JPWO2019167749A1 - 顔料含有脂肪族ポリエステル微粒子、その製造方法および化粧品 - Google Patents
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Abstract
脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルおよびラクトンから得られる脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる脂肪族ポリエステル樹脂(A)、脂肪族ポリエステル樹脂とは異なる樹脂であって相分離を誘発する樹脂(B)、顔料(C)および有機溶媒(D)を混合してポリマー溶液としたときに、脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主成分とし顔料を含む溶液相と、前記樹脂(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、エマルションを形成させた後、脂肪族ポリエステル樹脂(A)の貧溶媒(E)を接触させることにより、顔料(C)を含有する脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を析出させることで得られる、顔料(C)の含有量が1.5質量%以上40質量%以下であり、平均粒子径が1μm以上100μm未満である新規な顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子。顔料の流動性、分散性などの取り扱い性を向上させ、化粧品添加剤として使用する際、化粧落としがしやすく、かつ皮膚への色移りがしにくい、発色性の高い色材としての新規なポリマー微粒子を提供する。
Description
本発明は顔料含有脂肪族ポリエステル微粒子、その製造方法および化粧品に関するものである。
顔料とは、水や有機溶剤などの溶剤に溶けない着色料であり、鉱物質などの無機顔料やベンゼン環が高度に縮退した芳香族分子やアゾ基をもつ有機顔料などの物質を指す。これらは、主に、塗料、印刷用インク、コーティング剤の着色料や化粧品などの分野で使われ、外観や意匠性を向上させる着色材料である。顔料は、染料と異なり透明性が低いことから発色性が高く、さらには耐光性や耐水性が高いことから、対象部材への定着後の安定性が高いため、広く用いられている。
顔料は、一般に水や有機溶剤へ溶けにくいとされているが、一部は水や有機溶剤などに溶ける。この溶出する顔料は、特に口紅などの化粧品で使用された場合、皮膚への色移りを起こし、化粧落としがしにくくなり、皮膚からの浸透を通じ、体内へ浸透し、安全性の観点から課題になりつつある。
上記のような課題に対し、顔料をそのまま使用するのではなく、顔料表面を石油化学品由来の樹脂でコーティングする材料を利用する方法が知られている。例えば、特許文献1では、エチレン性不飽和イオン性モノマーである第一モノマーと50℃を超えるガラス転移温度のホモポリマーを形成する能力のあるエチレン性不飽和疎水性モノマーである第二モノマーを含むポリマーブレンドからなるポリマーマトリックスと着色材とを噴霧乾燥することで複合化する技術が開示されている。
また、同様に顔料をポリマーでコーティングする方法として、特許文献2では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどを用いる方法が開示されている。
特許文献3、特許文献4では、液相においてポリマーコーティングする手法が開示されており、ポリマーコーティングに使用される重合体として、アクリル系樹脂、ABS、ポリカーボネートなどの石油化学品由来の重合体が開示されている。
一方、ポリエーテルスルホン微粒子などの高耐熱性微粒子(特許文献5)や、環境低負荷材料であり化粧品に好適なポリ乳酸微粒子(特許文献6、7)、さらには顔料を内包させたABS微粒子(特許文献4)およびその製造方法の技術が開示されている。また、黒色を発色させる目的としてカーボンブラックを内包させたポリアミド微粒子なども開示されている(特許文献8)。
特表2011−520001号公報
特開2005−120368号公報
特開2013−76040号公報
特開2017−155218号公報
国際公開第2009/142231号
国際公開第2012/105140号
特開2015−214690号公報
国際公開第2016/104140号
特許文献1に記載の方法は、溶液にポリマーを溶かし、噴霧乾燥する方法であるため、簡便にポリマーコーティングされた顔料を得ることができるものの、噴霧乾燥後のポリマーコーティングされた顔料の粒子径分布が広がったり、瞬間的なコーティングになることから、一部の顔料表面で十分コーティングできなかったりするなどの課題がある。また、コーティングに使用するポリマーは、石油化学品由来のポリマーであり、皮膚の色移り防止の効果はあったとしても、コーティングに使用する重合体に起因する溶出物が人体に影響を及ぼす可能性がある。
特許文献2の方法は、水性バインダ系への分散性を向上させる目的で、コーティング層には水溶性シェルを用いており、特に皮膚での色移り防止という観点では、効果の薄い方法である。
特許文献3、特許文献4では、コーティングに使用する重合体に起因する溶出物が人体に影響を及ぼす可能性がある。さらに、特許文献4の方法は、顔料の内包は実現できているものの、発色性の観点からさらなる改善が求められていた。
特許文献5、6、7には顔料に関する記載がない。また、特許文献8には粒子へカーボンブラックを内包させる記載があるが、ポリマー種類がポリアミドであり、人体に影響を及ぼす可能性がある。
本発明は、顔料の流動性、分散性などの取り扱い性を向上させ、顔料としての本来の機能である高い発色性を維持しつつ、化粧品用途で用いられる顔料の色移りの程度を減らし、環境低負荷特性を付与した新たな機能性材料を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子は次の構成を有する。すなわち、
顔料(C)を含有する脂肪族ポリエステル樹脂微粒子であって、脂肪族ポリエステル(A)が脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルおよびラクトンから得られる脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる脂肪族ポリエステル樹脂であり、顔料(C)の含有量が前記微粒子を基準として1.5質量%以上40質量%以下であり、前記微粒子の平均粒子径が1μm以上100μm未満である顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子、である。
顔料(C)を含有する脂肪族ポリエステル樹脂微粒子であって、脂肪族ポリエステル(A)が脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルおよびラクトンから得られる脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる脂肪族ポリエステル樹脂であり、顔料(C)の含有量が前記微粒子を基準として1.5質量%以上40質量%以下であり、前記微粒子の平均粒子径が1μm以上100μm未満である顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子、である。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法は次の構成を有する。すなわち、
脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルおよびラクトンから得られる脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる脂肪族ポリエステル樹脂(A)、前記脂肪族ポリエステル樹脂(A)とは異なる樹脂であって相分離を誘発する樹脂(B)、顔料(C)および有機溶媒(D)を混合してポリマー溶液としたときに、脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主成分とし顔料(C)を含む溶液相と、前記樹脂(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、エマルションを形成させた後、脂肪族ポリエステル樹脂(A)の貧溶媒(E)を接触させることにより、顔料(C)を含有する脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を析出させる顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法、である。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルおよびラクトンから得られる脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる脂肪族ポリエステル樹脂(A)、前記脂肪族ポリエステル樹脂(A)とは異なる樹脂であって相分離を誘発する樹脂(B)、顔料(C)および有機溶媒(D)を混合してポリマー溶液としたときに、脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主成分とし顔料(C)を含む溶液相と、前記樹脂(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、エマルションを形成させた後、脂肪族ポリエステル樹脂(A)の貧溶媒(E)を接触させることにより、顔料(C)を含有する脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を析出させる顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法、である。
本発明の化粧品は次の構成を有する。すなわち、
前記顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を用いた化粧品、である。
前記顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を用いた化粧品、である。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子は、前記微粒子の粒子径分布指数が1から3であることが好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子は、顔料(C)が有機顔料であることが好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子は、顔料(C)がアゾ系顔料であることが好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子は、前記微粒子を構成する脂肪族ポリエステル樹脂(A)の結晶融解熱容量が30J/g以下であることが好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族よりポリエステル樹脂微粒子は、かさ密度が0.30g/mL以上1.0g/mL以下であることが好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子は、前記脂肪族ポリエステル樹脂(A)がポリ乳酸系樹脂であることが好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法は、脂肪族ポリエステル樹脂(A)の質量の、1.5質量%を越え80質量%以下の顔料を混合することが好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法は脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1倍以上から2倍未満、顔料(C)を混合することが好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法は、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.1倍以上から1.5倍未満、顔料(C)を混合することがより好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法は、貧溶媒(E)が、エタノール、水、およびエタノール水溶液から選ばれるいずれかであることが好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法は、顔料(C)が有機顔料であることが好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法は、前記脂肪族ポリエステル樹脂(A)がポリ乳酸系樹脂であることが好ましい。
本発明により、顔料としての高い発色性を維持しつつ、さらに流動性、分散性などの取り扱い性に優れた顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を得ることができる。特に少量の顔料を含有させた場合には、化粧品色材の添加剤として使用した際、顔料で課題になっている皮膚への色移りの程度を減らすことができる。また、本発明の製造方法により、従来困難であった脂肪族ポリエステル微粒子へ顔料を含有させた微粒子を得ることが可能になる。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明における顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子とは、脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステル(A)およびラクトンから得られる脂肪族ポリエステル樹脂からなる微粒子の内部に顔料(C)が含有した樹脂微粒子のことをいう。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を構成する脂肪族ポリエステル(A)とは、脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルおよびラクトンから得られる脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる脂肪族ポリエステル(A)である。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステルとは、ポリヒドロキシアルカン酸系樹脂であり、ヒドロキシル基がカルボキシル基に対してどの位置に結合しているかにより、ポリ(α―ヒドロキシ型カルボン酸)系樹脂、ポリ(β―ヒドロキシ型カルボン酸)系樹脂、ポリ(γ―ヒドロキシ型カルボン酸)系樹脂等に分類される。ポリ(α―ヒドロキシ型カルボン酸)系樹脂は、ポリグリコール酸系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリ(α−ヒドロキシブタン酸)系樹脂などが挙げられる。ポリ(β―ヒドロキシ型カルボン酸)系樹脂は、ポリ(3−ヒドロキシプロパン酸)系樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)系樹脂、ポリ(3−ヒドロキシペンタン酸)系樹脂、ポリ(3−ヒドロキシヘキサン酸)系樹脂、ポリ(3−ヒドロキシオクタン酸)系樹脂が挙げられる。ポリ(γ―ヒドロキシ型カルボン酸)系樹脂は、ポリ(4−ヒドロキシブタン酸)系樹脂、ポリ(4−ヒドロキシペンタン酸)系樹脂、ポリ(4−ヒドロキシヘキサン酸)系樹脂、ポリ(4−ヒドロキシオクタン酸)系樹脂などが挙げられる。具体的には、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ(α−ヒドロキシブタン酸)、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)、ポリ(3−ヒドロキシペンタン酸)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(3−ヒドロキシオクタン酸)、ポリ(4−ヒドロキシブタン酸)、ポリ(4−ヒドロキシペンタン酸)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(4−ヒドロキシオクタン酸)などが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルとしては、具体的にはポリエチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリネオペンチルオキサレートなどが挙げられる。
ラクトンから得られる脂肪族ポリエステルとしては、具体的にはポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(β−プロピオラクトン)のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)が挙げられる。
また、これらの脂肪族ポリエステルは共重合体であってもよく、共重合体としては、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(テトラメチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバレレート)などが挙げられる。
これらの脂肪族ポリエステル樹脂(A)の中でも、入手容易性の点から、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ(α−ヒドロキシブタン酸)、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバレレート)、ポリブチレンサクシネートおよびポリ(ε−カプロラクトン)が好ましく、特に好ましくは、ポリ乳酸が挙げられる。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂(A)は、海洋分解性樹脂であることが好ましい。海洋分解性樹脂とは、ベルギーに本社を置く認証機関VINCOTTE社にて、「OK Biodegradable MARINE」を取得済みの材料のことを指す。「OK Biodegradable MARINE」とは、ASTM D7081−05、ASTM D6691−09、OECD201,202,203およびEN13432+Coに適合する材料に与えられる認証である。
ここで本発明におけるポリ乳酸系樹脂は、L−乳酸およびD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーである。本発明における、ポリ乳酸系樹脂が主たる構成成分であるとは、ポリ乳酸系樹脂中の共重合体を構成するモノマー単位のうち、L−乳酸およびD−乳酸モノマー単位の合計がモル比率で、50モル%以上である共重合体のことをいう。好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。上限としては通常100モル%である。
ここで、LまたはDとは、光学異性体の一方のことを指し、天然型の立体配置を持つものをL−乳酸あるいはL体乳酸、非天然型の立体配置を持つものをD−乳酸あるいはD体乳酸を示す。
本発明における脂肪族ポリエステル樹脂(A)において、その脂肪族ポリエステルモノマー単位の配列様式に特に限定はなく、ブロック共重合体、交互共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれでも良い。融着時の温度をより低温化させる観点から、ランダム共重合体が好ましい。
本発明における脂肪族ポリエステル樹脂(A)は、結晶融解熱容量が30J/g以下であることが好ましい。結晶融解熱容量が、この範囲であると、脂肪族ポリエステル樹脂は透明性を持ち、顔料の発色を良くする効果を持つ。より好ましい結晶融解熱容量は5J/g以下であり、結晶融解熱容量が小さいほど、より発色性が高まり、3J/g未満がさらに好ましく、2J/g未満が特に好ましく、1J/g未満が最も好ましい。またその下限値は、0J/gであり、これは、完全に非晶であることを示す。
尚、結晶融解熱容量とは、示差走査熱量測定(DSC)にて、昇温速度20℃毎分の条件で200℃まで昇温した際の融解熱容量を示すピーク面積から算出したものを指す。
結晶融解熱容量を調整する方法は、ポリ乳酸系樹脂を例とした場合、ポリ乳酸系樹脂を構成するL−乳酸およびD−乳酸の共重合比率(L/D)を調整する方法、ポリ乳酸系樹脂に結晶化を促進する添加剤を加える方法、ステレオブロック構造を形成する方法など、公知の方法を用いることができる。中でも、ポリ乳酸系樹脂の結晶融解熱容量の調整しやすさから、L/Dの共重合比率を調整する方法が好ましい。L/Dが95/5以上の場合、結晶融解熱容量が30J/gを超え、結晶性のポリ乳酸系樹脂となる。L−乳酸の共重合比率が高いほど、結晶化しやすくなるため好ましく、L/Dが97/3以上がより好ましく、最も好ましくは、98/2以上である。L/Dの上限は、100/0未満である。また、L/Dが95/5未満の場合、結晶融解熱容量が30J/g未満となり、非晶質のポリ乳酸系樹脂となる。L−乳酸の共重合比率が低いほど、非晶化しやすくなるため好ましく、92/8未満がより好ましく、89/11未満が最も好ましい。また、L/Dの下限は、50/50以上である。なお、D,Lなどの光学活性体は、その分子構造が鏡像関係にある物質であり、物理的特性は全く変わらないことから、上記L/DをD/Lと置き換えても結晶融解熱容量は同じであり、本発明では、L/DをD/Lに置き換えた範囲についても包含される。
このような脂肪族ポリエステル樹脂(A)を使うことで、顔料(C)の発色性を活かしつつも化粧品などへ添加しても、同時に使われるオイル分やアルコール分への耐性も高いため、化粧品用添加剤として長期に使用しても安定した品質を保つことができ、またクレンジングなどの化粧落としの場合も顔料(C)が溶出することはほとんどない。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、脂肪族ポリエステル樹脂(A)以外の他の共重合成分を含んでいてもよく、他の共重合成分単位としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、およびグリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などから生成する単位が挙げられる。このような共重合単位は、全単量体単位を100モル%としたときに、30モル%以下の含有量とするのが好ましく、20モル%以下がより好ましく、10モル%以下がさらに好ましく、5モル%以下が最も好ましい。
脂肪族ポリエステル樹脂(A)の分子量や分子量分布は、特に限定されるものではないが、粒子構造を維持しやすく、耐加水分解性が向上するという点で、重量平均分子量としては、好ましくは1万以上、より好ましくは5万以上、さらに好ましくは10万以上、特に好ましくは20万以上であるのがよい。上限は特に制限されないが、100万以下である。ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算の重量平均分子量である。
本発明における顔料(C)とは、水または溶剤に不溶な白色ないしは有色の色材であり、有機化合物である有機顔料および無機化合物である無機顔料に大別される。顔料(C)は、例えばファンデーション、フェイスパウダー、口紅やネイルエナメルなどの化粧品に、色の明度、彩度、色相などの色合いを作り出すために用いられる。
本発明における無機顔料とは、体質顔料、着色顔料および白色顔料を含む。無機顔料の例としては、雲母状酸化鉄、鉛白、鉛丹、黄鉛、銀朱、群青、紺青、二酸化チタン、二酸化チタン被覆雲母、ストロンチウムクロメート、チタニウム・イエロー、ジンクロメート、鉄黒、モリブデン赤、モリブデンホワイト、リサージ、リトポン、エメラルド・グリーン、カドミウム黄、カドミウム赤、コバルト青およびカーボンブラックなどが挙げられる。
本発明における有機顔料とは、水や有機溶媒に対して溶解性が低い着色料である。水や有機溶媒に可溶な染料と比較して劣化しにくい特徴があり、塗料、インク、織物、化粧品、食品などの着色に広く用いられている。有機顔料としては、公知の有機顔料のものを用いることができる。中でも透明性が高く、耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものが好ましい。
代表的な有機顔料の具体的な例をカラ−インデックス(以下、CI)ナンバ−で示すと、次のようなものが好ましく使用されるが、いずれもこれらに限定されるものではない。
赤色顔料は例としては、ピグメントレッド(以下、PR)9、PR48、PR97、PR122、PR123、PR144、PR149、PR166、PR168、PR177、PR179、PR180、PR192、PR209、PR215、PR216、PR217、PR220、PR223、PR224、PR226、PR227、PR228、PR240、PR254などがあげられ、このうち有機物から構成されるものが本発明の対象とする具体例である。数値は前記のとおりいずれもCIナンバーである。
また、緑色顔料の例としては、ピグメントグリ−ン(以下、PG)7、PG10、PG36、PG58などが使用される。また、黄色顔料の例としては、ピグメントイエロ−(以下、PY)12、PY13、PY17、PY20、PY24、PY83、PY86、PY93、PY95、PY109、PY110、PY117、PY125、PY129、PY137、PY138、PY139、PY147、PY148、PY150、PY153、PY154、PY166、PY168、PY185などがあげられ、このうち有機物から構成されるものが本発明の対象とする具体例である。数値は前記のとおりいずれもCIナンバーである。
また、青色顔料の例としては、ピグメントブルー(以下、PB)15:3、PB15:4、PB15:6、PB21、PB22、PB60、PB64などが使用される。また、バイオレット顔料としてはピグメントバイオレット(以下、PV)19、PV23、PV29、PV30、PV37、PV40、PV50などがあげられ、このうち有機物から構成されるものが本発明の対象とする具体例である。数値は前記のとおりいずれもCIナンバーである。
これらの有機顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性処理、塩基性処理などの表面処理がされていてもかまわず、耐光性や耐溶剤性を損なわない程度に染料を含むことができる。
本発明において、流動性、分散性などの取り扱い性、および色味である発色性の観点から、有機顔料であることが好ましい。
本発明における有機顔料のうち、特にアゾ系顔料であることが好ましい。アゾ系顔料とは分子内にアゾ基(−N=N−)を持つ顔料である。
アゾ顔料として代表的なものは、PY165、PR2,PR9,PR112,PBr25、PY12,PY13,PY14,PY17,PY55,PY83,PY87、PY124,ピグメントオレンジ(以下、PO)16,PY81,PY152、PO13,PR38などが挙げられる。
アゾ顔料が好ましい理由については、現時点で明確ではないが、分子内のアゾ基と脂肪族ポリエステル樹脂の分子骨格の親和性が高いためであると推測される。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の平均粒子径は、1μm以上100μm未満の範囲とするものである。本発明における平均粒子径は、数平均粒子径を意味する。本発明の微粒子の平均粒子径が1μm未満になると、流動性、分散性などの取り扱い性が低下する。本発明の微粒子の平均粒子径が100μm以上になると、粒子径分布が広くなる。
本発明の微粒子の平均粒子径の下限としては、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上であり、さらに好ましくは10μm以上である。また、平均粒子径の上限としては、好ましくは80μm以下、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下であり、特に好ましくは40μm以下である。
顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(FE−SEM、例えば、日本電子株式会社製、JSM−6301NF)を用いて顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を観察し、100個の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子についてその直径(粒子径)を測長した算術平均値である。
具体的には、粒子径のバラつきを反映した平均粒子径を求めるために、1枚の画像に2個以上100個未満の微粒子が写るような倍率で観察し、粒子径を測長する。続いて、下記式により100個の微粒子の粒子径につき、その算術平均を求めることで数平均粒子径を算出する。そのようなFE−SEMの倍率としては、粒子径にもよるが、100倍〜5,000倍の範囲とすることができる。具体的に例示するならば、顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の粒子径が1μm以上3μm未満の場合は5,000倍、3μm以上5μm未満の場合は3,000倍以上、5μm以上10μm未満の場合は1,000倍以上、10μm以上50μm未満の場合は500倍以上、50μm以上100μm未満の場合は250倍以上、100μm以上200μm以下の場合は100倍以上である。なお、画像上で微粒子が真円状でない場合(例えば楕円状のような場合や、微粒子が不規則に寄せ集まった凝集体を形成している場合)は、その最長径を粒子径として測定する。
なお、Ri:微粒子個々の粒子径、n:測定数100、Dn:平均粒子径とする。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の粒子径分布の広さを示す指標である粒子径分布指数(PDI)としては、好ましくは1〜3であり、より好ましくは1〜2.5であり、さらに好ましくは1〜2.0であり、特に好ましくは1〜1.8であり、著しく好ましくは1〜1.6である。なお、粒子径分布指数PDIの下限値は理論上1である。粒子径分布指数が1に近いほど、粒子径のそろった均一な粒子であることを示す。粒子径分布指数が上記好ましい範囲であると、粒子径分布が狭く、均一な粒子径を有する。均一な粒子径は、化粧品用添加剤として使用した場合、スムーズな触感を与えることから好ましい。
顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の粒子径分布指数PDIは、数平均粒子径の算出時に行った粒子径の測長結果を用いて、次の式により算出される。
なお、Ri:微粒子個々の粒子径、n:測定数100、Dn:数平均粒子径、Dv:体積平均粒子径、PDI:粒子径分布指数とする。
本発明において、顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子は、その内部に顔料(C)を含有する。上記のような設計とすることで、顔料(C)の流動性、分散性などの取り扱い性を向上させることができる。さらに、顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子からの顔料(C)の溶出の程度を抑えられ、後述する化粧品用途などに好適である。
本発明における顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の顔料(C)含有量は、前記微粒子を基準として1.5質量%以上40質量%以下である。顔料(C)の含有量が1.5質量%未満であると、発色性が不十分であり、色材としては使いにくい。また、40質量%を超えると、顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子から顔料(C)が溶出してしまう。顔料(C)の含有量の下限は、好ましくは1.5質量%超、より好ましくは2.0質量%以上、さらに好ましくは2.5質量%以上、特に好ましくは3質量%以上、最も好ましくは4質量%以上である。顔料(C)含有量の上限は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、特に好ましくは10質量%以下、最も好ましくは6質量%以下である。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子は、上記のような設計であることから、顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子からの顔料(C)の溶出の程度が抑えられ、後述する化粧品用途などにおいて好適である。
顔料(C)の溶出抑制の程度は、顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を水に浮かべ、水中に顔料(C)が溶出するか否かの現象を観察することでわかる。
本発明において顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子のかさ密度は、流動性、分散性などの取り扱い性の観点から0.30g/mL以上1.0g/mL以下であることが好ましい。より好ましくは0.32g/mL以上0.95g/mL以下、さらに好ましくは0.34g/mL以下0.90g/mL以下、特に好ましくは0.36g/mL以上0.85g/mL以下である。かさ密度が上記好ましい範囲であると流動性、分散性などの取り扱い性に優れ、一方、軽量化を図ることができる。
本発明においてかさ密度は、次に述べる方法で求める。すなわち、10mLメスシリンダーに1.0gの顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を静かに秤量し、2cmの高さからメスシリンダーを10回自由落下させタップすることで表面をならし、その際の体積を1/10目盛りまで読み取ることにより、顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子のかさ密度(g/mL)を求める。
顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法は、本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子が得られるのであれば、従来公知の技術を用いて良い。例えば、脂肪族ポリエステル樹脂(A)と顔料(C)を溶融混練しマスターバッチ樹脂組成物とした後に、その樹脂組成物をボールミル、ビーズミル、ジェットミルあるいは乳鉢等の機械的粉砕処理によって粉末とする方法、前記マスターバッチと海成分樹脂とを溶融混練させ、海成分のみを除去させる強制溶融混練法、高揮発性溶媒の脂肪族ポリエステル樹脂(A)溶液に顔料を懸濁させた液をスプレードライして微粒子とする方法、脂肪族ポリエステル樹脂(A)溶液と顔料(C)を懸濁させた液を冷却して析出させる方法等が挙げられる。
その中でも、高分子溶液の相分離現象を利用した、以下に示す微粒子化方法によって得るのが最も好ましい。高分子溶液の相分離現象を利用した微粒子化方法を採用することで、粒子径分布指数が小さい微粒子を得ることができ、また、真球度の高い微粒子を得ることができる点で好ましい。
高分子溶液の相分離現象を利用した微粒子化法とは、脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルおよびラクトンから得られる脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる脂肪族ポリエステル樹脂(A)、前記脂肪族ポリエステル樹脂(A)とは異なる樹脂であって相分離を誘発する樹脂(B)、顔料(C)および有機溶媒(D)を混合してポリマー溶液としたときに、脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主成分とし顔料(C)を含む溶液相と、脂肪族ポリエステル樹脂(A)とは異なる樹脂であって相分離を誘発する樹脂(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主成分とし顔料(C)を含む溶液相が分散相、樹脂(B)を主成分とする溶液相が連続相になるエマルションを形成させた後、該エマルションに脂肪族ポリエステル樹脂(A)の貧溶媒(E)を接触させることで、顔料(C)が含有された顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を析出させる方法である。
ここで、脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルおよびラクトンから得られる脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主成分とし顔料(C)を含む溶液相(以下、脂肪族ポリエステル樹脂(A)溶液相と呼ぶ)とは、(i)脂肪族ポリエステル樹脂(A)および樹脂(B)の2種のポリマーのうち脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主として分配された溶液相と、(ii)脂肪族ポリエステル樹脂(A)および樹脂(B)の2種のポリマーのうち樹脂(B)を主として分配された溶液相とに相分離する系において、前記(i)の脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主として分配された溶液相に顔料(C)を含む溶液相である。また、樹脂(B)を主成分とする溶液相(以下、樹脂(B)溶液相と呼ぶ)とは、前記(ii)の樹脂(B)が主として分配された溶液相である。この際、樹脂(B)溶液相に顔料(C)の一部が含まれていても良い。
脂肪族ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)と有機溶媒(D)を成分として、前記(i)の脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主として分配された溶液相と、前記(ii)樹脂(B)を主として分配された溶液相とに相分離する系において、第四の成分として顔料(C)を加えた場合に、少なくとも一部の顔料(C)が、前記(i)の脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主として分配された溶液相に含まれる系を用いることで、本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を得ることができる。
なお、顔料は脂肪族ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)が有機溶媒(D)に溶解した溶液に加えても良いし、顔料(C)を脂肪族ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)と有機溶媒(D)の混合物に加えてから脂肪族ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)を溶解して溶液にしても良く、いずれの方法においても、顔料(C)が前記(i)の脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主として分配された溶液相に含まれる系を用いることで、本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を得ることができる。
つまり、「脂肪族ポリエステル樹脂(A)、樹脂(B)、顔料(C)および有機溶媒(D)を混合してポリマー溶液としたときに、脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主成分とし顔料(C)を含む溶液相と、樹脂(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系」とは、脂肪族ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)と有機溶媒(D)と顔料(C)を混合したときに、顔料(C)を含む脂肪族ポリエステル樹脂(A)溶液相と、樹脂(B)溶液相の2相に分かれる系をいう。本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を得るには、このときに、顔料(C)が前記(i)の脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主として分配された溶液相に含まれることが重要であり、一部の顔料(C)が前記(ii)樹脂(B)を主として分配された溶液相に含まれていてもよい。
前記相分離を誘発する樹脂(B)としては、脂肪族ポリエステル樹脂(A)とは異なるポリマーのうち、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられるが、有機溶媒(D)に溶解しやすいという観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール(完全ケン化型や部分ケン化型のポリビニルアルコールであってもよい)、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。得られる顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の粒子径分布が狭くなることから、好ましくはポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール(完全ケン化型や部分ケン化型のポリビニルアルコールであってもよい)である。
相分離を誘発する樹脂(B)の分子量については、重量平均分子量1,000以上のものを使用することが好ましく、そのような相分離を誘発する樹脂(B)を用いることで、脂肪族ポリエステル樹脂(A)溶液相と、相分離を誘発する樹脂(B)溶液相の2相への相分離が誘発され、エマルションが形成されることで、真球度70以上の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子が得られる。相分離を誘発する樹脂(B)の分子量は、重量平均分子量で1,000〜10,000,000の範囲であることが好ましい。より好ましい上限としては5,000,000以下、さらに好ましくは2,000,000以下であり、特に好ましい上限は1,000,000以下である。また、相分離が起こりやすくなる観点から、より好ましい下限は1,000以上、さらに好ましくは5,000以上であり、特に好ましい下限は10,000以上である。
ここでいう重量平均分子量とは、溶媒として水を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリエチレングリコールで換算した重量平均分子量を指す。溶媒として、水で測定できない場合においてはジメチルホルムアミドを用い、それでも測定できない場合においてはテトラヒドロフランを用い、さらに測定できない場合においてはヘキサフルオロイソプロパノールを用いる。
有機溶媒(D)とは、脂肪族ポリエステル樹脂(A)および前記相分離を誘発する樹脂(B)を溶解する溶媒である。ここで、ポリマーを溶解する溶媒とは、実際に実施する温度、すなわち脂肪族ポリエステル樹脂(A)と相分離を誘発する樹脂(B)を溶解混合させる温度において、有機溶媒(D)に対し、脂肪族ポリエステル樹脂(A)および相分離を誘発する樹脂(B)を1質量%超溶解することを意味する。有機溶媒(D)は、貧溶媒(E)を接触させて顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を得る工程の温度下で、脂肪族ポリエステル樹脂(A)を溶解できることが好ましい。脂肪族ポリエステル樹脂(A)溶液相の有機溶媒(D)と、相分離を誘発する樹脂(B)溶液相の有機溶媒(D)とは、同一でも異なっていても良いが、実質的に同じ溶媒であることが好ましい。
好ましい有機溶媒(D)は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルカプロラクタム等の有機アミド系溶媒、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどのβ−ケト型溶媒である。これらの溶媒は、複数種用いても単独で用いてもかまわない。脂肪族ポリエステル樹脂の溶解度の観点および残留溶媒の有害性の小ささから、アセト酢酸エチルが最も好ましい。
脂肪族ポリエステル樹脂(A)の貧溶媒(E)とは、有機溶媒(D)に対する脂肪族ポリエステル樹脂(A)の溶解度が1質量%以下のものを言う。好ましい貧溶媒(E)としては、有機溶媒(D)に対する脂肪族ポリエステル樹脂(A)の溶解度が0.5質量%以下であり、より好ましい貧溶媒(E)としては、有機溶媒(D)に対する脂肪族ポリエステル樹脂(A)の溶解度が0.1質量%以下である。
貧溶媒(E)としては、脂肪族ポリエステル樹脂(A)の貧溶媒であり、かつ相分離を誘発する樹脂(B)を溶解する溶媒であることが好ましい。これにより、脂肪族ポリエステル樹脂(A)と顔料(C)を含む顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を効率よく析出させることができる。また、前記有機溶媒(D)と貧溶媒(E)とは均一に混合する溶媒であることが好ましい。
具体的には、脂肪族ポリエステル樹脂(A)と相分離を誘発する樹脂(B)の種類によって変わるが、貧溶媒(E)としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−トリデカン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒および水の中から少なくとも1種類から選ばれる溶媒等が挙げられる。顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を効率的に得る観点から、好ましい貧溶媒(E)は、アルコール系溶媒あるいは水であり、より好ましい貧溶媒(E)はエタノール、水またはエタノール水溶液であり、最も好ましい貧溶媒(E)はエタノール水溶液である。貧溶媒(E)として用いる場合、エタノール水溶液の好ましいエタノール濃度としては10〜90質量%であり、より好ましくは20〜80質量%であり、さらに好ましくは30〜70質量%、特に好ましくは40〜60質量%である。
相分離状態になりやすい条件を得るためには、脂肪族ポリエステル樹脂(A)と樹脂(B)のSP値の差が大きい方が好ましい。この際、SP値の差としては好ましくは1(J/cm3)1/2以上、より好ましくは2(J/cm3)1/2以上、さらに好ましくは3(J/cm3)1/2以上、特に好ましくは5(J/cm3)1/2以上、著しく好ましくは8(J/cm3)1/2以上である。SP値の差が上記好ましい範囲であれば、容易に相分離しやすくなり、また相分離がしやすくなることから、脂肪族ポリエステル樹脂(A)の含有率のより高い顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を得ることができる。脂肪族ポリエステル樹脂(A)と相分離を誘発する樹脂(B)の両者が有機溶媒(D)に溶解するのであれば特に制限はないが、SP値の差の上限としては、好ましくは20(J/cm3)1/2以下、より好ましくは15(J/cm3)1/2以下であり、さらに好ましくは10(J/cm3)1/2以下である。
なお、ここでいうSP値とは、Fedorの推算法に基づき計算されるものであり、凝集エネルギー密度とモル分子容を基に計算されるもの(以下、計算法と称することもある)である(「SP値 基礎・応用と計算方法」 山本秀樹著、株式会社情報機構、平成17年3月31日発行)。本方法により計算できない場合においては、溶解度パラメーターが既知の溶媒に対し溶解するか否かの判定による、実験法によりSP値を算出(以下、実験法と称することもある)し、それを代用する(「ポリマーハンドブック 第4版(Polymer Handbook Fourth Edition)」 ジェー・ブランド(J.Brand)著、ワイリー(Wiley)社1998年発行)。
相分離状態になる条件を選択するためには、脂肪族ポリエステル樹脂(A)、相分離を誘発する樹脂(B)およびこれらを溶解する有機溶媒(D)の3成分の比率を変化させた状態の観察による簡単な予備実験で作成可能な3成分相図で判別できる。
相図の作成は、脂肪族ポリエステル樹脂(A)、相分離を誘発する樹脂(B)および有機溶媒(D)を任意の割合で混合溶解させ、静置を行った際に、界面が生じるか否かの判定を少なくとも3点以上、好ましくは5点以上、より好ましくは10点以上の点で実施し、2相に分離する領域および1相になる領域を峻別することで、相分離状態になる条件を見極めることができる。
この際、相分離状態であるかどうかを判定するためには、脂肪族ポリエステル樹脂(A)および相分離を誘発する樹脂(B)を、実際にエマルションを形成させる際の温度および圧力において、脂肪族ポリエステル樹脂(A)、相分離を誘発する樹脂(B)および有機溶媒(D)を任意の比に調整し、脂肪族ポリエステル樹脂(A)および相分離を誘発する樹脂(B)を完全に溶解させた後に十分な攪拌を行い、3日静置し、巨視的に相分離をするかどうかを確認する。しかし、十分に安定なエマルションになる場合においては、3日放置しても巨視的な相分離をしない場合がある。その場合は、光学顕微鏡・位相差顕微鏡等を用い、微視的に相分離しているかどうかで相分離を判別する。
顔料(C)が脂肪族ポリエステル樹脂(A)溶液相に含まれるかどうかを判定するためには、上記の相分離状態の確認を行った後に、相分離が確認された脂肪族ポリエステル樹脂(A)、相分離を誘発する樹脂(B)および有機溶媒(D)の任意の比に対し、顔料(C)を任意の量だけ加え、実際にエマルションを形成させる際の温度および圧力で顔料が分散したポリマー溶液を十分に撹拌した後、静置することでポリマー溶液の相分離を促し、脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主とする溶液相が顔料(C)によって着色されるかどうかを目視で確認して行う。
有機溶媒(D)に対する脂肪族ポリエステル樹脂(A)および相分離を誘発する樹脂(B)の濃度は、有機溶媒(D)に溶解する可能な限りの範囲内であることが前提であるが、全質量に対して好ましくは、それぞれその下限は1質量%超であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。また、それぞれの上限は50質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。
相分離して得られる脂肪族ポリエステル樹脂(A)溶液相と相分離を誘発する樹脂(B)溶液相の2相間の界面張力は、両相とも有機溶媒(D)を主とするから、その界面張力が低く、その性質により、生成するエマルションが安定であり、液滴径分布の非常に狭いエマルションが得られることから、得られる顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の粒子径分布が狭くなると考えられる。この傾向は、有機溶媒(D)として単一溶媒を用いて、脂肪族ポリエステル樹脂(A)および相分離を誘発する樹脂(B)の両方を溶解して相分離させる際に顕著である。
相分離した2相間の界面張力は、界面張力が低すぎることから、通常用いられる溶液に異種の溶液を加えて測定する懸滴法等では直接測定することはできないが、各相の空気との表面張力から推算することにより、界面張力を見積もることができる。各相の空気との表面張力をr1、r2とした際、その界面張力r1/2は、r1/2=r1−r2の絶対値で推算することができる。
この際、このr1/2の好ましい上限は10mN/m以下であり、より好ましくは5mN/m以下であり、さらに好ましくは3mN/m以下であり、特に好ましくは2mN/m以下である。またr1/2の好ましい下限は0mN/m超である。
相分離した2相の粘度比は、得られる顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の平均粒子径および粒子径分布に影響を与える。粘度比の好ましい下限としては0.1以上が好ましく、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.5以上であり、著しく好ましいのは0.8以上である。また粘度比の好ましい上限としては10以下が好ましく、より好ましくは5以下であり、さらに好ましくは3以下であり、特に好ましくは1.5以下であり、著しく好ましくは1.2以下である。ここでいう2相の粘度比は、実際に実施しようとする温度条件下での、脂肪族ポリエステル樹脂(A)溶液相の粘度/相分離を誘発する樹脂(B)溶液相の粘度と定義する。
以上のようにして得た相分離状態になる条件をもとに、相分離するポリマー溶液に顔料(C)が加えられた溶液を調製し、それを混合してエマルションを形成させた後に、顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を製造する工程に供する。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法では、通常の反応槽でポリマー溶液の調製、エマルションの形成、および粒子化工程が実施される。
ポリマー溶液の調製工程では、相分離性を示す任意組成の脂肪族ポリエステル樹脂(A)、相分離を誘発する樹脂(B)、および有機溶媒(C)と、さらに顔料(C)を混合した後、脂肪族ポリエステル樹脂(A)および相分離を誘発する樹脂(B)を有機溶媒(D)に完全に溶解させ、顔料(C)が混合された相分離するポリマー溶液が得られる。
顔料(C)はこの段階で粒子中に含有させるために反応系に供され、混合する。この際、顔料(C)の混合量は、脂肪族ポリエステル樹脂(A)の質量の、1.5質量%を越え80質量%以下とするのが好ましい。より好ましい顔料(C)の混合量上限としては、60質量%以下である。
また、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1倍以上から2倍以下の顔料(C)をこの段階で混合することが好ましい。
より具体的に例示すれば、顔料(C)を脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中に5質量%含有させたい場合、混合時に脂肪族ポリエステル樹脂の5質量%から10質量%の顔料(C)を添加するのが好ましい。
顔料(C)の添加量下限は、微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.01倍以上がより好ましく、さらに好ましくは微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.05倍以上であり、特に好ましくは微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.1倍以上である。また、顔料(C)の添加量上限は微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.9倍以下がより好ましく、さらに好ましくは微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.8倍以下であり、特に好ましくは微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.6倍以下であり、著しく好ましくは微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.5倍未満である。
顔料(C)を含有させる量は、混合時の添加する量に依存する傾向があり、この範囲であれば制御性良く顔料(C)を含有させることができる。
本工程を実施する温度は、脂肪族ポリエステル樹脂(A)や相分離を誘発する樹脂(B)が有機溶媒(D)に溶解する温度以上であり、その好ましい温度はポリマーの種類によって変わるため一義的に決めることはできないが、工業的な実現性の観点から0℃〜300℃が好ましい。温度範囲の下限は、脂肪族ポリエステル樹脂(A)および相分離を誘発する樹脂(B)の溶解性の観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは70℃以上である。また、温度範囲の上限は、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。
上記工程で得られたポリマー溶液は撹拌混合され、エマルション形成が実施される。エマルション形成工程の温度は、脂肪族ポリエステル樹脂(A)および相分離を誘発する樹脂(B)が有機溶媒(D)に溶解する温度以上であれば特に制限はないが、工業的な実現性の観点から0℃〜300℃が好ましい。温度範囲の下限は、脂肪族ポリエステル樹脂(A)や有機溶媒(D)の種類によって適正な温度が変わるため、一義的に決めることはできないが、脂肪族ポリエステル樹脂(A)が析出する温度より高ければ特に制限はない。
具体的に挙げるとすれば、エマルション形成工程の温度の下限は、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは70℃以上である。また、温度範囲の上限は、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。
エマルション形成工程の圧力は、工業的な実現性の観点から、常圧から100気圧(10.1MPa)の範囲である。エマルション形成工程時の温度におけるポリマー溶液の飽和蒸気圧によるが、好ましい上限としては20気圧(2.0MPa)以下である。
また、好ましい下限は、エマルション形成工程時の温度におけるポリマー溶液の飽和蒸気圧以上である。
エマルションを形成させるのに十分な剪断力を得るためには、公知の方法による攪拌を用いれば十分であり、攪拌羽による液相攪拌法、連続2軸混合機による攪拌法、ホモジナイザーによる混合法、超音波照射等を用いることができる。
攪拌羽による攪拌の場合、攪拌羽の形状にもよるが、攪拌速度は好ましくは50rpm〜1,200rpm、より好ましくは100rpm〜1,000rpm、さらに好ましくは200rpm〜800rpm、特に好ましくは300rpm〜600rpmである。
攪拌羽としては、プロペラ型、パドル型、フラットパドル型、タービン型、ダブルコーン型、シングルコーン型、シングルリボン型、ダブルリボン型、スクリュー型、ヘリカルリボン型等が挙げられるが、系に対して十分に剪断力をかけられるものであれば、これらに特に限定されるものではない。また、効率的な攪拌を行うために、槽内に邪魔板等を設置してもよい。
また、エマルションを発生させるためには、必ずしも攪拌機である必要はなく、乳化機、分散機等の装置を用いてもよい。具体的に例示するならば、ホモジナイザー(IKAジャパン(株)社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業(株)社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー((株)荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業(株)社製)、コロイドミル((株)日本精機製作所社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(日本コークス工業(株)社製)、超音波ホモジナイザー、スタティックミキサー等が挙げられる。
このようにして得られたエマルションは、引き続き微粒子を析出させる微粒子化工程に供する。貧溶媒(E)を前記工程で形成したエマルションに接触させることで、エマルションの液滴径に応じた径で顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子が析出する。
貧溶媒(E)を接触させるときの反応槽内温度は、脂肪族ポリエステル樹脂(A)および相分離を誘発する樹脂(B)が有機溶媒(D)に溶解する温度以上であれば特に制限はないが、工業的な実現性の観点から0℃〜300℃が好ましい。温度範囲の下限は、脂肪族ポリエステル樹脂(A)や有機溶媒(D)の種類によって適正な温度が変わるため、一義的に決めることはできないが、脂肪族ポリエステル樹脂(A)が析出する温度より高ければ特に制限はない。具体的に挙げるとすれば、温度範囲の下限は、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは70℃以上である。また、温度範囲の上限は、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。
貧溶媒(E)とエマルションの接触方法は、貧溶媒(E)にエマルションを入れる方法でも良いし、エマルションに貧溶媒(E)を入れる方法でも良いが、エマルションに貧溶媒(E)を入れる方法がより好ましい。
この際、貧溶媒(E)を投入する方法としては、本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子が得られる限り特に制限はなく、連続滴下法、分割添加法および一括添加法のいずれでも良い。貧溶媒(E)添加時にエマルションが凝集、融着または合一し、得られる顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の粒子径分布が広くなったり、200μmを超える塊状物が生成したりすることを防ぐために、好ましくは連続滴下法または分割滴下法であり、工業的に効率的に実施するためには、最も好ましいのは連続滴下法である。
貧溶媒(E)を加える時間としては、5分〜50時間であることが好ましい。より好ましくは10分〜10時間であり、さらに好ましくは30分〜5時間であり、特に好ましくは1時間〜3時間である。この時間の範囲内で貧溶媒(E)の添加を行うことにより、エマルションから顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を析出させる際に、微粒子間の凝集を抑制することができ、粒子径が揃った粒子径分布の狭い顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を得ることができる。
加える貧溶媒(E)の量は、相分離を誘発する樹脂(B)の分子量、および脂肪族ポリエステル樹脂(A)の有機溶媒(D)への溶解度によってエマルションの状態が変化するため最適量は変化するが、エマルション100質量部に対して、通常10質量部から1,000質量部であることが好ましい。より好ましい上限としては500質量部以下、さらに好ましくは300質量部以下であり、特に好ましくは200質量部以下であり、最も好ましくは100質量部以下である。また、加える貧溶媒(E)量の好ましい下限は10質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上である。
貧溶媒(E)とエマルションとの接触時間は、微粒子が析出するのに十分な時間であればよいが、十分な析出を引き起こし、かつ効率的な生産性を得るためには、貧溶媒(E)添加終了後5分〜50時間が好ましく、より好ましくは5分〜10時間であり、さらに好ましくは10分〜5時間であり、特に好ましくは20分〜4時間であり、最も好ましくは30分〜3時間である。
このようにして作られた顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の分散液は、濾過、減圧濾過、加圧濾過、遠心分離、遠心濾過、スプレードライ等の通常公知の方法で固液分離することにより、顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を回収することができる。
固液分離した微粒子は、必要に応じて溶媒等で洗浄を行うことにより、付着または含有している不純物等の除去を行い、精製を行う。
得られた顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の分散液について、例えば減圧濾過によって固液分離をすると、微粒子を固液分離した後の濾液は、顔料(C)のみを用いて同様の操作をした濾液と比較して透明である。これは、本方法で得られる顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子には、ポリマー微粒子とは分離された単独の顔料(C)の程度が減少し、顔料(C)の大部分がポリマー微粒子と複合化されているためである。
これは、脂肪族ポリエステル樹脂(A)と相分離を誘発する樹脂(B)と顔料(C)と有機溶媒(D)とを混合してポリマー溶液としたときに、脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主成分とし顔料(C)を含む溶液相と、相分離を誘発する樹脂(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、エマルションを形成させた後、脂肪族ポリエステル樹脂(A)の貧溶媒(E)を接触させることにより、顔料(C)を含有する顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を析出させることで、本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子が製造されるためである。
本方法においては、微粒子を得る際に行った固液分離工程で分離された有機溶媒(D)および相分離を誘発する樹脂(B)を再度利用するリサイクルが実施可能である。
固液分離工程で分離された溶媒は、相分離を誘発する樹脂(B)、有機溶媒(D)および貧溶媒(E)の混合物である。この溶媒から、貧溶媒(E)を除去することにより、エマルション形成用の溶媒として再利用することができる。貧溶媒(E)を除去する方法としては、公知の方法が使用可能である。具体的には、単蒸留、減圧蒸留、精密蒸留、薄膜蒸留、抽出、膜分離等が挙げられるが、好ましくは単蒸留、減圧蒸留または精密蒸留による方法である。
単蒸留、減圧蒸留等の蒸留操作を行う際は、顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造時と同様、系に熱がかかり、相分離を誘発する樹脂(B)や有機溶媒(D)の熱分解を促進する可能性があることから、極力酸素のない状態で行うことが好ましく、より好ましくは不活性雰囲気下で行う。具体的には、窒素、ヘリウム、アルゴンまたは二酸化炭素雰囲気下で実施することが好ましい。また、蒸留操作を行う際に、酸化防止剤としてフェノール系化合物を添加しても良い。
溶媒等をリサイクルする際、貧溶媒(E)を極力除去することが好ましい。具体的には、貧溶媒(E)除去後の溶媒において、貧溶媒(E)の残存量が有機溶媒(D)および相分離を誘発する樹脂(B)の合計量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下であると良い。リサイクルする溶媒中の貧溶媒(E)の量は、ガスクロマトグラフィー法、カールフィッシャー法等の公知の方法で測定できる。
貧溶媒(E)を除去する操作において、現実的には有機溶媒(D)や相分離を誘発する樹脂(B)をロスすることもあるので、回収した溶媒を再利用する際には、適宜、組成を調整し直すのが好ましい。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造に用いる顔料(C)の中でも、樹脂中へ効率的に顔料(C)を含有できる観点から、有機顔料であることが好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造に用いる脂肪族ポリエステル樹脂(A)の中でも、脂肪族ポリエステル樹脂(A)中へ効率的に顔料(C)を含有できる観点から、ポリ乳酸であることが好ましい。
このように本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子は、従来技術では入手困難であった、顔料(C)が脂肪族ポリエステル樹脂(A)に含有された着色微粒子であるため、従来から課題であった、化粧品に含まれる顔料(C)に基づく色移りの程度を減らすことができ、容易な化粧落としが実現できることから、新規な化粧品用添加剤として好適であり、具体的には、洗顔料、サンスクリーン剤、クレンジング剤、化粧水、乳液、美容液、クリーム、コールドクリーム、アフターシェービングローション、シェービングソープ、あぶらとり紙、マティフィアント剤などのスキンケア製品添加剤、ファンデーション、おしろい、水おしろい、マスカラ、フェイスパウダー、ドーラン、眉墨、マスカラ、アイライン、アイシャドー、アイシャドーベース、ノーズシャドー、口紅、グロス、ほうべに、おはぐろ、マニキュア、トップコートなどの化粧品またはその改質剤、シャンプー、ドライシャンプー、コンディショナー、リンス、リンスインシャンプー、トリートメント、ヘアトニック、整髪料、髪油、ポマード、ヘアカラーリング剤などのヘアケア製品の添加剤、香水、オーデコロン、デオドラント、ベビーパウダー、歯磨き粉、洗口液、リップクリーム、石けんなどのアメニティ製品の添加剤などに非常に好適である。
本発明の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子は、例えば、各種塗料の光沢調節剤、ツヤ消し仕上げ材等の用途としての添加剤や部材として好適に使用でき、他にも、射出成形、微細加工等に代表される成形加工用材料;各種成形加工時の増粘剤、成形寸法安定化剤等の添加剤;分散液、塗液、塗料等の形態としての塗膜、コーティング用材料;粉体としての流動性改良剤、潤滑剤、研磨剤および増粘剤用途;プラスチックフイルム、シートの滑り性向上剤、ブロッキング防止剤、光沢調節剤およびツヤ消し仕上げ剤用途;プラスチックフイルム、シート、レンズの光拡散材、表面硬度向上剤および靭性向上剤等の各種改質剤;各種インク;トナーの光沢調節剤、ツヤ消し仕上げ材等の用途としての添加剤;液晶表示操作用スペーサー用途;クロマトグラフィー用充填剤;化学反応用触媒および担持体;ガス吸着剤等の用途に用いることができる。特に顔料が脂肪族ポリエステル樹脂中に含有されていることから、顔料と脂肪族ポリエステル樹脂とをドライブレンドした場合に比べても、顔料が良好に分散した成形加工品、フィルムなどが得られ、かつ顔料の脱離による色の分離、脱色や色移りが発生しにくいことから取り扱い性に優れる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)平均粒子径の測定
顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM−6301NF)を用いてそれらを観察し、無作為に選択した100個の顔料等微粒子についてその直径(粒子径)を測長した算術平均値、即ち数平均粒子径を求め平均粒子径とした。
(1)平均粒子径の測定
顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM−6301NF)を用いてそれらを観察し、無作為に選択した100個の顔料等微粒子についてその直径(粒子径)を測長した算術平均値、即ち数平均粒子径を求め平均粒子径とした。
具体的には、粒子径のバラつきを考慮した数平均粒子径を得るために、走査型電子顕微鏡で得られる1枚の画像に10個以上100個未満の粒子が写るような倍率の視野で、粒子径を測長した。続いて、下記式により100個の微粒子の粒子径につき、その算術平均を求めることで数平均粒子径を算出した。なお、画像上で粒子が真円状でない場合(例えば楕円状のような場合や、粒子が不規則に寄せ集まった凝集体を形成している場合)は、その最長径を粒子径として測定した。
なお、Ri:粒子個々の粒子径、n:測定数100、Dn:数平均粒子径とする。
(2)粒子径分布指数
顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の粒子径分布の程度を示す指標としての粒子径分布指数PDIは、平均粒子径の算出時に行った粒子径の測長結果を用いて、次の式により算出した。
(2)粒子径分布指数
顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の粒子径分布の程度を示す指標としての粒子径分布指数PDIは、平均粒子径の算出時に行った粒子径の測長結果を用いて、次の式により算出した。
なお、Ri:粒子個々の粒子径、n:測定数100、Dn:数平均粒子径、Dv:体積平均粒子径、PDI:粒子径分布指数とする。
(3)真球度
顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の真球度は、走査型電子顕微鏡にて、無作為に選択した粒子30個の真球度Siの算術平均値であり、下記式に従い算出した。真球度Siは、個々の微粒子の短径aiと、それと垂直に交わる長径biの比であり、下記式に従い算出した。
(3)真球度
顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の真球度は、走査型電子顕微鏡にて、無作為に選択した粒子30個の真球度Siの算術平均値であり、下記式に従い算出した。真球度Siは、個々の微粒子の短径aiと、それと垂直に交わる長径biの比であり、下記式に従い算出した。
なお、Sn:平均真球度、Si:粒子個々の真球度、ai:粒子個々の短径、bi:粒子個々の長径、n:測定数30とする。
(4)有機顔料含有量評価方法
有機顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の含有量は、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子サンプルをN−メチルピロリドン(NMP)に溶解し、その溶液のUV−VIS吸光度と別途用意した有機顔料の標準サンプルから算出される検量線を用い、定量した。
使用機器:日本分光株式会社製 紫外可視赤外分光光度計V−560
測定波長:449nm(Lithol Rubine BCAの定量の場合)。
検量線サンプル:Lithol Rubine BCAのそれぞれ0.001質量%、0.003質量%、0.004質量%、0.01質量%のNMP溶液を調整し、検量線に使用した。
(4)有機顔料含有量評価方法
有機顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の含有量は、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子サンプルをN−メチルピロリドン(NMP)に溶解し、その溶液のUV−VIS吸光度と別途用意した有機顔料の標準サンプルから算出される検量線を用い、定量した。
使用機器:日本分光株式会社製 紫外可視赤外分光光度計V−560
測定波長:449nm(Lithol Rubine BCAの定量の場合)。
検量線サンプル:Lithol Rubine BCAのそれぞれ0.001質量%、0.003質量%、0.004質量%、0.01質量%のNMP溶液を調整し、検量線に使用した。
測定サンプル:測定サンプルは吸光度が1を超えない範囲に濃度調整を行った。例えば、実施例1であれば、NMP4gに対し、10mgの顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を溶解し、その溶液から有機顔料含有量を定量した。
(5)無機顔料含有量評価方法
無機顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の含有量は、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子サンプル10mgを熱重量分析にて燃焼させ、その残渣から含有量を定量した。
使用機器:株式会社島津製作所製 島津自動示差熱・熱重量同時測定装置 DTG−60
条件:30℃〜500℃、10℃/min、窒素雰囲気下100mL/min
(6)顔料溶出性試験
20mlのガラス瓶中に水を10g加え、その上に、50mgの顔料ないしは顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を浮かべ、1時間静置したのちに、以下の基準で顔料の溶出性を評価した。
A:顔料の溶出が認められない。
B:少量の顔料の溶出が認められる。
C:多量の顔料の溶出が認められる。
(7)融解エンタルピー、結晶化温度の測定
示差走査熱量計(ティー・エー社製、DSC)を用い、窒素雰囲気下、20℃/分の昇温速度で200℃まで測定し、融解熱容量を示すピーク面積から算出した。また、結晶化温度は、上記装置にて、200℃まで同条件で昇温した後に、1℃/分の降温速度で測定し、降温結晶化温度ピークの頂点温度を結晶化温度とした。
(8)重量平均分子量
(i)脂肪族ポリエステル樹脂(A)の分子量測定
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)による校正曲線と対比させて分子量を算出した。
(5)無機顔料含有量評価方法
無機顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の含有量は、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子サンプル10mgを熱重量分析にて燃焼させ、その残渣から含有量を定量した。
使用機器:株式会社島津製作所製 島津自動示差熱・熱重量同時測定装置 DTG−60
条件:30℃〜500℃、10℃/min、窒素雰囲気下100mL/min
(6)顔料溶出性試験
20mlのガラス瓶中に水を10g加え、その上に、50mgの顔料ないしは顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を浮かべ、1時間静置したのちに、以下の基準で顔料の溶出性を評価した。
A:顔料の溶出が認められない。
B:少量の顔料の溶出が認められる。
C:多量の顔料の溶出が認められる。
(7)融解エンタルピー、結晶化温度の測定
示差走査熱量計(ティー・エー社製、DSC)を用い、窒素雰囲気下、20℃/分の昇温速度で200℃まで測定し、融解熱容量を示すピーク面積から算出した。また、結晶化温度は、上記装置にて、200℃まで同条件で昇温した後に、1℃/分の降温速度で測定し、降温結晶化温度ピークの頂点温度を結晶化温度とした。
(8)重量平均分子量
(i)脂肪族ポリエステル樹脂(A)の分子量測定
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)による校正曲線と対比させて分子量を算出した。
装置:ウォーターズ社製、LCシステム
カラム:昭和電工株式会社製、HFIP−806M×2本
移動相:トリフルオロ酢酸ナトリウム10mmol/L ヘキサフルオロイソプロパノール溶液
流速:1.0mL/min
検出:示差屈折率計
カラム温度:30℃
(ii)樹脂(B)の分子量測定
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリエチレングリコールによる校正曲線と対比させて分子量を算出した。
カラム:昭和電工株式会社製、HFIP−806M×2本
移動相:トリフルオロ酢酸ナトリウム10mmol/L ヘキサフルオロイソプロパノール溶液
流速:1.0mL/min
検出:示差屈折率計
カラム温度:30℃
(ii)樹脂(B)の分子量測定
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリエチレングリコールによる校正曲線と対比させて分子量を算出した。
装置:株式会社島津製作所製、LC−10Aシリーズ
カラム:昭和電工株式会社製、GF−7MHQ ×2本
移動相:10mmol/L 臭化リチウム水溶液
流速:1.0mL/min
検出:示差屈折率計
カラム温度:40℃
(9)かさ密度の測定方法
10mLのメスシリンダーに、顔料ないしは顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子1.0gを秤量し、2cmの高さからメスシリンダーを10回自由落下させ、その体積を1/10目盛りまで読み取り、かさ密度(g/mL)を求めた。
(10)分散性評価方法
20mLのガラス瓶中に水を10g加え、その上に、10mgの顔料ないしは顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を浮かべ、超音波照射を1分間実施したのちに、以下の基準で顔料ないしは顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の分散性を評価した。
A:ガラス壁面および底部に凝集物が認められない。
B:ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められる。
C:ガラス壁面および底部に多量の凝集物が認められる。
(11)発色性評価方法
以下の基準で顔料ないしは顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の発色性を評価した。
A:顔料と同程度の色味が認められる。
B:顔料と比較して色味が少し劣る。
C:顔料と比較して色味が著しく劣る。
(実施例1)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)0.56gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例1における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を1.55質量%としたので、上記顔料重量0.56gは、脂肪族ポリエステル樹脂の2質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.29倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径16.7μm、体積平均粒子径20.6μm、粒子径分布指数(PDI)1.23、真球度95.5、かさ密度0.52g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、1.55質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に凝集物が認められず、優れた分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と比較して色味が少し劣るが、十分な発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、溶出が認められず、溶出抑制性に優れた。
(実施例2)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)1.40gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例2における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を4.56質量%としたので、上記顔料重量1.40gは、脂肪族ポリエステル樹脂の5質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.10倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径12.1μm、体積平均粒子径14.1μm、粒子径分布指数(PDI)1.17、真球度93.2、かさ密度0.46g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、4.56質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に凝集物が認められず、優れた分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、顔料の溶出が認められず、優れた溶出抑制性を有した。
(実施例3)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)2.80gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例3における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を8.08質量%としたので、上記顔料重量2.80gは、脂肪族ポリエステル樹脂の10質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.24倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径11.0μm、体積平均粒子径12.6μm、粒子径分布指数(PDI)1.15、真球度88.4、かさ密度0.36g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、8.08質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例4)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)5.60gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例4における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を15.6質量%としたので、上記顔料重量5.60gは、脂肪族ポリエステル樹脂の20質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.28倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径10.1μm、体積平均粒子径11.4μm、粒子径分布指数(PDI)1.13、真球度77.3、かさ密度0.37g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、15.6質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例5)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)4.20gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例5における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を10.5質量%としたので、上記顔料重量4.20gは、脂肪族ポリエステル樹脂の15質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.43倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径11.1μm、体積平均粒子径14.0μm、粒子径分布指数(PDI)1.26、真球度82.7、かさ密度0.36g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、10.5質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例6)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)8.40gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例6における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を20.5質量%としたので、上記顔料重量8.40gは、脂肪族ポリエステル樹脂の30質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.46倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径9.2μm、体積平均粒子径11.9μm、粒子径分布指数(PDI)1.29、真球度77.4、かさ密度0.37g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、20.5質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例7)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)11.20gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例7における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を24.5質量%としたので、上記顔料重量11.20gは、脂肪族ポリエステル樹脂の40質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.63倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径8.4μm、体積平均粒子径9.9μm、粒子径分布指数(PDI)1.18、真球度75.1、かさ密度0.36g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、24.5質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例8)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)14.00gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例8における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を30.1質量%としたので、上記顔料重量14.00gは、脂肪族ポリエステル樹脂の50質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.66倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径7.1μm、体積平均粒子径9.7μm、粒子径分布指数(PDI)1.37、真球度75.3、かさ密度0.36g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、30.1質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例9)
1Lセパラブルフラスコにポリ[3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート](PHBH、アオニレックスX131A カネカ(株)製、Mw(PMMA換算)45万、融解エンタルピー26.70J/g)24.5g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)17.5g、アセト酢酸エチル308gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)2.45gを入れ、350rpmでの撹拌下、120℃で2h加熱溶解させた。実施例9における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を質量8.1%としたので、上記顔料重量2.45gは、脂肪族ポリエステル樹脂の10質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.23倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、60℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5B)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有PHBH微粒子を得た。平均粒子径10.2μm、体積平均粒子径13.7μm、粒子径分布指数(PDI)1.35、真球度71.3、かさ密度0.30g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、9.0質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例10)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび無機顔料として二酸化チタン8.40gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例10における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を2.0質量%としたので、上記顔料重量8.40gは、脂肪族ポリエステル樹脂の30質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の15.0倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた白色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の無機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径22.3μm、体積平均粒子径24.7μm、粒子径分布指数(PDI)1.11、真球度97.3、かさ密度0.64g/mLであった。無機顔料の含有率をTGAで評価した結果、2.0質量%の無機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、無機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。無機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(比較例1)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの) 0.28gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。比較例1における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を0.58質量%としたので、上記顔料重量0.28gは、脂肪族ポリエステル樹脂の1質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.72倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径13.9μm、体積平均粒子径17.1μm、粒子径分布指数(PDI)1.23、真球度94.6、かさ密度0.53g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、0.58質量%の有機顔料しか含有されていなかった。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に凝集物が認められず、優れた分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と比較して色味が著しく劣り、発色性が不十分であった。有機顔料の溶出性試験の結果、溶出が認められず、優れた溶出抑制性を有した。
(比較例2)
有機顔料であるLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)を評価した。この場合の有機顔料の含有率は100%であり、かさ密度は0.26g/mLであった。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に多量の凝集物が認められ、分散性が不十分であった。有機顔料の溶出性試験の結果、多量の顔料の溶出が認められ、溶出抑制性が不十分であった。以上の結果をまとめて表1に示す。
カラム:昭和電工株式会社製、GF−7MHQ ×2本
移動相:10mmol/L 臭化リチウム水溶液
流速:1.0mL/min
検出:示差屈折率計
カラム温度:40℃
(9)かさ密度の測定方法
10mLのメスシリンダーに、顔料ないしは顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子1.0gを秤量し、2cmの高さからメスシリンダーを10回自由落下させ、その体積を1/10目盛りまで読み取り、かさ密度(g/mL)を求めた。
(10)分散性評価方法
20mLのガラス瓶中に水を10g加え、その上に、10mgの顔料ないしは顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を浮かべ、超音波照射を1分間実施したのちに、以下の基準で顔料ないしは顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の分散性を評価した。
A:ガラス壁面および底部に凝集物が認められない。
B:ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められる。
C:ガラス壁面および底部に多量の凝集物が認められる。
(11)発色性評価方法
以下の基準で顔料ないしは顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の発色性を評価した。
A:顔料と同程度の色味が認められる。
B:顔料と比較して色味が少し劣る。
C:顔料と比較して色味が著しく劣る。
(実施例1)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)0.56gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例1における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を1.55質量%としたので、上記顔料重量0.56gは、脂肪族ポリエステル樹脂の2質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.29倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径16.7μm、体積平均粒子径20.6μm、粒子径分布指数(PDI)1.23、真球度95.5、かさ密度0.52g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、1.55質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に凝集物が認められず、優れた分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と比較して色味が少し劣るが、十分な発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、溶出が認められず、溶出抑制性に優れた。
(実施例2)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)1.40gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例2における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を4.56質量%としたので、上記顔料重量1.40gは、脂肪族ポリエステル樹脂の5質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.10倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径12.1μm、体積平均粒子径14.1μm、粒子径分布指数(PDI)1.17、真球度93.2、かさ密度0.46g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、4.56質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に凝集物が認められず、優れた分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、顔料の溶出が認められず、優れた溶出抑制性を有した。
(実施例3)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)2.80gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例3における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を8.08質量%としたので、上記顔料重量2.80gは、脂肪族ポリエステル樹脂の10質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.24倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径11.0μm、体積平均粒子径12.6μm、粒子径分布指数(PDI)1.15、真球度88.4、かさ密度0.36g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、8.08質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例4)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)5.60gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例4における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を15.6質量%としたので、上記顔料重量5.60gは、脂肪族ポリエステル樹脂の20質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.28倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径10.1μm、体積平均粒子径11.4μm、粒子径分布指数(PDI)1.13、真球度77.3、かさ密度0.37g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、15.6質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例5)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)4.20gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例5における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を10.5質量%としたので、上記顔料重量4.20gは、脂肪族ポリエステル樹脂の15質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.43倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径11.1μm、体積平均粒子径14.0μm、粒子径分布指数(PDI)1.26、真球度82.7、かさ密度0.36g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、10.5質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例6)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)8.40gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例6における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を20.5質量%としたので、上記顔料重量8.40gは、脂肪族ポリエステル樹脂の30質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.46倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径9.2μm、体積平均粒子径11.9μm、粒子径分布指数(PDI)1.29、真球度77.4、かさ密度0.37g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、20.5質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例7)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)11.20gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例7における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を24.5質量%としたので、上記顔料重量11.20gは、脂肪族ポリエステル樹脂の40質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.63倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径8.4μm、体積平均粒子径9.9μm、粒子径分布指数(PDI)1.18、真球度75.1、かさ密度0.36g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、24.5質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例8)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)14.00gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例8における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を30.1質量%としたので、上記顔料重量14.00gは、脂肪族ポリエステル樹脂の50質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.66倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径7.1μm、体積平均粒子径9.7μm、粒子径分布指数(PDI)1.37、真球度75.3、かさ密度0.36g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、30.1質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例9)
1Lセパラブルフラスコにポリ[3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート](PHBH、アオニレックスX131A カネカ(株)製、Mw(PMMA換算)45万、融解エンタルピー26.70J/g)24.5g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)17.5g、アセト酢酸エチル308gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)2.45gを入れ、350rpmでの撹拌下、120℃で2h加熱溶解させた。実施例9における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を質量8.1%としたので、上記顔料重量2.45gは、脂肪族ポリエステル樹脂の10質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.23倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、60℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5B)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有PHBH微粒子を得た。平均粒子径10.2μm、体積平均粒子径13.7μm、粒子径分布指数(PDI)1.35、真球度71.3、かさ密度0.30g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、9.0質量%の有機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。有機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(実施例10)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび無機顔料として二酸化チタン8.40gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。実施例10における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を2.0質量%としたので、上記顔料重量8.40gは、脂肪族ポリエステル樹脂の30質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の15.0倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた白色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の無機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径22.3μm、体積平均粒子径24.7μm、粒子径分布指数(PDI)1.11、真球度97.3、かさ密度0.64g/mLであった。無機顔料の含有率をTGAで評価した結果、2.0質量%の無機顔料が含有されていた。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に少量の凝集物が認められたものの、十分な分散性を有した。発色性評価の結果、無機顔料と同程度の色味が認められ、優れた発色性を有した。無機顔料の溶出性試験の結果、少量の顔料の溶出が認められたものの、十分な溶出抑制性を有した。
(比較例1)
1Lセパラブルフラスコにポリ乳酸(D体含有量12%、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm3)1/2)28g、ヒドロキシプロピルセルロース(粘度規格値3.0〜6.0mPa・s(2%水溶液、20℃)品、東京化成株式会社製)28g、アセト酢酸エチル294gおよび有機顔料としてLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの) 0.28gを入れ、350rpmでの撹拌下、90℃で2h加熱溶解させた。比較例1における脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量を0.58質量%としたので、上記顔料重量0.28gは、脂肪族ポリエステル樹脂の1質量%に相当し、したがって、脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.72倍混合したことになる。溶け残りがないことを確認し、50℃に降温して30min後、2.92mL/minで50重量%エタノール水溶液350gを滴下した(滴下時間2h)。粒子化後一晩静置し、上澄みを捨てエタノールで置換した後、桐山濾紙(5C)を使用して減圧濾過した。得られた赤色粉末を300mLナスフラスコに移し、200gのイオン交換水を加えた後50℃、30min磁気撹拌した。本操作を3回繰り返し、不純物を除去した。得られた湿潤状態の粒子を80℃下で加熱真空乾燥を12時間行い、目的の有機顔料含有ポリ乳酸微粒子を得た。平均粒子径13.9μm、体積平均粒子径17.1μm、粒子径分布指数(PDI)1.23、真球度94.6、かさ密度0.53g/mLであった。有機顔料の含有率をUV−VISで評価した結果、0.58質量%の有機顔料しか含有されていなかった。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に凝集物が認められず、優れた分散性を有した。発色性評価の結果、有機顔料と比較して色味が著しく劣り、発色性が不十分であった。有機顔料の溶出性試験の結果、溶出が認められず、優れた溶出抑制性を有した。
(比較例2)
有機顔料であるLithol Rubine BCA(赤色202号、ジアゾ基を分子内に含有したもの)を評価した。この場合の有機顔料の含有率は100%であり、かさ密度は0.26g/mLであった。分散性評価の結果、ガラス壁面および底部に多量の凝集物が認められ、分散性が不十分であった。有機顔料の溶出性試験の結果、多量の顔料の溶出が認められ、溶出抑制性が不十分であった。以上の結果をまとめて表1に示す。
本発明によれば、発色性の高い顔料を透明性の高い脂肪族ポリエステル樹脂で被覆することから、顔料の流動性、分散性などの取り扱い性を向上させ、顔料そのものがもつ発色性を維持しつつも、皮膚への色移りの程度を減らし、化粧落としもしやすく、安全性の高い、有用な材料が提供される。
Claims (15)
- 顔料(C)を含有する脂肪族ポリエステル樹脂微粒子であって、脂肪族ポリエステル(A)が脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルおよびラクトンから得られる脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる脂肪族ポリエステル樹脂であり、顔料(C)の含有量が前記微粒子を基準として1.5質量%以上40質量%以下であり、前記微粒子の平均粒子径が1μm以上100μm未満である顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子。
- 前記微粒子の粒子径分布指数が1から3である請求項1記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子。
- 顔料(C)が有機顔料である請求項1または2に記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子。
- 顔料(C)がアゾ系顔料である請求項1〜3のいずれかに記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子。
- 前記微粒子を構成する脂肪族ポリエステル樹脂(A)の結晶融解熱容量が30J/g以下である請求項1〜4のいずれかに記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子。
- かさ密度が0.30g/mL以上1.0g/mL以下である請求項1から5のいずれかに記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子。
- 前記脂肪族ポリエステル樹脂(A)がポリ乳酸系樹脂である請求項1から6のいずれかに記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子。
- 脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルおよびラクトンから得られる脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる脂肪族ポリエステル樹脂(A)、脂肪族ポリエステル樹脂(A)とは異なる樹脂であって相分離を誘発する樹脂(B)、顔料(C)および有機溶媒(D)を混合してポリマー溶液としたときに、脂肪族ポリエステル樹脂(A)を主成分とし顔料(C)を含む溶液相と、前記樹脂(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、エマルションを形成させた後、脂肪族ポリエステル樹脂(A)の貧溶媒(E)を接触させることにより、顔料(C)を含有する脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を析出させる顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法。
- 脂肪族ポリエステル樹脂(A)の質量の、1.5質量%を越え80質量%以下の顔料(C)を混合する請求項8に記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法。
- 脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1倍以上から2倍未満、顔料(C)を混合する請求項8または9に記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法。
- 脂肪族ポリエステル樹脂微粒子中の所望する顔料(C)含有量の1.1倍以上から1.5倍未満、顔料(C)を混合する請求項8または9に記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法。
- 貧溶媒が、エタノール、水、およびエタノール水溶液から選ばれるいずれかである請求項8〜11のいずれかに記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法。
- 顔料(C)が有機顔料である請求項8〜12のいずれかに記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法。
- 前記脂肪族ポリエステル樹脂(A)がポリ乳酸系樹脂である請求項8〜13のいずれかに記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の顔料含有脂肪族ポリエステル樹脂微粒子を用いた化粧品。
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