JP5072410B2 - 樹脂乳化液の製造方法 - Google Patents
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Description
このような結着樹脂と着色剤等との混合物を分散、乳化させてトナーを得る技術として、例えば、樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液と、着色剤を水系媒体に分散させてなる着色剤分散液とを混合し、該樹脂粒子と該着色剤とを凝集させて凝集粒子分散液を調製する工程を含むトナーの製造方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、ポリエステル樹脂及び着色剤を含有するトナー用原料を加熱溶融することにより該トナー用原料の溶融体を製造し、水性媒体中に乳化させることにより樹脂微粒子を形成させてトナーを製造する方法が開示されている(特許文献2参照)。
本発明は、得られる樹脂粒子が小粒径で、生産性に優れた樹脂乳化液の製造方法、該樹脂乳化液から得られる画像性能に優れた電子写真用トナー、及びその製造方法に関する。
(1)(A)着色剤及び/又は荷電制御剤を、80〜200MPaの圧力で水系媒体中で分散処理する工程、及び(B)工程(A)で得られた着色剤分散液及び/又は荷電制御剤分散液と樹脂とを液相媒体中で混合させて樹脂を乳化させる工程、を有する、樹脂乳化液の製造方法、
(2)上記(1)記載の製造方法により得られる樹脂乳化液、
(3)(C)上記(1)に記載の製造方法で得られる樹脂乳化液中の樹脂粒子を凝集及び合一させる工程を有する、電子写真用トナーの製造方法、及び
(4)上記(3)記載の製造方法で得られた電子写真用トナー、
に関する。
本発明の樹脂乳化液の製造方法は、(A)着色剤及び/又は荷電制御剤を、80〜200MPaの圧力で水系媒体中で分散処理する工程、及び(B)工程(A)で得られた着色剤分散液及び/又は荷電制御剤分散液と樹脂とを液相媒体中で混合させて樹脂を乳化させる工程、を有するものである。
すなわち、本発明の樹脂乳化液の製造方法によれば、小粒径で、未反応物や粗大粒子の発生が少ない樹脂粒子が高い生産性で得られ、また、これを電子写真用トナーの製造に用いた場合、得られるトナーは、画像濃度が高く、紙面カブリが少ない等画像性能に優れたものとなる。本発明の樹脂乳化液の製造方法では、結着樹脂が、着色剤分散液及び/又は荷電制御剤分散液中の着色剤粒子及び/又は荷電制御剤粒子を核としてこれら粒子を内包するように乳化すると考えられる。この着色剤粒子及び/又は荷電制御剤粒子は80〜200MPaと高い圧力で分散されているため小粒径で粗大粒子の少ないシャープな分布の粒子となるため、乳化により得られる樹脂粒子も小粒径で粗大粒子の少ない粒子となると考えられる。
以下、上記工程(A)及び工程(B)について説明する。
この工程は、着色剤及び/又は荷電制御剤を、80〜200MPaの圧力で水系媒体中で分散処理する工程である。本発明において、分散処理とは、着色剤及び/又は荷電制御剤の体積中位粒径(D50)を、水系媒体中で700nm以下にする工程である。
着色剤及び/又は荷電制御剤を分散処理する際の圧力は、80〜200MPaであるが、本発明においては、100〜200MPaであることが好ましく、100〜180MPaであることがより好ましい。上記圧力範囲の下限値以上であれば、着色剤、荷電制御剤の分散性が良好であり、また、上限値以下であれば生産性が良好であり、いずれも好ましい。
使用することができる高圧分散機としては、例えば、原料混合液あるいは分散液を、高圧で液−液対向衝突させることができるもの、オリフィスを高圧で通過させることができるもの等が挙げられ、一般に高圧ホモジナイザーと称される装置をいずれも使用することができる。具体的には、高圧分散機としては、マイクロフルイディスク社製のマイクロフルイダイザー、スギノマシン社製のアルティマイザー、ナノマイザー社製のナノマイザー等が挙げられる。
分散処理回数については、目的とする分散性等に応じ適宜調整することができ、分散圧力にも依存するが、本発明においては、2回以上行うことが好ましく、より好ましくは5回以上、更に好ましくは5〜10回行う。
の観点から、顔料を使用することが好ましく、表面処理をしている顔料を使用することがより好ましい。
色相や彩度が要求されるカラートナーへの適用の観点から、無色の荷電制御剤であるサリチル酸の金属塩が好ましく用いられ、金属塩を形成する金属としては、亜鉛、ジルコニウム、クロム、アルミニウム、銅、ニッケル、コバルト等が挙げられる。
工程(A)における荷電制御剤の使用量は、生産性の観点から、工程(A)で得られる分散液中、20〜40重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜30重量%である。また、この荷電制御剤は、分散性向上の観点から、樹脂100重量部に対して、好ましくは10重量部以下、より好ましくは0.01〜5重量部となるような量で使用して本発明の樹脂乳化液を調整する。
アニオン性界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤等が挙げられ、上記観点から、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
工程(A)における上記アニオン性界面活性剤の使用量は、着色剤・荷電制御剤の分散性、トナーへの残留性の観点から、着色剤・荷電制御剤100重量部に対して1〜35重量部であることが好ましく、より好ましくは5〜30重量部である。
また、本発明においては、粒径が510nm以上の着色剤粒子及び/又は荷電制御剤粒子の割合が、全粒子に対して1体積%以下であることがトナーの着色性・帯電性の点で好ましく、0.8体積%以下であることがより好ましく、0.5体積%以下であることが更に好ましい。本発明においては、前記体積中位粒径(D50)を有する場合に、粒径が510nm以上の粒子の割合が上記範囲内にあることが好ましい。
この工程は、工程(A)で得られた着色剤分散液及び/又は荷電制御剤分散液と樹脂とを液相媒体中で混合させて樹脂を乳化させる工程である。本発明において「混合」させるとは、着色剤分散液及び/又は荷電制御剤分散液と樹脂とを「接触」させる工程を含むものであり、好ましくは、着色剤分散液中の着色剤粒子及び/又は荷電制御剤分散液中の荷電制御剤粒子と樹脂とを「接触」させる工程を含む。
上記樹脂と着色剤分散液及び/又は荷電制御剤分散液との混合は、これらをカイ型攪拌機等の通常の攪拌機による攪拌下で行うことができる。
また、上記塩基性化合物は、乳化安定性の点から、乳化時のpHが25℃で5.6〜8、5.8〜7となるように使用することが好ましい。
樹脂を均一に中和する観点から、中和は攪拌して行うことが好ましく、攪拌時間は好ましくは30分以上、より好ましくは1時間以上である。
乳化に用いられる水性液としては、前記工程(A)で使用した水系媒体と同様のものが使用でき、該水性液の添加速度は、乳化を効果的に実施し得る点から、樹脂100g当たり、好ましくは0.5〜50g/分、より好ましくは0.5〜30g/分、さらに好ましくは1〜20g/分である。この添加速度は、一般にO/W型の乳化液を実質的に形成するまで維持されていればよく、O/W型の乳化液を形成した後の水性液の添加速度に特に制限はない。
また、O/W型の乳化液を形成した後の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は、凝集工程を行う場合、均一な凝集を行うために、好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは0.05〜0.5μmである。本明細書において、樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は、後述するようにレーザー回折型粒径測定法で得ることができる。
変動係数(CV値)=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径(D4))×100
本発明の製造方法により得られる樹脂乳化液は、未反応物及び例えば粒径2μm以上程度の粗大粒子の発生が少なく、生産性に優れたものである。
着色剤分散液及び/又は荷電制御剤分散液と混合させる樹脂には、定着性及び耐久性の観点から、ポリエステルが含有されることが好ましい。樹脂中のポリエステルの含有量は、定着性及び耐久性の観点から、60重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましい。ポリエステル以外の樹脂としては、トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。このアルコール成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステルは、例えば、上記アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。
得られるトナーの耐久性等の観点から、ポリエステルの数平均分子量は1,000〜10,000が好ましく、2,000〜8,000がより好ましい。
界面活性剤としては、例えば工程(A)で用いたものと同様のアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。これらの中で、乳化安定性などの観点から、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックスなどが挙げられる。これらの離型剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
離型剤の添加量は、添加効果及び帯電性への悪影響を考慮して、樹脂100重量部に対して、通常1〜20重量部程度、好ましくは2〜15重量部である。
尚、離型剤は、離型剤を水系媒体中で分散させて離型剤分散液と使用することも好ましい方法であり、この場合、着色剤分散液及び荷電制御剤分散液と同様に、離型剤を80〜200MPaの圧力で水系媒体中で分散処理しても良い。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、(C)上記樹脂乳化液の製造方法で得られる樹脂乳化液中の樹脂粒子を凝集及び合一させる工程を有する。以下、工程(C)について説明する。
工程(C)
凝集工程においては、凝集を効果的に行うために凝集剤を添加することが好ましい。
凝集剤としては、4級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤、無機金属塩、アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等の無機系凝集剤が用いられる。無機金属塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。本発明においては、凝集剤として、高精度のトナーの粒径制御及びシャープな粒度分布を達成する観点から、1価の塩を用いることが好ましい。ここで1価の塩とは、該塩を構成する金属イオン又は陽イオンの価数が1であることを意味する。1価の塩としては、4級塩のカチオン性界面活性剤等の有機系凝集剤、無機金属塩、アンモニウム塩等の無機系凝集剤が用いられるが、本発明においては、高精度のトナーの粒径制御及びシャープな粒度分布を達成する観点から、分子量350以下の水溶性含窒素化合物が好ましく用いられる。
凝集剤の添加は、均一な凝集を行うために、系内のpHを好ましくは2〜10、より好ましくは2〜9、さらに好ましくは3〜8に調整した後で、かつ樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移点以下の温度、好ましくは(ガラス転移点―10℃)以下の温度で行うのが望ましい。凝集剤は、一時に添加してもよいし、断続的あるいは連続的に添加してもよい。さらに、凝集剤の添加時及び添加終了後には十分な攪拌をすることが好ましい。
凝集剤は、水性媒体に溶解させて添加することが好ましく、凝集剤の添加時及び添加終了後には十分な攪拌をすることが好ましい。得られた凝集粒子は、凝集粒子を合一させる工程(合一工程)に供される。
添加される樹脂微粒子としては、特に制限はなく、本発明の樹脂乳化液に含有される樹脂粒子と同様にして調製されたものを使用することができる。
上記他の樹脂微粒子は、樹脂以外に、必要に応じて着色剤、離型剤、荷電制御剤、さらには界面活性剤、定着性向上剤などの添加剤を適宜含有することができる。
上記他の樹脂微粒子は、本発明の樹脂乳化液中の樹脂粒子と同じものであってもよく、異なるものであってもよいが、着色剤、荷電制御剤を用いる場合は、画像性能に優れたトナーを得る観点から、前述の工程(A)で得られたものを用いることが好ましい。特に、他の樹脂微粒子として、工程(A)で得られる荷電制御剤分散液中の荷電制御剤粒子を用いることがトナーの帯電均一性の点で好ましい。更にこの工程においては、上記他の樹脂微粒子を、本発明の樹脂乳化液に前述のように凝集剤を添加して得られた凝集粒子と混合させてもよい。
上記他の樹脂微粒子の凝集粒子に対する添加量は、凝集粒子に対する樹脂微粒子による均一な被覆を行う観点から、凝集粒子中の樹脂100重量部に対して、添加する樹脂微粒子を構成する樹脂が、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜90重量部、更に好ましくは20〜80重量部となるような量である。
当該工程においては、上記他の樹脂微粒子を1回又は複数回に分割して添加することができる。本発明においては、得られるトナー粒子の狭い粒度分布の達成の観点から、複数回に分割して添加することが好ましい。
前記のように他の樹脂微粒子を複数回分割して添加する場合、その回数については特に制限はないが、形成される凝集粒子の粒度分布及び生産性などの観点から、2〜10回が好ましく、2〜8回がより好ましい。
また、凝集性及び形成される凝集粒子の粒度分布などの観点から、複数回の樹脂微粒子の添加においては、添加の後5〜15分間、更には5〜30分間、特に5分〜2時間熟成させることが好ましく、複数回添加の各添加において、上記熟成時間を設けることがより好ましい。
アルキルエーテル硫酸塩としては、下記式(1)で表わされるものが好ましい。
R1−O−(CH2CH2O)pSO3M1 (1)
式中、R1はアルキル基を示し、凝集粒子への吸着性およびトナーへの残留性の観点から、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数8〜15のアルキル基が挙げられる。pは0〜15の平均付加モル数を示し、粒径制御の観点から、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の数である。M1は1価のカチオンを示し、粒径制御の観点から、好ましくはナトリウム、カリウム、アンモニウムであり、より好ましくはナトリウム、アンモニウムである。
R2−Ph−SO3M2 (2)
式中、R2は直鎖のアルキル基を示し、式(1)のR1のうち直鎖のものと同じである。Phはフェニル基、M2は1価のカチオンである。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、硫酸ナトリウム塩が好適に用いられる。
上記界面活性剤の添加量は、凝集停止性およびトナーへの残留性の観点から、凝集粒子を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜8重量部である。
工程(3)においては、凝集粒子の体積中位粒径が3μmになった時点での固形分濃度が15〜40重量%、更に20〜35重量%であることが、粒径制御の観点から好ましい。
合一工程は、例えば昇温を連続的に行うことにより、あるいは凝集かつ合一が可能な温度まで昇温後、その温度で攪拌を続けることにより、凝集工程と同時に行うこともできる。
高画質化の観点から、合一粒子の体積中位粒径は1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜7μmが更に好ましい。
洗浄工程では、トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、トナー母粒子表面の金属イオンを除去するため酸を用いることが好ましく、洗浄は複数回行うことが好ましい。
また、乾燥工程では、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等、任意の方法を採用することができる。トナー母粒子の乾燥後の水分含量は、帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、さらには1.0重量%以下に調整することが好ましい。
また、高画質化と生産性の観点から、トナーの体積中位粒径(D50)は1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜7μmがさらに好ましい。粒度分布は、同様の観点から、変動係数(粒度分布の標準偏差/体積平均粒径(D4)×100)は30以下が好ましく、27以下がより好ましく、25以下がより好ましい。
外添剤の配合量は、外添剤による処理前のトナー母粒子100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、1.5〜3.5重量部がより好ましい。ただし、外添剤として疎水性シリカを用いる場合は、外添剤による処理前のトナー母粒子100重量部に対して、疎水性シリカを1〜3重量部用いることが好ましい。
[樹脂の酸価]
JIS K0070に従って測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070に規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
(1)軟化点
フローテスター(島津製作所、「CFT−500D」)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
(2)ガラス転移点
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測される場合にはそのピークの温度を、また軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の低温側のベースラインの延長線との交点の温度を、ガラス転移点として読み取る。
レーザー回折型粒径測定機(HORIBA製、「LA−920」)を用いて、測定用セルに蒸留水を加え、水に対する相対屈折率を1.2として、吸光度が適正範囲になる濃度で得られた粒径分布からメジアン径(すなわち、体積中位粒径(D50))、及び、体積平均粒径(D4)及び標準偏差を測定、算出する。また、変動係数(CV値)は下記の式に従って算出する。
変動係数(CV値)=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径(D4))×100
レーザー回折型粒径測定機(HORIBA製、「LA−920」)を用いて、測定用セルに蒸留水を加え、水に対する相対屈折率を1.2として、吸光度が適正範囲になる濃度で得られた粒径分布から粒径510nm以上の体積%を測定する。
光学顕微鏡(KEYENCE製、「VH−5910」)を用いて、樹脂乳化液を微量スライドグラスの上に滴下し、カバーガラスをして2500倍の倍率で観察する。顕微鏡写真からソフトウェア「Scion Image」を用い、全視野(視野サイズ:57μm×137μm)において凝集した粒子と分散した粒子とを二値化により分離し、円相当径で2μm以上の凝集した粒子の個数をカウントする。
赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所:FD−230)を用いて、分散液又は乳化液5gを乾燥温度150℃,測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて、ウェットベースの水分%を測定する。固形分は下記の式に従って算出した。
固形分(%)=100−M
M:ウェットベース水分(%)=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料重量(初期試料重量)
W0:測定後の試料重量(絶対乾燥重量)
乳化液を製造終了後に150メッシュ(目開き105μm)の金網を通した際に、メッシュ上に残存した残留物を粗大粒子として秤量する。粗大粒子の残留率は、下記の式に従って算出した。
粗大粒子の残留率(重量%)=(粗大粒子の重量/樹脂の総重量)×100
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。また、トナーの変動係数(CV値)は下記の式に従って算出する。
変動係数(CV値)=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径(D4))×100
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン8320g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80g、テレフタル酸1592g及びジブチル錫オキサイド(エステル化触媒)32gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、常圧(101.3kPa)下230℃で5時間反応させ、更に減圧下で反応させた。210℃に冷却し、フマル酸1672g、ハイドロキノン8gを加え、5時間反応させた後に、更に減圧下でASTM D36−86に従って測定した軟化点が110℃に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂Aを得た。
得られたポリエステル樹脂Aの軟化点は110℃、ガラス転移点は66℃であり、酸価は24.4mgKOH/gであった。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン17500g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン16250g、テレフタル酸11454g、ドデセニルコハク酸無水物1608g、トリメリット酸無水物4800g及びジブチル錫オキサイド15gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、220℃で攪拌し、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂Bを得た。
得られたポリエステル樹脂Bの軟化点は121℃、ガラス転移点は65℃であり、酸価は18.5mgKOH/gであった。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン34090g、フマル酸5800g及びジブチル錫オキサイド15gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で攪拌し、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が100℃に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂Cを得た。
得られたポリエステル樹脂Cの軟化点は98℃、ガラス転移点は56℃であり、酸価は22.4mgKOH/gであった。
製造例3で得られたポリエステル樹脂Cの微粉末50重量部及びジメチルキナクリドンのスラリー顔料(大日精化製ECR1864Y:固形分25.8重量%)50重量部をヘンシェルミキサーに仕込み5分間混合し湿潤させた。次にこの混合物をニーダー型ミキサーに仕込み徐々に加熱した。ほぼ90〜110℃にて樹脂が溶融し、水が混在した状態で混練し、水を蒸発させながら20分間90〜110℃で混練を続けた。
更に120℃にて混練を続け残留している水分を蒸発させ、脱水乾燥させた。更に120〜130℃にて10分間混練を続けた。冷却後更に加熱三本ロールにより混練し、冷却、粗粉砕して赤色顔料を30重量%の濃度で含有する高濃度着色組成物の粗粉砕品(マスターバッチA)を得た。これをスライドグラスに乗せて加熱溶融させて顕微鏡で観察したところ、顔料粒子は微細に分散しており、粗大粒子は認められなかった。
製造例4のマスターバッチAの製造において、ポリエステル樹脂Cの微粉末を70重量部とし、ジメチルキナクリドンのスラリー顔料(大日精化製ECR1864Y:固形分25.8重量%)を顔料分30重量部になるように仕込んだ以外は同様にして、赤色顔料を30重量%の濃度で含有する高濃度着色組成物の粗粉砕品(マスターバッチB)を得た。これをスライドグラスに乗せて加熱溶融させて顕微鏡で観察したところ、顔料粒子は微細に分散しており、粗大粒子は認められなかった。
2L容のビーカーにジメチルキナクリドンの顔料(大日精化製ECR1864Y)263g、アニオン性界面活性「ネオペレックスG−15(花王製)」ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分:15重量%)233g、脱イオン水589gを投入し、ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5000rpmで5分間混合した。この混合液をマイクロフルイダイザー M−140K(マイクロフルイディックス社製)を用いて、150MPaで10回分散し着色剤分散液Aを得た。着色剤分散液Aの着色剤分散粒子の体積中位粒径は130nm、CV値は25、固形分濃度は27.5重量%であり、粒径が510nm以上の着色剤粒子は認められなかった。
製造例6において、着色剤の種類及び量、アニオン性界面活性剤「ネオペレックスG−15(花王製)」の量、脱イオン水の量及び分散条件を表1に示すように代えた以外は同様にして着色剤分散液B〜F及び荷電制御剤分散液Aをそれぞれ得た。得られた着色剤分散液B〜F及び荷電制御剤分散液Aの各々の体積中位粒径、CV値、固形分濃度、粒径が510nm以上の着色剤粒子の割合及び荷電制御剤粒子の割合を表1に示す。
製造例1で得られたポリエステル樹脂A 3900gと、製造例2で得られたポリエステル樹脂B 2100gと、大日本インキ化学工業製ジメチルキナクリドンの生顔料(supermagentaR)450gとの混合物を、羽根回転数を1500回/分に設定したヘンシェルミキサー(容量20リットル)を用いて、5分間予備混合した。
得られた混合物を、10kg/hの供給速度でテーブルフィーダーを用いて、連続式2本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山(株)製、ロール外径:140cm、有効ロール長:80cm)に供給し、混練物Aを得た。なお、混練機の運転条件は、高回転ロール(前ロール)の回転数を75r/min、低回転ロール(後ロール)の回転数を50r/min、ロールの間隙を0.1mmに調整した。また、ロール内の加熱及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側を145℃、混練物排出側を100℃、低回転ロールの原料投入側を75℃、混練物排出側を30℃に、それぞれ設定した。
得られた混練物Aを冷却ベルトにて冷却後、2mmφのスクリーンを有するミルにて粗粉砕した。
2リットル容のビーカーで、脱イオン水800gにアルケニルコハク酸ジカリウム水溶液「ラテムルASK(花王(株)社製)、有効濃度28%」7.14gを溶解させた後、カルナウバロウワックス(加藤洋行社製、融点85℃)200gを分散させた。この分散液を90〜95℃に温度を保持しながら、Ultrasonic Homogenizer 600W (日本精機社製)で30分間分散処理を行い、体積中位粒径(D50):0.51μm、CV値:32、固形分濃度:22%の離型剤分散液を得た。
5リットル容のステンレス釜で、ポリエステル樹脂A 390g、ポリエステル樹脂B210g、着色剤分散液A 185g、ノニオン界面活性剤「エマルゲン430(花王製)」ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB:16.2)6.0g、アニオン界面活性剤「ネオペレックスG−15(花王製)」ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分:15重量%)20g、脱イオン水153g、中和剤として水酸化カリウム水溶液(濃度:20重量%)を69.6g加えて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、95℃で分散させて、内容物が95℃に達してから2時間攪拌した。次いで、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水1095gを183分かけて滴下し、150メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、樹脂乳化液Aを得た。このとき、金網上には仕込み(樹脂及び顔料の総量)に対して1.7重量%の粗大粒子が残った。また、得られた樹脂乳化液Aの固形分濃度は32.1重量%、樹脂粒子の体積中位粒径は0.18μm、CV値は34であり、粒径が2μm以上の粒子は認められなかった。
実施例1において、着色剤分散液Aを、それぞれ着色剤分散液B 210g(実施例2)、着色剤分散液C 136g(実施例3)、着色剤分散液D 128g(実施例4)、着色剤分散液E 143g(実施例5)、荷電制御剤分散液A 30.2g(実施例6)とし、アニオン界面活性剤「ネオペレックスG−15(花王製)」20gを実施例2及び3の各々において除き、実施例4〜6の各々において40gとした以外は、実施例1と同様にして樹脂乳化液B〜Fを得た。このとき、金網上の粗大粒子の残留率、得られた各樹脂乳化液の固形濃度、樹脂粒子の体積中位粒径、CV値、粒径が2μm以上の粒子数を表2に示す。
5リットル容のステンレス釜で、ポリエステル樹脂A 975g、ポリエステル樹脂B525g、着色剤分散液F 384g、ノニオン界面活性剤「エマルゲン430(花王製)」ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB:16.2)15.0g、脱イオン水605g、中和剤として水酸化カリウム(和光純薬工業製 特級)を34.8g加えて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、95℃で分散させて、内容物が95℃に達してから2時間攪拌した。次いで、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水2600gを163分かけて滴下し、150メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、樹脂乳化液Gを得た。このとき、金網上の粗大粒子の残留率、得られた各樹脂乳化液の固形濃度、樹脂粒子の体積中位粒径、CV値、粒径が2μm以上の粒子数を表2に示す。
5リットル容のステンレス釜で、ポリエステル樹脂A325g、ポリエステル樹脂B175g、着色剤分散液F 128g、電荷調整剤分散液A 21.9g、ノニオン界面活性剤「エマルゲン430(花王製)」ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB:16.2)5.0g、脱イオン水187g、中和剤として水酸化カリウム(和光純薬工業製 特級)を11.6g加えて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、95℃で分散させて、内容物が95℃に達してから2時間攪拌した。次いで、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水882gを176分かけて滴下し、150メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、樹脂乳化液Hを得た。このとき、金網上の粗大粒子の残留率、得られた各樹脂乳化液の固形濃度、樹脂粒子の体積中位粒径、CV値、粒径が2μm以上の粒子数を表2に示す。
5リットル容のステンレス釜で、ポリエステル樹脂Aの重量を345g、ポリエステル樹脂B 210g、マスターバッチA 90g、ノニオン界面活性剤「エマルゲン430(花王製)」ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB:16.2)6.0g、アニオン界面活性剤「ネオペレックスG−25(花王製)」ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分:26重量%)24.0g、中和剤として水酸化カリウム水溶液(濃度:5重量%)を279g加えて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、95℃で分散させて、内容物が95℃に達してから2時間攪拌した。次いで、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水2139gを357分かけて滴下し、150メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、樹脂乳化液Iを得た。このとき、金網上の粗大粒子の残留率、得られた各樹脂乳化液の固形濃度、樹脂粒子の体積中位粒径、CV値、粒径が2μm以上の粒子数を表2に示す。
比較例1において、ポリエステル樹脂Aの重量を285gとし、マスターバッチAをマスターバッチB150gとし、5重量%水酸化カリウム水溶液の使用量を269gとし、脱イオン水を1458g滴下すること以外は、比較例1と同様にして樹脂乳化液Jを得た。このとき、金網上の粗大粒子の残留率、得られた各樹脂乳化液の固形濃度、樹脂粒子の体積中位粒径、CV値、粒径が2μm以上の粒子数を表2に示す。
比較例1において、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B、及びマスターバッチAを用いるかわりに製造例6で得られた混練物Aを645g用い、脱イオン水を1450g滴下すること以外は、比較例1と同様にして樹脂乳化液Kを得た。このとき、金網上の未反応物量、得られた各樹脂乳化液の固形濃度、樹脂粒子の体積中位粒径、CV値、粒径が2μm以上の粒子数を表2に示す。
以上得られた各樹脂分散液A〜Kの各々について、その組成、性状について、まとめて以下の表2に示す。
樹脂乳化液A 500g、製造例14で得た離型剤分散液33g、脱イオン水115gを脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した2リットル容四つ口フラスコに入れ、室温下混合した。次に、カイ型の攪拌機で攪拌下、この混合物に硫酸アンモニウム(シグマアルドリッチジャパン社製 特級)32gを270gの脱イオン水に溶解させた水溶液を室温で10分かけて滴下した。その後、混合分散液を55℃まで昇温し凝集粒子を形成させ、55℃で3時間保持した。シェル材として、樹脂乳化液A 50gと脱イオン水11gを混合したものを1.6mL/minで滴下し、その後55℃で20分間保持した。この操作を更に2回繰り返した後、樹脂乳化液A 50gと脱イオン水11gを混合したもの、及び、硫酸アンモニウム3.2gを脱イオン水44gに溶解させた水溶液を別々に同時に1.6mL/minで滴下し、その後55℃で20分間保持した。この操作を更に1回繰り返した後、ポリオキシエチレン(2モル)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム水溶液(固形分:28重量%)40gを脱イオン水358gで希釈した水溶液を添加した。この時、凝集粒子の体積中位粒径(D50)は4.1μm、CV値は26であった。添加後、80℃まで昇温した。80℃で1時間保持した後、室温まで冷却した。この間で、トナー形状が凝集粒子から合一粒子へ変化した。合一粒子の体積中位粒径(D50)は4.7μm、CV値は27であった。
吸引ろ過工程、洗浄工程及び乾燥工程を経て着色樹脂粒子粉末(トナー母粒子)を得た。このトナー母粒子100重量部に対して1.0重量部の疎水性シリカ(キャボット社製、キャボシールTS720)をヘンシェルミキサーを用いて外添し、トナー1とした。トナー1の体積中位粒径(D50)は4.1μm、CV値は27であった。製造条件を表3に示す。
実施例9において、コア剤及びシェル材として用いた樹脂乳化液Aを表3に示すように代えた以外は同様にして、対応するトナー2〜6をそれぞれ調製した。各トナーの体積中位粒径(D50)、CV値を表4に示す。
2リットル容の容器において、比較例1〜3で調製した樹脂乳化液I〜Kの各々400gを脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した2リットル容四つ口フラスコに入れ、室温下、カイ型の攪拌機で100r/minで攪拌しながら、凝集剤として硫酸アンモニウム(シグマアルドリッチジャパン社製 特級)6.8gを231gの脱イオン水に溶解させた水溶液を室温で15分かけて滴下した。その後、60分かけて混合分散液を80℃/60minで昇熱し、60分かけて更に90℃まで昇温を行い、90℃に固定して、体積中位粒径(D50)が4.5〜6.0μmになるまで、凝集・合一を行った。また、この保持工程中に形状が凝集粒子から合一粒子へ変化することを確認した。
次いで、室温まで徐冷し、吸引ろ過工程、洗浄工程及び乾燥工程を経て着色樹脂微粒子粉末(トナー母粒子)を得た。得られたトナー母粒子100重量部に対して1.0重量部の疎水性シリカ(キャボット社製、キャボシールTS720)をヘンシェルミキサーで外添し、トナー7〜9をそれぞれ得た。製造条件を表3に示す。
[印字画像の濃度測定]
市販のプリンタ(OKI製、「ML5400」)を用いて画像を出力し、該画像を測色計(Gretag−Macbeth社製、「SpectroEye」)を用いて、光射条件を標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DIN NBにおいて絶対白基準で測色し、画像濃度を測定した。
市販のプリンタ(OKI社製、「ML5400」)を用いて、標準の現像バイアスで未定着画像を印字した。紙面カブリをブランクの白色度との差(ΔE)を測定した。ΔE値が0.5以下であれば実使用上は良好と判断される。
Claims (5)
- (A)着色剤及び/又は荷電制御剤を、高圧ホモジナイザーを用いて80〜200MPaの圧力で水系媒体中で分散処理する工程、(B)工程(A)で得られた着色剤分散液及び/又は荷電制御剤分散液と樹脂とを液相媒体中で混合させて混合液を得、該混合液を中和させ、更に水性液を添加して樹脂を乳化させる工程、及び(C)工程(B)で得られた樹脂乳化液中の樹脂粒子を凝集及び合一させる工程を有する、電子写真用トナーの製造方法。
- 工程(A)で用いる前記高圧ホモジナイザーが、マイクロフルイダイザーである、請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 工程(A)で得られる分散液中の着色剤粒子又は荷電制御剤粒子の体積中位粒径が300nm以下であり、かつ粒径が510nm以上の上記粒子の割合が、全粒子に対し1体積%以下である、請求項1又は2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 樹脂がポリエステルを含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 工程(C)において、更にシェル材となる樹脂微粒子を添加する、請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
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