JPH0769856A - 化粧品 - Google Patents

化粧品

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JPH0769856A
JPH0769856A JP21421693A JP21421693A JPH0769856A JP H0769856 A JPH0769856 A JP H0769856A JP 21421693 A JP21421693 A JP 21421693A JP 21421693 A JP21421693 A JP 21421693A JP H0769856 A JPH0769856 A JP H0769856A
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JP
Japan
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acid
particles
polyester
weight
polyester resin
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JP21421693A
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English (en)
Inventor
Shigeru Yoneda
茂 米田
Yasunari Hotsuta
泰業 堀田
Satoshi Maeda
郷司 前田
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用感、使用性、安全性、機能性に優れ、か
つ、紫外線遮蔽効果に優れる化粧品の提供。 【構成】 芳香族の多環式縮合環炭化水素を骨格とする
単量体、たとえば、9,10−アントラセンジプロピオ
ン酸を必須成分とするポリエステル樹脂からなる球状粒
子を配合して化粧品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は使用感、使用性、安全
性、機能性に優れ、かつ、紫外線遮蔽効果に優れる化粧
品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より化粧品類の多くの製品に粉末が
使用されている。これら化粧品類に使用される粉末は無
機系粉末と有機系粉末に大別される。無機系粉末はタル
ク、マイカ、二酸化チタン等の微粒子であり、化粧品類
に用いられる粉末の大部分を占めるものである。これら
無機系粒子はその形状が、粒状、針状、板状、不定形等
であり、使用感、特に肌上での伸び、感触等に不満が持
たれている。また、一般に無機形粉末は比重が高く、液
状の化粧品においては長時間の放置により沈降する傾向
がある。また固形、粉末状の化粧品の場合においても他
成分との配合時に支障をきたす場合がある。
【0003】有機系粉末すなわちポリマ−粒子は、上記
問題点を解決すると同時に、オイル成分、香料成分、水
分等液状成分の内包あるいは吸着/徐放性、色材などに
よる着色性等の機能性に着目して近年化粧品に用いられ
てきており、特にファンデ−ション、白粉などのメ−ク
アップ化粧品の原料としてはなくてはならないものにな
りつつある。化粧品に用いられるポリマ−粒子として
は、ナイロン6、ナイロン12、等のポリアミド系ポリ
マ−、スチレン、ポリメチルメタクリレ−トやその共重
合体に代表されるビニル系ポリマ−等の粒子が主に用い
られている。これらはいずれもその形状が球状であるた
めに化粧品に配合した際、肌上での伸び、感触等の使用
感、使用性に優れ、また比重が低いために液状化粧品に
おいても沈降の生じない良好なる分散安定性を示すもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらポ
リマ−粒子は以下に述べる欠点を有している。ポリアミ
ド系ポリマ−は紫外線遮蔽効果に劣り、また粒子生産性
に劣るためにマスプロダクト的な生産が困難であり、非
常に高価である。ビニル系ポリマ−には共重合成分等に
よってはある程度の紫外線遮蔽効果を有するものがあ
る。しかしながら、これらビニル系ポリマ−はその重合
時に未反応モノマ−が残存し、臭気、安全性等に問題が
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み、使用感、使用性、安全性、機能性に優れ、か
つ、紫外線遮蔽効果に優れる化粧品を実現するべく鋭意
研究を重ねた結果、次なる発明に到達した。すなわち本
発明は、芳香族の多環式縮合環炭化水素を骨格とする単
量体を必須成分とするポリエステル樹脂を主成分とする
粒子を配合してなる化粧品である。
【0006】本発明の化粧品に配合される粒子はポリエ
ステル樹脂を主成分とする。ポリエステル樹脂は全樹脂
成分の50wt%以上の使用が好ましく、80wt%以上が
さらに好ましく、さらに90wt%以上、またさらに95
wt%以上、なおさらに98wt%以上含有されることが好
ましい。本発明におけるポリエステル樹脂とは主として
多価カルボン酸類と多価アルコ−ル類からなる。ポリエ
ステル樹脂に用いられる多価カルボン酸類としては、例
えば、 ・テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,
5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、アントラセンジプロピオン酸、アントラセ
ンジカルボン酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5
−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スル
ホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフ
ェノキシ〕イソフタル酸、スルホテレフタル酸、および
またはそれらの金属塩、アンモニウム塩などの芳香族ジ
カルボン酸、 ・p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安
息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、 ・コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、 ・フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シ
トラコン酸、等の脂肪族不飽和多価カルボン酸、 ・フェニレンジアクリル酸等の芳香族不飽和多価カルボ
ン酸 ・ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の
脂環族ジカルボン酸、 ・トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の
三価以上の多価カルボン酸 等を例示できる。
【0007】本発明においては、多価カルボン酸類に一
部、モノカルボン酸類を併用しても良い。モノカルボン
酸類としては芳香族モノカルボン酸類が好ましい。芳香
族モノカルボン酸としては例えば、安息香酸、クロロ安
息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、ナ
フタレンカルボン酸、アントラセンカルボン酸、4−メ
チル安息香酸、3メチル安息香酸、サリチル酸、チオサ
リチル酸、フェニル酢酸、およびこれらの低級アルキル
エステル、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ
安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカル
ボニル安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香
酸、タ−シャルブチル安息香酸、タ−シャルブチルナフ
タレンカルボン酸等を用いることができ、また特にタ−
シャルブチル安息香酸を使用することがより好ましい。
該芳香族モノカルボン酸の使用量は酸成分に対して2〜
25mol%、さらに5〜20mol%、またさらに8〜16mo
l%の使用がより好ましい。
【0008】本発明ではかかる多価カルボン酸成分の5
mol%以上の不飽和脂肪族多価カルボン酸を用いることが
できる。本発明における不飽和多価カルボン酸としては
フマル酸、マレイン酸の使用が好ましくさらにフマル酸
の使用が好ましい。不飽和多価カルボン酸の使用は酸成
分に対し5mol%以上が必須であり、20〜50mol%が好
ましく、30〜50mol%がさらに好ましい。ポリエステ
ル樹脂に用いられる多価アルコ−ル類としては脂肪族多
価アルコ−ル類、脂環族多価アルコ−ル類、芳香族多価
アルコ−ル類等を例示できる。 ・脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエル
スリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例
示できる。
【0009】・脂環族多価アルコ−ル類としては1,4
−シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジ
メタノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル
A、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示で
きる。 ・芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレングリコ
−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレングリコ
−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フェニ
レングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビスフェ
ノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示できる。 ・さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε−カプロラ
クトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラクト
ン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示することができ
る。 ・またカルボン酸類と同様、脂肪族アルコ−ル、芳香族
アルコ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノアルコ−ルを用
いることができる。
【0010】本発明のポリエステル樹脂の必須要件は芳
香族の多環式縮合環炭化水素を骨格とする単量体を必須
成分とすることである。芳香族の多環式縮合環炭化水素
としては、インデン、ナフタレン、フルオレン、フェナ
ントレン、アントラセン、ピレン、クリセン、ナフタセ
ン、ベンゾフェナントロン、ジベンゾフェナントレン、
2H−インデン、3H−フルオレン、1,4−ジヒドロ
ナフタレン、等を例示でき、本発明ではこれらの骨格か
ら誘導されるモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカル
ボン酸、テトラカルボン酸、およびまたはそれ以上の多
価カルボン酸、モノアルコ−ル、グリコ−ル、トリオ−
ル、テトラオ−ル、およびまたはそれ以上の多価アルコ
−ル等を使用することができる。またかかる多環式縮合
環炭化水素カルボン酸、アルコ−ル以外に、ポリエステ
ル重合に支障ない範囲にて他の置換基を有してもよい。
【0011】本発明において用いられる芳香族の多環式
縮合環炭化水素を骨格とする単量体としてはナフタレ
ン、アントラセンを骨格とするものが好ましく、さらに
好ましい具体的な化合物としては2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ナフタ
レンメタノ−ル、ナフタレンジメタノ−ル、アントラセ
ンジカルボン酸、アントラセンジプロピオン酸、アント
ラセンカルボン酸、アントラセンメタノ−ル、アントラ
センジメタノ−ル等を例示することができる。かかる芳
香族の多環式縮合環炭化水素を骨格とする単量体の添加
量は、ポリエステルを構成するカルボン酸類、またはア
ルコ−ル類のいずれか一方の成分に対して1mol%以上、
好ましくは2mol%以上、さらに好ましくは5mol%以上、
またさらに好ましくは10mol%以上、なおさらには20
mol%以上、なおまたさらには30mol%以上、よりさらに
は50mol%以上の使用が好ましい。またナフタレン骨格
の単量体については10mol%を越える範囲での添加が好ま
しい。添加量がこの範囲に満たないと十分な紫外線吸収
効果を得ることができない場合がある。
【0012】本発明ではこれらの他、単環式炭化水素、
複素単環式化合物、およびまたは、縮合複素環式化合物
を骨格とする単量体を用いることができる。単量体の骨
格トナリウル単環式炭化水素としてはシクロヘキセン、
シクロヘキサジエン、シクロペンテン、シクロペンタジ
エン、シクロペンチリデン、等を例示できる。単量体の
骨格となりうる複素単環式化合物としてはフラン、チオ
フェン、ピロ−ル、2H−ピロ−ル、2−ピロリン、ピ
ロリジン、オキサゾ−ル、イソオキサゾ−ル、チアゾ−
ル、イソチアゾ−ル、イミダゾ−ル、2H−イミダゾ−
ル、2−イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾ−ル、
3−ピラゾリン、ピラゾリジン、1H−1,2,3−ト
リアゾ−ル、2H−1,2,3−トリアゾ−ル、2H−
1,2,4−トリアゾ−ル、フラザン、1H−テトラゾ
−ル、2H−ピラン、4H−ピラン、4H−チイン、ピ
リジン、ピペリジン、4H−1,4−オキサジン、モル
ホリン、4H−1,4−チアジン、ピリダジン、ピリミ
ジン、ピラジン、ピペラジン、1,3,5−トリアジ
ン、等を例示できる。
【0013】単量体の骨格となりうる縮合複素環式化合
物としては、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾ
チオフェン、インド−ル3H−インド−ル、インドリ
ン、イソインド−ル、ベンゾオキサゾ−ル、ベンゾチア
ゾ−ル、1H−インダゾ−ル、ベンゾイミダゾ−ル、2
H−クロメン、4H−クロメンクマロン、イソクマロ
ン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジ
ン、キナゾリン、キノキサリン、ジベンゾフラン、カル
バゾ−ル、キサンテン、アクリジン、フェナントリジ
ン、1,10−フェナントロリン、フェナジン、フェノ
キサジン、チアントレン、インドリジン、4H−キノリ
ジン、キヌクリジン、1,8−ナフチリジン、プリン、
プテリジン、等を例示できる。
【0014】本発明におけるポリエステル樹脂のガラス
転移点は40℃以上が好ましく、45℃以上、好ましく
は50℃以上、さらに好ましくは60℃以上、またさら
に好ましくは70℃以上である。ガラス転移点がこれよ
り低い場合には、取扱い中あるいは保存中にブロッキン
グする傾向がみられ、得られる粉体をハンドリングする
ことが困難となる場合がある。本発明のポリエステル樹
脂の数平均分子量は1000〜20000の範囲が好ま
しい。また、2000以上5000以下の範囲が好まし
く、3000以上4000以下の範囲がさらに好まし
い。本発明ではポリエステル樹脂に、ビニル系モノマー
を含ませて後に重合させることにより得られる架橋樹脂
からなる粒子を用いてもよい。この際には前述した不飽
和脂肪族多価カルボン酸を用いたポリエステル樹脂の使
用が好ましい。
【0015】本発明の粒子は体積平均径Dが0.5〜1
00μmの範囲であることが望ましく、1〜50μmの
範囲が好ましく、さらに2〜25μmの範囲が、またさ
らに2〜15μmが、なおさらに2〜9μmの範囲が好
ましい。体積平均径がこの範囲以下では粒子のハンドリ
ングが困難となり、またこの範囲以上ではざらつき、触
感が損なわれる場合がある。本発明の粒子の粒子径分布
は、粒子径0.5D〜2.0Dの範囲の粒子が全体の7
0wt%以上を占めることが望ましく、好ましくは80wt
%以上、さらには85wt%以上、またさらには90wt%
以上を占めることが好ましい。また、別表現によれば、
70wt%以上が占める粒子径範囲は0.6D〜1.8D
の範囲が好ましく、さらに0.7D〜1.5Dの範囲
が、またさらには0.8D〜1.3Dの範囲が、なおさ
らには0.9D〜1.2Dの範囲であることが好まし
い。また、標準偏差を平均値で除した値である変動係数
は30%以下であることが望ましく、好ましくは20%
以下、さらに好ましくは15%以下、またさらには10
%以下であることが好ましい。本発明では粒子内部に単
一または複数の独立空孔を形成しても良い。空孔内には
化粧品の媒体、香料などを仕込むことができ、粒子の沈
降防止のための見かけ比重調整、香料の逐次放出などに
利用することができる。
【0016】本発明においてはイオン性基を20〜50
0eq./tonの範囲でポリエステル樹脂に含有する
ことが好ましい。イオン性基としては、スルホン酸基、
カルボキシル基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホ
スフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、金属塩
等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基
等のカチオン性基であり、好ましくは、スルホン酸アル
カリ金属塩の基、カルボン酸アンモニウム塩基を用いる
ことができる。これらイオン性基はポリエステルに共重
合された形態、あるいは高分子末端に導入された形態に
て含有されることが好ましい。ポリエステルに共重合可
能なスルホン酸金属塩基含有多価カルボン酸としては、
スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−ス
ルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボ
ン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、およ
びまたはそれらの塩を例示することができる。またスル
ホ安息香酸の金属塩を併用することによって高分子末端
にスルホン酸金属塩基を導入することができる。塩とし
てはアンモニウム系イオン、Li、Na、K、Mg、C
a、Cu、Fe等の塩があげられ、特に好ましいものは
K塩またはNa塩である。
【0017】カルボキシル基はポリエステルの重合末期
にトリメリット酸等の多価カルボン酸を系内に導入する
ことにより高分子末端に付加することができる。さらに
これをアンモニア、水酸化ナトリウム等にて中和するこ
とによりカルボン酸塩の基に交換することができる。こ
れらイオン性基の含有量は、該ポリエステル樹脂に対
し、20〜500eq./tonの範囲が必須であり、
なお好ましくは50〜200eq./tonである。以
上が本発明を特徴付る「芳香族の多環式縮合環炭化水素
を骨格とする単量体を必須成分とするポリエステル樹脂
を主成分とする球状粒子」に関する説明である。
【0018】かかる粒子はポリエステル樹脂を粉砕分級
することにより得られる粒子、あるいはさらに粉砕分級
したのちに気流中、あるいは液流中において軟化温度以
上に加熱処理する方法等でも得ることができるが、好ま
しくは以下に述べる方法にて工業的に作製することがで
きる。イオン性基を含有した場合、本発明におけるポリ
エステル樹脂は水分散性を発現する。水分散性とは一般
にエマルジョンあるいはコロイダルディスパ−ジョンと
称される状態を意味するものである。イオン性基は水系
媒体中において解離し、ポリエステル樹脂と水との界面
に電気二重層を形成する。ポリエステル樹脂が微細なミ
クロ粒子として水系内に存在する場合には電気二重層の
働きによりミクロ粒子間には静電的な反発力が生じ、ミ
クロ粒子が水系内にて安定的に分散する。発明における
樹脂粒子は、たとえば、イオン性基含有ポリエステル樹
脂を水分散化することによりポリエステルエマルジョン
(あるいはポリエステルディスパ−ジョン)を作製し、
水分散しているポリエステルのミクロ粒子を可塑化状態
下に緩凝集させることにより得ることができる。
【0019】イオン性基含有ポリエステル樹脂の水分散
体は、イオン性基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化
合物とをあらかじめ混合後に水を加える方法、イオン性
基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化合物と水とを一
括して混合加熱する方法等により得ることができる。ま
たその際に界面活性剤等を併用することもできる。水溶
性有機化合物としてはエタノ−ル、イソプロパノ−ル、
ブタノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等を用いることができる。水溶性有
機化合物はイオン性基含有ポリエステル樹脂を水分散化
した後に共沸等により除去することができるものが好ま
しい。
【0020】このようにして得られたポリエステル種粒
子は、実質球形であり、かつ、シャ−プな粒子径分布を
有し、高濃度に高温分散染色が可能である。かくして得
られるポリエステル粒子は体積平均粒子径Dを1〜10
0μmの範囲にて自由に制御可能であり(電解質濃度と
温度、時間による)、粒子径分布は粒子径0.5D〜
2.0Dの範囲の粒子が全体の80重量%以上を占め、
変動係数が30%以下のシャ−プなものとなり、平均真
球度(短径/長径)0.8以上という実質的に球形のポ
リエステル粒子となる。懸濁重合等により得られるビニ
ル系ポリマ−の粒子に対する本発明の粒子の特異性はポ
リエステル樹脂の物性の多様性のみならず、このような
ポリエステル粒子の形状、粒子径分布にも発揮される。
一般の懸濁重合粒子は特に粒子径分布がブロ−ドであり
変動係数30%程度以上のものしか得られない。本発明
では粒子化条件の調整により粒子径0.5D〜2.0D
の範囲の粒子が全体の80重量%以上、好ましくは85
重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、またさ
らに好ましくは95重量%以上のものを得ることができ
る。また変動係数は30%以下、好ましくは20%以
下、さらに好ましくは15%以下、またさらに好ましく
は10%以下、なおさらに好ましくは7%以下とするこ
とができる。また平均真球度(短径/長径)0.8以上
好ましくは0.85以上、さらに好ましくは0.9以
上、なおさらに好ましくは0.95以上とすることがで
きる。なおここに変動係数とは標準偏差を平均値にて除
した値を云う。かかるシャ−プな粒子径分布は後述する
シ−ド重合を行っても維持される。
【0021】本発明のポリエステル粒子には、粒子成長
過程において異種の水分散体を取り込むことができる。
異種の水分散体とは例えばフタロシアニン系顔料、キナ
クリドン系顔料、アゾ系顔料、レ−キ顔料、ベンジジン
系顔料、アントラキノン系顔料、カ−ボンブラック、等
の有機、無機の公知の染顔料類、タルク、酸化チタン、
アルミナ、シリカ等の金属酸化物類、フェライト、酸化
クロム、酸化コバルト、等の磁性粉、他のアクリル系、
スチレン系等の有機系ポリマ−粒子、水分散性ワックス
類等である。また本発明のポリエステル粒子は粒子成長
が終了した時点において安定分散性を確保しているため
後加工により染色、表面処理等が容易であり、公知の分
散染料、ヴァット染料、塩基性染料、酸性染料、反応性
染料、反応性分散染料等により高濃度に染色可能であ
る。
【0022】さて本発明ではこのようにして得られたポ
リエステル粒子を種粒子とし、該ポリエステル粒子を水
系媒体中に分散した状態にてビニル系モノマ−にてポリ
エステル樹脂1〜95重量%、ビニル系モノマ−5〜9
9重量%、好ましくはポリエステル樹脂40〜90重量
%、ビニル系モノマ−10〜60重量%となるように膨
潤せしめ、さらに重合架橋させることにより架橋ポリエ
ステル樹脂粒子を得ることができる。本発明において用
いられるビニル系モノマ−としては単官能、およびまた
は多官能モノマ−を使用することができ、例えばアルキ
ル基の炭素数が1〜10である(メタ)アクリル酸アル
キル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、グリシジル
(メタ)アクリレ−ト、等の(メタ)アクリル酸エステ
ル類、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メ
チルイソプロペニルケトン等の不飽和ケトン類、蟻酸ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルブタン酸ビニル
等のビニルエステル類、メチルビニルエ−テル、エチル
ビニルエ−テル、プロピルビニルエ−テル、等のビニル
エ−テル類、ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリ
デン類、アクリルアミドおよびそのアルキル置換体、ス
チレン、ジビニルベンゼン、スチレンのアルキル置換
体、スチレンのハロゲン置換体、アリルアルコ−ルおよ
びそのエステルまたはエ−テル類、アクロレイン、メタ
アクロレイン等のビニルアルデヒド類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のビニ
ルモノマ−、ならびにアクリル酸、メタクリル酸、フマ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸お
よびこれらの塩類、ビニルスルホン酸、アクリルスルホ
ン酸、パラスチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素スル
ホン酸およびそれらの塩類、二重結合を有するリン酸エ
ステル類、およびその塩類、ピリジン、ビニルピロリド
ン、ビニルイミダゾ−ル、ビニルカルバゾ−ル、ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレ−ト等を用いることができる。
またこれらに加えてシロキサン類、ラクトン類、ラクタ
ム類、エポキシ化合物等の開環重合系モノマ−を併用し
てもよい。
【0023】反応開始剤としては特に制限される物では
なく公知の開始剤を使用すればよい。例えばベンゾイル
パ−オキサイド、パラクロロベンゾイルパ−オキサイ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルパ−オキサイド、カプ
リリルパ−オキサイド、ラウルイルパ−オキサイド、ア
セチルパ−オキサイド、メチルエチルケトンパ−オキサ
イド、シクロヘキサノンパ−オキサイド、ビス(1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルパ−オキサイド)、ヒドロキシ
ヘプチルパ−オキサイド、t−ブチルハイドロパ−オキ
サイド、p−メンタンパ−オキサイド、クメンハイド
ロ、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジヒドロパ−
オキサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、ジクミル
パ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パ−
オキシベンゾエ−ト)、t−ブチルパ−ベンゾエ−ト、
t−ブチルパ−アセテ−ト、t−ブチルパ−オクテ−
ト、t−ブチルパ−オキシイソブチレ−ト、ジ−t−ブ
チルジ−パ−フタレ−ト、過酸化琥珀酸等の有機過酸化
物系開始剤、アゾイソブチルニトリル、ジスオキシベン
ゾイル、フェニルアセトアルデヒド、フェニルピロ葡萄
糖、ピナコン酸誘導体等の開始剤を用いることができ
る。
【0024】反応促進剤としてはコバルト系、バナジウ
ム系、マンガン系、第3級アミン系、第4級アンモニウ
ム塩系、メルカプタン系等の反応促進剤を用いることが
できるかくして得られる架橋樹脂粒子はポリエステル種
粒子の粒子径分布を維持し、粒子径0.5D〜2.0D
の範囲の粒子が全体の80重量%以上、好ましくは85
重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、またさ
らに好ましくは95重量%以上となり、また変動係数は
30%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは
15%以下、またさらに好ましくは10%以下、なおさ
れに好ましくは7%以下とすることができる。
【0025】本発明のポリエステル樹脂は染料にて着色
された場合においても耐光堅牢度が良好である。染料と
しては分散染料、油溶性染料、建浴染料、ヴァット染
料、スレン染料、塩基性染料、カチオン染料、酸性染
料、反応型染料、反応型分散染料等を用いることができ
る。分散染料、油溶性染料の具体例として、 ・C.I.Disperse Yellow 198 ・C.I.Disperse Yellow 42 ・C.I.Solvent Yellow 162 ・C.I.Disperse Red 92 ・C.I.Solvent Red 49 ・C.I.Solvent Red 52 ・C.I.Disperse Violet 26 ・C.I.Disperse Violet 35 ・C.I.Disperse Blue 60 ・C.I.Disperse Blue 87 ・C.I.Solvent Blue 70 ・C.I.Solvent Black 3 から選択される少なくとも1種の染料が好ましく用いら
れる。
【0026】塩基性染料の具体例として、 ・C.I.Basic Yellow 11 ・C.I.Basic Yellow 13 ・C.I.Basic Yellow 21 ・C.I.Basic Red 14 ・C.I.Basic Red 15 ・C.I.Basic Red 39 ・C.I.Basic Violet 7 ・C.I.Basic Violet 11 ・C.I.Basic Violet 28 ・C.I.Basic Violet 40 ・C.I.Basic Violet ・C.I.Basic Blue 3 ・C.I.Basic Blue 75 から選択される少なくとも1種の染料が好ましく用いら
れる。かかる塩基性染料を用いる場合には結着材樹脂に
染着座席となるべきアニオン性基が含有されることが好
ましく、かかる染料は結着材樹脂高分子鎖の側鎖、およ
びまたは末端に存在するアニオン性基と塩を形成する形
態において塩基性染料のカチオン部分が含有され、か
つ、塩基性染料の対イオンであるアニオン(主にハロゲ
ンイオン、一般に塩素イオン)が実質的に含有されない
ことが好ましい。より具体的にはハロゲンイオン(ハロ
ゲン酸、あるいはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金
属イオンとの塩の形態での)の含有率が2eq. /ton 以
下であることが好ましい。かかる好ましい状態はアニオ
ン性基含有樹脂を水系媒体中にて染色することにて実現
される。
【0027】また顔料として、 ・C.I.Pigment Yellow 14 ・C.I.Pigment Yellow 17 ・C.I.Pigment Red 48 ・C.I.Pigment Red 57 ・C.I.Pigment Red 81 ・C.I.Pigment Red 122 ・C.I.Pigment Red 147 ・C.I.Pigment Red 184 ・C.I.Pigment Blue 15 ・C.I.Pigment Blue 16 ・カ−ボンブラック 等を用いることができる。
【0028】本発明における化粧品には必須成分である
ポリエステル粒子の他に製品種、目的等により通常化粧
品成分として用いられる白色、体質、着色顔料、パ−ル
剤、天然鉱物、有機粉末、油剤、金属石鹸、界面活性
剤、保湿剤、防腐剤、香料、その他添加剤を配合しても
差し支えない。本発明の化粧品は粉末状、プレス状、液
状、スティック状、また乳化状、油性状、クリ−ム状等
のいかなる製品形態、形状を採ってもよい。より具体的
には本発明ではその特徴であるポリエステル粒子を、ク
レンジングクリ−ム、拭き取り化粧水、洗顔料、化粧
水、乳液、白粉、ファンデ−ション、頬紅、アイシャド
ウ、口紅、アイライナ−、マスカラ、アイブロウ、眉
墨、パック、マッサ−ジクリ−ム、下地クリ−ム、ロ−
ション等に配合することにより優れた効果を得ることが
できる。
【0029】本発明の化粧品に配合されるポリエステル
粒子は無機粒子に比較し比重が低いために良好なる分散
安定性を示し、長期保存においても沈降が生じない。ま
た縮合系ポリマ−であるが上に未反応モノマ−の残存が
無く、臭気、安全性の面において優れている。また親水
性成分の共重合によりその親水/疎水度を自由に制御可
能であり目的に応じた特性を得ることができる。また本
発明におけるポリエステル樹脂は芳香族の多環式縮合環
炭化水素を骨格とする単量体を必須成分とするが、その
ため特に紫外線の遮蔽効果が優れている。以上の作用に
より、本発明の化粧品は従来の無機粒子を主に用いた化
粧品に対し、使用性、使用感等の点で公知のポリマ−粒
子を用いた化粧品の特徴をすべて継承し、さらに加えて
紫外線遮蔽効果、臭気、安全性、製品設計の自由度等の
点でより優れた効果を示すものである。
【0030】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらになんら限定される物で
はない。
【実施例】
[ポリエステル樹脂の重合]温度計、撹拌機を備えたオ
−トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチルエステル 87 重量部、 イソフタル酸ジメチルエステル 87 重量部、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 6 重量部 エチレングリコ−ル 68 重量部、 ネオペンチルグリコ−ル 114 重量部、および テトラブトキシチタネ−ト 0.1 重量部 を仕込み120〜220℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、反応系の温度を180℃
に下げ、 フマル酸 9 重量部 タ−シャルブチルカテコ−ル 0.1 重量部 を加え、200℃にて60分間反応を続け、その後、反
応系の温度を220〜240℃に上げ、系の圧力1〜1
0mmHgとして60分間反応を続けた結果、共重合ポ
リエステル樹脂(A1)を得た。得られた共重合ポリエ
ステル樹脂(A1)の組成、ガラス転移温度、酸価、分
子量、スルホン酸ナトリウム基当量を表1.に示す。ポ
リエステルの組成はNMR分析、ガラス転移温度はDS
C、酸価は滴定、分子量はGPC、スルホン酸ナトリウ
ム基当量はSの定量により求めた。以下、原料を変えて
同様に重合を行い、表1.に示すポリエステル樹脂(A
2)〜(A5)を得た。
【0031】
【表1】
【0032】温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中
に、 1,5ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル 171 重量部 イソフタル酸ジメチルエステル 49 重量部 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 3 重量部 エチレングリコ−ル 68 重量部、 ネオペンチルグリコ−ル 114 重量部、および テトラブトキシチタネ−ト 0.1 重量部 を仕込み150〜220℃で180分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで反応系の温度を180℃に
下げ、 無水マレイン酸 8 重量部 タ−シャルブチルカテコ−ル 0.1 重量部 を加え、200℃にて60分間反応を続け、その後、反
応系の温度を220〜240℃に昇温した後、系の圧力
を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、60分間
反応を続けた。その後オ−トクレ−ブ中を窒素ガスで置
換し、大気圧とした。温度を200℃に保ち無水トリメ
リット酸を8重量部を加え、60分間反応を行い、表
1.に示す共重合ポリエステル樹脂(A6)を得た。以
下原料を変えて同様に重合を行いポリエステル樹脂(A
7)を得た。
【0033】なお、表1.中 AMC は 9−アントラセンカルボン酸 ADC は 9,10−アントラセンジプロピオン酸 NDC は 1,5−ナフタレンジカルボン酸 TPA は テレフタル酸 IPA は イソフタル酸 SIP は 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 FA は フマル酸 TMA は トリメリット酸 AM は 9−アントラセンメタノ−ル EG は エチレングリコール NPG は ネオペンチルグリコ−ル BPP は ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付
加物( 平均分子量350) Tg は ガラス転移温度 を示す。
【0034】[ポリエステル水微分散体の作製]ポリエ
ステル樹脂(A1)200重量部、メチルエチルケトン
100重量部、テトラヒドロフラン50重量部、エタノ
−ル20重量部を80℃にて溶解した後80℃の水50
0部を添加し、粒子径約0.1μmの共重合ポリエステ
ル樹脂の水系ミクロ分散体を得た。さらに得られた水系
ミクロ分散体を蒸留用フラスコに入れ、留分温度が10
0℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固形分濃度
を30%のポリエステル水微分散体(B1)を得た。、
以下同様にポリエステル樹脂(A2)〜(A5)を用い
てポリエステル水微分散体(B2)〜(B5)を得た。
ポリエステル樹脂(A6)200部に、ブタノ−ル10
0部を加え90℃で溶解した後、80℃まで冷却した。
さらにポリエステル樹脂の酸価に等量となるように1N
のアンモニア水溶液を加え、80℃を保持し30分間撹
拌した後80℃の水500部を添加しポリエステルの水
系分散体を得た。さらに得られた水分散体1000部を
蒸留用フラスコに入れ、留分温度100℃に達するまで
蒸留した後冷却し、最終的に脱溶剤された固形分濃度3
0%のポリエステルの水微分散体(B6)を得た。同様
にポリエステル樹脂(A7)から水微分散体(B7)を
得た。
【0035】[粒子の作製]温度計、コンデンサ−、撹
拌羽根を備えた四つ口の1リットルセパラブルフラスコ
に、ポリエステル水微分散体(B1)300重量部を仕
込み80℃に昇温した。次いで、ジメチルアミノエチル
メタクリレ−ト20重量%水溶液40重量部を60分間
に渡って添加し(0.2mol/l)、さらに300分
間80℃に保った状態で撹拌を続けた。系内の伝導度は
約1mSから25mSに上昇、pHは10.8から6.
7にまで下降した。これより、添加したジメチルアミノ
エチルメタクリレ−トはほぼ後完全に加水分解し、ジメ
チルアミノエタノ−ルとメタクリル酸の塩になっている
ことが確認された。ポリエステル水微分散体に存在した
サブミクロンオ−ダ−の粒子径の分散粒子は時間ととも
に合体粒子成長し、表2.に示すポリエステル球状粒子
(C1)を得た。なお表2.中(表3.表4.も)、平
均粒子径、粒子径分布、変動係数はコ−ルタ−カウンタ
−TA2を用いて測定した。また真球度は粒子の走査電
子顕微鏡写真を画像処理装置イメ−ジアナライザ−V1
[東洋紡績株式会社製]にて処理することにより測定し
た。以下同様に原料および条件を変えて表2.表3.に
示すポリエステル粒子(C2)〜(C7)を得た。
【表2】
【0036】
【表3】 [架橋粒子の作成]ポリエステル粒子(C1)の水分散
体を脱イオン水にて希釈し固形分濃度を5%に調整した
ポリエステル粒子水分散体とした。ポリエステル水分散
体1000重量部をセパラブルフラスコに仕込み静かに
撹拌しながら、塩化ナトリウム1重量部、過酸化ベンゾ
イル1重量%を溶解した蒸留スチレン45重量部、ジビ
ニルベンゼン5重量部を滴下し30分間撹拌を続けたの
ち、系の温度を80℃に上げ300分間反応を続けた。
系を室温まで冷却後、得られた粒子を吸引ロウトにて脱
水洗浄し真空乾燥して架橋ポリエステル粒子(D1)を
得た。得られた粒子の平均粒子径、粒子径分布、変動係
数、真球度を同様の方法にて測定した。以下同様に、ポ
リエステル粒子(C2)(C3)(C5)(C7)から
架橋ポリエステル粒子(D2)(D3)(D5)(D
7)を得た。表3.に示す。
【0037】
【表4】
【0038】[紫外線遮蔽効果の評価]得られたポリエ
ステル粒子30重量部、ポリエチレングリコ−ル(平均
分子量400)70重量部を混合しペ−スト化した、つ
いで得られたペ−ストをアプリケ−タにて塗膜厚20μ
m程度に石英板上に塗布し紫外線遮蔽効果測定用試料と
した。また比較例として市販のナイロン6粒子およびP
MMA粒子、ポリスチレン粒子を用い同様に試料を得
た。表4.に示す。上記資料につき日立スペクトロフォ
トメ−タU−3210型を用いて紫外線遮蔽率を求め
た。測定波長はA領域として320 〜400 nm、B領域と
して290 〜320 nmとし、各領域の平均値を求めた。結
果を表2.〜表4.に示す。本発明の粒子はポリエステ
ル粒子は紫外線遮蔽率が高く、特にA領域、B領域につ
いてはほとんど完全に遮蔽することがわかる。比較して
縮合環を持たないポリエステル樹脂(A1)より得られ
る粒子、ポリスチレン粒子はB領域の遮蔽率は高いがA
領域では不完全である。ナイロン6、あるいはPMMA
粒子ではA領域、B領域ともに遮蔽効果が低い。
【0039】(固形粉末状ファンデ−ション)ブレンダ
−に ポリエステル粒子(C2) 10重量部、 タルク 30重量部、 酸化チタン 2重量部、 着色顔料 6重量部、 マイカ 40重量部、 を仕込均一混合し、 ワセリン 2重量部、 スクワラン 8重量部、 流動パラフィン 2重量部、 を加熱溶融混合物を加えさらに混合した。次いで得られ
た混合物をプレス成形し固形粉末状ファンデ−ションを
得た。以下同様に粒子を変えてファンデ−ションを試作
した。得られたファンデ−ションはいずれのポリエステ
ル粒子、あるいは架橋ポリエステル粒子、ナイロン粒子
を用いた場合でもマットへの取れが良く、塗布時の伸び
が良好で密着感があり均一で自然な化粧膜を形成し、紫
外線遮蔽効果に優れていた。スチレン粒子、PMMA粒
子を用いた場合には伸びが不完全で触感が硬く、かさつ
きが感じられた。なお表..中「PS」はポリスチレン
を示す。
【0040】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明のポリエ
ステル粒子を配合した化粧品は使用性、使用感に優れ、
さらに高い紫外線遮蔽効果を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族の多環式縮合環炭化水素を骨格と
    する単量体を必須成分とするポリエステル樹脂を主成分
    とする粒子を配合してなる化粧品。
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