JP4121596B2 - シール材付吸湿性成形体及びその製造方法 - Google Patents

シール材付吸湿性成形体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば蓋付容器の蓋と容器の間に挟み込ませて使用され、容器内を密閉するパッキングとしての機能と、容器内の乾燥状態を維持するための乾燥剤としての機能を併せ持つシール材付吸湿性成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、市販されている一般的な乾燥剤としては、シリカゲル、ゼオライト、活性アルミナといった多孔質の吸着性物質の他に、グリセリン、プロピレングリコール、塩化カルシウム、硫酸等が知られている。これらの中でも、シリカゲル、塩化カルシウム、ゼオライト等は、海苔、茶、椎茸、菓子類等の食品や医薬品、電子精密機器類、家庭雑貨用等に広く用いられている。
【0003】
また、シリカゲルに対して50重量%以下のポリエチレンを配合した成形用吸水剤組成物(特開昭52−47591号公報)や、熱可塑性樹脂100重量部に対し、硫酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム及び酸化ケイ素の少なくとも1種を5〜400重量部配合した乾燥剤組成物(特開平3−109916号公報、特開平3−109917号公報)も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的な乾燥剤は、吸湿能力には優れるものの、粉粒状または液状のものが多いことから、紙や不織布等の通気性のある袋に収容したり、結着剤を配合して打錠成形し、これらを容器内に内容物と共に入れて用いられている。
【0005】
しかしながら、上記のような袋入りまたは打錠成形した乾燥剤は、嵩張ってスペースをとるばかりか、形状、厚みが不揃いであるために自動包装適正に欠けると共に、多様化する包装形態に対応しにくい。加えて、衝撃や摩擦によってダストが発生しやすいことから、使い方が限定される問題がある。また、内容物と混在しているため、例えば食品や医薬品に使用した場合、その形状が内容物と似ていると、たとえ食品や医薬品でない旨の表示や、食べてはいけない旨の表示があっても、特に子供や視力の低下している人にとっては常に誤飲・誤食の恐れがある。
【0006】
乾燥剤に定形性を持たせて自動包装適性を向上させると同時に誤飲・誤食を防止するために、前記公開公報に示されているような組成物を用い、内容物と全く異なる形状の吸湿性成形体として容器内に入れることも考えられる。
【0007】
しかしながら、前記公開公報に示される組成物のように、樹脂中に乾燥剤を練り込むものでは、乾燥剤の表面が樹脂で覆われてしまい、たとえ吸湿性のある樹脂を用いたとしても、乾燥剤の表面積が大幅に減殺され、吸湿速度が低下する問題がある。また、容器内に内容物と共に入っていたのでは、内容物と形状が異なっていても、誤飲・誤食を完全に防止することはできない。
【0008】
このようなことから、穴をあけて透湿性を持たせた小型容器に乾燥剤を収納して蓋の裏側に取り付けることが試みられている。しかし、透湿性を持たせた小型容器に乾燥剤を入れ、更にこれを蓋の裏側に取り付けなくてはならず、手間とコストがかかる問題がある。
【0009】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたもので、吸湿性に優れた吸湿性成形体を提供すると共に、この優れた吸湿性成形体を、取り扱いやすく、誤飲・誤食の危険性のない状態で簡単に使用することができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このために請求項1の発明では、メルトインデックスが0.01〜100g/10分、密度が0.85〜0.97g/cc、平均粒径が5〜2000μmのポリエチレンからなる粉粒状の樹脂と、
シリカゲル、ゼオライト、活性アルミナから選ばれた1種以上であって、上記粉粒状の樹脂の平均粒径の0.5〜30倍の平均粒径を有する粉粒状の吸湿剤とからなり、
連続気孔を有し、気孔率が30〜80%である樹脂多孔質体製の吸湿性成形体であって、
少なくとも上記吸湿性成形体の表面が透湿層で覆われており、
上記吸湿性成形体にシール材が一体化されていることを特徴とするシール材付吸湿性成形体としているものである。
【0011】
上記請求項1の発明によれば、吸湿性成形体が樹脂多孔質体をベースにしているので、これを強固な定形物とすることができ、これによって自動包装適性が飛躍的に向上し、しかも連続気孔を有しているので、吸湿剤の表面積を大幅に減殺することがなく、高い吸湿能力を得ることができる。また、この吸湿性成形体にシール材を一体化することにより、吸湿性成形体がシール材の台座もしくは支持材として機能し、シール材取り付け時の取り扱い性も向上する。更に、シール材の取り付け個所に吸湿性成形体も取り付けられることになり、誤飲・誤食の恐れを払拭することができる。
【0012】
また、請求項の発明では、メルトインデックスが0.01〜100g/10分、密度が0.85〜0.97g/cc、平均粒径が5〜2000μmのポリエチレンからなる粉粒状の樹脂と
シリカゲル、ゼオライト、活性アルミナから選ばれた1種以上であって、上記粉粒状の樹脂の平均粒径の0.5〜30倍の平均粒径を有する粉粒状の吸湿剤の混合物を、
粒子間に間隙を残して焼結成形し、
該焼結成形体をそのまま若しくは該焼結成形体に二次加工を施して吸湿性成形体とし、
この吸湿性成形体にシール材を一体化することを特徴とするシール材付吸湿性成形体の製造方法としているのである。
【0013】
上記請求項の発明によれば、粉粒状の吸湿剤が混合された粉粒状の樹脂を溶融させ、粒子間に間隙を残した状態で粉粒樹脂を融着させることで、連続気孔を有する樹脂多孔質体が得られると共に、融着した粉粒樹脂の粒子間に粉粒状の吸湿剤を保持させることができる。そして、このような樹脂多孔質体で構成された吸湿性成形体をシール材と一体化することで、上記のシール材付吸湿性成形体を容易に得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における吸湿性成形体は、後述する吸湿剤を保持し、しかも連続気孔を有する樹脂多孔質体をベースとして形成されているものである。
【0015】
連続気孔を形成するには、例えば発泡成形、焼結成形等の手法が主に用いられるが、その他には、例えば成形後に抽出可能な成分と共に溶融させた樹脂で成形体を得た後、抽出可能な成分を抽出して連続気孔を形成することも可能である。これらの中でも、焼結成形は、粉粒状の樹脂を希望の形状に堆積若しくは金型中に充填し、粒子間に間隙を残しつつ、加圧または無加圧状態で粒子相互を加熱融着することで、連続気孔を容易に成形できるので、最も好ましい。
【0016】
吸湿性成形体における気孔は全体が均一な寸法であってもよいし、例えば表層と内層、或いは一方の表層と他方の表層とで気孔の寸法を変えたものでもよい。尚、連続気孔とは、吸湿性成形体の片面から他面へ連通している気孔をいう。この気孔は直線でも曲線でもよい。
【0017】
焼結成形に用いられる粉粒状の樹脂は、重合により得られた粉粒状の樹脂をそのまま用いることも可能であるし、一度粉粒状以外の形状に賦形したものを、機械粉砕、冷凍粉砕、化学粉砕等の公知の方法で粉粒状にしたものを用いることもできる。更に、一度粉砕したものを熱処理等の手段により、粉粒体の形状を真球に近づけたものでもよい。これらの粉粒状の樹脂は、平均粒径が5〜2000μmであることが好ましく、さらに好ましくは50〜1000μmである。粉粒状の樹脂の平均粒径が5μm未満では、焼結体にした時に全体が密になり過ぎて十分な吸湿能力が得にくくなりやすい。また、粉粒状の樹脂の平均粒径が2000μmを超えると、気孔が大きくなりやすく、添加した吸湿剤の保持力が不足しやすくなる。尚、上記平均粒径とは、JIS・Z8801のふるいを使用し、ふるい分け試験通則JIS・Z8815に従ってふるい分けし、算術目盛りによって積算ふるいした百分率を図で表わして求めた積算量50%における粒子径をいう。
【0018】
本発明における吸湿性成形体を焼結成形により得る場合、上記平均粒径の粉粒状の樹脂と、後述する粉粒状の吸湿剤とを後述の割合で混合した材料を用いて行うのが最も好ましい。焼結成形は、金型にこの混合物を充填して粉粒状の樹脂の融点以上に加熱したり、平面上若しくは希望の形状をもつ金型上にこの混合物を堆積させて粉粒状の樹脂の融点以上に加熱することで行うことができる。また、焼結成形は、無加圧下で行ってもよいが、必要に応じて適宜加圧してもよい。
【0019】
吸湿性成形体を構成する樹脂の具体例としては、例えばセルロース系等の天然樹脂の他に、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、アリル樹脂、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート等に代表される熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0020】
これらの中でも、賦形性、二次加工性等を考慮すると、熱可塑性樹脂がよい。更に、熱可塑性樹脂の中でも、安価であること、耐薬品性に優れること、加工性に優れること、素材の吸湿・吸水性が低いことにより吸湿時の寸法安定性に優れること等から、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0021】
ポリオレフィン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、エチレンとプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の1種以上のαオレフィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等との共重合体、プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレン、ブテン−1等の1種以上のαオレフィンとの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、焼結成形に適した粉粒体を得やすいこと、焼結成形が容易であること、耐薬品性に優れること、素材自身の吸湿吸水性が低い等の理由から、ポリエチレンが好ましい。
【0022】
ポリエチレンは、メルトインデックス(MI)が0.01〜100g/10分のものがよく、より好ましくはMIが1〜50g/10分のものである。連続気孔を形成する手段として焼結成形を考えた場合、MIが0.01g/10分以下では、焼結成形したときに隣り合う粒子の融着強度が低くなって、得られる吸湿性成形体の強度が弱くなりやすい。MIが100g/10分以上では、焼結成形を行ったときに、樹脂の溶融と共に流動が起こり、気孔の形成を妨げやすくなる。尚、MIは、JIS・K7210に基づき、温度190℃、荷重2.16kgで測定した値である。
【0023】
また、ポリエチレンの密度は、0.85〜0.97g/ccであることが好ましい。密度が0.85g/cc以下では柔軟性に富むが、耐薬品性に劣ることと、融点が低くなって焼結成形可能な条件の範囲が狭くなりやすい。
【0024】
本発明における吸湿性成形体は、吸湿剤を保持した樹脂多孔質体で構成されているものである。吸湿剤を保持した樹脂多孔質体製である吸湿性成形体の成形は、吸湿剤を混合した素材を用いて前記連続気孔の形成及び賦形を行うことで容易に行うことができる。
【0025】
本発明に用いる吸湿剤は、吸湿後に大きな強度変化や寸法変化がなく、また水分によって化学的な変化を起こさないものがよい。吸湿後に大きな強度変化、例えば崩壊等が起こると、吸湿剤が連続気孔を通って外部に排出され、周囲を汚染しやすくなる。また、吸湿後に大きな寸法変化、例えば大きな膨潤があると、連続気孔を閉塞したり、吸湿剤が連続気孔を通って外部にはみ出したりする不都合を生じやすくなる。これらのことから、吸湿剤としては、シリカゲル、ゼオライト、活性アルミナから選ばれた1種又は2種以上の混合物が好ましい。これらは粉粒状で入手できるので、粉粒状の樹脂と混合して、例えば焼結成形等により賦形することも可能であるし、吸湿後も大きな寸法変化を生じない。
【0026】
吸湿剤は、前記粉粒状の樹脂100重量部に対して100〜500重量部保持されているのが好ましい。100重量部以下であると実質的な乾燥性能が得にくく、500重量部以上では吸湿性成形体の強度が弱くなりやすい。尚、吸湿剤は吸湿性成形体の中に均一に存在していてもよいし、不均一に存在していてもよい。
【0027】
前記のような焼結成形を行う場合、吸湿剤は、その平均粒径が粉粒樹脂の平均粒径の0.5〜30倍であることが好ましい。平均粒径が小さすぎると脱落を生じやすく、逆に大きすぎると得られる吸湿性成形体の強度が低下しやすくなる。これら吸湿剤には、通常行われるような塩化コバルト等の物質の添加によるインジケーター機能を付与することもできる。
【0028】
吸湿性成形体は、その気孔率が30〜80%であることが好ましい。気孔率が30%以下では実質的に多孔質体としての機能を発揮しにくく、80%以上では吸湿性成形体の強度が低くなりやすい。ここでいう気孔率は次式で算出される値をいう。
【0029】
気孔率(%)=[(真の密度−見かけの密度)/真の密度]×100
【0030】
尚、気孔率は吸湿性成形体全体に均一でもよいし、不均一でもよい。
【0031】
吸湿性成形体は、表面或いは内部に、布、織物、編み物、不織布、穴あきフィルム、金網等、連続気孔を閉塞させない材料と複合化した樹脂多孔質体で構成することもできる。また、吸湿性成形体を構成する樹脂には、熱安定剤、耐候剤、脱臭剤、吸臭剤、防かび剤、抗菌剤、香料等を必要に応じて添加しおいてもよい。これら添加剤を加える際には流動パラフィン等の展着剤を用いることもできる。
【0032】
吸湿性成形体は、樹脂多孔質体の成形許容範囲で成形した種々の形状の成形体として得ることができる。例えば板状、円筒状、円柱状、角柱状、直方体、立方体、その他異形品等の形状の成形体として得ることができる。また、吸湿性成形体は、樹脂多孔質体の成形体に対して更に二次加工を施したものとして得ることもできる。例えば樹脂多孔質体の平板を成形した後、円盤状等の所望の形状に打ち抜く二次加工を施して吸湿性成形体を得ることもできる。更には、吸湿性成形体に、着色、印刷等により意匠性をもたせることも可能である。
【0033】
上記のようにして得られる、吸湿剤を保持しかつ連続気孔を持った樹脂多孔質体製の吸湿性成形体は、シール材と一体化される。
【0034】
吸湿性成形体と一体化されるシール材は、蓋付容器の容器と蓋との間からの外気の侵入による内容物の変質を保護する目的で使用されるもので、ゴム、ポリエチレン等の素材が好適である。中でもとりわけ低密度ポリエチレンを1.1から20倍発泡させた発泡体が、強度、取り扱い性、シール性、並びに後述するエチレン−酢酸ビニル共重合体との接着性等の点から好適に使用される。
【0035】
吸湿性成形体とシール材の一体化は、例えば発泡ポリエチレン等のシートでシール材を構成する場合、このシートを容器のシール個所の形状及び大きさに応じたものとすると共に、中央部分に前記吸湿性成形体が嵌合される穴あけ加工を施し、この穴の中に前記吸湿性成形体(例えば円盤状)を嵌合することで行うことができる。この際、より一体化を強化するために、熱融着や接着剤を用いても差し支えない。シール材の外形は、例えば本シール材付吸湿性成形体を蓋付容器の蓋の裏側に取り付ける場合、蓋の寸法にあわせて裁断しておけばよい。
【0036】
吸湿性成形体からの吸湿剤の脱落防止を確実なものとするために、少なくとも吸湿性成形体の表面(容器内に露出する面)を透湿層で覆うことが好ましい。特に吸湿性成形体とシール材に跨って透湿層で覆うようにすると、吸湿性成形体とシール材の一体化を助けることができる。透湿層は、例えばポリエチレンのような比較的透湿性の低いフィルム又は膜にピンホール等を設けて透湿性を付与させたものでも良いし、フィルム又は膜を構成する物質そのものが透湿性を持ったものでも良い。中でもセロハン又はポリアミドが好適に用いられる。更にこの透湿層を光線透過性材料で構成すれば、吸湿剤に塩化コバルト等でインジケーター機能を付与した場合に、外部からその状態を目視できる利点もある。
【0037】
例えば蓋の防湿性が完全でない場合等においては、容器の外部からの水分の影響を小さくする意味で、吸湿性成形体の裏面(蓋側の面)を防湿層で覆っておくことが好ましい。防湿層は、高密度ポリエチレンやポリ塩化ビニリデンのフィルムや膜、シリカ蒸着膜等が好ましく用いられるが、中でも防湿性能の点からアルミニウム箔が最も好ましい。但し、アルミニウム箔の場合、傷等によるピンホールの発生の問題や、他の物への貼合の際に接着層が必要である等の問題から、単独で用いられることは少なく、積層品を用いることが好ましい。ピンホールの発生を抑えるためにはポリエチレン等との積層品を用いることも可能であるが、本発明においては、少なくとも片面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体が連続又は不連続の膜状に積層されたアルミニウム箔が好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体は、吸湿性成形体及びシール材と容易に熱接着できる。また、アルミニウム箔の外表面に容器の蓋との接着剤層を設けておけば、熱融着等の手段により、本シール材付吸湿性成形体と蓋とを容易に一体化させることができ、取り扱い性を更に向上させることができる。
【0038】
こうして作られた吸湿材は、更に収納する蓋の寸法に合わせて打ち抜き等の加工により賦形される。該成形体を容器の蓋の内部に収納すれば、乾燥機能と同時にシール機能をも有するのである。また、乾燥材は内容物とは混在せず、従って誤飲の恐れも大幅に低減させられる。
【0039】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
【0040】
実施例1
JIS・K7210(条件;温度190℃、荷重2.16kg)によって測定したMIが25g/10分、密度が0.915g/cc、平均粒径200μmの低密度ポリエチレン粉体(商品名:「サンテックPAK」、旭化成工業株式会社製)100重量部に、平均粒径290μmのシリカゲルを400重量部混合した。該混合物を200×400×2mmの空間を持つアルミニウム製の金型内に充填し、金型の表面温度が155〜165℃になるまで加熱し、平板状の成形体を得た。この吸湿剤を保持したポリエチレン多孔質体を30mmφの円盤に打ち抜き、吸湿性成形体を得た。
【0041】
一方、シール材として、厚み1.5mmの低密度ポリエチレンの発泡シートに30mmφの穴をあけ、前記円盤形状の吸湿性成形体を嵌合させ、実質一体化した。この吸湿性成形体とシール材の一体化物の片面に、防湿層として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、アルミニウム箔の積層物にエチレン−酢酸ビニル共重合物(酢酸ビニル含量9%)をラミネートした積層フィルムを、エチレン−酢酸ビニル層を内面にして熱融着させた。更に、上記一体化物の反対面に透湿層としてセロファンを貼合した。
【0042】
選られたシール材付吸湿性成形体を、25℃の雰囲気下で、11%RH、33%RH、60%RH、87%RHの各湿度中で放置し、重量変化を求めた。この結果から、添加されたシリカゲルの純分重量を基準にして吸湿率を求めた。結果を表1及び図1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0004121596
【0044】
【発明の効果】
本発明のシール材付吸湿性成形体は、強固な定形物とすることができるので、自動包装適性を飛躍的に向上させることができる。また、吸湿剤は、連続気孔を有する樹脂多孔質体に保持されているので、吸湿剤の表面積が大幅に減殺されることがなく、高い吸湿能力が得られるものである。更に、この吸湿をなす吸湿性成形体がシール材と一体化されており、シール材の取り付けと同時に吸湿性成形体の取り付けも行われることになり、取り扱い性に優れるばかりか、吸湿性成形体はシール材と共に容器の蓋の裏側等に取り付けられるので、誤飲・誤食の恐れを払拭することができるものである。
【0045】
また、本発明の製造方法によれば、上記シール材付吸湿性成形体を容易に得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で求めた吸湿率の変化を示すグラフである。

Claims (3)

  1. メルトインデックスが0.01〜100g/10分、密度が0.85〜0.97g/cc、平均粒径が5〜2000μmのポリエチレンからなる粉粒状の樹脂と、
    シリカゲル、ゼオライト、活性アルミナから選ばれた1種以上であって、上記粉粒状の樹脂の平均粒径の0.5〜30倍の平均粒径を有する粉粒状の吸湿剤とからなり、
    連続気孔を有し、気孔率が30〜80%である樹脂多孔質体製の吸湿性成形体であって、
    少なくとも上記吸湿性成形体の表面が透湿層で覆われており、
    上記吸湿性成形体にシール材が一体化されていることを特徴とするシール材付吸湿性成形体。
  2. 吸湿性成形体の裏面が防湿層で覆われていることを特徴とする請求項1に記載のシール材付吸湿性成形体。
  3. メルトインデックスが0.01〜100g/10分、密度が0.85〜0.97g/cc、平均粒径が5〜2000μmのポリエチレンからなる粉粒状の樹脂と
    シリカゲル、ゼオライト、活性アルミナから選ばれた1種以上であって、上記粉粒状の樹脂の平均粒径の0.5〜30倍の平均粒径を有する粉粒状の吸湿剤の混合物を、
    粒子間に間隙を残して焼結成形し、
    該焼結成形体をそのまま若しくは該焼結成形体に二次加工を施して吸湿性成形体とし、
    この吸湿性成形体にシール材を一体化することを特徴とするシール材付吸湿性成形体の製造方法。
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