JP3063269B2 - カプセル型トナーの製造方法 - Google Patents

カプセル型トナーの製造方法

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JP3063269B2
JP3063269B2 JP3224227A JP22422791A JP3063269B2 JP 3063269 B2 JP3063269 B2 JP 3063269B2 JP 3224227 A JP3224227 A JP 3224227A JP 22422791 A JP22422791 A JP 22422791A JP 3063269 B2 JP3063269 B2 JP 3063269B2
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南征 田代
均 高柳
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカプセル型トナーの製造
方法に関し、更に詳しくは、必須の成分として、酸基を
有する樹脂と着色剤とを用いることによって得られる、
着色剤が酸基を有する樹脂に内包されたカプセル型トナ
ーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】静電潜像を可視像とするための粉体トナ
ーは、着色剤と離型剤および帯電制御剤などの添加剤類
とを、トナー用樹脂に、溶融混合によって分散せしめ、
冷却後に、これを機械的に粉砕し、しかる後、分級せし
めることにより得られるものが、一般的である。
【0003】しかしながら、このような方法で得られる
トナーは、着色剤や離型剤の混合の不均一さから生ずる
電気特性のバラツキとか、粒子形状が不定形であるため
の流動性の悪さ、就中、着色剤がカーボンのような導電
性の場合のように、完全に樹脂で被覆し得ないための電
気特性の不安定さとか、小粒径化を図る場合の収率の低
さとか、さらには、着色剤添加量の限界の低さなどとい
った、好ましくない種々の問題を内包している。
【0004】また、トナーの調製に際しても、上述のよ
うな方法に従った場合には、溶融混練、そして粉砕に要
する電気エネルギーの消費は多大である。今後の高解像
用トナーとしては、5ミクロン(μm)なるレベルの小
粒径化(現状は、10〜15μmである。)ならびに着
色剤の高濃度化が、とくに必要となって来ているが、所
詮、いわゆる粉砕法では対抗できないと言うのが、実状
である。
【0005】上記した粉砕法以外の方法としても、各種
の重合法による検討が為されて来ている。たとえば、特
開昭57−53756号、特開昭59−161号および
特開昭59−123851号公報には、懸濁重合法によ
る方法が提案されている。
【0006】かかる懸濁重合法は、着色剤および添加剤
などを単量体(モノマー)中に分散し、しかるのち、こ
れを懸濁安定剤の存在下に、水性媒体中で、高せん断下
に重合せしめるというものであるが、これらの着色剤や
添加剤などは、モノマーと必ずしも親和性を有するもの
では無いし、しかも、モノマーのような低粘度のものに
対して安定に混合分散せしめることも困難である。
【0007】そのために、時として、重合中に水相へ移
行し、重合体粒子中に、着色剤や添加剤が存在しないと
いう事態に陥ることすらあって、まさしく、意に添わな
いという欠点がある。
【0008】また、それとは逆に、重合中に着色剤が凝
集し、着色剤のブロック物が生じて、不均一性が増長さ
れる羽目となることがある。とくに、カーボンの如き一
次粒子の粒径の小さい着色剤は、かなり強固なる二次凝
集体になっていることがあり、モノマー中への分散不良
化を来たし、ひいては、トナー粒子の帯電特性のバラツ
キや画像濃度のバラツキを拡大する処となって来る。
【0009】さらに、懸濁安定剤が粒子表面に存在し
て、除去が困難となり、その結果、流動性や帯電特性に
悪影響を及ぼすこともある。勿論、場合によっては、懸
濁安定剤を洗浄せしめることも可能ではあるけれども、
コスト的に高くなるという問題点の存在は否めない。
【0010】別に、米国特許第3,391,082号明
細書ならびに特開昭61−167955号、特開昭61
−167956号および特開昭61−167957号公
報には、乳化重合法による方法が提案されている。
【0011】乳化重合法も懸濁重合法と同様に、着色剤
や添加剤とモノマーとの混合分散に問題があり、粒子内
に均一に内包せしめることは困難である。さらに、分散
安定剤を多量に使うために、電気特性や流動性への影響
が大きいし、洗浄にもコストがかかる。
【0012】また、生成する粒子の径が小さいために、
凝固剤との併用が必要であり、粒子径のコントロールの
面でも問題が残る。特開昭61−249816号または
特開昭63−100466号公報には、非水分散重合法
による方法が提案されている。
【0013】かかる非水重合法は、生成する樹脂の溶解
性パラメーター(SP値)よりも大きいSP値を有する
有機溶剤に、着色剤、分散安定剤およびモノマーを添加
して重合せしめたのちに、該有機溶剤を除去せしめると
いう方法ではあるが、本質的には、懸濁重合法と同様
に、着色剤や添加剤を均一に粒子内に含有せしめること
は困難である。
【0014】また、樹脂の組成、溶剤の種類、ならびに
着色剤や添加剤などの種類に制約を受け、重合のコント
ロールが煩雑となる。さらに、分散安定剤を使用するた
めに洗浄する場合には、やはり、コストが高くなるとい
う問題点をも有している。
【0015】いわゆる粉砕法の改良として、種々の重合
法による改良手段も堤案されて来てはいるけれども、い
ずれも、モノマーと着色剤や添加剤などとを混合分散し
て重合を行う処から、粒子内に均一に着色剤や添加剤な
どを含ませることは困難を極めている。
【0016】また、分散安定剤の添加は不可欠であり、
その添加による電気特性や流動性に与える影響は、まさ
しく、不可避のものである。しかも、かかる分散安定剤
を洗浄しようとすると、多大なるコストがかかるという
ように、従来は、重合法によっても、製造プロセスが煩
雑になり、しかも、製造プロセスに起因する欠点を生
じ、充分に、満足すべきトナーは得られない、というの
が現状である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
に従う限りは、どうしても、製造プロセスの煩雑さから
解放されず、着色剤が粒子内に均一に分散された、帯電
特性、流動性ならびに定着性などの基本的特性が、悉
く、満足されたトナーを得ることが出来ないというの
が、実状であった。
【0018】しかるに、本発明者らは、上述したような
粉砕法および重合法とは異なる、全く、斬新なるカプセ
ル化手段を、すでに、特願平2−260025号明細書
に提案している。
【0019】これは、疎水性の液体および/または固体
物質を樹脂に包含させてなる微小カプセルを製造する際
に、水媒体の作用下で、平均粒子径が0.1μm以下の
水準に自己分散する分散能を有する塩基により中和され
た酸基を有する樹脂を用いて微小カプセルを形成せし
め、それによって、水媒体中への微粒子化とカプセル壁
の形成化とを、実質的に同時に行うという方法であり、
カプセル化の手段として、分散安定剤を使用しないし、
しかも、かかるカプセル型トナーを製造するに当たり、
特別の装置を必要とはしないという長所を有している。
【0020】こうした、先に提案した発明においては、
こうした斬新なるカプセル型トナーの用途に関し、何
ら、具体的な樹脂の組成や製造方法について、記述して
はいなかった。
【0021】そのために、本発明の目的とする処は、先
に提案したような手段を利用することによって、前述し
た如き粉砕法および重合法における問題点を解決するも
のであり、とくに、分散安定剤を使用しなくとも、着色
剤を粒子内に均一に内包したカプセル型トナーを、極め
て簡便なるプロセスによって、調製する方法を提供する
ことにある。
【0022】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、分散安定剤を使用せずに、極めて簡便なるプロセ
スによって、着色剤を粒子内に均一に内包したカプセル
型トナーを調製する方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を合わ
せて、鋭意、検討を重ねた結果、塩基により中和された
酸基を有する樹脂という特別の樹脂を用いることによ
り、分散安定剤を使用しなくとも、着色剤を粒子内に均
一に内包したカプセル型トナーを、極めて簡便なるプロ
セスによって調製し得ることを見い出すに及んで、ここ
に、本発明を完成させるに到った。
【0024】すなわち、本発明上記課題を解決するため
に、酸基を有する樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に着色
剤を分散混合した後、該酸基を塩基により中和してなる
着色剤混合物を調製する第一工程、次いで、かくして得
られる着色剤混合物を転相乳化せしめることにより、水
媒体中にカプセル化された粒子を生成せしめる第二工程
と、しかる後、前記水媒体中に生成したカプセル粒子を
水媒体から分離し、乾燥せしめる第三工程とから成るこ
とを特徴とする、カプセル型トナーの製造方法を提供す
る。
【0025】以下に、本発明を詳細に説明する。まず、
本発明において用いられる酸基を有する樹脂について説
明する。
【0026】親水基となる酸基は、化学結合を通して樹
脂中に導入されており、この酸基が塩基により中和され
ることで、水媒体中でアニオンとなり、親水性を呈す
る。
【0027】かかる酸基として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、カルボキシル基、燐酸基、スル
ホン酸基または硫酸基などである。かかる酸基を有する
樹脂を有機溶剤に溶解した有機連続相(O相)に、塩基
を加えて中和した後、水媒体(W相)を投入することに
よって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる
転相乳化)が行われて不連続相化し、樹脂が、水媒体中
に粒子状に分散安定化される。
【0028】こうした特性を示す樹脂が、塩基により中
和された酸基を有する樹脂である。
【0029】本発明においては、当該塩基により中和さ
れた酸基を有する樹脂がカプセル粒子を形成することに
なる。酸基を有する樹脂としては、酸基を有する重合性
単量体類と、この酸基含有重合性単量体類以外の重合性
単量体類とを、重合開始剤の存在下に、共重合せしめて
得られるものなどが挙げられる。
【0030】こうした酸基含有重合性単量体類として特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノ
ブチル、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、
アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、3−ク
ロロ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸または2−スルホエチルメタクリレートなどであ
る。
【0031】酸基含有重合性単量体類以外の重合性単量
体類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、
t−ブチルスチレンもしくはクロルスチレンの如き、各
種のスチレン系モノマー(芳香族ビニルモノマー)類;
【0032】アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イ
ソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デ
シルもしくはアクリル酸ドデシルの如き、各種のアクリ
ル酸エステル類;
【0033】メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸デシルもしくはメタクリル酸
ドデシルの如き、各種のメタクリル酸エステル類;アク
リル酸ヒドロキシエチルもしくはメタクリル酸ヒドロキ
シプロピルの如き、各種のヒドロキシル基(水酸基)含
有モノマー類;
【0034】またはN−メチロール(メタ)アクリルア
ミドもしくはN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ドの如き、各種のN−置換(メタ)アクリル系モノマー
類などである。
【0035】かくして得られる共重合体は、場合によっ
ては、重合性単量体類と重合性不飽和基含有オリゴマー
との共重合体であってもよい。さらに、かかる重合性不
飽和基含有オリゴマー中に酸基を有するものを使用して
もよい。
【0036】上記した重合性不飽和基含有オリゴマーと
しては、ビニル変性ポリエステル、ビニル変性ウレタン
またはビニル変性エポキシ化合物などが特に代表的なも
のである。
【0037】具体的には、無水マレイン酸、フマル酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒド
ロ無水マレイン酸、α−テルピネン無水マレイン酸付加
物、トリオールのモノアリルエーテル、ペンタエリスリ
ットジアリルエーテルもしくはアリルグリシジルエーテ
ルの如き、各種の化合物の重縮合ないしは付加により重
合性不飽和結合(ビニル基)が導入される。
【0038】さらに、ポリエステル中に酸基を導入せし
めるには、たとえば、フタル酸の如き二塩基酸を過剰に
用いることによればよく、それによって、末端にカルボ
キシル基を有するものが得られるし、あるいは、無水ト
リメリット酸の使用によって、主鎖中に酸基を有するも
のが得られる。
【0039】また、上記したビニル変性ウレタンとして
は、たとえば、グリセリンモノアリルエーテルまたは
1,2−結合を含むブタジエンポリオールの如き、各種
のポリオールとジイソシアネートとの付加重合などによ
り得られる。
【0040】あるいは、末端にイソシアネート基を有す
るウレタンと水酸基含有重合性単量体類との付加反応な
どによっても、ビニル結合が導入される。また、ジメチ
ロールプロピオン酸などを、ポリオール成分として加え
ることによっても、ポリウレタン中に酸成分を導入せし
めることが出来る。
【0041】ポリエチレングリコールのモノメタクリレ
ートとしては、たとえば、ポリオキシエチレン鎖の平均
分子量が1,000〜4,000なる範囲内のものが挙
げられる。
【0042】また、ビニル変性エポキシ化合物として
は、たとえば、末端エポキシ基と、アクリル酸もしくは
メタクリル酸のカルボキシル基とを反応せしめればよ
く、これによっても、ビニル結合を導入せしめることが
出来る。
【0043】さらに、カルボキシル基含有ビニル共重合
体に、グリシジル基含有重合性単量体を付加せしめた、
重合性ビニル基を有する重合性単量体類のオリゴマーが
得られる。
【0044】ここで用いられる重合性単量体類は、前掲
したようなものの中から選ばれる。
【0045】そのほかに、マクロモノマーとして市販さ
れている、たとえば、東亜合成化学工業(株)製の、末
端ビニル変性のオリゴマーもまた、使用することが出来
る。言うまでもなく、重合性ビニル基を有するオリゴマ
ーであれば、上述した種類や方法に限定されるものでは
ない。
【0046】この際の重合は、通常、重合開始剤を用い
て行われる。かかる重合開始剤としては、勿論、通常の
ものが使用できるが、それらのうちでも特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、過酸化ベンゾイル、ジ
−t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシ
ド、t−ブチルペルオキシドもしくは2−エチルヘキサ
ノエートの如き、各種の過酸化物;またはアゾビスイソ
ブチロニトリルもしくはアゾビスイソバレロニトリルの
如き、各種のアゾ化合物などである。
【0047】また、反応溶剤として特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、トルエン、キシレンもしく
はベンゼンの如き、各種の芳香族炭化水素;メタノー
ル、エタノール、プロパノールもしくはブタノールの如
き、各種のアルコール類;セロソルブもしくはカルビト
ールの如き、各種のエーテルアルコール類;アセトン、
メチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケトンの
如き、各種のケトン類;酢酸エチルもしくは酢酸ブチル
の如き、各種のエステル類;またはブチルセロソルブア
セテートの如き、各種のエーテルエステル類などの、い
わゆる不活性溶剤である。
【0048】好ましくは、後述する如き第三工程におい
て、容易に脱溶剤され得るアセトン、メチルエチルケト
ンまたは酢酸エチルなどの、いわゆる低沸点溶剤の使用
が適切である。
【0049】重合条件は、通常、50〜150℃なる温
度範囲で、窒素雰囲気下で行われるが、勿論、これのみ
に限定されるものではない。そして、得られる共重合体
中の酸基の量としては、20〜500mg当量/樹脂固
形分の100gなる範囲内が適切である。
【0050】酸基の使用量が20mg当量/樹脂固形分
の100gよりも少ない場合には、どうしても、100
モル%以上を塩基で中和したとしても、得られる樹脂の
親水性が不十分なために、転相乳化できなく、したがっ
て、カプセル粒子を形成することが出来ない。
【0051】一方、500mg当量/樹脂固形分の10
0gよりも多い場合には、樹脂の親水性が高いために、
水媒体中での粒子形成が不安定となる処から、この場合
も好ましいものではない。
【0052】かくて、酸基の量が20〜500mg当量
/樹脂固形分の100gなる範囲内であれば、酸基の一
部ないしは全部を、塩基で中和することによって、転相
乳化せしめ、安定なるカプセル粒子を形成することが出
来る。
【0053】また、塩基により中和された酸基を有する
樹脂は、カプセル粒子となることから、酸基を有する樹
脂は、カプセル壁として充分なるレベルの分子量を有す
るもの、通常、3,000〜100,000なる範囲
内、好ましくは、5,000〜50,000なる範囲内
の数平均分子量を有するものである。
【0054】分子量が3,000より小さい場合には、
カプセル壁としての特性を充分に発揮し得ないことがあ
るので好ましくないし、一方、100,000よりも大
きい場合には、粘度が高くなり過ぎて、後述する第一工
程における着色剤の分散が不十分となるし、ひいては、
第二工程における転相乳化時の増粘の度合い(粘度の上
がり方)が大きくなり、その結果、粒径のコントロール
とか、粒径の分布(粒度分布)などに影響を与えること
になる処から、いずれの場合も好ましくない。
【0055】また、乾燥時の融着、あるいは、高温環境
下でのブロッキングなどを防止するために、ガラス転移
温度の高い樹脂の使用が望ましい。一方、熱定着性の面
では、カプセル壁のガラス転移温度の低い樹脂の使用が
望ましい処から、当該酸基を有する樹脂のガラス転移温
度としては、30〜80℃なる範囲内が適切である。
【0056】以上のような樹脂のほかにも、本発明で用
いられる当該酸基を有する樹脂としては、ウレタン樹
脂、たとえば、特公平1−287183号公報に示され
るようなウレタン樹脂デイスパージョンであるとか、エ
ポキシ樹脂、たとえば、特開昭53−1228号、55
−3481号または55−9433号公報に記述される
ような各種のエポキシ化合物などが挙げられる。
【0057】勿論、酸基を有する樹脂であれば、上述
し、上掲したものに限定されない。本発明のカプセル型
トナーの調製方法としては、まず、その第一工程におい
て、上述され、上掲されたような酸基を有する樹脂が用
いられる。
【0058】この第一工程は、カプセル材となる酸基を
有するた樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に着色剤を分散
せしめるものであるが、その分散化手段としては、ロー
ルミルやサンドミルなどの、公知慣用の手段が適切であ
り、こうした諸々の手段によって微細分散化せしめれば
よい。
【0059】ここにおいて、本発明で用いられる着色剤
としては、これまでに、トナー材料として用いられて来
たような、染料や顔料などが用いられるが、それらのう
ちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
亜鉛黄、黄色酸化鉄、ハンザイェロー、ジスアゾイェロ
ー、キノリンイェロー、パーマネントイェロー、パーマ
ネントレッド、べんがら、リソールレッド、ピラゾロン
レッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアン
トカーミン6B、ブリリアントカーミン3B、紺青、フ
タロシアニンブルー、無金属フタロシアニン、酸化チタ
ンまたはカーボンブラックの如き、各種の顔料類ないし
は油溶性の染料類などであるが、ただ、黒色系のトナー
については、磁性粉のみを以て当該着色剤の替わりとす
ることが出来る。
【0060】かかる磁性粉として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、各種のフェライト、マグネタ
イトもしくはヘマタイトの如き、亜鉛、コバルト、ニッ
ケルまたはマンガンの如き、各種の金属の合金ないしは
化合物(単体それ自体の化合物)などである。
【0061】これらの磁性粉は、球状、キュービック状
(立方体)、正八面体状あるいは針状などであってよ
く、粒径としては、0.1〜0.5μmなる範囲内の平
均粒子径が適切であり、勿論、樹脂溶液への良好なる分
散能を有するように、表面処理を施したものでもよい。
【0062】従来の重合方法では、モノマー中に着色剤
を微細に分散(微分散)せしめたのちに重合が行われる
が、モノマーのように、低粘度のものに着色剤を安定に
微分散せしめるのは、これまた、困難である。
【0063】それに加えて、重合を行っている途中での
着色剤の凝集を防ぐこともまた、困難である。それゆえ
に、重合法による限りは、粒子内の着色剤の分散を均一
にすることは、たとえ、分散安定剤を用いたとしても、
極めて難しいと言える。
【0064】一方、本発明によれば、従来の分散技術を
用いて、容易に、樹脂中に着色剤を微分散できることは
もとより、着色剤の含有量にしても、たとえば、カーボ
ンでは、30重量%というような量でも可能である。
【0065】さらに、この状態を維持したまま、第二工
程により、粒子化とカプセル化とを、瞬時に達成できる
ために、粒子内の着色剤の分散は、均一に為されるとい
う特徴を有するものである。
【0066】すなわち、第二工程は、第一工程で得た着
色剤混合物であって、着色剤を混合分散した酸基を有す
る樹脂溶液に塩基を加えて中和した着色剤混合物を、水
媒体中への転相乳化を行う段階である。
【0067】着色剤を分散混合した酸基を有する樹脂
は、塩基で中和された後に、水媒体を加えて行くことに
よって、W/OからO/Wへの樹脂相の変換が瞬時に行
われ、水媒体中に着色剤を含有した粒子が生成する。
【0068】この場合に、着色剤は、樹脂に吸着されて
粒子内部に取り込まれる。塩基で中和された酸基(親水
部位)は、粒子表面に局在し、水媒体中で安定な形状を
保つために使用される。
【0069】ところで、従来の重合法では、まず、粗カ
プセル単位粒子の形成化、つまり、未だにカプセルとは
なって居ないが、カプセルとなり得るような単位の粒子
(壁材用の素原料を含有する場合もある。)と、引き続
いて、カプセル壁の形成化との二つの工程からなるもの
であり、しかも、それぞれの工程が独立した形の、別々
の工程として実行されていた。
【0070】これに対し、本発明においては、転相乳化
を利用するので、上記した両工程によらず、全く瞬時に
カプセルを形成できるという点に特徴がある。
【0071】そのために、着色剤の分散状態は、樹脂に
微分散した状態が保たれ、言うまでもなく、この着色剤
は粒子中に均一に分散することになる。しかも、乾燥粒
子表面は、完全に樹脂で覆われるために、着色剤に起因
する帯電特性のバラツキも解決される処となる。
【0072】次いで、本発明における第二工程には、カ
プセルの形成に加え、もう一つの重要な因子となる粒径
のコントロールが含まれる。基本的には、酸基を有する
樹脂中に含まれる酸基を中和する塩基の量でコントロー
ルされる。
【0073】本発明の方法においては、適宜、塩基によ
る中和量(中和に要する塩基の量)を、酸基の10〜1
00モル%なる範囲内で変化させることによって、サブ
ミクロン(1ミクロン未満)から30μmまでの粒径の
ものを、任意に、得ることが出来る。
【0074】この粒径のコントロールの容易さもまた、
本発明の一つの特徴となるものである。高解像用トナー
として、5μm粒子レベルが要求されつつあるニーズに
も、即、対応が可能である。
【0075】しかも、転相乳化過程において水媒体相と
有機相が均一に混合される程度の適度のシェアをかけて
いれば、何らの特別な手段を講じることなく、正規分布
を為すカプセル型トナー粒子が得られる。
【0076】ここで、転相までのシェアが弱すぎると、
どうしても、粒度分布が広がるという傾向が見られる。
また、シェアが過度に強すぎると、生成したトナー粒子
が破壊され、凝集物や極めて微細なる粒子が生じ、ひい
ては、分布が広がる。
【0077】本発明においては、瞬時にカプセル壁が形
成されるという面からすれば、より機械的な手法に近
く、一方、相転換の面からすれば、物理化学的な手法に
近く、したがって、本発明は、これらの両手法を融合し
た形のものであると見なすことが出来る。
【0078】本発明のカプセル型トナーは、正規分布を
なして得られるものである処から、粒度分布を、さら
に、揃えるために、分級するとしても、一部に限って、
分級をすればよい。
【0079】かくして分級されたトナーは、第一工程に
戻す形で加えて行くことで、溶媒に再溶解し、再利用も
容易である。第三工程は、有機溶剤や水媒体を除き、粉
末状のドライカプセル粒子を得るものである。
【0080】第二工程で得られたカプセル型トナー粒子
は、水および有機溶剤なる媒体中に分散しているため
に、まず、減圧蒸留により、有機溶剤の除去を行う。か
かる有機溶剤は、低沸点のものが容易に留去される処か
ら好ましい。
【0081】次いで、吸引ろ過により、トナー粒子のウ
ェットケーキを得たのち、ジェットミルなどで乾燥を行
うか、あるいは、スプレードライヤーなどの公知慣用の
方法により、粉末状のカプセル型トナー粒子を得ること
が出来る。
【0082】本発明で得られるカプセル型トナー粒子
は、塩基で中和された酸基が表面を覆っている処から、
場合によっては、粒子間の相互作用により、乾燥工程
で、凝集し融着する傾向が見られる。
【0083】このような問題は、第二工程でカプセル化
を終了した後に、無機酸ないしは有機酸によって逆中和
せしめて、酸に戻すことで解決される。すなわち、こう
した逆中和による酸へのバック化で、水媒体中での安定
性を失わせしめ、それによって、水媒体との分離を容易
にし、しかも、粒子間の相互作用を失わせしめ、それに
よって、乾燥中での融着を防ぐというものである。
【0084】この場合に、ろ過法またはスプレードライ
法などの、公知慣用の技術によって乾燥された粒子は、
凝集も融着も、全く、認められない。また、帯電特性に
ついても、高温高湿下での経時安定性に優れている処か
ら、問題がない。
【0085】トナーのオフセット現象に対しては、必要
に応じて、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワッ
クス、カルナバワックスまたはシリコン系化合物の如
き、各種のワックス類を配合することによって、これを
改善することが出来る。
【0086】本発明においては、第一工程における酸基
を有する樹脂溶液と着色剤とを混合分散せしめる段階
で、こうしたワックス類を添加し、着色剤と同様に、樹
脂中に混合分散せしめることによって、粒子内に均一に
分散し混合せしめることが可能である。
【0087】こうした添加剤の配合量としては、着色剤
を含む樹脂固形分に対して、0.1〜5重量%なる範囲
内が適切である。本発明においては、電荷制御剤を配合
することもまた、可能である。
【0088】添加方法としては、上記のワックス類と同
様、第一工程において、着色剤と樹脂とを混合分散する
段階で添加することにより、粒子内に取り込むことが出
来る。これにより、所望の荷電特性(帯電特性)を与え
るものである。すなわち、該電荷制御剤は、親水性の強
い粒子表面へ取り込まれ、所望の荷電特性(帯電特性)
を与えるものである。
【0089】電荷制御剤の配合量としては、着色剤を含
む樹脂固形分に対して、0.1〜5重量%なる範囲内が
適切である。
【0090】
【実施例】次に、本発明を参考例および実施例により、
一層、具体的に説明する。以下において、部および%は
特に断りの無い限り、すべて重量基準であるものとす
る。
【0091】参考例 1(酸基を有する樹脂の調製例) メチルエチルケトンの200部を反応器に入れ、加熱し
て80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の
混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は
窒素気流中で行った。
【0092】 メタクリル酸 22.5部 スチレン 227 部 アクリル酸−2−エチルヘキシル 33 部 メタクリル酸メチル 37.5部 「パーブチル O」〔日本油脂(株)製の過酸化物触媒〕 3 部 メチルエチルケトン 12 部 上記した混合物の滴下終了の1時間後に、「パーブチル
O」の0.25部を、反応液に加え、さらに、そのの
ち2時間にして、「パーブチル O」の0.25部を加
え、次いで、24時間のあいだ80℃に保持して反応を
続行せしめた。
【0093】反応終了後、加熱残分が53.8%なる酸
基を有する樹脂の溶液を得た。 参考例 2(同上) 次に示すような割合の混合物を、参考例1と同様にし
て、滴下し、反応を行った。
【0094】 メタクリル酸 45 部 スチレン 207 部 アクリル酸−2−エチルヘキシル 33 部 メタクリル酸メチル 15 部 「パーブチル O」〔日本油脂(株)製の過酸化物触媒〕 3 部 メチルエチルケトン 12 部 反応終了後、加熱残分が54%なる酸基を有する樹脂の
溶液を得た。
【0095】参考例 3(同上) 反応容器に、「ブレンマー ME−4000」〔日本油
脂(株)製のモノマー〕の30部およびn−ブタノール
の150部を入れ、攪拌しながら、40℃まで加熱し、
モノマーを完全に溶解せしめた。
【0096】重合性単量体類混合物を、下記のように調
整し、変更した。 メタクリル酸 18 部 スチレン 90 部 アクリル酸−2−エチルヘキシル 33 部 メタクリル酸メチル 129 部 「パーブチル O」〔日本油脂(株)製の過酸化物触媒〕 3 部 n−ブタノール 12 部 この混合溶液の15%を、反応容器中の「ブレンマー
ME−4000」−n−ブタノール溶液に加え、均一に
混合し、90℃まで昇温したのち、残りの混合物を約2
時間に亘って滴下した。
【0097】その後も、90℃に保って、5時間のあい
だ反応を続行せしめて、酸基を有する樹脂の溶液を得
た。 実施例 1 本例は、アミン塩型カーボントナーの調製例である。
【0098】参考例1で得た酸基を有する樹脂の溶液2
00部および「MA−100」〔三菱化成工業(株)製
のカーボンブラック〕11.9部を、「アイガーモータ
ーミル M−250 VSE−EXJ」〔アイガー社製
品〕にて、1時間のあいだ混合せしめたものに、ジメチ
ルアミノエタノール12.8部を加え、TKホモミキサ
ーを用いて、2,500RPMにて撹拌しながら、水を
滴下して転相乳化を行った。
【0099】減圧蒸留により有機溶剤を除去し、アミン
塩型カーボントナーの水分散液を得た。次いで、これを
スプレードライヤーで乾燥せしめて、目的とするトナー
粉末を得た。
【0100】本例により得られたカーボントナーの性状
値を、第1表に示す。また、このトナーを用いてテスト
用チャートの複写を行ったところ、再現性のある画像が
得られ、実際の使用に耐え得るものであることが確認さ
れた。
【0101】実施例 2 本例は、カルボン酸型カーボントナーの調製例である。
実施例1で得た、アミン塩型カーボントナーの水分散液
のpHが6となるまで、0.01Nの塩酸水溶液をゆっ
くり加えた。
【0102】スプレードライヤー法により乾燥せしめ
て、目的とするカルボン酸型カーボントナーの粉末を得
た。本例により得られたカーボントナーの性状値を、第
1表に示す。
【0103】また、このトナーを用いてテスト用チャー
トの複写を行ったところ、再現性のある画像が得られ、
実際の使用に耐え得るものであることが確認された。 実施例 3 本例もまた、カルボン酸型カーボントナーの調製例であ
る。
【0104】参考例2で得た酸基を有する樹脂の溶液2
00部、メチルエチルケトンの65部および「MA−1
00」5.6部を、「アイガー M−250 VSE−
EXJ」にて、1時間のあいだ混合せしめたものに、ジ
メチルアミノエタノール5部を加え、スリーワンモータ
ーを用いて、350RPMにて撹拌しながら、水を滴下
して転相乳化を行った。
【0105】減圧蒸留により有機溶剤を除去し、液性が
pH6となるまで、0.01Nの塩酸水溶液をゆっくり
加えた。次いで、これをスプレードライヤー〔東京理化
(株)製の卓上型スプレードライヤー SD−1型を使
用〕で乾燥せしめて、目的とするトナー粉末を得た。
【0106】本例により得られたカーボントナーの性状
値を、第1表に示す。また、このトナーを用いてテスト
用チャートの複写を行った処、再現性のある画像が得ら
れ、実際の使用に耐え得るものであることが確認され
た。
【0107】実施例 4 本例もまた、カルボン酸型カーボントナーの調製例であ
る。参考例3で得た酸基を有する樹脂の溶液200部、
メチルエチルケトン65部および「MA−100」1
1.9部を「アイガー M−250 VSE−EXJ」
にて1時間のあいだ混合せしめたものに、ジメチルアミ
ノエタノールの3.4部を加え、TKホモミキサーを用
いて、250RPMにて撹拌しながら、水を滴下して転
相乳化を行った。
【0108】減圧蒸留により有機溶剤を除去し、液性が
pH6となるまで、0.01Nの塩酸水溶液をゆっくり
加えた。次いで、これをスプレードライヤーで乾燥せし
めて、目的とするトナー粉末を得た。
【0109】コールタールマルテイサイザーにより測定
した、トナーの平均粒は10.8μmであって、5μm
以上20μm以下のトナーは、85.8%なる収率で得
られた。
【0110】実施例 5 本例は、磁性トナーの調製例である。参考例1で得た酸
基を有する樹脂の溶液200部、メチルエチルケトン6
5部および「マビコブラック BL−500」〔チタン
工業(株)製の四三酸化鉄粉末〕100部を、「アイガ
ー M−250 VSE−EXJ」にて、2時間のあい
だ混合せしめたものに、ジメチルアミノエタノール1
3.5部を加え、スリーワンモーターを用いて、350
RPMにて撹拌しながら、水を滴下して転相乳化を行っ
た。
【0111】減圧蒸留により有機溶剤を除去し、液性が
pH6となるまで、0.01Nの塩酸水溶液をゆっくり
加えた。次いで、これをスプレードライヤーで乾燥せし
めて、目的とするトナー粉末を得た。
【0112】コールタールマルテイサイザーにより測定
した、トナーの平均粒は10μmであって、5μm以上
20μm以下のトナーは、80%なる収率で得られた。
【0113】
【表1】
【0114】註1) コールタールマルティサイザーに
より測定した値である。
【0115】註2) 測定方法としては、トナーの1g
と、「TSV−200DC #906074」〔パウダ
ーテック(株)製のキャリヤー〕とからなる現像剤を試
料とし、この試料を、それぞれ、 10℃なる低温
で、かつ、30%なる低湿の条件、 常温(25℃)
・常湿(55%)の条件、および 35℃なる高温
で、かつ、85%なる高湿の条件という各環境下に、1
6時間、放置した。次いで、これをボールミルにより、
238RPMで、1時間のあいだチャージ・アップし
て、帯電量を測定した。この結果を「測定値A」とし
た。
【0116】同上の試料を、さらに、同上の各環境に、
24時間放置した場合についても、帯電量の測定を行っ
た。この結果を「測定値B」とした。
【0117】こうした測定値Bの測定ののち、再び、チ
ャージ・アップを10分間に亘って行い、次いで、帯電
量の測定を行った。この結果を「測定値C」とした。
【0118】いずれも、帯電荷電量の単位は、マイクロ
クーロン(μc)/gである。 註3) 測定に際して、各トナーの5μm以上20μm
以下の粒子は、分級により除去した。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、分散安定剤を含まな
い、着色剤が均一に粒子内に分散したカプセル型トナー
粒子を、従来には無い簡単なプロセスで得ることができ
る。粒径は実質的に酸基を中和する塩基の量で容易にコ
ントロールされる。また、粒度分布は樹脂の転相乳化と
いう物理化学的な現象を利用しているために、正規分布
をなすものが得られる。
【0120】粒子を形成する樹脂は、各種の酸基を樹脂
を用いることができるので、帯電特性、流動性、定着性
などの所望の特性が得られ易い。着色剤も任意のものが
使用できる。本発明によって得られるカプセル型トナー
粒子は、粒子表面が樹脂で完全に覆われている処から、
着色剤による表面電荷への影響が無く、カラートナーへ
の対応も容易に為されるものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−302269(JP,A) 特開 平2−166468(JP,A) 特開 昭57−23946(JP,A) 特開 平4−303849(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 311

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸基を有する樹脂を有機溶剤に溶解した
    溶液に着色剤を分散混合した後、該酸基を塩基により中
    和してなる着色剤混合物を調製する第一工程、次いで、
    かくして得られる着色剤混合物を転相乳化せしめること
    により、水媒体中にカプセル化された粒子を生成せしめ
    る第二工程と、しかる後、前記水媒体中に生成したカプ
    セル粒子を水媒体から分離し、乾燥せしめる第三工程と
    から成ることを特徴とする、カプセル型トナーの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 酸基を有する樹脂を有機溶剤に溶解した
    溶液に着色剤を分散混合した後、該酸基を塩基により中
    和してなる着色剤混合物を調製する第一工程、次いで、
    かくして得られる着色剤混合物を転相乳化せしめること
    により、水媒体中にカプセル化された粒子を生成せしめ
    る第二工程と、しかる後、前記水媒体中に生成したカプ
    セル粒子を水媒体から分離し、乾燥せしめる第三工程と
    から成り、しかも、該転相乳化後において、中和された
    酸基を逆中和せしめることを特徴とする、カプセル型ト
    ナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 酸基を有する樹脂が、酸基含有重合性単
    量体類、酸基含有重合性オリゴマー類、酸基を含有しな
    い重合性単量体類、および酸基を含有しない重合性オリ
    ゴマー類よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の化
    合物を用いて得られる共重合体であって、かつ、樹脂固
    形分の100g当たり20〜500mg当量の酸基を有
    するものである、請求項1または2に記載のカプセル型
    トナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記した酸基を有する樹脂が、カルボキ
    シル基、燐酸基、スルホン酸基および硫酸基よりなる群
    から選ばれる、少なくとも1種の酸基を有するものであ
    る、請求項1、2または3に記載のカプセル型トナーの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記した第一工程において、さらに、
    0.1〜5重量部の帯電制御剤を添加せしめることから
    成る、請求項1または2に記載のカプセル型トナーの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記した第一工程において、さらに、
    0.1〜5重量部の離型剤を添加せしめることから成
    る、請求項1または2に記載のカプセル型トナーの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記した第一工程において、さらに、磁
    性粉を添加せしめることから成る、請求項1または2に
    記載のカプセル型トナーの製造方法。
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