JPH0797425A - ポリウレタン微粒子及びその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン微粒子及びその製造方法

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JPH0797425A
JPH0797425A JP5263101A JP26310193A JPH0797425A JP H0797425 A JPH0797425 A JP H0797425A JP 5263101 A JP5263101 A JP 5263101A JP 26310193 A JP26310193 A JP 26310193A JP H0797425 A JPH0797425 A JP H0797425A
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勝美 栗山
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隆夫 遠藤
Kouichi Kuroda
郊一 黒田
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Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術の欠点を解決すると共に、広範囲の
用途に適用可能な各種の組成を有し且つ粒度分布の狭い
ポリウレタン粒子を容易に提供すること。 【構成】 ポリウレタン微粒子であって、該微粒子の表
面がポリウレアコロイド粒子によって被覆されているこ
とを特徴とするポリウレタン微粒子、及びその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体塗料、粉体コーテ
ィング、粉体成型用、塗料添加剤、樹脂・ゴム・エラス
トマー改質剤等として有益なポリウレタンの製造方法及
びポリウレタン微粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】粉末状ポリウレタンの従来の製造方法と
しては、固形状のポリウレタンを低温で機械的に粉砕す
る方法、ポリウレタンの水性エマルジョンから析出及び
乾燥させる方法、噴霧乾燥方法、更に溶液重合ポリウレ
タンに貧溶剤を添加してポリウレタンを粒状に析出及び
濾過し、乾燥させて溶剤を除去し製造する方法等があ
る。
【0003】これらの従来の方法では、得られる粉末の
形状が不定形であると同時に、微細な粉末状ポリウレタ
ンが得られないと云う問題があり、又、製造経費が著し
く高くつくと云う問題がある。他方、不活性液体を使用
する方法としては、米国特許第3,787,525号明
細書、特開平2−4860号公報、特開平2−3845
3号公報及び特開平4−255755号公報に記載の方
法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】上記の前者の方
法は、生産性に劣り実用的な方法とは云えない。又、後
者の方法は全て特殊な分散安定剤を使用している為に、
分散体のポリウレタン組成と分散安定剤の組み合わせが
限定される、合成されるポリウレタン塑性の幅が狭い、
ポリウレタン分散体の粒径の制御が困難である、その分
散液から分散粒子を採り出す際に粒子同士の融着が生じ
粒子が粗大化する等の問題がある。従って本発明の目的
は、従来の上記の欠点を解決すると共に、広範囲の用途
に適用可能な各種の組成を有し且つ粒度分布の狭いポリ
ウレタン粒子を容易に提供することである。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、ポリウレタン微
粒子であって、該微粒子の表面がポリウレアコロイド粒
子によって被覆されていることを特徴とするポリウレタ
ン微粒子、及びその製造方法である。
【0006】
【作用】本発明者は、不活性液体中に分散したポリウレ
アコロイド粒子が、ポリウレタンの合成原料であるポリ
イソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物を、
不活性液体中に容易にしかも微粒子に乳化すること、及
びこの状態でポリイソシアネート化合物及び活性水素を
有する化合物が重合反応して、ポリウレタン微粒子を生
成し、生成した微粒子の周囲には上記ポリウレアコロイ
ド粒子が均一に付着しており、微粒子を分散媒体から分
離した状態においては、微粒子が上記コロイド粒子によ
って均一に被覆されていることを見出して本発明を完成
した。
【0007】更に、本発明に使用するポリウレアコロイ
ド粒子は、通常はポリウレタン微粒子の合成過程におい
て著しい粘度上昇が発生するが、ポリウレアコロイド粒
子の存在下に上記微粒子を合成すると、合成過程におい
て著しい粘度上昇は発生せず、生成したポリウレタン微
粒子が凝集することがなく、優れた分散安定性を維持す
るという特徴がある。この作用は従来公知の有機の乳化
剤や分散安定剤とは根本的に異なる作用である。
【0008】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明のポリウレタン微粒
子は、ポリイソシアネート化合物と活性水素を有する化
合物とを、乳化剤としてのポリウレアコロイド粒子の存
在下に、不活性液体中で乳化重合させることによって得
られる。この様にして得られるポリウレタン微粒子の表
面がポリウレアコロイド粒子によって被覆されているこ
とを特徴としている。
【0009】本発明のポリウレタン微粒子は上記方法に
よって得られるが、好ましい方法は、ポリウレアコロイ
ド粒子を分散含有する不活性媒体を撹拌機や乳化機付き
のジャケット式合成釜に仕込み、この中にポリイソシア
ネート化合物及び活性水素を有する化合物の不活性媒体
溶液を添加及び乳化し、これらの合成原料を反応させて
ポリウレタン微粒子を合成する方法や、ポリイソシアネ
ート化合物及び活性水素を有する化合物を夫々別個に、
ポリウレアコロイド粒子の存在下に不活性媒体中に乳化
させ、これらを反応させる方法等が挙げられる。
【0010】合成温度は特に限定されないが、好ましい
温度は40℃〜120℃である。又、合成時に使用する
ポリウレアコロイド粒子の使用量は、ポリイソシアネー
ト化合物及び活性水素を有する化合物夫々100重量部
当たり0.5重量部以上を使用することが出来、好まし
くは1.0〜20重量部である。0.5重量部未満では
原料の乳化性が不十分で、合成過程でポリウレタン微粒
子の大きい凝集塊が発生し、目的とする微細な重合体の
分散体が得難い。一方、20重量部を越えるとポリウレ
タンの原料の乳化性には問題はなく、ポリウレタン微粒
子の分散体は製造することが出来るが、乳化剤としての
作用として過剰な量であり特に利点はない。
【0011】ポリイソシアネート化合物及び活性水素を
有する化合物の不活性液体中における濃度は、低い程小
さい粒径のものが得られ易く、生産性から好ましい濃度
は20〜70重量部である。尚、本明細書全体を通じ
て、本発明で製造することが出来るポリウレタンとは、
熱可塑性ポリウレタン、架橋型ポリウレタン、熱可塑性
ウレタンプレポリマー、架橋型ウレタンプレポリマー及
び上記のポリ(ウレタン−尿素)を包含する。
【0012】本発明のポリウレタン微粒子の合成に使用
するポリイソシアネート化合物の例としては、トリレン
ジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、キシレンジイソシアネート、メタキシレン
ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネート、4,4´−メチレン
ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロ
ヘキサン−2,4−(又は−2,6−)−ジイソシアネ
ート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘ
キサン、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネ
ート等の2個のイソシアネート基を有するものが挙げら
れる。
【0013】又、これらの化合物をイソシアヌレート
体、ビューレット体、アダクト体、ポリメリック体とし
た多官能のイソシアネート基を有するもの、例えば、
4,4’、4”−トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネートの環状三量体、
2,6−トリレンジイソシアネートの環状三量体、混合
した2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネートの
環状三量体、ジフェニールメタン−4,4’−ジイソシ
アネートの三量体、3モルのジフェニールメタン−4,
4’−ジイソシアネートと1モルのトリメチロールプロ
パンとの反応生成物、3モルの2,4−トリレンジイソ
シアネートと1モルのトリメチロールプロパンとの反応
生成物、3モルの2,6−トリレンジイソシアネートと
1モルのトリメチロールプロパンとの反応生成物、3モ
ルの2,4−トリレンジイソシアネートと1モルのトリ
メチロールエタンとの反応生成物、3モルの2,6−ト
リレンジイソシアネートと1モルのトリメチロールエタ
ンとの反応生成物、混合した3モルの2,4−及び2,
6−トリレンジイソシアネートと1モルのトリメチロー
ルプロパンとの反応生成物等、及びこれらのポリイソシ
アネートを、メタノール、エタノール、フェノール、ク
レゾール、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトンオ
キシム、アセトンオキシム、N,N−ジメチルヒドロキ
シアミン、マロン酸ジエチル、アセチルアセトン等の活
性水素を分子内に1個有する化合物とイソシアネート化
合物のイソシアネート基の一部又は全部を付加反応した
もの等を使用することが出来る。
【0014】本発明で使用する活性水素を有する化合物
の例として、水、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチル
ロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノール
アミン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、プ
ロピルアミン、ブチルアミン、1,4−ベンゼンチオー
ル、ソルビトール、ポリプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリエチレンアジペート、ポリブチ
レンアジペート、ポリテトラメチレングリコール、ポリ
ヘキサメチレンアジペート、ポリ−ε−カプロラクト
ン、ポリヘキサメチレンカーボネート等の単独、混合物
又は共重合物等の如くイソシアネート化合物と反応する
ものは全て使用することが出来る。
【0015】本発明に使用されるイソシアネート化合物
及び活性水素を有する化合物の種類、使用量及び使用比
率は、得られる粉末状ポリウレタンの使用目的によって
決定される。例えば、熱可塑性の粉体塗料用には、活性
水素を有する化合物としてポリエーテルジオール及び/
又はポリエステルジオール及び二官能の伸長剤を、イソ
シアネート化合物として二官能の化合物を使用して公知
のポリウレタンの製法によりソフトからハードまで(低
溶融温度から高溶融温度まで)のポリウレタン微粒子を
製造することが出来る。
【0016】又、NCO/OH比が1.0以下のプレポ
リマーの粒子は、ブロックイソシアネートをブレンド
し、熱硬化性の粒子塗料として使用することが出来る。
このものは被塗布物に流動浸漬塗装法、溶射塗装法、散
布塗装法等の公知の方法で塗布することが出来る。この
物は車両、家電製品、住宅・建材、土木用の金属等に対
して弾性のある耐熱及び耐摩耗等の耐久性の優れた塗膜
を与える。
【0017】熱硬化性の粉末状ポリウレタンは、使用さ
れるイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物
のどちらか一方又は両方に三官能以上の化合物を使用す
ることで得られる。このものを塗料やコーティング剤に
添加して被塗布物の表面に艶消性、耐摩耗性、引っ掻き
強度、弾性に優れた塗膜を付与するのに有用である。更
にゴム、エラストマー、樹脂の改質剤として使用して同
様の効果が得られる。
【0018】上記両化合物の反応に使用し、生成するポ
リウレタン微粒子分散体の連続相を形成する不活性液体
は、生成するポリウレタンに対して実質的に非溶媒であ
り且つ活性水素を有しないものである。その例として、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石
油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、石油スピリッ
ト、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素、ジメチルポリシロキサン等
の単独又は混合物が挙げられ、これらの不活性液体は、
該不活性液体と合成されたポリウレタンの分離工程の生
産性の点からは150℃以下の沸点を有するものが好ま
しい。本発明のポリウレタン微粒子の合成に際しては公
知の触媒が使用すれば低温でもよいが、作業面から40
℃以上の反応温度が好ましい。
【0019】上記ポリウレタン微粒子の合成時に乳化剤
として使用するポリウレアコロイド粒子は、溶媒に対し
て溶媒和されている部分と非溶媒和部分とから構成され
ており、非溶媒和部分の粒子径が好ましくは0.01μ
m〜1.0μmの粒子であり、かかるポリウレアコロイ
ド粒子は、例えば、非水媒体中で、油脂変性ポリオール
とポリイソシアネート(又はこれらの化合物からなる末
端NCOプレポリマー)とポリアミン化合物との反応で
得られる。
【0020】この反応では、反応が進むにつれて、ウレ
ア結合同士の水素結合により、媒体中に不溶解のウレア
ドメインが形成され、同時に油脂変性ポリオール鎖が媒
体中で溶媒和されることにより、非溶解性のウレアドメ
インの凝集等によるポリウレアコロイド粒子の巨大化が
防止され、安定なポリウレアコロイド粒子が容易に得ら
れる。
【0021】更に、使用する油脂変性ポリオールが、非
水媒体中での結晶性が少なく、反応が進むにつれて生じ
る高分子化の過程でも、媒体中で油脂変性ポリオールを
主体とするポリマー鎖がある程度自由に動き得る為に、
非溶解性結晶部分と溶解性非結晶部分の分離が容易に行
われ、ウレア結合同士の水素結合による非溶解性結晶部
分を粒子の中心とするウレアドメインを形成し、その周
囲に溶媒和されたポリマー鎖が規則正しく外向きに配向
される。これは従来のミセル下に重合することにより得
られる公知のコロイド粒子の製造方法における界面活性
剤とは根本的に異なる作用である。
【0022】上記ポリウレアコロイド粒子の製造方法を
更に具体的に説明する。先ず、最初に油脂変性ポリオー
ルとポリイソシアネート化合物とを非水媒体中又は無溶
媒で反応させ、NCO基を有するプレポリマーを合成す
る。次にこのプレポリマーを撹拌機付きのジャケット式
合成釜に仕込み、濃度が5〜70重量%になるように非
水系溶媒を添加して濃度を調整する。この溶液を撹拌し
ながら、予め2〜20重量%の濃度に調整したポリアミ
ン化合物の溶液を徐々に添加し反応を行い、ポリウレア
化反応においてポリウレアコロイド粒子を製造する。
【0023】ポリアミンの添加方法は、上記の方法の他
にポリアミン溶液に前記プレポリマー又はその溶液を添
加する方法でもよい。ポリマー合成の為の温度は特に限
定されないが、好ましい温度は30℃〜120℃であ
る。ポリマー合成の為の反応濃度、温度、撹拌機の形
態、撹拌力、ポリアミン溶液及びプレポリマー又はその
溶液の添加速度等は特に限定されないが、ポリアミン化
合物とプレポリマーのイソシアネート基との反応は速い
ので、急激な反応が行われないように、反応を制御する
ことが好ましい。
【0024】ポリウレアコロイド粒子の製造に使用する
油脂変性ポリオールは、官能基が2以下のポリオールで
あって、好ましい分子量は1,000±300である
が、これに限定されない。油脂変性ポリオールの具体例
としては、例えば、各種の油脂を低級アルコールやグリ
コールを用いてアルコリシス化する方法、油脂を部分鹸
化する方法、水酸基含有脂肪酸をグリコールによりエス
テル化する方法等によって、油脂に約2個以下の水酸基
を含有させたもの、或はJ.H.SAUNDERS,K.C.FRISCH著のP
OLYURETHANES,CHEMISTRY AND TECHNOLOGY PART 1,Chemi
stry(p48〜53)(1962年発行)等に記載の油
脂変性ポリオール等が挙げられる。上記の水酸基含有脂
肪酸としては、例えば、リシノレイン酸、12−ヒドロ
キシステアリン酸、ヒマシ油脂肪酸、水添ヒマシ油脂肪
酸等が挙げれれる。
【0025】油脂変性ポリオールとポリイソシアネート
化合物との反応は、1<NCO/OH≦2の条件で行
い、溶媒和されるプレポリマー鎖の分子量をコントロー
ルする。この様に合成されるプレポリマーの分子量は、
特に限定されないが、好ましい範囲は約500〜15,
000である。本発明で使用されるポリイソシアネート
化合物としては、公知のポリイソシアネート化合物の全
てが挙げられる。特に好ましいものはヘキサメチレンジ
イソシアネート、水添加TDI、水添加MDI、イソホ
ロジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族系ジイソシア
ネート化合物である。
【0026】ポリウレアコロイド粒子の製造に使用する
非水系媒体としては、使用原料である油脂変性ポリオー
ル、ジイソシアネート化合物及びポリアミン化合物を溶
解するもので、活性水素を有さない全ての非水系溶媒を
使用することが出来る。特に好ましいものはヘキサン、
ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素系である。尚、本発明におい
て「溶解」とは常温及び高温下での溶解の両方を包含す
る。
【0027】ポリウレアコロイド粒子の製造に使用する
ポリアミン化合物として、例えば、エチレンジアミン、
ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ヘキサメチレンジ
アミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミ
ノエチルピペラジン、ビス−アミノプロピルピペラジ
ン、ポリオキシプロピレンジアミン、4,4−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、チオ尿
素、メチルイミノビスプロピルアミン等のジアミンの単
独及び混合物を好ましく使用することが出来る。
【0028】ポリウレアコロイド粒子の製造に使用する
油脂変性ポリオール、ジイソシアネート化合物、ポリア
ミン化合物、得られるプレポリマーの種類、使用量及び
使用比率は、使用する溶媒中でのポリウレアコロイド粒
子の大きさ及び安定性等を制御する目的で決定される。
即ち、本発明のポリウレアコロイド粒子は、溶媒中で溶
媒和されない結晶部分のウレアドメインと、そのウレア
ドメインから伸びて溶媒中で溶媒和されたポリマー鎖に
より形成されている。
【0029】ポリウレアコロイド粒子のウレアドメイン
の大きさ及び溶媒和されたポリマー鎖の大きさと形態が
ポリウレアコロイド粒子の性質を左右する。この様に、
ウレアドメインと溶媒和されたポリマー鎖とで形成され
たポリウレアコロイド粒子は、溶媒中で安定なポリウレ
アコロイド分散液であり、その分散液中のポリウレアコ
ロイド粒子のウレアドメインの粒径は、通常0.01〜
1.0μmであり、溶媒和されているポリマー鎖の1個
の分子量は約500〜15,000であり、両者の重量
比はウレアドメイン(ウレア結合又はポリアミン化合
物)/ポリマー鎖が0.5〜30の範囲が好ましい。ウ
レア結合の割合が上記範囲未満であると、得られるポリ
ウレアコロイド粒子中の非溶媒和性ウレアドメインが形
成されにくく、ポリウレアコロイド粒子が非水媒体に溶
解性し易くなり、良好なポリウレアコロイド粒子が生成
されない。一方、ウレア結合の割合が上記範囲を越える
と、非溶媒和性ウレアドメインが大きくなり、得られる
ポリウレアコロイド粒子の安定性が低下し、ポリウレア
コロイド粒子の凝集が生じ易くなる。
【0030】以上の如きポリウレアコロイド分散液は光
の錯乱により青い乳光から黄味がかった乳光に見える。
該ポリウレアコロイド分散液を乾燥固化したものは、比
較的溶解力の低い炭化水素系溶媒中に容易に再分散し、
任意の濃度のポリウレアコロイド分散液とすることが出
来、又、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、シメチ
ルスルホキシド、メチルエチルケトン、酢酸ブチル等の
極性溶剤には殆ど溶解し、これに上記の如き溶解力に低
い溶媒を適当量添加混合することにより、ポリマー中の
ウレア結合が析出結晶化して非溶媒和ウレアドメインを
形成し、ポリウレアコロイド分散液とすることが出来
る。
【0031】ポリウレアコロイド粒子は、溶媒和されて
いない結晶部のウレアドメインと溶媒和されたポリマー
鎖から形成されている不均一粒子である為に、その性質
は溶媒和されていないウレアドメインと溶媒和されたポ
リマー鎖の両者の性能を合わせ持っている。1例とし
て、NCO基を有するプレポリマーとポリアミン化合物
をNCO/NH=1.0のモル比で反応させて合成し
たポリウレアコロイド粒子を、固形分で10重量%の分
散液としてガラス板の上に、乾燥膜が10μmになるよ
うに塗付し乾燥して製膜したところ、この乾燥塗膜は、
透明性に優れ、粘着性の無い、しかも驚くべきことに、
溶融温度は200℃以上を示した。
【0032】本発明で使用するポリウレアコロイド粒子
の溶媒中における形態は、図1に示す様なものと想像さ
れる。このポリウレアコロイド粒子の粒径の制御につい
ては、溶媒和したポリマー部分とウレアドメインを含ん
だ粒子全体の大きさと、溶媒和したポリマー部分とウレ
アドメインのそれぞれの大きさについて、それらの制御
が可能である。尚、先に記載のポリウレアコロイド粒子
分散液の粒径は、ウレアドメイン部分を表現している。
【0033】安定に制御されたポリウレアコロイド粒子
分散液を製造する為には、図1の様に、溶媒和したポリ
マー部分とウレアドメイン部分が明瞭に相分離している
のが望ましく、その為には溶媒和されるポリマー鎖と結
晶部分のウレアドメインとが混在しない様に製造するこ
とが必要である。この為には、合成過程で溶媒和したポ
リマー部分とウレアドメイン部分が分離しやすい合成条
件が要求される。
【0034】ポリウレアコロイド粒子の合成は、NCO
基を有するプレポリマーの溶液及びポリアミン化合物の
溶液の両方の濃度が低く、一方の溶液に他方の溶液を添
加する添加速度が遅いほど良好な結果が得られ、撹拌は
プロペラミキサー撹拌で充分である。又、原料溶液の濃
度が高い場合や溶液の添加速度が速い場合には、ホモジ
ナイザー等の使用による高剪断力の混合を行いながら合
成することが好ましい。反応温度は使用する溶媒の種類
と、その溶媒に対するウレアドメインの溶解度により決
まるが、好ましい温度は合成を制御し易い30℃〜12
0℃であるが、この温度範囲に特に限定されない。ウレ
アドメインの形成は合成過程で形成する方法、或は高温
で合成したものを冷却過程で形成する方法でもよい。
【0035】ポリウレアコロイド粒子で重要な因子は、
その表面基の種類及び濃度であり、更には不活性液体中
における分散性と分散粒径である。即ち、ポリウレアコ
ロイド粒子の乳化剤としての作用は、W/O、O/O型
の乳化剤であり、ポリイソシアネート化合物及び活性水
素を有する化合物の親水性、疎水性の強さと不活性液体
との相関性で作用する。これらの条件を加味して検討を
加えた結果として、ポリイソシアネート化合物及び活性
水素を有する化合物に対するポリウレアコロイド粒子の
添加量の調整で、ポリウレタン微粒子の粒径をコントロ
ールすることが可能であり、前記の範囲で添加量が多い
程粒径は小さくなり、少ない程粒径が大きくなる。
【0036】以上の如き原材料から得られたポリウレタ
ン分散液から、常圧又は減圧下で不活性液体を分離する
ことによって、本発明のポリウレタン微粒子が得られ
る。粒子化に用いる装置としてスプレイドライヤー、濾
過装置付き真空乾燥機、撹拌装置付真空乾燥機、棚式乾
燥機等公知のものがいずれも使用出来、好ましい乾燥温
度は不活性液体の蒸気圧、ポリウレタン微粒子の軟化温
度、粒径等に影響されるが、好ましくは減圧下40℃〜
80℃である。
【0037】この様にして製造されたポリウレタン微粒
子の粒径は、0.5μm〜100μmで真球状である。
粒径のコントロールは、ポリウレタンの組成が同一の場
合、合成釜の乳化型式(プロペラ式、錨型式、ホモジナ
イザー、螺旋帯式等)及び撹拌力の大小に左右される
が、特に不活性液体中のポリイソシアネート化合物及び
活性水素を有する化合物の濃度、ポリウレアコロイド粒
子の種類及び添加量に影響される。ポリイソシアネート
化合物及び活性水素を有する化合物を乳化する為の機械
的撹拌や剪断力は乳化の初期段階で決定され、これが強
力な程分散体の粒径が小さくなる。その後の撹拌及び剪
断力は大きくは影響しない。かえってその力が強すぎる
と分散体同士の凝集を促進することになり好ましくな
い。
【0038】又、本発明では、上記のポリウレタン微粒
子の製造に当たり、原料の少なくとも一部又は全部に染
料や顔料等の着色剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、帯電防止剤、研磨剤、体質顔料等の各種添
加剤を混合して、ポリウレタンの合成を行い種々の用途
に適したポリウレタン微粒子を得ることも可能である。
【0039】これらの微粒子は、図2の電子顕微鏡写真
(倍率5,000倍)に示す様に、ほぼ完全に真球状の
微粒子であり、図3の想像図に示す如く個々のポリウレ
タン微粒子の表面にはポリウレアコロイド粒子が付着或
は被覆されており且つポリウレアコロイド粒子が非粘着
性と耐熱性に優れている為、該微粒子を分散媒体から単
に除去するのみで極めて流動性に富んだ微粒子となり、
微粒子化に当たっては従来技術における如き煩雑且つコ
スト高な粉砕工程や分級操作を何ら要しない等の種々の
利点を有している。
【0040】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものでない。尚、文中部又は%とあるのは特に断り
のない限り重量基準である。
【0041】(ポリウレアコロイド粒子の作成) 実施例1 水酸基価119.5の2官能の油脂変性ポリオール10
0部とN−オクタン100部とを撹拌機付き合成釜に仕
込み上記ポリオールを溶解した。撹拌しながら温度を5
0℃に制御し、NCO/OH=2になる様に予め用意し
たイソホロンジイソシアネート47.3部を1時間かけ
て徐々に添加し、この条件で3時間反応を続け、更に8
0℃3時間の反応を行い合成を完結した。次にN−オク
タンで濃度50%に調整し、NCO基を2.9%含有す
るプレポリマー溶液(PP−1)を得た。この物の分子
量は1,383である。
【0042】上記のPP−1の40部を、N−オクタン
60部を撹拌機付き合成釜に仕込み溶解した、撹拌しな
がら温度を70℃に制御しながら、予め用意したイソホ
ロンジアミンのN−オクタンの10%溶液23.4部を
5時間掛けて徐々に添加し反応を完結して、(ポリアミ
ン(ウレア結合部)/プレポリマー鎖)×100=1
1.7%のポリウレアコロイド粒子の18.1%分散液
(C−1)を得た。この分散液は青い乳光色の安定な分
散液であった。
【0043】実施例2 水酸基価119.5の2官能の油脂変性ポリオール10
0部とN−オクタン100部とを撹拌機付き合成釜に仕
込み上記ポリオールを溶解した。撹拌しながら温度を5
0℃に制御し、NCO/OH=1.1になる様に予め用
意したイソホロンジイソシアネート26.6部を1時間
掛けて徐々に添加し、この条件で3時間反応を続け、更
に80℃4時間の反応を行い合成を完結した。次にN−
オクタンで濃度50%に調整し、NCO基を1.64%
含有するプレポリマー溶液(PP−2)を得た。この物
の分子量は2,543である。
【0044】上記のPP−2の20部とN−オクタン8
0部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記プレポリマー溶
解した。撹拌しながら温度を70℃に制御しながら、予
め用意したイソホロンジアミンのN−オクタンの1%溶
液17.0部を8時間掛けて徐々に添加し反応を完結し
て、(ポリアミン/プレポリマー鎖)×100=1.7
%のポリウレアコロイド粒子の8.7%分散液(C−
2)を得た。この分散液は青い乳光色の安定な分散液で
あった。
【0045】実施例3 水酸基価157.8の1官能の油脂変性ポリオール10
0部を、撹拌機付き合成釜に仕込み、撹拌しながら温度
を60℃に制御し、NCO/OH=2.0になる様に、
予め用意したトリレンジイソシアネート49.0部を1
時間掛けて徐々に添加し、この条件で5時間の反応を行
い合成を完結した。次にN−ヘプタンで濃度60%に調
整し、NCO基を4.71%含有するプレポリマー溶液
(PP−3)を得た。この物の分子量は528である。
【0046】上記のPP−3の100部を撹拌機付き合
成釜に仕込み、撹拌しながら温度を50℃に制御し、予
め用意したトリメチルヘキサメチレンジアミンのN−ヘ
プタンの10%溶液88.5部を5時間掛けて徐々に添
加し反応を完結して、(ポリアミン/プレポリマー鎖)
×100=14.75%のポリウレアコロイド粒子の3
6.5%分散液(C−3)を得た。この分散液は黄味の
乳光色の安定な分散液であった。
【0047】実施例4 水酸基価165.5の2官能の油脂変性ポリオール10
0部とN−デカン100部とを撹拌機付き合成釜に仕込
み上記ポリオールを溶解した。撹拌しながら温度を50
℃に制御し、NCO/OH=2.0になる様に、予め用
意したヘキサメチレンジイソシアネート49.6部を1
時間掛けて徐々に添加し、この条件で3時間反応を続
け、更に80℃3時間の反応を行い合成を完結した。次
にN−デカンで濃度50%に調整し、NCO基を4.0
5%含有するプレポリマー溶液(PP−4)を得た。こ
の物の分子量は1,012である。
【0048】上記のPP−4の40部とN−デカン60
部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記プレポリマーを溶
解した。撹拌しながら温度を70℃に制御し、予め用意
したヘキサメチレンジアミンのN−デカンの5%溶液4
9.8部を8時間掛けて徐々に添加し反応を完結して、
(ポリアミン/プレポリマー鎖)×100=12.45
%のポリウレアコロイド粒子の15%分散液(C−4)
を得た。この分散液は透明な青い乳光色の安定な分散液
であった。
【0049】(ポリウレタン微粒子の製造) 実施例5 2リットルのステンレス容器に、実施例1のポリウレア
コロイド(C−1)44部とN−オクタン356部を仕
込み混合し、40℃に保持した。これに平均分子量1,
020のポリブチレンアジペート228部、1,4−ブ
タンジオール30.4部及びMDI 141.7部を4
0℃に加熱し均一に混合したものを徐々に加え、ホモジ
ナイザーで30分間乳化した。この乳化液は分散質の平
均分散粒子径が5μmで粒子の分離もなく安定な乳化液
であった。
【0050】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性液体を分離し粉末状ポリウレタン
(A)を得た。このものは平均粒子径が5μmの真球状
の白色粉末状であった。
【0051】実施例6 2リットルのステンレス容器に、実施例2のポリウレア
コロイド(C−2)184部とN−オクタン216部を
仕込み混合し、40℃に保持した。これに平均分子量
1,020のポリブチレンアジペート228部、1,4
−ブタンジオール30.4部及びMDI 141.7部
を40℃に加熱し均一に混合したものを徐々に加え、ホ
モジナイザーで30分間乳化した。この乳化液は分散質
の平均分散粒子径が16μmで粒子の分離もなく安定な
乳化液であった。
【0052】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性液体を分離し粉末状ポリウレタン
(B)を得た。このものは平均粒子径が16μmの真球
状の白色粉末状であった。
【0053】実施例7 2リットルのステンレス容器に、実施例3のポリウレア
コロイド(C−3)109部とヘプタン491部を仕込
み混合し、40℃に保持した。これに平均分子量1,0
20のポリブチレンアジペート228部、1,4−ブタ
ンジオール30.4部及びMDI 141.7部を40
℃に加熱し均一に混合したものを徐々に加え、ホモジナ
イザーで30分間乳化した。この乳化液は分散質の平均
分散粒子径が3μmで粒子の分離もなく安定な乳化液で
あった。
【0054】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性液体を分離し粉末状ポリウレタン
(C)を得た。このものは平均粒子径が3μmの真球状
の白色粉末状であった。
【0055】実施例8 2リットルのステンレス容器に、実施例3のポリウレア
コロイド(C−3)5.5部とヘプタン597.5部を
仕込み混合し、40℃に保持した。これに平均分子量
1,020のポリブチレンアジペート228部、1,4
−ブタンジオール30.4部及びMDI 141.7部
を40℃に加熱し均一に混合したものを徐々に加え、ホ
モジナイザーで30分間乳化した。この乳化液は分散質
の平均分散粒子径が20μmで粒子の分離もなく安定な
乳化液であった。
【0056】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性液体を分離し粉末状ポリウレタン
(D)を得た。このものは平均粒子径が20μmの真球
状の白色粉末状であった。
【0057】実施例9 2リットルのステンレス容器に、実施例4のポリウレア
コロイド(C−4)80部と石油スピリット320部を
仕込み混合して均一に分散し、40℃に保持した。これ
に平均分子量1,020のポリブチレンアジペート22
8部、1,4−ブタンジオール30.4部及びMDI
141.7部を40℃に加熱し均一に混合したものを徐
々に加え、ホモジナイザーで30分間乳化した。この乳
化液は分散質の平均分散粒子径が12μmで粒子の分離
もなく安定な乳化液であった。
【0058】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性液体を分離し粉末状ポリウレタン
(E)を得た。このものは平均粒子径が12μmの真球
状の白色粉末状であった。
【0059】実施例10 2リットルのステンレス容器に、実施例1のポリウレア
コロイド(C−1)22部とイソオクタン400部を仕
込み混合し、40℃に保持した。これに平均分子量2,
000のポリカプロラクトンジオール219.7部、
1,4−ブタンジオール32.9部及び4,4´−メチ
レンビス(シクロヘキシルイソシアネート)153.1
部及びスタナスオクトエート0.02部を60℃に加熱
し均一に混合したものを徐々に加え、ホモジナイザーで
10分間乳化した。この乳化液は分散質の平均分散粒子
径が12μmで粒子の分離もなく安定な乳化液であっ
た。
【0060】次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込
み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで
上げ、3時間の反応を終了しポリウレタン分散液を得
た。この分散液を真空乾燥機に移し、50mmHg以下
の減圧下で不活性液体を分離し粉末状ポリウレタン
(F)を得た。このものは平均粒子径が13μmの真球
状の白色粉末状であった。上記の粉末状ポリウレタン
(A)〜(F)をフイルム化した場合のフイルム物性は
表1の通りである。
【0061】
【表1】
【0062】*1:ポリウレアコロイド粒子の使用を除
きポリウレタン微粒子(A)と同一使用量の同一原料か
ら押出成形機を使用して溶融重合したポリウレタン。 *2:ポリウレアコロイド粒子の使用を除きポリウレタ
ン微粒子(E)と同一使用量の同一原料から押出成形機
を使用して溶融重合したポリウレタン。 *3:ポリウレタンを金属のプレート板に置きフイルム
厚が約1mmになる様にガイド板をセットし、200
℃、100kg/cm 及び30分間の条件でプレス
成型して作成。
【0063】*4:ポリウレタン30部及びジメチルフ
ォルムアミド70部を容器に取りテストミキサーで80
℃で60分間の撹拌をしてポリウレタン溶液を作成し、
この溶液を離型紙上に膜厚が30μm〜50μmになる
様に塗布し、70〜100℃で10分間乾燥し更に70
℃で2日間放置して作成。 *5:JIS K7311で行う。 *6:*7で作成したフイルムを室温まで冷却し、縦6
cm及び横1.5cmに切断し離型紙からフイルムを剥
離し、島津オートグラフAG−500Aで、 クロスヘッドスピード 200mm/min チャートスピード 100mm/min 測定温度 25℃ の条件で抗張力−伸度曲線より測定した。
【0064】
【発明の効果】本発明のポリウレタンの製造方法及びポ
リウレタン微粒子は下記の効果を奏する。 1.粒径のコントロールされたポリウレタン微粒子の製
造が可能である。 2.熱可塑性型及び架橋型のポリウレタン微粒子の製造
が可能であり広い用途が期待出来る。 3.得られたポリウレタン微粒子であり、該ポリウレタ
ン微粒子の表面にはポリウレアコロイド粒子が均一に付
着又は被覆されている為、該微粒子は極めて流動性に優
れ、取り扱いが容易であり、例えば、輸送、計量、液体
や樹脂中への再分散が極めて容易である等の種々の利点
がある。
【0065】以上の効果から、本発明のポリウレタン微
粒子は、公知の粉体塗装、成型法によって各種の塗膜
材、ライニング材、ハンマー、ギヤー類、パッキン、ダ
ストカバー等の工業部品、スポーツシューズの靴底、時
計バンド、キャスター、ホース、チューブ、ベルトコン
ベア、電線ケーブル等の塗料、コーティング剤、ゴム、
樹脂の改質剤、溶剤に溶解してウレタン塗料、合成皮革
用の素材、接着剤、着色した場合には着色剤、粉末イン
キ(トナー)等の広範囲の用途がある。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するポリウレアコロイド粒子の断
面の想像図。
【図2】本発明のポリウレタン微粒子の状態の1例を示
す図。
【図3】本発明のポリウレタン微粒子の断面の想像図。
【符号の説明】
1:溶媒和されているポリマー鎖 2:非溶媒和部分のウレアドメイン 3:ポリウレタン微粒子 4:ポリウレアコロイド粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 郊一 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン微粒子であって、該微粒子
    の表面がポリウレアコロイド粒子によって被覆されてい
    ることを特徴とするポリウレタン微粒子。
  2. 【請求項2】 ポリウレアコロイド粒子が、溶媒に対し
    て溶媒和されている部分と非溶媒和部分とから構成され
    ており、非溶媒和部分の粒子径が0.01μm〜1.0
    μmである請求項1に記載のポリウレタン微粒子。
  3. 【請求項3】 ポリウレアコロイド粒子が、油脂変性ポ
    リオールとポリイソシアネートとポリアミン化合物との
    反応で得られるポリウレアコロイド粒子であって、非溶
    媒和部分がウレア結合の水素結合からなっている請求項
    1に記載のポリウレタン微粒子。
  4. 【請求項4】 粒子径が0.5〜100μmの範囲であ
    る請求項1に記載のポリウレタン微粒子。
  5. 【請求項5】 ポリイソシアネート化合物と活性水素を
    有する化合物とを不活性液体中で乳化重合させるに当
    り、乳化剤としてポリウレアコロイド粒子を使用するこ
    とを特徴とするポリウレタン微粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 乳化重合物を不活性液体から粉末状とし
    て取り出す請求項4に記載のポリウレタン微粒子の製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007206375A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 光学用光拡散フィルム
JP2009001712A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd プラスチック用塗料
JP2009001711A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 自動車用水系中塗り塗料

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JP2007206375A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 光学用光拡散フィルム
JP2009001712A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd プラスチック用塗料
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