JP2004310050A - マイクロカプセル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 乳化分散剤を用いることなく、着色粒子が油相に分散した芯物質を内包し、かつ均一な粒度のマイクロカプセルを得る。
【解決手段】 酸基を中和した樹脂と着色粒子と有機溶媒とを含む有機分散液を調製し、この有機分散液を水性媒体中に分散させ、前記着色粒子が有機溶媒中に分散した分散系と、この分散系を内包する壁膜とで構成されたカプセル粒子を水性媒体中に生成させ、このカプセル粒子を水性媒体から分離して乾燥することにより、前記分散系を内包するマイクロカプセルを製造する。前記有機分散液は、有機溶媒として、壁膜を構成する樹脂を溶解し、かつ水性媒体に対して混和性の極性溶媒と疎水性有機溶媒とを含んでいてもよい。カプセル粒子の壁膜は、架橋剤により架橋又は硬化してもよい。マイクロカプセルは電位差により油相中で着色粒子が電気泳動可能な画像表示素子として利用できる。
【選択図】 なし
【解決手段】 酸基を中和した樹脂と着色粒子と有機溶媒とを含む有機分散液を調製し、この有機分散液を水性媒体中に分散させ、前記着色粒子が有機溶媒中に分散した分散系と、この分散系を内包する壁膜とで構成されたカプセル粒子を水性媒体中に生成させ、このカプセル粒子を水性媒体から分離して乾燥することにより、前記分散系を内包するマイクロカプセルを製造する。前記有機分散液は、有機溶媒として、壁膜を構成する樹脂を溶解し、かつ水性媒体に対して混和性の極性溶媒と疎水性有機溶媒とを含んでいてもよい。カプセル粒子の壁膜は、架橋剤により架橋又は硬化してもよい。マイクロカプセルは電位差により油相中で着色粒子が電気泳動可能な画像表示素子として利用できる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電気泳動式画像表示装置で好適に使用できるマイクロカプセル(カプセル型インク)とその製造方法に関する。
マイクロカプセル化技術は、染料、香料、液晶、酵素、触媒、接着剤などの種々の物質(芯物質)を封入する1つの手段として幅広く応用されており、これらの芯物質の取扱い性を改善するとともに、芯物質の機能を長期間保持できる利点がある。
一方、表示技術は、画像や文字情報などを表示する方式から、液晶(Liquid Crystal)方式、プラズマ発光方式、EL(エレクトロルミネセンス)方式などを利用して可視化する方式に至るまで多岐にわたる。近年、半導体技術の急速な進歩による各種電子装置の小型化に伴い、ディスプレイデバイスに対しても、小型化、軽量化、低駆動電圧化、低消費電力化、薄型フラットパネル化などが求められている。この要求に対応する新たな表示方法として、分散媒中に電気泳動粒子が分散した分散系(芯物質)をマイクロカプセル内に封入し、これらのマイクロカプセルを電極板間に介在させ、電界の印加により電極間でマイクロカプセル内で泳動粒子を移動させることにより、表示面への画像の書き込みが可能な電気泳動式画像表示装置が提案されている。
特開平11−119264号公報(特許文献1)には、分散媒中に帯電粒子が分散した分散系を封入した多数のマイクロカプセルと、これらのマイクロカプセルを挟んで配設された一組の対向電極とを備え、制御電圧の作用により前記帯電粒子の分布状態を変えることにより、光学的反射特性に変化を与えて所定の表示動作を行うための表示装置において、前記帯電粒子の粒子径が、前記マイクロカプセルの粒子径に対して約1/1000〜1/5であり、前記帯電粒子の粒度分布の分散度(体積平均粒子径/個数平均粒子径)が1〜2である表示装置が開示されている。特開平11−202372号公報(特許文献2)には、前記分散系がマイクロカプセルに内包された少なくとも2種類の帯電粒子と、界面活性剤を含む分散媒とで構成されており、前記帯電粒子が、酸化チタン及びカーボンブラックのうち少なくとも一方を含む表示装置が開示されている。
特許第2551783号公報(特許文献3)には、前記電極間に配設するマイクロカプセルとして、着色した分散媒中に、この分散媒と光学的特性の異なる少なくとも一種類の電気泳動粒子を分散させた分散系を封入したマイクロカプセルを用いた電気泳動表示装置が開示されている。さらに、特表2001−503873号公報(特許文献4)には、配列した複数の微細な容器(又はマイクロカプセル)と、この配列の両側に配置して配列を覆い、かつ少なくとも一方が実質的に視覚的に透明である第1及び第2の電極と、これら2つの電極間に電位差を生成する手段と、前記容器の内部に配設され、かつ誘電性液体と、この誘電性液体内で表面電荷を呈する粒子からなる懸濁物質とを備えており、前記誘電性液体と前記粒子とが視覚的に対照的なものであり、電位差により前記粒子が前記電極の一方に向かって移動する起電表示装置が開示されている。
このようなマイクロカプセルにおいて、芯物質として液体を内包するためには、マイクロカプセルの壁膜は緻密でなくてはならない。マイクロカプセルの製造方法には、物理化学的方法および化学的方法が知られており、これらの方法はマイクロカプセルの用途に応じて適宜選択して利用されている。物理化学的方法としては、ゼラチンを使用したコアセルベーション法がよく知られており、近藤保らによる著書、三共出版「新版マイクロカプセル(1987年)」(非特許文献1)に詳しい。この方法は、広い分野で応用されているものの、天然物のゼラチンを使用するため、膜材としての品質が変動したり、カプセルの耐水性が低く、用途が制限される。また、芯物質(油分散型着色剤など)を内包しないコアセルベート粒子/滴の生成や、複数の芯物質を内包したカプセルの発生を防止することも不可能である。さらには、コアセルベーション法そのものはカプセル壁を作製する方法であり、粒径をコントロールできず、粒子の粒度分布は芯物質の分散状態に依存する。そのため、コアセルベーション法では、粒径及び粒度分布をコントロールしつつ、油相に着色剤が分散した分散系を内包するマイクロカプセルを高い収率で得ることが困難である。
化学的方法としては、連続相の水相から反応が進行し、芯物質の周囲にアミノ樹脂などの壁膜を形成させるin-situ重合法(相分離法)の他、水相と油相との双方に反応成分を存在させ、界面において重合又は縮合反応を行ない、ポリマーのマイクロカプセル壁膜を形成させる界面重合法が知られている。油相に着色剤が分散した分散系を内包するカプセル型インクの製法には、特に、アミノ樹脂を用いたin-situ重合法(例えば、特公平5-27452号公報(特許文献5)、特公平5-51339号公報(特許文献6)、特公平5-53538号公報(特許文献7)、特公平5-53539号公報(特許文献8))が利用されている。しかし、カプセル成形に伴って着色剤を含まない多数のカプセル粒子が副生するため、乳化分散剤のみならず副生粒子を除去する工程が不可欠である。さらに、コアセルベーション法と同様に、粒度分布は芯物質の分散状態に依存する。また、界面重合法では、連続相である水相に存在する多価アルコールと、芯物質の油相に存在するイソシアネートモノマーを界面において重合反応させることによってカプセル壁膜を形成する方法(例えば、特開平6−000362号公報(特許文献9)、特開平6−343852号公報(特許文献10)、特公昭61−37975号公報(特許文献11)、特許第2797960号公報(特許文献12)、特許第3035726号公報(特許文献13))が知られている。この方法では、芯物質を含有しない粒子の生成を抑制できる利点がある。しかし、前記方法では、油相と水相とに未反応のモノマーが残留し、電気泳動式表示材料用のカプセル型インクとして用いると、油相中に残存する極性の高いイソシアネートモノマーが着色微粒子の電気泳動特性を損なう。さらにコアセルベーション法やin-situ重合法によるカプセル化法と同様に、粒度分布は芯物質の分散状態に依存する。
そのため、電気泳動用マイクロカプセル型インクとして、着色剤を含まないマイクロカプセル粒子の生成を抑制するとともに、粒径のコントロールが可能な新たなマイクロカプセル化技術が要望されていた。
なお、特開平5−66600号公報(特許文献14)には、静電潜像を可視像とするための粉体トナーとして、着色剤がアニオン型自己水分散性樹脂に内包されたカプセル型トナーが開示されている。この文献には、アニオン型自己分散性樹脂として、樹脂固形分100g当たり、カルボキシル基などの酸基20〜500mg当量を有する共重合体が記載されている。また、アニオン型自己水分散性樹脂と着色剤とを含有する混合組成物を分散させ、この混合組成物を転相乳化して水媒体中にカプセル化された粒子を生成させ、生成したカプセル粒子を水媒体から分離して乾燥させる方法、前記転相乳化後に中和された酸基を逆中和して遊離の酸基を生成させる方法によりトナーを製造することが記載されている。生成したカプセル型トナーでは、転相に利用された有機溶媒及び水が乾燥により除去されているとともに、このトナーは加熱溶融して被転写体に定着する。そのため、上記カプセル型トナーは、カプセル内で着色剤を泳動できない。また、樹脂を架橋すると、トナーの定着性が損なわれる。
特開平11−119264号公報
特開平11−202372号公報
特許第2551783号公報
特表2001−503873号公報
特公平5−27452号公報(特許請求の範囲)
特公平5−51339号公報(特許請求の範囲)
特公平5−53538号公報(特許請求の範囲)
特公平5−53539号公報(特許請求の範囲)
特開平6−000362号公報
特開平6−343852号公報(特許請求の範囲)
特公昭61−37975号公報(特許請求の範囲、第1頁左欄)
特許第2797960号公報(特許請求の範囲及び段落番号[0009])
特許第3035726号公報(特許請求の範囲)
特開平5−66600号公報
「新版マイクロカプセル」、近藤保ら、三共出版、1987年
従って、本発明の目的は、着色粒子が油相に分散した分散系を内包し、かつ制御された粒径を有するマイクロカプセルとその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、電気泳動可能な着色粒子を油相に含み、かつ芯物質の分散状態に依存することなく、シャープで均一な粒度を有するとともに、壁膜の強度を高めて壁膜の厚みを薄くでき、透明性の高いマイクロカプセルとその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、電気泳動可能な着色粒子を含む油相を内包していても安定性、耐久性および透明性の高いマイクロカプセルとその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、乳化分散剤を用いることなく、非カプセル粒子の生成を抑制し、確実にマイクロカプセルを簡便かつ効率よく製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、酸基が塩基で中和された樹脂を含む有機分散液を水系に分散(乳化分散又は転相乳化)させると、分散安定剤を用いることなく、粒径をコントロールしつつ、油相に着色剤粒子が分散した分散系(芯物質)を内包したマイクロカプセル(又はカプセル型インク)を確実かつ極めて簡便なプロセスで調製できること、及び前記有機分散液が樹脂を溶解可能な水溶性極性溶剤を含む場合には樹脂の中和度が低くても水系に安定に分散させることができるとともに未中和の酸基を架橋に利用できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のマイクロカプセルは、油相(又は疎水性液体や有機溶媒)に着色粒子が分散した分散系と、この分散系を内包する壁膜とで構成されたマイクロカプセルであって、前記壁膜が酸基又はその塩を有する樹脂(以下、単にアニオン型樹脂又はアニオン型水分散性樹脂という場合がある)で形成されている。このアニオン型樹脂は、適当な酸価を有する重合体、例えば、遊離の形態で、酸価20〜400mgKOH/g(例えば、20〜120mgKOH/g)を有する重合体(又は共重合体)で構成できる。前記カプセルの壁膜を構成するアニオン型樹脂は、架橋又は硬化していてもよい。例えば、壁膜を構成する樹脂は、自己架橋性基、樹脂の反応性基又は架橋剤に対する架橋性基(又は架橋性官能基)を有していてもよい。前記分散系は、種々の油相(例えば、電気絶縁性を有する誘電性液体)と、この油相中に分散した単一又は複数種の着色粒子とで構成してもよい。油相中に分散した着色粒子は、通常、帯電しており、電位差によりマイクロカプセル内で電気泳動可能である。着色粒子の平均粒子径は、10〜500nm程度であってもよく、マイクロカプセルの平均粒子径は、1〜1000μm程度であってもよい。また、マイクロカプセルの平均壁膜厚みは2μm以下であってもよい。このようなマイクロカプセルは、電気泳動を利用した電気泳動式画像表示装置用マイクロカプセルとして有用である。すなわち、一対の電極間に介在させ、着色粒子の電気泳動により画像を表示するためのマイクロカプセル(画像表示素子)として有用である。
前記分散系を内包するマイクロカプセルは、例えば、酸基を中和したアニオン型樹脂と着色粒子と有機溶媒とを含む混合液(有機分散液)を調製する工程と、この混合液を水性媒体中に分散(転相乳化、乳化分散などにより分散)し、前記着色粒子が有機溶媒中に分散した分散系と、この分散系を内包する壁膜とで構成されたカプセル粒子を水性媒体中に生成させる工程と、このカプセル粒子を水性媒体から分離して乾燥する工程とを経ることにより製造できる。この方法において、壁膜を構成するアニオン型樹脂は、適当な段階で、架橋又は硬化させてもよい。少なくとも前記有機分散液を前記水性媒体中に分散させる工程において、壁膜を構成する樹脂を溶解し、かつ水性媒体に対して混和性の極性溶媒と疎水性有機溶媒とを有機溶媒として含む有機分散液を、水性媒体中に分散させてもよい。例えば、マイクロカプセルの製造方法は、壁膜を構成する樹脂を溶解し、かつ水性媒体に対して混和性の極性溶媒中で、アニオン型樹脂の酸基を中和する中和工程(例えば、前記樹脂を水分散性とするに足る量の中和剤で酸基を中和する工程)と、この中和工程で生成した樹脂含有有機溶媒溶液と着色剤とを混合して有機分散液を調製する工程と、この有機分散液を水性媒体(例えば、水)に分散(例えば、有機分散液に水性媒体を添加して転相乳化したり、水性媒体に有機分散液を添加して乳化分散させることにより分散)し、カプセル粒子(例えば、油中に分散した着色剤がアニオン型樹脂によりカプセル化(内包)されたカプセル粒子)を含む水性分散液を生成させる工程と、水性媒体中でカプセル粒子の壁膜を架橋又は硬化させる工程と、カプセル粒子を水性媒体から分離して乾燥させる工程とで構成してもよい。また、架橋剤を用いて、カプセル粒子の壁膜を架橋又は硬化させてもよい(例えば、カプセル粒子を含む水性分散液を生成させた後、架橋剤を添加し、壁膜を架橋又は硬化させてもよい)。壁膜を構成する樹脂を、架橋剤を用いて架橋又は硬化させた後、未反応の架橋剤をさらに多官能化合物で架橋又は硬化させてもよい。
本発明では、酸基又はその塩を有するアニオン型樹脂(例えば、水性媒体中で自己分散能を有するアニオン型水分散性樹脂)を用いて分散(転相乳化や乳化分散など)によりマイクロカプセルを形成するため、水性媒体中への微粒子化とカプセル壁の形成とを実質的に同時に行うことができる。そのため、特別の装置を必要とせず、分散安定剤を用いることなく、マイクロカプセルを簡便かつ効率よく生成できる。また、アニオン型樹脂の特性(例えば、アニオン型水分散性樹脂の自己分散能)を調整することにより、マイクロカプセルの粒子径などを精度よくコントロールできる。
なお、本願明細書において、「アニオン型樹脂」「アニオン型水分散性樹脂」とは、酸性基又はその塩を有する樹脂を意味し、この樹脂は、遊離の形態では、非水溶性(又は不溶性)であってもよく、少なくとも一部の酸基を塩基で中和することにより水に対して水溶性又は水分散性(換言すれば、少なくとも水分散性)である。すなわち、「アニオン型樹脂」「アニオン型水分散性樹脂」は、少なくとも一部の酸基を塩基で中和し、かつ有機相(又は有機溶媒相)に含有させることにより、有機連続相が水性媒体の連続相(又は水連続相)と相転換が可能である。また、「酸基」を「酸性基」と同義に用いる場合がある。さらに、「着色粒子」を「着色剤」と同義に用いる場合がある。さらに、アクリル系単量体とメタクリル系単量体とを(メタ)アクリル系単量体と総称する場合がある。
本発明では、特定の樹脂を利用するため、着色粒子が油相に分散した分散系を内包し、かつ制御された粒径を有するマイクロカプセルを得ることができる。また、電気泳動可能な着色粒子を油相に含み、かつ芯物質の分散状態に依存することなく、シャープで均一な粒度を有するとともに、壁膜の強度を高めて壁膜の厚みを薄くでき、透明性の高いマイクロカプセルを得ることができる。さらに、マイクロカプセルは、芯物質を内包していても安定性、耐久性および透明性が高い。さらには、本発明では、乳化分散剤を用いることなく、前記特性を有するマイクロカプセルを簡便かつ効率よく製造できる。特に、非カプセル粒子の生成を抑制しつつ、前記分散系を内包するマイクロカプセルを確実に生成できる。
[マイクロカプセル]
本発明のマイクロカプセルは、油相中に着色粒子が分散した分散系(又は油相分散系)と、この分散系を内包し、かつ酸基又はその塩を有する樹脂(アニオン型樹脂)で形成された壁膜とで構成されている。アニオン型樹脂(又は自己水分散性樹脂)は、親水性を付与するため、酸基を有している。この酸基が塩基により中和されると、水媒体中でアニオンを生成し、親水性を呈する。代表的な酸基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、燐酸基、スルホン酸基、硫酸基などが例示できる。これらの酸基は単独で又は二種以上組み合わせて樹脂に導入してもよい。酸基は、通常、カルボキシル基又は酸無水物基、スルホン酸基である場合が多い。
本発明のマイクロカプセルは、油相中に着色粒子が分散した分散系(又は油相分散系)と、この分散系を内包し、かつ酸基又はその塩を有する樹脂(アニオン型樹脂)で形成された壁膜とで構成されている。アニオン型樹脂(又は自己水分散性樹脂)は、親水性を付与するため、酸基を有している。この酸基が塩基により中和されると、水媒体中でアニオンを生成し、親水性を呈する。代表的な酸基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、燐酸基、スルホン酸基、硫酸基などが例示できる。これらの酸基は単独で又は二種以上組み合わせて樹脂に導入してもよい。酸基は、通常、カルボキシル基又は酸無水物基、スルホン酸基である場合が多い。
前記アニオン型樹脂は、酸基を有し、かつ中和処理により生成した樹脂を含む有機連続相が水性媒体(水など)との混合により、分散(乳化分散、相転換(又は転相乳化)などにより分散)し、有機相が水性連続相に分散して不連続相(又は有機液滴相)を形成可能であればよい。このような樹脂は、酸基(カルボキシル基及び/又はスルホン酸基など)を所定の濃度で含む縮合系樹脂(例えば、ポリエステル系樹脂(脂肪族ポリエステル系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリエステル系エラストマーなど)、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂など)であってもよく、重合系樹脂(オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂など)であってもよい。
代表的な酸基を有する樹脂は、少なくとも酸基を有する重合性単量体類(又は酸性重合性単量体類)の重合により得ることができ、通常、酸性重合性単量体類と、この酸性重合性単量体類に対して共重合可能な重合性単量体類(酸基を含有しない重合性単量体類)とを共重合させることにより得ることができる。さらに、必要に応じて、酸基以外の架橋性官能基を含有する単量体を共重合させてもよい。
代表的な酸基含有重合性単量体類としては、例えば、重合性カルボン酸類[(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの重合性モノカルボン酸類、イタコン酸モノC1-10アルキルエステル(イタコン酸モノブチルなど)、マレイン酸モノC1-10アルキルエステル(マレイン酸モノブチルなど)などの重合性多価カルボン酸の部分エステル類、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの重合性多価カルボン酸類、無水マレイン酸などの重合性多価カルボン酸類に対応する酸無水物など]、燐酸基含有単量体又はアシッドホスホオキシアルキル(メタ)アクリレート類[2−ホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、4−ホスホオキシブチル(メタ)アクリレートなどのホスホオキシC2-6アルキル(メタ)アクリレート、ホスホオキシアシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレートなどのアシッドホスホオキシC2-6アルキル(メタ)アクリレートなど]、スルホン酸基含有重合性単量体[3−クロロ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸など]、スルホアルキル(メタ)アクリレート[2−スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホC2-6アルキル(メタ)アクリレートなど]などが例示できる。これらの酸基含有重合性単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい重合性単量体は、カルボキシル基又は酸無水物基やスルホン酸基を有する重合性単量体である。酸基含有重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸を用いる場合が多い。
酸基含有重合性単量体の使用量は、転相乳化や乳化分散などにより水性連続相中に樹脂含有有機相が分散して液滴を形成可能な範囲、例えば、後述する所定の酸価を樹脂に与える範囲で選択できる。酸基含有重合性単量体の使用量は、通常、単量体全体に対して3〜80モル%、好ましくは5〜70モル%(例えば、10〜60モル%)、さらに好ましくは15〜50モル%(例えば、20〜40モル%)程度であってもよい。また、酸基含有重合性単量体の使用量は、通常、単量体全体に対して3〜20モル%、好ましくは4〜15モル%(例えば、5〜15モル%)、さらに好ましくは5〜12モル%(例えば、5〜10モル%)程度であってもよい。
共重合可能な重合性単量体類としては、例えば、スチレン系単量体(又は芳香族ビニル単量体)類[スチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレンなど]、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル類]、ビニルエステル類又は有機酸ビニルエステル類[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどの直鎖状又は分岐鎖状C2-20脂肪族カルボン酸ビニルエステル、安息香酸ビニルなどの芳香族カルボン酸ビニルエステルなど]、重合性ニトリル類又はシアン化ビニル類[(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン類[エチレン、プロピレン、1−ブテンなどのα−C2-10オレフィンなど]、ハロゲン含有単量体類[塩素含有単量体類(塩化ビニル、塩化ビニリデンなど)、フッ素原子を有するビニル単量体類(フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、含フッ素アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類など)など]、紫外線吸収性や酸化防止性を有する単量体類[2−(2’−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール環を有する重合性単量体、2−ヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン骨格を有する重合性単量体、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレートなどの2,2,6,6−テトラメチルピペリジル基を有する重合性単量体など]、窒素含有単量体類[N−ビニルピロリドン、ジアセトンアクリルアミドなど]、分子片末端に1つの重合性不飽和基を有するマクロモノマー類などが挙げられる。これらの共重合性単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの共重合性単量体のうち、通常、スチレン系単量体(特に、スチレン)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[特に、アクリル酸C1-12アルキルエステル、メタクリル酸C1-4アルキルエステル(メタクリル酸メチルなど)]が使用され、共重合体は、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体であってもよい。
好ましいアニオン型樹脂は、通常、架橋又は硬化に関与する官能基(自己架橋性基、樹脂の反応性基又は架橋剤に対する架橋性官能基)を有している。このようなアニオン型樹脂は、前記酸基を有する重合性単量体及び/又は共重合性単量体などと共に、官能基(自己架橋性基及び/又は架橋性官能基)を有する重合性単量体を共重合することにより得てもよい。また、アニオン型樹脂の酸基を架橋性官能基として利用してもよく、このようなアニオン型樹脂は、前記酸基を有する重合性単量体と必要により前記共重合性単量体とを重合することにより得ることができる。
自己架橋性基を有する重合性単量体としては、メチロール基やN−アルコキシメチル基を有する重合性単量体[N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド類など]、シリル基又はアルコキシシリル基を有する重合性単量体[ジメトキシメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシランなどのC1-2アルコキシビニルシラン類、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキルC1-2アルコキシシラン類など]などが例示できる。
また、前記架橋性官能基は、樹脂に導入された官能基及び/又は架橋剤の種類に応じて、架橋系を形成可能な官能基を有する重合性単量体を共重合することにより樹脂に導入できる。このような架橋系を構成する官能基としては、カルボキシル基又は酸無水物基に対する反応性基(例えば、エポキシ基又はグリシジル基、ヒドロキシル基、メチロール基やN−アルコキシメチル基)、ヒドロキシル基に対する反応性基(例えば、カルボキシル基又は酸無水物基イソシアネート基、メチロール基やN−アルコキシメチル基、シリル基又はアルコキシシリル基)などが例示できる。架橋性官能基は、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、グリシジル基で構成する場合が多い。
架橋系を形成可能な単量体に関し、カルボキシル基又は酸無水物基を有する重合性単量体、メチロール基、N−アルコキシメチル基、シリル基又はアルコキシシリル基を有する重合性単量体は前記の通りである。エポキシ基又はグリシジル基含有重合性単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが例示できる。ヒドロキシル基を有する重合性単量体としては、アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレートなど)、ラクトン類を付加した(メタ)アクリル系単量体(ダイセル化学工業(株)製「プラクセル FM−2」「プラクセルFA−2」など)、(ポリ)オキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど)などのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルなどが例示できる。イソシアネート基を有する重合性単量体としては、例えば、ビニルフェニルイソシアネートなどが例示できる。
自己架橋性基や架橋性官能基を有する重合性単量体の使用量は、樹脂の特性に応じて選択でき、例えば、単量体全体に対して、1〜30モル%(例えば、3〜30モル%)、好ましく4〜25モル%、さらに好ましくは5〜20モル%程度であってもよい。
重合性単量体の重合は、慣用の方法、例えば、熱重合法、溶液重合法、懸濁重合法などが利用でき、通常、反応溶媒(有機溶媒)中で重合する溶液重合法を利用する場合が多い。反応溶剤としては、不活性溶媒、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、(イソ)プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、セロソルブ、カルビトールなどのエーテルアルコール類、ブチルセロソルブアセテートなどのエーテルエステル類などが例示できる。これらの溶媒は単独で又は混合溶媒として使用できる。好ましい形態では、脱溶剤が容易な溶媒、例えば、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどの低沸点溶媒(例えば、沸点70〜120℃程度の溶媒)が使用される。
重合性単量体の重合は、重合開始剤の存在下で行うことができる。重合開始剤としては、過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化ジアシル類、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシドなどの過酸化ジアルキル類、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのアルキルヒドロペルオキシド類、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエートなど)やアゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなど)、過硫酸塩、過酸化水素などが例示できる。なお、重合は、通常、50〜150℃程度の温度で、不活性雰囲気中で行うことができる。
前記アニオン型樹脂の分子量は、カプセル壁としての機械的特性などを損なわない範囲から選択でき、通常、数平均分子量0.3×104〜10×104、好ましくは0.5×104〜7×104(例えば、1×104〜5×104)程度の範囲から選択できる。分子量が小さいと、カプセル壁としての特性(例えば、機械強度など)が低下しやすく、大き過ぎると、粘度が高く、分散性(乳化分散性や転相乳化性など)が低下したり、粒径のコントロール、粒径分布(粒度分布)のシャープネスを低下させる虞がある。
なお、前記水分散性樹脂の分子量は、重合開始剤の種類とその量、重合温度、使用する有機溶媒の種類とその量などで調整できる。また、多官能性ラジカル重合性単量体(ジビニルベンゼンやエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、多官能性重合開始剤類(複数のパーオキシ基や複数のアゾ基を有する重合開始剤など)、連鎖移動剤類などの使用によっても分子量を調整できる。
乾燥過程での融着防止や高温環境下でのブロッキング防止、さらには電気泳動式表示材料としての観点から、樹脂は、マイクロカプセルが使用される環境温度、例えば、50℃以下の温度(例えば、温度10〜30℃程度の室温など)で固体であり、かつ透明性が高いのが望ましい。
前記水分散性樹脂の酸基の濃度は、酸基の少なくとも一部(一部又は全部)を塩基で中和して、転相乳化や乳化分散などによる水性媒体中への分散に伴って、安定なカプセル粒子を形成できる範囲から選択でき、樹脂の酸価は、酸基が遊離の形態で、例えば、20〜400mgKOH/g、好ましくは30〜400mgKOH/g(例えば、30〜300mgKOH/g)、さらに好ましくは50〜400mgKOH/g(例えば、100〜300mgKOH/g)、特に、150〜400mgKOH/g程度であってもよい。また、樹脂の酸価は、例えば、20〜120mgKOH/g、好ましくは20〜100mgKOH/g(例えば、30〜100mgKOH/g)、さらに好ましくは20〜70mgKOH/g程度であってもよい。酸価とは、樹脂固形分1gを中和するのに必要なKOHのmg量である。酸価が小さすぎると、酸基の100モル%以上を塩基で中和しても、分散(転相乳化、乳化分散)およびカプセル粒子の形成が困難である。一方、酸価が高すぎると、水性媒体中での粒子形成が不安定となる。
アニオン型樹脂は、内包する芯物質の油相(有機相又は有機溶媒相)の揮散や漏出を抑制するため、芯物質の油相に対してバリア性を有する樹脂(例えば、油相に対して不溶性又は非浸食性樹脂)であるのが好ましい。このような点から、壁膜を構成するアニオン型樹脂は、架橋又は硬化しているのが好ましい。
アニオン型樹脂のガラス転移温度は、マイクロカプセルの環境温度に応じて、例えば、−25〜200℃(例えば、−25〜150℃)、好ましくは0〜150℃(例えば、0〜120℃)、さらに好ましくは25〜150℃(特に、25〜120℃)程度の範囲から選択できる。アニオン型樹脂のガラス転移温度は、50〜120℃(例えば、70〜100℃)程度であってもよい。
本発明のマイクロカプセルに内包された分散系(芯物質)は、油相(有機溶媒相又は分散媒)と、この油相に分散した着色粒子とで構成されている。油相中の着色粒子は、通常、帯電しており、電位差によりマイクロカプセル内で電気泳動可能である。油相は、マイクロカプセルが使用される環境温度(例えば、10〜30℃程度の室温など)で液体であり、通常、疎水性液体(疎水性有機溶媒)、特に電気絶縁性を有する誘電性液体(例えば、体積抵抗が1010Ωcm以上、誘電率が2.5以上の溶媒)で構成できる。
芯物質の分散媒(又は有機溶媒相)は、電気抵抗の高い電気絶縁性溶媒、例えば、炭化水素類[ベンゼン、トルエン、ナフテン系炭化水素などの芳香族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、ヘキサン、ケロセン、直鎖又は分岐鎖状パラフィン系炭化水素、商品名「アイソパー」(シェル社製)などの脂肪族炭化水素類、アルキルナフタレン類など]、ジフェニル−ジフェニルエーテル混合物、ハロゲン系溶媒[ハロゲン化炭化水素類(四塩化炭化水素など)、フッ素系溶媒(CHFC−123,HCFC−141bなどのフロン類、フルオロアルコール、フルオロエーテルなどの含フッ素エーテル、フルオロエステルなどの含フッ素エステル、フルオロケトン類など)]、シリコーンオイル[ジメチルポリシロキサンなどのシリコーンオイル]が例示できる。これらの溶媒は単独で又は混合して使用できる。
芯物質の有機分散媒は、転相乳化や乳化分散に供する樹脂溶液の有機溶媒(例えば、重合性単量体の重合に用いる反応溶媒)よりも沸点が高く、脱溶剤処理後も着色剤の分散媒として残留可能な高沸点の有機溶媒から選択するのが有用である。
分散系の着色粒子(着色剤又は着色泳動粒子)としては、分散媒と光学的特性の異なる粒子、電気泳動により、視覚的にコントラストを生じさせる粒子、直接的又は間接的に可視光域で視認可能なパターンを形成可能な粒子などの種々の着色粒子(無彩色又は有彩色粒子)が利用でき、例えば、無機顔料(カーボンブラックなどの黒色顔料、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛などの白色顔料、酸化鉄などの赤色顔料、黄色酸化鉄、カドミウムイエローなどの黄色顔料、紺青、群青などの青色顔料など)、有機顔料(ピグメントイエロー、ダイアリーライドイエローなどの黄色顔料、ピグメントオレンジなどの橙色系顔料、ピグメントレッド、レーキレッド、ピグメントバイオレットなどの赤色顔料、フタロシアニンブルー、ピグメントブルーなどの青色顔料、フタロシアニングリーンなどの緑色顔料など)、着色剤(染料、顔料など)で着色した樹脂粒子などが例示できる。着色粒子は単独で使用してもよく又は二種以上組み合わせて使用してもよい。すなわち、分散系において、分散媒(電気絶縁性を有する誘電性液体など)中には、単一(又は同種若しくは同系統色)の着色粒子が分散していてもよく、複数種(又は異なる色)の着色粒子が分散していてもよい。
着色粒子(着色剤)の平均粒子径又は粒径は、0.01〜1μm程度の範囲から選択でき、ナノメータサイズの平均粒子径(例えば、10〜500nm、好ましくは20〜300nm(例えば、20〜200nm)、さらに好ましくは20〜150nm)程度であってもよい。着色粒子(着色剤)は、可視光線に対して透明なナノメータオーダーの粒子径(例えば、20〜100nm程度)を有していてもよい。着色粒子(着色剤)の粒度分布は特に制限されないが、粒度分布幅の狭い着色粒子(例えば、単分散粒子)が好ましい。
芯物質中の着色粒子の含有量は、電気泳動性を損なわない範囲であればよく、例えば、1〜50重量%(例えば、1〜30重量%)、好ましくは1〜20重量%(例えば、1〜15重量%)、さらに好ましくは1〜10重量%(例えば、1〜5重量%)程度であってもよい。
なお、分散媒は、着色粒子とコントラストを生じさせる限り、種々の染料(アントラキノン類やアゾ化合物類などの油溶性染料など)などで着色していてもよい。例えば、分散媒は、着色粒子と異なる色に着色していてもよい。
着色粒子(泳動粒子)の凝集を防止し分散安定性を改善するため、前記分散系は、粘性調整剤の他、着色粒子の極性や表面電荷量を制御するための種々の成分、例えば、着色粒子の表面を被覆又は表面に付着又は結合した表面処理剤(極性基などを有する樹脂など)、分散剤(例えば、分散安定剤、界面活性剤など)、電荷制御剤などを含んでいてもよい。
マイクロカプセルは、通常、球状(真球状を含む)であり、マイクロカプセルの平均粒子径は、1〜1000μm程度の範囲から選択でき、通常、1〜200μm、好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは1〜60μm(例えば、1〜50μm)程度であり、5〜50μm程度であってもよい。マイクロカプセルの粒度分布は特に制限されないが、通常、正規分布しており、粒度分布幅の狭いカプセル(例えば、単分散カプセル)であるのが好ましい。なお、マイクロカプセルは、通常、光透過率が高く、例えば、可視光線透過率80%以上であってもよい。
また、マイクロカプセルの平均壁膜厚みは、2μm以下(例えば、10nm〜2μm)であってもよく、通常1μm以下(例えば、30〜900nm)、好ましくは800nm以下(例えば、50〜800nm)、さらに好ましくは、700nm以下(例えば、80〜700nm)であってもよい。
このようなマイクロカプセルは、表示装置を構成する一対の電極間(例えば、少なくとも表示側の電極が透明電極で構成された一対の電極間)に介在させ、電極間に電圧を印加して着色粒子を電気泳動させ、文字、パターンなどの画像を表示するために有用である。画像表示において、着色粒子の泳動方向を制御するため、一対の電極の極性を変えてもよい。
例えば、分散媒が着色し、かつ分散媒とコントラストを生じさせる着色粒子(分散媒と光学的特性の異なる粒子や分散媒の色と異なる着色粒子など)が分散した分散系(芯物質)を内包するマイクロカプセルを用いると、常態では分散媒の色を呈し、電場の作用により着色粒子を表示面側に電気泳動させることにより、着色粒子によるパターンを表示できる。例えば、分散媒を黒色染料で着色し、白色粒子をさせた分散系では、白色粒子の電気泳動に伴って白色パターンを表示でき、分散媒を黄色染料で着色し、青色粒子を分散させた分散系では、青色粒子の電気泳動に伴って青色パターンを表示できる。
また、単一の着色粒子(例えば、白色粒子、黒色粒子など)が分散した分散系(芯物質)を内包するマイクロカプセルを利用すると、着色粒子の電気泳動により表示面に画像パターンを表示できる。また、必要によりカラーフィルタと組み合わせることにより、カラーパターンを表示できる。
さらに、黄色粒子(特に、ナノメータサイズの粒子)が分散した分散系(芯物質)を内包するマイクロカプセル(黄色用マイクロカプセル)と、赤色粒子(特に、ナノメータサイズの粒子)が分散した分散系(芯物質)を内包するマイクロカプセル(赤色用マイクロカプセル)と、青色粒子(特に、ナノメータサイズの粒子)が分散した分散系(芯物質)を内包するマイクロカプセル(青色用マイクロカプセル)と、必要により黒色粒子(特に、ナノメータサイズの粒子)が分散した分散系を内包するマイクロカプセル(黒色用マイクロカプセル)とを、それぞれ各一対の電極間に介在させて層状に積層すると、各電極への電圧印加や極性の制御により、減色混合を利用して、フルカラーパターンを表示できる。なお、必要により各層間にはカラーフィルタを介在させてもよい。
さらには、1画素を、黄色用マイクロカプセルで構成された黄色画素と、赤色用マイクロカプセルで構成された赤色画素と、青色用マイクロカプセルで構成された青色画素とで構成し、これらの画素に電場を作用させることにより、フルカラー画像を表示できる。なお、必要であれば、黒色用マイクロカプセルで構成された黒色画素や白色用マイクロカプセルで構成された白色画素を電極間に形成してもよい。
また、分散媒中で互いに異なる電荷(+,−)に帯電した複数の着色粒子(又は分散系)を利用すると、分散対向電極間での印加により複数の着色粒子を互いに逆方向に泳動でき、印加電圧の極性の切り換え(又は制御)により、複数の着色粒子の泳動方向を制御できる。例えば、マイナス(−)に帯電した酸化チタンと、プラス(+)に帯電したカーボンブラックとを分散媒中に分散させたマイクロカプセルを利用すると、表示面側の電極の極性をプラスとすることにより、酸化チタンにより明色画像(消色パターン)を形成できるとともに、表示面側の電極の極性をマイナスとすることにより、カーボンブラックにより黒色画像とを形成できる。
[マイクロカプセルの製造方法]
本発明では、酸基を中和したアニオン型樹脂と着色粒子と有機溶媒とを含む混合液を調製する工程(又は有機分散液調製工程)と、この混合液を水性媒体中に分散(転相乳化、乳化分散などにより分散)し、前記着色粒子が有機溶媒中に分散した分散系(芯物質)と、この分散系を内包する壁膜とで構成されたカプセル粒子を水性媒体中に生成させる工程(カプセル生成工程又は分散(転相乳化工程、乳化分散工程)と、このカプセル粒子を水性媒体から分離して乾燥する工程(乾燥工程)とを経ることにより、前記分散系を内包するマイクロカプセルを製造する。
本発明では、酸基を中和したアニオン型樹脂と着色粒子と有機溶媒とを含む混合液を調製する工程(又は有機分散液調製工程)と、この混合液を水性媒体中に分散(転相乳化、乳化分散などにより分散)し、前記着色粒子が有機溶媒中に分散した分散系(芯物質)と、この分散系を内包する壁膜とで構成されたカプセル粒子を水性媒体中に生成させる工程(カプセル生成工程又は分散(転相乳化工程、乳化分散工程)と、このカプセル粒子を水性媒体から分離して乾燥する工程(乾燥工程)とを経ることにより、前記分散系を内包するマイクロカプセルを製造する。
また、カプセル粒子が生成した後、壁膜を構成するアニオン型樹脂を架橋又は硬化させる工程(架橋・硬化工程)を適当な段階(例えば、乾燥工程など)で採用してもよい。架橋・硬化工程は、通常、カプセル生成工程(転相乳化工程、乳化分散工程などの分散工程)の後、前記カプセル粒子が水性媒体に分散した分散液(スラリー)の状態で行う場合が多い。
前記有機分散液調製工程は、混合液が酸基を中和したアニオン型樹脂と着色粒子と有機溶媒とを含む限り種々の方法で行うことができ、例えば、(1)酸基を中和したアニオン型樹脂の有機溶媒溶液と着色粒子とを混合分散し、着色粒子の分散液を調製する方法、(2)アニオン型樹脂と着色粒子と有機溶媒とを含む混合液を混合分散処理し、前記樹脂の酸基を中和する方法、(3)有機溶媒中に着色粒子を分散した分散液(着色剤分散液又は油相分散型着色剤)と、酸基を中和したアニオン型樹脂又はその有機溶媒溶液とを混合する方法などが採用できる。なお、前記方法(1)は、有機溶媒(壁膜を構成する樹脂を溶解し、かつ水性媒体に対して混和性の極性溶媒など)中、アニオン型樹脂の酸基を中和する中和工程[例えば、アニオン型樹脂を有機溶媒の存在下で調製し、この混合液中の樹脂の酸基を中和する中和工程]と、この中和工程で生成した樹脂含有有機溶媒溶液と着色剤とを混合分散する工程(分散工程)とを経て、着色粒子の分散液を調製するのが工程的には有利である。
前記有機分散液調製工程において、水分散性樹脂は前記の方法、特に溶液重合法で調製できる。樹脂と有機溶媒(前記極性溶媒)とを含む樹脂溶液(溶液重合法などにより得られる樹脂溶液など)の固形分濃度は、例えば、20〜80重量%(例えば、30〜70重量%)程度であってもよい。
水分散性樹脂を中和する中和工程では、種々の塩基、例えば、無機塩基[アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物など]、有機塩基[トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアルキルアミン類(特にトリアルキルアミン類)、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、モルホリンなどの複素環式アミン類など]が挙げられる。これらの塩基は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
樹脂の酸基の中和度は、前記樹脂を少なくとも水分散性とし、転相乳化や乳化分散などによりカプセル粒子を生成可能な範囲、例えば、5〜100モル%(例えば、10〜100モル%)、特に10〜75モル%程度の広い範囲から選択できる。中和度は、通常、5〜60モル%(例えば、10〜60モル%)、好ましくは5〜50モル%(例えば、10〜50モル%)、さらに好ましくは5〜40モル%(例えば、10〜40モル%程度)である。なお、中和処理により樹脂を水溶性にしてもよい。樹脂に導入された酸基の量及び/又は樹脂の酸基の中和度を調整することにより、カプセル粒子の粒子径をコントロールできるとともに、粒度が正規分布したカプセル粒子を得ることができる。
また、前記方法において、着色粒子(又は着色剤)は、適当な分散剤(低分子又は高分子分散剤、界面活性剤など)で予め分散した分散液の形態で用いてもよい。例えば、酸基が中和されていてもよい前記アニオン型樹脂と着色剤とを、疎水性有機溶媒(前記重合反応での反応溶媒など)の存在下で分散処理し、生成した着色剤の分散液の形態で着色粒子を使用してもよい。着色剤の使用量は、樹脂の固形分100重量部に対して、2〜100重量部、好ましくは5〜75重量部、さらに好ましくは5〜50重量部程度であってもよい。
また、着色粒子(着色剤)の分散処理は、疎水性分散媒(油相)に着色粒子が分散可能である限り、種々の分散手段、例えば、超音波処理装置、ボールミルなどの分散装置などが利用できる。
より具体的には、有機分散液調製工程は、例えば、次のようにして行うことができる。カルボキシル基に基づく適当な酸価(例えば、酸価20〜400mgKOH/g)と、架橋性基を有する樹脂(例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体などで構成された共重合体、数平均分子量5×103〜5×104程度の共重合体)を含む有機溶媒溶液を調製し、塩基を用いて前記樹脂の酸基を適当な中和度(例えば、10〜40モル%程度の中和度)に中和処理し、樹脂溶液を調製する。一方、着色剤(有機顔料や無機顔料)を上記樹脂(中和処理されていてもよい樹脂)とともに、疎水性溶媒の存在下、分散処理し、着色剤を含む分散液を調製する。そして、前記樹脂溶液と着色剤を含む分散液とを混合することにより、着色剤が分散した有機分散液を調製できる。
カプセル生成工程(分散工程)では、着色粒子が油相中に分散した有機分散液(油相分散型着色剤)に水性媒体(特に水)を添加して転相乳化させ、芯物質がアニオン型樹脂によりカプセル化(内包)されたカプセル粒子を含む水分散液を生成させてもよく、水性媒体に前記有機分散液を添加して乳化分散させることにより前記カプセル粒子を含む水分散液を生成させてもよい。この分散(転相乳化、乳化分散)は、通常、着色剤含有有機分散液と水性媒体(特に水)とを含む混合系に剪断力を作用させながら行われ、前記剪断力は、撹拌などの剪断力、超音波などの振動剪断力であってもよく、通常、撹拌下で行う場合が多い。なお、転相乳化工程において、酸基が中和された樹脂と有機溶媒とを含む有機連続相(O相)に、水性媒体相(W相)の水性媒体を添加すると、有機連続相(O相)から水連続相又は水性媒体相(W相)への連続相の転換とともに、有機相が乳化されて不連続相化(すなわち転相乳化)し、前記樹脂が有機相の周囲に局在化して、有機相を内包するカプセル粒子が水媒体中に安定に分散した水分散液が得られる。より具体的には、中和された酸基を有する樹脂溶液と着色剤の分散液を混合し、この混合液に、攪拌下、水を添加することにより転相乳化させ、カプセル粒子を生成できる。撹拌においては、水性媒体相と有機相とを均一に混合可能な適度のシェア(剪断力)を混合液に作用させればよく、特段の手段を講じることなく、カプセル粒子の水分散液を得ることができる。
有機連続相(O相)又は有機分散液と水性媒体相(W相)の水性溶媒との割合は、カプセル粒子が生成可能な範囲、例えば、前者/後者=10/90〜50/50(重量比)、好ましくは20/80〜50/50(重量比)、さらに好ましくは25/75〜50/50(重量比)程度であってもよい。
分散(転相乳化や乳化分散)は適当な温度(例えば、5〜40℃、好ましくは15〜30℃程度、特に室温)で行うことができ、必要であれば冷却又は加温下で行ってもよい。また、分散(転相乳化や乳化分散)において着色剤含有油性分散液(有機分散液)と水性媒体との温度差は小さい方が好ましく、両者の温度差は、通常、0〜15℃(好ましくは0〜10℃、特に0〜5℃)程度であってもよい。なお、転相過程において、撹拌による剪断力が小さすぎると、ブロードな粒度分布を有するカプセル粒子が生成しやすく、剪断力が過度に強すぎると、生成したカプセル粒子が破壊され、凝集物や極めて微細な粒子が生じ、ひいては粒度分布が大きくなる可能性がある。
なお、転相乳化や乳化分散などにより生成した乳化混合物は、分散系を内包するマイクロカプセル粒子と、このマイクロカプセル粒子が分散した分散媒(溶媒相)とで構成されるが、溶媒相は、水および有機溶媒(カプセル粒子内に内包され、かつ分散系を構成する着色剤の疎水性分散媒以外の有機溶媒)を含む。そのため、通常、分散(転相乳化や乳化分散など)により生成した乳化混合物は、脱有機溶媒処理に供され、マイクロカプセル粒子が水性媒体中に分散した水性分散液が得られる。この有機溶媒は、慣用の方法、例えば、蒸留、特に減圧蒸留により除去できる。前記のように、有機溶剤は、留去性の観点から、低沸点であるのが好ましい。また、生成した水性分散液には、濃度などを調整するため、必要に応じて水媒体を追加・補充してもよい。
本発明では、少なくとも前記有機分散液を水性媒体中に分散させる工程において、前記有機分散液に、壁膜を構成する樹脂と水性媒体との両者に対して親和性の溶媒を含有させてもよい。このような溶媒は、壁膜を構成する樹脂を溶解し、かつ水性媒体に対して混和性の極性溶媒(極性有機溶媒)であってもよい。前記有機分散液は、このような溶媒(前記極性溶媒)と疎水性有機溶媒とを有機溶媒(有機分散液を構成する有機溶媒)として含んでいてもよい。前記の親和性の溶媒は、壁膜を構成するアニオン型樹脂の重合反応において、重合溶媒として用いてもよく、アニオン型樹脂の中和工程において、溶媒として用いてもよい。
このように、有機分散液が樹脂と水性媒体との両者に対して親和性の溶媒を含むと、アニオン性樹脂の中和度を高めなくても分散系を安定化でき、カプセル粒子の形成を容易にすることができる。このような系では、アニオン性樹脂の中和度を、例えば、40%以下に抑えることができ、未中和の酸基を壁膜樹脂の架橋又は硬化反応に利用することもできる。
樹脂と水性媒体との両者に親和性を示す有機溶媒は、前記のように極性溶媒であってもよく、また、無極性溶媒であってもよい。このような有機溶媒としては、例えば、アルコール類[直鎖又は分岐状脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノールなどの低級脂肪族アルコールなど)など]、エーテル類[テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エーテル;セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)など]、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなどの鎖状ケトンなど)、アミド類(メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミドなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチルなど)などが挙げられる。これらの溶媒は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの溶媒のうち、水性媒体や疎水性有機溶媒などに比べて、低揮発性又は低沸点溶媒、例えば、沸点が120℃以下(例えば、45〜120℃程度)、好ましくは100℃以下(例えば、50〜100℃程度)、特に、50〜95℃程度の溶媒が好ましい。このような溶媒としては、例えば、C1-4脂肪族アルコール(特に、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノールなど)、環状エーテル、アセトン、酢酸エチルなどが挙げられる。
架橋・硬化工程は、カプセル粒子を構成する樹脂を自己架橋又は架橋剤(又は硬化剤)により架橋又は硬化することにより行われる。壁膜を架橋又は硬化させると、カプセル粒子の強度を高めることができるとともに、油相に対するバリア性も向上できる。架橋剤は、樹脂の架橋性官能基の種類に応じて選択でき、例えば、次のような組み合わせが採用できる。
1)架橋性官能基がカルボキシル基である場合、架橋剤としては、例えば、アミノプラスト樹脂(メチロール基やアルコキシメチル基を有する樹脂、例えば、尿素樹脂、グアナミン樹脂、メラミン樹脂など)、グリシジル基を有する化合物(又はポリエポキシ化合物又はエポキシ樹脂)、カルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物)、オキサゾリン基を有する化合物(ポリオキサゾリン化合物)、金属キレート化合物などが挙げられる。
2)架橋性官能基がヒドロキシル基である場合、架橋剤としては、例えば、アミノプラスト樹脂、ブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物、アルコキシシラン化合物などが挙げられる。
3)架橋性官能基がグリシジル基である場合、架橋剤としては、例えば、カルボキシル基含有化合物(多価カルボン酸又はその酸無水物)、ポリアミン化合物、ポリアミノアミド化合物、ポリメルカプト化合物などが挙げられる。
架橋剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、架橋剤は、通常、一分子中に複数の反応性基を有している。好ましい組合せには、(a)中和により樹脂に親水性を付与できるとともに、架橋性官能基としても機能するカルボキシル基と、カルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物)との組合せ、(b)カルボキシル基と、ポリエポキシ化合物又はエポキシ樹脂との組合せ、(c)ヒドロキシル基と、ポリイソシアネート化合物との組合せなどが含まれる。
前記カルボジイミド基を有する化合物としては、ジアルキルカルボジイミド(ジエチルカルボジイミド、ジプロピルカルボジイミド、ジヘキシルカルボジイミドなどのジC1-10アルキルカルボジイミド);ジシクロアルキルカルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミドなどのジC3-10シクロアルキルカルボジイミドなど);アリールカルボジイミド(ジ−p−トルイルカルボジイミド、トリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミドなどのアリールポリカルボジイミドなど)などが挙げられる。これらのカルボジイミドは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
架橋剤のうち、前記ポリエポキシ化合物(エポキシ樹脂も含む)としては、グリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物の他、環状脂肪族エポキシ樹脂(例えば、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキサンジオキシドなど)、複素環式エポキシ樹脂(トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、ヒダントイン型エポキシ樹脂など)などが挙げられる。
前記グリシジルエーテル型エポキシ化合物には、ポリヒドロキシ化合物(ビスフェノール類、多価フェノール類、脂環式多価アルコール類、脂肪族多価アルコール類など)とエピクロルヒドリンとの反応により生成するグリシジルエーテル類、ノボラック型エポキシ樹脂などが含まれる。グリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、ポリヒドロキシ化合物の種類に応じて、例えば、ビスフェノール類のグリシジルエーテル[ビスフェノール類(4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノールADなどのビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類など)のジグリシジルエーテル、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ビスフェノール型A型エポキシ樹脂)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;ビスフェノール類のC2-3アルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルなど]、多価フェノール類のグリシジルエーテル(レゾルシン、ヒドロキノンなどのジグリシジルエーテルなど)、脂環式多価アルコール類のグリシジルエーテル(シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノール類などのジグリシジルエーテルなど)、脂肪族多価アルコール類のグリシジルエーテル(エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどのポリオキシC2-4アルキレングリコールジグリシジルエーテルなど)、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂など)などが挙げられる。ビスフェノールA型エポキシ化合物は、例えば、「エピコート(登録商標)828」などとしてジャパンエポキシレジン(株)から入手できる。また、二官能グリシジルエーテルとしては、商品名「エピクロン850」(大日本インキ化学(株)製)、三官能グリシジルエーテルとしては、商品名「テクモア」(三井化学(株)製)なども市販されている。
グリシジルエステル型エポキシ化合物には、多価カルボン酸ポリグリシジルエステル類、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジメチルフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のジグリシジルエステル;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ジメチルヘキサヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボン酸のジグリシジルエステル;ダイマー酸ジグリシジルエステル又はその変性物などが含まれる。
グリシジルアミン型エポキシ化合物としては、アミン類とエピクロルヒドリンとの反応生成物、例えば、N−グリシジル芳香族アミン[テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、トリグリシジルアミノフェノール(TGPAP、TGMAPなど)、ジグリシジルアニリン(DGA)、ジグリシジルトルイジン(DGT)、テトラグリシジルキシリレンジアミン(TGMXAなど)など]、N−グリシジル脂環族アミン(テトラグリシジルビスアミノシクロヘキサン、m−ビス(N,N−ジグリシジル−アミノメチル)シクロヘキサンなど)などが挙げられる。なお、TGMXAは、例えば、三菱ガス化学(株)から「TETRAD(登録商標)−X」などとして、m−ビス(N,N−ジグリシジル−アミノメチル)シクロヘキサンは、三菱ガス化学(株)から「TETRAD(登録商標)−C」などとして入手できる。
ポリイソシアネート化合物としては、ジイソシアネート化合物(ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂環族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)などの芳香族ジイソシアネート類;キシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート類など)、トリイソシアネート化合物(リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−トリイソシアナトヘキサンなどの脂肪族トリイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサンなどの脂環族トリイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネートなどの芳香族トリイソシアネートなど)、テトライソシアネート化合物(4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなど)が例示できる。ポリイソシアネート化合物は、フェノール、アルコール、カプロラクタムなどによりブロック又はマスクされたブロックイソシアネートであってもよい。
前記多価カルボン酸としては、ジカルボン酸(アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸などの脂環式ジカルボン;フタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸など)、トリメリット酸などのトリカルボン酸、ピロメリット酸などのテトラカルボン酸などが挙げられる。多価カルボン酸の酸無水物には、前記多価カルボン酸の無水物、ドデセニル無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水ヘット酸なども含まれる。
前記ポリアミン化合物としては、ヒドラジン類(ヒドラジン、有機酸ジヒドラジドなど)、脂肪族ポリアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC2-10アルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど)、脂環族ポリアミン(ジアミノシクロヘキサン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ジ(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなど)、芳香族ポリアミン[フェニレンジアミン、ジアミノトルエンなどのC6-10アリーレンジアミン;キシリレンジアミン、ジ(2−アミノ−2−プロピル)ベンゼン;4,4’−ビフェニレンジアミン、ビフェニレンビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−クロロフェニル)メタンなど]などが例示できる。
架橋剤(カルボジイミド化合物など)は、油相又は水相のいずれかに溶解する化合物であるのが好ましい。カルボジイミド化合物について説明すると、このような化合物のうち、親水性を有するものは、親水性カルボジライト(日清紡(株)製、「V-02」,「V-02-L2」,「V-04」)などとして、親油性を有するものは親油性カルボジライト(日清紡(株)製、「V-05」,「V-07」)などとして入手できる。
架橋性官能基を有する樹脂と架橋剤との割合は、特に制限されず、例えば、架橋性官能基(カルボキシル基など)1当量に対して、架橋剤の反応性基(カルボジイミド基、エポキシ基など)0.1〜2当量程度の範囲から選択でき、通常、0.1〜1当量(例えば、0.1〜0.8当量)、好ましくは0.2〜0.7当量、さらに好ましくは0.3〜0.7当量程度の範囲から選択できる。なお、必要に応じて、複数の架橋剤(例えば、カルボジイミド化合物と他の架橋剤)を併用することも有効である。
架橋剤は、樹脂に含有又は付着可能である限り、油相(有機分散液)及び水相(水性媒体)の少なくともいずれか一方に含有させてもよく、添加時期は特に制限されない。例えば、架橋剤は、有機分散液調製工程で生成した油性混合液(有機分散液)に添加してもよく、有機分散液の調製に先だって、有機溶媒中に添加してもよい。また、架橋剤は、分散工程(転相乳化工程、乳化分散工程など)により生成した乳化分散液(又は溶媒相からの有機溶媒除去後の水性分散液)に添加してもよい。疎水性又は油溶性架橋剤を用いる場合は、有機相(例えば、有機分散液調製過程や、生成した有機分散液、有機溶媒など)に添加するのが有利であり、親水性又は水溶性架橋剤を用いる場合、水相[例えば、転相乳化工程などの分散工程、転相乳化や乳化分散などにより生成した分散液(特に溶媒相の有機溶媒を除去した水性分散液)など]に添加するのが有利である。好ましい態様では、カプセル粒子を含む水性分散液を生成させた後、架橋剤(親水性又は水溶性架橋剤)を添加し、水性媒体中でカプセル粒子の壁膜を架橋又は硬化させることができる。なお、必要に応じて、疎水性又は油溶性架橋剤と、親水性又は水溶性架橋剤とを適当な段階で添加して、樹脂成分中の架橋官能基と架橋剤とを反応させてもよい。さらに、必要であれば、架橋反応を促進するため、架橋剤は、触媒(酸触媒、塩基触媒など)と組み合わせて用いてもよい。
樹脂の架橋・硬化は、適当な温度で行うことができ、通常、撹拌しながら、加熱して行うことができる。なお、架橋・硬化は、水性溶媒又は疎水性溶媒の存在下で行う場合が多い。そのため、架橋・硬化は、分散液を撹拌しながら、溶媒(好ましくは水性媒体、特に水)の沸点以下の温度(例えば、50〜100℃、好ましくは50〜90℃、さらに好ましくは50〜80℃程度の温度)で架橋・硬化させる場合が多い。なお、架橋・硬化反応は、例えば、10分〜48時間(例えば、10分〜12時間)、好ましくは30分〜24時間(例えば、1〜5時間)程度で終了できる。また、架橋又は硬化は、マイクロカプセル粒子の融着を抑制するため、壁膜(又は樹脂)のガラス転移温度未満の温度で行ってもよい。
本発明では、壁膜を構成する樹脂を、架橋剤を用いて架橋又は硬化させた後、未反応の架橋剤をさらに多官能化合物で架橋又は硬化させて、壁膜の架橋度を高めてもよい。多官能化合物により架橋又は硬化すると、さらに分散系の漏洩を防止して、マイクロカプセルの強度を高めることもできる。
このような多官能化合物は、架橋剤の架橋性基を架橋又は硬化可能な官能基を複数有しており、比較的低分子のものが好ましい。
多官能化合物は、架橋剤の架橋性基に応じて選択でき、例えば、下記の化合物などが例示できる。
(1)架橋性基がグリシジル基(エポキシ基):多価カルボン酸又はその無水物、ポリアミン化合物
(2)架橋性基がメチロール基やアルコキシメチル基:多価カルボン酸又はその無水物、ポリヒドロキシ化合物
(3)架橋性基がカルボジイミド基、オキサゾリン基、金属キレート:多価カルボン酸又はその無水物
(4)架橋性基がシリル基又はアルコキシシリル基:ポリヒドロキシ化合物
(5)架橋性基がイソシアネート基:ポリヒドロキシ化合物、ポリアミン化合物
(6)架橋性基がカルボキシル基:ポリヒドロキシ化合物、ポリエポキシ化合物、ポリアミン化合物
(7)架橋性基がアミノ基:多価カルボン酸又はその無水物、ポリエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物
(8)架橋性基がメルカプト基:ポリエポキシ化合物。
(2)架橋性基がメチロール基やアルコキシメチル基:多価カルボン酸又はその無水物、ポリヒドロキシ化合物
(3)架橋性基がカルボジイミド基、オキサゾリン基、金属キレート:多価カルボン酸又はその無水物
(4)架橋性基がシリル基又はアルコキシシリル基:ポリヒドロキシ化合物
(5)架橋性基がイソシアネート基:ポリヒドロキシ化合物、ポリアミン化合物
(6)架橋性基がカルボキシル基:ポリヒドロキシ化合物、ポリエポキシ化合物、ポリアミン化合物
(7)架橋性基がアミノ基:多価カルボン酸又はその無水物、ポリエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物
(8)架橋性基がメルカプト基:ポリエポキシ化合物。
前記多官能化合物のうち、ポリヒドロキシ化合物としては、ジオール[アルキレングリコール(エチレングリコールなど)、ポリオキシアルキレングリコール(ジエチレングリコールなど)などの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなどの脂環族ジオール;ハイドロキノン、レゾルシノール、ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、キシリレングリコールなどの芳香族ジオールなど]、トリオール(グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなど)、テトラオール(ペンタエリスリトールなど)などが挙げられる。
ポリエポキシ化合物としては、前記例示のエポキシ化合物のうち、比較的低分子の化合物、例えば、多価フェノール類、脂環式多価アルコール類、脂肪族多価アルコールのグリシジルエーテル;多価カルボン酸ポリグリシジルエステル類;N−グリシジル芳香族アミン;N−グリシジル脂環族アミンなどが挙げられる。多価カルボン酸、ポリイソシアネート化合物及びポリアミン化合物としては、前記架橋剤の項で例示の化合物が挙げられる。
これらの多官能化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
架橋剤の未反応の架橋性基に対する多官能化合物の割合は、特に制限されず、例えば、架橋性基(グリシジル基など)1当量に対して、多官能化合物の官能基(ポリアミン化合物のアミノ基など)0.1〜2当量程度の範囲から選択でき、通常、0.1〜1当量(例えば、0.1〜0.8当量)、好ましくは0.2〜0.7当量、さらに好ましくは0.3〜0.7当量程度の範囲から選択できる。
多官能化合物の添加時期は、特に制限されないが、架橋剤でカプセル粒子の壁膜を架橋又は硬化した後、添加するのが好ましい。
また、多官能化合物による架橋又は硬化反応は、壁膜の外側(水相側)又は内側(油相側)のいずれにおいて行ってもよく、油相と水相との界面で行ってもよい。架橋剤が、カプセル粒子内の油相に含まれる場合、水溶性の多官能化合物を用いると、壁膜から内部に浸透して、壁膜の内側で架橋を行うこともできる。
マイクロカプセルの製造方法において、前記乾燥工程では、カプセル粒子を水性媒体から分離して乾燥させ、前記分散系(油相分散系又は芯物質)を内包する粉末状のマイクロカプセル(カプセル型表示素子又はインク)を得ることができる。乾燥は、カプセル粒子を含む水性分散液を噴霧乾燥、凍結乾燥などの慣用の乾燥手段に供して行ってもよく、濾過、遠心分離などの分離方法により、カプセル粒子を濾別分離してカプセル粒子のウェットケーキを生成させ、噴霧乾燥、凍結乾燥などの慣用の方法を利用して行ってもよい。
なお、カプセル粒子は、樹脂の中和された酸基を遊離化するため、酸による逆中和処理に供してもよい。酸としては、酸基を遊離化可能であれば、有機酸及び無機酸のいずれも使用でき、例えば、有機カルボン酸(ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸など)、有機スルホン酸(メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)などの有機酸、塩酸、リン酸などの鉱酸又は無機酸が利用できる。酸は、通常、酸水溶液の形態で使用できる。逆中和処理は、水性媒体から分離したカプセル粒子や乾燥したカプセル粒子に対して行ってもよいが、通常、カプセル粒子を含む水性分散液に酸を添加し、必要により加温することにより行うことができる。
本発明では、分散安定剤を実質的に含まず、着色剤が油相に分散した油相分散系を内包するマイクロカプセルを、転相乳化や乳化分散などの分散を利用した簡単なプロセスで得ることができる。しかも、芯物質を内包しない粒子が生成せず、確実にマイクロカプセルを生成できる。そのため、非マイクロカプセル状の新粒子の除去工程を省略できる。また、マイクロカプセルの粒径を容易にコントロールできるとともに、正規分布に従った粒度分布を有し、シャープな粒度分布のマイクロカプセルも得ることができる。
本発明は、電極間での電圧印加による着色粒子の電気泳動を利用して画像を形成するための画像表示素子として有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、「部」および「%」は重量基準である。
実施例1
[アニオン型樹脂の調製]
反応器に2−プロパノール110部と重合開始剤AIBN(2,2'−アゾビスイソブチロニトリル)1部とを入れて混合し、この混合液に、窒素雰囲気下、80℃で、メタクリル酸メチル78部、アクリル酸ブチル14部及びメタクリル酸8部の単量体混合物を3時間に亘って滴下した。滴下終了後、2−プロパノール11部とAIBN0.2部との混合液を反応混合液に添加し、80℃で4時間保持し、固形分(加熱残分)45%の樹脂溶液を得た。
[アニオン型樹脂の調製]
反応器に2−プロパノール110部と重合開始剤AIBN(2,2'−アゾビスイソブチロニトリル)1部とを入れて混合し、この混合液に、窒素雰囲気下、80℃で、メタクリル酸メチル78部、アクリル酸ブチル14部及びメタクリル酸8部の単量体混合物を3時間に亘って滴下した。滴下終了後、2−プロパノール11部とAIBN0.2部との混合液を反応混合液に添加し、80℃で4時間保持し、固形分(加熱残分)45%の樹脂溶液を得た。
[カプセル型インクの調製例]
上記樹脂溶液11部に2−プロパノール88部を添加し、40℃にてDMAE(ジメチルアミノエタノール)の10%水溶液1.5部を添加して中和処理(中和度約35モル%)した。
上記樹脂溶液11部に2−プロパノール88部を添加し、40℃にてDMAE(ジメチルアミノエタノール)の10%水溶液1.5部を添加して中和処理(中和度約35モル%)した。
ジイソプロピルナフタレン(呉羽化学工業(株)製、「KMC−113」)100部とオイルブルー1部との混合液を攪拌しながら加熱し、90℃にて完全に溶解させ、20分間保持した後、室温まで冷却した。この着色溶液100部に対して、酸化チタン(石原産業(株)製、「A100」)10部を分散させ着色剤分散液を調製した。
上記着色剤分散液100部と上記で中和処理した樹脂溶液とを40℃で混合し、攪拌しながら脱イオン水200部を滴下して転相乳化を行った。この転相乳化混合液を次のような後処理工程に供し、粉末状マイクロカプセルを得た。すなわち、減圧蒸留により、生成した乳化混合液から2−プロパノールを除去するととに、生成した水性分散液に脱イオン水100部を加え、ポリカルボジイミド系架橋剤(日清紡(株)製、カルボジライトV−02−L2)0.5部を添加し、60℃で2時間架橋反応を行った。架橋処理の後、水性分散液を濾過し、ケーキに脱イオン水300部を加え、攪拌しながら酢酸にてpH2〜3に調整し、スプレードライヤーで乾燥し、カプセル粉末を得た。得られたカプセルの平均粒径は12μmであった。また、壁膜のガラス転移温度Tgは120℃であった。
実施例2
[アニオン型樹脂の調製]
上記実施例1と同様の方法でアニオン型樹脂(樹脂溶液)を調製した。
[アニオン型樹脂の調製]
上記実施例1と同様の方法でアニオン型樹脂(樹脂溶液)を調製した。
[カプセル型インクの調製例]
上記樹脂溶液11部に2−プロパノール88部を添加し、40℃にてDMAE(ジメチルアミノエタノール)の10%水溶液1.5部を添加して中和処理(中和度約35モル%)した。
上記樹脂溶液11部に2−プロパノール88部を添加し、40℃にてDMAE(ジメチルアミノエタノール)の10%水溶液1.5部を添加して中和処理(中和度約35モル%)した。
ジイソプロピルナフタレン(呉羽化学工業(株)製)100部にオイルブルー1部を混合し、攪拌しながら加熱し、90℃にて完全に溶解させ、20分間保持した後、室温まで冷却した。この着色溶液(ジイソプロピルナフタレンのオイルブルー溶解液)100部に対して、酸化チタン(石原産業(株)製、「A100」)10部を分散させ着色剤分散液を得た。
上記着色剤分散液100部と上記で中和処理した樹脂溶液とポリカルボジイミド系架橋剤(日清紡(株)製、「カルボジライトV−07」)0.5部とを40℃にて混合し、攪拌しながら脱イオン水200部を滴下して転相乳化を行った。この転相乳化混合液を次のような後処理工程に供し、粉末状マイクロカプセルを得た。すなわち、減圧蒸留により、生成した乳化混合液から2−プロパノールを除去し、生成した水性分散液に脱イオン水100部を加え、60℃で2時間架橋反応を行った。架橋処理した後、水性分散液を濾過し、ケーキに脱イオン水300部を加え、攪拌しながら酢酸でpHを2〜3に調整し、スプレードライヤーで乾燥し、カプセル粉末を得た。得られたカプセルの平均粒径は14μmであった。また、壁膜のガラス転移温度Tgは133℃であった。
実施例3
[アニオン型樹脂の調製]
反応器にメチルエチルケトン110部と重合開始剤AIBN 1部を入れて混合し、この混合液に、窒素雰囲気下、80℃で、スチレン50部、メタクリル酸メチル28部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル4部、アクリル酸ブチル10部及びメタクリル酸9部の単量体混合物を3時間に亘って滴下した。滴下終了後、メチルエチルケトン11部とAIBN0.2部との混合液を反応混合液に添加し、80℃にて4時間保持し、加熱残分46%の樹脂溶液を得た。
[アニオン型樹脂の調製]
反応器にメチルエチルケトン110部と重合開始剤AIBN 1部を入れて混合し、この混合液に、窒素雰囲気下、80℃で、スチレン50部、メタクリル酸メチル28部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル4部、アクリル酸ブチル10部及びメタクリル酸9部の単量体混合物を3時間に亘って滴下した。滴下終了後、メチルエチルケトン11部とAIBN0.2部との混合液を反応混合液に添加し、80℃にて4時間保持し、加熱残分46%の樹脂溶液を得た。
[カプセル型インクの調製例]
上記樹脂溶液11部にメチルエチルケトン88部を添加し、DMAE(ジメチルアミノエタノール)の10%水溶液を1.5部添加して中和処理(中和度約30モル%)した。
上記樹脂溶液11部にメチルエチルケトン88部を添加し、DMAE(ジメチルアミノエタノール)の10%水溶液を1.5部添加して中和処理(中和度約30モル%)した。
ジイソプロピルナフタレン100部に酸化チタン(石原産業(株)製、「A100」)10部とカーボンブラック(三菱化学(株)製、「MA−100」)1部とを、顔料分散安定剤(アビシア(株)製 ソルスパース17000)を用いて分散させ着色剤分散液を得た。
上記着色剤分散液100部と上記で中和処理した樹脂溶液とを40℃で混合し、攪拌しながら脱イオン水200部を滴下して転相乳化を行った。この転相乳化混合液を次のような後処理工程に供し、粉末状マイクロカプセルを得た。すなわち、減圧蒸留により、生成した乳化混合液からメチルエチルケトンを除去し、生成した水性分散液に脱イオン水100部を加え、ポリカルボジイミド系架橋剤(日清紡(株)製、「カルボジライトV−02−L2」)0.5部を添加し、60℃で2時間架橋反応を行った。架橋処理の後、水性分散液を濾過し、ケーキに脱イオン水300部を加え、攪拌しながら酢酸にてpH2〜3に調整し、凍結乾燥法で乾燥し、カプセル粉末(収率80%)を得た。得られたカプセルの平均粒径は20μmであった。また、壁膜のガラス転移温度Tgは112℃であった。
実施例4
[アニオン型樹脂の調製]
上記実施例1と同様の方法でアニオン型樹脂(樹脂溶液)を調製した。
[アニオン型樹脂の調製]
上記実施例1と同様の方法でアニオン型樹脂(樹脂溶液)を調製した。
[カプセル型インクの調製]
上記樹脂溶液11部にメチルエチルケトン88部を添加し、DMAE(ジメチルアミノエタノール)の10%水溶液を1.5部添加して中和処理(中和度約30モル%)した。
上記樹脂溶液11部にメチルエチルケトン88部を添加し、DMAE(ジメチルアミノエタノール)の10%水溶液を1.5部添加して中和処理(中和度約30モル%)した。
シリコーンオイル(信越化学(株)製)100部に酸化チタン(石原産業(株)製、「A100」)10部とカーボンブラック(三菱化学(株)製、「MA−100」)1部とを、顔料分散安定剤(アビシア(株)製、「ソルスパース17000」)を用いて分散させ着色剤分散液を得た。
上記着色剤分散液100部と上記で中和処理した樹脂溶液とポリカルボジイミド系架橋剤(日清紡(株)製、「カルボジライトV−07」)0.5部とを40℃で混合し、攪拌しながら脱イオン水200部を滴下して転相乳化を行った。この転相乳化混合液を次のような後処理工程に供し、粉末状マイクロカプセルを得た。すなわち、減圧蒸留により、生成した乳化混合液からメチルエチルケトンを除去し、脱イオン水100部を加え、60℃で2時間架橋反応を行った。架橋処理の後、水性分散液を濾過し、ケーキに脱イオン水300部を加え、攪拌しながら酢酸にてpH2〜3に調整し、凍結乾燥法で乾燥し、カプセル粉末(収率80%)を得た。得られたカプセルの平均粒径は25μmであった。また、壁膜のガラス転移温度Tgは121℃であった。
比較例1
スチレン50部、メタクリル酸メチル37部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル4部、アクリル酸ブチル10部の単量体混合物を用いる以外、実施例3と同様にして樹脂溶液(加熱残分46%)を調製した。なお、酸基含有単量体(メタクリル酸など)は使用しなかった。前記樹脂溶液を用いる以外、実施例3と同様にして着色剤混合液と樹脂溶液との混合液に脱イオン水を添加して転相乳化を試みたが、樹脂が析出し転相乳化ができなかった。このことは、上記樹脂に酸基が含まれていないために、転相乳化性を有していなかったことに起因している。
スチレン50部、メタクリル酸メチル37部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル4部、アクリル酸ブチル10部の単量体混合物を用いる以外、実施例3と同様にして樹脂溶液(加熱残分46%)を調製した。なお、酸基含有単量体(メタクリル酸など)は使用しなかった。前記樹脂溶液を用いる以外、実施例3と同様にして着色剤混合液と樹脂溶液との混合液に脱イオン水を添加して転相乳化を試みたが、樹脂が析出し転相乳化ができなかった。このことは、上記樹脂に酸基が含まれていないために、転相乳化性を有していなかったことに起因している。
結果を表1に示す。
実施例5
[アニオン型樹脂の調製]
反応器中の2−プロパノール120部に、窒素雰囲気下、80℃で、重合開始剤2,2'−アゾビス−2,4’−ジメチルバレロニトリル(ADVN)1.5部、メタクリル酸メチル60部、アクリル酸ブチル15部及びメタクリル酸25部の単量体混合物を2時間に亘って滴下した。滴下終了から2時間及び5時間経過後、2−プロパノール11部とADNV0.5部との混合物を2回に亘って反応混合液に添加した。80℃でさらに4時間保持し、固形分(加熱残分)43%の樹脂溶液を得た。得られた樹脂の酸価は162.9mgKOH/gであった。
[アニオン型樹脂の調製]
反応器中の2−プロパノール120部に、窒素雰囲気下、80℃で、重合開始剤2,2'−アゾビス−2,4’−ジメチルバレロニトリル(ADVN)1.5部、メタクリル酸メチル60部、アクリル酸ブチル15部及びメタクリル酸25部の単量体混合物を2時間に亘って滴下した。滴下終了から2時間及び5時間経過後、2−プロパノール11部とADNV0.5部との混合物を2回に亘って反応混合液に添加した。80℃でさらに4時間保持し、固形分(加熱残分)43%の樹脂溶液を得た。得られた樹脂の酸価は162.9mgKOH/gであった。
[着色剤分散液の調製例]
ジイソプロピルナフタレン(呉羽化学工業(株)製 「KMC−113」)50部とオイルブルー0.1部と顔料分散剤(アビシア(株)製 「ソルスパース17000」)0.5部との混合物を攪拌しながら加熱し、90℃にて完全に溶解させた。90℃で20分間保持した後、室温まで冷却した。得られた着色溶液50.6部に対して、酸化チタン(石原産業(株)製 「CR−90」)5部を分散させ着色剤分散液を調製した。
ジイソプロピルナフタレン(呉羽化学工業(株)製 「KMC−113」)50部とオイルブルー0.1部と顔料分散剤(アビシア(株)製 「ソルスパース17000」)0.5部との混合物を攪拌しながら加熱し、90℃にて完全に溶解させた。90℃で20分間保持した後、室温まで冷却した。得られた着色溶液50.6部に対して、酸化チタン(石原産業(株)製 「CR−90」)5部を分散させ着色剤分散液を調製した。
上記着色剤分散液55.6部に架橋剤[三菱ガス化学(株)製エポキシ樹脂、TETRAD(登録商標)−X]7.4部を添加して室温にて10分間攪拌した。
[カプセル型インクの調製]
上記樹脂溶液46.5部に2−プロパノール53.5部を添加し、室温にてDMAEの10%水溶液2部を添加して中和処理(中和度約35モル%)した。
上記樹脂溶液46.5部に2−プロパノール53.5部を添加し、室温にてDMAEの10%水溶液2部を添加して中和処理(中和度約35モル%)した。
この中和処理した樹脂溶液100部と架橋剤を含む着色剤分散液63部とを室温で混合し、攪拌しながら脱イオン水150部を滴下して転相乳化を行った。次に、前記転相乳化混合液を加温し、30分間80℃で架橋剤と転相乳化エマルションを構成する樹脂のカルボキシル基との架橋を進行させた。その後、減圧蒸留により、生成した乳化混合液から2−プロパノールを除去した後、生成した水性分散液に脱イオン水300部を加え、80℃で一晩架橋剤とカルボキシル基との架橋反応を行った。架橋処理の後、生成したマイクロカプセル水性分散液にジエチレントリアミン6.1部を添加し、カプセル内に残った架橋剤を油/水界面にて反応させた。その後、水性分散液を濾過し、ケーキに脱イオン水300部を加え、攪拌下、酢酸によりpH2〜3に調整し、スプレードライヤーで乾燥し、カプセル粉末を得た。得られたカプセルの平均粒径は35μm、平均壁膜厚みは250nmであった。また、壁膜のガラス転移温度Tgは200℃であった。
実施例6
[アニオン型樹脂の調製]
上記実施例5と同様の方法でアニオン型樹脂(樹脂溶液)を調製した。
[アニオン型樹脂の調製]
上記実施例5と同様の方法でアニオン型樹脂(樹脂溶液)を調製した。
[着色剤分散液の調製例]
ジイソプロピルナフタレンに代えて、アイソパーG(エクソンモービル製)を用いるとともに、TETRAD(登録商標)−X7.4部に代えて、三井化学(株)製エポキシ樹脂TECHMORE15.7部を用いる以外は、実施例5と同様にして架橋剤を含む着色剤分散液を調製した。
ジイソプロピルナフタレンに代えて、アイソパーG(エクソンモービル製)を用いるとともに、TETRAD(登録商標)−X7.4部に代えて、三井化学(株)製エポキシ樹脂TECHMORE15.7部を用いる以外は、実施例5と同様にして架橋剤を含む着色剤分散液を調製した。
[カプセル型インクの調製例]
実施例5のカプセルインクの調製例と同様にしてカプセルインクを調製した。得られたカプセルの平均粒径は40μm、平均壁膜厚みは500nmであった。また、壁膜のTgは180℃であった。
実施例5のカプセルインクの調製例と同様にしてカプセルインクを調製した。得られたカプセルの平均粒径は40μm、平均壁膜厚みは500nmであった。また、壁膜のTgは180℃であった。
実施例7
[アニオン型樹脂の調製]
反応器中のメチルエチルケトン100部に、窒素雰囲気下、80℃で、重合開始剤ADVN 1部、アクリル酸50部、アクリル酸−2−エチルヘキシル25部及びスチレン25部の単量体混合物を2時間に亘って滴下した。滴下終了から2時間及び5時間経過後、メチルエチルケトン5.5部とADVN0.1部との混合物を2回に亘って反応混合液に添加し、80℃でさらに3時間保持し、固形分(加熱残分)56.2%の樹脂溶液を得た。得られた樹脂の酸価は389.3mgKOH/gであった。得られた樹脂を減圧蒸留し、100℃で真空乾燥してメチルエチルケトンを除去し、固体の樹脂を得た。
[アニオン型樹脂の調製]
反応器中のメチルエチルケトン100部に、窒素雰囲気下、80℃で、重合開始剤ADVN 1部、アクリル酸50部、アクリル酸−2−エチルヘキシル25部及びスチレン25部の単量体混合物を2時間に亘って滴下した。滴下終了から2時間及び5時間経過後、メチルエチルケトン5.5部とADVN0.1部との混合物を2回に亘って反応混合液に添加し、80℃でさらに3時間保持し、固形分(加熱残分)56.2%の樹脂溶液を得た。得られた樹脂の酸価は389.3mgKOH/gであった。得られた樹脂を減圧蒸留し、100℃で真空乾燥してメチルエチルケトンを除去し、固体の樹脂を得た。
[着色剤分散液の調製]
架橋剤の添加量を21.8部とする以外は、実施例5と同様にして架橋剤を含む着色剤分散液を調製した。
架橋剤の添加量を21.8部とする以外は、実施例5と同様にして架橋剤を含む着色剤分散液を調製した。
[カプセル型インクの調製]
上記樹脂溶液20部に2−プロパノール80部を添加し、DMAEの10%水溶液を1.5部添加して中和処理(中和度約20モル%)するとともに、架橋処理後、生成したマイクロカプセル水性分散液に添加するジエチレントリアミン6.1部に代えて、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン10.2部を用いる以外は、実施例5と同様にしてカプセル粉末を得た。得られたカプセルの平均粒径は28μm、平均壁膜厚みは650nmであった。また、壁膜のガラス転移温度Tgは175℃であった。
上記樹脂溶液20部に2−プロパノール80部を添加し、DMAEの10%水溶液を1.5部添加して中和処理(中和度約20モル%)するとともに、架橋処理後、生成したマイクロカプセル水性分散液に添加するジエチレントリアミン6.1部に代えて、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン10.2部を用いる以外は、実施例5と同様にしてカプセル粉末を得た。得られたカプセルの平均粒径は28μm、平均壁膜厚みは650nmであった。また、壁膜のガラス転移温度Tgは175℃であった。
比較例2
[アニオン型樹脂の調製]
実施例5で得たアニオン型樹脂溶液46.5部に2−プロパノール53.5部を添加し、DMAEの10%水溶液を3.7部添加して中和処理(中和度約50モル%)した。上記樹脂溶液に脱イオン水80部添加し、減圧蒸留により、2−プロパノールを除去し、アニオン型樹脂が20部含まれる樹脂水溶液を得た。
[アニオン型樹脂の調製]
実施例5で得たアニオン型樹脂溶液46.5部に2−プロパノール53.5部を添加し、DMAEの10%水溶液を3.7部添加して中和処理(中和度約50モル%)した。上記樹脂溶液に脱イオン水80部添加し、減圧蒸留により、2−プロパノールを除去し、アニオン型樹脂が20部含まれる樹脂水溶液を得た。
[着色剤分散液の調製]
実施例5と同様の方法で調製した。
実施例5と同様の方法で調製した。
[カプセル型インクの調製]
上記の樹脂水溶液100部に、攪拌しながら架橋剤を含む着色剤分散液63部を滴下して、乳化混合液を得た。この乳化混合溶液を、80℃で保持し、一晩かけて架橋剤とカルボキシル基との架橋反応を行った。生成したマイクロカプセル水性分散液にジエチレントリアミン6.1部を添加し、カプセル内に残った架橋剤と油/水界面にて反応させた。得られたマイクロカプセルの平均粒子径は32μmであった。また、壁膜のガラス転移温度Tgは50℃であった。架橋処理の後、水性分散液を濾過したが、作製したマイクロカプセルが潰れ、粉体として回収できなかった。このことから、比較例のマイクロカプセルの壁膜は機械的強度が弱いことが示唆された。
上記の樹脂水溶液100部に、攪拌しながら架橋剤を含む着色剤分散液63部を滴下して、乳化混合液を得た。この乳化混合溶液を、80℃で保持し、一晩かけて架橋剤とカルボキシル基との架橋反応を行った。生成したマイクロカプセル水性分散液にジエチレントリアミン6.1部を添加し、カプセル内に残った架橋剤と油/水界面にて反応させた。得られたマイクロカプセルの平均粒子径は32μmであった。また、壁膜のガラス転移温度Tgは50℃であった。架橋処理の後、水性分散液を濾過したが、作製したマイクロカプセルが潰れ、粉体として回収できなかった。このことから、比較例のマイクロカプセルの壁膜は機械的強度が弱いことが示唆された。
実施例5〜7及び比較例2の結果を表2に示す。また、実施例5及び6のマイクロカプセルの透明性についての評価結果を表3に示す。
マイクロカプセルの透明性に関しては、表3から明らかなように、実施例5及び6共にヘイズが10%を下回っており、透明性に優れていた。
[マイクロカプセルの壁膜の強度の評価]
実施例5及び比較例2において、酸化チタン及び顔料分散剤を添加することなく調製したカプセル分散液を、スライドガラス上に一滴滴下し、カバーガラスを乗せて光学顕微鏡により観察した。実施例5のカプセル分散液の光学顕微鏡写真を図1に、比較例2の光学顕微鏡写真を図2に示す。
実施例5及び比較例2において、酸化チタン及び顔料分散剤を添加することなく調製したカプセル分散液を、スライドガラス上に一滴滴下し、カバーガラスを乗せて光学顕微鏡により観察した。実施例5のカプセル分散液の光学顕微鏡写真を図1に、比較例2の光学顕微鏡写真を図2に示す。
次いで、カバーガラスの上から圧力をかけ、マイクロカプセルの形態変化を光学顕微鏡により観察した。実施例5の光学顕微鏡写真を図3に、比較例2の光学顕微鏡写真を図4に示す。いずれの例についても、圧力をかけると、マイクロカプセルは潰れたものの、実施例5では、潰れたカプセル壁膜は融合しなかった。それに対し、比較例2では潰れたカプセル壁膜が融合し、樹脂の架橋密度が極めて低いことが示唆された。
なお、上記の実施例及び比較例において、マイクロカプセルの特性は次のようにして評価した。
[粒度分布]
生成したマイクロカプセル含有分散液をスライドガラス上に一滴滴下し、カバーガラスを乗せて光学顕微鏡で観察し、観察像データを光学顕微鏡に繋いだCCDカメラシステムに取り込んだ。取り込まれた画像データを画像解析ソフト(三谷商事(株)製、「WinROOF」)を用いてコンピュータで解析し、粒度分布を測定した。なお、乾燥した微粒子(カプセル粒子、及び非カプセル微粒子を含む粉体)を走査型電子顕微鏡により観察し、観察画像データを取り込み、上記と同様にして粒度分布を測定できる。
生成したマイクロカプセル含有分散液をスライドガラス上に一滴滴下し、カバーガラスを乗せて光学顕微鏡で観察し、観察像データを光学顕微鏡に繋いだCCDカメラシステムに取り込んだ。取り込まれた画像データを画像解析ソフト(三谷商事(株)製、「WinROOF」)を用いてコンピュータで解析し、粒度分布を測定した。なお、乾燥した微粒子(カプセル粒子、及び非カプセル微粒子を含む粉体)を走査型電子顕微鏡により観察し、観察画像データを取り込み、上記と同様にして粒度分布を測定できる。
[ガラス転移温度]
乾燥したカプセルを乳鉢で磨り潰し、破砕物をアセトンに浸漬して攪拌し、カプセルに内包された着色剤分散液をアセトン中に溶出させた。生成物を遠心分離器にかけて上澄みを除去し、さらにアセトンを加えて沈殿物を洗浄した。この操作を更に2回繰り返し、最終的に沈殿物を真空オーブンにて常温で乾燥させた。この乾燥物のガラス転移温度を、ダイナミカル・スキャニング・カロリメトリー(セイコーインスツルメント(株)製DSC6200)を用いて測定した。
乾燥したカプセルを乳鉢で磨り潰し、破砕物をアセトンに浸漬して攪拌し、カプセルに内包された着色剤分散液をアセトン中に溶出させた。生成物を遠心分離器にかけて上澄みを除去し、さらにアセトンを加えて沈殿物を洗浄した。この操作を更に2回繰り返し、最終的に沈殿物を真空オーブンにて常温で乾燥させた。この乾燥物のガラス転移温度を、ダイナミカル・スキャニング・カロリメトリー(セイコーインスツルメント(株)製DSC6200)を用いて測定した。
[カプセル分散液の状態]
生成したカプセル分散液をスライドガラス上に一滴滴下し、カバーガラスを乗せて光学顕微鏡観察を行うとともに、乾燥した微粒子(カプセル粒子、及び非カプセル微粒子を含む粉体)を走査型電子顕微鏡により観察することにより確認した。
生成したカプセル分散液をスライドガラス上に一滴滴下し、カバーガラスを乗せて光学顕微鏡観察を行うとともに、乾燥した微粒子(カプセル粒子、及び非カプセル微粒子を含む粉体)を走査型電子顕微鏡により観察することにより確認した。
[電気泳動性]
実施例1及び実施例2で作製したカプセル粒子(酸化チタンとオイルブルーを内包)を一方の電極上に敷き詰め、更に一枚の透明電極で覆い、プレートを作製した。上下の電極間に電圧を印加し、電極の極性(プラス/マイナス)を切り替える毎に、プレートの色が白から青、または青から白へと変化した。
実施例1及び実施例2で作製したカプセル粒子(酸化チタンとオイルブルーを内包)を一方の電極上に敷き詰め、更に一枚の透明電極で覆い、プレートを作製した。上下の電極間に電圧を印加し、電極の極性(プラス/マイナス)を切り替える毎に、プレートの色が白から青、または青から白へと変化した。
実施例3及び実施例4で作製したカプセル粒子(カーボンブラックと酸化チタンを内包)を電極上に敷き詰め、更に一枚の透明電極で覆い、プレートを作製した。上下の電極間に電圧を印加し、電極の極性(プラス/マイナス)を切り替える毎に、プレートの色が白から黒、または黒から白へと変化した。この色変化は、カーボンブラックがマイナス電荷に帯電し、酸化チタンがプラス電荷に帯電しているため、電気泳動現象によってプレート表面側(透明電極側)に一方の粒子が移動することに起因している。
[透明性]
酸化チタンを添加しない以外は、実施例5及び実施例6と同様の方法で作製したカプセル粒子を、それぞれ透明ガラス基板上(厚み1mm)に敷き詰めた。このカプセル粒子を厚み60μmの両面テープのスペーサを介して別の透明ガラス基板で覆い、カプセル粒子がほぼ一層に敷き詰められたプレートを作製した。このプレートの光学特性をヘイズメーター(日本電色工業(株)製 NDH2000)にて測定した。
酸化チタンを添加しない以外は、実施例5及び実施例6と同様の方法で作製したカプセル粒子を、それぞれ透明ガラス基板上(厚み1mm)に敷き詰めた。このカプセル粒子を厚み60μmの両面テープのスペーサを介して別の透明ガラス基板で覆い、カプセル粒子がほぼ一層に敷き詰められたプレートを作製した。このプレートの光学特性をヘイズメーター(日本電色工業(株)製 NDH2000)にて測定した。
Claims (15)
- 油相に着色粒子が分散した分散系と、この分散系を内包する壁膜とで構成されたマイクロカプセルであって、前記壁膜が酸基又はその塩を有する樹脂で形成されているマイクロカプセル。
- 樹脂が、遊離の形態で、酸価20〜400mgKOH/gを有する重合体で構成されている請求項1記載のマイクロカプセル。
- 壁膜を構成する樹脂が架橋又は硬化している請求項1記載のマイクロカプセル。
- 壁膜を構成する樹脂が、自己架橋性基、樹脂の反応性基又は架橋剤に対する架橋性基を有している請求項1記載のマイクロカプセル。
- 分散系が、電気絶縁性を有する誘電性液体と、この誘電性液体中に分散した単一又は複数種の着色粒子とで構成されている請求項1記載のマイクロカプセル。
- 油相中で着色粒子が帯電し、かつ電位差によりマイクロカプセル内で電気泳動可能である請求項1記載のマイクロカプセル。
- 着色粒子の平均粒子径が10〜500nmであり、マイクロカプセルの平均粒子径が1〜1000μmであり、平均壁膜厚みが2μm以下である請求項1記載のマイクロカプセル。
- 一対の電極間に介在させ、着色粒子の電気泳動により画像を表示するための請求項1記載のマイクロカプセル。
- 酸基を中和した樹脂と着色粒子と有機溶媒とを含む有機分散液を調製する工程と、この有機分散液を水性媒体中に分散させ、前記着色粒子が有機溶媒中に分散した分散系と、この分散系を内包する壁膜とで構成されたカプセル粒子を水性媒体中に生成させる工程と、このカプセル粒子を水性媒体から分離して乾燥する工程とを含む前記分散系を内包するマイクロカプセルの製造方法。
- 転相乳化又は乳化分散により有機分散液を水性媒体中に分散させる請求項9記載の製造方法。
- 壁膜を構成する樹脂を架橋又は硬化させる請求項9記載の製造方法。
- 壁膜を構成する樹脂を溶解し、かつ水性媒体に対して混和性の極性溶媒と疎水性有機溶媒とを有機溶媒として含む有機分散液を、水性媒体中に分散させる請求項9記載の製造方法。
- 壁膜を構成する樹脂を溶解し、かつ水性媒体に対して混和性の極性溶媒中、樹脂の酸基を中和する中和工程と、この中和工程で生成した樹脂溶液と着色剤とを混合して有機分散液を調製する工程と、この有機分散液を水性媒体中に分散させて、カプセル粒子を含む水性分散液を生成させる工程と、水性媒体中でカプセル粒子の壁膜を架橋又は硬化させる工程と、カプセル粒子を水性媒体から分離して乾燥させる工程とで構成されている請求項9記載の製造方法。
- 架橋剤を用いて、カプセル粒子の壁膜を構成する樹脂を架橋又は硬化させる請求項9又は13記載の製造方法。
- 壁膜を構成する樹脂を、架橋剤を用いて架橋又は硬化させた後、未反応の架橋剤をさらに多官能化合物で架橋又は硬化させる請求項9又は13記載の製造方法。
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