JP3686172B2 - 吸湿・吸水性成形体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸湿・吸水性成形体に関する。更に詳しくは、連続気孔を持ち、強度に優れ、吸湿性と吸水性とを兼ね備えた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
我々の日常生活は水に囲まれているといっても過言ではない。水は液体の状態でも存在するし、気体の状態、即ち水蒸気としても存在している。我々の生活の中では水は欠くことのできない存在である。
【0003】
しかし、一方では水が存在して欲しくない場合もある。例えば、家屋における冬期の結露や、長時間靴を履いたときの発汗による蒸れ等は、いずれも水の存在が原因となっているものである。家屋における結露は、居住環境を悪化させるだけでなく、構造部材の腐食の原因ともなる。また、発汗による蒸れは、人体に対して不快感を与えると同時に、健康に被害を及ぼす場合もある。
【0004】
従来、吸水性や吸湿性を有する物質としては、連続気孔を有する多孔質素材、吸湿剤、吸水性高分子材料、更には繊維系素材等が知られている。
【0005】
連続気孔を有する多孔質素材としては、樹脂発泡体、金属、セラミックスやプラスチックスの焼結体、海綿(スポンジ)等が知られており、フィルター、日曜雑貨品等として身の回りで広く使用されている。これらの中には、吸水性を持つものもあり、水の吸収、拡散、発散、透過、誘導等の用途に使われている。
【0006】
吸湿剤としては、活性アルミナやシリカゲルといった多孔質の吸着性の物質や、グリセリン、プロピレングリコール、塩化カルシウム、硫酸等が知られている。
【0007】
また、吸水性高分子材料としては、ポリビニルアルコール系樹脂、MMA樹脂、ポリアクリル酸塩系樹脂、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物等が知られており、これらは吸水性もあり、また吸湿性もある。
【0008】
更には、繊維系素材としては、親水化処理を施した合成繊維の布や不織布、アスベスト布或いは天然繊維の布帛、紙等がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、連続気孔を持つ多孔質素材は、強固な定形物に成形することが可能なものが多いが、吸水性を持つものがあるといっても、液体としての水を吸収するものでしかなく、気体の水、即ち水蒸気の吸収は行わないか、吸収しても極僅かである。
【0010】
吸湿剤は、吸湿はするが、液体の水の吸収能はあっても極僅かであるか、水の吸収によって発熱するといった問題点がある。また、これらは賦形性に乏しく、強固な定形物に成形することが困難である。
【0011】
吸水性高分子材料は、吸水性も吸湿性もあるが、吸水により強度低下を起こすだけでなく、ポリマー自体が吸水するために吸水時に大きな寸法変化を起こす。従って、成形したとしても、剛性及び強度のある定形物としては使用し得ないものである。
【0012】
繊維系素材には、吸水性と共にある程度の吸湿性を示すものがあるが、いずれも一定形状を保つ剛性に乏しく、それ自体のみでは使用箇所や使用態様の制限が大きい。また、強固な定形物とするには多大なコストが掛かり実用的ではない。
【0013】
ところで、上記のような家屋における結露による悪影響を防止するためには、結露の発生を抑制すると同時に、結露を生じた時にこれを吸収できる構造材料を配置することが望まれる。即ち、空気中の水蒸気を吸収することで結露の発生を抑制すると共に、結露が発生した場合には結露水を吸収して周囲への影響を防止できるような構造材料が望まれる。また、靴の中敷きとして考えた場合、汗を水蒸気の状態で吸収するだけでなく、靴の中で結露したものも吸収してくれるものが最善であり、更には降雨時の水分も吸収してくれるものが望まれる。これら構造材料や靴の中敷きは、いずれも強固な定形物として構成されるものであり、この要望に応じるためには、吸水性と吸湿性を兼ね備えた強固な定形物を得ることが必要である。
【0014】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたもので、工業的に生産が可能で、強度に優れ、吸水時の寸法安定性に優れ、かつ吸水性と吸湿性を兼ね備えた吸湿・吸水性成形体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
このために発明では、親水化されたポリエチレンの親水性粉粒樹脂と、部分α化澱粉、キチン、キトサンから選ばれる1種以上の吸湿剤とからなる、連続気孔を有する多孔質成形体であって、親水性粉粒状樹脂100重量部に対して吸湿剤が3〜70重量部配合されており、親水性粉粒樹脂の平均粒径が5〜2000μm、吸湿剤の平均粒径が親水性粉粒樹脂の平均粒径の1/3〜3倍であり、該混合物が粒子間に間隙を残して焼結成形されている吸湿・吸水性成形体としているものである。
【0016】
発明によれば、強固な定形物とすることができ、しかも親水性で連続気孔を有することによって吸水性が得られ、更に保持されている吸湿剤によって吸湿性が得られるものである。また、本発明の吸湿・吸水性成形体は、親水性粉粒樹脂と粉粒状の吸湿剤の混合物を、粒子間に隙間を残して燒結成形することで得ることができる。更に説明すると、粉粒状の吸湿剤が混合された親水性粉粒樹脂を溶融させ、粒子間に隙間を残した状態で親水性粉粒樹脂を融着させると、この融着と同時に少なくとも内表面及び外表面が親水性の連続気孔を有する樹脂多孔質体が得られると共に、融着した親水性粉粒樹脂の粒子間に粉粒状の吸湿性樹脂を保持させることができるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の吸湿・吸水性成形体は、連続気孔を有する樹脂多孔質体をベースとして形成されているもので、少なくとも内表面と外表面が親水性を有するものであれば、構成樹脂自体が親水性を有するものでも、構成樹脂自体は親水性を有しないものではあるが、スルフォン化、親水性モノマーのグラフト、特定の界面活性剤の添加、親水性の層を設ける等公知の方法で、全体又は少なくとも内表面と外表面を親水化したものでもよい。中でも内部に非親水性の樹脂を残しつつ内表面と外表面を親水化したものとすると、吸水・吸湿時に内部の非親水性の樹脂部分は水分を吸収しないため、寸法安定性に優れるので好ましい。
【0018】
連続気孔を形成するには、例えば発泡成形、燒結成形等の手法が主に用いられるが、その他に例えば抽出可能な成分と共に溶融させた樹脂で成形体を得た後、抽出可能な成分を抽出して連続気孔を形成することも可能である。中でも、燒結成形は、粉粒状の樹脂を希望の形状に堆積若しくは金型中に充填し、粒子間に隙間を残しつつ、加圧又は無加圧状態で粒子相互を加熱融着することで、連続気孔を容易に形成できるので、最も好ましい。本発明の吸湿・吸水性成形体における気孔は、全体が均一な寸法であってもよいし、例えば表層と内部、或いは一方の表層と他方の表層とで気孔の寸法を変えたものでもよい。尚、連続気孔とは、成形体の片面から他面へ連続している気孔をいう。この気孔は直線的でも曲線的でもよい。
【0019】
燒結成形によって発明の吸湿・吸水性成形体を得る場合、上記のように、粉粒状の樹脂を用いて成形が行われることになる。この場合の粉粒状の樹脂は、それ自体が親水性を有するものでもよいし、それ自体は親水性を有さないが、スルフォン化、親水性モノマーのグラフト、特定の界面活性剤の添加、親水性の層を設ける等公知の方法で親水化された親水性粉粒樹脂であることが好ましい。中でも非親水性の樹脂の粉粒体の表面だけを親水化した親水性粉粒樹脂は、これを燒結することによって、内部に非親水性の樹脂を残しつつ内表面と外表面を親水化した吸湿・吸水性成形体となることから好ましい。
【0020】
燒結成形に用いられる粉粒状の樹脂は、重合により得られた粉粒状の樹脂をそのまま用いることも可能であるし、一度粉粒状以外の形状に賦形したものを、機械粉砕、冷凍粉砕、化学粉砕等の公知の方法で粉粒状にしたものを用いることもできる。これらの粉粒状の樹脂は、平均粒径が5〜2000μmであることが好ましく、更に好ましくは50〜1000μmである。粉粒状の樹脂の平均粒径が5μm未満では、燒結体にした時に全体が密になり過ぎ、十分な吸水量が得にくくなる。また、粉粒状の樹脂の平均粒径が2000μmを超えると、毛細管現象による水の吸い上げ力が小さくなりやすくなる。尚、上記平均粒径とは、JIS・Z8801のふるいを使用し、ふるい分け試験通則JIS・Z8815に従ってふるい分けし、算術目盛りによって積算ふるいした百分率を図で表わし、積算量50%の粒子径をいう。
【0021】
本発明の吸湿・吸水性成形体を燒結成形する場合、上記平均粒径の親水性粉粒樹脂と後述する粉粒状の吸湿剤を後述の割合で混合した材料を用いて行うのが最も好ましい。燒結成形は、金型にこの混合物を充填して、親水性粉粒状樹脂の融点以上に加熱したり、平面上にこの混合物を堆積させて、親水性粉粒樹脂の融点以上に加熱することで行うことができる。また、燒結成形は、無加圧下で行ってもよいが、必要に応じて適宜加圧してもよい。
【0022】
発明の吸湿・吸水性成形体を構成する樹脂としては、賦形性、二次加工性、安価であること、耐薬品性に優れること、加工性に優れること、素材の吸湿性・吸水性が低いことにより吸水時の寸法安定性に優れること、燒結成形に適した粉粒体を得やすいこと、燒結成形が容易であること、耐薬品性に優れること、素材自身の吸湿吸水性が低いこと等の理由から、ポリエチレンが用いられる。
【0025】
ポリエチレンは、それ自身は親水性を示さないから、スルフォン化、親水性モノマーのグラフト、特定の界面活性剤の添加、親水性の層を設ける等公知の方法で親水化処理を施すことになる。特に、特願昭57−27400、特願昭57−32428、特願昭63−61981、特願昭63−67078等に開示された方法で親水化すると、容易に表面のみを親水化した親水性粉粒樹脂を得ることができ、これを燒結することによって、吸湿若しくは吸水した場合に、連続気孔部分のみ水分が存在し、素材自身は吸湿・吸水することがないので、吸湿・吸水時の強度変化や寸法変化のない発明の吸湿・吸水性成形体が得られる。
【0026】
ポリエチレンのメルトインデックス(MI)は、0.001〜30g/10分ののものがよく、より好ましくは0.01〜10g/10分である。連続気孔を形成する手段として燒結成形を考えた場合、MIが0.001g/10分以下では、燒結成形したときに隣り合う粒子の融着強度が低いため、成形体としての強度が弱くなりやすい。MIが30g/10分以上では、燒結成形を行ったときに樹脂の溶融と共に流動が起こり、気孔の形成を妨げやすくなる。尚、MIは、JIS・K7210に基づき、温度190℃、荷重2.16kgで測定した値である。
【0027】
また、ポリエチレンの密度は、0.90〜0.97g/ccであることが好ましい。密度が0.90g/cc以下では柔軟性に富むが、耐薬品性に劣ることと、融点が低くなって成形可能範囲が狭くなりやすい。
【0028】
本発明の吸湿・吸水性成形体は、吸湿剤を含有する樹脂多孔質体で構成されているものである。吸湿剤を含有する樹脂多孔質体による本発明の吸湿・吸水性成形体の形成は、吸湿剤を混合した素材を用いて前記連続気孔の形成及び賦形を行うことで容易に行うことができる。
【0029】
本発明に用いる吸湿剤は、吸湿後に大きな強度変化や寸法変化が無く、また水分によって化学的な変化を起こさないものがよい。吸湿後に大きな強度変化、例えば崩壊等が起こると、吸湿剤が連続気孔を通って外部に排出され、周囲を汚染しやすくなる。また、吸湿後に大きな寸法変化、例えば大きな膨潤があると、連続気孔を閉塞したり、連続気孔を通って外部にはみ出したりする不都合を生じやすくなる。これらのことから、吸湿剤としては、部分α化澱粉、キチン、キトサンの群から選ばれた1種以上のものが用いられる。これらは粉粒状で入手できるので粉粒状の樹脂と混合して、例えば燒結成形等により賦形することも可能であるし、吸湿・吸水後も大きな寸法変化をもたらさない。これら吸湿剤は、樹脂100重量部に対して3〜70重量部保持されていることが好ましい。3重量部以下であると実質的な吸湿性能が得にくく、70重量部以上では成形体の強度が弱くなりやすい。尚、吸湿剤は成形体の中に均一に存在してもよいし、不均一に存在してもよい。また、前記のような燒結成形を行う場合、吸湿剤は、その平均粒径が親水性粉粒樹脂の平均粒径の1/3〜3倍であることが好ましい。平均粒径が小さ過ぎると脱落を生じやすく、逆に大き過ぎると成形体の強度が低下しやすくなる。
【0030】
本発明の吸湿・吸水性成形体は、上記吸湿剤と共に、防かび剤及び/又は抗菌剤を、樹脂100重量部に対して0.05〜2重量部保持していることが好ましい。但し、上記吸湿剤との合計量が、樹脂多孔質体を構成している樹脂100重量部に対して70重量部を超えない範囲であることが好ましい。また、燒結成形に際しては、吸湿剤と共に親水性粉粒樹脂と混合することが好ましく、吸湿剤と同様の平均粒径であることが好ましい。防かび剤としては、チアベンダゾール系、キチン、キトサンから選ばれた1種以上が好ましい。また、抗菌剤としては、無機系抗菌剤、キチン、キトサンから選ばれた1種以上が好ましい。無機系抗菌剤としては、例えば、ゼオライト、SiO2 、Al23 、MgO等の無機物にAg及び/又はZnを担持させたものがよい。尚、防かび剤及び/又は抗菌剤としてキトサンを用いる場合には、蟻酸、酢酸、乳酸の様な有機酸或いは塩酸の様な無機酸との塩にすることで一層の性能が得られるので好ましい。
【0031】
本発明の吸湿・吸水性成形体は、樹脂多孔質体の成形範囲で種々の形状、例えば板状、円筒状、円柱状、角柱状、直方体、立方体、その他異形体等の形状とすることが可能である。また、表面或いは内部に、布、織物、編み物、不織布、穴あきフィルム、金網等、本発明の多孔性を阻害しないものとの複合化も可能である。或いは、一部分に非透湿性或いは非透水性のフィルム、膜等を設けて、吸収した水分の影響を周囲に及ぼさないようにすることも可能である。更には、着色、印刷等により意匠性を持たせることも可能である。また、熱安定剤、耐候剤、吸臭剤、脱臭剤、香料等を必要に応じて添加して形成してもよい。これら添加剤を加える際には流動パラフィン等の展着剤を用いることもできる。
【0032】
本発明の吸湿・吸水性成形体は、常温にて成形体を水深10mmの水中に垂直に立てた場合に、毛細管現象によって、浸漬後1分で水面から10mm以上、成形体内を水が水面より上部に上昇する吸水力を有することが好ましい。
【0033】
本発明の吸湿・吸水性成形体は、その気孔率が30〜80%であることが好ましい。気孔率が30%以下では実質的に多孔体としての機能を発揮しにくく、80%以上では成形体の強度が低くなりやすい。ここでいう気孔率は次式で算出される値をいう。
【0034】
気孔率(%)=[(真の密度−見掛けの密度)/真の密度]×100
尚、気孔率は吸湿・吸水性成形体全体に均一でもよいし、不均一でもよい。
【0035】
本発明の吸湿・吸水性成形体は、乾燥状態で成形体1g当たり0.5g以上の水を吸収するものであることが好ましい。吸水量が1g当り0.5g以下では実用的な吸水性となりにくい。尚、吸水量は、成形体を乾燥して重量を量り、次いで水中に5分間浸漬した後水中より引き上げて重量を測定し、乾燥時の重量と水中浸漬後の重量の差を乾燥時の重量で除した値をいう。
【0036】
本発明の吸湿・吸水性成形体は、乾燥状態で成形体1g当たり0.01g以上吸湿するものであることが好ましい。吸湿量が1g当り0.01g以下では実用的な吸湿性となりにくい。尚、吸湿量は、成形体を乾燥して重量を量り、次いで40℃、90%RHの雰囲気下に1.5時間放置した後重量を測定し、乾燥時の重量と吸湿後の重量の差を乾燥時の重量で除した値をいう。
【0037】
本発明の吸湿・吸水性成形体は、吸水後の寸法変化率が0.5%以下であることが好ましい。寸法変化が0.5%以上になると、例えば他の物と組み合わせた場合に不都合が生じやすく、単品の素材としても使用範囲や使用形態が限定されやすい。尚、寸法変化率は、成形体を23℃の雰囲気下で水中に24時間浸漬し、浸漬前後の寸法の差の浸漬前の寸法に対する割合をいう。
【0038】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
【0039】
実施例1〜3
JIS・K7210(条件;温度190℃、荷重2.16Kg)によって測定したMIが0.06g/10分、密度が0.956g/cc、平均粒径140μmの高密度ポリエチレン粉体(商品名:「サンファイン・SH810」と、旭化成工業株式会社製)100重量部にポリグリセリンイソステアリルエステル0.3重量部とを高速ミキサーにて混合し、親水性粉粒樹脂を得た。該親水性粉粒樹脂に吸湿剤として平均粒径70μmの部分α化澱粉(商品名:「PCS」、旭化成工業株式会社製)を表1に示す割合で混合した。該混合物を200×400×2mmの空間を持つアルミニウム製の金型内に充填し、金型の表面温度が145〜150℃になるまで加熱し、平板状の成形体を得た。該成形体の物性を表1に示す。
【0040】
比較例1
実施例1で使用した親水性粉粒樹脂を200×400×2mmの空間を持つアルミニウム製の金型内に充填し、金型の表面温度が145〜150℃になるまで加熱し、平板状の成形体を得た。該成形体の物性を表1に示す。
【0041】
比較例2、3
実施例1で使用した高密度ポリエチレン粉体100重量部に、実施例1で使用した吸湿剤80重量部を混合して比較例2とし、50重量部を混合して比較例3とした。該混合物を200×400×2mmの空間を持つアルミニウム製の金型内に充填し、金型の表面温度が145〜150℃になるまで加熱し、平板状の成形体を得た。該成形体の物性を表1に示す。
【0042】
実施例4
実施例1で使用した親水性粉粒樹脂100重量部に吸湿剤として平均粒径50μmのキトサンを10重量部混合した。該混合物を200×400×2mmの空間を持つアルミニウム製の金型内に充填し、金型の表面温度が145〜150℃になるまで加熱し、平板状の成形体を得た。該成形体の物性を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0003686172
【0045】
【発明の効果】
本発明の吸湿・吸水性成形体は、強度に優れ吸水時の寸法安定性も良く、且つ吸水性と吸湿性を兼ね備えているので、液状の水の吸収と共に水蒸気をも吸収する能力を持っている。従って、例えば靴の中敷や家屋の結露防止剤乃至は結露水の吸収体として利用できるものである。

Claims (6)

  1. 親水化されたポリエチレンの親水性粉粒樹脂と、部分α化澱粉、キチン、キトサンから選ばれる1種以上の吸湿剤とからなる、連続気孔を有する多孔質成形体であって、親水性粉粒状樹脂100重量部に対して吸湿剤が3〜70重量部配合されており、親水性粉粒樹脂の平均粒径が5〜2000μm、吸湿剤の平均粒径が親水性粉粒樹脂の平均粒径の1/3〜3倍であり、該混合物が粒子間に間隙を残して焼結成形されていることを特徴とする吸湿・吸水性成形体。
  2. 気孔率が30〜80%であることを特徴とする請求項1記載の吸湿・吸水性成形体。
  3. ポリエチレンのメルトインデックスが0.001〜30g/10分であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸湿・吸水性成形体。
  4. ポリエチレンの密度が0.90〜0.97g/ccであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸湿・吸水性成形体。
  5. 樹脂100重量部に対して防かび剤及び/又は抗菌剤が0.05〜2重量部保持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸湿・吸水性成形体。
  6. 防かび剤が、チアベンダゾール系、キチン、キトサンから選ばれた1種以上であり、抗菌剤が、無機系抗菌剤、キチン、キトサンから選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸湿・吸水性成形体。
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