精密濾過膜は、1年に1回程度の保守で十分である。しかしながら比較例1の多孔質硬化物を使用した精密濾過膜は、3ヶ月に1回程度の保守を必要とした。
【0052】
また、本発明の実施例2および3で得られた抗菌性、防黴性または/および消臭性を有する多孔質硬化物からなる壁材と、比較例2で得られた多孔質硬化物からなる壁材および従来のFRP製品からなる壁材について相対的な性能比較を表1に示す。尚、各評価項目についてその試験方法および評価は下記により行った。
【0053】
(1)結露 :目視判断
試験板を10℃の恒温槽に入れ15分間放置後、湿度80%、温度50℃に調整された部屋に入れる。5分後の状態を観察し、試験板上の水滴の付着状況より、水滴の付着が認められたとき「結露有り」とし、湿っているが水滴の付着が認められないとき「結露無し」とした。
【0054】
(2) 防音性
実施例および比較例で得られた厚さ3mmの板で、1辺が30cmの蓋付きの箱を作製し、この箱の中に騒音計(センサー)を入れ、一定音量の騒音環境の中における音量を測定する。一方、箱の外における同一音量の騒音環境での音量を測定し、両者の音量を比較し、4dB以上の差があるとき「防音性が高い」と評価し、2〜4dBの差があるとき「防音性中位」と評価し、2dB以下の差のとき「防音性低い」と評価した。
【0055】
(3)断熱性
100℃に温度調節された一辺が30cm、厚さ1cmの鉄板に、実施例および比較例で得られた厚さ3mmの試験板を載置し、5分後、試験板の表面温度を表面温度計で測定し、表面温度が50℃以下を「断熱性が高い」と評価し、50〜80℃を「断熱性中位」と評価し、80℃以上を「断熱性が低い」と評価した。
【0056】
(4)消臭性
実施例および比較例で得られた厚さ3mm×長さ50mm×幅5mmの試験板を収容した市販のガス採取容器(テドラーバッグ)に、濃度30ppmのホルムアルデヒド含有空気1Lを入れ、5時間後のテドラーバッグ内のホルムアルデヒド濃度を測定する。ホルムアルデヒド濃度1ppm以下のとき「消臭性有り」と評価し、1〜20ppmのとき「消臭性少し有り」と評価し、20ppm以上のとき「消臭性なし」と評価した。
【0057】
(5)湿度調整機能
直径20cm、高さ30cmのガラス製容器内に水5mlを入れ、実施例および比較例で得られた厚さ3mmの板で蓋をし、湿度65%、温度23℃に保たれた部屋に放置し、24時間後ガラス容器内の湿度(A)を測定する。一方、同様の容器に乾燥させたシリカゲル10gを入れ同様の操作を行って24時間後の湿度(B)を測定し、(A)と(B)との差が50%以内のとき「湿度調整機能有り」と評価し、50%以上のとき「湿度調整機能無し」と評価した。
【0058】
(6)カビの発生 :目視判定
直径20cm、高さ30cmのガラス製容器内に、底から5cm高さまで水を入れ、実施例および比較例で得られた厚さ3mm×幅18cm×長さ25cmの試験板を水に浸して立てかけ空気の流通が可能に軽く蓋をし、38℃の恒温器に入れ、2〜3日に1回程度水の量を確認し常に底から1〜5cmの高さまで水があるように水を補給し、1ヶ月後の試験板片面のカビの発生状況を観察する。
【0059】
【表1】
Figure 0004820010
【0060】
【発明の効果】
本発明の抗菌性、防黴性または/および消臭性を有する硬化樹脂粒子が結合し微細な連続気孔を有する硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物は、精密濾過膜に必要とされる1.0μm以下の連続気孔を有するので抗菌性、防黴性または/および消臭性を有する精密濾過膜として好適であり、細菌の繁殖を抑制でき、抗菌や消臭などの機能を備えた精密濾過装置を提供することができる。
本発明による抗菌性、防黴性および/または消臭性を有する硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物を精密濾過膜に用いた場合は、細菌の除去率が高くほぼ100%の除去が可能となり、長期間連続して使用しても細菌等の増殖を抑制することが可能であり、除菌効率の高い濾過を行うことができる。また、濾過膜の定期的清掃期間が延長され、濾過装置のメンテナンスが飛躍的に容易になる。
また本発明の抗菌性、防黴性および/または消臭性を有する硬化物粒子集合体からなる多孔質硬化物が有する湿度調節機能、防音性、断熱性等の特性を生かし壁材に使用することにより、細菌の繁殖や黴の発生を抑制することができ、壁の黒ずみや変色等の黴による変質を防ぎ、消臭効果により快適な住環境を可能にすることができる。

Claims (4)

  1. 抗菌性、防黴性または消臭性の少なくとも1種を付与した、液状不飽和ポリエステル樹脂または液状エポキシ(メタ)アクリレート樹脂から選ばれる液状のラジカル重合型熱硬化性樹脂と水とを混合し、水相中に樹脂粒子が均一に分散してなるO/W型熱硬化性樹脂水性分散体を、強化材の存在下に常温または加熱下に硬化させてなり、球状の樹脂粒子が結合した有効気孔径が0.1〜1.0μmであり、気孔率が10〜40容量%である微細な連続気孔を有し、抗菌性、防黴性または/および消臭性を有する硬化物粒子集合体からなることを特徴とする多孔質硬化物。
  2. 前記強化材が、ガラスクロス、カーボンクロス、ガラスチョップドストランドマット、アラミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維の合成繊維クロス、あるいはこれら合成繊維不織布、レイヨン系不織布から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の多孔質硬化物。
  3. 請求項1または2に記載の多孔質硬化物からなる濾過材。
  4. 請求項1または2に記載の多孔質硬化物からなる壁材。
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