JPH05310530A - 化粧品 - Google Patents

化粧品

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JPH05310530A
JPH05310530A JP12353592A JP12353592A JPH05310530A JP H05310530 A JPH05310530 A JP H05310530A JP 12353592 A JP12353592 A JP 12353592A JP 12353592 A JP12353592 A JP 12353592A JP H05310530 A JPH05310530 A JP H05310530A
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JP
Japan
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acid
polyester
particles
glycol
weight
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JP12353592A
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English (en)
Inventor
Minako Yuuchi
美奈子 有地
Yasunari Hotsuta
泰業 堀田
Satoshi Maeda
郷司 前田
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用感、使用性、安全性、機能性に優れ、か
つ紫外線遮蔽効果に優れる化粧品を提供する。 【構成】 芳香族単量体を構成成分の一部として含むポ
リエステル球状粒子を配合してなる化粧品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使用感、使用性、安全
性、機能性に優れ、かつ、紫外線遮蔽効果に優れる化粧
品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より化粧品類の多くの製品に粉末が
使用されている。これら化粧品類に使用される粉末は無
機系粉末と有機系粉末に大別される。無機系粉末はタル
ク、マイカ、二酸化チタン等の微粒子であり、化粧品類
に用いられる粉末の大部分を占めるものである。これら
無機系粒子はその形状が、粒状、針状、板状、不定形等
であり、使用感、特に肌上での伸び、感触等に不満が持
たれている。また、一般に無機形粉末は比重が高く、液
状の化粧品においては長時間の放置により沈降する傾向
がある。また固形、粉末状の化粧品の場合においても他
成分との配合時に支障をきたす場合がある。有機系粉末
すなわちポリマ−粒子は、上記問題点を解決すると同時
に、オイル成分、香料成分、水分等液状成分の内包ある
いは吸着/徐放性、色材などによる着色性等の機能性に
着目して近年化粧品に用いられてきており、特にファン
デ−ション、白粉などのメ−クアップ化粧品の原料とし
てはなくてはならないものになりつつある。化粧品に用
いられるポリマ−粒子としては、ナイロン6、ナイロン
12、等のポリアミド系ポリマ−、スチレン、ポリメチ
ルメタクリレ−トやその共重合体に代表されるビニル系
ポリマ−等の粒子が主に用いられている。これらはいず
れもその形状が球状であるために化粧品に配合した際、
肌上での伸び、感触等の使用感、使用性に優れ、また比
重が低いために液状化粧品においても沈降の生じない良
好なる分散安定性を示すものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらポ
リマ−粒子は以下に述べる欠点を有している。ポリアミ
ド系ポリマ−は紫外線遮蔽効果に劣り、また粒子生産性
に劣るためにマスプロダクト的な生産が困難であり、非
常に高価である。ビニル系ポリマ−には共重合成分等に
よってはある程度の紫外線遮蔽効果を有するものがあ
る。しかしながら、これらビニル系ポリマ−はその重合
時に未反応モノマ−が残存し、臭気、安全性等に問題が
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み、使用感、使用性、安全性、機能性に優れ、か
つ、紫外線遮蔽効果に優れる化粧品を実現するべく鋭意
研究を重ねた結果、次なる発明に到達した。すなわち本
発明は、少なくとも芳香族系単量体を構成成分に用いた
ポリエステル球状粒子を配合してなる化粧品である。
【0005】本発明におけるポリエステル樹脂は主とし
て多価カルボン酸類と多価アルコ−ル類から得られるも
のである。多価カルボン酸類としては、例えば、テレフ
タル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフ
タルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ジフェン酸などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ
安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの
芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪
族ジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン
酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等
の不飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を、ま
た多価カルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメ
シン酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸
等を用いることができる。
【0006】多価アルコ−ル類としては、エチレングリ
コ−ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ
−ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサン
ジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、スピ
ログリコ−ル、パラキシレングリコ−ル、メタキシレン
グリコ−ル、オルトキシレングリコ−ル、1,4−フェ
ニレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ルのエ
チレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコ−ル、ポ
リプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−
ル等のジオ−ル、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルA
のエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイ
ド付加物、水素化ビスフェノ−ルA、水素化ビスフェノ
−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオ
キサイド付加物、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−
ルプロパン、グリセリン、ペンタエルスリト−ル等のト
リオ−ルおよびテトラオ−ル、等を用いることができ
る。またポリエステルポリオ−ルとして、ε−カプロラ
クトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラクト
ン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示することができ
る。
【0007】本発明においては、少なくとも芳香族系単
量体を構成成分に用いることが必須である。該芳香族系
単量体の含有量は全構成成分に対して5mol%以上が好ま
しく、さらには10〜70mol%の範囲が好ましく、また
さらには30〜50mol%の範囲が好ましい。かかる芳香
族系単量体の構成比が小さい場合には紫外線遮蔽効果が
上がらない場合がある。また芳香族系単量体の過度の使
用はポリエステル樹脂のガラス転移温度が上がりすぎる
傾向がある。芳香族系単量体としては、酸性分としては
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸
等が、アルコ−ル成分としてはビスフェノ−ル系単量体
を好ましく用いることができる。本発明おいては主とし
て酸成分に芳香族系単量体を用い、アルコ−ル成分に脂
肪族系単量体、ポリオキシアルキレングリコ−ル類を用
いたポリエステル樹脂の使用が好ましい。脂肪族系単量
体としてはエチレングリコ−ル、ブタンジオ−ル、ヘキ
サンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ルを好ましく用い
ることができる。ポリオキシアルキレングリコ−ルとし
てはジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、
ポリエチレングリコ−ルを好ましく用いることができ
る。ポリオキシアルキレングリコ−ルはアルコ−ル成分
に対し5〜50、さらに10〜30mol%の使用が好まし
い。
【0008】本発明においてはモノカルボン酸、または
モノオ−ル等の単官能単量体をポリエステルに導入して
も良い。モノカルボン酸としては例えば、安息香酸、ク
ロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香
酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香
酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル
安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香酸、タ−
シャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メ
チル安息香酸、3メチル安息香酸、サリチル酸、チオサ
リチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリ
ル酸、およびこれらの低級アルキルエステル等を用いる
ことができる。モノオ−ルとしてはメタノ−ル、エタノ
−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、ペンタノ−ル、さら
に長鎖の脂肪族系モノオ−ル、分岐脂肪族モノオ−ル、
シクロヘキサノ−ル、シクロヘキサンメタノ−ル、トリ
シクロデカンメタノ−ル等の脂環族モノオ−ル、フェノ
−ル、ベンゼンアルカノ−ルおよびまたはそれらの誘導
体等の芳香族系モノオ−ルを用いることができる。これ
らのうち好ましく用いられるものとしては置換基として
分岐アルキル基を有する芳香族モノカルボン酸、特には
タ−シャルブチル安息香酸、およびまたはトリシクロデ
カンメタノ−ルを例示することができる。これら単官能
単量体は全構成成分に対し20mol%を越えない範囲での
使用がより好ましい。
【0009】本発明におけるポリエステル樹脂のガラス
転移点は−20℃程度から70℃程度の範囲にて制御可
能である。ガラス転移点が50℃より低い場合、あるい
はアルコ−ル等に対する耐溶剤性が必要な場合にはポリ
エステル樹脂に架橋構造を持たせた方がよい。ポリエス
テル樹脂を架橋させる方法としては三価以上の単量体を
配合する方法、不飽和単量体を配合し、後架橋させる方
法等を例示することができる。
【0010】本発明ではカルボン酸成分としてスルホン
酸基およびまたはその塩の基を含有するエステル形成性
カルボン酸0.1〜10mol%、を用いてもよい。本成分
は樹脂の親水性を向上する目的において用いられる。ポ
リエステルに共重合可能なスルホン酸金属塩基含有多価
カルボン酸としては、スルホテレフタル酸、5−スルホ
イソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタ
レン−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキ
シ〕イソフタル酸、およびまたはそれらの塩を例示する
ことができる。またスルホ安息香酸の金属塩を併用する
ことによって高分子末端にスルホン酸金属塩基を導入す
ることができる。塩としてはアンモニウム系イオン、L
i、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげら
れ、特に好ましいものはK塩またはNa塩である。
【0011】本発明においては、ポリエステル樹脂の親
水性を向上させる目的において前記スルホン酸またはそ
の塩の基以外のイオン性基を有する成分をポリエステル
樹脂に含有せしめることができる。イオン性基として
は、カルボキシル基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸
基、ホスフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、
金属塩等のアニオン性基、または第1級ないし第3級ア
ミン基等のカチオン性基であり、好ましくは、カルボキ
シル基、カルボン酸アンモニウム塩基を用いることがで
きる。これらイオン性基はポリエステルに共重合された
形態、あるいは高分子末端に導入された形態にて含有さ
れることが好ましい。カルボキシル基はポリエステルの
重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を系内に
導入することにより高分子末端に付加することができ
る。さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム等にて
中和することによりカルボン酸塩の基に交換することが
できる。これらイオン性基の含有量は、スルホン酸基お
よびまたはその塩の基を含め、該ポリエステル樹脂に対
し、10〜1000m当量/1000g、好ましくは2
0〜500m当量/1000g、なお好ましくは50〜
200m当量/1000g、である。かかるイオン性
基、および前述したポリオキシアルキレングリコ−ルの
使用はポリエステル粒子に適度な親水性を与えるもので
ある。これらは粒子の肌へのなじみを良くする効果を持
つ。親水性の程度を規定することは困難であるが、0.
5〜5重量%程度の吸湿性を粒子にもたせた場合に好ま
しい触感が得られるようである。
【0012】イオン性基を含有した場合、本発明におけ
るポリエステル樹脂は水分散性を発現する。水分散性と
は一般にエマルジョンあるいはコロイダルディスパ−ジ
ョンと称される状態を意味するものである。イオン性基
は水系媒体中において解離し、ポリエステル樹脂と水と
の界面に電気二重層を形成する。ポリエステル樹脂が微
細なミクロ粒子として水系内に存在する場合には電気二
重層の働きによりミクロ粒子間には静電的な反発力が生
じ、ミクロ粒子が水系内にて安定的に分散する。 この
場合、水系媒体に安定にミクロ分散せしめたイオン性基
含有ポリエステル樹脂を、該ミクロ分散粒子を可塑化し
た状態において水分散性を低下させることにより安定状
態を崩し、ミクロ分散粒子を合体せしめることによりイ
オン性基含有ポリエステル粒子を得ることができる。該
ミクロ分散粒子の水分散安定性を低下せしめる手段とし
ては、ポリエステル樹脂に含有されるイオン性基の、 ・光分解、熱分解、あるいは加水分解等による切り放
し、 ・温度、pH等の走査による解離度の制御、 ・対イオンによるイオン性基の封鎖、 および、 ・電解質の添加による電気二重層の破壊、 等の手段を用いることができる。本発明においては、対
イオン性基を有する反応性単量体を系内に添加し、対イ
オン性基含有単量体を重合せしめることにより形成され
るポリイオンコンプレックスを用いてイオン性基を封鎖
する方法、あるいは、エステル結合等を介して高分子鎖
に導入されたイオン性基またはイオン性基をその一部と
して有する単量体部分などを過水分解触媒を併用して切
り放す方法、あるいは単に無機あるいは有機の塩を系内
に添加する方法を好ましく用いることができる。かくし
て得られるポリエステル粒子は平均粒子径Dが1〜15
μmであり、0.5D〜2.0Dの範囲に全体の70重
量%以上の粒子が存在する粒度分布を有し、真球度(短
径/長径)0.9以上の粒子が全体の80重量%以上を
占める実質的に球形の粒子となる。
【0013】本発明においてはポリエステル粒子の製造
方法は特にこれを限定するものではない。ポリエステル
粒子は前述したイオン性基含有ポリエステルの水系ミク
ロ分散体をスプレ−ドライする方法、あるいは、粉砕し
たポリエステル粒子をポリエステル樹脂の不溶媒中にて
撹拌下に軟化温度以上に加熱する方法、粉砕したポリエ
ステル粒子を熱気流中にて処理する方法等によって得る
ことができる。しかしながら、粒子形状の均一さ、粒子
系分布のシャ−プさ、その生産性の高さ等の観点より前
述した粒子化法を用いることがより好ましい。本発明に
おいてやらに高機能を求める場合には前述のポリエステ
ル粒子をシ−ドとしてビニル系モノマ−にて膨潤させシ
−ド重合させる事ができる。この際、多官能ビニルモノ
マ−を使用することによりポリエステルとビニルポリマ
−との相互侵入型架橋構造を実現することができる。
【0014】本発明においてはポリエステル粒子を中空
/多孔化、さらにはその表面にしわを形成せしめること
ができる。中空/多孔化の手法としては水系媒体中での
高pH、低pHでの吸脱水処理、あるいは高温加熱/冷
却による吸脱水処理などの手法、あるいは粒子中に良溶
/難溶の海島構造を作り良溶部を溶解する方法などを用
いることができる。中空/多孔化されたポリエステル粒
子は見かけの比重が低くなるために特に液中での分散安
定性が良好となり、またその孔を利用してオイル成分、
水分、香料類等の吸着徐放効果を得ることができ、また
光線散乱効果を高める事ができる。
【0015】また本発明においては該ポリエステル粒子
と他のポリマ−粒子、顔料、あるいは無機粒子などをハ
イブリッドすることができる。ハイブリッドの形態とし
ては他の粒子をポリエステル粒子内に内包する形態、あ
るいはポリエステル粒子の表面近傍に被覆ないしは埋め
込む形態等を採ることができる。内包する場合には、ポ
リエステル樹脂にあらかじめ他成分を混合分散した後に
前述の粒子化工程に導く方法、あるいは、本発明に好ま
しく用いられる水分散ポリエステルを経る粒子化法にお
いてはポリエステル樹脂の水分散化処理の際に他成分を
共存させる方法、あるいは粒子成長時に他成分を水分散
体として供給し、ポリエステルの粒子成長にともない粒
子内部に内包させる方法等を好ましく用いることができ
る。またポリエステル粒子表面近傍に被覆あるいは埋め
込む場合には公知の高速ミキサ−等による乾式混合処理
あるいはメカノケミカル処理、またはポリエステル粒子
の水系分散体に添加成分を水系分散体の形態にて混合
し、乾燥時に粒子表面に固着させる方法等を好ましく用
いることができる。
【0016】本発明のポリエステル樹脂は染料にて着色
された場合においても耐光堅牢度が良好である。そのた
め顔料よりも透明性、色相、彩度に優れる染料を着色材
として使用することができる。 染料としては分散染
料、油溶性染料、ヴァット染料、カチオン染料、アニオ
ン染料等公知の染料を用いることができる。本発明では
特に「常温にて水に不溶の染料」を用いることが好まし
い。これらは一般に分散染料、あるいは油溶性染料に分
類されるものである。より具体的には、 ・C.I.Disperse Yellow 198 ・C.I.Disperse Yellow 42 ・C.I.Disperse Red 92 ・C.I.Disperse Violet 26 ・C.I.Disperse Violet 35 ・C.I.Disperse Blue 60 ・C.I.Disperse Blue 87 等が好ましく用いられる。これらは特に耐光堅牢度、色
相、彩度に優れるものであり、好ましい色調を有するた
めに、広い範囲の色をこれら染料の組合せによって実現
可能である。染料をポリエステル樹脂に含有させる方法
としては高温分散染色法を用いることができる。本発明
のポリエステル樹脂はイオン性基の作用により水中にて
良好なる安定分散性を示すため、粒子状を保持したまま
高濃度な染色が可能である。黒色の粒子を得る場合に、
カ−ボンブラック等を使用することは差し支えない。カ
−ボンブラックとしては、サ−マルブラック、アセチレ
ンブラック、チャンネルブラック、ファ−ネスブラッ
ク、ランプブラック等を用いることができる。さらに褐
色の色彩を得る場合には酸価鉄系の無機顔料を用いても
良い。
【0017】本発明における化粧品には必須成分である
ポリエステル粒子の他に製品種、目的等により通常化粧
品成分として用いられる白色、体質、着色顔料、パ−ル
剤、天然鉱物、有機粉末、油剤、金属石鹸、界面活性
剤、保湿剤、防腐剤、香料、その他添加剤を配合しても
差し支えない。本発明の化粧品は粉末状、プレス状、液
状、スティック状、また乳化状、油性状、クリ−ム状等
のいかなる製品形態、形状を採ってもよい。より具体的
には本発明ではその特徴であるポリエステル粒子を、ク
レンジングクリ−ム、拭き取り化粧水、洗顔料、化粧
水、乳液、白粉、ファンデ−ション、頬紅、アイシャド
ウ、口紅、アイライナ−、マスカラ、アイブロウ、眉
墨、パック、マッサ−ジクリ−ム、下地クリ−ム、ロ−
ション等に配合することにより優れた効果を得ることが
できる。
【0018】本発明の化粧品に配合されるポリエステル
粒子は無機粒子に比較し比重が低いために良好なる分散
安定性を示し、長期保存においても沈降が生じない。ま
た縮合系ポリマ−であるが上に未反応モノマ−の残存が
無く、臭気、安全性の面において優れている。また親水
性成分の共重合によりその親水/疎水度を自由に制御可
能であり目的に応じた特性を得ることができる。また本
発明におけるポリエステル樹脂は芳香族系単量体を必須
成分とするが、そのため特に紫外線の遮蔽効果が優れて
いる。以上の作用により、本発明の化粧品は従来の無機
粒子を主に用いた化粧品に対し、使用性、使用感等の点
で公知のポリマ−粒子を用いた化粧品の特徴をすべて継
承し、さらに加えて紫外線遮蔽効果、臭気、安全性、製
品設計の自由度等の点でより優れた効果を示すものであ
る。
【0019】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらになんら限定される物で
はない。
【実施例】
[ポリエステル樹脂の合成] 温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 95重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 95重量部、 5−ナトリウムスルホイソフタレ−トメチルエステル 6重量部、 エチレングリコ−ル 70重量部、 ネオペンチルグリコール 100重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続
けた結果、共重合ポリエステル樹脂(A1)を得た。得
られた共重合ポリエステル樹脂(A1)のNMR分析に
よる組成、分子量を後記の表1.に示す。以下、原料を
変えて常法に従い重合を行い、後記の表1.表2.に示
すポリエステル樹脂(A2)〜(A15)を得た。表
1.表2中、 NDC は 1,5−ナフタレンジカルボン酸 TPA は テレフタル酸 IPA は イソフタル酸 SA は セバシン酸 MA は マレイン酸 SIP は 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 TMA は トリメリット酸 EG は ネオペンチルグリコール BD は 1,4−ブタンジオ−ル PG は プロピレングリコ−ル NPG は ネオペンチルグリコール BPE は ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物 DEG は ジエチレングリコ−ル PEG は ポリエシレングリコ−ル(平均分子量40
0) CHDM は シクロヘキサンジメタノ−ル を示す。
【0020】[ポリエステル粒子の製造1]共重合ポリ
エステル樹脂(A1)340重量部、メチルエチルケト
ン150重量部、テトラヒドロフラン140重量部を8
0℃にて溶解した後80℃の水680部を添加し、粒子
径約0.1μmの共重合ポリエステル樹脂の水系ミクロ
分散体を得た。さらに得られた水系ミクロ分散体を蒸留
用フラスコに入れ、留分温度が100℃に達するまで蒸
留し、冷却後に水を加え固形分濃度を30%とした。温
度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の1リッ
トルセパラブルフラスコに、共重合ポリエステル水系分
散体300重量部を仕込み80℃に昇温した。次いで、
塩化ナトリウムの5.6重量%水溶液40重量部を60
分間に渡って添加し、さらに300分間80℃に保った
状態で撹拌を続けた。その結果、ポリエステル水系ミク
ロ分散体に存在したサブミクロンオ−ダ−の粒子径の共
重合体は合体粒子成長し、平均粒径6.5μm、直径を
Dとした場合に0.5D〜2Dの範囲の粒径を有する粒
子の占有率(個数)95%のポリエステル球状粒子を得
た。得られたポリエステル粒子を濾過、水洗後スプレ−
ドライして乾燥したポリエステル粒子(B1)を得た。
以下同様にポリエステル樹脂(A2)〜(A12)より
ポリエステル粒子(B2)〜(B12)を得た。
【0021】[ポリエステル粒子の製造2]共重合ポリ
エステル樹脂(A13)340重量部、メチルエチルケ
トン150重量部、テトラヒドロフラン140重量部を
80℃にて溶解した後ポリエステル樹脂の酸価に対し
1.2倍量の0.1Nアンモニア水を加え10分間混合
した。次いで80℃の水680部を添加し、粒子径約
0.1μmの共重合ポリエステル樹脂の水系ミクロ分散
体を得た。さらに得られた水系ミクロ分散体を蒸留用フ
ラスコに入れ、留分温度が100℃に達するまで蒸留
し、冷却後に水を加え固形分濃度を30%とした。温度
計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の1リット
ルセパラブルフラスコに、共重合ポリエステル水系分散
体300重量部を仕込み80℃に昇温した。次いで、塩
化ナトリウムの5.6重量%水溶液40重量部を60分
間に渡って添加し、さらに300分間80℃に保った状
態で撹拌を続けた。その結果、ポリエステル水系ミクロ
分散体に存在したサブミクロンオ−ダ−の粒子径の共重
合体は合体粒子成長し、平均粒径6.2μm、直径をD
とした場合に0.5D〜2Dの範囲の粒径を有する粒子
の占有率(個数)96%のポリエステル球状粒子を得
た。得られたポリエステル粒子を濾過、水洗後スプレ−
ドライして乾燥したポリエステル粒子(B13)を得
た。以下同様に共重合ポリエステル樹脂(A14)〜
(A16)からポリエステル粒子(B14)〜(B1
6)を得た。
【0022】[紫外線遮蔽効果の評価]得られたポリエ
ステル粒子5重量部を平均粒子径0.5mmのガラスビ
−ズ95重量部と混合した。ポリエステル粒子とガラス
ビ−ズは接触摩擦帯電によりポリエステル粒子が負に、
ガラスビ−ズが正に帯電した。ポリエステル粒子とガラ
スビ−ズの混合物を、正コロナ処理により表面を正帯電
させた石英板上にカスケ−ド上に落下させ、静電力にて
ポリエステル粒子を石英板上に付着させた。コロナ処理
条件により石英板の電位を調整し、ポリエステル粒子の
付着量を10mg/cm2 に規格化し紫外線遮蔽率測定
用資料とした。また比較例として市販のナイロン6粒子
およびPMMA粒子を用い同様に資料を得た。上記資料
につき日立スペクトロフォトメ−タU−3210型を用
いて紫外線遮蔽率を求めた。測定波長はA領域として32
0 〜400 nm、B領域として290 〜320 nmとし、各領
域の平均値を求めた。結果を後記の表3.に示す。ポリ
エステル粒子は紫外線遮蔽率が高く、特にB領域につい
てはほとんど完全に遮蔽することがわかる。比較してナ
イロン6、あるいはPMMA粒子では遮蔽効果が低い。
(後記の表4.に示す。) この結果はポリエステル粒子に含有される芳香族系成分
が紫外部に吸収を有することに由来し、従来のナイロン
系、あるいはPMMA系粒子には求め難い特性をポリエ
ステル粒子が有することを示すものである。
【0023】(固形粉末状ファンデ−ション) ブレンダ−に ポリエステル粒子 10重量部、 タルク 30重量部、 酸化チタン 2重量部、 着色顔料 6重量部、 マイカ 40重量部、 を仕込均一混合し、 ワセリン 2重量部、 スクワラン 8重量部、 流動パラフィン 2重量部、 を加熱溶融混合物を加えさらに混合した。次いで得られ
た混合物をプレス成形し固形粉末状ファンデ−ションを
得た。得られたファンデ−ションはいずれのポリエステ
ル粒子を用いた場合でもマットへの取れが良く、塗布時
の伸びが良好で密着感があり均一で自然な化粧膜を形成
し、紫外線遮蔽効果に優れていた。
【0024】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明のポリエ
ステル粒子を配合した化粧品は使用性、使用感に優れ、
さらに高い紫外線遮蔽効果を有するものである。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも芳香族系単量体を構成成分に
    用いたポリエステル球状粒子を配合してなる化粧品。
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