JP3035726B2 - 含油マイクロカプセル、その製造方法及びマイクロカプセル配合樹脂組成物 - Google Patents

含油マイクロカプセル、その製造方法及びマイクロカプセル配合樹脂組成物

Info

Publication number
JP3035726B2
JP3035726B2 JP12925996A JP12925996A JP3035726B2 JP 3035726 B2 JP3035726 B2 JP 3035726B2 JP 12925996 A JP12925996 A JP 12925996A JP 12925996 A JP12925996 A JP 12925996A JP 3035726 B2 JP3035726 B2 JP 3035726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
microcapsules
liquid
containing microcapsules
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12925996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09290145A (ja
Inventor
宏文 星野
直喜 吉見
Original Assignee
星野化工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 星野化工株式会社 filed Critical 星野化工株式会社
Priority to JP12925996A priority Critical patent/JP3035726B2/ja
Publication of JPH09290145A publication Critical patent/JPH09290145A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3035726B2 publication Critical patent/JP3035726B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元化ウレタン
高分子膜により液状潤滑油を被覆した含油マイクロカプ
セル及び、その製造方法、ならびに、かかる含油マイク
ロカプセルを配合した樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂の摩擦・摩耗特性を向上
させるため、潤滑油を添加する種々の方法が知られてい
る。例えば、油保持担体として大きい比表面積を有する
有機・無機粉末を用い、これらに潤滑油を吸収させて基
体樹脂に分散させる方法(特公昭48−37572、同
53−11018等)、あるいは、潤滑油を吸収させた
マイクロポーラスビーズを基体樹脂に分散させる方法
(特公平7−91454)である。
【0003】しかしながら、これらの方法では、潤滑油
が油保持担体又は油保持剤に保持された状態で基体樹脂
に分散しているため摺動界面に潤滑油が移行し難く、過
酷な使用条件下ではなお潤滑性が不十分であるという
点、比較的短期間のうちに油が枯渇してしまい潤滑効果
の持続性に欠ける点、あるいは、油が樹脂の表面に浸出
しているため成形機のスクリューへの食い込みが悪く、
成形加工が困難である等の問題点があった。
【0004】また、固体潤滑剤を基体樹脂に分散させた
樹脂組成物が用いられる。固体潤滑剤としてはグラファ
イト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)等、基体樹脂としてはポリウレタンエラス
トマーその他が挙げられる。例えば、数十ミクロンに粉
砕した5重量%程度のPTFEをポリウレタンエラスト
マー中に分散させた樹脂組成物である。しかしながら、
固体潤滑剤には黒色のものが多く、目的物の色彩が黒以
外の場合には選択対象が限られる点、PTFEを配合し
たものは他物品との摩擦により音(いわゆる "鳴き" )
を発する点、また、摩擦係数がやや大きく、荷重が増す
と摩耗量が増大する等の問題点がある。
【0005】従来技術における上記の各種問題点を解決
するものとして、潤滑油を高分子物質の薄膜で被覆した
含油マイクロカプセルを基体樹脂に添加することによ
り、成形時に油分離によるトラブルがなく、成形品の摺
動界面での油の浸出が良好であると共に、油の保持性も
良好な摺動用含油樹脂組成物が提案されている(特開平
1−129067)。
【0006】しかし、この提案では、マイクロカプセル
はそれを基体樹脂に添加分散させる際の混合剪断力や加
工時の熱によって破壊されるものであってはならないと
しているものの、具体的な技術内容の開示に乏しく、例
えば基体樹脂として加工温度が170〜190℃のポリ
アセタール樹脂を使用する場合には、マイクロカプセル
の壁物質としては尿素系熱硬化性樹脂が適するとの記載
があるのみで、実施例中にもその合成法などの詳細な技
術内容は開示されていない。
【0007】一方、感圧複写紙用マイクロカプセルの分
野では、コンプレックスコアセルベーション法、シンプ
ルコアセルベーション法、界面重縮合法、in−sit
u重合法等のマイクロカプセル製造方法が知られてい
る。これらの技術の中に、壁材料がポリウレタンからな
るマイクロカプセルの製造方法がある(特開昭57ー1
40638、同58ー3898等)。これらは、いずれ
も構造式が化1で示される芳香族多価イソシアネート
と、脂肪族系多価イソシアネートとを含む疎水性液体を
親水性液体中に乳化分散させ、界面重合法で高分子物質
を生成させ、疎水性液滴を被覆するものである。
【化1】
【0008】本発明者らは、上記の壁材料がポリウレタ
ンからなる感圧複写紙用マイクロカプセルの製造方法
を、潤滑油含有マイクロカプセルの製造に適用すること
を試みた。しかし、得られた含油マイクロカプセルは、
これを基体樹脂に添加分散させる際の混合剪断力や、加
工時の熱によって破壊されて油が分離するため、成形機
のスクリューへの食い込みが悪く、成形が困難であるこ
とが判明した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の有
する上記問題点を解決するためになされたものであり、
取り扱いが容易で、成形時に油分離によるトラブルがな
く、成形性に優れた油保持体を用い、かつ、摺動界面で
の油の浸出が適度に抑制されて油の保持性が良好であ
り、従って長期にわたり潤滑性能を持続することができ
る含油マイクロカプセル及びその製造方法、ならびに、
このような含油マイクロカプセルを配合した樹脂組成物
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、液状潤滑
油保持体としてのマイクロカプセルに適切な機械的強度
を付与する必要があり、この要請はマイクロカプセル
を、例えば三次元網構造を有するウレタン高分子膜で形
成すれば満足されることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0011】かくして本発明により、(1)三次元化ウ
レタン高分子膜により液状潤滑油を被覆してなる含油マ
イクロカプセル、(2)構造式が化1で示される芳香族
系多価イソシアネート、脂肪属系多価イソシアネート及
び液状潤滑油を含む疎水性液体を作り、前記疎水性液体
を親水性液体中に乳化分散させ、前記親水性液体中に多
価アルコールと架橋剤とを添加し、前記疎水性液体の液
滴表面において重合反応と架橋反応を同時に進行させて
生成される三次元化ウレタン高分子膜により前記潤滑油
の液滴を被覆する各工程を含む、上記(1)記載のマイ
クロカプセルの製造方法、
【化1】及び、(3)上記(1)記載の含油マイクロカ
プセルをポリウレタンエラストマーに配合してなるマイ
クロカプセル配合樹脂組成物、が提供される。
【0012】上記(1)記載の含油マイクロカプセル
は、その壁膜が三次元網構造を有するウレタン高分子で
形成されているため、一定の機械的強度を有し、これを
基体樹脂に添加分散させる際の混合剪断力や、加工時の
熱によって破壊されることがなく、従って、このマイク
ロカプセルを配合した樹脂組成物は油分離によるトラブ
ルなく成形可能である。
【0013】上記(2)記載の製造方法では、分子間架
橋により三次元網構造の高分子膜を生成するために、架
橋剤と多価アルコールを併用することを特徴とする。生
成される高分子膜の機械的強度は膜厚と架橋密度の両面
から定まり、膜厚は主として潤滑油に対するイソシアネ
ートの重量比により、架橋密度は主として架橋剤と多価
アルコールの量により定められる。従って、反応液成分
を調整することにより適切な機械的強度が付与されたウ
レタン高分子膜が生成される。
【0014】本製造方法の実施に際しては、液状潤滑油
に芳香族系多価イソシアネートと脂肪属系多価イソシア
ネートを溶解して疎水性液体を作り、これを水を主体と
する親水性液体に注加して高速に撹拌し乳化分散させ
る。親水性液体に多価アルコールを添加して昇温し、こ
れに架橋剤を溶解させ、疎水性液体の液滴表面で重合反
応と架橋反応を同時に進行させる。こうして液滴表面に
三次元網構造の高分子膜を生成させ、液状潤滑油を被覆
させて含油マイクロカプセルを形成し、これを分離、乾
燥して流動性のよい粉末状のマイクロカプセルを得る。
かくして得られたマイクロカプセルは、基体樹脂に添加
分散させる際の混合剪断力や、加工時の熱によって破壊
されることがなく、しかも摺動面での圧力と摩擦により
破れて潤滑油を浸出させる。
【0015】上記の製造方法における芳香族系多価イソ
シアネートとしてはトリフェニルジメチレントリイソシ
アネート、テトラフェニルトリメチレンテトライソシア
ネート、ペンタフェニレンテトラメチレンペンタイソシ
アネート等、又はこれらの含有物が、また脂肪族系多価
イソシアネートとしてはトリメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−
1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソ
シアネート、エチリジンジイソシアネート等が例示さ
れ、多価アルコールとしてはグリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミ
ン等の3官能ポリオール、ジグリセリン、ペンタエリス
リトール、エチレンジアミン、メチルグルコジット、芳
香族ジアミン等の4官能ポリオール、ソルビトール等の
6官能ポリオールが、さらに、架橋剤としてはメチレン
−ビス−オルソ−クロロアニリン(MOCA)、メレン
ジアニリン/NaCl複合物、1,2−ビス(2−アミ
ノフェニル−チオ)エタン、トリメチレングルコール−
p−アミノベンゾエート等が例示される。
【0016】上記(3)記載の樹脂組成物は、ポリウレ
タンエラストマーを基体樹脂とし、これにウレタン高分
子膜を備えた含油マイクロカプセルを配合分散させたも
のであるから、基体樹脂とマイクロカプセルとの親和性
が良好であり、かつ粉末状のマイクロカプセルは流動性
が良好であるので均一な分散状態が得られる。また、マ
イクロカプセルを基体樹脂に添加分散させる際の混合剪
断力や、加工時の熱によって破壊されることがなく、従
って、本樹脂組成物は油分離によるベタツキやトラブル
なく成形可能である。こうして得られた樹脂組成物成形
品は優れた機械的特性を示し、高荷重用耐摩擦摩耗材と
して好適に使用可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る製造方法(2)の好
適な実施形態として、(4)脂肪族系多価イソシアネー
トと芳香族系多価イソシアネートとの混合物に対する潤
滑油の重量比が好ましくは4/4以上15/4以下、さ
らに好ましくは5/4以上10/4以下、前記イソシア
ネート混合物中の脂肪族系多価イソシアネートに対する
芳香族系多価イソシアネートの重量比が好ましくは1/
7以上15/1以下、さらに好ましくは3/5以上3/
1以下、前記イソシアネート混合物に対する多価アルコ
ールの重量比が好ましくは1/16以上12/16以
下、さらに好ましくは4/16以上8/16以下、前記
イソシアネート混合物に対する架橋剤の重量比が好まし
くは0.01/8以上0.2/8以下、さらに好ましく
は0.05/8以上0.1/8以下の範囲である上記
(2)記載の製造方法、を挙げることができる。
【0018】実施形態(4)において、上記イソシアネ
ート混合物に対する潤滑油の重量比(潤滑油/混合物)
が4/4未満の場合は高分子膜の膜厚が過大となり、ま
た15/4を超えると膜厚が不足して好ましくない。脂
肪族系多価イソシアネートに対する芳香族系多価イソシ
アネートの重量比が1/7未満の場合は糸状ポリマーが
でき易く、また15/1を超えると重合速度が低下する
ので好ましくない。また上記混合物に対する多価アルコ
ールの重量比が1/16未満の場合はイソシアネートの
官能基が残留し、12/16を超えるとアルコールが残
留するので好ましくない。さらに、上記混合物に対する
架橋剤の重量比が0.01/8未満の場合は架橋密度が
低下して高分子膜の機械的強度が不足し、また0.2/
8を超えると架橋密度が過大となり高分子膜が硬くなり
すぎて好ましくない。従って、反応液の各成分量を記載
の数値範囲内に調整する必要があるが、その中間にさら
に好適な範囲がある。
【0019】本発明に係る樹脂組成物(3)の好適な実
施形態として、(5)前記ポリウレタンエラストマー
が、前記含油マイクロカプセルを配合したポリウレタン
プレポリマーの注型重合反応により目的成形物品の形成
と同時に生成される上記(3)記載のマイクロカプセル
配合樹脂組成物、を挙げることができる。
【0020】樹脂組成物(3)の一般的な形態は、予め
粉砕したポリウレタンエラストマーに含油マイクロカプ
セルを分散させ、これを押出機によりペレット化したも
のである。この場合は、射出成形法により目的とする摺
動用部材に成形する。これに対して実施形態(5)はい
わゆる注型樹脂と呼ばれる形態である。この場合は、鎖
延長剤を添加して型中で重合させることにより目的物を
成形する。
【0021】
【実施例】以下において、本発明に係る含油マイクロカ
プセルの製造事例及び、このマイクロカプセルを配合し
た摺動用部材の摩耗試験結果を示し、かつ、比較例と対
照して本発明の効果を検証する。
【0022】(実施例1)鉱油(200#)100部に
芳香族系多価イソシアネート [日本ポリウレタン(株)
製 MR−100] 40部と、脂肪族系多価イソシアネ
ートであるヘキサメチレンジイソシアネート40部を溶
解して疎水性液体を、ポリビニルアルコール9部を水9
00部に溶解した親水性液体に添加し、600rpmで
撹拌して乳化させた。撹拌途上で親水性液体に多価アル
コールであるトリメチロールプロパン35部を加えて6
0℃に昇温し、架橋剤MOCA10部を加えて60分間
反応する。反応液は2層に分離するので、上層のマイク
ロカプセルを遠心分離機で水洗、濾過して乾燥し、20
0gの粉状含油マイクロカプセルを得た。
【0023】ポリエステル型ポリウレタンプレポリマー
[日本ポリウレタン(株)製 コロネートC−404
7] を80℃に加熱して、上記で得た含油マイクロカプ
セルを添加し、脱泡後1,4ブタンジオール4部を添加
して撹拌混合し、20分後、120℃に加温した金型に
注型し、20分間放置した。上型を載せて120℃、4
0分間一次加硫し、さらに120℃、10時間二次加硫
を行い、マイクロカプセルの含有量が0、5又は10重
量%である成形品を得た。
【0024】その摩耗試験結果及び機械的特性は表1に
示す通りで、摩擦係数の時間変化は図1に示す通りであ
った。例えば、含油マイクロカプセル10重量%を添加
したものでは摩擦係数μは0.21程度で安定してお
り、摩耗量はほとんどゼロであった。また、マイクロカ
プセルの含有量0のものからの、硬さ(JIS−A)、
100%引張応力(kgf/cm2)、伸び(%)、引張強さ
(kgf/cm2)等の機械的特性の低下も小さく、実用性の範
囲にあった。
【表1】
【0025】(実施例2)鉱油(200#)100部に
芳香族系多価イソシアネート [日本ポリウレタン(株)
製 MR−400] 40部と、脂肪族系多価イソシアネ
ートであるヘキサメチレンジイソシアネート40部を溶
解した疎水性液体を、ポリビニルアルコール9部を水9
00部に溶解した親水性液体に添加し、600rpmで
撹拌して乳化させた。撹拌途上で親水性液体に多価アル
コールであるペンタエリスリトール35部を加えて60
℃に昇温し、架橋剤MOCA10部を加えて60分間反
応する。反応液は2層に分離するので、上層のマイクロ
カプセルを遠心分離機で水洗、濾過して乾燥し、210
gの粉状含油マイクロカプセルを得た。
【0026】高分子ポリオール100部を110℃に加
熱し脱泡後、離型剤3部とジイソシアネートMDI12
6部と、鎖延長剤1,4ブタンジオール45部を混合し
て反応させ、110〜120℃で型に流し込み、90℃
で20時間熟成後粉砕した。上記で得た含油マイクロカ
プセルを配合して押出機でペレットを製造し、射出成形
機で製品を成形し、マイクロカプセルの含有量が0、5
又は10重量%である成形品を得た。
【0027】その摩耗試験結果及び機械的特性は表1に
示す通りで、摩擦係数の時間変化は図2に示す通りであ
った。例えば、含油マイクロカプセル10重量%を添加
したものでは摩擦係数μは0.32程度で安定してお
り、摩耗量はほとんどゼロであった。また、マイクロカ
プセルの含有量0のものからの機械的特性の低下も小さ
く、実用性の範囲にあった。
【0028】(比較例)上記実施例1及び2に対比すべ
き比較例として、固体潤滑剤として0又は5重量%のP
TFEを熱可塑性エラストマーに添加した耐摩擦摩耗材
料を取り上げ、その摩擦係数と摩耗量を測定した。摩耗
試験結果及び機械的特性は表1に示す通りで、摩擦係数
の時間変化は図3に示す通りであった。
【0029】成形品の摩耗試験は、図4に示す摩擦摩耗
試験機を用いて行った。図4において参照符号1は摩耗
試験に供する試験片、2は円筒状をなす相手材、3は摩
擦面である。相手材2を試験片1の上に置き、下方に向
けて負荷荷重を掛けながら相手材2を中心軸の回りに回
転させる。上記実施例及び比較例における成形品の摩耗
試験では、相手材の材質はS45C、荷重は5kgf/cm
2、線速度は1m/min、潤滑状態はドライで、20時間連
続的に摩擦回転を行い、摩擦係数μと摩耗量(μm)を
測定した。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る含油マイクロカプセルは、
これを基体樹脂に添加分散させる際の混合剪断力や、加
工時の熱によって破壊されることがなく、従って、この
マイクロカプセルを配合した樹脂組成物は油分離による
トラブルなく成形可能である。
【0031】本発明に係る含油マイクロカプセルの製造
方法では、分子間架橋により三次元網構造の高分子膜を
生成するために、架橋剤と多価アルコールを併用するこ
とを特徴とする。生成される高分子膜の機械的強度は膜
厚と架橋密度の両面から定まり、主として潤滑油に対す
るイソシアネートの重量比により膜厚を制御し、主とし
て架橋剤と多価アルコールの量により架橋密度を制御す
ることにより適切な機械的強度が付与されたウレタン高
分子膜が生成される。
【0032】本発明に係る含油マイクロカプセル配合樹
脂組成物では、基体樹脂とマイクロカプセルとの親和性
が良好で均一な分散状態が得られ、また、マイクロカプ
セルが添加分散時混合剪断力や加工時の熱によって破壊
されることがない。従って、本樹脂組成物は油分離によ
るベタツキやトラブルなく成形可能であり、得られた成
形品は優れた機械的特性を示し、高荷重用耐摩擦摩耗材
として好適に使用可能である。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1としての成形品における摩擦係数の時
間変化を示すグラフである。
【図2】実施例2としての成形品における摩擦係数の時
間変化を示すグラフである。
【図3】比較例としての成形品における摩擦係数の時間
変化を示すグラフである。
【図4】摩擦摩耗試験機の説明図である。
【符号の説明】
1…試験片 2…相手材 3…摩擦面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C10N 20:06 40:00 (56)参考文献 特開 平4−290538(JP,A) 特開 平1−129067(JP,A) 特開 昭57−140638(JP,A) 特開 昭52−33810(JP,A) 特開 昭57−19660(JP,A) 特開 昭60−156545(JP,A) 特開 平2−97596(JP,A) 特開 平2−294395(JP,A) 特開 昭48−174(JP,A) 特開 昭49−121787(JP,A) 特開 昭60−227828(JP,A) 特開 昭59−172654(JP,A) 特開 昭61−86941(JP,A) 特開 平5−320276(JP,A) 特開 平2−1798(JP,A) 特開 平7−26153(JP,A) 特開 昭61−254633(JP,A) 特開 昭58−3898(JP,A) 特開 平6−158071(JP,A) 特公 昭46−18127(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 101/00 B01J 13/16 C08K 9/10 C08L 75/04 C08L 101/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三次元化ウレタン高分子膜により液状潤滑
    油を被覆してなる含油マイクロカプセル。
  2. 【請求項2】構造式が化1で示される芳香族系多価イソ
    シアネート、脂肪属系多価イソシアネート及び液状潤滑
    油を含む疎水性液体を作り、 前記疎水性液体を親水性液体中に乳化分散させ、 前記親水性液体中に多価アルコールと架橋剤とを添加
    し、 前記疎水性液体の液滴表面において重合反応と架橋反応
    とを同時に進行させて生成される三次元化ウレタン高分
    子膜により前記潤滑油の液滴を被覆する各工程を含む、
    請求項1記載のマイクロカプセルの製造方法。 【化1】
  3. 【請求項3】請求項1記載の含油マイクロカプセルをポ
    リウレタンエラストマーに配合してなるマイクロカプセ
    ル配合樹脂組成物。
  4. 【請求項4】脂肪族系多価イソシアネートと芳香族系多
    価イソシアネートとの混合物に対する潤滑油の重量比が
    好ましくは4/4以上15/4以下 前記イソシアネート混合物中の脂肪族系多価イソシアネ
    ートに対する芳香族系多価イソシアネートの重量比が好
    ましくは1/7以上15/1以下 前記イソシアネート混合物に対する多価アルコールの重
    量比が好ましくは1/16以上12/16以下 前記イソシアネート混合物に対する架橋剤の重量比が好
    ましくは0.01/8以上0.2/8以下の範囲である
    請求項2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記ポリウレタンエラストマーが、前記含
    油マイクロカプセルを配合したポリウレタンプレポリマ
    ーの注型重合反応により目的成形品の形成と同時に生成
    される請求項3記載のマイクロカプセル配合樹脂組成
    物。
JP12925996A 1996-04-26 1996-04-26 含油マイクロカプセル、その製造方法及びマイクロカプセル配合樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3035726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12925996A JP3035726B2 (ja) 1996-04-26 1996-04-26 含油マイクロカプセル、その製造方法及びマイクロカプセル配合樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12925996A JP3035726B2 (ja) 1996-04-26 1996-04-26 含油マイクロカプセル、その製造方法及びマイクロカプセル配合樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09290145A JPH09290145A (ja) 1997-11-11
JP3035726B2 true JP3035726B2 (ja) 2000-04-24

Family

ID=15005151

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12925996A Expired - Fee Related JP3035726B2 (ja) 1996-04-26 1996-04-26 含油マイクロカプセル、その製造方法及びマイクロカプセル配合樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3035726B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7264875B2 (en) 2003-03-26 2007-09-04 Daicel Chemical Industries, Ltd. Microcapsules and processes for producing the same
US7279121B2 (en) 2003-12-11 2007-10-09 Daicel Chemical Industries, Ltd. Process for producing electrophoretic microcapsules

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100753471B1 (ko) * 2001-09-06 2007-08-31 주식회사 엘지생활건강 트리클로산을 포함하는 마이크로 캡슐의 제조방법
SI1840145T1 (en) * 2006-03-30 2018-03-30 Fmc Corporation POLYUREA POLYMERS OF ACETYLENE CARBAMIDE DERIVATES AND MICROCOPULES AND FORMULATION OF LE-TEH FOR CONTROLLED RENDERING
GB2603487A (en) * 2021-02-04 2022-08-10 Stewart Callum Composition
CN115710540A (zh) * 2022-11-07 2023-02-24 波顿香料股份有限公司 一种用于包覆香精的微胶囊乳液及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7264875B2 (en) 2003-03-26 2007-09-04 Daicel Chemical Industries, Ltd. Microcapsules and processes for producing the same
US7279121B2 (en) 2003-12-11 2007-10-09 Daicel Chemical Industries, Ltd. Process for producing electrophoretic microcapsules

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09290145A (ja) 1997-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7612152B2 (en) Self-healing polymers
US4421588A (en) Plastics alloy compositions
US5571623A (en) Fine polyurethane particles, colloidal polyurea particles, and production processes thereof
JP2739233B2 (ja) 鉱物油含有シリコーン粒状物
US3358052A (en) Polyurethane composition containing 0.2 to 5% polyolefin or polystyrene
US4107256A (en) Suspension polymerization of polyurethanes and spin-molding the powder product thereof
JP3035726B2 (ja) 含油マイクロカプセル、その製造方法及びマイクロカプセル配合樹脂組成物
US3622527A (en) Microporous sheet and a process for the production thereof
CN108017900A (zh) 一种液压气动密封用自润滑热塑性聚氨酯弹性体材料及其制备方法和应用
CA2078693A1 (en) Polymeric release films and their method of use
JPH04100815A (ja) 粉末状熱硬化性反応混合物の製造方法並びにポリウレタンポリ尿素の製造法
US3310604A (en) Polyurethanes having dispersed therein high and low molecular weight polyolefins
US4083831A (en) Process for the preparation of granular urethane-urea polymers
US3536638A (en) Breathable films of organic plastic material containing incompatible thermoplastic resin particles incorporated therein
US5292829A (en) Isocyanurate ring-containing crosslinked polyurethane polyurea particulate polymer and process for producing the same
Cassagnau et al. Reactive blending by in situ polymerization of the dispersed phase
JP2845024B2 (ja) 未架橋ポリウレタンの製造方法及び真球状未架橋ポリウレタン微粒子
US5635299A (en) Sliding member usable in dry and wet states and method of manufacturing the member
CA1105186A (en) Method for preparing a granular thermosetting moulding compositions containing a novolak
US3679783A (en) Improved process for forming a thin microporous sheet material
EP0329144A2 (en) Blade and method for preparation thereof
Grünewald et al. Tribological and mechanical properties of lubricant filled microcapsules in thermoplastic composites
US4246159A (en) Lubricant fillers in a discrete phase
JPH0797424A (ja) 吸水性ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法
JPH01129067A (ja) 含油樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees