JP2013133473A - ポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法 - Google Patents

ポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】操作が便利で、条件が穏やかで、ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマーによって、簡単の溶解析出過程のみで、均一な粒子径分布を有するポリ乳酸系樹脂微粒子を調製すること。
【解決手段】本発明はポリ乳酸系樹脂微粒子及びその調製方法を開示し、高沸点溶剤でポリ乳酸系樹脂及びポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマーを溶解した後、貧溶媒で固液分離を行い、且つ乾燥を行った後ポリ乳酸系樹脂微粒子を得るステップを含み、前記高沸点溶剤の沸点が貧溶媒の沸点より大きく、前記ポリ乳酸系樹脂微粒子が1.2%≦D−乳酸質量含有量<11%のポリ乳酸系樹脂微粒子、または1.2%≦L−乳酸質量含有量<11%のポリ乳酸系樹脂微粒子である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法に関する。
ポリマー微粒子は、フィルム、繊維、射出成形品、押出成形品などのポリマー成形品とは異なり、比表面積が大きい点や、微粒子の構造を利用することで、各種材料の改質、改良に用いられている。主要用途としては、化粧品の改質剤、トナー用添加剤、塗料などのレオロジー改質剤、医療用診断検査剤、自動車材料、建築材料などの成形品への添加剤などが挙げられる。
一方、近年の環境問題への関心が高まるなか、環境負荷の低減の目的のため、非石油原料由来の材料を使用することが求められるようになっており、化粧品、塗料などポリマー微粒子が使用される分野も例外ではない。これら非石油原料由来ポリマーの代表的なものとしては、ポリ乳酸が挙げられる。
これまでポリ乳酸系樹脂微粒子または粉末の製造方法としては、凍結粉砕などに代表される粉砕法(特許文献1、2)、高温下の溶媒に溶解し、冷却して析出させたり、溶媒に溶解した後に貧溶媒を加えることにより析出させたりする溶媒溶解析出法(特許文献3、4)、ポリ乳酸の有機溶媒溶液と水からなるエマルションを形成させ、有機溶剤を揮発させる方法(特許文献5、6、7、8)、2軸押出機等の混合機内でポリ乳酸系樹脂と非相溶の樹脂とを混合し、ポリ乳酸系樹脂を分散相に、ポリ乳酸系樹脂と非相溶の樹脂を連続相にもつ、樹脂組成物を形成させた後に、非相溶の樹脂を除去することによりポリ乳酸系樹脂微粒子を得る溶融混練法(特許文献9、10)などが知られている。
しかし、これら製法で作られるポリ乳酸系樹脂微粒子は、得られる粒子が真球形状ではない、粒子径が細かくならない、粒度分布が広い、場合によっては繊維状のものを含むなど球状を保つことができないなどの課題を抱えており、特に触感、質感を重視する化粧品分野、レオロジー制御が重要になる塗料などの分野では、現状のままでは、微粒子添加による効果は十分ではなかった。
一方、ポリマー微粒子の製造方法としては、エマルションを利用した方法として、特許文献11に記載の方法が知られている。しかしながら、本特許文献には、ポリ乳酸系樹脂について具体的な開示例はなく、ポリ乳酸系樹脂微粒子の製造法は、明確ではなかった。
特開2000−7789号公報 特開2001−288273号公報 特開2005−2302号公報 特開2009−242728号公報 中国特許、公開番号101305985 中国特許、公開番号101292961 中国特許、公開番号101392064 中国特許、公開番号102211008A 特開2004−269865号公報 特開2005−200663号公報 国際公開2009/142231号
本発明の目的は、従来の方法に比べ工業的に有利な方法で、均一な粒子径分布を有するポリ乳酸系樹脂微粒子を製造する方法を提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明者らが鋭意検討した結果、下記発明に到達した。即ち、本発明は、以下のような構成を有する。
(1)ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)とエーテル系有機溶媒でない高沸点有機溶媒(C)とを溶解混合し、ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする溶液相と、ポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、エマルジョンを形成させた後、ポリ乳酸系樹脂(A)の貧溶媒を接触させることにより、ポリ乳酸系樹脂(A)の微粒子を析出させることを特徴とするポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
(2)ポリ乳酸系樹脂(A)のD−乳酸ユニットの質量含有率が、1.2%以上11%未満であるか、またはポリ乳酸系樹脂(A)のL−乳酸ユニットの質量含有率が、1.2%以上11%未満である、(1)のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
(3)ポリ乳酸系樹脂(A)のD−乳酸ユニットの質量含有率が、11%以上50%未満であるか、またはポリ乳酸系樹脂(A)のL−乳酸ユニットの質量含有率が、11%以上50%未満である、(1)のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
(4)高沸点有機溶媒(C)の沸点が110℃以上である、(1)〜(3)のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
(5)高沸点溶剤(C)の溶解度パラメータが15MPa1/2〜30MPa1/2である、(1)〜(4)のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
(6)高沸点溶剤(C)が、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジンおよびイミダゾール類イオン液体のいずれか1種以上である、(1)〜(5)のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
(7)前記貧溶媒が、水またはアルコール系溶剤である、(1)〜(6)のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
(8)ポリマー(B)が水溶性ポリマーである、(1)〜(7)のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
(9)ポリマー(B)が、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルアルコール−エチレン)重合体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリ(無水マレイン酸)、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンおよびポリ4級アンモニウム塩のいずれか1種以上である、(8)のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
本発明のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法により、工業的に有利な方法でポリ乳酸系樹脂微粒子を製造することが可能となり、さらには、吸油性や吸湿性に優れた多孔質形状のポリ乳酸系樹脂微粒子や、滑り性の良好な表面が平滑な真球形状のポリ乳酸系樹脂微粒子など、用途に応じた所望の形態のポリ乳酸系樹脂微粒子を製造することが可能となる。
本発明により得られたポリ乳酸系樹脂微粒子は、ファンデーション、口紅、男性化粧品用スクラブ剤などの化粧品用材料、フラッシュ成形用材料、ラピッドプロトタイピング・ラピッドマニュファクチャリング用材料、プラスティックゾル用ペーストレジン、粉ブロッキング材、粉体の流動性改良材、潤滑剤、ゴム配合剤、研磨剤、増粘剤、濾剤および濾過助剤、ゲル化剤、凝集剤、塗料用添加剤、吸油剤、離型剤、プラスティックフィルム・シートの滑り性向上剤、ブロッキング防止剤、光沢調節剤、つや消し仕上げ剤、光拡散剤、表面高硬度向上剤、靭性向上材等の各種改質剤、液晶表示装置用スペーサー、クロマトグラフィー用充填材、化粧品ファンデーション用基材・添加剤、マイクロカプセル用助剤、ドラッグデリバリーシステム・診断薬などの医療用材料、香料・農薬の保持剤、化学反応用触媒およびその担持体、ガス吸着剤、セラミック加工用焼結材、測定・分析用の標準粒子、食品工業分野用の粒子、粉体塗料用材料、電子写真現像用トナーなどに好適に使用することができる。
実施例1により得られたポリ乳酸系樹脂微粒子を走査電子顕微鏡で観察した観察図である。 実施例2により得られたポリ乳酸系樹脂微粒子を走査電子顕微鏡で観察した観察図である。 実施例1により得られたポリ乳酸系樹脂微粒子の粒子径分布を示す特性図である。
以下、本発明につき、詳細に説明する。
本発明の一実施態様に係る方法において、ポリ乳酸系樹脂微粒子は、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)と高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)とを溶解混合し、ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする溶液相と、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、エマルジョンを形成させた後、ポリ乳酸系樹脂(A)の貧溶媒を接触させることにより、ポリ乳酸系樹脂(A)の微粒子を析出させることで製造する。
本実施態様では、使用する有機溶媒が高沸点有機溶媒(C)である。高沸点溶媒とは、沸点が高い溶媒のことであり、特に、後述する貧溶媒よりも沸点の高い溶媒であることが好ましい。
この際、高沸点有機溶媒(C)としては、貧溶媒との関係にも依存するが、その沸点としては、標準大気圧下において、その下限としては、110℃以上が好ましく、貧溶媒との蒸留分離時の効率の観点から、より好ましくは120℃以上が好ましくは、さらに好ましくは、140℃以上であり、特に好ましくは150℃以上である。また、その上限は、特に定めるものではないが、工業的に現実的に入手できる溶媒の特徴から、300℃以下であり、好ましくは、280℃以下であり、より好ましくは、250℃以下である。
沸点の高い溶媒を使うことにより、ポリ乳酸系樹脂微粒子を製造した後、当該粒子を固液分離した後、溶剤の再利用が容易になり、有利である。
さらに、本実施態様に係る方法に使用する高沸点溶媒(C)としては、ポリ乳酸の溶解度パラメータが20MPa1/2付近であることを考慮し、ポリ乳酸が溶解しやすいように、その高沸点溶媒の溶解度パラメータは、15MPa1/2〜30MPa1/2であることが好ましい。より好ましい下限は16MPa1/2であり、さらに好ましい下限は17MPa1/2であり、さらに好ましい上限は29MPa1/2であり、特に好ましい上限は28MPa1/2である(溶剤沸点参考:実用溶剤ハンドブック、穆光照主編、上海科学院技術出版社、1990;溶解度パラメータ参考:Polymer Handbook、第4版、J. Brandrup等、Wiley−Interscience出版、1999)。
本実施態様に係る方法に使用する高沸点溶媒(C)の具体的な例としては、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジンなどの極性溶媒、イミダゾリニウム塩などのイオン液体、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等のカルボン酸系溶媒のうちの1種または複数種から選ばれる。
さらに好ましくは、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジンなどの極性溶媒、イミダゾリニウム塩などのイオン液体のうちの1種または複数種から選ばれる。
また本発明の効果を損なわない範囲で、他の有機溶媒を加えてもよい。他の有機溶媒としては、高沸点有機溶媒(C)を100質量部とした場合、他の有機溶媒の添加量は100質量部未満であり、好ましくは、75質量部以下、より好ましくは、50質量部以下、さらに好ましくは、30質量部以下、特に好ましくは、20質量部以下、最も好ましくは、10質量部以下である。他の有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、クロロホルム、ブロモホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロベンゼン、2,6−ジクロロトルエン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、テトラヒドロフラン、アニソール、1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、ジプロピルアセタール、ジオキソランなどのアセタール系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、トリメチルリン酸、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等のカルボン酸系溶媒などが挙げられる。これらの他の有機溶媒は、単独、または混合して使用しても良い。
本実施態様に係る方法に使用するポリ乳酸系樹脂(A)とは、L−乳酸およびD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーである。
本実施態様におけるポリ乳酸系樹脂(A)が主たる構成成分であるとは、ポリ乳酸系樹脂(A)中の共重合体を構成するモノマー単位のうち、L−乳酸およびD−乳酸モノマー単位の合計がモル比率で、50モル%以上である共重合体のことをいう。好ましくは、60モル%以上、より好ましくは、70モル%以上、さらに好ましくは、80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。上限としては通常100モル%である。
ここで、LまたはDとは、光学異性体の一方のことを指し、天然型の立体配置を持つものをL−乳酸あるいはL体乳酸、非天然型の立体配置を持つものをD−乳酸あるいはD体乳酸を示す。
本実施態様においては、結晶性から非晶性と幅広いポリ乳酸系樹脂(A)からポリ乳酸系樹脂微粒子を製造可能な点であり、さらには、結晶性や非晶性のポリ乳酸系樹脂(A)を選択することで、ポリ乳酸系樹脂微粒子の形状を制御することが可能である。
ポリ乳酸系樹脂(A)の結晶性が高いと、多孔質のポリ乳酸系樹脂微粒子を製造することが可能となる。
より具体的には、D−乳酸ユニットの質量含有量が1.2%以上11%未満、またはL−乳酸ユニットの質量含有量が1.2%以上11%未満であると、ポリ乳酸系樹脂(A)の結晶による特性から得られるポリ乳酸系樹脂(A)の微粒子は多孔質形状になる。多孔質ポリ乳酸系樹脂微粒子を得る際のD−乳酸ユニットの質量含有量またはL−乳酸ユニットの質量含有量の好ましい上限は、10%以下であり、より好ましくは、5%以下であり、さらに好ましくは、4.8%以下である。この範囲にすると、多孔質粒子の空隙量が多くなり、かつ凝集性の小さいポリ乳酸粒子を得ることができる。
さらに、ポリ乳酸系樹脂(A)のD−乳酸ユニットの質量含有率が、11%以上50%未満、またはL−乳酸ユニットの質量含有率が、11%以上50%未満であるとポリ乳酸系樹脂微粒子は、真球状になるという特徴を有する。
真球状ポリ乳酸系樹脂微粒子を得る際のD−乳酸ユニットまたはL−乳酸ユニットの質量含有率の好ましい範囲は10%以上50%未満であり、より好ましくは15%以上50%未満であり、さらに好ましくは20%以上50%未満であり、特に好ましくは25%以上50%未満である。
本実施態様において、ポリ乳酸系樹脂(A)の乳酸モノマー単位の配列様式に特に限定はなく、ブロック共重合体、交互共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれでも良い。融着時の温度をより低温化させる観点から、ランダム共重合体が好ましい。
ポリ乳酸系樹脂(A)には、本発明を損なわない範囲において、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。
他の共重合成分単位としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、およびグリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などから生成する単位が挙げられる。このような共重合単位は、全単量体単位を100モル%としたときに、30モル%以下の含有量とするのが好ましく、20モル%以下がより好ましく、10モル%以下がさらに好ましく、5モル%以下が最も好ましい。
ポリ乳酸系樹脂(A)の分子量や分子量分布は、実質的に高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)に溶解可能であれば、特に限定されるものではないが、粒子構造を維持しやすく、耐加水分解性が向上するという点で、重量平均分子量としては、好ましくは1万以上、より好ましくは5万以上、さらに好ましくは10万以上、特に好ましくは20万以上であるのがよい。上限は特に制限されないが、100万以下である。ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算の重量平均分子量である。
ポリ乳酸系樹脂(A)の製造方法としては、特に限定はなく、公知の重合方法を用いることができ、たとえば乳酸からの直接重合法およびラクチドを介する開環重合法などを用いることができる。
本実施態様において、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)としては、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマーのうち、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられるが、高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)に溶解しやすいという観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。
具体的には、ポリ(ビニルアルコール)(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール)であってもよい)、ポリ(ビニルアルコールーエチレン)共重合体(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコールーエチレン)共重合体であってもよい)、ポリビニルピロリドン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキサイド)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン脂肪酸エステル)、ポリ(オキシエチレンラウリン脂肪酸エステル)、ポリ(オキシエチレングリコールモノ脂肪酸エステル)、ポリ(オキシエチレンアルキルフェニルエーテル)、ポリ(オキシアルキルエーテル)、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルピロリジニウムクロライド、ポリ(スチレン−マレイン酸)共重合体、アミノポリ(アクリルアミド)、ポリ(パラビニルフェノール)、ポリアリルアミン、ポリビニルエーテル、ポリビニルホルマール、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(オキシエチレンアミン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルピリジン)、ポリアミノスルホン、ポリエチレンイミン等の合成樹脂、マルトース、セルビオース、ラクトース、スクロースなどの二糖類、セルロース、キトサン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエステル等のセルロース誘導体、アミロースおよびその誘導体、デンプンおよびその誘導体、デキストリン、シクロデキストリン、アルギン酸ナトリウムおよびその誘導体等の多糖類またはその誘導体、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、アルブミン、フィブロイン、ケラチン、フィブリン、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、アラビアゴム、寒天、たんぱく質等が挙げられ、粒子径分布が狭くなることから、好ましくは、ポリ(ビニルアルコール)(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール)であってもよい)、ポリ(ビニルアルコールーエチレン)共重合体(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコールーエチレン)共重合体であってよい)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキサイド)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレンアルキルフェニルエーテル)、ポリ(オキシアルキルエーテル)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエステル等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンであり、より好ましくは、ポリ(ビニルアルコール)(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール)であってよい)、ポリ(ビニルアルコールーエチレン)共重合体(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコールーエチレン)共重合体)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキサイド)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエステル等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンであり、特に好ましくは、ポリ(ビニルアルコール)(完全ケン化型や部分ケン化型のポリ(ビニルアルコール)であってよい)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキサイド)、ヒドロキシプロピルセルロースである。
ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)の分子量は、好ましくは、重量平均分子量で、1,000〜100,000,000、より好ましくは、1,000〜10,000,000、さらに好ましくは、5,000〜1,000,000であり、特に好ましくは、10,000〜500,000の範囲であり、最も好ましい範囲は、10,000〜100,000の範囲である。
ここでいう重量平均分子量とは、溶媒として水を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリエチレングリコールで換算した重量平均分子量を指す。
水で測定できない場合においては、ジメチルホルムアミドを用い、それでも測定できない場合においては、テトラヒドロフランを用い、さらに測定できない場合においては、ヘキサフルオロイソプロパノールを用いる。
「ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)と高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)を溶解混合させ、ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする溶液相と、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系」とは、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)(以下、ポリマー(B)と称することもある)と高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)を混合したときに、ポリ乳酸系樹脂を主として含む溶液相と、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)を主として含む溶液相の2相に分かれる系をいう。
このような相分離をする系を用いることにより、相分離する条件下で混合して、乳化させ、エマルションを形成させることができる。
なお、上記において、ポリマーが溶解するかどうかについては、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)を溶解混合して、2相分離させる際の温度において、高沸点有機溶媒(エーテル有機溶媒を除く)(C)に対し1質量%超の割合で溶解するかどうかで判別する。
このエマルションは、ポリ乳酸系樹脂(A)溶液相が分散相に、ポリマー(B)溶液相が連続相になり、そしてこのエマルションに対し、ポリ乳酸系樹脂(A)の貧溶媒を接触させることにより、エマルション中のポリ乳酸系樹脂(A)溶液相から、ポリ乳酸系樹脂(A)の微粒子が析出し、ポリ乳酸系樹脂(A)で構成されるポリマー微粒子を得ることが出来る。
ポリ乳酸系樹脂(A)の貧溶媒とは、ポリ乳酸系樹脂(A)を溶解させない溶媒のことをいう。溶媒に溶解させないとは、ポリ乳酸系樹脂(A)の貧溶媒に対する溶解度が1質量%以下のものであり、より好ましくは、0.5質量%以下であり、さらに好ましくは、0.1質量%以下である。
本実施態様に係るポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法において、ポリ乳酸系樹脂(A)の貧溶媒を用いるが、かかる貧溶媒としてはポリ乳酸系樹脂(A)の貧溶媒でありかつ、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)を溶解する溶媒であることが好ましい。これにより、ポリ乳酸系樹脂(A)で構成されるポリ乳酸系樹脂微粒子を効率よく析出させることができる。また、ポリ乳酸系樹脂(A)およびポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)を溶解させる溶媒とポリ乳酸系樹脂(A)の貧溶媒とは均一に混合する溶媒であることが好ましい。
本実施態様における貧溶媒としては、用いるポリ乳酸系樹脂(A)の種類、望ましくは用いるポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)両方の種類によって変わるが、具体的に例示するならば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−トリデカン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、水の中から少なくとも1種類から選ばれる溶媒などが挙げられる。
ポリ乳酸系樹脂(A)を効率的に粒子化させる観点から、好ましくは、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、水であり、より好ましいのは、アルコール系溶媒、水であり、最も好ましくは、水である。
本実施態様において、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)、これらを溶解する高沸点溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)およびポリ乳酸系樹脂(A)の貧溶媒を適切に選択して組み合わせることにより、効率的にポリ乳酸系樹脂(A)を析出させてポリマー微粒子を得ることが出来る。
ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)、これらを溶解する高沸点溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)を混合溶解させた液は、ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする溶液相と、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離することが必要である。この際、ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする溶液相の高沸点溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)と、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)を主成分とする高沸点溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)とは、同一でも異なっていても良いが、実質的に同じ溶媒であることが好ましい。
2相分離の状態を生成する条件は、ポリ乳酸系樹脂(A)またはポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)の種類、ポリ乳酸系樹脂(A)またはポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)の分子量、高沸点溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)の種類、ポリ乳酸系樹脂(A)またはポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)の濃度、温度、圧力によって異なってくる。
相分離状態になりやすい条件を得るためには、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)の溶解度パラメータ(以下、SP値と称することもある)の差が離れていた方が好ましい。
この際、SP値の差としては1(J/cm1/2以上、より好ましくは2(J/cm1/2以上、さらに好ましくは3(J/cm1/2以上、特に好ましくは5(J/cm1/2以上、最も好ましくは8(J/cm1/2以上である。SP値がこの範囲であれば、容易に相分離しやすくなり、また相分離がしやすくなることから、よりポリ乳酸系樹脂成分の含有率の高いポリ乳酸系樹脂微粒子を得ることができる。ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)の両者が高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)に溶けるのであれば、特に制限はないが、SP値の差の上限として好ましくは20(J/cm1/2以下、より好ましくは、15(J/cm1/2以下であり、さらに好ましくは10(J/cm1/2以下である。尚、ここでいう、SP値とは、Fedorの推算法に基づき計算されるものであり、凝集エネルギー密度とモル分子容を基に計算されるもの(以下、計算法と称することもある。)である(「SP値 基礎・応用と計算方法」 山本秀樹著、株式会社情報機構、平成17年 3月 31日発行)。本方法により、計算できない場合においては、溶解度パラメータが既知の溶媒に対し溶解するか否かの判定による、実験法によりSP値を算出(以下、実験法と称することもある。)し、それを代用する(「ポリマーハンドブック 第4版(Polymer Handbook Fourth Edition)」 ジェー・ブランド(J.Brand)著、ワイリー(Wiley)社1998年発行)。
相分離状態になる条件を選択するためには、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)およびこれらを溶解する高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)の3成分の比率を変化させた状態の観察による簡単な予備実験で作成できる、3成分相図で判別が出来る。
相図の作成は、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)および高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)を任意の割合で混合溶解させ、静置を行った際に、界面が生じるか否かの判定を少なくとも3点以上、好ましくは5点以上、より好ましくは10点以上の点で実施し、2相に分離する領域および1相になる領域を峻別することで、相分離状態になる条件を見極めることが出来るようになる。
この際、相分離状態であるかどうかを判定するためには、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)を、所定の温度、圧力にて、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)および高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)を任意の比に調整した後に、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)を、完全に溶解させ、溶解させた後に、十分な攪拌を行い、3日放置し、巨視的に相分離をするかどうかを確認する。しかし、十分に安定なエマルジョンになる場合においては、3日放置しても巨視的な相分離をしない場合がある。その場合は、光学顕微鏡・位相差顕微鏡などを用い、微視的に相分離しているかどうかで、相分離を判別する。
相分離は、高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)中でポリ乳酸系樹脂(A)を主とするポリ乳酸溶液相と、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)を主成分とするポリマー(B)溶液相に分離することによって形成される。この際、ポリ乳酸系樹脂溶液相は、ポリ乳酸系樹脂(A)が主として分配された相であり、ポリマー(B)溶液相はポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)が主として分配された相である。この際、ポリ乳酸系樹脂(A)溶液相とポリマー(B)溶液相は、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)の種類と使用量に応じた体積比を有するようである。
相分離の状態が得られ、且つ工業的に実施可能な濃度として、高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)に対するポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)の濃度は、高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)に溶解する可能な限りの範囲内であることが前提であるが、全質量に対して好ましくは、それぞれその下限は1質量%超であり、より好ましくは2質量%であり、さらに好ましくは3質量%であり、より好ましくは5質量%である。また、それぞれの上限は、50質量%が好ましく、より好ましくは30質量%であり、さらに好ましくは、20質量%である。
本実施態様における、ポリ乳酸系樹脂(A)溶液相とポリマー(B)溶液相の2相間の界面張力は、両相とも有機溶媒であることから、その界面張力が小さく、その性質により、生成するエマルジョンが安定に維持できることから、粒子径分布が小さくなるようである。
本実施態様における2相間の界面張力は、界面張力が小さすぎることから、通常用いられる溶液に異種の溶液を加えて測定する懸滴法などでは直接測定することは出来ないが、各相の空気との表面張力から推算することにより、界面張力を見積もることが出来る。各相の空気との表面張力をr、rとした際、その界面張力r1/2は、r1/2=r−rの絶対値で推算することができる。
この際、このr1/2の好ましい範囲は、その上限は10mN/mであり、より好ましくは5mN/mであり、さらに好ましくは、3mN/mであり、特に好ましくは、2mN/mである。また、その下限は0mN/m超である。
本実施態様における2相間の粘度は、平均粒子径および粒子径分布に影響を与え、粘度比が小さい方が、粒子径分布が小さくなる傾向にある。
本実施態様における2相間の粘度比の好ましい範囲としては、その下限としては0.1以上が好ましく、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.5以上であり、著しく好ましいのは0.8以上である。またその上限としては10以下が好ましく、より好ましくは5以下であり、さらに好ましくは、3以下であり、特に好ましくは、1.5以下であり、著しく好ましくは、1.2以下である。ただし、ここでいう2相間の粘度比は、本実施態様に係る方法を実施しようとする温度条件下での、ポリ乳酸系樹脂(A)溶液相/ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)溶液相と定義することとする。
このようにして得られた相分離する系を用い、相分離した液相を混合させ、エマルジョン化させたのち、ポリマー微粒子を製造する。
微粒子化を行うには、通常の反応槽でエマルジョン形成および微粒子化工程が実施される。工業的な実現性の観点からエマルジョン形成および微粒子化工程を実施する温度は、0℃以上であり、上限としてはポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)が溶解し、相分離する温度であって、所望の微粒子が得られるならば特に制限はないが、その下限は通常0℃以上であり、好ましくは10℃以上であり、より好ましくは20℃以上である。また、その上限は、好ましくは300℃以下であり、さらに好ましくは、200℃以下であり、より好ましくは、160℃以下であり、特に好ましくは、140℃以下の範囲であり、著しく好ましくは100℃以下である。
本実施態様に係る方法を実施するにふさわしい圧力は、工業的な実現性の観点から、常圧状態から10気圧の範囲である。好ましい下限としては、1気圧である。好ましい上限としては、5気圧であり、さらに好ましくは、3気圧であり、より好ましくは、2気圧である。
また、反応槽は不活性ガスを使用することが好ましい。具体的には、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素であり、好ましくは、窒素、アルゴンである。
このような条件下にて、相分離系状態を混合することにより、エマルションを形成させる。すなわち上記で得られた相分離溶液に、剪断力を加えることにより、エマルションを生成させる。
エマルションの形成に際しては、ポリ乳酸系樹脂(A)溶液相が粒子状の液滴になるようにエマルションを形成させるが、一般に相分離させた際、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)溶液相の体積がポリ乳酸系樹脂(A)溶液相の体積より大きい場合に、このような形態のエマルションを形成させやすい傾向にあり、特にポリ乳酸系樹脂(A)溶液相の体積比が両相の合計体積1に対して0.5未満であることが好ましく、0.4〜0.1の間にあることが好ましい。
上記相図を作成する際に、各成分の濃度における体積比を同時に測定しておくことにより、適切な範囲を設定することが可能である。
本製造法で得られる微粒子は、粒子径分布の小さい微粒子になるが、これは、エマルション形成の段階において、非常に均一なエマルションが得られるからである。この傾向はポリ乳酸系樹脂(A)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)の両方を溶解する単一溶媒を用いる際に顕著である。このため、エマルションを形成させるに十分な剪断力を得るためには、従前公知の方法による攪拌を用いれば十分であり、攪拌羽による液相攪拌法、連続2軸混合機による攪拌法、ホモジナイザーによる混合法、超音波照射等通常公知の方法で混合することが出来る。
特に、攪拌羽による攪拌の場合、攪拌羽の形状にもよるが、攪拌速度は、好ましくは50rpm〜1,200rpm、より好ましくは、100rpm〜1,000rpm、さらに好ましくは、200rpm〜800rpm、特に好ましくは、300〜600rpmである。
攪拌羽としては、具体的には、プロペラ型、パドル型、フラットパドル型、タービン型、ダブルコーン型、シングルコーン型、シングルリボン型、ダブルリボン型、スクリュー型、ヘリカルリボン型などが挙げられるが、系に対して十分に剪断力をかけられるものであれば、これらに特に限定されるものではない。また、効率的な攪拌を行うために、槽内に邪魔板等を設置してもよい。
また、エマルションを発生させるためには、必ずしも、攪拌機だけでなく、乳化機、分散機など広く一般に知られている装置を用いてもよい。具体的に例示するならば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、超音波ホモジナイザー、スタティックミキサーなどが挙げられる。
このようにして得られたエマルションは、引き続き微粒子を析出させる工程に供する。
ポリ乳酸系樹脂(A)の微粒子を得るためには、ポリ乳酸系樹脂(A)に対する貧溶媒を、前記工程で製造したエマルションに接触させることでエマルション径に応じた径で、微粒子を析出させる。
貧溶媒とエマルションの接触方法は、貧溶媒にエマルションを入れる方法でも良いし、エマルションに貧溶媒を入れる方法でも良いが、エマルションに貧溶媒を入れる方法が好ましい。
この際、貧溶媒を投入する方法としては、本実施態様で製造するポリマー微粒子が得られる限り特に制限はなく、連続滴下法、分割添加法、一括添加法のいずれでも良いが、貧溶媒添加時にエマルジョンが凝集・融着・合一し、粒子径分布が大きくなったり、1000μmを超える塊状物が生成しやすくならないようにするために、好ましくは連続滴下法、分割滴下法であり、工業的に効率的に実施するためには、最も好ましいのは、連続滴下法である。
本実施態様において、貧溶媒を接触させる際の温度は、ポリ乳酸系樹脂微粒子が析出する範囲であれば特に制限はなく、下限値は、0℃以上、上限値は、300℃以下の範囲である。
温度が低すぎると、貧溶媒が固化し使用できなくなるため、10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。温度が高すぎると、ポリ乳酸系樹脂(A)やポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)などの熱劣化が進行しやすくなるため、200℃以下が好ましく、より好ましくは、100℃以下、さらに好ましくは、90℃以下である。
本実施態様において、融解エンタルピーが5J/g以上の結晶性のポリ乳酸系樹脂(A)を使用した場合、通常多孔質の形態のポリ乳酸系樹脂微粒子が製造されるが、貧溶媒の接触温度をポリ乳酸系樹脂(A)の結晶化温度以上にすることで、表面が平滑なポリ乳酸系樹脂微粒子に制御することも可能である。詳しい理由は不明であるが、結晶性のポリ乳酸系樹脂(A)を結晶化温度以上にすることで、溶融した非晶状態となるため、表面が平滑化すると考えられる。
尚、ポリ乳酸系樹脂(A)の結晶化温度とは、一度溶融したポリ乳酸系樹脂(A)を冷却する過程において、再度結晶化時に表れる温度を示す。測定方法は、示差走査熱量測定(DSC)にて、速度20℃毎分の条件で200℃まで昇温後、速度1℃毎分の条件で降温する際の吸熱容量を示すピーク頂点の温度のことである。また降温時にピークが現れない場合は、速度0.5℃毎分の条件で200℃まで昇温時の吸熱容量を示すピーク頂点の温度で測定可能である。
融解エンタルピーが5J/g以上の結晶性のポリ乳酸系樹脂(A)を使用する場合、平滑な表面形状のポリ乳酸系樹脂微粒子を製造するための具体的な貧溶媒の接触温度は、結晶化温度以上である。結晶化温度以上にすることで、より非晶な状態となり、平滑な表面のポリ乳酸系樹脂微粒子になりやすいため、上記で定義した結晶化温度+10℃が好ましく、より好ましくは上記で定義して結晶化温度+20℃であり、さらに好ましくは上記で定義した結晶化温度+30℃である。上限値は、特に制限はないが上記で定義した結晶化温度+100℃である。
また、貧溶媒を加える時間としては、10分以上50時間以内であり、より好ましくは、15分以上10時間以内であり、さらに好ましくは30分以上5時間以内である。
この範囲よりも短い時間で実施すると、エマルションの凝集・融着・合一に伴い、粒子径分布が大きくなったり、塊状物が生成したりする場合がある。また、これ以上長い時間で実施する場合は、工業的な実施を考えた場合、非現実的である。
この時間の範囲内で行うことにより、エマルションからポリマー微粒子に転換する際に、粒子間の凝集を抑制することができ、粒子径分布の小さいポリマー微粒子を得ることができる。
加える貧溶媒の量は、エマルションの状態にもよるが、好ましくは、エマルション総重量1質量部に対して、0.1質量部から10質量部、より好ましくは、0.1質量部から5質量部、さらに好ましくは、0.2質量部から3質量部であり、特に好ましくは、0.2質量部から2質量部であり、最も好ましくは、0.2質量部から1.0質量部である。
貧溶媒とエマルションとの接触時間は、微粒子が析出するのに十分な時間であればよいが、十分な析出を引き起こしかつ効率的な生産性を得るためには、貧溶媒添加終了後5分から50時間であり、より好ましくは、5分以上10時間以内であり、さらに好ましくは10分以上5時間以内であり、特に好ましくは、20分以上4時間以内であり、最も好ましくは、30分以上3時間以内である。
このようにして作られたポリマー微粒子分散液は、ろ過、減圧濾過、加圧ろ過、遠心分離、遠心ろ過、スプレードライ等の通常公知の方法で固液分離することにより、微粒子粉体を回収することが出来る。
固液分離したポリマー微粒子は、必要に応じて、溶媒等で洗浄を行うことにより、付着または含有している不純物等の除去を行い、精製を行う。
本実施態様の方法においては、微粒子粉体を得る際に行った固液分離工程で分離された高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)及びポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)は、再度活用するリサイクル化を行うことが可能であり、それを達成することが非常に容易である。
より具体的には、高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)とポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)は、いずれも高沸点であるため、固液分離工程で分離された「高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)とポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)と貧溶媒」の混合液から、特段複雑な分離操作を必要とすることなく、通常の留去により除去するだけで、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)と高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)を再度活用できることから、従来の方法よりも工程数を大幅に削減でき、産業上有益な方法といえる。
このシステムを実現できるようにしたその本質は、有機溶媒として高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)を用いる点にあり、エーテル系でない高沸点有機溶媒(C)で実現できることを立証したことにより、汎用性のある産業利用のしやすい溶媒の使用につながったものである。
具体的なリサイクルの方法としては、 固液分離で得た溶媒は、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)、高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)および貧溶媒の混合物である。この溶媒から、貧溶媒を除去することにより、エマルション形成用の溶媒として再利用することが出来る。貧溶媒を除去する方法としては、通常公知の方法で行われ、具体的には、単蒸留、減圧蒸留、精密蒸留、薄膜蒸留、抽出、膜分離などが挙げられるが、好ましくは単蒸留、減圧蒸留、精密蒸留による方法である。
単蒸留、減圧蒸留等の蒸留操作を行う際は、ポリマー微粒子製造時と同様、系に熱がかかり、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)や高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)の熱分解を促進する可能性があることから、極力酸素のない状態で行うことが好ましく、より好ましくは、不活性雰囲気下で行う。具体的には、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素条件下で実施することが好ましい。また、酸化防止剤としてフェノール系化合物を再添加しても良い。
リサイクルする際、貧溶媒は、極力除くことが好ましいが、具体的には、貧溶媒の残存量が、リサイクルする高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)及びポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)の合計量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは、3質量%以下、特に好ましくは、1質量%以下である。この範囲よりも超える場合には、微粒子の粒子径分布が大きくなったり、粒子が凝集したりするので、好ましくない。
リサイクルで使用する溶媒中の貧溶媒の量は、通常公知の方法で測定でき、ガスクロマトグラフィー法、カールフィッシャー法などで測定できる。
貧溶媒を除去する操作において、現実的には、高沸点有機溶媒(エーテル系有機溶媒を除く)(C)、ポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)などをロスすることもあるので、適宜、初期の組成比に調整し直すのが好ましい。
また、本実施態様の方法で得られる吸油量が高い多孔質形状のポリ乳酸系樹脂微粒子や、真球形状で平滑表面のポリ乳酸系樹脂微粒子は、産業上、各種用途で、極めて有用かつ実用的に利用することが可能である。具体的には、洗顔料、サンスクリーン剤、クレンジング剤、化粧水、乳液、美容液、クリーム、コールドクリーム、アフターシェービングローション、シェービングソープ、あぶらとり紙、マティフィアント剤などのスキンケア製品添加剤、ファンデーション、おしろい、水おしろい、マスカラ、フェイスパウダー、どうらん、眉墨、マスカラ、アイライン、アイシャドー、アイシャドーベース、ノーズシャドー、口紅、グロス、ほうべに、おはぐろ、マニキュア、トップコートなどの化粧品またはその改質剤、シャンプー、ドライシャンプー、コンディショナー、リンス、リンスインシャンプー、トリートメント、ヘアトニック、整髪料、髪油、ポマード、ヘアカラーリング剤などのヘアケア製品の添加剤、香水、オーデコロン、デオドラント、ベビーパウダー、歯磨き粉、洗口液、リップクリーム、石けんなどのアメニティ製品の添加剤、トナー用添加剤、塗料などのレオロジー改質剤、医療用診断検査剤、自動車材料、建築材料などの成形品への機械特性改良剤、フィルム、繊維などの機械特性改良材、ラピッドプロトタイピング、ラピッドマニュファクチャリングなどの樹脂成形体用原料、フラッシュ成形用材料、プラスティックゾル用ペーストレジン、粉ブロッキング材、粉体の流動性改良材、潤滑剤、ゴム配合剤、研磨剤、増粘剤、濾剤および濾過助剤、ゲル化剤、凝集剤、塗料用添加剤、吸油剤、離型剤、プラスティックフィルム・シートの滑り性向上剤、ブロッキング防止剤、光沢調節剤、つや消し仕上げ剤、光拡散剤、表面高硬度向上剤、靭性向上材等の各種改質剤、液晶表示装置用スペーサー、クロマトグラフィー用充填材、化粧品ファンデーション用基材・添加剤、マイクロカプセル用助剤、ドラッグデリバリーシステム・診断薬などの医療用材料、香料・農薬の保持剤、化学反応用触媒およびその担持体、ガス吸着剤、セラミック加工用焼結材、測定・分析用の標準粒子、食品工業分野用の粒子、粉体塗料用材料、電子写真現像用トナーなどに用いることができる。
また、ポリ乳酸系樹脂微粒子は、非石化原料由来の原料であり、環境低負荷な材料としての特性を有することから、従来使用されていたポリマー微粒子を代替する可能性があり、上記の樹脂成形体、フィルム、繊維などの具体的用途としては、例えば、電気機器のハウジング、OA機器のハウジング、各種カバー、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、各種端子板、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスクなどの音声機器部品、カメラ、VTR、プロジェクションTVなどの撮影用レンズ、ファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズなどの映像機器関連部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、各種ディスク基板保護フィルム、光ディスクプレイヤーピックアップレンズ、光ファイバー、光スイッチ、光コネクターなどの情報機器関連部品、液晶ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、プラズマディスプレイの導光板、フレネルレンズ、偏光板、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、視野角拡大フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、プリズムシート、タッチパネル用導光フィルム、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、エンジンオイルフィルターおよび点火装置ケースなどが挙げられ、これら各種の用途にとって極めて有効である。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)融解エンタルピー、結晶化温度の測定
示差走査熱量計(セイコーインスツル社製 ロボットDSC RDC220)を用い、窒素雰囲気下、20℃/分の昇温速度で200℃まで測定し、160℃付近の融解熱容量を示すピーク面積から算出した。
また、結晶化温度は、上記装置にて、200℃まで同条件で昇温した後に、1℃/分の降温速度で測定し、80℃〜130℃付近に現れる降温結晶化温度ピークの頂点温度を結晶化温度とした。
(2)重量平均分子量
(i)ポリ乳酸系樹脂の分子量測定
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)による校正曲線と対比させて分子量を算出した。
装置:ウォーターズ社製 LCシステム
カラム:昭和電工株式会社製 HFIP−806M×2本
移動相:トリフルオロ酢酸ナトリウム10mmol/L ヘキサフルオロイソプロパノール溶液
流速:1.0ml/min
検出:示差屈折率計
カラム温度:30℃
(ii)ポリ乳酸系樹脂とは異なるポリマーの分子量測定
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリエチレングリコールによる校正曲線と対比させて分子量を算出した。
装置:株式会社島津製作所製 LC−10Aシリーズ
カラム:昭和電工株式会社製 GF−7MHQ ×2本
移動相:10mmol/L 臭化リチウム水溶液
流速:1.0ml/min
検出:示差屈折率計
カラム温度:40℃
(3)平均粒子径および粒子径分布測定方法
微粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径をその平均粒子径とする。体積平均粒子径及び粒子径分布指数は、日機装(株)社製 レーザ粒度分布装置 Microtrac S3500 によって測定した。測定する時に、ポリ乳酸系樹脂微粒子粉末を水に超音波分散させて、測定した。
粒子径分布指数=体積平均直径/数平均直径(体積平均直径及び数平均直径が機器によって直接読み取られる)
(4)微粒子形態観察
微粒子サンプルの形態観察には、日本電子株式会社(JEOL) JSM−6700F型の走査型電子顕微鏡を使用した。
(5)アマニ油吸油量の測定
ポリ乳酸系樹脂微粒子の多孔度の指標である、吸油性の評価にあたっては、GB5211.15−88(日本工業規格(JIS規格) JIS K5101と同等)“顔料試験方法 精製あまに油法”を用いた。ポリ乳酸系樹脂微粒子約100mgを時計皿の上に精秤し、精製アマニ油(関東化学株式会社製)をビュレットで1滴ずつ徐々に加え、パレットナイフで練りこんだ。試料の塊ができるまで滴下−練りこみを繰り返し、ペーストが滑らかな硬さになった点を終点とした。滴下に使用した精製アマニ油の量から吸油量(ml/100g)を算出した。
(6)原材料
1)ポリ乳酸
下記のものを使用した。
ポリ乳酸 #1
L/D=88/12、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=0J/g、SP値23.14(J/cm1/2
ポリ乳酸 #2
L/D=95.75/4.25、Mw(PMMA換算)15万、融解エンタルピー=28.6J/g、SP値23.14(J/cm1/2
2)ヒドロキシプロピルセルロース
TCI上海化成工業発展有限公司から購入した。
3)使用溶媒
スルホランおよびメタノール:国薬集団化学試薬有限公司から購入した。 その他は、特に記載がない限り、市販の一級試薬を使用した。
実施例1
250mlの反応容器に0.75gポリ乳酸(#1のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量12%)、1.25gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、23.0gスルホラン(沸点285℃、101.3kPa、SP値:27.4MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物が溶解するまで撹拌する。その後0.42g/分の速度で前記反応容器に対して、25g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水100gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末0.66gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、球状に呈し且つ表面には孔がなく(図1)、体積平均直径が4μm、粒子径分布指数が1.2である。
実施例2
250mlの反応容器に0.75gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、1.25gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、23.0gスルホラン(沸点285℃、101.3kPa、SP値=27.4MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物が溶解するまで撹拌する。その後0.42g/分の速度で前記反応容器に対して25g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水100gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末0.65gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、不規則状多孔構造に呈し(図2)、体積平均直径が3μm、粒子径分布指数が1.2、空隙率が45%、吸油量が105mL/100gである。
実施例3
250mlの反応容器に0.75gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、1.25gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、23.0gジメチルホルムアミド(沸点153℃、101.3kPa、SP値:24.8MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物が溶解するまで撹拌する。その後0.42g/分の速度で前記反応容器に対して25g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水100gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末0.66gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、不規則状多孔構造に呈し、体積平均直径が18.7μm、粒子径分布指数が2.3であった。
実施例4
1000mlの反応容器に5gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、5gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、90.0gジメチルホルムアミド(沸点153℃、101.3kPa、SP値:24.8MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物が溶解するまで撹拌する。その後0.50g/分の速度で前記反応容器に対して100g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水500gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末4.6gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、不規則状多孔構造に呈し、体積平均直径が18.1μm、粒子径分布指数が2.2、吸油量が375mL/100gである。
実施例5
1000mlの反応容器フラスコに、5gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、5gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、90.0gジメチルホルムアミド(沸点153℃、101.3kPa、SP値:24.8MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物が溶解するまで撹拌する。その後1.60g/分の速度で前記反応容器に対して100g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水500gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末4.7gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、不規則状多孔構造に呈し、体積平均直径が12.1μm、粒子径分布指数が1.7、吸油量が390mL/100gである。
実施例6
250mlの反応容器に0.75gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、1.25gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、23.0gジメチルアセトアミド(沸点165.5℃、100.8kPa、SP値:22.1MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物が溶解するまで撹拌する。その後0.42g/分の速度で前記反応容器に対して25g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水100gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末0.70gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、不規則状多孔構造に呈し、体積平均直径が2.5μm、粒子径分布指数が1.52であった。
実施例7
250mlの反応容器に、1.25gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、1.25gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、22.5gジメチルホルムアミド(沸点165.5℃、100.8kPa、SP値:22.1MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物を6時間かけて溶解した。その後0.42g/分の速度で前記反応容器に対して25g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水100gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末1.20gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、不規則状多孔構造に呈し、体積平均直径が2.6μm、粒子径分布指数が1.72であった。
実施例8
1000mlの反応容器に、3gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、5gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、92.0gジメチルアセトアミド(沸点165.5℃、100.8kPa、SP値:22.1MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物が溶解するまで撹拌する。その後1.67g/分の速度で前記反応容器に対して100g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水500gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末2.7gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、不規則状多孔構造に呈し、体積平均直径が3.8μm、粒子径分布指数が1.55、吸油量が188mL/100gである。
実施例9
250mlの反応容器に、1.26gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、1.25gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、22.5gN−メチルピロリドン(沸点204℃、100.8kPa、SP値:23.1MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物を2時間かけて溶解した。その後0.42g/分の速度で前記反応容器に対して25g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水100gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末1.17gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、不規則状多孔構造に呈し、体積平均直径が4.3μm、粒子径分布指数が1.33であった。
実施例10
1000mlの反応容器に、5gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、5gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、90.0gジメチルスルホキシド(沸点189℃、101.3kPa、SP値:29.7MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物が溶解するまで撹拌する。その後前記反応容器を55℃の温度に下げ、1.67g/分の速度で100g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水500gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末4.7gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、不規則状多孔構造に呈し、体積平均直径が7.6μm、粒子径分布指数が1.29、吸油量が290mL/100gである。
実施例11
1000mlの反応容器に、5gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、5gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、90.0gジメチルスルホキシド(沸点189℃、101.3kPa、SP値:29.7MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物が溶解するまで撹拌する。その後前記反応容器を45℃の温度に下げ、1.67g/分の速度で100g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水500gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末4.8gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、不規則状多孔構造に呈し、体積平均直径が14.4μm、粒子径分布指数が1.89、吸油量が375mL/100gである。
実施例12
1000mlの反応容器に、5gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、5gヒドロキシプロピルセルロース(3〜6mPa・s、20℃時2%の水溶液)、90.0gジメチルスルホキシド(沸点189℃、101.3kPa、SP値:29.7MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度で重合物が溶解するまで撹拌する。その後前記反応容器を35℃の温度に下げ、1.67g/分の速度で100g脱イオン水を滴下する。滴下完了後、得た懸濁液をろ過し、脱イオン水500gで洗浄を行い、ろ過して、得られたろ過物を45℃下で12時間真空乾燥を行って、白色ポリ乳酸粉末4.5gを得る。得られた粉末を走査電子顕微鏡で観察し、不規則状多孔構造に呈し、体積平均直径が13.9μm、粒子径分布指数が1.70、吸油量が325mL/100gである。
比較例1
250mlの反応容器に1.25gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、22.5gメタノール(沸点64.7℃、101.3kPa SP値:29.7MPa1/2)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度でポリ乳酸が溶解するまで撹拌した。しかし、ポリ乳酸を溶解させることは出来なかった。
比較例2
250mlの反応容器に1.25gポリ乳酸(#2のポリ乳酸 D−乳酸質量含有量4.25%)、22.5gジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃、101.3kPa)を加え、80℃まで加熱し、且つ450rpmの速度でポリ乳酸が溶解するまで撹拌する。その後0.42g/分の速度で前記体系に対して25g脱イオン水を滴下する。結果、粗大な固まり物が生成され、粒状物が得られなかった。
図1、2は、それぞれ実施例1、2により得られたポリ乳酸系樹脂微粒子の走査電子顕微鏡写真であり、実施例1では、微粒子の形態が、球状であり、また実施例2では不規則状を呈し、構造が多孔状であることが図から見られる。
図3は、実施例1より得られた、ポリ乳酸系樹脂微粒子の粒子径分布曲線であり、体積平均径(Mv)及び数平均直径(Mn)が機器により直接測定されて曲線に表示される。
本発明に係るポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法により得られるポリ乳酸系樹脂微粒子は、各種改質剤や医療用診断検査剤、各種材料の成形品への添加剤として利用可能である。

Claims (9)

  1. ポリ乳酸系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(A)とは異なるポリマー(B)とエーテル系有機溶媒でない高沸点有機溶媒(C)とを溶解混合し、ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする溶液相と、ポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、エマルジョンを形成させた後、ポリ乳酸系樹脂(A)の貧溶媒を接触させることにより、ポリ乳酸系樹脂(A)の微粒子を析出させることを特徴とするポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  2. ポリ乳酸系樹脂(A)のD−乳酸ユニットの質量含有率が、1.2%以上11%未満であるか、またはポリ乳酸系樹脂(A)のL−乳酸ユニットの質量含有率が、1.2%以上11%未満である、請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  3. ポリ乳酸系樹脂(A)のD−乳酸ユニットの質量含有率が、11%以上50%未満であるか、またはポリ乳酸系樹脂(A)のL−乳酸ユニットの質量含有率が、11%以上50%未満である、請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  4. 高沸点有機溶媒(C)の沸点が110℃以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  5. 高沸点溶剤(C)の溶解度パラメータが15MPa1/2〜30MPa1/2である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  6. 高沸点溶剤(C)が、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジンおよびイミダゾール類イオン液体のいずれか1種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  7. 前記貧溶媒が、水またはアルコール系溶剤である、請求項1〜6のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  8. ポリマー(B)が水溶性ポリマーである、請求項1〜7のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
  9. ポリマー(B)が、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルアルコール−エチレン)重合体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリ(無水マレイン酸)、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンおよびポリ4級アンモニウム塩のいずれか1種以上である、請求項8に記載のポリ乳酸系樹脂微粒子の製造方法。
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