JP5134207B2 - 着色剤含有樹脂乳化粒子の製造方法 - Google Patents

着色剤含有樹脂乳化粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられる電子写真用トナーの製造に有用な着色剤含有樹脂乳化粒子の製造方法に関する。
ケミカルトナーの製造方法として、重合法や乳化分散法が知られている。これらの方法の中で乳化分散法によるトナーの製造方法は、例えば結着樹脂と着色剤などの混合物を水系媒体と混合し、乳化させてトナー粒子を得るという方法である。上記の着色剤は、通常乾燥した粉末状の着色剤や、あらかじめ着色剤を結着樹脂中に分散させたマスターバッチなどの形態で用いられる。水系媒体中で着色剤を乳化する製造方法では、着色剤の分散性又は乳化性が十分ではなく着色剤の種類によっては、乳化工程後に未反応のマスターバッチ粒子が残留し、生産性が低下するなどの課題があった。
また、着色剤を水湿潤ペースト状の形態で用いる静電化像現像用トナーの製造方法が開示されている(特許文献1参照)。この技術は、結着樹脂の乳化液と水湿潤ペーストの顔料分散液とを混合しヘテロ凝集を行い、合一することで結着樹脂中に着色剤を分散するものである。しかしながら、結着樹脂の乳化液と水湿潤ペーストの顔料分散液とから凝集・合一を行うとこれら異種粒子同士の親和性が必ずしも十分でないため、合一粒子における着色剤の分散状態が十分ではないという問題があった。
特開2003−84499号公報
本発明の課題は、着色剤の分散性に優れ、生産性が高い着色剤含有樹脂乳化粒子の製造方法、該乳化粒子を用いたトナーの製造方法及びトナーを提供することにある。
本発明は、以下の着色剤含有樹脂乳化粒子の製造方法、該乳化粒子を用いたトナーの製造方法及びトナーに関する。
1.水系媒体中で結着樹脂と含水着色剤とを界面活性剤の存在下において、混合し乳化させる工程を有する、着色剤含有樹脂乳化粒子の製造方法。
2.下記工程(1)及び(2)を有する電子写真用とトナーの製造方法。
(1)本発明の着色剤含有樹脂乳化粒子の製造方法により、着色剤含有樹脂乳化粒子を製造する工程
(2)得られた着色剤含有樹脂乳化粒子を凝集・合一させる工程
3.上記2に記載の製造方法で得られる電子写真用トナー。
に関する。
本発明によれば、着色剤の分散性に優れ、生産性が高い着色剤含有樹脂乳化粒子及びトナーを製造することができる。
[結着樹脂]
本発明の着色剤含有樹脂乳化粒子の製造方法で用いられる結着樹脂は、着色剤の分散性、ならびにトナーの定着性及び耐久性の観点から、ポリエステルが好ましい。ポリエステルの含有量は、結着樹脂中、トナーの定着性及び耐久性の観点から、60重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましい。ポリエステル以外の結着樹脂としては、トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。
ポリエステルの原料モノマーは、特に限定されないが、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。
上記のポリエステルは、結晶性のもの、非結晶性のもののいずれも使用することができ、トナーの保存性の観点から、ポリエステルの軟化点は80〜165℃が好ましく、ガラス転移温度は50〜85℃が好ましい。酸価は、樹脂乳化粒子の乳化性の観点から、6〜35mgKOH/gが好ましく、10〜35mgKOH/gがより好ましく、15〜35mgKOH/gがさらに好ましい。軟化点や酸価は縮重合の温度、反応時間を調節することにより所望のものを得ることができる。
ポリエステルの数平均分子量は、トナーの耐久性及び定着性等の観点から、1,000〜100,000が好ましく、2,000〜50,000がより好ましい。
また、トナーの帯電性の観点から、酸成分として、テレフタル酸、トリメリット酸、イソフタル酸及びこれらの無水物などの芳香族カルボン酸と、フマル酸、アジピン酸、コハク酸及びその誘導体、無水物などの脂肪族カルボン酸を併用させて得られたポリエステルを用いることが好ましい。
[含水着色剤]
本発明の製造方法において用いられる含水着色剤とは、着色剤の水分散液を濾過等の方法により一部脱水した状態の着色剤をいい、ペースト状又はスラリー状であることが好ましい。着色剤の水分散液は、市販品を用いることができ、含水率を適宜調整して得ることができる。水分散液の脱水は、含水着色剤中の着色剤が所望の含有量となれば、特に制限はなく、例えば濾過、遠心分離等によって脱水し、その含水量を調整することができる。また、含水着色剤中の着色剤の含有量は、着色剤の分散性及び濡れ性、ならびにトナーの粒径分布及び生産性の観点から、50〜90重量%が好ましく、55〜88重量%がより好ましく、60〜75重量%がさらに好ましい。一般に着色剤の表面は疎水性である一方、本発明の製造方法は水系媒体中で乳化させて着色剤含有樹脂乳化物を得るものであることから、予め着色剤として水分を含むことが濡れ性の観点から好ましい。着色剤と水系媒体との相溶性、すなわち着色剤の濡れ性を向上させることで、粒径が均一で、生産性が高く、また分散性に優れた着色剤含有樹脂乳化物を得ることができる。
本発明の製造方法で使用できる着色剤としては、特に制限はなく公知の着色剤がいずれも挙げられ、適宜選択することができる。例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等の無機顔料及びアゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等の有機顔料等の種々の顔料、ならびにアクリジン系、キトサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系等の各種染料が挙げられる。
さらに具体的には、カーボンブラック、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、C.I.ピグメント・グリーン等の顔料やC.I.ソルベント・ブラック、C.I.ソルベント・イエロー、C.I.ソルベント・レッド、C.I.ソルベント・バイオレット、C.I.ソルベント・ブルー、C.I.ソルベント・グリーン、C.I.ソルベント・オレンジ等の染料が挙げられる。
退色性の観点から、顔料が好ましく、その中でもマゼンダ顔料が好ましく、本発明の効果の点からキナクリドン顔料、中でもジメチルキナクリドン顔料が好ましい。
着色剤の平均粒径は、着色力及び色再現領域の観点から、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上がさらに好ましい。一方、得られるトナーの透明性の観点から、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、60nm以下がさらに好ましい。これらの観点より、着色剤の平均粒径は、1〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、10〜60nmがさらに好ましい。着色剤の平均粒径は、着色剤調製時の水分散体の透過型電子顕微鏡(TEM)による写真像から求めることができ、少なくとも200個以上の複数の着色剤粒子から算出される個数平均粒子径をさす。
[界面活性剤]
本発明の製造方法では、界面活性剤を後述する混合工程で加える。混合工程での発泡抑制の観点及び最終的に得られる樹脂乳化粒子の乳化安定性の向上などを目的として、その添加量は固形分換算で、樹脂に対して好ましくは5重量%以下、より好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは1〜5重量%である。この界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン界面活性剤が挙げられる。これらの中で、樹脂乳化粒子の乳化安定性などの観点から、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤が好ましく、アニオン界面活性剤がより好ましい。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[水系媒体]
本発明の製造方法における水系媒体とは、水を主成分とするものである。環境保全の観点から、水の含有量は、水系媒体中80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、100重量%がさらに好ましい。本発明では、実質的に有機溶媒を用いることなく水のみを用いても結着樹脂を分散させることができる。水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。これらのなかでは、トナーへの混入を防止する観点から、樹脂を溶解しない有機溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系有機溶媒が好ましい。
[着色剤含有樹脂乳化粒子の製造方法]
本発明の製造方法は、水系媒体中で結着樹脂と含水着色剤とを界面活性剤の存在下で混合させる工程(以下、混合工程ということがある。)及び前記混合工程で得られた混合物を乳化させる工程(以下、乳化工程ということがある。)を有する。混合工程及び乳化工程について、以下に説明する。
[混合工程]
混合工程においては、結着樹脂と、含水着色剤、界面活性剤及び必要に応じて用いられる各種添加剤との混合物を、均一に分散させる観点から該樹脂粒子の軟化点未満の温度で混合し分散させる。ここで、結着樹脂は、あらかじめ2mmφのスクリーンを有するミルを用いて粉砕したものを用いるのが好ましい。該樹脂粒子の軟化点未満、好ましくは軟化点より50℃低い温度(以下、「軟化点−50℃」と記す)以下の温度で混合し、分散させることにより、樹脂粒子同士の融着を抑制し、均一な樹脂分散液を調製することができる。また、分散処理の下限温度は、媒体の流動性及び樹脂乳化液の製造エネルギーの観点から0℃より高い温度が好ましく、10℃以上がより好ましい。混合樹脂を用いる場合は、その混合比率で混合し溶融した混合樹脂の軟化点を結着樹脂の軟化点とする。
具体的には、界面活性剤を含む塩基性水系媒体中において、例えばポリエステルなどの結着樹脂粒子を着色剤などと共に、該樹脂粒子の軟化点未満、例えば10〜50℃程度の温度で攪拌して分散させるなどの通常の方法により、均一な樹脂分散液を調製することができる。また、着色力と、画像の透明性の観点から、着色剤の配合量は、結着樹脂100重量部に対して、3〜25重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
上記の各種添加剤としては、離型剤、荷電制御剤を加えることができる。
離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、添加効果及び帯電性への悪影響を考慮して、結着樹脂と着色剤との合計量100重量部に対して、通常1〜20重量部程度、好ましくは2〜15重量部である。
荷電制御剤としては、例えば安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂と着色剤との合計量100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部である。
[乳化工程]
乳化工程は、前記混合工程で得られた混合物を乳化させる工程であり、前記混合工程で分散された樹脂分散液を、該樹脂のガラス転移温度以上かつ軟化点以下の温度で一定時間攪拌して実質的に中和する工程(以下、(a)工程ということがある。)及び中和工程で中和された分散液に、該樹脂のガラス転移温度以上かつ軟化点以下の温度で水性液を添加して水系媒体中で該樹脂を乳化させる工程(以下、(b)工程ということがある。)を含むことができる。(a)工程及び(b)工程について、以下に説明する。
(a)工程
(a)工程は、前記の混合工程で分散された樹脂分散液を、該樹脂のガラス転移温度以上かつ軟化点以下の温度で一定時間攪拌して実質的に中和する工程である。樹脂を均一に中和する観点から、該攪拌時間は好ましくは30分以上、より好ましくは1時間以上である。
中和を前記範囲の温度で行うことにより、中和が十分に行われ、次工程の乳化処理で大きな乳化粒子の生成が抑制される。この点で、中和温度は、該樹脂のガラス転移温度+10℃以上の温度であることが好ましく、また軟化点−5℃以下の温度であることが好ましい。
(b)工程
(b)工程は、前記(a)工程で中和された分散液に、水性液を添加して水系媒体中で該樹脂を乳化する工程である。
乳化時の温度は、界面活性剤の乳化能に大きく影響し、乳化能を向上させるには、結着樹脂をできるだけ軟化し、界面活性剤を樹脂中に浸透させやすくする必要がある。このような観点から、乳化させる温度は、85〜100℃が好ましく、90〜100℃がより好ましく、95〜100℃がさらに好ましい。
この乳化工程においては、乳化開始直前では、転相が容易である等の点から、分散液中の樹脂含有量が好ましくは50〜90重量%程度、より好ましくは50〜80重量%である。ここで乳化開始直前とは、系内の粘度が乳化工程中で最も高くなる時点をいい、したがって、攪拌機に例えばトルクメーターなどを取り付けておくことで、その時点を容易に知ることができる。
乳化に用いられる水性液としては、前記の水系媒体の説明において示したものと同じものを挙げることができる。該水性液の添加速度は、乳化を効果的に実施し得る点から、樹脂100g当たり、好ましくは0.5〜50g/分、より好ましくは0.5〜30g/分、さらに好ましくは1〜20g/分である。この添加速度は、一般にO/W型の乳化液を実質的に形成するまで維持されていればよい。
このようにして得られた樹脂乳化液の固形分濃度は、乳化液の安定性及び後で実施される凝集工程での樹脂乳化液の取扱い性の観点から、7〜50重量%が好ましく、7〜45重量%がより好ましく、10〜40重量%がさらに好ましい。
また、乳化粒子の体積中位粒径(D50)は、凝集工程での均一な凝集を行うために、好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは0.05〜0.6μmである。
[電子写真用トナーの製造方法]
次に、このようにして得られた樹脂乳化粒子を、凝集させ(以下、凝集工程ということがある。)、さらに合一させる(以下、合一工程ということがある。)ことにより、本発明の電子写真用トナーが得られる。以下、凝集工程及び合一工程について説明する。
[凝集工程]
凝集工程においては、混合液の分散安定性と、結着樹脂及び着色剤等の微粒子の凝集性とを両立させる観点から、系内のpH値は2〜10が好ましく、2〜9がより好ましく、3〜8がさらに好ましい。
同様の観点から、凝集工程における系内の温度は、結着樹脂の軟化点−50℃以上、軟化点−10℃以下が好ましく、軟化点−30℃以上、軟化点−10℃以下がより好ましい。
凝集工程においては、凝集を効果的に行うために凝集剤を添加することができる。凝集剤としては、界面活性剤の他、無機金属塩、2価以上の金属錯体、アンモニウム塩等が用いられる。無機金属塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等の無機金属塩重合体が挙げられ、アンモニウム塩としては、テトラアルキルアンモニウムハライド等の4級アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム等が挙げられる。その中でも、アルミニウム塩及びその重合体、アンモニウム塩が好ましく用いられる。特に、トナー粒子形状の制御の点からアンモニウム塩が好ましく、また、3価のアルミニウム塩及びその重合体は少ない添加量で凝集能力が高く、簡便に製造できるため好ましい。帯電特性制御の観点からは、金属錯体、4級塩のカチオン性界面活性剤が好ましい。
凝集剤の使用量は、凝集能力及びトナーの耐環境特性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、0.01〜20重量部がより好ましく、0.1〜10重量部が更に好ましい。
凝集剤は、水系媒体に溶解させて添加することが好ましく、凝集剤の添加時及び添加終了後には十分な攪拌をすることが好ましい。得られた凝集粒子は、凝集粒子を合一させる工程(合一工程)に供される。
[合一工程]
合一工程においては、系内の温度は凝集工程の系内の温度と同じかそれ以上であることが好ましいが,目的とするトナーの粒径、粒度分布、形状制御及び粒子の融着性の観点から、結着樹脂の軟化点−50℃以上、軟化点+10℃以下が好ましく、軟化点−40℃以上、軟化点+10℃以下がより好ましく、軟化点−30℃以上、軟化点+10℃以下が更に好ましい。また、攪拌速度は凝集粒子が沈降しない速度であることが好ましい。
合一工程は、例えば昇温を連続的に行うことにより、あるいは凝集かつ合一が可能な温度まで昇温後、その温度で攪拌を続けることにより、凝集工程と同時に行うこともできる。
得られた合一粒子を、必要に応じ、適宣、ろ過などの固液分離工程、洗浄工程、乾燥工程に供することにより、トナー母粒子を得ることができる。
洗浄工程では、トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、トナー母粒子表面の金属イオンを除去するため酸を用いることが好ましく、洗浄は複数回行うことが好ましい。
また、乾燥工程では、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等、任意の方法を採用することができる。トナー母粒子の乾燥後の水分含量は、帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、さらには1.0重量%以下に調整することが好ましい。
[電子写真用トナー]
本発明の電子写真用トナーは、上述のようにして得られた合一粒子(トナー母粒子)を含むものであるが、該合一粒子のトナー中における含有量は、トナーの帯電性及び定着性の点から、95〜100重量%であることが好ましく、96.5〜99重量%であることが更に好ましい。
また、高画質化と生産性の観点から、トナー粒子の体積中位粒径(D50)は1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜7μmがさらに好ましい。粒度分布は、同様の観点から、CV値(粒度分布の標準偏差/体積平均粒径(D50)×100)は30%以下が好ましく、27%以下がより好ましい。
また、トナーの軟化点は、低温定着性の観点から、60〜140℃あることが好ましく、より好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60〜120℃である。また、示差走査熱量計による吸熱の最大ピーク温度は、同様の観点から、60〜140℃であることが好ましく、より好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは0〜120℃である。
本発明のトナーには、外添剤として流動化剤等の助剤をトナー母粒子表面に添加処理することができる。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、公知の微粒子が使用できる。
外添剤の配合量は、外添剤による処理前のトナー母粒子100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、1.5〜3.5重量部がより好ましい。ただし、外添剤として疎水性シリカを用いる場合は、外添剤による処理前のトナー母粒子100重量部に対して、疎水性シリカを1〜3重量部用いることが好ましい。
本発明の電子写真用トナーが適用される被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンターなどに使用される普通紙、OHPシートなどが挙げられる。これらの被転写体表面に転写されたトナー画像は、例えば、過熱型定着器により熱定着され、最終的なトナー画像が形成される。加熱型定着器としては加熱ロール等を用いる接触加熱型定着方式や、オーブン加熱よる非接触加熱型定着方式が挙げられるが、信頼性や安全性、また熱効率の観点から接触型定着装置を用いることが好ましい。
各物性値は以下の方法により測定、評価した。
[樹脂の酸価]
JIS K0070に従って測定する。
[樹脂及びトナーの軟化点、融点及びガラス転移点]
(1)軟化点
(i)樹脂
ASTM D36−86に従って測定する。
(ii)トナー
フローテスター(島津製作所、「CFT−500D」)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
(2)ガラス転移点
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測される場合にはそのピークの温度を、また軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の高温側のベースラインの延長線との交点の温度を、ガラス転移点として読み取る。
[結着樹脂の数平均分子量]
以下の方法により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布を測定し、数平均分子量を算出する。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、結着樹脂又はトナーをクロロホルムに溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター[住友電気工業(株)製、「FP−200」]を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2)分子量分布測定
下記装置を用いて、クロロホルムを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO−8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー社製)
[乳化粒子の粒径]
レーザー回折型粒径測定機(HORIBA製、「LA−920」)を用いて、測定用セルに蒸留水を加え、吸光度が適正範囲になる濃度で体積中位粒径(D50)を測定する。
[乳化液中の着色剤分散状態の観察]
光学顕微鏡(KEYENCE製、「VH−5910」)を用いて、乳化液を微量スライドグラスの上に滴下し、カバーガラスをして2500倍の倍率で観察する。顕微鏡写真からソフトウェア「Scion Image」を用い、全視野(視野サイズ:57μm×137μm)において凝集した着色剤と分散した乳化液とを二値化により分離し、円相当径で2μm以上の凝集粒子の個数をカウントする。
[乳化時の未反応物の重量]
結着樹脂の総重量が600gとなる仕込み量に対して、固形分濃度が30重量%となるように水を添加して得られた乳化液を製造終了後に200メッシュ(目開き105μm)の金網を通した際に、メッシュ上に残存した残留物を未反応物として秤量する。
[トナーの粒径]
(1)分散液の調製:分散液[「エマルゲン 109P」(花王製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5重量%水溶液]5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解質[「アイソトンII」(ベックマンコールター社製)]25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させ分散液を得る。
(2)測定装置:「コールターマルチサイザーII」(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:「コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19」(ベックマンコールター社製)
(3)測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子について、体積中位粒径(D50)を求める。また、CV値は下記の式に従って算出する。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径)×100
[印字画像の濃度測定]
厚紙に市販のプリンタ(OKI製、「ML5400」)を用いて画像を出力し、該画像を測色計(Gretag−Macbeth社製、「SpectroEye」)を用いて、光射条件を標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DIN NBにおいて絶対白基準で測色し、画像濃度を測定する。
製造例1 ポリエステル樹脂Aの製造
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン8320g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80g、テレフタル酸1592g及びジブチル錫オキサイド(エステル化触媒)32gを窒素雰囲気下、常圧下230℃で5時間反応させ、更に減圧下で反応させた。210℃に冷却し、フマル酸1672g、ハイドロキノン8gを加え、5時間反応させた後に、更に減圧下でASTM D36−86に従って測定した軟化点が110℃に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂Aを得た。
製造例2 ポリエステル樹脂Bの製造
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン17500g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン16250g、テレフタル酸11454g、ドデセニルコハク酸無水物1608g、トリメリット酸無水物4800g及びジブチル錫オキサイド15gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、220℃で攪拌し、ASTM D36−86に従って準拠して測定した軟化点が120℃に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂Bを得た。
製造例3 ポリエステル樹脂Cの製造
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン34090g、フマル酸5800g及びジブチル錫オキサイド15gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で攪拌し、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が100℃に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂Cを得た。
製造例4 マスターバッチAの製造
製造例3で得られたポリエステル樹脂Cの微粉末50重量部及び大日精化製ジメチルキナクリドンのスラリー顔料(クロモファインレッド6111:固形分25.8重量%)50重量部をヘンシェルミキサーに仕込み5分間混合し湿潤させた。次にこの混合物をニーダー型ミキサーに仕込み徐々に加熱した。ほぼ90〜110℃にて樹脂が溶融し、水が混在した状態で混練し、水を蒸発させながら20分間90〜110℃で混練を続けた。
更に120℃にて混練を続け残留している水分を蒸発させ、脱水乾燥させた。更に120〜130℃にて10分間混練を続けた。冷却後更に加熱三本ロールにより混練し、冷却、粗粉砕して青色顔料を30重量%の濃度で含有する高濃度着色組成物の粗粉砕品(マスターバッチA)を得た。これをスライドグラスに乗せて加熱溶融させて顕微鏡で観察したところ、顔料粒子は微細に分散しており、粗大粒子は認められなかった。
製造例5 マスターバッチBの製造
製造例3で得られたポリエステル樹脂Cの微粉末70重量部及び大日精化製ジメチルキナクリドンのスラリー顔料(クロモファインレッド6111:固形分25.8重量%)を顔料分30重量部になるようにヘンシェルミキサーに仕込み5分間混合し湿潤させた。次にこの混合物をニーダー型ミキサーに仕込み徐々に加熱した。ほぼ90〜110℃にて樹脂が溶融し、水が混在した状態で混練し、水を蒸発させながら20分間90〜110℃で混練を続けた。
更に120℃にて混練を続け残留している水分を蒸発させ、脱水乾燥させた。更に120〜130℃にて10分間混練を続けた。冷却後更に加熱三本ロールにより混練し、冷却、粗粉砕して青色顔料を30重量%の濃度で含有する高濃度着色組成物の粗粉砕品(マスターバッチB)を得た。これをスライドグラスに乗せて加熱溶融させて顕微鏡で観察したところ、顔料粒子は微細に分散しており、粗大粒子は認められなかった。
製造例6 顔料とポリエステル樹脂との混練物Aの製造
製造例1で得られたポリエステル樹脂A3900gと、製造例2で得られたポリエステル樹脂B2100gと、大日本インキ化学工業製ジメチルキナクリドンの生顔料(supermagentaR)450gとの混合物を、羽根回転数を1500回転/分に設定したヘンシェルミキサー(容量20L)を用いて、5分間予備混合した。
得られた混合物を、10kg/hの供給速度でテーブルフィーダーを用いて、連続式2本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山(株)製、ロール外径:140cm、有効ロール長:80cm)に供給し、混練物Aを得た。なお、混練機の運転条件は、高回転ロール(前ロール)の回転数を75回転/分、低回転ロール(後ロール)の回転数を50回転/分、ロールの間隙を0.1mmに調整した。また、ロール内の加熱及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側を145℃、混練物排出側を100℃、低回転ロールの原料投入側を75℃、混練物排出側を30℃に、それぞれ設定した。
得られた混練物Aを冷却ベルトにて冷却後、2mmφのスクリーンを有するミルにて粗粉砕した。
実施例1 着色剤含有樹脂乳化液Aの製造
5リットル容のステンレス釜で、ポリエステル樹脂A390g、ポリエステル樹脂B210g、大日精化製ジメチルキナクリドンのスラリー顔料(クロモファインレッド6111:平均粒径60nm、含水率74重量%)174g及びノニオン界面活性剤「エマルゲン430(花王製)」ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB:16.2)6.0g、アニオン界面活性剤「ネオペレックスG−25(花王製)」ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分:26重量%)24.0g及び中和剤として水酸化カリウム水溶液(濃度:5重量%)を279g加えて、カイ型の攪拌機で200回転/分の攪拌下、95℃で分散させて、内容物が95℃に達してから2時間攪拌した。次いで、カイ型の攪拌機で200回転/分の攪拌下、脱イオン水1321gを滴下し、200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、着色剤含有樹脂乳化液Aを得た。このとき、金網上には4gの未反応物が残った。また、得られた着色剤含有樹脂乳化液Aの固形濃度は28.0重量%、着色剤含有樹脂乳化粒子の体積中位粒径は0.21μmであった。
実施例2 着色剤含有樹脂乳化液Bの製造
実施例1において、スラリー顔料を大日精化製ジメチルキナクリドンのスラリー顔料(クロモファインレッド6111:平均粒径60nm、含水率68重量%)121gとし、脱イオン水を1370g滴下すること以外は、実施例1と同様にして着色剤含有樹脂乳化液Bを得た。このとき、金網上には3gの未反応物が残った。また、得られた着色剤含有樹脂乳化液Bの固形濃度は28.1重量%、着色剤含有樹脂乳化粒子の体積中位粒径は0.23μmであった。
実施例3 着色剤含有樹脂乳化液Cの製造
実施例1において、スラリー顔料を大日精化製ジメチルキナクリドンのスラリー顔料(クロモファインレッド6111:平均粒径60nm、58重量%)107gとし、脱イオン水を1370g滴下すること以外は、実施例1と同様にして着色剤含有樹脂乳化液Cを得た。このとき、金網上には4gの未反応物が残った。また、得られた着色剤含有樹脂乳化液Cの固形濃度は27.7重量%、着色剤含有樹脂乳化粒子の体積中位粒径は0.25μmであった。
比較例1 着色剤含有樹脂乳化液Dの製造
実施例1において、ポリエステル樹脂Aの重量を345gとし、大日精化製ジメチルキナクリドンのスラリー顔料(クロモファインレッド6111)をマスターバッチA90.0gとし、脱イオン水を2139g滴下すること以外は、実施例1と同様にして着色剤含有樹脂乳化液Dを得た。このとき、金網上には67gの未反応物が残った。また、得られた着色剤含有樹脂乳化液Dの固形濃度は21.8重量%、着色剤含有樹脂乳化粒子の体積中位粒径は0.18μmであった。
比較例2 着色剤含有樹脂乳化液Eの製造
実施例1において、ポリエステル樹脂Aの重量を285gとし、大日精化製ジメチルキナクリドンのスラリー顔料(クロモファインレッド6111)をマスターバッチB150.0gとし、水酸化カリウム水溶液の使用量を269gとし、脱イオン水を1458g滴下すること以外は、実施例1と同様にして着色剤含有樹脂乳化液Eを得た。このとき、金網上には92gの未反応物が残った。また、得られた着色剤含有樹脂乳化液Eの固形濃度は25.1重量%、着色剤含有樹脂乳化粒子の体積中位粒径は0.36μmであった。
比較例3 着色剤含有樹脂乳化液Fの製造
実施例1において、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及び大日精化製ジメチルキナクリドンのスラリー顔料を用いるかわりに製造例6で得られた混練物Aを645g用い、脱イオン水を1450g滴下すること以外は、実施例1と同様にして着色剤含有樹脂乳化液Fを得た。このとき、金網上には3gの未反応物が残った。また、得られた着色剤含有樹脂乳化液Fの固形濃度は28.4重量%、着色剤含有樹脂乳化粒子の体積中位粒径は0.26μmであった。
実施例1〜3及び比較例1〜3の測定結果を表1に示す。
Figure 0005134207
実施例4〜6、比較例4〜6
[電子写真用トナーの製造]
2リットル容の容器において、実施例1〜3及び比較例1〜3で調製した着色剤含有樹脂乳化液A〜Fの各々400gを各々室温下にて混合した。次に、カイ型の攪拌機で100回転/分で攪拌しながら、この混合物に凝集剤として硫酸アンモニウム6.8gを231gの脱イオン水に溶解させた水溶液を室温で15分かけて滴下した。その後、60分かけて混合分散液を80℃まで昇熱し、さらに60分かけて90℃まで昇温を行った後、90℃に固定して、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA製造、「LA−920」)で測定する体積中位粒径(D50)が4.5〜6.0μmになるまで、凝集・合一を行った。また、この保持工程中に形状が凝集粒子から合一粒子へ変化することを確認した。
次いで、室温まで徐冷し、吸引ろ過工程、洗浄工程及び乾燥工程を経て着色樹脂微粒子粉末を得た。得られた着色樹脂微粒子の粉末100重量部に対して1.0重量部の疎水性シリカ(ワッカーケミー製、「TS530」、1次個数平均粒子径:8nm)をヘンシェルミキサーで外添し、電子写真用トナーを得た。
得られた電子写真用トナーの測定及び評価結果を表2に示す。実施例は画像濃度が高くなっており、着色剤の分散性が良好なことが分かる。
Figure 0005134207
本発明により、着色剤の分散性に優れ、生産性が高い着色剤含有樹脂乳化粒子及びトナーを製造することができ、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などにおいて用いられる電子写真用トナーの製造に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 下記工程(1)及び(2)を有する電子写真用トナーの製造方法。
    (1)水系媒体中で、結着樹脂と含水率が50〜90重量%である含水着色剤とを、界面活性剤の存在下において、混合し乳化させることにより、着色剤含有樹脂乳化粒子を製造する工程であって、乳化させる際の温度が85〜100℃である工程
    (2)得られた着色剤含有樹脂乳化粒子を凝集・合一させる工程
  2. 工程(1)において、水系媒体中で、結着樹脂と含水率が50〜90重量%である含水着色剤とを、界面活性剤の存在下において混合した後に、中和し、次いで乳化させる請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 中和させる際の温度が、結着樹脂のガラス転移温度以上かつ軟化点以下の温度である請求項2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 前記含水着色剤が、着色剤の水分散液を一部脱水して得られたものである請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 結着樹脂がポリエステルである請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. 着色剤がジメチルキナクリドンである請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
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