JP3042949B2 - ポリウレタン微粒子及びその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン微粒子及びその製造方法

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JP3042949B2
JP3042949B2 JP5263101A JP26310193A JP3042949B2 JP 3042949 B2 JP3042949 B2 JP 3042949B2 JP 5263101 A JP5263101 A JP 5263101A JP 26310193 A JP26310193 A JP 26310193A JP 3042949 B2 JP3042949 B2 JP 3042949B2
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勝美 栗山
隆夫 遠藤
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Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体塗料、粉体コーテ
ィング、粉体成型用、塗料添加剤、樹脂・ゴム・エラス
トマー改質剤等として有益な熱可塑性ポリウレタン(以
下単にポリウレタンという)の製造方法及びポリウレタ
ン微粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】粉末状ポリウレタンの従来の製造方法と
しては、固形状のポリウレタンを低温で機械的に粉砕す
る方法、ポリウレタンの水性エマルジョンから析出及び
乾燥させる方法、噴霧乾燥方法、更に溶液重合ポリウレ
タンに貧溶剤を添加してポリウレタンを粒状に析出及び
濾過し、乾燥させて溶剤を除去し製造する方法等があ
る。
【0003】これらの従来の方法では、得られる粉末の
形状が不定形であると同時に、微細な粉末状ポリウレタ
ンが得られないと云う問題があり、又、製造経費が著し
く高くつくと云う問題がある。他方、不活性溶媒を使用
する方法としては、米国特許第3,787,525号明
細書、特開平2−4860号公報、特開平2−3845
3号公報及び特開平4−255755号公報に記載の方
法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】上記の前者の方
法は、生産性に劣り実用的な方法とは云えない。又、後
者の方法は全て特殊な分散安定剤を使用している為に、
分散体のポリウレタン組成と分散安定剤の組み合わせが
限定される、合成されるポリウレタン組成の幅が狭い、
ポリウレタン分散体の粒径の制御が困難である、その分
散液から分散粒子を採り出す際に粒子同士の融着が生じ
粒子が粗大化する等の問題がある。従って本発明の目的
は、従来の上記の欠点を解決すると共に、広範囲の用途
に適用可能な各種の組成を有し且つ粒度分布の狭いポリ
ウレタン粒子を容易に提供することである。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、ジイソシアネー
ト化合物と、ポリエチレンオキサイド基を有さず且つ活
性水素を有する2官能の化合物(以下単に活性水素を有
する化合物という)とからなるポリウレタン微粒子であ
って、該微粒子の表面がポリウレアコロイド非水溶媒溶
液(以下単にポリウレアコロイド溶液という)から析出
したポリウレアコロイド粒子によって被覆されているこ
とを特徴とするポリウレタン微粒子、及びその製造方法
である。
【0006】
【作用】本発明者は、ポリウレアコロイド溶液が、ポリ
ウレタンの合成原料であるジイソシアネート化合物及び
活性水素を有する化合物を、不活性溶媒中に容易にしか
も微粒子に乳化すること、及びこの状態でジイソシアネ
ート化合物及び活性水素を有する化合物が重合反応し
て、ポリウレタン微粒子を生成し、生成した微粒子の周
囲には上記ポリウレアコロイド溶液から析出したポリウ
レアコロイド粒子が均一に付着しており、微粒子を分散
溶媒から分離した状態においては、微粒子が上記コロイ
ド粒子によって均一に被覆されていることを見出して本
発明を完成した。
【0007】更に、本発明においては、通常はポリウレ
タン微粒子の合成過程において著しい粘度上昇が発生す
るが、ポリウレアコロイド溶液の存在下に上記微粒子を
合成すると、合成過程において著しい粘度上昇は発生せ
ず、生成したポリウレタン微粒子が凝集することがな
く、優れた分散安定性を維持するという特徴がある。こ
の作用は従来公知の有機の乳化剤や分散安定剤とは根本
的に異なる作用である。
【0008】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明のポリウレタン微粒
子は、ジイソシアネート化合物と活性水素を有する化合
物とを、乳化剤としてのポリウレアコロイド溶液の存在
下に、不活性溶媒中で乳化重合させることによって得ら
れる。この様にして得られるポリウレタン微粒子の表面
が、ポリウレアコロイド溶液から析出したポリウレアコ
ロイド粒子によって被覆されていることを特徴としてい
る。
【0009】本発明のポリウレタン微粒子は上記方法に
よって得られるが、好ましい方法は、ポリウレアコロイ
ド溶液を撹拌機や乳化機付きのジャケット式合成釜に仕
込み、この中にジイソシアネート化合物及び活性水素を
有する化合物の不活性溶媒溶液を添加及び乳化し、これ
らの合成原料を反応させてポリウレタン微粒子を合成す
る方法や、ジイソシアネート化合物及び活性水素を有す
る化合物を夫々別個に、ポリウレアコロイド溶液の存在
下に不活性溶媒中に乳化させ、これらを反応させる方法
等が挙げられる。
【0010】合成温度は特に限定されないが、好ましい
温度は40℃〜120℃である。又、合成時に使用する
ポリウレアコロイド溶液は、その固形分としての使用量
は、ジイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合
物夫々100重量部当たり0.5重量部以上を使用する
ことが出来、好ましくは1.0〜20重量部である。
0.5重量部未満では原料の乳化性が不十分で、合成過
程でポリウレタン微粒子の大きい凝集塊が発生し、目的
とする微細な重合体の分散体が得難い。一方、20重量
部を越えるとポリウレタンの原料の乳化性には問題はな
く、ポリウレタン微粒子の分散体は製造することが出来
るが、乳化剤としての作用として過剰な量であり特に利
点はない。
【0011】ジイソシアネート化合物及び活性水素を有
する化合物の不活性溶媒中における濃度は、低い程小さ
い粒径のものが得られ易く、生産性から好ましい濃度は
20〜70重量部である。尚、本明細書全体を通じて、
本発明で製造することが出来るポリウレタンとは、熱可
塑性ポリ(ウレタン−尿素)をも包含する。
【0012】本発明のポリウレタン微粒子の合成に使用
するジイソシアネート化合物の例としては、トリレンジ
イソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、キシレンジイソシアネート、メタキシレンジ
イソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、リジンジイソシアネート、4,4´−メチレンビ
ス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘ
キサン−2,4−(又は−2,6−)−ジイソシアネー
ト、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキ
サン、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネー
ト等の2個のイソシアネート基を有するものが挙げられ
る。
【0013】本発明で使用する活性水素を有する化合物
の例として、ポリエチレンオキサイド基を有さず且つ活
性水素を有する2官能の化合物であり、例えば、水、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−ベンゼンチオール、ソルビトール、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレンアジペート、ポ
リブチレンアジペート、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリ−ε−カプロ
ラクトン、ポリヘキサメチレンカーボネート等の単独、
混合物又は共重合物等の如くイソシアネート化合物と反
応する2官能の化合物である。
【0014】本発明に使用されるジイソシアネート化合
物及び活性水素を有する化合物の種類、使用量及び使用
比率は、得られる粉末状ポリウレタンの使用目的によっ
て決定される。例えば、熱可塑性の粉体塗料用には、活
性水素を有する化合物としてポリエーテルジオール及び
/又はポリエステルジオール及び二官能の伸長剤を、イ
ソシアネート化合物として二官能の化合物を使用して公
知のポリウレタンの製法によりソフトからハードまで
(低溶融温度から高溶融温度まで)のポリウレタン微粒
子を製造することが出来る。
【0015】又、NCO/OH比が1.0以下のプレポ
リマーの粒子は、ブロックイソシアネートをブレンド
し、熱硬化性の粒子塗料として使用することが出来る。
このものは被塗布物に流動浸漬塗装法、溶射塗装法、散
布塗装法等の公知の方法で塗布することが出来る。この
物は車両、家電製品、住宅・建材、土木用の金属等に対
して弾性のある耐熱及び耐摩耗等の耐久性の優れた塗膜
を与える。
【0016】上記両化合物の反応に使用し、生成するポ
リウレタン微粒子分散体の連続相を形成する不活性溶媒
は、生成するポリウレタンに対して実質的に非溶媒であ
り且つ活性水素を有しないものである。その例として、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石
油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、石油スピリッ
ト、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素、ジメチルポリシロキサン等
の単独又は混合物が挙げられ、これらの不活性溶媒は、
該不活性溶媒と合成されたポリウレタンの分離工程の生
産性の点からは150℃以下の沸点を有するものが好ま
しい。本発明のポリウレタン微粒子の合成に際しては公
知の触媒が使用すれば低温でもよいが、作業面から40
℃以上の反応温度が好ましい。
【0017】上記ポリウレタン微粒子の合成時に乳化剤
として使用するポリウレアコロイド溶液中のポリウレア
コロイド粒子は、溶媒に対して溶媒和されている部分と
非溶媒和部分とから構成されており、非溶媒和部分の粒
子径が好ましくは0.01μm〜1.0μmの粒子であ
り、かかるポリウレアコロイド溶液は、例えば、非水溶
媒中で、油脂変性ポリオールとポリイソシアネート(又
はこれらの化合物からなる末端NCOプレポリマー)と
ポリアミン化合物との反応で得られる。
【0018】この反応では、反応が進むにつれて、ウレ
ア結合同士の水素結合により、溶媒中に不溶解のウレア
ドメインが形成され、同時に油脂変性ポリオール鎖が溶
媒中で溶媒和されることにより、非溶解性のウレアドメ
インの凝集等によるポリウレアコロイド粒子の巨大化が
防止され、安定なポリウレアコロイド溶液が容易に得ら
れる。
【0019】更に、使用する油脂変性ポリオールが、非
水溶媒中での結晶性が少なく、反応が進むにつれて生じ
る高分子化の過程でも、溶媒中で油脂変性ポリオールを
主体とするポリマー鎖がある程度自由に動き得る為に、
非溶解性結晶部分と溶解性非結晶部分の分離が容易に行
われ、ウレア結合同士の水素結合による非溶解性結晶部
分を粒子の中心とするウレアドメインを形成し、その周
囲に溶媒和されたポリマー鎖が規則正しく外向きに配向
される。これは従来のミセル下に重合することにより得
られる公知のコロイド溶液の製造方法における界面活性
剤とは根本的に異なる作用である。
【0020】上記ポリウレアコロイド溶液の製造方法を
更に具体的に説明する。先ず、最初に油脂変性ポリオー
ルとポリイソシアネート化合物とを非水溶媒中又は無溶
媒で反応させ、NCO基を有するプレポリマーを合成す
る。次にこのプレポリマーを撹拌機付きのジャケット式
合成釜に仕込み、濃度が5〜70重量%になるように非
水系溶媒を添加して濃度を調整する。この溶液を撹拌し
ながら、予め2〜20重量%の濃度に調整したポリアミ
ン化合物の溶液を徐々に添加し反応を行い、ポリウレア
化反応においてポリウレアコロイド溶液を製造する。
【0021】ポリアミンの添加方法は、上記の方法の他
にポリアミン溶液に前記プレポリマー又はその溶液を添
加する方法でもよい。ポリマー合成の為の温度は特に限
定されないが、好ましい温度は30℃〜120℃であ
る。ポリマー合成の為の反応濃度、温度、撹拌機の形
態、撹拌力、ポリアミン溶液及びプレポリマー又はその
溶液の添加速度等は特に限定されないが、ポリアミン化
合物とプレポリマーのイソシアネート基との反応は速い
ので、急激な反応が行われないように、反応を制御する
ことが好ましい。
【0022】ポリウレアコロイド溶液の製造に使用する
油脂変性ポリオールは、官能基が2以下のポリオールで
あって、好ましい分子量は1,000±300である
が、これに限定されない。油脂変性ポリオールの具体例
としては、例えば、各種の油脂を低級アルコールやグリ
コールを用いてアルコリシス化する方法、油脂を部分鹸
化する方法、水酸基含有脂肪酸をグリコールによりエス
テル化する方法等によって、油脂に約2個以下の水酸基
を含有させたもの、或はJ.H.SAUNDERS,K.C.FRISCH著のP
OLYURETHANES,CHEMISTRY AND TECHNOLOGY PART 1,Chemi
stry(p48〜53)(1962年発行)等に記載の油
脂変性ポリオール等が挙げられる。上記の水酸基含有脂
肪酸としては、例えば、リシノレイン酸、12−ヒドロ
キシステアリン酸、ヒマシ油脂肪酸、水添ヒマシ油脂肪
酸等が挙げれれる。
【0023】油脂変性ポリオールとポリイソシアネート
化合物との反応は、1<NCO/OH≦2の条件で行
い、溶媒和されるプレポリマー鎖の分子量をコントロー
ルする。この様に合成されるプレポリマーの分子量は、
特に限定されないが、好ましい範囲は約500〜15,
000である。本発明で使用されるポリイソシアネート
化合物としては、公知のポリイソシアネート化合物の全
てが挙げられる。特に好ましいものはヘキサメチレンジ
イソシアネート、水添加TDI、水添加MDI、イソホ
ロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族系ジイソシ
アネート化合物である。
【0024】ポリウレアコロイド溶液の製造に使用する
非水系溶媒としては、使用原料である油脂変性ポリオー
ル、ジイソシアネート化合物及びポリアミン化合物を溶
解するもので、活性水素を有さない全ての非水系溶媒を
使用することが出来る。特に好ましいものはヘキサン、
ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素系である。尚、本発明におい
て「溶解」とは常温及び高温下での溶解の両方を包含す
る。
【0025】ポリウレアコロイド溶液の製造に使用する
ポリアミン化合物として、例えば、エチレンジアミン、
ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ヘキサメチレンジ
アミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミ
ノエチルピペラジン、ビス−アミノプロピルピペラジ
ン、ポリオキシプロピレンジアミン、4,4−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、チオ尿
素、メチルイミノビスプロピルアミン等のジアミンの単
独及び混合物を好ましく使用することが出来る。
【0026】ポリウレアコロイド溶液の製造に使用する
油脂変性ポリオール、ジイソシアネート化合物、ポリア
ミン化合物、得られるプレポリマーの種類、使用量及び
使用比率は、使用する溶媒中でのポリウレアコロイド粒
子の大きさ及び安定性等を制御する目的で決定される。
即ち、本発明のポリウレアコロイド溶液中のポリウレア
コロイド粒子は、溶媒中で溶媒和されない結晶部分のウ
レアドメインと、そのウレアドメインから伸びて溶媒中
で溶媒和されたポリマー鎖により形成されている。
【0027】ポリウレアコロイド溶液中のウレアドメイ
ンの大きさ及び溶媒和されたポリマー鎖の大きさと形態
がポリウレアコロイド溶液の性質を左右する。この様
に、ウレアドメインと溶媒和されたポリマー鎖とで形成
されたポリウレアコロイド粒子は、溶媒中で安定なポリ
ウレアコロイド溶液であり、その溶液中のポリウレアコ
ロイド粒子のウレアドメインの粒径は、通常0.01〜
1.0μmであり、溶媒和されているポリマー鎖の1個
の分子量は約500〜15,000であり、両者の重量
比はウレアドメイン(ウレア結合又はポリアミン化合
物)/ポリマー鎖が0.5〜30の範囲が好ましい。ウ
レア結合の割合が上記範囲未満であると、得られるポリ
ウレアコロイド粒子中の非溶媒和性ウレアドメインが形
成されにくく、ポリウレアコロイド粒子が非水溶媒に溶
解性し易くなり、良好なポリウレアコロイド溶液が生成
されない。一方、ウレア結合の割合が上記範囲を越える
と、非溶媒和性ウレアドメインが大きくなり、得られる
ポリウレアコロイド溶液の安定性が低下し、ポリウレア
コロイド粒子の凝集が生じ易くなる。
【0028】以上の如きポリウレアコロイド溶液は光の
錯乱により青い乳光から黄味がかった乳光に見える。該
ポリウレアコロイド溶液を乾燥固化したものは、比較的
溶解力の低い炭化水素系溶媒中に容易に再分散し、任意
の濃度のポリウレアコロイド溶液とすることが出来、
又、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、メチルエチルケトン、酢酸ブチル等の極性
溶剤には殆ど溶解し、これに上記の如き溶解力の低い溶
媒を適当量添加混合することにより、ポリマー中のウレ
ア結合が析出結晶化して非溶媒和ウレアドメインを形成
し、ポリウレアコロイド溶液とすることが出来る。
【0029】ポリウレアコロイド溶液中のポリウレアコ
ロイド粒子は、溶媒和されていない結晶部のウレアドメ
インと溶媒和されたポリマー鎖から形成されている不均
一粒子である為に、その性質は溶媒和されていないウレ
アドメインと溶媒和されたポリマー鎖の両者の性能を合
わせ持っている。1例として、NCO基を有するプレポ
リマーとポリアミン化合物をNCO/NH2=1.0の
モル比で反応させて合成したポリウレアコロイド溶液
を、固形分で10重量%の溶液としてガラス板の上に、
乾燥膜が10μmになるように塗付し乾燥して製膜した
ところ、この乾燥塗膜は、透明性に優れ、粘着性の無
い、しかも驚くべきことに、溶融温度は200℃以上を
示した。
【0030】本発明で使用するポリウレアコロイド粒子
の溶媒中における形態は、図1に示す様なものと想像さ
れる。このポリウレアコロイド粒子の粒径の制御につい
ては、溶媒和したポリマー部分とウレアドメインを含ん
だ粒子全体の大きさと、溶媒和したポリマー部分とウレ
アドメインのそれぞれの大きさについて、それらの制御
が可能である。尚、先に記載のポリウレアコロイド粒子
の粒径は、ウレアドメイン部分を表現している。
【0031】安定に制御されたポリウレアコロイド溶液
を製造する為には、図1の様に、溶媒和したポリマー部
分とウレアドメイン部分が明瞭に相分離しているのが望
ましく、その為には溶媒和されるポリマー鎖と結晶部分
のウレアドメインとが混在しない様に製造することが必
要である。この為には、合成過程で溶媒和したポリマー
部分とウレアドメイン部分が分離しやすい合成条件が要
求される。
【0032】ポリウレアコロイド溶液の合成は、NCO
基を有するプレポリマーの溶液及びポリアミン化合物の
溶液の両方の濃度が低く、一方の溶液に他方の溶液を添
加する添加速度が遅いほど良好な結果が得られ、撹拌は
プロペラミキサー撹拌で充分である。又、原料溶液の濃
度が高い場合や溶液の添加速度が速い場合には、ホモジ
ナイザー等の使用による高剪断力の混合を行いながら合
成することが好ましい。反応温度は使用する溶媒の種類
と、その溶媒に対するウレアドメインの溶解度により決
まるが、好ましい温度は合成を制御し易い30℃〜12
0℃であるが、この温度範囲に特に限定されない。ウレ
アドメインの形成は合成過程で形成する方法、或は高温
で合成したものを冷却過程で形成する方法でもよい。
【0033】ポリウレアコロイド溶液中のポリウレアコ
ロイド粒子で重要な因子は、その表面基の種類及び濃度
であり、更には不活性溶媒中における分散性と分散粒径
である。即ち、ポリウレアコロイド溶液の乳化剤として
の作用は、W/O、O/O型の乳化剤であり、ポリイソ
シアネート化合物及び活性水素を有する化合物の親水
性、疎水性の強さと不活性溶媒との相関性で作用する。
これらの条件を加味して検討を加えた結果として、ポリ
イソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物に対
するポリウレアコロイド溶液の添加量の調整で、ポリウ
レタン微粒子の粒径をコントロールすることが可能であ
り、前記の範囲で添加量が多い程粒径は小さくなり、少
ない程粒径が大きくなる。
【0034】以上の如き原材料から得られたポリウレタ
ン分散液から、常圧又は減圧下で不活性溶媒を分離する
ことによって、本発明のポリウレタン微粒子が得られ
る。粒子化に用いる装置としてスプレイドライヤー、濾
過装置付き真空乾燥機、撹拌装置付真空乾燥機、棚式乾
燥機等公知のものがいずれも使用出来、好ましい乾燥温
度は不活性溶媒の蒸気圧、ポリウレタン微粒子の軟化温
度、粒径等に影響されるが、好ましくは減圧下40℃〜
80℃である。
【0035】この様にして製造されたポリウレタン微粒
子の粒径は、0.5μm〜100μmで真球状である。
粒径のコントロールは、ポリウレタンの組成が同一の場
合、合成釜の乳化型式(プロペラ式、錨型式、ホモジナ
イザー、螺旋帯式等)及び撹拌力の大小に左右される
が、特に不活性溶媒中のジイソシアネート化合物及び活
性水素を有する化合物の濃度、ポリウレアコロイド溶液
の種類及び添加量に影響される。ジイソシアネート化合
物及び活性水素を有する化合物を乳化する為の機械的撹
拌や剪断力は乳化の初期段階で決定され、これが強力な
程分散体の粒径が小さくなる。その後の撹拌及び剪断力
は大きくは影響しない。かえってその力が強すぎると分
散体同士の凝集を促進することになり好ましくない。
【0036】又、本発明では、上記のポリウレタン微粒
子の製造に当たり、原料の少なくとも一部又は全部に染
料や顔料等の着色剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、帯電防止剤、研磨剤、体質顔料等の各種添
加剤を混合して、ポリウレタンの合成を行い種々の用途
に適したポリウレタン微粒子を得ることも可能である。
【0037】これらの微粒子は、図2の電子顕微鏡写真
(倍率5,000倍)に示す様に、ほぼ完全に真球状の
微粒子であり、図3の想像図に示す如く個々のポリウレ
タン微粒子の表面にはポリウレアコロイド溶液から析出
したポリウレアコロイド粒子が付着或は被覆されており
且つポリウレアコロイド粒子が非粘着性と耐熱性に優れ
ている為、該微粒子を分散溶媒から単に除去するのみで
極めて流動性に富んだ微粒子となり、微粒子化に当たっ
ては従来技術における如き煩雑且つコスト高な粉砕工程
や分級操作を何ら要しない等の種々の利点を有してい
る。
【0038】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものでない。尚、文中部又は%とあるのは特に断り
のない限り重量基準である。
【0039】(ポリウレアコロイド溶液の作成) 実施例1 水酸基価119.5の2官能の油脂変性ポリオール(伊
藤製油(株)製URIC Y−202)100部とn−
オクタン100部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記ポ
リオールを溶解した。撹拌しながら温度を50℃に制御
し、NCO/OH=2になる様に予め用意したイソホロ
ンジイソシアネート47.3部を1時間かけて徐々に添
加し、この条件で3時間反応を続け、更に80℃3時間
の反応を行い合成を完結した。次にn−オクタンで濃度
50%に調整し、NCO基を2.9%含有するプレポリ
マー溶液(PP−1)を得た。この物の分子量は1,3
83である。
【0040】上記のPP−1の40部を、n−オクタン
60部を撹拌機付き合成釜に仕込み溶解した、撹拌しな
がら温度を70℃に制御しながら、予め用意したイソホ
ロンジアミンのn−オクタンの10%溶液23.4部を
5時間掛けて徐々に添加し反応を完結して、(ポリアミ
ン(ウレア結合部)/プレポリマー鎖)×100=1
1.7%のポリウレアコロイド溶液(固形分18.1
%)(C−1)を得た。この溶液は青い乳光色の安定な
溶液であった。
【0041】実施例2 水酸基価119.5の2官能の油脂変性ポリオール(伊
藤製油(株)製URIC Y−202)100部とn−
オクタン100部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記ポ
リオールを溶解した。撹拌しながら温度を50℃に制御
し、NCO/OH=1.1になる様に予め用意したイソ
ホロンジイソシアネート26.6部を1時間掛けて徐々
に添加し、この条件で3時間反応を続け、更に80℃4
時間の反応を行い合成を完結した。次にn−オクタンで
濃度50%に調整し、NCO基を1.64%含有するプ
レポリマー溶液(PP−2)を得た。この物の分子量は
2,543である。
【0042】上記のPP−2の20部とn−オクタン8
0部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記プレポリマー溶
解した。撹拌しながら温度を70℃に制御しながら、予
め用意したイソホロンジアミンのn−オクタンの1%溶
液17.0部を8時間掛けて徐々に添加し反応を完結し
て、(ポリアミン/プレポリマー鎖)×100=1.7
%のポリウレアコロイド溶液(固形分8.7%)(C−
2)を得た。この溶液は青い乳光色の安定な溶液であっ
た。
【0043】実施例3 水酸基価157.8の1官能の油脂変性ポリオール(伊
藤製油(株)製URI C H−31)100部を、撹拌
機付き合成釜に仕込み、撹拌しながら温度を60℃に制
御し、NCO/OH=2.0になる様に、予め用意した
トリレンジイソシアネート49.0部を1時間掛けて徐
々に添加し、この条件で5時間の反応を行い合成を完結
した。次にn−ヘプタンで濃度60%に調整し、NCO
基を4.71%含有するプレポリマー溶液(PP−3)
を得た。この物の分子量は528である。
【0044】上記のPP−3の100部を撹拌機付き合
成釜に仕込み、撹拌しながら温度を50℃に制御し、予
め用意したトリメチルヘキサメチレンジアミンのn−ヘ
プタンの10%溶液88.5部を5時間掛けて徐々に添
加し反応を完結して、(ポリアミン/プレポリマー鎖)
×100=14.75%のポリウレアコロイド溶液(固
形分36.5%)(C−3)を得た。この溶液は黄味の
乳光色の安定な溶液であった。
【0045】実施例4 水酸基価165.5の2官能の油脂変性ポリオール(伊
藤製油(株)製URIC Y−403)100部とn−
デカン100部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記ポリ
オールを溶解した。撹拌しながら温度を50℃に制御
し、NCO/OH=2.0になる様に、予め用意したヘ
キサメチレンジイソシアネート49.6部を1時間掛け
て徐々に添加し、この条件で3時間反応を続け、更に8
0℃3時間の反応を行い合成を完結した。次にn−デカ
ンで濃度50%に調整し、NCO基を4.05%含有す
るプレポリマー溶液(PP−4)を得た。この物の分子
量は1,012である。
【0046】上記のPP−4の40部とn−デカン60
部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記プレポリマーを溶
解した。撹拌しながら温度を70℃に制御し、予め用意
したヘキサメチレンジアミンのn−デカンの5%溶液4
9.8部を8時間掛けて徐々に添加し反応を完結して、
(ポリアミン/プレポリマー鎖)×100=12.45
%のポリウレアコロイド溶液(固形分15%)(C−
4)を得た。この溶液は透明な青い乳光色の安定な溶液
であった。
【0047】(ポリウレタン微粒子の製造) 実施例5 2リットルのステンレス容器に、実施例1のポリウレア
コロイド溶液(C−1)44部とn−オクタン356部
を仕込み混合し、40℃に保持した。これに平均分子量
1,020のポリブチレンアジペート228部、1,4
−ブタンジオール30.4部及びMDI 141.7部
を40℃に加熱し均一に混合したものを徐々に加え、ホ
モジナイザーで30分間乳化した。この乳化液は分散質
の平均分散粒子径が5μmで粒子の分離もなく安定な乳
化液であった。
【0048】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性溶媒を分離し粉末状ポリウレタン
(A)を得た。このものは平均粒子径が5μmの真球状
の白色粉末状であった。
【0049】実施例6 2リットルのステンレス容器に、実施例2のポリウレア
コロイド溶液(C−2)184部とn−オクタン216
部を仕込み混合し、40℃に保持した。これに平均分子
量1,020のポリブチレンアジペート228部、1,
4−ブタンジオール30.4部及びMDI 141.7
部を40℃に加熱し均一に混合したものを徐々に加え、
ホモジナイザーで30分間乳化した。この乳化液は分散
質の平均分散粒子径が16μmで粒子の分離もなく安定
な乳化液であった。
【0050】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性溶媒を分離し粉末状ポリウレタン
(B)を得た。このものは平均粒子径が16μmの真球
状の白色粉末状であった。
【0051】実施例7 2リットルのステンレス容器に、実施例3のポリウレア
コロイド溶液(C−3)109部とヘプタン491部を
仕込み混合し、40℃に保持した。これに平均分子量
1,020のポリブチレンアジペート228部、1,4
−ブタンジオール30.4部及びMDI 141.7部
を40℃に加熱し均一に混合したものを徐々に加え、ホ
モジナイザーで30分間乳化した。この乳化液は分散質
の平均分散粒子径が3μmで粒子の分離もなく安定な乳
化液であった。
【0052】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性溶媒を分離し粉末状ポリウレタン
(C)を得た。このものは平均粒子径が3μmの真球状
の白色粉末状であった。
【0053】実施例8 2リットルのステンレス容器に、実施例3のポリウレア
コロイド溶液(C−3)5.5部とヘプタン597.5
部を仕込み混合し、40℃に保持した。これに平均分子
量1,020のポリブチレンアジペート228部、1,
4−ブタンジオール30.4部及びMDI 141.7
部を40℃に加熱し均一に混合したものを徐々に加え、
ホモジナイザーで30分間乳化した。この乳化液は分散
質の平均分散粒子径が20μmで粒子の分離もなく安定
な乳化液であった。
【0054】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性溶媒を分離し粉末状ポリウレタン
(D)を得た。このものは平均粒子径が20μmの真球
状の白色粉末状であった。
【0055】実施例9 2リットルのステンレス容器に、実施例4のポリウレア
コロイド溶液(C−4)80部と石油スピリット320
部を仕込み混合して均一に分散し、40℃に保持した。
これに平均分子量1,020のポリブチレンアジペート
228部、1,4−ブタンジオール30.4部及びMD
I 141.7部を40℃に加熱し均一に混合したもの
を徐々に加え、ホモジナイザーで30分間乳化した。こ
の乳化液は分散質の平均分散粒子径が12μmで粒子の
分離もなく安定な乳化液であった。
【0056】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性溶媒を分離し粉末状ポリウレタン
(E)を得た。このものは平均粒子径が12μmの真球
状の白色粉末状であった。
【0057】実施例10 2リットルのステンレス容器に、実施例1のポリウレア
コロイド溶液(C−1)22部とイソオクタン400部
を仕込み混合し、40℃に保持した。これに平均分子量
2,000のポリカプロラクトンジオール219.7
部、1,4−ブタンジオール32.9部及び4,4´−
メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)15
3.1部及びスタナスオクトエート0.02部を60℃
に加熱し均一に混合したものを徐々に加え、ホモジナイ
ザーで10分間乳化した。この乳化液は分散質の平均分
散粒子径が12μmで粒子の分離もなく安定な乳化液で
あった。
【0058】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性溶媒を分離し粉末状ポリウレタン
(F)を得た。このものは平均粒子径が13μmの真球
状の白色粉末状であった。上記の粉末状ポリウレタン
(A)〜(F)をフイルム化した場合のフイルム物性は
表1の通りである。
【0059】
【表1】
【0060】*1:ポリウレアコロイド溶液の使用を除
きポリウレタン微粒子(A)と同一使用量の同一原料か
ら押出成形機を使用して溶融重合したポリウレタン。 *2:ポリウレアコロイド溶液の使用を除きポリウレタ
ン微粒子(E)と同一使用量の同一原料から押出成形機
を使用して溶融重合したポリウレタン。 *3:ポリウレタンを金属のプレート板に置きフイルム
厚が約1mmになる様にガイド板をセットし、200
℃、100kg/cm2及び30分間の条件でプレス成
型して作成。
【0061】*4:ポリウレタン30部及びジメチルフ
ォルムアミド70部を容器に取りテストミキサーで80
℃で60分間の撹拌をしてポリウレタン溶液を作成し、
この溶液を離型紙上に膜厚が30μm〜50μmになる
様に塗布し、70〜100℃で10分間乾燥し更に70
℃で2日間放置して作成。 *5:JIS K7311で行う。 *6:*4で作成したフイルムを室温まで冷却し、縦6
cm及び横1.5cmに切断し離型紙からフイルムを剥
離し、島津オートグラフAG−500Aで、 クロスヘッドスピード 200mm/min チャートスピード 100mm/min 測定温度 25℃ の条件で抗張力−伸度曲線より測定した。
【0062】
【発明の効果】本発明のポリウレタンの製造方法及びポ
リウレタン微粒子は下記の効果を奏する。 1.粒径のコントロールされたポリウレタン微粒子の製
造が可能である。 2.熱可塑性型のポリウレタン微粒子の製造が可能であ
り広い用途が期待出来る。 3.得られたポリウレタン微粒子の表面にはポリウレア
コロイド溶液から析出したポリウレアコロイド粒子が均
一に付着又は被覆されている為、該微粒子は極めて流動
性に優れ、取り扱いが容易であり、例えば、輸送、計
量、溶媒や樹脂中への再分散が極めて容易である等の種
々の利点がある。
【0063】以上の効果から、本発明のポリウレタン微
粒子は、公知の粉体塗装、成型法によって各種の塗膜
材、ライニング材、ハンマー、ギヤー類、パッキン、ダ
ストカバー等の工業部品、スポーツシューズの靴底、時
計バンド、キャスター、ホース、チューブ、ベルトコン
ベア、電線ケーブル等の塗料、コーティング剤、ゴム、
樹脂の改質剤、溶剤に溶解してウレタン塗料、合成皮革
用の素材、接着剤、着色した場合には着色剤、粉末イン
キ(トナー)等の広範囲の用途がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用するポリウレアコロイド溶液中
のポリウレアコロイド粒子の断面の想像図。
【図2】 本発明のポリウレタン微粒子の状態の1例を
示す図。
【図3】 本発明のポリウレタン微粒子の断面の想像
図。
【符号の説明】
1:溶媒和されているポリマー鎖 2:非溶媒和部分のウレアドメイン 3:ポリウレタン微粒子 4:ポリウレアコロイド粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 隆夫 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 黒田 郊一 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−239341(JP,A) 特開 平5−239340(JP,A) 特開 平5−70539(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/08 - 18/81

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジイソシアネート化合物と、ポリエチレ
    ンオキサイド基を有さず且つ活性水素を有する2官能の
    化合物とからなる熱可塑性ポリウレタン微粒子であっ
    て、該微粒子の表面がポリウレアコロイド非水溶媒溶液
    から析出したポリウレアコロイド粒子によって被覆され
    ていることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン微粒子。
  2. 【請求項2】 ポリウレアコロイド非水溶媒溶液中の
    リウレアコロイド粒子が、溶媒に対して溶媒和されてい
    る部分と非溶媒和部分とから構成されており、非溶媒和
    部分の粒子径が0.01μm〜1.0μmである請求項
    1に記載の熱可塑性ポリウレタン微粒子。
  3. 【請求項3】 ポリウレアコロイド非水溶媒溶液中の
    リウレアコロイド粒子が、油脂変性ポリオールとポリイ
    ソシアネートとポリアミン化合物との反応で得られるポ
    リウレアコロイド粒子であって、非溶媒和部分がウレア
    結合の水素結合からなっている請求項1に記載の熱可塑
    ポリウレタン微粒子。
  4. 【請求項4】 粒子径が0.5〜100μmの範囲であ
    る請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン微粒子。
  5. 【請求項5】 イソシアネート化合物と、ポリエチレ
    ンオキサイド基を有さず且つ2個の活性水素を有する化
    合物とを不活性溶媒中で乳化重合させるに当り、乳化剤
    としてポリウレアコロイド非水溶媒溶液を使用すること
    を特徴とする熱可塑性ポリウレタン微粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 乳化重合物を不活性溶媒から粉末状とし
    て取り出す請求項に記載の熱可塑性ポリウレタン微粒
    子の製造方法。
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