JPH07179533A - ポリエステル樹脂粒子 - Google Patents

ポリエステル樹脂粒子

Info

Publication number
JPH07179533A
JPH07179533A JP32465193A JP32465193A JPH07179533A JP H07179533 A JPH07179533 A JP H07179533A JP 32465193 A JP32465193 A JP 32465193A JP 32465193 A JP32465193 A JP 32465193A JP H07179533 A JPH07179533 A JP H07179533A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
acid
polyester
weight
polyester resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32465193A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Maeda
郷司 前田
Yasunari Hotsuta
泰業 堀田
Shigeru Yoneda
茂 米田
Masanori Kobayashi
正典 小林
Yozo Yamada
陽三 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP32465193A priority Critical patent/JPH07179533A/ja
Publication of JPH07179533A publication Critical patent/JPH07179533A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 白色顔料、軽量化素材、低誘電率化素材とし
て有用な中空架橋ポリエステル樹脂粒子の提供。 【構成】 30mol%以上の不飽和多価カルボン酸類を含
む多価カルボン酸類と、多価アルコ−ル類とから得ら
れ、かつイオン性基を含有するポリエステル樹脂を水分
散化し、ついで緩凝集させることによりシャ−プな粒子
径分布を有するポリエステル粒子を得る。得られた粒子
を中空化し、さらに、ビニルモノマ−にてポリエステル
樹脂33〜90重量%に、ビニル系モノマ−10〜67
重量%となるように膨潤・後架橋させることにより耐熱
性の高い中空架橋ポリエステル樹脂粒子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、艶消し剤、ブロッキン
グ防止材、塗料用添加剤、クロマトグラフィ−用坦体、
薬剤用坦体、粉体塗料、ギャップ調整材、電子写真用ト
ナ−、電気粘性流体、化粧品、紙、フィルム等の表面処
理剤ないし内添剤、コ−ティング材、マット化材、サイ
ジング助材、インラインコ−ティング材への添加材等と
して盛んに利用されてきている樹脂粒子に関するもので
あり、特に高耐熱性に優れ、さらに従来の方法では得難
いシャ−プな粒子径分布を有しさらに粒子内部に単独ま
たは多数の小孔を有し白色顔料、軽量化素材、低誘電率
化素材、徐放性担体、等として有用な耐熱中空ポリエス
テル樹脂粒子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この様な用途に用いられる樹脂粒
子として、エマルジョン重合法、懸濁重合法、シ−ド重
合法、分散重合法等の「重合造粒法」により得られる粒
子が用いられてきた。しかしながら、エマルジョン重合
法および懸濁重合法により得られる樹脂粒子は、粒子径
範囲が限定され、かつ粒子径分布はブロ−ドなものとな
る。シ−ド重合法および分散重合法により得られる樹脂
粒子は、シャ−プな粒子径分布を有するものの、非常に
高価なものとなる。さらに、以上述べてきた「重合造粒
法」すなわち、エマルジョン重合、懸濁重合、シ−ド重
合、分散重合により作製される樹脂粒子はその製造方法
からも自明であるようにビニル系ポリマ−の樹脂粒子に
限定される。塗料、接着剤等に広く用いられるポリエス
テル系バインダ−は汎用性の高いポリエステルフィルム
への接着性に優れるものであるが、上記のビニル系ポリ
マ−の粒子はポリエステル系のバインダ−に対し、必ず
しもマッチングがよくないためこれらに代わる樹脂粒子
が望まれていた。本発明者らは、縮合系ポリマ−である
ポリエステル樹脂からなり、さらに、任意の平均粒子径
をもち、かつシャ−プな粒子径分布を有し、工業的規模
での生産が可能な樹脂粒子として、特開平3−2124
44等を提案してきた。該発明はポリエステル樹脂に所
定量のイオン性基を含有せしめ、ポリエステル樹脂を水
系媒体にミクロ分散したのち、ミクロ分散体の水中での
分散安定性を制御することにより緩凝集せしめ任意の粒
子径、シャ−プな粒子径分布の粒子を得るものである。
かかるポリエステル粒子は、艶消し剤、ブロッキング防
止材等の塗料用添加剤等としてポリエステル系バインダ
−とのマッチングの良さ等の特徴を有するユニ−クなも
のであるが隠蔽性を要求される用途、光散乱性を要求さ
れる用途、低い比重を要求される用途などにおいて不満
足なものであった。
【0003】従来、隠蔽性、光散乱性、低比重、断熱
性、軽量性などを要求される用途においては内部に小孔
を有する樹脂粒子が用いられている。このような内孔を
有する樹脂粒子を製造する方法としては 1)樹脂粒子中に発泡剤を含有させておき後にこの発泡剤
を発泡させる方法。 2)樹脂にブタン等の揮発性物質を封入しておき、のちに
この揮発性物質をガス化膨張させる方法。 3)樹脂を溶融させ、これに空気等の気体ジェットを吹き
付け、気泡を封入する方法。 4)樹脂粒子内部にアルカリ膨潤性の物質を含有させてお
き、この樹脂粒子にアルカリ性液体を浸透させてアルカ
リ膨潤性の物質を膨張させる方法。 等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの方法は
いずれも条件等の制御が難しく所望の内孔を有する樹脂
粒子を効率よく確実に製造することが困難である。また
これらの方法によれば粒子を構成する樹脂に、ある程度
以上の軟らかさ、熱可塑性が要求されるため必然的に耐
熱性の必要な用途に用いることが可能な樹脂にて中空粒
子を得ることは困難である。また一般の樹脂粒子と同
様、主としてビニル系ポリマ−の樹脂粒子に適用される
方法であり、縮合系ポリマ−に適用することは困難であ
る。縮合系ポリマ−であるポリエステル樹脂を用いた多
孔性樹脂粒子を得る方法として特許公開昭56−501
731(公告H3−54127)および該特許提案に参
考文献として引用されている特許文献類に記載された二
重エマルジョン法が知られている。これらは、一段めの
処理として不飽和ポリエステル樹脂のビニルモノマ−溶
液中に水を乳化させ、二段めの処理として得られた乳化
物(W/O:油中水型エマルジョン)を水中に懸濁しW
/O/W型二重エマルジョンを形成し、ビニルモノマ−
を重合させ架橋ポリエステルの中空粒子を得る方法であ
る。この方法により架橋ポリエステル樹脂の中空粒子を
得ることは可能であるが、その粒子化手法は本質的には
懸濁重合であり、任意の粒子径、特に10μm前後ない
しそれ以下の粒子径領域の粒子を得ることは困難であ
り、さらに、特にシャ−プな粒子径分布を有する粒子を
得ることは不可能である。また乳化させるために高酸価
の樹脂および助剤を使用するため、臭気を伴う場合があ
り、さらに用いた助剤が粒子内部に残存するために耐湿
特性が悪化する。一段めの処理の際に分散相となる水を
大量に入れると転相を生じるため、安定なる乳化状態を
維持するためには水の添加量は制限される。かかる分散
相である水は最終的に粒子内の空孔に相当する部分であ
るが、その添加量が制限されるゆえに空孔の容積率を高
めることは困難である。以上述べてきたように従来の技
術によれば、内部に空孔を有する樹脂粒子は本質的にビ
ニル系ポリマ−に限られ、耐熱性の劣るものか、一部の
不飽和ポリエステル樹脂を用いたものでも、高い中空化
率を有し、任意の平均粒子径かつシャ−プな粒子径分布
を有する樹脂粒子は知られていなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み鋭意研究を重ねた結果、次なる発明に到達した。
すなわち本発明は、30mol%以上の不飽和多価カルボン
酸を含有する多価カルボン酸成分と多価アルコ−ル成分
の縮合により得られ、かつ、20〜500eq./to
nの範囲でイオン性基を含有するポリエステル樹脂33
〜90重量%に、ビニル系モノマ−10〜67重量%を
含ませた後に重合させることにより得られる架橋樹脂か
らなり、体積平均粒子径Dが0.5〜100μm、粒子
径0.5D〜2.0Dの範囲の粒子が全体の80重量%
以上を占め、変動係数が30%以下であり、さらに、粒
子内部に気体または液体にて満たされた単一または複数
の、独立ないし互いに連絡孔を有する空孔が存在し、空
孔率が1〜99vol%の範囲であることを特徴とする中空
架橋ポリエステル樹脂粒子である。
【0006】本発明におけるポリエステル樹脂は主とし
て多価カルボン酸と多価アルコ−ルの縮合反応によって
得られるものである。本発明ではかかる多価カルボン酸
成分の30mol%以上の不飽和脂肪族多価カルボン酸を用
いることが必須である。本発明における不飽和多価カル
ボン酸としてはフマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メ
サコン酸、シトラコン酸、等の脂肪族不飽和多価カルボ
ン酸、フェニレンジアクリル酸等の芳香族不飽和多価カ
ルボン酸等を用いることができる。不飽和多価カルボン
酸としてはフマル酸、マレイン酸の使用が好ましくさら
にフマル酸の使用が好ましい。不飽和多価カルボン酸の
使用は酸成分に対し30mol%以上が必須であり、30〜
70mol%が好ましく、40〜60mol%がさらに好まし
い。不飽和多価カルボン酸の含有率がこの範囲より少な
い場合には耐熱性が低下し、この範囲より多い場合、特
に脂肪族不飽和多価カルボン酸の含有率が多い場合には
樹脂のガラス転移温度が低下し、製造工程中におけるハ
ンドリングが困難となる場合がある。
【0007】本発明において他の多価カルボン酸成分と
しては芳香族多価カルボン酸の使用が好ましい。本発明
における芳香族多価カルボン酸としては、例えば、テレ
フタル酸、イソフタル酸、スルホイソフタル酸およびま
たはそのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩、オルソ
フタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、4-4'ジフェ
ニルジカルボン酸などを用いることができる。本発明で
は酸成分に対し芳香族ジカルボン酸を20〜70mol%の
範囲で用いることが好ましく、さらに30〜70mol%、
またさらに30〜60mol%、なおさらには35〜50mo
l%の範囲で用いることが好ましい。芳香族多価カルボン
酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸を主として用い
ることが好ましく、補助的にトリメリット酸を用いるこ
とが好ましい。トリメリット酸等の3価以上の多価カル
ボン酸の使用は重合速度を速める上で効果的である。本
発明においては三価以上の多価カルボン酸として、トリ
メリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などを用い
ることができる。三価以上の多価カルボン酸は0〜8mo
l%の範囲で用いることができる。また1〜6mol%、さら
には3〜5mol%程度の使用がより好ましい。多価カルボ
ン酸としては他にp−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキ
シエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、
コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の脂環族ジカ
ルボン酸等を用いることができる。本発明においては、
多価カルボン酸類に一部、モノカルボン酸類を併用して
も良い。モノカルボン酸類としては芳香族モノカルボン
酸類が好ましい。芳香族モノカルボン酸としては例え
ば、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラ
ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチ
ル安息香酸、3メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリ
チル酸、フェニル酢酸、およびこれらの低級アルキルエ
ステル、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安
息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボ
ニル安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香酸、
タ−シャルブチル安息香酸、タ−シャルブチルナフタレ
ンカルボン酸等を用いることができ、また特にタ−シャ
ルブチル安息香酸を使用することがより好ましい。該芳
香族モノカルボン酸の使用量は酸成分に対して2〜25
mol%、さらに5〜20mol%、またさらに8〜16mol%の
使用がより好ましい。
【0008】本発明における多価アルコ−ル成分として
は脂肪族多価アルコ−ル、脂環族多価アルコ−ル、芳香
族多価アルコ−ル等を用いることができる。本発明にお
ける脂肪族多価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、2,2,4−トリメチ
ル−1,3−ペンタンジオ−ル等のアルキレングリコ−
ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、
ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、
ポリテトラメチレングリコ−ル等のポリオキシアルキレ
ングリコ−ルを用いることができる。また三価以上のア
ルコ−ル類としてトリメチロ−ルエタン、トリメチロ−
ルプロパン、グリセリン、ペンタエルスリト−ル等のト
リオ−ルおよびテトラオ−ルを用いることができる。ま
た脂肪族多価アルコ−ルとしてはエチレングリコ−ル、
プロピレングリコ−ル、2,3−ブタンジオ−ルの使用
が特に好ましい。本発明においては、脂環族多価アルコ
−ルとして、1,4−シクロヘキサンジオ−ル、1,4
−シクロヘキサンジメタノ−ル、トリシクロデカンジメ
タノ−ル、トリシクロデカンジオ−ル、水添ビフェノ−
ル、水添ビスフェノ−ルA等を用いることができる。該
脂環族多価アルコ−ルはアルコ−ル成分に対し0〜80
mol%の範囲で用いることができる。脂環族ジオ−ル類と
してはトリシクロデカンジメタノ−ル、シクロヘキサン
ジオ−ル、水添ビフェノ−ルの使用が特に好ましい。他
の多価アルコ−ル類としてはスピログリコ−ル、パラキ
シレングリコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキ
シレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、
1,4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付
加物、等のジオ−ル、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−
ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキ
サイド付加物、水添ビスフェノ−ルAのエチレンオキサ
イド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、ポリエ
ステルポリオ−ルとして、ε−カプロラクトン等のラク
トン類を開環重合して得られる、ラクトン系ポリエステ
ルポリオ−ル類等を用いることができる。
【0009】本発明におけるポリエステル樹脂のガラス
転移点は40℃以上が好ましく、45℃以上、好ましく
は50℃以上、さらに好ましくは60℃以上、またさら
に好ましくは70℃以上である。ガラス転移点がこれよ
り低い場合には、取扱い中あるいは保存中にブロッキン
グする傾向がみられ、得られる粉体をハンドリングする
ことが困難となる場合がある。本発明のポリエステル樹
脂の数平均分子量は1000〜20000の範囲が好ま
しい。また2000以上5000以下の範囲が好まし
く、3000以上4000以下の範囲がさらに好まし
い。
【0010】本発明においてはイオン性基を20〜50
0eq./tonの範囲でポリエステル樹脂に含有する
ことが必須である。イオン性基としては、スルホン酸
基、カルボキシル基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸
基、ホスフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、
金属塩等のアニオン性基、または第1級ないし第3級ア
ミン基等のカチオン性基であり、好ましくは、スルホン
酸アルカリ金属塩の基、カルボン酸アンモニウム塩基を
用いることができる。これらイオン性基はポリエステル
に共重合された形態、あるいは高分子末端に導入された
形態にて含有されることが好ましい。ポリエステルに共
重合可能なスルホン酸金属塩基含有多価カルボン酸とし
ては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、
4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジ
カルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル
酸、およびまたはそれらの塩を例示することができる。
またスルホ安息香酸の金属塩を併用することによって高
分子末端にスルホン酸金属塩基を導入することができ
る。塩としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、
K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特に好
ましいものはK塩またはNa塩である。カルボキシル基
はポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価カ
ルボン酸を系内に導入することにより高分子末端に付加
することができる。さらにこれをアンモニア、水酸化ナ
トリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の基に
交換することができる。これらイオン性基の含有量は、
該ポリエステル樹脂に対し、20〜500eq./to
nの範囲が必須であり、なお好ましくは50〜200e
q./tonである。
【0011】本発明の中空架橋ポリエステル樹脂粒子は
イオン性基を含有するポリエステル樹脂33〜90重量
%に、ビニル系モノマ−10〜67重量%を含ませた後
に重合させることにより得られる架橋樹脂からなる。ポ
リエステル樹脂とビニル系モノマ−との比率はポリエス
テル樹脂50〜90重量%とビニル系モノマ−10〜5
0重量%が好ましく、ポリエステル樹脂50〜80重量
%とビニル系モノマ−20〜50重量%がさらに好まし
く、ポリエステル樹脂60〜80重量%とビニル系モノ
マ−20〜40重量%がまたさらに好ましく、ポリエス
テル樹脂60〜70重量%とビニル系モノマ−30〜4
0重量%がなおさらに好ましい。また別の観点より、ポ
リエステル樹脂に含まれる不飽和結合のmol量を1と
した場合に、ビニルモノマ−に含まれるビニル基のmo
l量が0.8〜5.0、好ましくは1.0〜3.0、さ
らに好ましくは1.2〜2.0倍となるように配合する
ことが好ましい。本発明において用いられるビニル系モ
ノマ−としては例えばアルキル基の炭素数が1〜10で
ある(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸
メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、グリシジル(メタ)アクリレ−ト、等
の(メタ)アクリル酸エステル類、メチルビニルケト
ン、フェニルビニルケトン、メチルイソプロペニルケト
ン等の不飽和ケトン類、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニルブタン酸ビニル等のビニルエステル類、
メチルビニルエ−テル、エチルビニルエ−テル、プロピ
ルビニルエ−テル、等のビニルエ−テル類、ハロゲン化
ビニルおよびハロゲン化ビニリデン類、アクリルアミド
およびそのアルキル置換体、スチレン、スチレンのアル
キル置換体、スチレンのハロゲン置換体、アリルアルコ
−ルおよびそのエステルまたはエ−テル類、アクロレイ
ン、メタアクロレイン等のビニルアルデヒド類、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン
等のビニルモノマ−、ならびにアクリル酸、メタクリル
酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カル
ボン酸およびこれらの塩類、ビニルスルホン酸、アクリ
ルスルホン酸、パラスチレンスルホン酸等の不飽和炭化
水素スルホン酸およびそれらの塩類、二重結合を有する
リン酸エステル類、およびその塩類、ピリジン、ビニル
ピロリドン、ビニルイミダゾ−ル、ビニルカルバゾ−
ル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジエ
チルアミノエチル(メタアクリレ−ト等を用いることが
できる。またこれらに加えてシロキサン類、ラクトン
類、ラクタム類、エポキシ化合物等の開環重合系モノマ
−を併用してもよい。
【0012】反応開始剤としては特に制限される物では
なく公知の開始剤を使用すればよい。例えばベンゾイル
パ−オキサイド、パラクロロベンゾイルパ−オキサイ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルパ−オキサイド、カプ
リリルパ−オキサイド、ラウルイルパ−オキサイド、ア
セチルパ−オキサイド、メチルエチルケトンパ−オキサ
イド、シクロヘキサノンパ−オキサイド、ビス(1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルパ−オキサイド)、ヒドロキシ
ヘプチルパ−オキサイド、t−ブチルハイドロパ−オキ
サイド、p−メンタンパ−オキサイド、クメンハイド
ロ、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジヒドロパ−
オキサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、ジクミル
パ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パ−
オキシベンゾエ−ト)、t−ブチルパ−ベンゾエ−ト、
t−ブチルパ−アセテ−ト、t−ブチルパ−オクテ−
ト、t−ブチルパ−オキシイソブチレ−ト、ジ−t−ブ
チルジ−パ−フタレ−ト、過酸化琥珀酸等の有機過酸化
物系開始剤、アゾイソブチルニトリル、ジスオキシベン
ゾイル、フェニルアセトアルデヒド、フェニルピロ葡萄
糖、ピナコン酸誘導体等の開始剤を用いることができ
る。反応促進剤としてはコバルト系、バナジウム系、マ
ンガン系、第3級アミン系、第4級アンモニウム塩系、
メルカプタン系等の反応促進剤を用いることができる。
【0013】以下に本発明の中空架橋ポリエステル樹脂
粒子を得るための具体的方法について述べる。本発明の
中空架橋ポリエステル樹脂粒子を得る方法としては、
中空ポリエステル粒子形成し、次いで粒子をビニルモノ
マ−にて膨潤させ、後架橋する方法。中空ポリエステ
ル粒子の形成と同時に架橋する方法。の2種に大別でき
る。
【0014】中空ポリエステル樹脂粒子を得る方法と
しては、 1)ポリエステル粒子の形成と同時に中空化する方法。 a)例えば、イオン性基含有ポリエステル樹脂を水溶性有
機化合物に溶解し、ついで水を添加することによりW/
O/W型エマルジョンを形成させて中空粒子を得る方
法。 2)中実ポリエステル粒子を後処理により中空化する方
法。 a)イオン性基含有ポリエステル樹脂の中実粒子を水系媒
体中にてガラス転移温度以上に加熱処理する方法、 b)イオン性基含有ポリエステル樹脂粒子の水系分散体に
水溶性有機化合物を添加した後に共沸により該水溶性有
機化合物を除去する際に中空化する方法、 c)イオン性基含有ポリエステル樹脂粒子の水系分散体に
溶剤を添加し、粒子を膨潤せしめた後にスプレイドライ
等の方法にて乾燥させる際に中空化する方法、 等を例示することができる。後者2)−a)〜b)の各方法に
おいて用いられる中実ポリエステル粒子としては、イオ
ン性基含有ポリエステル樹脂を粉砕分級して得られる樹
脂粒子を用いても良いが、好ましくは後述する水系造粒
法にて得られるポリエステル樹脂粒子を用いることが好
ましい。かくして得られた中空粒子をビニルモノマ−に
て膨潤させ後架橋させることにより架橋ポリエステルか
らなる中空粒子を得ることができる。
【0015】中空ポリエステル粒子の形成と同時に架
橋する方法としては、 1)イオン性基含有ポリエステル樹脂の中実粒子を水系媒
体中にてビニルモノマ−にて膨潤させ、同時にガラス転
移温度以上に加熱処理することにより中空化と架橋を同
時に行わせる方法を例示できる。この際に用いられる中
実ポリエステル粒子としては、前述と同様、イオン性基
含有ポリエステル樹脂を粉砕分級して得られる樹脂粒子
を用いても良いが、できるなら水系造粒法にて得られる
ポリエステル樹脂粒子を用いることが好ましい。水系造
粒法による粒子は、イオン性基含有ポリエステル樹脂を
水分散化することによりポリエステルエマルジョン(あ
るいはポリエステルディスパ−ジョン)を作製し、水分
散しているポリエステルのミクロ粒子を可塑化状態下に
緩凝集させることにより得ることができる。
【0016】以下、水系造粒法によるポリエステル粒子
の形成法について説明する。本発明におけるイオン性基
含有ポリエステル樹脂は水分散性を有する。水分散性と
は一般にエマルジョンあるいはコロイダルディスパ−ジ
ョンと称される状態を意味するものである。イオン性基
は水系媒体中において解離し、ポリエステル樹脂と水と
の界面に電気二重層を形成する。ポリエステル樹脂が微
細なミクロ粒子として水系内に存在する場合には電気二
重層の働きによりミクロ粒子間には静電的な反発力が生
じ、ミクロ粒子が水系内にて安定的に分散する。本発明
のイオン性基含有ポリエステル樹脂の水系微分散体は公
知の任意の方法によって製造することができる。すなわ
ち、イオン性基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化合
物とを50〜200℃であらかじめ混合し、これに水を
加えるか、あるいはイオン性基含有ポリエステル系樹脂
と水溶性有機化合物との混合物を水に加え、40〜12
0℃で撹拌することにより製造される。あるいは水と水
溶性有機化合物との混合溶液中にイオン性基含有ポリエ
ステル系樹脂を添加し、40〜100℃で撹拌して分散
させる方法によっても製造される。水溶性有機化合物と
してはエタノ−ル、ブタノ−ル、イソプロパノ−ル、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、等を
使用することができる。水溶性有機化合物はイオン性基
含有ポリエステル樹脂を水分散化した後に共沸等により
除去することができるものが好ましい。界面活性剤を併
用は好ましくないが、特に使用を制限するものではな
い。このようにして得られる水系微分散体の平均粒子径
は概ね0.01〜1.0μm程度である。かかるイオン
性基含有ポリエステル樹脂の水系微分散体に、該イオン
性基含有ポリエステル樹脂が可塑化する条件下におい
て、電解質等の添加等の手段により、該微分散粒子を緩
凝集領域に導き粒子成長させることによりポリエステル
粒子を得ることができる。
【0017】さて、水系ミクロ分散体とは、ポリエステ
ルに含有されるイオン性基の解離に起因する電気二重層
の働きにより、イオン性基含有ポリエステルの微粒子が
水系媒体中に微分散している状態を意味し、一般にはエ
マルジョンないしはコロイダルディスパ−ジョンと呼ば
れるものである。かかるミクロ分散粒子の安定性はD.
L.V.O.理論にて記述されるように粒子の表面電位
(実用的にはゼ−タ電位)分散系内の電解質濃度から求
められるポテンシャル曲線の最大値VT に依存する。V
T は次式にて求められる。 VT (h)=VR +VA =(εaψ2 /2)ln{1+exp(−κh)}−
(A・a/12・h) ここに ε :誘電率 h :粒子間距離 a :粒子径 A :ハマ−カ−定数 ψ :表面電位 1/κ:電気二重層の厚み κ=((8πnZ2 2 )/(εkT))1/2 n:電解質濃度 k:ボルツマン定数 Z:イオン価数 T:絶対温度 e:素電荷
【0018】VT が熱運動に起因するエネルギ−kT
(ボルツマン定数と絶対温度の積)に比較して十分に大
きい場合は安定分散領域と呼ばれミクロ分散粒子は長時
間にわたり安定的に分散状態を保つ。VT がkTと同レ
ベル、またはそれ以下となる場合は急速凝集領域と呼ば
れ、ミクロ分散粒子は急激に凝集し沈降する。VT が安
定分散領域と急速凝集領域の中間状態にある場合を「緩
凝集領域」と呼ぶ。緩凝集領域では粒子の凝集は非常に
緩やかに進行する。十分に長い時間が経過した場合、最
終的には急速凝集領域と同様にミクロ分散粒子は凝集
し、沈降する。しかしながら、緩凝集領域において、ミ
クロ分散粒子が可塑化していた場合、凝集した複数の粒
子は凝結し表面張力により球形化することにより、より
粒子径の大きな(曲率の大きな)新しい粒子へと成長す
る。D.L.V.O.理論にて記述されるVT は粒子径
に正に比例するため、VT が正の領域での粒子成長(粒
子径の増大)は粒子の安定性を高めることになる。結果
として、粒子が可塑化した状態で系を緩凝集領域に導い
た場合は、粒子は緩やかに成長し、やがて安定領域に達
して再安定化する。急速凝集領域では凝結・球形化に要
する時間よりも凝集速度が速いために複数の粒子の凝集
体の最も曲率の小さな部分から得られるVT を基準に凝
集が進行するためデンドライト状に凝集体が無秩序に成
長し安定な粒子を得ることはできない。したがって粒子
の可塑化は必須要件である。可塑化の手段としてはポリ
エステルのガラス転移温度、あるいは軟化温度以上に加
温すること、あるいは溶剤、膨潤剤等を使用することが
できる。
【0019】緩凝集領域をVT の値によって定義するこ
とは困難であるが、実用的な範囲(数分〜数時間〜数日
にてポリエステル粒子の製造が可能なる範囲)としては
3kT<VT <30kTなる範囲である。ミクロ分散粒
子のゼ−タ電位は、電解質を添加する前の段階において
20mV〜70mV、さらには20mV〜60mV、ま
たさらには25mV〜50mVの範囲に制御することが
好ましい。ポリエステル粒子は、イオン性基含有ポリエ
ステルの水系ミクロ分散体に、該イオン性基含有ポリエ
ステルが可塑化する条件下において、電解質を添加する
ことにより、該ミクロ分散粒子を緩凝集領域に導くこと
により粒子成長させることにより得られる。なおその際
にゼ−タ電位を低下せしめる操作を併用してもよい。
【0020】本発明において用いられる電解質として
は、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウ
ム、硫酸マグネシウム、りん酸ナトリウム、りん酸二水
素ナトリウム、りん酸水素二ナトリウム、塩化アンモニ
ウム、塩化カルシウム、塩化コバルト、塩化ストロンチ
ウム、塩化セシウム、塩化バリウム、塩化ニッケル、塩
化マグネシウム、塩化ルビジウム、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、酢酸
カリウム、安息香酸ナトリウム等に代表される一般的な
無機あるいは有機の水溶性塩を用いることができる。こ
れら電解質の濃度は1価の電解質を用いる場合0.01
〜2.0mol /l、さらには0.05〜1.0mol/l、
またさらには0.1〜0.5mol/lの範囲が好ましい。
さらに多価の電解質を用いる場合その添加量はより少な
い量でよい。
【0021】本発明においては、前記電解質を系内にあ
らかじめ仕込むか、ないしは後添加することにより目的
を十分に達成することが可能であるが、好ましくは「電
解質前駆体を添加した後に電解質化する」ことによりさ
らに良質のポリエステル粒子を得ることができる。電解
質前駆体としては例えば低温で難溶性、高温にて易溶性
の塩、pH、温度、圧力、光照射、等で分解し電解質化
する化合物、等を例示できる。本発明ではアミノアルコ
−ル類とカルボン酸類とのエステル化合物類を好ましい
電解質前駆体として使用できる。かかるエステル化合物
はアミノ基を有するため水溶性を示し、その水溶液はア
ルカリ性を示す。かかるアルカリ水溶液を昇温した場合
エステル結合は加水分解しアミノアルコ−ル類とカルボ
ン酸との塩となる。アミノ基は実際には第一級アンモニ
ウム基ないし第4級アンモニウム基として機能する。本
発明において好ましいアミノアルコ−ル類としてはアミ
ノエタノ−ル、1,3−アミノプロパノ−ル、1,4−
アミノブタノ−ル、ジメチルアミノエタノ−ル、1,3
−ジメチルアミノプロパノ−ル、ジエチルアミノエタノ
−ル、ジエチルアミノプロパノ−ル等を用いることがで
きる。カルボン酸類としては例えば、安息香酸およびそ
の誘導体、ナフタレンカルボン酸、およびその誘導体、
サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン
酸、ラウリル酸、ステアリル酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸等を用いることができる。さらに本発明においては
これらアミノアルコ−ル類とカルボン酸類との任意の組
合せのエステルを電解質前駆体として好ましく用いるこ
とができる。
【0022】このようにして得られたポリエステル種粒
子は、実質球形であり、かつ、シャ−プな粒子径分布を
有し、高濃度に高温分散染色が可能である。かくして得
られるポリエステル粒子は体積平均粒子径Dを0.5〜
100μmの範囲にて自由に制御可能であり(電解質濃
度と温度、時間による)、粒子径分布は粒子径0.5D
〜2.0Dの範囲の粒子が全体の80重量%以上を占
め、変動係数が30%以下のシャ−プなものとなり、平
均真球度(短径/長径)0.8以上という実質的に球形
のポリエステル粒子となる。本発明ではこれらのうち平
均粒子径が0.5〜25μm、好ましくは1〜10μ
m、さらに好ましくは1.5〜5μmの範囲の粒子をポ
リエステル種粒子として用いる。懸濁重合等により得ら
れるビニル系ポリマ−の粒子に対する本発明の粒子の特
異性はポリエステル樹脂の物性の多様性のみならず、こ
のようなポリエステル粒子の形状、粒子径分布にも発揮
される。一般の懸濁重合粒子は特に粒子径分布がブロ−
ドであり変動係数30%程度以上のものしか得られな
い。本発明では粒子化条件の調整により粒子径0.5D
〜2.0Dの範囲の粒子が全体の80重量%以上、好ま
しくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以
上、またさらに好ましくは95重量%以上のものを得る
ことができる。また変動係数は30%以下、好ましくは
20%以下、さらに好ましくは15%以下、またさらに
好ましくは10%以下、なおさらに好ましくは7%以下
とすることができる。また平均真球度(短径/長径)
0.8以上好ましくは0.85以上、さらに好ましくは
0.9以上、なおさらに好ましくは0.95以上とする
ことができる。なおここに変動係数とは標準偏差を平均
値にて除した値を云う。かかるシャ−プな粒子径分布は
シ−ド重合を行っても維持される。
【0023】本発明では好ましくは、かくして得られる
ポリエステル粒子を種粒子として用い、中空化、架橋を
行うわけであるが、この水系造粒法により得られるポリ
エステル粒子は水系媒体中における分散安定性が極めて
高く、ビニルモノマ−による膨潤操作、あるいは、ガラ
ス転移温度以上での加熱処理等を行っても凝集すること
はなく、かくして得られる架橋中空樹脂粒子はポリエス
テル種粒子の粒子径分布を維持し、粒子径0.5D〜
2.0Dの範囲の粒子が全体の80重量%以上、好まし
くは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以
上、またさらに好ましくは95重量%以上となり、また
変動係数は30%以下、好ましくは20%以下、さらに
好ましくは15%以下、またさらに好ましくは10%以
下、なおされに好ましくは7%以下とすることができ
る。本発明においては「ガラス転移温度以上に加熱処理
する方法」を用いることが最も好ましく、この方法によ
れば、加熱処理の温度、系内の電界質濃度により中空度
を任意に制御できる。処理温度としてはポリエステル樹
脂のガラス転移温度から200℃までの間の温度が好ま
しく、140℃以下の温度がさらに好ましく100℃以
下がなお好ましく90℃以下がさらに好ましい。電解質
濃度は0.2mol/l以下の範囲が好ましく、0.1mol/
l以下がなお好ましく、0.05mol/l以下がさらに好
ましい。さて本発明ではこのようにして得られたポリエ
ステル粒子を種粒子とし、該ポリエステル粒子を水系媒
体中に分散した状態にてビニル系モノマ−にてポリエス
テル樹脂33〜90重量%、ビニル系モノマ−10〜6
7重量%、あるいはさらに好ましい組成範囲となるよう
に膨潤せしめ、さらに重合架橋させることにより目的と
する架橋樹脂粒子を得る。
【0024】本発明のポリエステル粒子には、粒子成長
過程において異種の水分散体を取り込むことができる。
異種の水分散体とは例えばフタロシアニン系顔料、キナ
クリドン系顔料、アゾ系顔料、レ−キ顔料、ベンジジン
系顔料、アントラキノン系顔料、カ−ボンブラック、等
の有機、無機の公知の染顔料類、タルク、酸化チタン、
アルミナ、シリカ等の金属酸化物類、フェライト、酸化
クロム、酸化コバルト、等の磁性粉、他のアクリル系、
スチレン系等の有機系ポリマ−粒子、水分散性ワックス
類等である。また本発明のポリエステル粒子は粒子成長
が終了した時点において安定分散性を確保しているため
後加工により染色、表面処理等が容易であり、公知の分
散染料、ヴァット染料、塩基性染料、酸性染料、反応性
染料、反応性分散染料等により高濃度に染色可能であ
る。
【0025】[作用]以上述べてきた本発明の樹脂粒子
は、ポリエステルに含まれる不飽和二重結合がビニルモ
ノマ−の重合に伴い架橋するため特に耐熱、耐溶剤性に
優れた架橋樹脂粒子となる。本発明のシ−ド粒子となる
ポリエステル樹脂粒子は水系媒体中において非常に安定
に分散するためポバ−ル、ヒドロキシエチルセルロ−
ス、あるいはシリカ等の無機粒子等々のいわゆる懸濁安
定剤を必要としない。かかる懸濁安定剤は粒子を得た後
には除去したいものであるが一般には除去しがたく、得
られる粒子の用途を著しく限定させるものである。架橋
樹脂粒子は、分子内に2個以上のビニル結合を有するモ
ノマ−を含むビニル系樹脂を懸濁重合することによって
も容易に得ることが可能であるが、その粒子径範囲はブ
ロ−ドであり、微小でありかつ均一な粒径の架橋粒子は
得られ難い。しかしながら、本発明の架橋樹脂粒子は耐
熱、耐溶剤性に優れるのみならず、粒子径が広い範囲に
おいて自由にコントロ−ル可能であり、さらにシャ−プ
な粒子径分布を示し、かつ実質球形である等の優れた特
性を示すものとなる。
【0026】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらになんら限定される物で
はない。 [ポリエステル樹脂の重合]温度計、撹拌機を備えたオ
−トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチルエステル 39 重量部、 イソフタル酸ジメチルエステル 39 重量部、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 18 重量部 無水トリメリット酸 8 エチレングリコ−ル 32 重量部、 ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサイド不可物 (平均分子量400) 320 重量部、 および テトラブトキシチタネ−ト 0.1 重量部 酢酸ナトリウム 0.2 重量部 を仕込み120〜220℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、反応系の温度を180℃
に下げ、 フマル酸 58 重量部 ハイドロキノン 0.1 重量部 を加え、200℃にて60分間反応を続け、その後、反
応系の温度を220〜240℃に上げ、系の圧力1〜1
0mmHgとして60分間反応を続けた結果、共重合ポ
リエステル樹脂(A1)を得た。得られた共重合ポリエ
ステル樹脂(A1)の組成、ガラス転移温度、酸価、分
子量、スルホン酸ナトリウム基当量を後記の表1.に示
す。ポリエステルの組成はNMR分析、ガラス転移温度
はDSC、酸価は滴定、分子量はGPC、スルホン酸ナ
トリウム基当量はSの定量により求めた。 以下、原料
を変えて同様に重合を行い、表1.に示すポリエステル
樹脂(A2)、(A5)、(A6)を得た。
【0027】温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中
に、 ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル 66 重量部、 エチレングリコ−ル 55 重量部、 ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサイド付加物 162 重量部 テトラブトキシチタネ−ト 0.1 重量部 を仕込み150〜220℃で180分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで反応系の温度を180℃に
下げ、 無水マレイン酸 69 重量部 ハイドロキノン 0.1 重量部 を加え、200℃にて60分間反応を続け、その後、反
応系の温度を220〜240℃に昇温した後、系の圧力
を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、60分間
反応を続けた。その後オ−トクレ−ブ中を窒素ガスで置
換し、大気圧とした。温度を200℃に保ち無水トリメ
リット酸を6重量部を加え、60分間反応を行い、表
1.に示す共重合ポリエステル樹脂(A3)を得た。
【0028】温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中
に、ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサイド付加物7
00重量部、無水マレイン酸196重量部、ハイドロキ
ノン1重量部を仕込み、反応系内に窒素ガスを導入し不
活性雰囲気に保ち、0.05重量部のジブチル錫オキサ
イドを加え200度にて反応させ表1.に示すポリエス
テル樹脂(A4)を得た。
【表1】 なお、表1.中 TBBA は タ−シャルブチル安息香酸 NDC は 1,5−ナフタレンジカルボン酸 TPA は テレフタル酸 IPA は イソフタル酸 SIP は 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 FA は フマル酸 MA は マレイン酸 TMA は トリメリット酸 EG は エチレングリコール NPG は ネオペンチルグリコ−ル CHD は シクロヘキサンジオ−ル BPP は ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付
加物(平均分子量400) Tg は ガラス転移温度 を示す。
【0029】[ポリエステル種粒子の製造1]ポリエス
テル樹脂(A1)340重量部、メチルエチルケトン1
50重量部、テトラヒドロフラン140重量部を80℃
にて溶解した後80℃の水680部を添加し、粒子径約
0.1μmの共重合ポリエステル樹脂の水系ミクロ分散
体を得た。さらに得られた水系ミクロ分散体を蒸留用フ
ラスコに入れ、留分温度が100℃に達するまで蒸留
し、冷却後に水を加え固形分濃度を30%とした。温度
計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の1リット
ルセパラブルフラスコに、共重合ポリエステル水系分散
体300重量部を仕込み80℃に昇温した。次いで、ジ
メチルアミノエチルメタクリレ−ト(:DAM)20重
量%水溶液40重量部を60分間に渡って添加し(0.
2mol/l)、さらに300分間80℃に保った状態
で撹拌を続けた。系内の伝導度は約1mSから25mS
に上昇、pHは10.8から6.7にまで下降した。こ
れより、添加したジメチルアミノエチルメタクリレ−ト
はほぼ後完全に加水分解し、ジメチルアミノエタノ−ル
とメタクリル酸の塩になっていることが確認された。ポ
リエステル水系ミクロ分散体に存在したサブミクロンオ
−ダ−の粒子径の共重合体は時間とともに合体粒子成長
し、後記の表2.に示すポリエステル球状粒子(B1)
を得た。なお表2.中、平均粒子径、粒子径分布、変動
係数はコ−ルタ−カウンタ−TA2を用いて測定した。
また真球度は粒子の走査電子顕微鏡写真を画像処理装置
イメ−ジアナライザ−V1[東洋紡績株式会社製]にて
処理することにより測定した。以下同様に原料および条
件を変えて実験を行い、表2.に示すポリエステル粒子
(B2)、(B5)、(B6)を得た。 [ポリエステル種粒子の製造2]共重合ポリエステル
(A3)34部に、ブタノ−ル10部を加え90℃で溶
解した後、80℃まで冷却した。さらに共重合ポリエス
テルの酸価に等量となるように1Nのアンモニア水溶液
を加え、80℃を保持し30分間撹拌した後80℃の水
56部を添加し共重合ポリエステルの水系分散体を得
た。さらに得られた水分散体1000部を蒸留用フラス
コに入れ、留分温度100℃に達するまで蒸留した後冷
却し、最終的に脱溶剤された固形分濃度33%の共重合
ポリエステルの水分散体を得た。温度計、コンデンサ
−、撹拌羽根を備えた四つ口の1リットルセパラブルフ
ラスコに、共重合ポリエステル水系分散体300重量
部、および、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト5.
0重量部を入れ、70℃に昇温した。さらに180分間
70℃に保った状態で反応を続けた。その結果、共重合
ポリエステル水系分散体に存在したサブミクロンオ−ダ
−の粒子径の共重合体は粒子成長し、表2.に示すポリ
エステル粒子(B3)を得た。以下同様にしてポリエス
テル樹脂(A4)からポリエステル粒子(B4)を得
た。 [ポリエステル種粒子の製造3] (種粒子の粒子径制御)ポリエステル樹脂(A1)34
0重量部、メチルエチルケトン150重量部、テトラヒ
ドロフラン140重量部を80℃にて溶解した後80℃
の水680部を添加し、粒子径約0.1μmの共重合ポ
リエステル樹脂の水系ミクロ分散体を得た。さらに得ら
れた水系ミクロ分散体を蒸留用フラスコに入れ、留分温
度が100℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固
形分濃度を30%とした。温度計、コンデンサ−、撹拌
羽根を備えた四つ口の1リットルセパラブルフラスコ
に、共重合ポリエステル水系分散体300重量部を仕込
み80℃に昇温した。次いで、ジメチルアミノエチルメ
タクリレ−ト20重量%水溶液30重量部を60分間に
渡って添加し(0.15mol/l)、さらに300分
間80℃に保った状態で撹拌を続けた。系内の伝導度は
約1mSから13mSに上昇、pHは10.8から6.
9にまで下降した。これより、添加したジメチルアミノ
エチルメタクリレ−トはほぼ後完全に加水分解し、ジメ
チルアミノエタノ−ルとメタクリル酸の塩になっている
ことが確認された。ポリエステル水系ミクロ分散体に存
在したサブミクロンオ−ダ−の粒子径の共重合体は時間
とともに合体粒子成長し、表2.に示すポリエステル球
状粒子(B7)を得た。以下同様にDAM濃度および条
件を変えて実験を行い、表2.に示すポリエステル粒子
(B8)、(B9)を得た。
【表2】
【0030】[架橋粒子の作成] 実施例1〜4、比較例1、2 ポリエステル粒子(B1)の水分散体を脱イオン水にて
希釈し固形分濃度を5%に調整したポリエステル粒子水
分散体とした。ポリエステル水分散体1000重量部を
セパラブルフラスコに仕込み静かに撹拌しながら、過酸
化ベンゾイル1重量%を溶解した蒸留スチレン50重量
部を滴下し180分間撹拌を続けたのち、系の温度を9
0℃に上げ300分間反応を続けた。系を室温まで冷却
後、得られた粒子を吸引ロウトにて脱水洗浄し真空乾燥
して中空架橋ポリエステル乾燥粒子(C11)を得た。以
下同様にポリエステルとスチレンとの比を変え後記の表
3.に示す中空架橋ポリエステル粒子(C12)〜(C1
6)を得た。
【表3】
【0031】実施例5〜8 ビニル系モノマ−としてスチレンに加え、ジビニルベン
ゼン(DVB)を配合し、スチレン/ジビニルベンゼン
の配合比を変えて、他の条件は実施例1と同様にして後
記の表4.に示す中空架橋ポリエステル粒子(C17)〜
(C1A)を得た。
【0032】実施例9〜11、比較例3、4 ポリエステル粒子(B2)の水分散体を脱イオン水にて
希釈し固形分濃度を5%に調整したポリエステル粒子水
分散体とした。ポリエステル水分散体1400重量部を
セパラブルフラスコに仕込み静かに撹拌しながら、過酸
化ベンゾイル1重量%を溶解した蒸留スチレン25重量
部、ジビニルベンゼン5重量部を滴下し180分間撹拌
を続けたのち、系の温度を90℃に上げ300分間反応
を続けた。系を室温まで冷却後、得られた粒子を吸引ロ
ウトにて脱水洗浄し真空乾燥して架橋ポリエステル乾燥
粒子(C21)を得た。以下同様にポリエステル粒子を変
え表4.に示す架橋ポリエステル粒子(C31)〜(C6
1)を得た。
【表4】
【0033】実施例12〜14 ポリエステル粒子(B7)の水分散体を脱イオン水にて
希釈し固形分濃度を5%に調整したポリエステル粒子水
分散体とした。ポリエステル水分散体1400重量部を
セパラブルフラスコに仕込み静かに撹拌しながら、アゾ
ビスバレロニトリル1重量%を溶解したスチレン30重
量部を滴下し120分間撹拌を続けたのち、系の温度を
90℃に上げ300分間反応を続けた。系を室温まで冷
却後、得られた粒子を吸引ロウトにて脱水洗浄し真空乾
燥して中空架橋ポリエステル乾燥粒子(C71)を得た。
以下同様にポリエステル種粒子を変え表5.に示す中空
架橋ポリエステル粒子(C81)〜(C91)を得た。
【表5】
【0034】実施例15〜17 (温度による中空度制御)ポリエステル粒子(B8)の
水分散体を脱イオン水にて希釈し固形分濃度を5%に調
整したポリエステル粒子水分散体とした。ポリエステル
水分散体1400重量部をセパラブルフラスコに仕込み
静かに撹拌しながら、アゾビスバレロニトリル1重量%
を溶解したスチレン30重量部を滴下し120分間撹拌
を続けた。次いで内容物を染色試験器ミニカラ−[テク
サム技研製]のステンレスポットに移し、密封した後、
1℃/分の昇温速度にて系の温度を130℃に上げ30
0分間反応を続けた。系を室温まで冷却後、得られた粒
子を吸引ロウトにて脱水洗浄し真空乾燥して中空架橋ポ
リエステル乾燥粒子(C82)を得た。(後記の表6.に
示す。)以下同様に温度を100℃、75℃と変え、他
の条件は同様にして中空架橋ポリエステル粒子(C83)
〜(C84)を得た。
【0035】実施例18〜20 (電解質濃度による中空度制御)ポリエステル粒子(B
8)の水分散体を脱イオン水にて希釈し固形分濃度を5
%に調整したポリエステル粒子水分散体とした。ポリエ
ステル水分散体1400重量部をセパラブルフラスコに
仕込み静かに撹拌しながら、アゾビスバレロニトリル1
重量%を溶解したスチレン30重量部を滴下し120分
間撹拌を続けた。次いで内容物を染色試験器ミニカラ−
[テクサム技研製]のステンレスポットに移し、1Nの
塩化ナトリウム水溶液14重量部を加えた後に密封し、
1℃/分の昇温速度にて系の温度を130℃に上げ30
0分間反応を続けた。系を室温まで冷却後、得られた粒
子を吸引ロウトにて脱水洗浄し真空乾燥して中空架橋ポ
リエステル乾燥粒子(C85)を得た。以下同様に1N塩
化ナトリウム水溶液の添加量を28重量部、70重量部
と変え、他の条件は同様にして表6.に示す中空架橋ポ
リエステル粒子(C86)〜(C87)を得た。
【表6】
【0036】比較例5〜8 (二重エマルジョン法による不飽和ポリエステル樹脂の
中空粒子) ペイントシェ−カ−に、 脱イオン水 400重量部、 SMA1440A *1) 160重量部、 *1)スチレン/マレイン酸共重合樹脂の部分エステル化
物のアンモニア中和物33重量%水溶液 二酸化チタン 100重量部、 ガラスビ−ズ 500重量部、 を仕込、30分間シェイクし二酸化チタン微粒子を分散
させた後、ガラスビ−ズを除去した。一方、別のペイン
トシェ−カ−にて スチレン 300重量部、 ジビニルベンゼン 200重量部、 酸化マグネシウム 5重量部、 ガラスビ−ズ 500重量部、 を同様に分散させ、ガラスビ−ズを除去した後、内容物
を蒸留塔、温度計、撹拌機を備えたセパラブルフラスコ
に移し、実施例にて得られた ポリエステル樹脂(A4) 500重量部、 を溶解した。次いで、先に得られた二酸化チタン水分散
体を高速撹拌混合を行いながら添加し第1段めの水/ポ
リエステル溶液乳化物を得た。 大型フラスコに 脱イオン水 3500重量部 ヒドロキシエチルセルロ−ス 6重量部 ポリビニルアルコ−ル 5重量部 を仕込み、混合した。次いで先に得られた水/ポリエス
テル溶液乳化物全量を、撹拌羽根を300rpm高速撹
拌下しながら添加し、粒子径が安定した後、 クメンハイドロパ−オキサイド 20重量部 ジエチレントリアミン 5重量部 硫酸第一鉄 0.3重量部 脱イオン水 50重量部 からなるスラリ−を追加し、60℃に昇温し、24時間
硬化反応を続け、室温まで冷却し、水洗乾燥して表7に
示す中空多孔粒子(F1)を得た。得られた粒子は表
7.に示すごとく粒子径分布がブロ−ドであり、空孔率
もさほど高くはなかった。より小さな粒子径を得る目的
において、大型フラスコにおける撹拌を撹拌限界の60
0rpmまで上げて粒子(F2)を得た。粒子径は21
μm程度が下限であった。空孔率を上げる目的におい
て、第1段めの乳化物を得る段階において使用する脱イ
オン水の量を増やし、他は(F1)と同じ条件にて粒子
化を試みた。表5.に示す(F3)(F4)はそれぞれ
脱イオン水500重量部、600重量部を用いた場合に
相当する。空孔率はやや上がるものの、粒子径分布は広
い。脱イオン水の量を700重量部とした場合、水/ポ
リエステル溶液が転相し、ポリエステル溶液滴が水中分
散するO/W型エマルジョンが生々、中空多孔粒子を得
ることはできなかった。
【表7】
【0037】(評価)平均粒子径、粒子径分布、変動係
数はコ−ルタ−カウンタ−TA2を用いて測定した。ま
た真球度は粒子の走査電子顕微鏡写真を画像処理装置イ
メ−ジアナライザ−V1[東洋紡績株式会社製]にて処
理することにより測定した。見かけ密度、空孔率に示
す。空孔率は処理前後の粒子径比より、粒子断面のSE
M写真画像処理結果を参考にもとめた、また見かけ密度
は樹脂の真比重と粒子の空孔率より算出した。得られた
粒子を熱重量分析器にかけ、昇温速度5℃/分にて室温
から260℃まで加熱し、重量減、粉末形態の維持、着
色の有無について評価した結果を表3.〜7.に示す。
実施例1〜8、比較例1、2により耐熱性を得るために
はポリエステルとビニルポリマ−との比率が限定された
範囲内にあるべきことが示された。実施例9〜11、比
較例3、4により本発明が幅広い範囲のポリエステル樹
脂に適用可能なこと、しかしながら一定以上の不飽和結
合が必須となることが示された。実施例12〜14によ
り、種粒子の粒子径制御により中空架橋粒子の粒子径制
御が可能なことが示され、実施例15〜20において空
孔率の制御も容易に行えることが示された。また以上い
ずれの場合においても粒子径分布がシャ−プであること
が示された。反面、比較例5〜8における二重エマルジ
ョン法においては粒子径制御が困難であり、またブロ−
ドな粒子径分布しか得られないことが明かとなった。
【0038】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明における
中空架橋ポリエステル粒子は、縮合系ポリマ−であるポ
リエステル樹脂を主成分とする粒子であり、シャ−プな
粒子径分布を有し、かつ、高温下でも分解による重量
減、着色、融着等の生じない優れた耐熱性を有し、さら
に任意の粒子径、空孔率を実現できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 正典 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30mol%以上の不飽和多価カルボン酸を
    含有する多価カルボン酸成分と多価アルコ−ル成分の縮
    合により得られ、かつ、20〜500eq./tonの
    範囲でイオン性基を含有するポリエステル樹脂33〜9
    0重量%に、ビニル系モノマ−10〜67重量%を含ま
    せた後に重合させることにより得られる架橋樹脂からな
    り、体積平均粒子径Dが0.5〜100μm、粒子径
    0.5D〜2.0Dの範囲の粒子が全体の80重量%以
    上を占め、変動係数が30%以下であり、さらに、粒子
    内部に気体または液体にて満たされた単一または複数
    の、独立ないし互いに連絡孔を有する空孔が存在し、空
    孔率が1〜99vol%の範囲であることを特徴とする中空
    架橋ポリエステル樹脂粒子。
JP32465193A 1993-12-22 1993-12-22 ポリエステル樹脂粒子 Pending JPH07179533A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32465193A JPH07179533A (ja) 1993-12-22 1993-12-22 ポリエステル樹脂粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32465193A JPH07179533A (ja) 1993-12-22 1993-12-22 ポリエステル樹脂粒子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07179533A true JPH07179533A (ja) 1995-07-18

Family

ID=18168209

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32465193A Pending JPH07179533A (ja) 1993-12-22 1993-12-22 ポリエステル樹脂粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07179533A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0720062A4 (en) * 1994-07-18 1998-03-04 Unitika Ltd POLYESTER RESIN FOR TONER RESIN, ITS PRODUCTION PROCESS AND TONER PRODUCED THROUGH THIS PROCESS
WO2002059172A1 (fr) * 2001-01-25 2002-08-01 Japan U-Pica Company, Ltd. Procede relatif a l'elaboration de fines particules de resine durcie
US6780942B2 (en) 2001-12-20 2004-08-24 Eastman Kodak Company Method of preparation of porous polyester particles
JP2006008750A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Matsushita Electric Works Ltd 電気絶縁性樹脂組成物、プリプレグ、積層板及び多層プリント配線板
KR100905266B1 (ko) * 2000-12-01 2009-06-29 도요 고무 고교 가부시키가이샤 연마 패드
JP2014077123A (ja) * 2012-09-19 2014-05-01 Sekisui Plastics Co Ltd スチレン改質熱可塑性ポリエステル系樹脂粒子及びその製造方法、並びに発泡性スチレン改質熱可塑性ポリエステル系樹脂粒子、スチレン改質熱可塑性ポリエステル系樹脂予備発泡粒子及びスチレン改質熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡成形体
JP2016108299A (ja) * 2014-12-10 2016-06-20 竹本油脂株式会社 農薬活性成分放出制御剤及び徐放性農薬組成物
WO2018136353A1 (en) * 2017-01-18 2018-07-26 3M Innovative Properties Company Coating compositions comprising hollow ceramic microspheres and films therefrom

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0720062A4 (en) * 1994-07-18 1998-03-04 Unitika Ltd POLYESTER RESIN FOR TONER RESIN, ITS PRODUCTION PROCESS AND TONER PRODUCED THROUGH THIS PROCESS
KR100905266B1 (ko) * 2000-12-01 2009-06-29 도요 고무 고교 가부시키가이샤 연마 패드
US7641540B2 (en) 2000-12-01 2010-01-05 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd Polishing pad and cushion layer for polishing pad
US7762870B2 (en) 2000-12-01 2010-07-27 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd Polishing pad and cushion layer for polishing pad
WO2002059172A1 (fr) * 2001-01-25 2002-08-01 Japan U-Pica Company, Ltd. Procede relatif a l'elaboration de fines particules de resine durcie
US6780942B2 (en) 2001-12-20 2004-08-24 Eastman Kodak Company Method of preparation of porous polyester particles
JP2006008750A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Matsushita Electric Works Ltd 電気絶縁性樹脂組成物、プリプレグ、積層板及び多層プリント配線板
JP4626194B2 (ja) * 2004-06-22 2011-02-02 パナソニック電工株式会社 電気絶縁性樹脂組成物、プリプレグ、積層板及び多層プリント配線板
JP2014077123A (ja) * 2012-09-19 2014-05-01 Sekisui Plastics Co Ltd スチレン改質熱可塑性ポリエステル系樹脂粒子及びその製造方法、並びに発泡性スチレン改質熱可塑性ポリエステル系樹脂粒子、スチレン改質熱可塑性ポリエステル系樹脂予備発泡粒子及びスチレン改質熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡成形体
JP2016108299A (ja) * 2014-12-10 2016-06-20 竹本油脂株式会社 農薬活性成分放出制御剤及び徐放性農薬組成物
WO2018136353A1 (en) * 2017-01-18 2018-07-26 3M Innovative Properties Company Coating compositions comprising hollow ceramic microspheres and films therefrom

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3923704A (en) Process for making porous polyester granules
JP3543201B2 (ja) 熱硬化性樹脂粒子の製造方法
JPH07179533A (ja) ポリエステル樹脂粒子
JP2012093752A (ja) 磁気トナー組成物
JPH0770331A (ja) ポリエステル粒子
JPH06263882A (ja) ポリエステル粒子
JP2976500B2 (ja) 樹脂粒子およびその製造方法
JPH07179534A (ja) 耐熱ポリエステル樹脂粒子とその製法
JP3060522B2 (ja) 樹脂粒子およびその製法
JPH06263883A (ja) 樹脂粒子およびその製法
JPH0776624A (ja) ポリエステル系粒子
KR101584515B1 (ko) 화학적으로 제조된 천연 오일계 토너
JPH0782385A (ja) 樹脂粒子
KR20080028125A (ko) 토너 조성물용 라텍스 제조방법 및 이를 이용한 토너조성물 제조방법
JP3060524B2 (ja) 樹脂粒子およびその製造法
JP3642359B2 (ja) ポリエステル水分散体
JPH0769856A (ja) 化粧品
JPH059276A (ja) 樹脂粒子
JPH04337332A (ja) 樹脂粒子の製造方法
JPH04337333A (ja) ポリエステル粒子の製造方法
JPH06145367A (ja) ポリエステル粒子の製法
JPH0725722A (ja) 化粧品
JPH07168307A (ja) 写真用印画紙
JP3175795B2 (ja) 樹脂粒子の製造方法
JPH0570600A (ja) 樹脂粒子およびその製造法