JPH0797424A - 吸水性ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法 - Google Patents

吸水性ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0797424A
JPH0797424A JP5263100A JP26310093A JPH0797424A JP H0797424 A JPH0797424 A JP H0797424A JP 5263100 A JP5263100 A JP 5263100A JP 26310093 A JP26310093 A JP 26310093A JP H0797424 A JPH0797424 A JP H0797424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
water
polyurethane gel
polyurea
fine particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5263100A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3042948B2 (ja
Inventor
Katsumi Kuriyama
勝美 栗山
Takao Endo
隆夫 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
Original Assignee
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd, Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd filed Critical Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Priority to JP5263100A priority Critical patent/JP3042948B2/ja
Publication of JPH0797424A publication Critical patent/JPH0797424A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3042948B2 publication Critical patent/JP3042948B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の上記の欠点を解決すると共に、広範囲
の用途に適応可能なポリウレタンゲル微粒子を容易に提
供すること。 【構成】 三次元架橋した吸水性ポリウレタンゲル微粒
子であって、該微粒子の表面がポリウレアコロイド粒子
によって被覆されていることを特徴とする吸水性ポリウ
レタンゲル微粒子、及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、コーティング
剤、樹脂、ゴム、エラストマー等に優れた吸水、膨潤、
水濡れ性能を与える改質剤等として有益な吸水性ポリウ
レタンゲル微粒子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリイソシアネートとポリエチレ
ングリコールとを三次元的に反応させた架橋型で吸水性
に優れたポリウレタン樹脂は公知である。この様な吸水
性能を応用する方法としては、塗料、コーテイング剤、
樹脂成形品、ゴム、エラストマー等に、架橋前のポリウ
レタン原料をブレンドし、塗膜や成形品にした後に架橋
を完結させる方法がある。しかしながら、かかる方法で
は架橋密度のコントロールが困難であり、架橋の程度に
よって架橋物の塗膜や成形品との相溶性が低下したり、
逆に塗膜や成形品の物性を低下させる場合があり、応用
範囲が限定されている。
【0003】かかる問題を解決する方法として、吸水性
ポリウレタンゲル粒子を製造し、これを塗料原料や成形
用樹脂にブレンドする方法もあるが、吸水性ポリウレタ
ンゲル粒子の従来の製造方法としては、固形状の吸水性
ポリウレタンを低温で機械的に粉砕する方法、水性エマ
ルジョンから吸水性ポリウレタンゲル粒子を析出及び乾
燥させる方法、噴霧乾燥方法、更に溶液重合ポリウレタ
ンに貧溶剤を添加してポリウレタンを粒状に析出及び濾
過し、乾燥させて溶剤を除去する方法等がある。
【0004】これらの従来の方法では、得られる粉末の
形状が不定形であると同時に、微細な吸水性ポリウレタ
ンゲル微粒子が得られないと云う問題があり、又、製造
経費が著しく高くつくと云う問題がある。他方、不活性
液体を使用する方法としては、米国特許第3,787,
525号明細書、特開昭53−129295号公報及び
特開平2−38453号公報に記載の方法が知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】上記の前者の方
法は、生産性に劣り実用的な方法とは云えない。又、後
者の方法は全て特殊な有機系界面活性剤を使用しなけれ
ばならず、又、この界面活性剤はその一部が重合媒体で
ある不活性液体に溶解しなければならない為に、使用す
ることが出来る不活性液体が制限されると云う問題があ
る。
【0006】又、界面活性剤が、得られる吸水性ポリウ
レタンゲル粒子に混入することが避けられず、ポリウレ
タンゲル粒子の物性に悪影響を及ぼすと云う問題があ
る。更に、反応物質の乳化(懸濁)安定化の為に強力な
撹拌が必要であり、撹拌が不十分であると、低軟化点又
は低硬度吸水性ポリウレタンゲル粒子は、分散液中で重
合したポリウレタン分散体同士の凝集や、分散液から粉
末化する工程で吸水性ポリウレタンゲル粒子同士が融着
して、粒子が粗大化する為に製造することが出来ないと
云う欠点がある。従って本発明の目的は、従来の上記の
欠点を解決すると共に、広範囲の用途に適応可能な吸水
性ポリウレタンゲル微粒子を容易に提供することであ
る。
【0007】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、三次元架橋した
吸水性ポリウレタン微粒子であって、該微粒子の表面が
ポリウレアコロイド粒子によって被覆されていることを
特徴とする吸水性ポリウレタンゲル微粒子、及び少なく
とも一方が3官能以上であるポリイソシアネート化合物
と少なくともポリエチレンオキサイド基と活性水素を有
する化合物とを不活性液体中で乳化重合で三次元反応さ
せるに当り、乳化剤としてポリウレアコロイド粒子を使
用することを特徴とする吸水性ポリウレタンゲル微粒子
の製造方法である。
【0008】
【作用】本発明者は、不活性液体中に分散したポリウレ
アコロイド粒子が、ポリウレタンゲルの合成原料である
ポリイソシアネート化合物及びポリエチレンオキサイド
基及び活性水素を有する化合物を、不活性液体中に容易
にしかも微粒子に乳化すること、及びこの状態でポリイ
ソシアネート化合物及びポリエチレンオキサイド基及び
活性水素を有する化合物が重合反応して、三次元架橋し
た吸水性ポリウレタン微粒子を生成し、生成した微粒子
の周囲には上記ポリウレアコロイド粒子が均一に付着し
ており、微粒子を分散媒体から分離した状態において
は、微粒子が上記コロイド粒子によって均一に被覆され
ていることを見出して本発明を完成した。
【0009】更に、本発明に使用するポリウレアコロイ
ド粒子は、通常は吸水性ポリウレタンゲル微粒子の合成
過程において著しい粘度上昇が発生するが、ポリウレア
コロイド粒子の存在下に上記微粒子を合成すると、合成
過程において著しい粘度上昇は発生せず、生成した吸水
性ポリウレタンゲル微粒子が凝集することがなく、優れ
た分散安定性を維持するという特徴がある。この作用は
従来公知の有機の乳化剤や分散安定剤とは根本的に異な
る作用である。
【0010】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明の吸水性ポリウレタ
ンゲル微粒子は、少なくとも一方が3官能以上であるポ
リイソシアネート化合物と少なくともポリエチレンオキ
サイド基と活性水素を有する化合物とを、乳化剤として
のポリウレアコロイド粒子の存在下に、不活性液体中で
乳化重合させることによって得られる。この様にして得
られる吸水性ポリウレタンゲル微粒子は、三次元架橋し
た吸水性ポリウレタンゲル微粒子であって、該微粒子の
表面がポリウレアコロイド粒子によって被覆されている
ことを特徴としている。
【0011】本発明の吸水性ポリウレタンゲル微粒子は
上記方法によって得られるが、好ましい方法は、ポリウ
レアコロイド粒子を分散含有する不活性媒体を撹拌機や
乳化機付きのジャケット式合成釜に仕込み、この中に少
なくとも一方が3官能以上であるポリイソシアネート化
合物及び少なくともポリエチレンオキサイド基と活性水
素を有する化合物の不活性媒体溶液を添加及び乳化し、
これらの合成原料を反応させて吸水性ポリウレタンゲル
微粒子を合成する方法や、少なくとも一方が3官能以上
であるポリイソシアネート化合物及び少なくともポリエ
チレンオキサイド基と活性水素を有する化合物を夫々別
個に、ポリウレアコロイド粒子の存在下に不活性媒体中
に乳化させ、これらを反応させる方法等が挙げられる。
【0012】合成温度は特に限定されないが、好ましい
温度は40℃〜120℃である。又、合成時に使用する
ポリウレアコロイド粒子の使用量は、ポリイソシアネー
ト化合物及び少なくともポリエチレンオキサイド基と活
性水素を有する化合物夫々100重量部当たり0.5重
量部以上を使用することが出来、好ましくは1.0〜2
0重量部である。0.5重量部未満では原料の乳化性が
不十分で、合成過程で吸水性ポリウレタン微粒子の大き
い凝集塊が発生し、目的とする微細な重合体の分散体が
得難い。一方、20重量部を越えるとポリウレタンの原
料の乳化性には問題はなく、吸水性ポリウレタン微粒子
の分散体は製造することが出来るが、乳化剤としての作
用として過剰な量であり特に利点はない。ポリイソシア
ネート化合物及び少なくともポリエチレンオキサイド基
と活性水素を有する化合物の不活性液体中における濃度
は、低い程小さい粒径のものが得られ易く、生産性から
好ましい濃度は20〜70重量部である。
【0013】本発明の吸水性ポリウレタンゲル微粒子の
合成に使用するポリイソシアネート化合物の例として
は、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニル
メタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、
メタキシレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4
´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、
メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)−
ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸
ジイソシアネート等の2個のイソシアネート基を有する
ものが挙げられる。
【0014】又、これらの化合物をイソシアヌレート
体、ビューレット体、アダクト体、ポリメリック体とし
た多官能のイソシアネート基を有するもの、例えば、
4,4’、4”−トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネートの環状三量体、
2,6−トリレンジイソシアネートの環状三量体、混合
した3モルの2,4−及び2,6−トリレンジイソシア
ネートの環状三量体、ジフェニールメタン−4,4’−
ジイソシアネートの三量体、3モルのジフェニールメタ
ン−4,4’−ジイソシアネートと1モルのトリメチロ
ールプロパンとの反応生成物、3モルの2,4−トリレ
ンジイソシアネートと1モルのトリメチロールプロパン
との反応生成物、3モルの2,6−トリレンジイソシア
ネートと1モルのトリメチロールプロパンとの反応生成
物、3モルの2,4−トリレンジイソシアネートと1モ
ルのトリメチロールエタンとの反応生成物、3モルの
2,6−トリレンジイソシアネートと1モルのトリメチ
ロールエタンとの反応生成物、混合した3モルの2,4
−及び2,6−トリレンジイソシアネートと1モルのト
リメチロールプロパンとの反応生成物等、及びこれらの
ポリイソシアネートを、メタノール、エタノール、フェ
ノール、クレゾール、ε−カプロラクタム、メチルエチ
ルケトンオキシム、アセトンオキシム、N,N−ジメチ
ルヒドロキシアミン、マロン酸ジエチル、アセチルアセ
トン等の活性水素を分子内に1個有する化合物とポリイ
ソシアネート化合物のイソシアネート基の一部又は全部
を反応したもの等を使用することが出来る。
【0015】上記ポリイソシアネートと反応させる少な
くともポリエチレンオキサイド基と活性水素を有する化
合物の最も好ましい例はポリエチレングルコール及びポ
リエチレンオキサイドと他の活性水素含有化合物との共
重合体であって、好適なものは、平均分子量が500〜
4,000程度のものである。その他得られる吸水性ゲ
ル微粒子の吸水倍率を調整する目的で、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、グリセリン、トリメチルロールプロパン、ヘキサン
トリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリスリト
ール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレ
ンジアミン、1,4−ベンゼンチオール、ソルビトー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンアジペー
ト、ポリブチレンアジペート、ポリテトラメチレングリ
コール、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリ−ε−カ
プロラクトン、ポリヘキサメチレンカーボネート、水素
添加ダイマーポリオール、ヒマシポリオール、ポリオレ
フイン系ポリオール、ポリエチレングリコール、酸化エ
チレンと酸化プロピレンとの共重合体、酸化エチレンと
ビスフェノールAとの共重合体、酸化エチレン及び/又
は酸化プロピレンとテトラヒドロフランやグリセリン付
加物等の単独、混合物、共重合物等、ポリイソシアネー
ト化合物と反応するものも併用することが出来る。
【0016】上記ポリイソシアネート化合物及び少なく
ともポリエチレンオキサイド基と活性水素を有する化合
物の種類、使用量及び使用比率は、得られる吸水性ポリ
ウレタンゲル微粒子に要求される吸水倍率によって決定
されるが、いずれか一方の成分が3官能以上であること
が必要である。例えば、ポリイソシアネートが2官能で
ある場合には、少なくともポリエチレンオキサイド基と
活性水素を有する化合物は3官能以上であり、又、少な
くともポリエチレンオキサイド基と活性水素を有する化
合物が2官能である場合には、ポリイソシアネートが3
官能以上が必要であり、両成分とも3官能以上であって
もよい。又、NCO/OH比は、使用する化合物と生成
物に要求される性能によって決定されるが、好ましくは
0.5〜1.2の範囲である。
【0017】上記両化合物の反応に使用し、生成する吸
水性ポリウレタンゲル微粒子分散体の連続相を形成する
不活性液体は、生成するポリウレタンに対して実質的に
非溶媒であり且つ活性水素を有しないものである。その
例として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
デカン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、石
油スピリット、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素、ジメチルポリシ
ロキサン等の単独又は混合物が挙げられ、これらの不活
性液体は、該不活性液体と合成されたポリウレタンの分
離工程の生産性の点からは150℃以下の沸点を有する
ものが好ましい。本発明の吸水性ポリウレタンゲル微粒
子の合成に際しては公知の触媒が使用すれば低温でもよ
いが、作業面から40℃以上の反応温度が好ましい。
【0018】上記吸水性ポリウレタンゲル微粒子の合成
時に乳化剤として使用するポリウレアコロイド粒子は、
溶媒に対して溶媒和されている部分と非溶媒和部分とか
ら構成されており、非溶媒和部分の粒子径が好ましくは
0.01μm〜1.0μmの粒子であり、かかるポリウ
レアコロイド粒子は、例えば、非水媒体中で、油脂変性
ポリオールとポリイソシアネート(又はこれらの化合物
からなる末端NCOプレポリマー)とポリアミン化合物
との反応で得られる。この反応では、反応が進むにつれ
て、ウレア結合同士の水素結合により、媒体中に不溶解
のウレアドメインが形成され、同時に油脂変性ポリオー
ル鎖が媒体中で溶媒和されることにより、非溶解性のウ
レアドメインの凝集等によるポリウレアコロイド粒子の
巨大化が防止され、安定なポリウレアコロイド粒子が容
易に得られる。
【0019】更に、使用する油脂変性ポリオールが、非
水媒体中での結晶性が少なく、反応が進むにつれて生じ
る高分子化の過程でも、媒体中で油脂変性ポリオールを
主体とするポリマー鎖がある程度自由に動き得る為に、
非溶解性結晶部分と溶解性非結晶部分の分離が容易に行
われ、ウレア結合同士の水素結合による非溶解性結晶部
分を粒子の中心とするウレアドメインを形成し、その周
囲に溶媒和されたポリマー鎖が規則正しく外向きに配向
される。これは従来のミセル下に重合することにより得
られる公知のコロイド粒子の製造方法における界面活性
剤とは根本的に異なる作用である。
【0020】上記ポリウレアコロイド粒子の製造方法を
更に具体的に説明する。先ず、最初に油脂変性ポリオー
ルとポリイソシアネート化合物とを非水媒体中又は無溶
媒で反応させ、NCO基を有するプレポリマーを合成す
る。次にこのプレポリマーを撹拌機付きのジャケット式
合成釜に仕込み、濃度が5〜70重量%になるように非
水系溶媒を添加して濃度を調整する。この溶液を撹拌し
ながら、予め2〜20重量%の濃度に調整したポリアミ
ン化合物の溶液を徐々に添加し反応を行い、ポリウレア
化反応においてポリウレアコロイド粒子を製造する。
【0021】ポリアミンの添加方法は、上記の方法の他
にポリアミン溶液に前記プレポリマー又はその溶液を添
加する方法でもよい。ポリマー合成の為の温度は特に限
定されないが、好ましい温度は30℃〜120℃であ
る。ポリマー合成の為の反応濃度、温度、撹拌機の形
態、撹拌力、ポリアミン溶液及びプレポリマー又はその
溶液の添加速度等は特に限定されないが、ポリアミン化
合物とプレポリマーのイソシアネート基との反応は速い
ので、急激な反応が行われないように、反応を制御する
ことが好ましい。
【0022】ポリウレアコロイド粒子の製造に使用する
油脂変性ポリオールは、官能基が2以下のポリオールで
あって、好ましい分子量は1,000±300である
が、これに限定されない。油脂変性ポリオールの具体例
としては、例えば、各種の油脂を低級アルコールやグリ
コールを用いてアルコリシス化する方法、油脂を部分鹸
化する方法、水酸基含有脂肪酸をグリコールによりエス
テル化する方法等によって、油脂に約2個以下の水酸基
を含有させたもの、或はJ.H.SAUNDERS,K.C.FRISCH著のP
OLYURETHANES,CHEMISTRY AND TECHNOLOGY PART 1,Chemi
stry(p48〜53)(1962年発行)等に記載の油
脂変性ポリオール等が挙げられる。上記の水酸基含有脂
肪酸としては、例えば、リシノレイン酸、12−ヒドロ
キシステアリン酸、ヒマシ油脂肪酸、水添ヒマシ油脂肪
酸等が挙げれれる。
【0023】油脂変性ポリオールとポリイソシアネート
化合物との反応は、1<NCO/OH≦2の条件で行
い、溶媒和されるプレポリマー鎖の分子量をコントロー
ルする。この様に合成されるプレポリマーの分子量は、
特に限定されないが、好ましい範囲は約500〜15,
000である。本発明で使用されるポリイソシアネート
化合物としては、公知のポリイソシアネート化合物の全
てが挙げられる。特に好ましいものはヘキサメチレンジ
イソシアネート、水添加TDI、水添加MDI、イソホ
ロジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族系ジイソシア
ネート化合物である。
【0024】ポリウレアコロイド粒子の製造に使用する
非水系媒体としては、使用原料である油脂変性ポリオー
ル、ジイソシアネート化合物及びポリアミン化合物を溶
解するもので、活性水素を有さない全ての非水系溶媒を
使用することが出来る。特に好ましいものはヘキサン、
ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素系である。尚、本発明におい
て「溶解」とは常温及び高温下での溶解の両方を包含す
る。
【0025】ポリウレアコロイド粒子の製造に使用する
ポリアミン化合物として、例えば、エチレンジアミン、
ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ヘキサメチレンジ
アミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミ
ノエチルピペラジン、ビス−アミノプロピルピペラジ
ン、ポリオキシプロピレンジアミン、4,4−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、チオ尿
素、メチルイミノビスプロピルアミン等のジアミンの単
独及び混合物を好ましく使用することが出来る。
【0026】ポリウレアコロイド粒子の製造に使用する
油脂変性ポリオール、ジイソシアネート化合物、ポリア
ミン化合物、得られるプレポリマーの種類、使用量及び
使用比率は、使用する溶媒中でのポリウレアコロイド粒
子の大きさ及び安定性等を制御する目的で決定される。
即ち、本発明のポリウレアコロイド粒子は、溶媒中で溶
媒和されない結晶部分のウレアドメインと、そのウレア
ドメインから伸びて溶媒中で溶媒和されたポリマー鎖に
より形成されている。
【0027】ポリウレアコロイド粒子のウレアドメイン
の大きさ及び溶媒和されたポリマー鎖の大きさと形態が
ポリウレアコロイド粒子の性質を左右する。この様に、
ウレアドメインと溶媒和されたポリマー鎖とで形成され
たポリウレアコロイド粒子は、溶媒中で安定なポリウレ
アコロイド分散液であり、その分散液中のポリウレアコ
ロイド粒子のウレアドメインの粒径は、通常0.01〜
1.0μmであり、溶媒和されているポリマー鎖の1個
の分子量は約500〜15,000であり、両者の重量
比はウレアドメイン(ウレア結合又はポリアミン化合
物)/ポリマー鎖が0.5〜30の範囲が好ましい。ウ
レア結合の割合が上記範囲未満であると、得られるポリ
ウレアコロイド粒子中の非溶媒和性ウレアドメインが形
成されにくく、ポリウレアコロイド粒子が非水媒体に溶
解性し易くなり、良好なポリウレアコロイド粒子が生成
されない。一方、ウレア結合の割合が上記範囲を越える
と、非溶媒和性ウレアドメインが大きくなり、得られる
ポリウレアコロイド粒子の安定性が低下し、ポリウレア
コロイド粒子の凝集が生じ易くなる。
【0028】以上の如きポリウレアコロイド分散液は光
の錯乱により青い乳光から黄味がかった乳光に見える。
該ポリウレアコロイド分散液を乾燥固化したものは、比
較的溶解力の低い炭化水素系溶媒中に容易に再分散し、
任意の濃度のポリウレアコロイド分散液とすることが出
来、又、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、シメチ
ルスルホキシド、メチルエチルケトン、酢酸ブチル等の
極性溶剤には殆ど溶解し、これに上記の如き溶解力に低
い溶媒を適当量添加混合することにより、ポリマー中の
ウレア結合が析出結晶化して非溶媒和ウレアドメインを
形成し、ポリウレアコロイド分散液とすることが出来
る。
【0029】ポリウレアコロイド粒子は、溶媒和されて
いない結晶部のウレアドメインと溶媒和されたポリマー
鎖から形成されている不均一粒子である為に、その性質
は溶媒和されていないウレアドメインと溶媒和されたポ
リマー鎖の両者の性能を合わせ持っている。1例とし
て、NCO基を有するプレポリマーとポリアミン化合物
をNCO/NH=1.0のモル比で反応させて合成し
たポリウレアコロイド粒子を、固形分で10重量%の分
散液としてガラス板の上に、乾燥膜が10μmになるよ
うに塗付し乾燥して製膜したところ、この乾燥塗膜は、
透明性に優れ、粘着性の無い、しかも驚くべきことに、
溶融温度は200℃以上を示した。
【0030】本発明で使用するポリウレアコロイド粒子
の溶媒中における形態は、図1に示す様なものと想像さ
れる。このポリウレアコロイド粒子の粒径の制御につい
ては、溶媒和したポリマー部分とウレアドメインを含ん
だ粒子全体の大きさと、溶媒和したポリマー部分とウレ
アドメインのそれぞれの大きさについて、それらの制御
が可能である。尚、先に記載のポリウレアコロイド粒子
分散液の粒径は、ウレアドメイン部分を表現している。
【0031】安定に制御されたポリウレアコロイド粒子
分散液を製造する為には、図1の様に、溶媒和したポリ
マー部分とウレアドメイン部分が明瞭に相分離している
のが望ましく、その為には溶媒和されるポリマー鎖と結
晶部分のウレアドメインとが混在しない様に製造するこ
とが必要である。この為には、合成過程で溶媒和したポ
リマー部分とウレアドメイン部分が分離しやすい合成条
件が要求される。
【0032】ポリウレアコロイド粒子の合成は、NCO
基を有するプレポリマーの溶液及びポリアミン化合物の
溶液の両方の濃度が低く、一方の溶液に他方の溶液を添
加する添加速度が遅いほど良好な結果が得られ、撹拌は
プロペラミキサー撹拌で充分である。又、原料溶液の濃
度が高い場合や溶液の添加速度が速い場合には、ホモジ
ナイザー等の使用による高剪断力の混合を行いながら合
成することが好ましい。反応温度は使用する溶媒の種類
と、その溶媒に対するウレアドメインの溶解度により決
まるが、好ましい温度は合成を制御し易い30℃〜12
0℃であるが、この温度範囲に特に限定されない。ウレ
アドメインの形成は合成過程で形成する方法、或は高温
で合成したものを冷却過程で形成する方法でもよい。
【0033】ポリウレアコロイド粒子で重要な因子は、
その表面基の種類及び濃度であり、更には不活性液体中
における分散性と分散粒径である。即ち、ポリウレアコ
ロイド粒子の乳化剤としての作用は、W/O、O/O型
の乳化剤であり、ポリイソシアネート化合物及び少なく
ともポリエチレンオキサイド基と活性水素を有する化合
物の親水性、疎水性の強さと不活性液体との相関性で作
用する。これらの条件を加味して検討を加えた結果とし
て、ポリイソシアネート化合物及び少なくともポリエチ
レンオキサイド基と活性水素を有する化合物に対するポ
リウレアコロイド粒子の添加量の調整で、吸水性ポリウ
レタンゲル微粒子の粒径をコントロールすることが可能
であり、前記の範囲で添加量が多い程粒径は小さくな
り、少ない程粒径が大きくなる。
【0034】以上の如き原材料から得られたポリウレタ
ン分散液から、常圧又は減圧下で不活性液体を分離する
ことによって、本発明の吸水性ポリウレタンゲル微粒子
が得られる。粒子化に用いる装置としてスプレイドライ
ヤー、濾過装置付き真空乾燥機、撹拌装置付真空乾燥
機、棚式乾燥機等公知のものがいずれも使用出来、好ま
しい乾燥温度は不活性液体の蒸気圧、吸水性ポリウレタ
ンゲル微粒子の軟化温度、粒径等に影響されるが、好ま
しくは減圧下40℃〜80℃である。
【0035】この様にして製造された吸水性ポリウレタ
ンゲル微粒子の粒径は、0.5μm〜100μmで真球
状である。粒径のコントロールは、ポリウレタンの組成
が同一の場合、合成釜の乳化型式(プロペラ式、錨型
式、ホモジナイザー、螺旋帯式等)及び撹拌力の大小に
左右されるが、特に不活性液体中のポリイソシアネート
化合物及び少なくともポリエチレンオキサイド基と活性
水素を有する化合物の濃度、ポリウレアコロイド粒子の
種類及び添加量に影響される。ポリイソシアネート化合
物及び少なくともポリエチレンオキサイド基と活性水素
を有する化合物を乳化する為の機械的撹拌や剪断力は乳
化の初期段階で決定され、これが強力な程分散体の粒径
が小さくなる。その後の撹拌及び剪断力は大きくは影響
しない。かえってその力が強すぎると分散体同士の凝集
を促進することになり好ましくない。
【0036】又、本発明では、上記の吸水性ポリウレタ
ンゲル微粒子の製造に当たり、原料の少なくとも一部又
は全部に染料や顔料等の着色剤、可塑剤、安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、研磨剤、体質顔料
等の各種添加剤を混合して、ポリウレタンの合成を行い
種々の用途に適した吸水性ポリウレタンゲル微粒子を得
ることも可能である。
【0037】これらの微粒子は、図2の電子顕微鏡写真
(倍率5,000倍)に示す様に、ほぼ完全に真球状の
微粒子であり、図3の想像図に示す如く個々の吸水性ポ
リウレタンゲル微粒子の表面にはポリウレアコロイド粒
子が付着或は被覆されており且つポリウレアコロイド粒
子が非粘着性と耐熱性に優れている為、該微粒子を分散
媒体から単に除去するのみで極めて流動性に富んだ微粒
子となり、微粒子化に当たっては従来技術における如き
煩雑且つコスト高な粉砕工程や分級操作を何ら要しない
等の種々の利点を有している。
【0038】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものでない。尚、文中部又は%とあるのは特に断り
のない限り重量基準である。
【0039】(ポリウレアコロイド粒子の作成) 実施例1 水酸基価119.5の2官能の油脂変性ポリオール10
0部とN−オクタン100部とを撹拌機付き合成釜に仕
込み上記ポリオールを溶解した。撹拌しながら温度を5
0℃に制御し、NCO/OH=2になる様に予め用意し
たイソホロンジイソシアネート47.3部を1時間かけ
て徐々に添加し、この条件で3時間反応を続け、更に8
0℃3時間の反応を行い合成を完結した。次にN−オク
タンで濃度50%に調整し、NCO基を2.9%含有す
るプレポリマー溶液(PP−1)を得た。この物の分子
量は1,383である。
【0040】上記のPP−1の40部を、N−オクタン
60部を撹拌機付き合成釜に仕込み溶解した、撹拌しな
がら温度を70℃に制御しながら、予め用意したイソホ
ロンジアミンのN−オクタンの10%溶液23.4部を
5時間掛けて徐々に添加し反応を完結して、(ポリアミ
ン(ウレア結合部)/プレポリマー鎖)×100=1
1.7%のポリウレアコロイド粒子の18.1%分散液
(C−1)を得た。この分散液は青い乳光色の安定な分
散液であった。
【0041】実施例2 水酸基価119.5の2官能の油脂変性ポリオール10
0部とN−オクタン100部とを撹拌機付き合成釜に仕
込み上記ポリオールを溶解した。撹拌しながら温度を5
0℃に制御し、NCO/OH=1.1になる様に予め用
意したイソホロンジイソシアネート26.6部を1時間
掛けて徐々に添加し、この条件で3時間反応を続け、更
に80℃4時間の反応を行い合成を完結した。次にN−
オクタンで濃度50%に調整し、NCO基を1.64%
含有するプレポリマー溶液(PP−2)を得た。この物
の分子量は2,543である。
【0042】上記のPP−2の20部とN−オクタン8
0部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記プレポリマー溶
解した。撹拌しながら温度を70℃に制御しながら、予
め用意したイソホロンジアミンのN−オクタンの1%溶
液17.0部を8時間掛けて徐々に添加し反応を完結し
て、(ポリアミン/プレポリマー鎖)×100=1.7
%のポリウレアコロイド粒子の8.7%分散液(C−
2)を得た。この分散液は青い乳光色の安定な分散液で
あった。
【0043】実施例3 水酸基価157.8の1官能の油脂変性ポリオール10
0部を、撹拌機付き合成釜に仕込み、撹拌しながら温度
を60℃に制御し、NCO/OH=2.0になる様に、
予め用意したトリレンジイソシアネート49.0部を1
時間掛けて徐々に添加し、この条件で5時間の反応を行
い合成を完結した。次にN−ヘプタンで濃度60%に調
整し、NCO基を4.71%含有するプレポリマー溶液
(PP−3)を得た。この物の分子量は528である。
【0044】上記のPP−3の100部を撹拌機付き合
成釜に仕込み、撹拌しながら温度を50℃に制御し、予
め用意したトリメチルヘキサメチレンジアミンのN−ヘ
プタンの10%溶液88.5部を5時間掛けて徐々に添
加し反応を完結して、(ポリアミン/プレポリマー鎖)
×100=14.75%のポリウレアコロイド粒子の3
6.5%分散液(C−3)を得た。この分散液は黄味の
乳光色の安定な分散液であった。
【0045】実施例4 水酸基価165.5の2官能の油脂変性ポリオール10
0部とN−デカン100部とを撹拌機付き合成釜に仕込
み上記ポリオールを溶解した。撹拌しながら温度を50
℃に制御し、NCO/OH=2.0になる様に、予め用
意したヘキサメチレンジイソシアネート49.6部を1
時間掛けて徐々に添加し、この条件で3時間反応を続
け、更に80℃3時間の反応を行い合成を完結した。次
にN−デカンで濃度50%に調整し、NCO基を4.0
5%含有するプレポリマー溶液(PP−4)を得た。こ
の物の分子量は1,012である。
【0046】上記のPP−4の40部とN−デカン60
部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記プレポリマーを溶
解した。撹拌しながら温度を70℃に制御し、予め用意
したヘキサメチレンジアミンのN−デカンの5%溶液4
9.8部を8時間掛けて徐々に添加し反応を完結して、
(ポリアミン/プレポリマー鎖)×100=12.45
%のポリウレアコロイド粒子の15%分散液(C−4)
を得た。この分散液は透明な青い乳光色の安定な分散液
であった。
【0047】(吸水性ポリウレタンゲル微粒子の製造) 実施例5 平均分子量1,000のポリエチレングリコール20部
を60℃で溶解し、この中にヘキサメチレンジイソシア
ネートのイソシアヌレートポリイソシアネート8.12
部を添加し均一に混合した。この物を、予め1リットル
のステンレス容器に準備したポリウレアコロイド(C−
1)3部とnヘプタン50部の混合液の中に徐々に加
え、ホモジナイザーで15分間乳化した。この乳化液は
分散質の平均分散粒子径が5μmで、粒子の分離もなく
安定な乳化液であった。
【0048】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、500rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、6時間の反応を終了し吸水性ポリウレタンゲル微
粒子の分散液を得た。この分散液を100Toorで真
空乾燥を行ってn−ヘプタンを分離し、本発明の吸水性
ポリウレタンゲル微粒子(1)を得た。このものは平均
粒子径が5μmの真球状の白色粉末状であった。
【0049】実施例6 錨型撹拌機付反応釜に平均分子量2,000のポリエチ
レングリコール100部を仕込み、70℃に加熱溶解し
て撹拌しながらジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI)25部を徐々に添加し、5時間の反応を行いNC
O/OH=2のプレポリマーを得た。このものにトリメ
チロールプロパン4.5部を添加混合した。
【0050】この物の25部を、予め1リットルのステ
ンレス容器に準備した実施例2のポリウレアコロイド
(C−2)12部とnヘプタン50部との混合液の中に
徐々に加え、ホモジナイザーで25分間乳化した。この
乳化液は分散質の平均分散粒子径が8μmで、粒子の分
離もなく安定な乳化液であった。次にこれを錨型撹拌機
付き反応釜に仕込み、500rpmの回転をさせながら
温度を100℃まで上げ、5時間の反応を終了し吸水性
ポリウレタンゲル微粒子の分散液を得た。この分散液か
ら実施英5と同様にして、本発明の吸水性ポリウレタン
ゲル微粒子(2)を得た。このものは平均粒子径が8μ
mの真球状の白色粉末状であった。
【0051】実施例7 平均分子量1,800の酸化エチレン−テトラヒドロフ
ランランダム共重合体(モル比70/30)20部中に
ポリメリックイソシアネート(NCO=31.5%)
2.36部を添加し、NCO/OH=0.8に調整して
低速で混合した。この物を、予め1リットルのステンレ
ス容器に準備した実施例3のポリウレアコロイド(C−
3)3部とイソオクタン97部とに添加して超音波によ
る分散を行った。この分散液は分散質の平均分散粒子径
が3μmで、粒子の分離もなく安定な乳化液であった。
【0052】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、500rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、2時間の反応を完結させ吸水性ポリウレタンゲル
微粒子の分散液を得た。この分散液を実施例5と同様に
処理して本発明の吸水性ポリウレタンゲル微粒子(3)
を得た。このものは平均粒子径が3μmの真球状の白色
粉末状であった。
【0053】実施例8 実施例5のポリウレアコロイド(C−1)3部を実施例
4のポリウレアコロイド(C−4)4部に変更した以外
は実施例5と同様の方法を繰り返した。得られた吸水性
ポリウレタンゲル粒子(4)は平均粒子径が4μmの真
球状の白色粉末状であった。
【0054】以上で得られたポリウレタンゲル粒子の吸
水倍率及び耐溶剤性は下記表1の通りであった。
【表1】
【0055】*1:25℃で吸水前後の粒子の大きさ
(直径)の変化(吸水前を1とした場合を顕微鏡で観察
した顕微鏡により観察した。 *2:微粒子20部を溶剤80部に添加し軽く手で撹拌
したときに分散液の状態を肉眼で観察した。○;分散
△;ペースト ×;ゲル 溶剤1:エチルアセテ−ト 溶剤2:メチルエチルケトン 溶剤3:ジメチルホルムアミド 溶剤4:トルエン 溶剤5:ミネラルスピリット 溶剤6:イソプロピルアルコール
【0056】
【発明の効果】本発明は下記の効果を奏する。 1.粒径のコントロールされた吸水性ポリウレタンゲル
微粒子の製造が可能である。 2.得られた吸水性ポリウレタンゲル微粒子は真球状で
あり、該吸水性ポリウレタンゲル微粒子の表面には、乳
化剤として使用したポリウレアコロイド粒子が均一に付
着又は被覆されている為、該微粒子は極めて流動性に優
れ、取り扱いが容易であり、例えば、輸送、計量、液体
や樹脂中への再分散が極めて容易である等の種々の利点
がある。 3.以上の効果から、本発明の吸水性ポリウレタンゲル
微粒子は、塗料、コーティング剤、樹脂、ゴム、エラス
トマー等に優れた吸水性、水膨潤性、水濡れ性、帯電防
止性等の性能を与える改質剤等として有益である。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するポリウレアコロイド粒子の断
面の想像図。
【図2】本発明の吸水性ポリウレタンゲル微粒子の状態
の1例を示す図。
【図3】本発明の吸水性ポリウレタンゲル微粒子の断面
の想像図。
【符号の説明】
1:溶媒和されているポリマー鎖 2:非溶媒和部分のウレアドメイン 3:吸水性ポリウレタンゲル微粒子 4:ポリウレアコロイド粒子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元架橋した吸水性ポリウレタンゲル
    微粒子であって、該微粒子の表面がポリウレアコロイド
    粒子によって被覆されていることを特徴とする吸水性ポ
    リウレタンゲル微粒子。
  2. 【請求項2】 ポリウレアコロイド粒子が、溶媒に対し
    て溶媒和されている部分と非溶媒和部分とから構成され
    ており、非溶媒和部分の粒子径が0.01μm〜1.0
    μmである請求項1に記載の吸水性ポリウレタンゲル微
    粒子。
  3. 【請求項3】 ポリウレアコロイド粒子が、油脂変性ポ
    リオールとポリイソシアネートとポリアミン化合物との
    反応で得られるポリウレアコロイド粒子であって、非溶
    媒和部分がウレア結合の水素結合からなっている請求項
    1に記載の吸水性ポリウレタンゲル微粒子。
  4. 【請求項4】 粒子径が0.5〜100μmの範囲であ
    る請求項1に記載の吸水性ポリウレタンゲル微粒子。
  5. 【請求項5】 少なくとも一方が3官能以上であるポリ
    イソシアネート化合物と少なくともポリエチレンオキサ
    イド基と活性水素を有する化合物とを不活性液体中で乳
    化重合で三次元反応させるに当り、乳化剤としてポリウ
    レアコロイド粒子を使用することを特徴とする吸水性ポ
    リウレタンゲル微粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 乳化重合物を不活性液体から粉末状とし
    て取り出す請求項4に記載の吸水性ポリウレタンゲル微
    粒子の製造方法。
JP5263100A 1993-09-28 1993-09-28 吸水性ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3042948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5263100A JP3042948B2 (ja) 1993-09-28 1993-09-28 吸水性ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5263100A JP3042948B2 (ja) 1993-09-28 1993-09-28 吸水性ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0797424A true JPH0797424A (ja) 1995-04-11
JP3042948B2 JP3042948B2 (ja) 2000-05-22

Family

ID=17384827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5263100A Expired - Lifetime JP3042948B2 (ja) 1993-09-28 1993-09-28 吸水性ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3042948B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008260722A (ja) * 2007-04-12 2008-10-30 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 化粧料
WO2012150684A1 (ja) 2011-05-02 2012-11-08 大日精化工業株式会社 ポリヒドロキシウレタン微粒子及びその製造方法
US9540537B2 (en) 2011-02-24 2017-01-10 Dainichiseika Color & Chemicals Mfg. Co., Ltd. Coating composition for forming gas barrier layer, gas barrier film, and method for producing gas barrier film

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101670226B1 (ko) 2015-12-11 2016-10-28 용진환경주식회사 오동작방지 맨홀펌프장 수위감지 스위치

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008260722A (ja) * 2007-04-12 2008-10-30 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 化粧料
US9540537B2 (en) 2011-02-24 2017-01-10 Dainichiseika Color & Chemicals Mfg. Co., Ltd. Coating composition for forming gas barrier layer, gas barrier film, and method for producing gas barrier film
WO2012150684A1 (ja) 2011-05-02 2012-11-08 大日精化工業株式会社 ポリヒドロキシウレタン微粒子及びその製造方法
US9416227B2 (en) 2011-05-02 2016-08-16 Dainichiseika Color & Chemicals Mfg. Co., Ltd. Polyhydroxyurethane microparticles, and process for producing same

Also Published As

Publication number Publication date
JP3042948B2 (ja) 2000-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3042950B2 (ja) ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法
JP5027996B2 (ja) 分散剤および分散安定剤用として適切な付加化合物
US5814675A (en) Process for the preparation of polyurethane microspheres
US5077339A (en) Heat-curing reactive powders based on polyurethanes
JP2003533567A (ja) ポリウレタン分散体及びそれから製造されるフィルム
JP3042948B2 (ja) 吸水性ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法
JP2845024B2 (ja) 未架橋ポリウレタンの製造方法及び真球状未架橋ポリウレタン微粒子
EP0509494B1 (en) Process for the production of polyurethane, and true spherical, fine polyurethane particles
JP2845013B2 (ja) 未架橋ポリウレタンの製造方法及び真球状未架橋ポリウレタン微粒子
JP5065599B2 (ja) ポリウレタンゲル微粒子およびその製造方法
JP3042949B2 (ja) ポリウレタン微粒子及びその製造方法
JP5007076B2 (ja) ポリウレアコロイド溶液、その製造方法および分散安定剤
CN112912248B (zh) 聚氨酯树脂水分散体、涂料、薄膜结构体及结构物
JPH08120092A (ja) ポリウレタンコロイド架橋粒子及びその製造方法
JP5065598B2 (ja) ポリウレタン微粒子およびその製造方法
JPH05239341A (ja) 真球状吸水性ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法
JP2881095B2 (ja) ポリウレアコロイド溶液及びその製造方法
JP5409365B2 (ja) ポリウレタン微粒子の製造方法及びポリウレタン微粒子
JP3254710B2 (ja) 粉末状ポリウレタン樹脂の製造方法
JP2845016B2 (ja) 真球状ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法
KR100564381B1 (ko) 폴리우레탄 미립자의 제조방법
JPH0397711A (ja) 高分子粉粒体の製造方法
JPH0570539A (ja) ポリウレタンの製造方法及び真球状ポリウレタン微粒子
Hepburn et al. Water Dispersions of Polyurethane Elastomers
JPH08509250A (ja) イソシアネートベースエラストマー及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080310

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090310

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130310

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140310

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term