JP2002275272A - 微粒子状着色樹脂の製造方法、微粒子状着色樹脂および物品の着色方法 - Google Patents

微粒子状着色樹脂の製造方法、微粒子状着色樹脂および物品の着色方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真用現像剤、インキジェットプリンテ
ィング用インキなどの画像記録材料、印刷インキあるい
は粉体塗料やスラリー塗料用の着色剤として有用な着色
微粒子の提供。 【解決手段】 熱溶融性樹脂中に少なくとも色素が均一
に分散または溶解してなる着色樹脂を溶融状態とする工
程、該溶融状態の着色樹脂を該着色樹脂を溶解しない媒
体中で液滴状微粒子とする工程、および該液滴状微粒子
を冷却固化する工程を有することを特徴とする微粒子状
着色樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子状着色樹脂
の製造方法、微粒子状着色樹脂およびそれを用いた物品
の着色方法に関し、さらに詳しくは大量生産のために合
理化された製造工程によって、経済的に微粒子状着色樹
脂を製造することができる方法、特に電子写真用現像
剤、インキジェットプリンティング用インキなどの画像
記録材料、印刷インキあるいは粉体塗料やスラリー塗料
用の着色剤として有用な微粒子状着色樹脂の提供を目的
とする。
【0002】
【従来技術】従来、電子写真用乾式現像剤(以下単に現
像剤という場合がある)は、現像剤用樹脂と色素あるい
はさらに荷電制御剤などの内添剤とを計量、混合および
混練して、上記成分を樹脂中に溶解あるいは分散させて
得られる着色樹脂を、クラッシャーなどで粗粉砕した
後、ジェットミルなどの微粉砕機を使用して微粉砕し、
風力分級機で粗粒および微粉をカットする、いわゆる破
砕造粒法によって製造されている。
【0003】上記の製造方法において、樹脂の粉砕、各
バッチ毎の材料の計量、タンブラーやヘンシルミキサー
などでの混合などの製造工程は、特開平11−4986
4号公報で、樹脂を押出成形機に供給し、色素類を自動
計量装置を経由して押出成形機に供給し、押出成形機中
にて色素類と溶融状態の樹脂とを混練することにより改
良し得ることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た破砕造粒方法は、使用するジェットミルなどの微粉砕
機や風力分級機などの製造機械が非常に高価であるとい
う難点がある。また、現像剤は、オフィスオートメイシ
ョン機器の普及により様々な環境で使用されるようにな
り、それらに対応してブロッキング防止対策など、現像
剤の保存性向上のために、樹脂のガラス転移点の高温
化、および画質の高精細化への要望から、現像剤の粒度
の微細化への移行などに対応して製造条件の変更や、よ
り厳密な製造条件の管理が必要となってきた。
【0005】そのために必要成分の粉砕機への投入量の
コントロール、製品の粒径を小さく、粒度分布の幅を狭
くする必要から、生産性の低下をもたらすなど、目標と
する製品を効率よく安価に製造することが困難になって
きた。さらには、それらの製造条件が既存の設備で対応
できない場合には、新規な製造機械への変更や導入も必
要となるなど、経済的にも問題があった。また、破砕造
粒法による現像剤の粒子は不定形な破砕粒状で、表面電
荷の分布も不均一であり、懸濁重合法などによる球形状
現像剤に比べ、現像剤としての性能が不充分である残留
微粉も多く発生し、不経済であった。
【0006】本発明者らはかかる問題点が解決し、大量
生産が可能で、経済的かつ合理的な方法で、形状が揃
い、かつ性状が均質な微粒子状着色樹脂の製造方法を開
発すべく鋭意検討を進めた結果、着色樹脂を溶融状態で
不溶性媒体中で液滴状にし、引き続き液滴を冷却および
固化することで、着色樹脂を微粒子化し、次いで濾過、
洗浄および乾燥することにより、球状の微粒子状着色樹
脂が得られることを見出した。また、この方法は、上記
した従来の各種微粉砕および分級工程を必要とせずに、
合理化された製造工程にて均質な球状の微粒子状着色樹
脂(例えば、電子写真用乾式現像剤)を大量生産するこ
とができ、経済的にも優れていることを見い出した。本
発明者らはかかる知見に基づき、微粒子状着色樹脂、特
に電子写真用現像剤の提供を目的としてさらに検討を重
ねた結果、本発明を完成するに至った。なお、本発明に
おいて「不溶性液媒体」または「不溶性媒体」とは、着
色樹脂を実質的に溶解しない液体または気体を意味す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、熱
溶融性樹脂(バインダー樹脂)中に少なくとも色素が均
一に分散または溶解してなる着色樹脂を溶融状態とする
工程、該溶融状態の着色樹脂を該着色樹脂を溶解しない
不溶性媒体中で液滴状微粒子とする工程、および該液滴
状微粒子を冷却固化する工程を有することを特徴とする
微粒子状着色樹脂(以下単に「着色微粒子」という場合
もある)の製造方法、着色微粒子およびそれを用いた物
品の着色方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳しく説明する。本発明における着色樹
脂は、従来公知の、特に画像記録材料あるいは粉体塗料
やスラリー塗料用として使用されてきた樹脂と少なくと
も色素とからなる。さらに詳しくは本発明における着色
樹脂は、その樹脂が熱溶融性樹脂であり、これに色素あ
るいはさらに荷電制御剤、ワックス、架橋剤、光安定
剤、紫外線吸収剤などの内添剤を均一に分散または溶解
させてなる。以下では、色素または色素と内添剤などを
色素類と総称する。
【0009】本発明において着色樹脂を微粒子化する方
法は、溶融状態の着色樹脂を、不溶性媒体中で液滴状微
粒子となし、次いで冷却および固化させることが特徴で
あり、従来技術のような破砕工程や分級工程を必須とし
ない微粒子化方法である。このような方法としては、例
えば、次のような方法が挙げられる。 (1)溶融状態の着色樹脂を不溶性液媒体中に、液滴状
微粒子状にエマルジョン分散させた後、冷却して、溶融
状態の着色微粒子を固化させる方法(以下「エマルジョ
ン微粒子化法」と称する。)、(2)溶融状態の着色樹
脂を、冷却された不活性液媒体または気体中に吐出、飛
散または噴霧させ、生成した微粒子状液滴を冷却固化す
る方法(以下「飛散冷却微粒子化法」と称する。)、お
よび上記の各方法を組み合わせた方法などが挙げられ
る。
【0010】溶融した着色樹脂を液滴にする工程では、
溶融着色樹脂をできるだけ低粘度にすることが必要であ
り、そのためには樹脂が分解しない範囲の温度でかつ樹
脂の軟化温度よりさらに温度を高くして樹脂の結晶を完
全に融解することが望ましく、また、冷却固化工程では
生成した微粒子状液滴を融合させることなく、冷却およ
び固化させるために、できるだけ低温に冷却することが
望ましい。例えば、着色樹脂の液滴化工程では不溶性媒
体の温度は凡そ80℃〜200℃、好ましくは凡そ10
0℃〜160℃とし、固化工程では凡そ−10℃〜20
℃、好ましくは凡そ0℃〜10℃とする。
【0011】着色樹脂を液滴にする際には、生成した液
滴の融合を防止するために、不溶性液媒体中にコロイダ
ルシリカ、無機塩類、高分子保護コロイドなどを融合防
止剤として添加することも好ましい。また、生成した着
色微粒子を濾過、洗浄および乾燥するが、必要に応じて
製造工程中で、粗大粒子や凝集した微粒子が生成した場
合には、それらを砕くために破砕機や粉砕機などを使用
したり、粗大粒子や微粉を自動篩機や分級機などを使用
して分離および除去することも好ましい。上記の溶融し
た着色樹脂の液滴化、固化、破砕、分級などは以下に述
べる方法にも共通に適用される。同様に、着色樹脂の溶
融は常圧下であっても加圧下であってもよい。
【0012】上記の各方法で使用される不溶性液媒体
は、着色樹脂を実質的に溶解しない貧溶媒または不溶性
溶媒である。具体的には、液媒体で特に好ましい例とし
ては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどのグリコール類、それらのモノおよびジアルキル
エーテル、モノおよびジカルボン酸エステル、モノアル
キルエーテルモノカルボン酸エステルなどの誘導体;グ
リセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン類;シリコー
ンオイル類;ミネラルターペン、ケロシン、白灯油や
「アイソパー」(エクソン化学社製)、「シェルソー
ル」(シェルジャパン社製)、「ハイゾール」(日本石
油化学社製)などの商品名の炭化水素系溶媒類;高級脂
肪酸エステル、高級脂肪酸トリグリセライド、植物油
類;水;水−アルコール、水−ケトン、水−グリコール
エーテルなどの水と水溶性有機溶媒との混合媒体などが
挙げられる。一方、気体媒体としては常温の空気、水あ
るいは冷媒で冷却された空気、液体窒素あるいはドライ
アイスによる冷却気体を混入して冷却した空気などが挙
げられる。
【0013】以下に上記の各方法を詳細に説明する。
(1)の「エマルジョン微粒子化法」としては次のよう
な態様が挙げられる。 (a)不溶性液媒体中で溶融状態の着色樹脂を高速攪拌
または衝撃力で液滴状微粒子状に分散させ、冷却および
固化して微粒子化する方法。この方法では、強力なずり
応力を与えて着色樹脂を破壊および分散させる。装置と
しては、高速攪拌乳化機、高圧衝突乳化機、耐圧高速攪
拌機、押出機などの如く従来から使用されている乳化機
が挙げられる。
【0014】これらの装置における攪拌羽根の回転数
は、得られる着色微粒子に要求される粒径、着色樹脂の
溶融粘度、不溶性液媒体の粘度などの状況によって変わ
り、一概に規定することはできないので、その都度予備
検討が必要である。例えば、着色微粒子に要求される粒
径が7μm〜10μmである場合には、回転数は、凡そ
6,000〜20,000rpm、好ましくは凡そ7,
000〜15,000rpmを目安にして、光学顕微鏡
や粒度分布測定器で、生成した着色微粒子の粒径を確認
しながら分散処理を進めるのが好ましい。
【0015】(b)溶融状態の着色樹脂を、多孔質体の
細孔を通じて不溶性媒体中に吐出させ、液滴状微粒子状
に分散させ、冷却および固化する方法。この方法で使用
する多孔質体としては、希望する粒径の微粒子を調製し
得る開口部を有する各種の多孔質膜が使用される。多孔
質膜の材質の物性、強度および化学的堅牢性としては、
製造時、常圧または加圧での加熱条件下で変形したり、
破損したりせず、また、使用される不溶性液媒体や溶融
した着色樹脂に対しても化学的に安定で、不活性な材質
であることが必要である。具体的には、多孔質ステンレ
ス膜、多孔質真鍮膜、ステンレス製金網、真鍮製金網、
多孔質ガラス膜、シラス多孔質ガラス、多孔質セラミッ
クスなどが挙げられる。
【0016】多孔質膜の開口部の大きさは、特に制限さ
れず、着色樹脂の溶融粘度、吐出速度や不溶性液媒体の
粘度などに依存するが、着色樹脂の溶融物の液滴粒子は
概して多孔質膜の開口部の口径より大きくなるので、着
色微粒子に要求される粒径よりやや小さい開口部を有す
るものを使用する。例えば、開口部の大きさは、得られ
る着色微粒子の粒径の1/2〜1/5、好ましくは1/
3〜1/4位の大きさである。得られる着色微粒子の平
均粒径を7〜10μmとすると、凡そ1.5〜3μmの
口径が望ましい。この際に上記の(a)の方法との併用
で、多孔性ステンレス製円筒を回転翼の周りに備えた高
速攪拌乳化機を使用する方法や、予め高速攪拌乳化機や
高圧衝撃乳化機を使用して粗乳化分散しておいてもよ
い。
【0017】(c)溶融状態の着色樹脂中に、不溶性液
媒体(水)を液滴状に分散した水相/油相型(W/O)
の分散液を調製し、さらに不溶性液媒体(水)を供給す
ることにより、水相/油相型の分散液を逆相に転換して
不溶性媒体(水)中に液滴状微粒子を分散させ、冷却お
よび固化する方法。この方法では、先ず油中水滴(W/
O)型エマルジョンを調製し、このエマルジョンにさら
に水を供給して水中油滴(O/W)型エマルジョンにす
る。この方法に使用する装置としては、前記(a)にお
ける高速攪拌乳化機や押出機などが挙げられる。
【0018】前記(2)の「飛散冷却微粒子化法」とし
ては次の態様が挙げられる。 (a)熱溶融式インキジェットプリンターのヘッドの吐
出部に類似した吐出装置を使用し、溶融状態の着色樹脂
を圧力、電気力、磁気力、あるいはガスの発生などの作
用によりノズルから溶融樹脂を吐出して微細化した液滴
を冷却した不溶性媒体中に吐出させ、固化して微粒子化
する方法。この方法では、例えば、圧電素子の作用によ
る脈動を利用したノズルヘッドを使用する。冷却した不
溶性媒体としては空気、窒素ガス、ドライアイスからの
冷却気体あるいは上記の不溶性液媒体などを使用する。
【0019】(b)噴霧冷却造粒装置に類似した製造装
置を使用する方法。この方法では溶融状態の着色樹脂
を、回転円板式や加圧ノズル式、二流体ノズル式などの
噴射ノズルに供給し、直接にあるいはさらに高速回転す
るディスクに当てて液滴をさらに微細化して、冷却した
不溶性媒体中に飛散または噴霧させて、液滴状微粒子を
冷却および固化する。冷却した不溶性媒体としては、前
記(a)と同様な冷却気体や不溶性液媒体が使用され
る。
【0020】上記(1)の「エマルジョン微粒子化法」
および前記(2)の「飛散冷却微粒子化法」において、
溶融状態の着色樹脂の粘度を下げるため、あるいは液滴
を小さくすることを容易にするため、不溶性液媒体に相
溶性を有する高沸点の溶剤を添加することもできる。該
高沸点溶剤は着色樹脂を溶解する溶剤でもよいし、不溶
性の溶剤でもよい。不溶性液媒体を使用することは前記
(1)の方法では多段のエマルジョン化になる。
【0021】上記した各方法により得られた着色微粒子
は、不溶性媒体中における着色樹脂の溶融液滴の表面張
力の関係で、球状または楕円球状になり、粒径も事前の
条件設定および工程上で制御できることから、比較的均
質かつ均一な形状を有する。従って本発明の方法で得ら
れる着色微粒子は、電子写真用現像剤や粉体塗料などの
用途において、その帯電性などの電気的性質や画像記録
材料や塗料としての性質は、従来技術の破砕造粒した異
形の微粒子を用いたものに比べて優れている。
【0022】本発明で使用する熱溶融性樹脂としては、
従来から前記の如き各種用途で使用されている縮合重合
系樹脂、付加重合系樹脂およびそれらの混合物が使用さ
れる。特に炭化水素環を有する縮合重合系樹脂は、その
炭化水素環による結晶性により比較的低分子量であって
も高いガラス転移点を示し、比較的低分子量であること
から溶融粘度も低く、非常に好ましい樹脂である。
【0023】上記した高ガラス転移点と低溶融粘度を有
する縮合重合系樹脂としては、特にベンゼン環、ナフタ
レン環などの芳香族環やシクロヘキサン環などの脂環式
環などの炭化水素環を有するポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂などが好ましい樹脂として挙げられる。芳香族環
または脂環式環を有するポリエステル樹脂は、それらの
環を有するジオールおよび/またはそれらの環を有する
ジカルボン酸を主原料として得られるポリエステル樹脂
である。
【0024】芳香族環または脂環式環を有するジオール
としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールSなどのビスフェノール類のアルキ
レン(C2〜C4)オキサイド付加物、それらの水素添
加物、p−キシレングリコール、ビス(ヒドロキシエト
キシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ
る。
【0025】また、芳香族環または脂環式環を有するジ
カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸、メチルナジック酸など
およびそれらの低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物
および酸無水物などが挙げられる。
【0026】これらの芳香族環または脂環式環を有する
ジオールとともに使用し得る脂肪族ジカルボン酸として
は、例えば、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバ
シン酸、アゼライン酸などが挙げられ、芳香族環または
脂環式環を有するジカルボン酸とともに使用し得る脂肪
族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、へキシレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0027】これらの芳香族環または脂環式環を有する
ポリエステル樹脂は、ガラス転移点が約50℃以上、特
に好ましくは50〜65℃、軟化点が約100〜150
℃、好ましくは100〜130℃であり、溶融温度幅の
狭いシャープ・メルト性の常温で固体の樹脂である。ま
た、樹脂の好ましい重量平均分子量は、約1,000〜
50,000、好ましくは3,000〜10,000で
ある。
【0028】エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどの
ビスフェノール類のポリグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂、それらのエステル誘導体などが挙げられる。エポ
キシ樹脂の好ましい重量平均分子量は、約1,000〜
50,000、好ましくは3,000〜10,000で
ある。
【0029】付加重合系樹脂としては、高ガラス転移点
で、比較的低分子量の(共)重合体が挙げられる。例え
ば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−マレイン酸エステル共重合体、メタクリル酸
エステル共重合体、メタクリル酸エステル−アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体など
が挙げられる。これらの付加重合系樹脂としては、従来
の乾式現像剤の製造において破砕−分級法に使用されて
いる平均分子量の比較的低い共重合体を使用する。な
お、付加重合系樹脂を使用した従来の球状の乾式現像剤
としては、懸濁重合法を用いたいわゆる重合法トナーが
あるが、懸濁重合法の特性から、付加重合系樹脂は分子
量が高くなる。
【0030】上記した本発明の着色微粒子の製造方法に
おいては、着色樹脂が溶融し、それぞれの微粒子化方法
に適する溶融粘性状態、すなわち、溶融粘度を有するこ
とが大切である。着色樹脂およびそれに使用する樹脂の
溶融粘度は、測定方法によって数値が異なることもある
が、本発明においては、キャピラリー中の熱溶融樹脂の
流下によって溶融特性を測定する方法であるJIS K
7199「熱可塑性プラスチックのキャピラリーレオメ
ーターによる流れ特性試験方法」に基づいて設計・製作
された「キャピログラフ1C」(東洋精機製作所製)を
使用し、下記の測定条件で測定した溶融粘度(Pa・
s)である。
【0031】キャピログラフ1Cにおける押出速度(ピ
ストンスピード)とそれから導き出されたずり速度との
関係を表1に示した。
【0032】本発明において、電子写真用乾式現像剤用
に使用される樹脂の例としての熱溶融性ポリエステル樹
脂(R−1〜R−6)の単量体とGPC法によるポリス
チレン換算の重量平均分子量(Mw)および熱的性質
(ガラス転移点Tgおよび融点Tm)を表2に示した。
【0033】
【0034】(注) BPA−EO:ビスフェノールA−エチレンオキシド付
加物 BPA−PO:ビスフェノールA−プロピレンオキシド
付加物 CHDM:シクロヘキサンジメタノール Mw:重量平均分子量 Tg:示差走査熱量測定装置で測定したガラス転移点 Tm:示差走査熱量測定装置で測定した融点
【0035】樹脂の組成および樹脂物性と溶融温度との
関係を見るために、上記の熱溶融性ポリエステル樹脂
(R−1〜R−6)の120℃〜160℃での溶融粘度
の測定し、結果を下記表3に示した。
【0036】
【0037】上記の測定データから、樹脂の溶融粘度に
最も大きく影響するのは温度条件であり、溶融温度の下
限に近い低い温度では溶融物は高粘度であるとともに異
常な粘性を示し、正常な溶融粘度を与えるにはそれより
高い温度が必要である。温度を上げるに従い溶融粘度は
著しく低下しかつ安定してくる。
【0038】分子量による樹脂の性状や物性などの影響
をみると、平均分子量の低い樹脂は低い温度で溶融す
る。軟化点の低い樹脂は、より低い温度で粘度が低く安
定化する。高い温度ではガラス転移点が粘度に大きく影
響している。ガラス転移点の高い樹脂は、溶融粘度を下
げるのにより高い温度が必要である。
【0039】また、着色樹脂の溶融粘度は、樹脂のその
温度における溶融粘度に大きく依存するが、添加される
顔料や荷電制御剤などによっても影響され、着色樹脂ご
とに数値が異なる。従って着色樹脂を微粒子化するに当
たっては、着色樹脂を調製し、例えば、上記した「キャ
ピログラフ1C」によって溶融温度と押出速度を変化さ
せて溶融粘度を測定する。溶融粘度は微粒子化方法によ
っても異なり、一概に規定することはできないが、溶融
粘度としては凡そ1〜500Pa・s、好ましくは1〜
100Pa・sの粘度範囲に入るような温度を決め、そ
の温度条件で溶融した着色樹脂を上記した方法に従って
微粒子化することが好ましい。温度条件としては、例え
ば、凡そ80℃〜180℃、好ましくは90℃〜160
℃である。
【0040】着色樹脂は、上記した樹脂に色素類を添加
することによって製造されるが、製造方法は特に限定さ
れない。例えば、特開平11−49864号公報で提案
されている、樹脂を押出成形機に供給し、一方、色素類
を自動計量装置を経由して押出成形機に供給し、押出成
形機中にて色素類と溶融状態の樹脂とを混練する製造方
法が挙げられる。
【0041】また、樹脂が、特にポリエステル樹脂など
の縮合重合反応による樹脂の場合には、例えば、特開平
11−46894号公報で提案されているような合理化
された製造方法を用いることができる。この方法では、
樹脂合成の各段階、すなわち、原料成分中に、重合反応
中の樹脂中に、重合終了後の溶融状態にある樹脂中に、
または反応釜から取り出した溶融状態の樹脂中に色素類
を溶解または分散させる。重合反応が途中の場合にはさ
らに反応を進めて重合を完結させる。これらの方法で得
られる着色樹脂は、引き続き前記したような方法により
不溶性媒体中で微粒子化することができる。
【0042】本発明における着色微粒子の製造方法とし
ては、特に、縮合重合反応後のポリエステル樹脂を溶融
状態のままで、または微粉状態で自動計量装置を経由し
て押出成形機に供給し、色素類を自動計量装置を経由し
て押出成形機に供給して色素類などを樹脂中に内添させ
る方法が好ましい。引き続き、得られた着色樹脂を前記
の不溶性媒体中で微粒子化することが、製造工程上最も
合理的かつ経済的である。
【0043】本発明に使用する色素類は、色素以外に荷
電制御剤、強磁性材料、ワックス類、架橋剤、光安定
剤、紫外線吸収剤などの内添剤を含む。これらの種類お
よび使用量は特に限定されない。色素としては有彩色ま
たは黒色の油溶性染料、分散性染料、有機顔料、カーボ
ンブラック顔料および無機顔料、微細強磁性材料、白色
の有機顔料および無機顔料から選ばれた色素が挙げられ
る。例えば、アゾ顔料、高分子量アゾ顔料、アゾメチン
基を含むアゾ顔料、アゾメチン顔料、アンスラキノン顔
料、フタロシアニン顔料、ペリノン・ペリレン顔料、イ
ンジゴ・チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、キナク
リドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔
料、ジケトピロロピロール顔料、キノフタロン顔料、金
属錯体顔料、アニリンブラック系などの有機顔料、酸化
鉄顔料、複合酸化物顔料、酸化チタン顔料などの無機顔
料などが挙げられる。
【0044】また、電子写真現像剤における内添剤の荷
電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属錯体、アゾ
染料金属錯体、カチオン化合物などが挙げられる。ま
た、強磁性材料としては、例えば、黒色や茶色あるいは
赤褐色の磁性酸化鉄および磁性金属などから選ばれた従
来公知の微細強磁性材料が挙げられる。ワックス類とし
ては、高級脂肪酸エステル系のパルミチン酸ステアリ
ル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ス
テアリン酸ベヘニル、ベヘニン酸ステアリル、ヒドロキ
システアリン酸グリセライドなど;パラフィンワックス
類;ポリエチレンオリゴマー、エチレン共重合体オリゴ
マー、ポリプロピレンオリゴマーなどの従来公知のワッ
クス類が挙げられる。また、粉体塗料などの用途におい
て使用される内添剤としては、架橋剤、光安定剤、紫外
線吸収剤および流動化剤などが挙げられる。
【0045】また、前記着色樹脂が乾式現像剤の製造に
に使用される場合には、色素などとともに必要により帯
電制御剤、流動化剤、ワックス類および/または強磁性
材料が添加される。樹脂中における色素や荷電制御剤な
どの内添剤などの含有率は、従来公知の現像剤の場合と
同様である。例えば、色素などが顔料である場合には、
顔料の含有率は樹脂の約1〜20重量%、好ましくは約
2〜8重量%であり、また、荷電制御剤の含有率は樹脂
の約1〜10重量%、好ましくは約2〜6重量%であ
り、ワックス類の含有率は樹脂の約3〜20%、好まし
くは約5〜15%である。
【0046】また、上記の如く樹脂中に添加される色素
あるいはさらに荷電制御剤などの内添剤は高濃度品(マ
スターバッチ)として使用できる。例えば、前記ポリエ
ステル樹脂または該樹脂と容易に相溶する樹脂中に微細
に溶解または分散させたマスターバッチ、すなわち、高
濃度顔料樹脂組成物または高濃度荷電制御剤樹脂組成物
の形で使用する方法も非常に好ましい。マスターバッチ
中の色素類の含有率は約10〜70重量%、好ましくは
約20〜50重量%である。
【0047】また、本発明で使用する樹脂の溶融粘度が
低いことにより、着色微粒子を用いて得られた乾式現像
剤あるいは粉体塗料などが、紙、フィルム、鉄、アルミ
ニウム、マグネシウムなどの金属板や成形物などの基材
に画像や塗膜を形成した時に、優れた定着性、優れた発
色性、鮮明性、塗膜の平滑性などの優れた性質を発揮す
る。
【0048】本発明の着色微粒子は、着色微粒子を使用
する従来公知の着色用途において有用であり、上記した
ように電子写真用乾式現像剤、インキジェットプリンテ
ィング用インキなどの画像記録材料、印刷インキ、静電
粉体塗料、流動浸漬粉体塗料やスラリーペースト塗料な
どの着色剤として、それぞれを用いた画像記録、印刷、
塗装などの方法による物品の着色に使用される。
【0049】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。なお、文中の「部」または「%」とあるのは重量基
準である。
【0050】実施例1 〔1〕顔料および荷電制御剤の高濃度品(マスターバッ
チ)の製造 下記の方法で得られたポリエステル樹脂(樹脂R−1)
の微粒子70部と、下記に示す顔料、顔料誘導体あるい
は荷電制御剤を高速混合機にて予備混合後、二軸押出機
により充分混練し、冷却および粗砕して、それぞれ顔料
および荷電制御剤のマスターバッチを調製した。
【0051】上記で使用した樹脂R−1は、テレフタル
酸とビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物
(ヒドロキシル価:321)とを等モル比で、縮合触媒
としてテトラブチルチタネートを用いて縮合重合反応を
行って得たビスフェノール型ポリエステル樹脂であり、
樹脂の性質は前記表2に、また、各溶融温度における樹
脂の溶融粘度は前記表3に示した。
【0052】なお、上記で使用した顔料および顔料誘導
体あるいは荷電制御剤は次の通りである。 ・黄色顔料:C.I.ピグメントイエロー128の27
部とフタルイミドメチル化ジスアントラキノニールモノ
フェニルアミノ−s−トリアジン3部との混合物。 ・赤色顔料:C.I.ピグメントレッド122の27部
とフタルイミドメチル化ジメチルキナクリドン3部との
混合物。 ・青色顔料:C.I.ピグメントブルー15:3の27
部とフタルイミドメチル化銅フタロシアニン3部との混
合物。 ・黒色顔料:C.I.ピグメントブラック6の27部と
フタルイミドメチル化銅フタロシアニン3部との混合
物。 ・荷電制御剤:クロム錯塩系負荷電制御剤30部。
【0053】〔2〕着色樹脂の製造 二軸押出成形機の自動計量装置における樹脂の供給量、
および該押出成形機のシリンダーの途中に設けたサイド
フィーダーの自動計量装置への前記マスターバッチの供
給量を、下記表4に示す割合になるように予め調節して
おく。二軸押出成形機のホッパーにポリエステル樹脂
(樹脂R−1)を自動計量装置を通じて供給し、上記の
自動計量装置により、上記のマスターバッチの粉砕品を
それぞれ自動定量供給して押出成形機のシリンダー中に
注入添加し、これらの粉砕品を押出機内において溶融状
態のポリエステル樹脂と混練した。次いで各着色樹脂を
薄膜状にして取り出し、冷却した後フレーク状に粗砕し
た。
【0054】
【0055】得られた黄色、赤色、青色、および黒色の
各着色樹脂の溶融粘度を下記表5に示した。表中の押出
速度は粘度計(キャピログラフ1C)の押出速度であ
る。130℃では溶融粘度が低くなりきらず、ほぼ14
0℃〜150℃でそれぞれ安定した低粘度を示した。
【0056】
【0057】〔3〕着色微粒子(電子写真乾式現像剤)
の製造(「エマルジョン微粒子化法」) (1)青色電子写真乾式現像剤 着色樹脂を微粒子化するための不溶性液媒体としてエチ
レングリコールを選定し、また、表5に示した着色樹脂
の各溶融温度における溶融粘度の測定結果から液媒体で
あるエチレングリコールの温度を150℃に設定した。
加熱装置および攪拌機を装着したステンレス容器中にエ
チレングリコール300部と20%シリカのエチレング
リコール分散液100部を仕込み、攪拌および分散させ
た。
【0058】そこへ、上記で得られた青色樹脂フレーク
500部を添加し、攪拌、分散後、凡そ150℃に加熱
して着色樹脂フレークを溶融させた。一方、加熱装置お
よび高速攪拌機を装着したステンレス容器にエチレング
リコール100部と20%シリカのエチレングリコール
分散液100部を入れ、150℃に加熱し、外浴とし
た。
【0059】上記で準備した溶融青色樹脂のエチレング
リコール分散液を、加圧下に平均口径が2.7μmのガ
ラス質系多孔質プレートを通して高速攪拌下の外浴に注
入した。上記多孔質プレートにより溶融青色樹脂は液滴
状の微粒子となって外浴に分散した。外浴の高速攪拌を
続けながら、適宜、微粒子化の状態を顕微鏡で観察し、
殆んどの微粒子の粒径が5〜10μmになったことを確
認した後、外浴を冷却した。室温まで温度が低下した
後、固化した青色微粒子を濾別および充分水洗し、乾燥
して平均粒径が凡そ8μmの球状の均質な本発明の青色
微粒子を得た。
【0060】この微粒子に、常法に従って流動化剤とし
てコロイダルシリカを添加し、キャリアの磁性鉄粉と混
合し、青色電子写真乾式現像剤を得た。これを用い、負
荷電二成分カラー現像用複写機にて複写を行ったとこ
ろ、鮮明な青色画像が得られた。
【0061】(2)赤色、黄色、および黒色電子写真乾
式現像剤 上記の青色樹脂の微粒子化法に準じて赤色、黄色、およ
び黒色樹脂の球状の均質な微粒子を得た。上記と同様に
してこれらの色の電子写真乾式現像剤を作製し、これら
のそれぞれを用い、負荷電二成分カラー現像用複写機に
て複写を行ったところ、鮮明な赤色、黄色および黒色の
画像が得られた。
【0062】次いで、(1)で得られた青色電子写真乾
式現像剤および上記の赤色、黄色、および黒色の電子写
真乾式現像剤を用いて負荷電二成分フルカラーカラー現
像用複写機にて複写を行ったところ、鮮明な4色フルカ
ラー画像が得られた。
【0063】前記表4の配合処方の樹脂R−1を表2に
示した樹脂R−2〜R−6に代えて上記の〔1〕〜
〔3〕と同様にして4色の着色微粒子を用いた電子写真
乾式現像剤を作製し、上記と同様にしてフルカラー複写
を行ったところ、鮮明な4色フルカラー画像が得られ
た。
【0064】実施例2 [1]着色微粒子(電子写真乾式現像剤)の製造(「飛
散冷却微粒子化法」) 熱溶融インキジェットプリンターのヘッドの吐出部に類
似させて圧電素子を用いたオンデマンド型の加熱吐出ヘ
ッドを搭載した溶融樹脂吐出型微粒子造粒機を準備し
た。加熱吐出ヘッドの吐出温度を150℃になるように
設定し、また、吐出される着色微粒子に対して冷却媒体
として5℃に冷却した冷風を対流させるように準備し
た。
【0065】実施例1[2]で得られた黄色、赤色、青
色および黒色の着色樹脂をそれぞれ150℃に加熱し、
上記の造粒機の吐出ヘッドに充填した。ピエゾ素子を駆
動する電圧をかけ、連続吐出飛散を行った。それぞれ平
均粒径がおよそ7μmの粒径の揃った球状の均質な黄
色、赤色、青色および黒色の着色微粒子を得た。常法に
従って流動化剤としてコロイダルシリカを添加し、キャ
リアの磁性鉄粉と混合し、乾式現像剤を調製した。
【0066】上記現像剤を電子写真乾式現像剤とし、負
荷電二成分フルカラー現像剤用複写機にて複写し、それ
ぞれ鮮明な黄色、赤色、青色および黒色の画像および鮮
明な4色フルカラー画像を得た。
【0067】また、上記と同様にして、実施例1[2]
で使用した樹脂R−1に替えて表2に示した樹脂R−2
〜R−6を用いて着色微粒子(電子写真乾式現像剤)を
製造した。これらの現像剤を用いて負荷電二成分フルカ
ラー現像剤用複写機にてそれぞれ鮮明な単色および4色
フルカラー画像を得た。
【0068】実施例3 [1]着色樹脂の製造 実施例1[2]の表4で示した着色樹脂製造の各色の配
合処方において、それぞれで示した樹脂R−1の10部
を高級脂肪酸系エステルであるベヘニン酸ベヘニルに替
えて添加し、残余の樹脂R−1の、黄色は66.7部、
赤色は62.4部、青色は68.3部および黒色は6
2.4部と充分混合し、実施例1[2]の着色樹脂の製
造に準じて各色のワックスを含む着色樹脂を製造した。
【0069】[2]着色微粒子(電子写真乾式現像剤)
の製造(「飛散冷却微粒子化法」) 上記[1]で得られた黄色、赤色、青色および黒色の着
色樹脂をそれぞれ150℃に加熱し、実施例2[1]で
使用した造粒機の吐出ヘッドに充填した。ピエゾ素子を
駆動する電圧をかけ、連続吐出飛散を行った。それぞれ
平均粒径が凡そ7μmの粒径の揃った球状の均質な黄
色、赤色、青色および黒色のワックスを含む着色微粒子
を得た。常法に従って流動化剤としてコロイダルシリカ
を添加し、キャリアの磁性鉄粉と混合し、乾式現像剤を
調製した。
【0070】上記現像剤を電子写真乾式現像剤とし、負
荷電二成分フルカラー現像剤用複写機にて複写し、それ
ぞれ鮮明な黄色、赤色、青色および黒色の画像および鮮
明な4色フルカラー画像を得た。
【0071】また、上記と同様にして、実施例1[2]
で使用した樹脂R−1に替えて表2に示した樹脂R−2
〜R−6を用いて着色微粒子(電子写真乾式現像剤)を
製造した。これらの現像剤を用いて負荷電二成分フルカ
ラー現像剤用複写機にてそれぞれ鮮明な単色および4色
フルカラー画像を得た。
【0072】
【発明の効果】電子写真用乾式現像剤を製造するにあた
って、 従来は、ジェットミルなどの微粉砕機により微
粉砕し、 分級機で粗粒および微粉をカットする、いわ
ゆる破砕造粒法が主流であったが、製造機械が非常に高
価であり、また、最近の要求される複写画質の高精細化
によって、乾式現像剤の微粒子化に対する製造条件の高
度化、 処理量の減少、生産性の低下などにより目標の
製品を効率よく安価に製造することは益々困難になって
きた。また、 破砕造粒により製造された現像剤は、不
定形な破砕粒状であり、表面電荷の分布も不均一であ
り、 現像剤としての性能が不充分な残留微粉も多く発
生し、不経済であった。
【0073】ところが、以上の本発明によれば、着色樹
脂を溶融状態で貧溶媒または不溶性媒体中で微粒子化
し、冷却固化、必要に応じて濾過および乾燥することに
より、従来の各種微粉砕および分級工程を必須とせず
に、特に電子写真用乾式現像剤用として有用な形状およ
び性状の揃った均質な着色微粒子を経済的かつ合理化さ
れた製造工程にて大量生産することができる。また、そ
れぞれの用途に合った着色樹脂をそれぞれ所定の粒度に
調製することによって、各種の着色用途、例えば、画像
記録材料、樹脂着色、塗料、印刷インキなどの着色用
途、特に電子写真用乾式現像剤、インキジェットプリン
ティング用インキなどの着色剤として画像記録材料、印
刷インキ、静電粉体塗料、 流動浸漬粉体塗料やスラリ
ーペースト塗料の製造に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/09 G03G 9/08 381 // C08L 101:00 331 333 361 (72)発明者 嶋中 博之 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 大島 耕太郎 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 土田 真也 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA21 AB03 AB05 CA07 CA08 CA21 EA03 EA06 2H086 BA55 BA59 BA60 4F070 AA46 AA47 AB22 AB23 AB24 AC31 AE04 DA12 DB02 DC13

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱溶融性樹脂中に少なくとも色素が均一
    に分散または溶解してなる着色樹脂を溶融状態とする工
    程、該溶融状態の着色樹脂を該着色樹脂を溶解しない不
    溶性媒体中で液滴状微粒子とする工程、および該液滴状
    微粒子を冷却固化する工程を有することを特徴とする微
    粒子状着色樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 着色樹脂の溶融粘度が、80℃〜180
    ℃の温度で1〜500Pa・sである請求項1に記載の
    微粒子状着色樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 着色樹脂の溶融粘度が、90℃〜160
    ℃の温度で1〜100Pa・sである請求項1に記載の
    微粒子状着色樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 液滴状微粒子化工程における不溶性媒体
    の温度が80℃〜200℃であり、冷却固化工程の温度
    が−10〜20℃である請求項1に記載の微粒子状着色
    樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 液滴状微粒子化工程における不溶性媒体
    の温度が100℃〜160℃であり、冷却固化工程の温
    度が0〜10℃である請求項1に記載の微粒子状着色樹
    脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 溶融着色樹脂を、不溶性液媒体中にエマ
    ルジョン状に分散させる請求項1に記載の微粒子状着色
    樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 溶融着色樹脂を、不溶性液媒体中または
    気体中に吐出、飛散または噴霧させて微粒子状とする請
    求項1に記載の微粒子状着色樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 熱溶融性樹脂が、芳香族環または脂環式
    環を有するポリエステル樹脂、または芳香族環または脂
    環式環を有するエポキシ樹脂である請求項1に記載の微
    粒子状着色樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 ポリエステル樹脂のガラス転移点が50
    ℃以上、かつ軟化点が100〜150℃である請求項8
    に記載の微粒子状着色樹脂の製造方法。
  10. 【請求項10】 ポリエステル樹脂の重量平均分子量
    1,000〜50,000である請求項8に記載の微粒
    子状着色樹脂の製造方法。
  11. 【請求項11】 エポキシ樹脂が、ビスフェノール類の
    ポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、またはそれら
    のエステル誘導体である請求項8に記載の微粒子状着色
    樹脂の製造方法。
  12. 【請求項12】 エポキシ樹脂の重量平均分子量が、
    1,000〜50,000である請求項8に記載の微粒
    子状着色樹脂の製造方法。
  13. 【請求項13】 色素が、黄色顔料:C.I.ピグメン
    トイエロー128の27部とフタルイミドメチル化ジス
    アントラキノニールモノフェニルアミノ−s−トリアジ
    ン3部との混合物、赤色顔料:C.I.ピグメントレッ
    ド122の27部とフタルイミドメチル化ジメチルキナ
    クリドン3部との混合物、青色顔料:C.I.ピグメン
    トブルー15:3の27部とフタルイミドメチル化銅フ
    タロシアニン3部との混合物、および黒色顔料:C.
    I.ピグメントブラック6の27部とフタルイミドメチ
    ル化銅フタロシアニン3部との混合物からなる群から選
    ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の微粒子状
    着色樹脂の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13の何れか1項に記載の
    方法により製造されたことを特徴とする微粒子状着色樹
    脂。
  15. 【請求項15】 画像記録材料用、印刷材料用または塗
    料用である請求項14に記載の微粒子状着色樹脂。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の微粒子状着色樹脂
    を含む画像記録材料、印刷インキまたは塗料で物品を着
    色することを特徴とする物品の着色方法。
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