JP4832228B2 - トナー用樹脂乳化液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などに用いられる電子写真用トナー、及び該トナーに用いられる樹脂乳化液ならびにマスターバッチに関する。
電子写真用トナーの分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応したトナーの開発が要求されている。高画質化の観点からは、トナーを小粒径化する必要があり、従来の溶融混練法に代わり、重合法や乳化分散法などのケミカル法により得られる、いわゆるケミカルトナーが提案されている。このような方法においては、従来から着色剤の分散性を高める為、トナーの結着樹脂とともに着色剤のマスターバッチが用いられてきた。例えば、特許文献1においては、乳化の際に着色剤のマスターバッチと結着樹脂の混合物を用いることで着色剤の分散性に優れた乳化粒子を調製する技術が提案されている。
しかしながら、上記の技術においては、着色剤の種類によっては、マスターバッチを形成する樹脂との相互作用により乳化が困難な場合があった。
特開2006-171691号公報
本発明は、着色剤と、マスターバッチを形成する樹脂との相互作用を軽減し粘度を低減することができるマスターバッチに関する、また、本発明は、トナーの製造の際、着色剤のマスターバッチを用いた場合でも、乳化時における乳化性を大幅に改善することができ、粗大粒子の発生を低減できることから、乳化時の生産性及びトナーの画像濃度を著しく向上することができるトナー用マスターバッチ、該マスターバッチを用いて得られた樹脂乳化液、及びこれを用いた電子写真用トナー、ならびにこれらの製造方法に関する。
本発明は、
(1)樹脂、着色剤及び可塑剤を含有してなるトナー用マスターバッチ、
(2)上記(1)記載のマスターバッチ及び結着樹脂を水系媒体中に分散し乳化してなるトナー用樹脂乳化液、
(3)少なくとも上記(1)記載のマスターバッチ及び結着樹脂を混合する工程、及び得られた混合物を水系媒体中に分散し乳化する工程、を有する樹脂乳化液の製造方法であって、前記マスターバッチのフローテスターによる95℃における前記マスターバッチの溶融粘度と結着樹脂の溶融粘度の比(マスターバッチの粘度/結着樹脂の粘度)が0.1〜0.5であるトナー用樹脂乳化液の製造方法、
(4)上記(3)記載の製造方法により樹脂乳化液を得る工程、及び得られた樹脂乳化液中の乳化粒子を凝集、合一させる工程、を有する電子写真用トナーの製造方法、及び
(5)上記(4)記載の製造方法により得られる、電子写真用トナー、
を提供する。
本発明によれば、着色剤と、マスターバッチを形成する樹脂との相互作用を軽減し粘度を低減することができるマスターバッチを提供することができる。また、本発明によれば、着色剤のマスターバッチを用いた場合でも、乳化時における乳化性を大幅に改善でき、粗大粒子の発生を低減できることから、乳化時の生産性及びトナーの画像濃度を著しく向上することができるトナー用マスターバッチ、該マスターバッチを用いて得られた樹脂乳化液、及びこれを用いた電子写真用トナー、ならびにこれらの製造方法を提供することができる。
[トナー用マスターバッチ]
本発明のトナー用マスターバッチについて説明する。
本発明のトナー用マスターバッチは、樹脂、着色剤及び可塑剤を含有し、トナー用に調製されたものである。本発明のトナー用マスターバッチは、上記本発明の課題を達成する観点から、好ましくは、着色剤が樹脂中に分散してなるものであり、より好ましくは、少なくとも樹脂、着色剤及び可塑剤を溶融混練して得られるものである。
本発明のトナー用マスターバッチに用いる樹脂は、後述のトナーの製造に用いられる結着樹脂と同種の樹脂であっても異種の樹脂であってもよいが、着色剤の分散性の観点から、同種の樹脂が好ましい。例えば結着樹脂がポリエステルを含有するものである場合は、マスターバッチの樹脂は、結着樹脂と同一あるいは異なる組成のポリエステルを含有するものであることが好ましい。本発明においては、上記樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、マスターバッチに用いる樹脂の酸価は、マスターバッチと混合する結着樹脂中での着色剤の分散性の観点から、マスターバッチと混合する結着樹脂の酸価より低い値であることが好ましく、より好ましくは結着樹脂の酸価より1mgKOH/g以上低い値、さらに好ましくは1.5mgKOH/g以上低い値である。尚、樹脂及び又は結着樹脂が複数の樹脂を含有する場合には、前記樹脂及び結着樹脂の酸価は各樹脂の混合物としての値を意味する。
マスターバッチに含有される着色剤としては、特に制限はなく公知のブラック、
イエロー、マゼンタ、シアン等の着色剤がいずれも使用できる。具体的には、カーボンブラック、無機系複合酸化物、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ベンガル、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート等の種々の顔料やアクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、チアゾール系等の各種染料を1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、本発明の課題を顕著に達成する観点から、マゼンタ顔料が好ましく用いられ、より好ましくはキナクリドン顔料であり、更に好ましくはジメチルキナクリドン顔料である。
マスターバッチ中の着色剤の含有量は、着色剤の分散性や、生産性の点から、10〜50重量%であることが好ましく、20〜40重量%がより好ましく、25〜35重量%が更に好ましい。また、着色剤は、マスターバッチ中の樹脂100重量部に対して、好ましくは14〜70重量部、より好ましくは28〜57重量部、更に好ましくは35〜50重量部含有される。
可塑剤としては、その種類に特に制限はなく高分子物質に用いられる公知の可塑剤がいずれも用いられる。可塑剤の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックスなどのワックスなどのほか、界面活性剤なども使用できる。活性剤の中では粘度制御の観点から、非イオン性界面活性剤が好ましく、具体的には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルあるいはポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類、ポリエチレングルコールモノラウレート、ポリエチレングルコールモノステアレート、ポリエチレングルコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。
これらのうち、本発明においては、着色剤分散性や乳化性の点から、ポリオキシエチレン(平均付加モル数:10〜60モル)アルキル(炭素数8〜18)エーテル類が好ましく用いられ、具体的には、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルを好ましく用いることができる。
本発明においては、上記可塑剤を1種単独で用いることもできるが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。マスターバッチ中の可塑剤の含有量は、溶融粘度の低減効果と乳化性の両立の点から、0.2〜2重量%であることが好ましく、0.5〜2重量%がより好ましく、1.0〜1.5重量%が更に好ましい。また、可塑剤は、マスターバッチ中の樹脂と顔料の合計100重量部に対して、0.2〜2重量部であることが好ましく、0.5〜2重量部がより好ましく、1.0〜1.5重量部が更に好ましい。
本発明のマスターバッチの製造方法としては、例えば、
方法(1):乾燥した粉末状の着色剤、樹脂、可塑剤、及び必要に応じて水等の分散助剤を混合機又は混練機に仕込み、混合して着色剤、樹脂を湿潤し、加圧下又は常圧で加熱して着色剤、樹脂及び可塑剤を溶融混練した後、水分を常圧又は減圧下で蒸発させて乾燥除去する方法、
方法(2):乾燥した着色剤及び樹脂を加熱して樹脂を溶融させた後、水、可塑剤を添加して加圧下又は常圧で着色剤、樹脂及び可塑剤を溶融混練し、水分を常圧又は減圧下で蒸発させて乾燥除去する方法、
方法(3):着色剤のプレスケーキ(水性ペーストを含む)と樹脂を可塑剤とともに溶融混練して水性相の着色剤を樹脂相に移行させ、水分を除去する方法、
等が挙げられる。
ここで、着色剤のプレスケーキとは、着色剤の水分散液を適宜ろ過等により脱水したものをいう。着色剤のプレスケーキ中の固形分(着色剤)量は、20〜60重量%が好ましく、着色剤の樹脂中への分散性の観点から、プレスケーキが水性ペースト状となる20〜50重量%がより好ましい。
これらの方法の中では着色剤の分散性の観点から、方法(3)が好ましく、方法(3)により得られるマスターバッチを一般にフラッシングマスターバッチと呼ぶ。フラッシングマスターバッチの製造では、着色剤のプレスケーキと樹脂との混練により、水性相の着色剤が樹脂相に移行する。そして、フラッシング時の混練機の強力な剪断作用によって樹脂が餅状に軟化し、この餅状に軟化した樹脂の内部剪断力の作用によって、着色剤が樹脂中に移行及び分散する。そのため、フラッシングマスターバッチは、方法(1)や方法(2)のように一旦乾燥した着色剤を用いる方法と比較して、着色剤の分散性が良好である。また、着色剤と樹脂のみを用いて(3)の方法でマスターバッチを製造する場合、着色剤の種類によっては、マスターバッチを形成する樹脂との相互作用によりトナー製造の際の乳化工程において、乳化が行われにくいことがあった。本発明においては、着色剤及び樹脂とともに可塑剤を使用することによって、着色剤とマスターバッチを形成する樹脂との相互作用を軽減することができ、トナー製造の際の乳化工程の乳化性を大幅に改善することができる。この結果、粗大粒子の発生を低減でき、乳化時の生産性、乳化液の濃度及び得られるトナーの画像濃度を著しく向上することができる。
一般に合成着色剤は、ミクロンオーダーの結晶であり、着色剤クルードと呼ばれる。フラッシングマスターバッチの製造に用いられる着色剤のプレスケーキは、着色剤クルードのプレスケーキであってもよいが、物理的手法又は化学的処理によって着色剤クルードを微細化した微細着色剤のプレスケーキであるのが好ましい。
着色剤クルードを微細化する物理的手法の一つに機械的摩砕による方法がある。機械的摩砕による方法は、特に限定はされないが、例えば、金属製ボール、セラミック製ボール等のミル用ボール等の破砕用媒体を破砕機に投入し、破砕機の振動によって摩砕作用を発現させるか、破砕機自体をさらにドラム回転様に回転させることによって振動と回転により摩砕作用を惹起させる方法等が挙げられる。摩砕に際しては、摩砕助剤として食塩、芒硝等の摩砕助剤を用いることにより摩砕効果を高めることができる。従って、本発明においてフラッシングマスターバッチの原料として用いられる着色剤は、着色剤の小粒径化の観点から、特に摩砕助剤として食塩等の塩を使用するソルトミリングと呼ばれる方法により摩砕された着色剤のプレスケーキが好ましい。摩砕した着色剤クルードの乾燥は、乾燥機に設置した加熱源(水蒸気等の加熱媒体の循環等)による加熱等により、通常は減圧下で行われる。乾燥は回分式、連続式等により行うことができる。上記方法において使用可能な乾燥機としては、振動流動乾燥機と称される市販品や加熱装置及び減圧装置を設置した振動ミル等が挙げられる。乾燥機内で摩砕し、乾燥する方法により、合成工程を経て得られる着色剤及び反応溶剤等を含む反応混合物を、顔料化工程を経ずに直接摩砕、乾燥することによって、微細化着色剤を製造することもできる。
フラッシングマスターバッチに用いられる樹脂は、軟化点が好ましくは130℃以下の樹脂であることが望ましく、着色剤のプレスケーキと樹脂を混練する際の温度は、樹脂の融点又は軟化点未満の温度であって、水の沸点未満の温度であるのが好ましく、その圧力は常圧が好ましい。
また、フラッシングマスターバッチの製造において、着色剤のプレスケーキと樹脂を混練する際には、さらに必要に応じて有機溶剤を使用することもできるが、本発明に用いられるフラッシングマスターバッチは、有機溶剤が実質的に使用されていないものであることが好ましい。
本発明においては、上記トナー用マスターバッチは、着色剤分散性と乳化性の両立の観点から、95℃におけるその溶融粘度が、好ましくは10,000〜100,000であり、更に好ましくは10,000〜80,000である。上記粘度の測定は、フローテスター(島津製作所、「CFT−500D」)を用い測定することができ、具体的には後述の方法で測定できる。
本発明のトナー用マスターバッチは、可塑剤を使用することにより、着色剤と、マスターバッチを形成する樹脂との相互作用を軽減することができる。これにより、このマスターバッチを用いてトナーを製造する際には、乳化時における乳化性を大幅に改善でき、粗大粒子の発生を低減できることから、乳化時の生産性及びトナーの画像濃度を著しく向上することができる。
[トナー用樹脂乳化液及びその製造方法]
次に、本発明のトナー用樹脂乳化液について説明する。
本発明のトナー用樹脂乳化液は、上記本発明のトナー用マスターバッチ及び結着樹脂を混合し、得られた混合物を水系媒体中に分散し乳化してなるものであり、95℃における前記マスターバッチの溶融粘度と、結着樹脂の溶融粘度の比(マスターバッチの粘度/結着樹脂の粘度)が0.1〜0.5であるものである。
結着樹脂
本発明において用いられる結着樹脂には、トナーの定着性及び耐久性の観点から、ポリエステルが含有されることが好ましい。ポリエステルの含有量は、結着樹脂中、定着性及び耐久性の観点から、60重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、実質100重量%であることが更に好ましい。
ポリエステル以外の結着樹脂としては、トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。
ポリエステルの原料モノマーは、特に限定されないが、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
このアルコール成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
このカルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じエステル化触媒を用いて、180〜250℃程度の温度で縮重合することにより製造することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、ジオクチル酸錫等の錫化合物やチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等のエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.1〜0.6重量部がより好ましい。
トナーの保存性の観点から、ポリエステルの軟化点は70〜165℃が好ましく、ガラス転移点は50〜85℃が好ましい。酸価は、乳化する際の製造性の観点から、6〜35mgKOH/gが好ましく、10〜35mgKOH/gがより好ましく、15〜35mgKOH/gがさらに好ましい。また、前述のように、結着樹脂の酸価は、マスターバッチに用いる樹脂の酸価以上の値であることが好ましく、より好ましくは、マスターバッチに用いる樹脂の酸価より1mgKOH/g以上高い値、さらに好ましくは1.5mgKOH/g以上高い値である。軟化点や酸価は縮重合の温度、反応時間を調節することにより所望のものを得ることができる。
トナーの耐久性の観点から、ポリエステルの数平均分子量は1,000〜10.000が好ましく、2,000〜8,000がより好ましい。
また、生産性やトナーの耐久性の点から、95℃における結着樹脂の溶融粘度は、好ましくは50,000〜500,000であり、より好ましくは100,000〜500,0000である。
尚、結着樹脂が複数の結着樹脂を含有する場合には、前記結着樹脂の軟化点、ガラス転移点、酸価、数平均分子量及び溶融粘度は、いずれも各結着樹脂の混合物としての値を意味する。
さらに、本発明のトナー用結着樹脂は、定着性及び耐久性の観点から、軟化点が異なる2種類のポリエステルを含有することができ、一方のポリエステル(a)の軟化点は70以上115℃未満が好ましく、他方のポリエステル(b)の軟化点のポリエステルの軟化点は115℃以上165℃以下が好ましい。
また、ポリエステル(a)の溶融粘度は好ましくは10,000以上100,000未満であり、より好ましくは15,000以上80,000以下であり、更に好ましくは20,000以上50,000以下である。ポリエステル(b)の溶融粘度は好ましくは100,000以上1,000,000以下であり、より好ましくは200,000以上800,000以下であり、更に好ましくは300,000以上6000,000以下である。
ポリエステル(a)とポリエステル(b)の重量比(a/b)は、10/90〜90/10が好ましく、50/50〜90/10がより好ましい。
水系媒体
水系媒体は水を主成分とするものである。環境性の点から、水系媒体中の水の含有量は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、100重量%がさらに好ましい。
水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。これらのなかでは、トナーへの混入を防止する観点から、樹脂を溶解しない有機溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系有機溶媒が使用できる。本発明では、実質的に有機溶剤を用いることなく、水のみを用いて結着樹脂を微粒化させることが好ましい。
樹脂乳化液
本発明のトナー用樹脂乳化液は、高い乳化液濃度を有するものである。樹脂乳化液中における樹脂粒子は、少なくとも前記マスターバッチ及び結着樹脂、さらに必要に応じて着色剤、離型剤、荷電制御剤などの添加剤を含有することができる。
着色剤としては、特に制限はなく公知の着色剤がいずれも使用でき、具体的には、上記マスターバッチに用いたものと同様のものが使用できる。
着色剤の含有量は、前記マスターバッチ中の着色剤との合計量として、マスターバッチ中の樹脂を含む結着樹脂100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
本発明においては、95℃における前記マスターバッチの溶融粘度と、マスターバッチ中の樹脂を除く結着樹脂の溶融粘度の比(マスターバッチの粘度/結着樹脂の粘度)は、乳化時における優れた乳化性及び高い乳化液濃度を達成する観点から0.1〜0.5であり、好ましくは0.15〜0.45であり、更に好ましくは0.15〜0.4である。
離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、添加効果及び帯電性への悪影響を考慮して、マスターバッチ中の樹脂を含む結着樹脂100重量部に対して、通常1〜20重量部程度、好ましくは2〜15重量部である。
荷電制御剤としては、例えば安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、マスターバッチ中の樹脂を含む結着樹脂100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、0.01〜5重量部がより好ましい。
上記添加剤を結着樹脂及びマスターバッチと混合した後、混練機で溶融混練する。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断や荷電制御剤、離型剤等の過分散を招来しないように適正な条件で行なうことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考に行なうべきであり、軟化点より低温過ぎると上記分子鎖の切断が激しく、高温過ぎると荷電制御剤や離型剤の分散が進まない。この点から、具体的には、溶融混練の加熱温度は、好ましくは70〜170℃、更に好ましくは80〜160℃である。
上記溶融混練を行うための溶融混練機としては、一軸、二軸や加圧式の複数ロールを有する連続混練機や、ロールミルやニーダー型ミキサーによるバッチ式混練機、オープンロール型混練機を用いることができ、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コニーダー、池貝鉄工所社製PCM型2軸押出機、オープンロール型連続混練機等が好適に用いられる。これらの中では、分散性の観点から、二軸押出機、加圧式の複数ロールを有する連続混練機、ニーダー型ミキサーやオープンロール型混練機が好ましい。二軸押出機としては、池貝鉄工所社製PCM型2軸押出機が好ましく、オープンロール型混練機としては、三井鉱山社製オープンロール型混練機が好ましい。加圧式の複数ロールを有する連続混練機としては、加圧式3本ロール連続混練機が好ましい。
オープンロール型混練機とは、少なくとも2本のロールを備え、溶融混練部がオープン型であるものをいい、本発明においては、少なくとも加熱ロールと冷却ロールとの2本のロールを備えた混練機を用いることが好ましい。かかるオープンロール型混練機は、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、オープンロール型混練機は、生産効率の観点から、連続式であるのが好ましい。
混練物が加熱ロールに張りつきやすくするために、加熱ロールの温度は結着樹脂の軟化点よりも高く、冷却ロールの温度は結着樹脂の軟化点よりも低く調整されているのが好ましい。具体的には、加熱ロールの温度は80〜200℃が好ましく、冷却ロールの温度は20〜140℃が好ましい。
加熱ロールと冷却ロールの温度の差は、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
なお、ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2つ以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
加熱ロール、特に原料投入側の温度は、結着樹脂の軟化点よりも高いことが好ましく、該軟化点よりも0〜80℃高いことがより好ましく、5〜50℃高いことが更に好ましい。また、冷却ロールの温度は、結着樹脂の軟化点よりも低いことが好ましく、軟化点よりも、0〜80℃低いことがより好ましく、40〜80℃低いことが特に好ましい。
本発明においては、結着樹脂を乳化させるに際して、結着樹脂の乳化安定性の向上などの観点から、樹脂100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは0.1〜3.5重量部、更に好ましくは、0.1〜3重量部の界面活性剤をさらに存在させることが好ましい。尚、樹脂100重量部とは、結着樹脂及びマスターバッチ中の樹脂の総量を意味する。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等のイオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記アニオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、前記カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
本発明のトナー用樹脂乳化液の製造に際して、マスターバッチと結着樹脂の配合割合は、生産性と着色剤の分散性の観点から、マスターバッチ中の樹脂を含む結着樹脂100重量部に対して、マスターバッチが5〜50重量部であることが好ましく、10〜40重量部がより好ましく、15〜35重量部であることが更に好ましい。
この乳化処理においては、マスターバッチ及び結着樹脂にアルカリ水溶液を加え、マスターバッチ、結着樹脂及び必要に応じて用いられる添加剤を分散させることが好ましい。
前記アルカリ水溶液は1〜20重量%の濃度のものが好ましく、1〜10重量%の濃度のものがより好ましく、1.5〜7.5重量%の濃度のものが更に好ましい。用いるアルカリについては、ポリエステルが塩になったときその界面活性能を高めるようなアルカリを用いることが好ましい。例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの1価のアルカリ金属の水酸化物、アルカノールアミン等の有機アミン化合物などが挙げられる。
分散後、結着樹脂のガラス転移点以上の温度で中和させた後、ガラス転移点以上の温度で水系媒体を添加することによって、転相乳化させる事により、樹脂分散液を製造することができる。
上記水系媒体の添加速度は、乳化を効果的に実施し得る点から、樹脂100g当たり好ましくは0.5〜50g/min、より好ましくは0.5〜40g/min、さらに好ましくは0.5〜30g/minである。この添加速度は、一般にO/W型の乳化液を実質的に形成するまで維持すればよく、O/W型の乳化液を形成した後の水の添加速度に特に制限はない。
当該樹脂分散液の製造に用いる水系媒体としては、前述の水系媒体と同じものを挙げることができる。
水系媒体の量は、後の凝集処理で均一な凝集粒子を得る観点から、結着樹脂100重量部に対して100〜2000重量部が好ましく、150〜1500重量部がより好ましい。
また、この際の温度は、微細な樹脂分散液を調製する観点から、マスターバッチ中の樹脂を含む結着樹脂のガラス転移点以上かつ軟化点以下の範囲が好ましい。乳化を前記範囲の温度で行うことにより、乳化がスムーズに行われ、また加熱に特別の装置を必要としない。この点から、上記温度は、結着樹脂のガラス転移点+10℃以上であることが好ましく、また、軟化点−5℃以下であることが好ましい。
このようにして得られた樹脂乳化液における樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は、後の凝集処理での均一な凝集を行うために、好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは0.05〜0.6μmである。ここで「体積中位粒径(D50)」とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。その測定方法は後述の通りである。
[電子写真用トナー及びその製造方法]
本発明の電子写真用トナーは、上記のようにして得られた樹脂乳化液中の乳化粒子を、凝集、合一させて得られる。
凝集工程
樹脂乳化液中の固形分濃度は、本発明のトナー用マスターバッチの使用により、また均一な凝集を起こさせるために、5〜50重量%が好ましく、より好ましくは5〜43重量%、さらに好ましくは5〜35重量%である。
また、系内のpHは、乳化後の分散安定性と結着樹脂等の微粒子の凝集性とを両立させる観点から、25℃において2〜10であることが好ましく、より好ましくは3〜9、さらに好ましくは4〜8である。
凝集工程においては、凝集を効果的に行うために凝集剤を添加することが好ましい。凝集剤としては、4級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤、無機金属塩、アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等の無機系凝集剤が用いられる。無機金属塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。
アンモニウム塩としては、ハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム等が、4級アンモニウム塩としては、テトラアルキルアンモニウムハライド等が挙げられるが、生産性の点から、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、テトラアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイドが好ましく挙げられる。
前記凝集剤の使用量は、トナーの耐環境特性の観点から、結着樹脂100重量部に対して30重量部以下が好ましく、より好ましくは25重量部以下である。
前記凝集剤の添加は、均一な凝集を行うために、凝集工程系内のpHを調整した後で、かつ樹脂のガラス転移点以下の温度、好ましくはガラス転移点―10℃以下の温度で行うのが望ましい。また、凝集剤は水系媒体溶液にして添加することができる。さらに、凝集剤の添加時及び添加終了後には十分な攪拌をすることが好ましい。
高画質化の観点から、凝集粒子の体積中位粒径(D50)は1〜10μmであることが好ましく、2〜10μmがより好ましく、2〜9μmが更に好ましい。
合一工程
この工程は、前記凝集工程で得られた凝集粒子を合一させる工程である。
本発明においては、前記凝集工程で得られた凝集粒子を、中和した結着樹脂のガラス転移点以上に加熱して、合一させる。このときの加熱温度は、目的とするトナーの粒径、粒度分布、形状制御、及び凝集粒子の融着性の観点から、結着樹脂のガラス転移点以上、軟化点+20℃以下が好ましく、より好ましくはガラス転移点+5℃以上、軟化点+15℃以下であり、さらに好ましくはガラス転移点+10℃以上、軟化点+10℃以下である。また、攪拌速度は凝集粒子が沈降しない速度が好ましい。
得られた合一粒子は、ろ過などの固液分離工程、洗浄工程、乾燥工程を経て、トナー粒子となる。ここで、トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、洗浄工程においてトナー表面の金属イオンを除去するため酸で洗浄を行うことが好ましい。
また、乾燥工程では、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等、任意の方法を採用することができる。トナー粒子の乾燥後の水分含量は、トナーの帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、さらには1.0重量%以下に調整することが好ましい。
高画質化の観点から、合一粒子の体積中位粒径(D50)は1〜10μmであることが好ましく、2〜10μmがより好ましく、3〜9μmが更に好ましい。
電子写真用トナー
本発明の電子写真用トナーは、上記マスターバッチあるいは樹脂乳化液を使用することにより、画像濃度を著しく向上せしめたものである。
トナーの軟化点は、低温定着性の観点から、60〜140℃であることが好ましく、より好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60〜120℃である。また、ガラス転移点は、耐久性の観点から、30〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。なお、軟化点及びガラス転移点の測定方法は、樹脂におけるこれらの測定方法に準ずる。
本発明の電子写真用トナーには、外添剤として流動化剤等の助剤をトナー粒子表面に添加処理することができる。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、公知の微粒子が使用できる。
外添剤の配合量は、外添剤による処理前のトナー100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、1.5〜3.5重量部がより好ましい。ただし、外添剤として疎水性シリカを用いる場合は、外添剤による処理前のトナー100重量部に対して、疎水性シリカを1〜3重量部用いることで、前記所望の効果が得られる。
高画質化の観点から、トナー粒子の体積中位粒径(D50)は1〜10μmであることが好ましく、2〜9μmがより好ましく、3〜9μmが更に好ましい。また、前述の凝集粒子、合一粒子及びトナー粒子のCV値は、いずれも30%以下が好ましく、25%以下がより好ましく、20%以下が更に好ましい。ここで、トナー粒子の粒径及び粒度分布は、後述の方法で測定することができる。
本発明により得られる電子写真用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
以下の実施例等においては、各性状値は次の方法により測定、評価した。
[樹脂の酸価]
JIS K0070に従って測定する。但し、測定溶媒は、エタノールとエーテルの混合溶媒を、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に代えて行った。
[樹脂の軟化点及びガラス転移点]
(1)軟化点
フローテスター(島津製作所、「CFT−500D」)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
(2)ガラス転移点
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測される場合にはそのピークの温度を、また軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の高温側のベースラインの延長線との交点の温度を、ガラス転移点として読み取る。なお、ガラス転移点は、樹脂の非晶質部分に特有の物性であり、一般には非晶質ポリエステルで観測されるが、結晶性ポリエステルでも非晶質部分が存在する場合には観測されることがある。
[樹脂の数平均分子量]
以下の方法により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布を測定し、数平均分子量を算出する。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、結着樹脂をクロロホルムに溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター[住友電気工業(株)製、「FP−200」]を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2)分子量分布測定
下記装置を用いて、クロロホルムを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製の2.63×103、2.06×104、1.02×105、ジーエルサイエンス社製の2.10×103、7.00×103、5.04×104)を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO−8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー社製)
[樹脂及びマスターバッチの溶融粘度]
上記、[軟化点の測定]と同等の手法により、各温度による溶融粘度を測定した。
[乳化粒子、凝集粒子及び合一粒子の粒径]
レーザー回折型粒径測定機(HORIBA製、「LA−920」)を用いて、測定用セルに蒸留水を加え、吸光度が適正範囲になる濃度で体積中位粒径(D50)を測定する。
[トナーの粒径]
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mlに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
[印字画像の濃度測定]
厚紙に市販のプリンタ(OKI製、「ML5400」)を用いて画像を出力し、該画像を測色計(Gretag−Macbeth社製、「SpectroEye」)を用いて、光射条件を標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DIN NBにおいて絶対白基準で測色し、画像濃度を測定した。
[樹脂乳化液の濃度評価]
樹脂乳化液を測色計(Gretag−Macbeth社製 SpectroEye)を用いて、光射条件を標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DIN NBにおいて絶対白基準で測色し、反射濃度を測定する。
製造例1(ポリエステル樹脂Aの製造)
下記表1記載の原料モノマーのうち、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、テレフタル酸及び、ジブチル錫オキサイドを窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、常圧230℃で5時間反応させ、更に減圧下で反応させた。210℃に冷却し、フマル酸、ハイドロキノンを加え、5時間反応させた後に更に減圧下で反応させ、表1に示す物性のポリエステル樹脂Aを得た。
製造例2(ポリエステル樹脂Bの製造)
製造例1と同様にして、下記表1記載の原料モノマーのち、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、テレフタル酸、ドデセニルコハク酸、およびジブチルスズオキサイドを、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.0kPaにて1時間反応を行った。その後、210℃に冷却し、無水トリメリット酸を投入し、1時間常圧で反応させた後、8.0kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、表1に示す物性のポリエステル樹脂Bを得た。
製造例3(ポリエステル樹脂Cの製造)
下記表1に示す原料モノマーを用いて、製造例1と同様にして、表1に示す物性のポリエステル樹脂Cを得た。
Figure 0004832228
実施例1(マスターバッチAの製造)
表2に示す組成比で、製造例3で得られたポリエステル樹脂C、大日精化製ジメチルキナクリドンの顔料のプレスケーキ(レッドNo.36:固形分25.8重量%)及び可塑剤として非イオン性界面活性剤「エマルゲン430(花王製)」ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB:16.2)をヘンシェルミキサーに仕込み5分間混合し湿潤させた。次にこの混合物をニーダー型ミキサーに仕込み徐々に加熱した。ほぼ90〜110℃にて樹脂が溶融し、水が混在した状態で混練し、水を蒸発させながら20分間90〜110℃で混練を続けた。
更に120℃にて混練を続け残留している水分を蒸発させ、脱水乾燥させた。更に120〜130℃にて10分間混練を続けた。冷却後更に加熱三本ロールにより混練し、冷却、粗粉砕して上記マゼンタ顔料を30重量%の濃度で含有する高濃度着色組成物の粗粉砕品(フラッシングマスター;マスターバッチA)を得た。これをスライドグラスに乗せて加熱溶融させて顕微鏡で観察したところ、いずれも顔料粒子は微細に分散しており、粗大粒子は認められなかった。得られたマスターバッチAについて95℃の溶融粘度を測定した。結果を表2に示す。
比較例1(マスターバッチBの製造)
表2に示す組成比で、可塑剤である非イオン性界面活性剤「エマルゲン430(花王製)」ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB:16.2)を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、マゼンタ顔料を30重量%の濃度で含有する高濃度着色組成物の粗粉砕品(フラッシングマスターマスターバッチB)を得た。得られたマスターバッチBについて95℃の溶融粘度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004832228
実施例2,3および比較例2
表3に示すように5リットル容のステンレス釜に、ポリエステル樹脂とマスターバッチ及び非イオン性界面活性剤及び、中和剤を加え、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、95℃で分散させた。内容物を96℃に達した後2時間攪拌した後、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水を滴下し、200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、微粒化した樹脂粒子乳化液を得た。得られた各樹脂粒子乳化液についての各性状を表3に示す。
Figure 0004832228
実施例4,5及び比較例3
[電子写真用トナーの製造]
2リットル容の容器において、表4に示すように、実施例2,3、及び比較例2で調製した着色剤含有樹脂乳化液の各々400gを各々室温下にて混合した。次に、カイ型の攪拌機で100r/minで攪拌しながら、この混合物に凝集剤として硫酸アンモニウム(分子量:132.14)27gを301gの脱イオン水に溶解させた水溶液を室温で15分かけて滴下した。その後、混合分散液を3時間かけて55℃まで昇熱し、更に55℃で保持し、コールターマルチサイザーIIでの体積中位粒径(D50)が6.0〜8.0μmになるまで凝集を行った。アニオン性活性剤(花王 エマールE-27)28gをイオン交換水を320mLで溶解させた水溶液を添加し、更に30分間で85℃まで昇温後、85℃に固定し、この保持工程中に形状が凝集粒子から合一粒子へ変化することを確認した。
次いで、室温まで徐冷し、吸引ろ過工程、洗浄工程及び乾燥工程を経て着色樹脂微粒子粉末を得た。得られた着色樹脂微粒子の粉末100重量部に対して1.0重量部の疎水性シリカ(ワッカーケミー製、「TS530」、1次個数平均粒子径:8nm)をヘンシェルミキサーで外添し、電子写真用トナーを得た。得られたトナーについての画像評価結果を表4に示す。
Figure 0004832228
本発明により、マスターバッチに可塑剤を添加することにより、乳化液濃度及び画像濃度が高く、生産性の良好なトナー用樹脂乳化液及びトナーを得ることができる。
本発明のトナー用マスターバッチを用いた樹脂乳化液は、着色剤のマスターバッチを用いた場合でも、乳化性を大幅に改善し、粗大粒子の発生を低減できる。この点から、本発明の樹脂乳化液は、乳化時の生産性及びトナーの画像濃度を著しく向上することができることから電子写真法、静電記録法、静電印刷法などに使用される電子写真用トナーに好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 少なくとも樹脂、着色剤及び可塑剤を含有してなるトナー用マスターバッチ及び結着樹脂を混合する工程、及び得られた混合物を水系媒体中に分散し乳化する工程、を有する樹脂乳化液の製造方法であって、フローテスターによる95℃における前記マスターバッチの溶融粘度と結着樹脂の溶融粘度の比(マスターバッチの粘度/結着樹脂の粘度)が0.1〜0.5であるトナー用樹脂乳化液の製造方法。
  2. 前記トナー用マスターバッチが、少なくとも樹脂、着色剤及び可塑剤を溶融混練して得られる、請求項1記載のトナー用樹脂乳化液の製造方法。
  3. 前記トナー用マスターバッチが、フラッシングマスターバッチである、請求項1又は2に記載のトナー用樹脂乳化液の製造方法。
  4. 前記可塑剤が非イオン性界面活性剤である請求項1〜3のいずれかに記載のトナー用樹脂乳化液の製造方法
  5. 前記トナー用マスターバッチが、可塑剤を0.2〜2重量%含有する、請求項1〜4のいずれかに記載のトナー用樹脂乳化液の製造方法
  6. 前記着色剤がキナクリドン顔料である、請求項1〜5のいずれかに記載のトナー用樹脂乳化液の製造方法
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により樹脂乳化液を得る工程、及び得られた樹脂乳化液中の乳化粒子を凝集、合一させる工程、を有する電子写真用トナーの製造方法。
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