JP2009057405A - ビスフェノールaのポリオキシエチレンエーテルの造粒方法 - Google Patents

ビスフェノールaのポリオキシエチレンエーテルの造粒方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 粒子分布が狭く、微粉が発生せず、真球状に近い形状のため、生産性および取り扱い性に優れ、不純物の少ないビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の造粒方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と、水および/または有機溶媒(B)との存在下、せん断力をかけて該(A)の液滴を形成させ、これを冷却して造粒する、粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)に関する。詳しくは、粉砕しなくとも粒状であるため、取り扱い性に優れるビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の造粒方法に関する。
ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)は、エチレンオキサイドの付加モル数によりその融点は異なるが、溶融させたものを冷却させても、固化が非常に遅い。例えば、融点が100℃以上のものであっても、固化させるには、1日ないし、2日程度、室温に置いておく必要がある。このようなことから、現状では溶融物をステンレス製バットなどの容器に注入後、1日ないし、2日程度、室温で放置することにより固化させた後、固化物を粉砕していた。この方法では、固化工程に時間がかかるため、生産性が悪い。
溶融させたビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)は非常に固化が遅いため、フレーカーを使用してフレーク状にすることや、スプレーにすることにより微粒子として固化させることが工業的には極めて困難である。
冷却固化、粉砕により製造されたビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)は、粒径分布が広くなり、粗大粒子や微粉末が存在する。粗大粒子が存在すると、ポリオキシエチレンエーテル(A)を攪拌漕からの取り出し時に充填ラインが閉塞するため取り扱い性が悪くなる。一方、微粉末品が存在すると、微粉末の粉塵爆発を起こす原因となり、取り扱い性が悪くなる。
溶融物を固化させる方法としては、溶融物を相互に溶解する有機溶媒に溶解後、冷却、固化させる方法がある(例えば特許文献1)。
この方法を用いると、固化に時間がかかる物質を容易に固化することができる。しかし、固化後、粉砕する工程が必要になり、生産性は悪い。
また、溶融物を溶融物に溶解しない冷却媒と接触させて、溶融物を冷却、固化させる方法がある(例えば特許文献2)。
しかし、ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)は非常に固化が遅いため、この方法では製造することは困難である。
特開昭58−24525号公報 特開2000−302855号公報
そこで、粒子分布が狭く、微粉が発生せず、真球状に近い形状のため、生産性および取り扱い性に優れ、不純物の少ないビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の製造法および組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と、水および/または有機溶媒(B)との存在下、せん断力をかけて該(A)の液滴を形成させ、これを冷却して造粒することを特徴とする粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の製造方法;並びに目開き22.4mmのふるいを通過し、かつ0.5mmのふるい上に残存する粒子の全粒子に占める割合が60重量%以上であって、円形度が0.40〜1.00であり、CPRが100以下であることを特徴とする粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)である。
本発明者のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテルの製法は、特許文献2に記載の溶融液滴発生装置等の特別な設備を用いることなく、粉砕を行うことなく、造粒を行うことができる。その結果、従来品よりも生産性がよく、取り扱い性に優れるビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテルを得ることができる。
また、粉砕にはつきものの微粉末品が存在しないため、微粉末の粉塵爆発を起こす心配もなく、また、形状も粉砕品に比べて真球状に近いため流動性に優れ、供給ラインが閉塞することもなく、取り扱い性がよい。
また、溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)中に含まれる触媒等の不純物が水および/または有機溶媒(B)に溶け出すために、不純物が少ないビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)を得ることができる。
本発明の態様の1つは、溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と、水および/または有機溶媒(B)との存在下、せん断力をかけて該(A)の液滴を形成させ、これを冷却し、造粒することを特徴とする、(A)の製造方法である。
ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)は、そのエチレンオキシドの付加モル数にもよるが、1.5〜3.0モル付加品および30モル以上付加品の場合は、一般的に室温では固体の化合物である。しかし、その溶融物を室温下で固化させるには、1日ないし2日程度要する。
また、溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)を、水(B1)単独、有機溶媒(B2)単独、または水と有機溶媒(B)との混合液の存在下で、冷却したとしても、せん断力がかかっていない状態では、固化するには時間がかかる。
ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)を、せん断力をかけた状態で小粒径の液滴にしてこれを冷却することにより、短時間にて固化することが可能となる。
溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)を、水および/または有機溶媒(B)中で、後述する方法でせん断力をかけた状態にすると、水および/または有機溶媒(B)中に溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の小粒径の液滴が分散した状態になる。
せん断力をかけた状態のまま、溶融状態のこの小粒径の液滴が冷却されると、ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)が分散時の液滴に依存した大きさの粒子として固化する。
せん断力をかけて水および/または有機溶媒(B)中にビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の液滴を形成させる具体的な方法は、その液滴が分散状態で存在すれば特に限定されない。例えば以下の方法等が例示される。
(i)例えば、マックスブレンド撹拌羽根やスパイラル攪拌羽根等の形状の攪拌羽根を備
えた攪拌槽で攪拌を行い、ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の液滴を形成させる方法。
(ii)プラネタリーミキサーを用いてせん断力をかけて、ビスフェノールAのポリオキ
シエチレンエーテル(A)の液滴を形成させる方法。
(iii)ホモジナイザーを用いてせん断力をかけて、ビスフェノールAのポリオキシエ
チレンエーテル(A)の液滴を形成させる方法。
(iv)スタチックミキサー等のインラインミキサーを用いてせん断力をかけて、ビスフ
ェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の液滴を形成させる方法。
せん断力をかけて水および/または有機溶媒(B)中にビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の液滴を形成させた後、これを固化させる具体的な方法も、特に限定されない。例えば以下の方法等が例示される。
(i)攪拌漕の外側に冷水等の冷却媒体を流して、漕の壁面を介して、内部のビスフェノ
ールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の液滴を冷却固化させる方法。
(ii)せん断力をかけて水および/または有機溶媒(B’)中にビスフェノールAのポ
リオキシエチレンエーテル(A)の液滴を形成させた後、これを水および/または有機溶媒(B)中に投入することにより、冷却固化させる方法。
ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と水および/または有機溶媒(B)とを、せん断力をかけて液滴を作成する際のせん断力の大きさについては、溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の液滴が生成した分散状態になるせん断力が少なくとも必要である。
さらに、ほとんどその液滴の径のままで固化して粒子になるので、この液滴の径が造粒する目的の粒子径となるだけのせん断力が必要となる。すなわち、粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の粒子径は、溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の液滴の大きさに依存する。そのため、所定の粒子径を得るためには、せん断方法とせん断力の大きさを調整する必要がある。
せん断力が大きくなると、溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の液滴の大きさが小さくなる。その結果、粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の粒子径は小さくなる。
本発明において「系」とは、溶融させた(A)と(B)を混合した後に、せん断力をかけ、その状態で冷却、造粒させた時の、(A)と(B)の混合系を表す。
この場合の系中のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と水および/または有機溶媒(B)との重量比は通常(A)/(B)=2/98〜60/40であり、好ましくは2/98〜50/50、さらに好ましくは2/98〜45/55である。なお、「水および/または有機溶媒」とは、水と有機溶媒を併用する場合は、その合計量を意味する。
(A)と(B)との重量比(A)/(B)が60/40〜100/0の範囲では、ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)が粒状ではなく、塊状になるため好ましくない。
また、0/100〜2/98の範囲では、生産性が下がるため好ましくない。
ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と水および/または有機溶媒(B)の投入方法は特に限定されず、また、(B)は水単独、有機溶媒単独、または水と有機溶媒の混合物でもよいし、一括投入でも分割投入でもよい。
例えば以下の方法等が例示される。
(i)溶融させた(A)と(B)を混合した後に、せん断力をかけ、その状態で、冷却、
造粒を行う方法。
(ii)溶融させた(A)と(B’)を混合した後に、せん断力をかけた状態にある
別の(B)に滴下して造粒を行う方法。
(iii)溶融させた(A’)と(B’)を混合した後に、せん断力をかけた状態にある
(A)と(B)の混合系中に滴下して造粒を行う方法。
(iv)溶融させた(A)を、せん断力をかけた状態にある(B)単独系に滴下して造粒
を行う方法。
(v)溶融させた(A’)を、せん断力をかけた状態にある(A)と(B)の混合系中に滴下して造粒を行う方法。
これらのビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と水および/または有機溶媒(B)の投入方法のうち、製造コストの面から考えると、(B)の予備加熱が少ない(ii)〜(v)の方法が好ましい。
また、品質の安定面から、予め液滴を作成する(i)〜(iii)の方法が好ましい。

これらの要因により、好ましくは(ii)、(iii)の方法である。
水(B1)および/または有機溶媒(B2)の重量比は、特に限定されず、水(B1)単独、水(B1)と有機溶媒(B2)の混合物、有機溶媒(B2)単独のいずれでもよい。しかし、有機溶媒(B2)が含まれていると、粒状の(A)を単離する際に、有機溶媒の除去操作を行ったとしても、多少のVOC(揮発性有機化合物)が残るため、有機溶媒の使用量は少ないほうがよく、好ましくは(B1)/(B2)=50/50〜100/0であり、より好ましくは(B1)/(B2)=75/25〜100/0であり、最も好ましくは水(B1)単独である。
また、有機溶媒(B2)を使用すると、ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の一部が有機溶媒に溶解するため、粒状の(A)の収率の低下が起こる。このことからも、有機溶媒の使用量は少ないほうがよい。
水(B1)については、工業用水、水道水、イオン交換水、蒸留水等が使用できるが特に限定されず、酸や塩基を投入してもよい。
水(B1)については、好ましくはイオン交換水、蒸留水である。
有機溶媒(B2)としては、粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)がほとんど溶解しないという点から、ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の25℃における溶解度が、通常150g以下(対溶媒100g)であることが必要である。好ましくは、溶解度が60g以下(対溶媒100g)であり、より好ましくは溶解度が30g以下(対溶媒100g)である。
このような有機溶媒(B2)としては、イソプロパノール、トルエン、キシレン、メタノール、シクロヘキサン、酢酸、アセトニトリル、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2,2’−イミノジエタノール等が挙げられる。
これらのうち、ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の溶融温度に比べてその沸点が十分高いという点から、キシレン、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
有機溶媒(B2)は一種のみを使用してもよいし、二種以上を混合して使用してもよい。
本発明において、融点とはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載の融解ピーク温度を表す。融解ピーク温度が複数存在する場合は、最大ピークを表す。
なお、融解温度を求める試験片は、乾燥減量が1.0%以下の試験片を用いる。この乾燥減量はJIS K 0067−1992「化学製品の減量及び残分試験方法」に記載の乾燥減量を表す。
ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の融点は、そのエチレンオキサイドの付加モル数によって変動するが、40〜150℃である。好ましくは50〜140℃であり、さらに好ましくは60〜130℃である。
融点が40℃未満の場合は、冷却時に速やかに固化しないため好ましくない。
融点が150℃より高いと、水および/または有機溶媒(B)と混ぜた直後に固化が起こり、均一な粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)が得られないため好ましくない。
粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の粒径は、目開き22.4mmのふるいを通過し、かつ0.5mmのふるい上に残存する粒子の全粒子に占める割合が60重量%以上である。
好ましくは、目開き8.0mmのふるいを通過し、かつ0.5mmのふるい上に残存する粒子の全粒子に占める割合が60重量%以上である。より好ましくは、目開き8.0mmのふるいを通過し、かつ0.5mmのふるい上に残存する粒子の全粒子に占める割合が80重量%以上である。
また、好ましくは、目開き22.4mmのふるいを通過し、かつ0.5mmのふるい上に残存する粒子の全粒子に占める割合が70重量%以上であり、より好ましくは、80重量%以上である。
粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の粒径は、22.4mm以上のものが多数存在すると、攪拌漕からの取り出し時に充填ラインが閉塞する等の問題が発生し、取り扱い性が悪くなるため、好ましくない。
一方、0.5mm以下の粒径のものが多数存在すると、粉塵が舞い上がって作業者の健康を損なったり、粉塵爆発を起こす原因となり、取り扱い性が悪くなるため、好ましくない。
本発明におけるCPRとは、JIS K 1557−4「プラスチック−ポリウレタン原料ポリオールの試験方法−第4部:塩基性度の求め方」に記載のCPR値であり、ポリオール30g中の塩基性物質のマイクロ当量値(ポリオール30g中のミリ当量)のことをいう。
粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)のCPRは100以下であり、好ましくは50以下であり、より好ましくは30以下である。
CPRが100を超えると、本発明の組成物を不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などの原料として用いた際に着色するため、好ましくない。
本発明において、粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の円形度は、通常0.40〜1.00であり、好ましくは0.55〜1.00であり、より好ましくは0.70〜1.00である。
円形度が0.4未満であると、凹凸が多くなり、粒子が転がらなくなるため、取り扱い性が悪くなる。
なお、本発明においては、個々の全微粒子の円形度が上記の範囲にある必要はなく、平均値(好ましくは50個の平均値、さらに好ましくは100個の平均値)として上記範囲であればよい。
ここで、円形度とは、下記式で算出される値であり、粒子を顕微鏡で撮影し、その写真を画像処理することで測定、算出できる(例えば、株式会社キーエンス製の顕微鏡VK−8500、およびその付属の同社製の形状解析ソフトVK−H1A7による画像解析;株式会社セイシン企業製の粒度・形状分布測定器PITA−1など)。
円形度=4πF/L2
ただし、F:粒子の投影面積
L:粒子の投影周囲長
なお、この円形度については、「コンクリートの劣化・硬化過程の非接触全視野ひずみ計測委員会研究成果報告書」の「第三章建設分野における光学的全視野計測を用いた実験・研究 (3.6)デジタル技術を用いた骨材の形状評価」に解説されている。
本発明において、ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の「ポリ」とは0以上のエチレンオキサイドの付加モル数を表す。
ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と水および/または有機溶媒(B)とを混ぜて液滴を分散状態にさせる温度については、特に限定されない。
ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と水および/または有機溶媒(B)とを、せん断力をかけて冷却して固化させる温度については、ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の融点以下であることが必要である。
例えば、水酸基価が346のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)は、溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の液滴が生成した分散状態になるせん断力以上では、一般的に45〜65℃で非常に短時間で固化する。よって、この温度以下に冷却すれば、固化させることができる。
ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と水および/または有機溶媒(B)との存在下、せん断力をかけて冷却する時間については、特に限定されない。
ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と水および/または有機溶媒(B)とを一括して混合後、冷却、造粒を行う場合は、1時間あたり20℃以上の速度で冷却することが好ましい。
せん断力がかかっている水および/または有機溶媒(B)中にビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)もしくはビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と水および/または有機溶媒(B)との混合物を滴下する場合の滴下速度については、特に限定されない。
造粒後の水および/または有機溶媒(B)の除去方法については、特に限定されず、熱風乾燥、赤外線乾燥、間接加熱乾燥(真空乾燥、撹拌型の乾燥機、ドラムドライヤー)、濃縮装置(例えばシックナー)および脱水装置(例えば遠心脱水機、ベルトプレス脱水機、フィルタープレス脱水機およびキャピラリー脱水機)を用いる方法等が挙げられる。
本発明の粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)は、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネートの改質剤として有用である。また、分子内の水酸基を変性(例えばエピクロルヒドリンによるエポキシ変性、アリルクロライドによるアリル変性、(メタ)アクリル酸によるアクリル変性など)して、樹脂原料として使用できる。
以下本発明を製造例および実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1
攪拌および温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、ビスフェノールA228g(1モル)と水酸化カリウム0.3gを入れ、窒素雰囲気下、160℃に加熱、溶融させた。溶融後、160℃にてエチレンオキサイド96.8g(2.2モル)を5時間かけて滴下した。その後、160℃にて3時間攪拌させて、溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A−0)を得た。ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A−0)の水酸基価は346であった。また、融点は108℃であった。
実施例1
温度計、攪拌機、窒素導入口を備えた内容量1100mlの耐圧反応装置に、105℃の溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A−0)100gおよび80℃のイオン交換水400gを仕込み、この混合物を95℃で1時間加熱し、溶融させた。
溶融させた後、95℃、1500rpmにて1時間撹拌した。次に1500rpmにて攪拌を続けながら1時間かけて系内温度を徐々に95℃から25℃まで冷却し、液滴を固化させて、造粒させた。
造粒後、ろ紙を用い減圧ろ過を行って水を取り除き、60℃にて3時間減圧乾燥を行って完全に水分を除去し、本発明の粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A−1)を得た。
実施例2
実施例1のイオン交換水400gを、イオン交換水320gとイソプロパノール80gに代えた以外は同様にして、本発明の粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A−2)を得た。
なお、ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の25℃における水100gに対するイソプロパノールの溶解度は5gである。
実施例3
温度計、攪拌機、窒素導入口を備えた内容量1100mlの耐圧反応装置に、105℃の溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A−0)100gおよびイオン交換水100gを仕込み、この混合物を95℃にて1時間加熱し、溶融させた後、1500rpmにて1時間撹拌し、液滴を作成した。
別の温度計、攪拌機、窒素導入口を備えた内容量1100mlの耐圧反応装置に、25℃のイオン交換水300gを仕込んで、1500rpmで攪拌しながら上記の液滴を含む混合物を5分間で投入し、固化させて造粒を行った。このときの系内は冷却し、40℃以下の温度に保っておいた。
造粒後、ろ紙を用いて減圧ろ過を行い、さらに60℃にて3時間減圧乾燥を行って完全に水分を取り除き、本発明の粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A−3)を得た。
比較例1
105℃の溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A−0)100gをステンレス製の容器に注入後、5℃の低温恒温器で冷却、固化させた。完全に固化するのに2日間を要した。その固化物を、フレーカーを用いて粉砕を行い、比較例のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A’−1)を得た。
製造した(A−1)〜(A−3)および(A’−1)の粒径、円形度、CPRを測定し た。その結果を表1に示す。
Figure 2009057405
<水酸基価の測定法>
水酸基価は、JIS K1557−1「プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第1部:水酸基価の求め方」に記載の方法に準拠して行った。
<ふるい分けによる粒径の測定法>
粒径はJIS Z 8815−1994「ふるい分け試験方法通則」に準拠して乾式ふるい分け試験(手動ふるい分け)を行い、ふるい上百分率をもとめた。
乾式ふるい分け試験には、50gの試料を用いた。ふるいは、目開き0.5mm、2.8mm、8.00mm、22.4mmを用いた。
<円形度の測定法>
株式会社キーエンス製の顕微鏡VK−8500およびその付属の同社製の形状解析ソフトVK−H1A7を用いて画像解析を行い、円形度を測定した。
<CPRの測定法>
CPRの測定は、JIS K 1557−4「プラスチック−ポリウレタン原料ポリオールの試験方法−第4部:塩基性度の求め方」に記載の方法に準拠して行った。
表1からわかるように、本発明の組成物は、粉砕により製造された比較例1は0.5mm未満が全体の70重量%も占めるのに対して、本願発明の実施例1〜3すべては、0.5mm未満の微粉末品および22.4mm以上の粗大粒子がほとんど存在しないことがわかる。また、円形度が高く、球状に近いことが分かる。さらに、CPRが低いため不純物が少ないことが分かる。
本発明の粒状物は、粉砕にはつきものの微粉末品がほとんど存在しないため、微粉末の粉塵爆発を起こす心配もなく、形状も粉砕品に比べて真球状に近いため流動性に優れ、不純物が少ないため、ポリエステル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネートの改質剤として有用である。

Claims (8)

  1. 溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と、水および/または有機溶媒(B)との存在下、せん断力をかけて該(A)の液滴を形成させ、これを冷却して造粒することを特徴とする粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の製造方法。
  2. 該ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の25℃における溶解度が150g以下(対溶媒100g)である該有機溶媒(B)を用いる請求項1記載のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の製造方法。
  3. 系中の該ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)と水および/または有機溶媒(B)との重量比(A)/(B)が2/98〜60/40である請求項1または2に記載のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の製造方法。
  4. 水および/または有機溶媒(B’)中に存在する溶融状態のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の液滴をせん断力のかかった水および/または有機溶媒(B)中に投入して固化させる請求項1または2記載のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の製造方法。
  5. 該ビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の融点が40〜150℃である請求項1〜4いずれかに記載のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の製造方法。
  6. 目開き22.4mmのふるいを通過し、かつ0.5mmのふるい上に残存する粒子の全粒子に占める割合が60重量%以上である請求項1〜5いずれかに記載の粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の製造方法。
  7. 円形度が0.40〜1.00である請求項1〜6いずれかに記載の粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)の製造方法。
  8. 目開き22.4mmのふるいを通過し、かつ0.5mmのふるい上に残存する粒子の全粒子に占める割合が60重量%以上であって、円形度が0.40〜1.00であり、CPRが100以下であることを特徴とする粒状のビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル(A)。
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