JPH063857A - 電子写真用トナ− - Google Patents

電子写真用トナ−

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JPH063857A
JPH063857A JP4157817A JP15781792A JPH063857A JP H063857 A JPH063857 A JP H063857A JP 4157817 A JP4157817 A JP 4157817A JP 15781792 A JP15781792 A JP 15781792A JP H063857 A JPH063857 A JP H063857A
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JP
Japan
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acid
weight
polyester resin
toner
parts
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Application number
JP4157817A
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English (en)
Inventor
Satoshi Maeda
郷司 前田
Yasunari Hotsuta
泰業 堀田
Minako Yuuchi
美奈子 有地
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH063857A publication Critical patent/JPH063857A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トナーとして、耐吸湿性のある環境安定性
にすぐれた、低温定着性にすぐれたものを得る。 【構成】 置換基として分岐アルキル基を有する芳香
族モノカルボン酸を用いTgが58℃以上で、数平均分
子量が1000〜6000のポリエステルを結着材樹脂
の主構成成分として用いた電子写真用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式の複写
機、レ−ザ−プリンタ、ファクシミリ等における現像剤
に用いられるトナ−に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真方式とは、セレン、アモ
ルファスシリコン、酸化亜鉛等の無機系、あるいは、ジ
アゾ化合物、色素等の有機系の(多くの場合ドラム状に
加工された)光導電性物質(:感光ドラム)を、まず一
様に帯電させ、次いで画像変調された光を照射すること
により静電潜像を形成、該静電潜像に静電気力にて粉体
を付着せしめることにより現像し、必要に応じて紙ある
いはフィルム等の基材上に粉体を転写した後、加圧、加
熱等の方法により定着するものである。電子写真方式は
現在、複写機、レ−ザ−プリンタ、ファクシミリ等に広
く用いられている。
【0003】電子写真方式において感光ドラム上の静電
潜像を現像し、最終的には紙あるいはフィルム等の基材
に転写されて画像を形成する粉体をトナ−と称する。こ
れらトナ−は、通常、ガラスビ−ズ、鉄粉、フェライト
等の担体粒子(:キャリア)と混合され、いわゆる現像
剤として用いられる。電子写真の現像剤に用いられるト
ナ−としては、結着材樹脂に着色剤、荷電制御剤、流動
性改質剤、粉砕補助剤、等を加えて混練した後に粉砕、
さらに分級する、いわゆる粉砕法によって作製される粒
子が用いられいる。結着材樹脂としては、スチレン/ア
クリル共重合系樹脂が主として使用されてきたが、近年
では電子写真の高速化カラ−化などに伴い低温定着性に
優れるポリエステル樹脂が用いられる傾向にある。従来
より用いられているポリエステル樹脂は主として、フマ
ル酸、マレイン酸などの脂肪族不飽和カルボン酸類とビ
スフェノ−ル構造を有するジオ−ル類との縮重合により
得られる不飽和ポリエステル樹脂である。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】従来の、不飽和ポリ
エステル樹脂を用いたトナ−は、不飽和結合を有するた
めに化学的安定性に乏しく、また塩化ビニル系樹脂、消
しゴム等に使用される可塑剤が移行しやすく、複写画像
を透明ファイルに保存、机上マットに挟んで保存、消し
ゴムを乗せたまま放置、あるいは消しゴムカスが付着し
た状態で放置された場合に塩ビシ−ト、あるいは消しゴ
ムに含まれる可塑剤の影響により画像が損傷、あるいは
透明シ−ト、消しゴムが汚染される等の問題を有するも
のである。またその製法上これら不飽和ポリエステル樹
脂は酸価、水酸基価が高く、吸湿により帯電特性、定着
特性が不安定になるという欠点を有するものである。こ
れらの問題点を解決するために例えば特開昭56-65146に
例示されるように酸成分に主として芳香族ジカルボン酸
を用いたポリエステルからなる電子写真用トナ−の研究
がなされてきている。
【0005】また例えば特開平1-267661、特開平2-1730
38等に例示されるように芳香族ジオ−ルを用いたポリエ
ステル樹脂にモノカルボン酸成分を導入することにより
高分子末端を封鎖し、トナ−特性の改善が試みられてい
る。モノカルボン酸は主として ・三価以上の多価単量体を多用した分岐ポリエステル重
合の際の重合速度制御 ・末端停止によりポリエステル樹脂の吸湿性を下げ、環
境安定性改善を目的として使用される。 モノカルボン酸として例示されたものは例えば、安息香
酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ
安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息香
酸、3メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、
フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、
オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、およ
びこれらの低級アルキルエステルなどである。ところ
が、これらは一般に揮発性を有するためにポリエステル
樹脂を重合する際にその一部、またはほとんどが系外に
流出し、組成の制御が困難であり、所定の目的を達する
ことできない。またかかる問題点を解決する目論見にお
いて特公昭62-45622に不揮発モノカルボン酸を用いる提
案がなされている。不揮発モノカルボン酸としてはスル
ホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナ
トリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香
酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香酸等が例示され
ている。これら不揮発モノカルボン酸の併用により三価
以上の多価単量体を多用した分岐ポリエステル重合の際
の重合速度制御は容易となる。しかしながらここに例示
されたモノカルボン酸はいずれも極性基を有するがため
にトナ−特性の自由度が損なわれ、また吸湿率を増大さ
せるがため環境安定性を低下させてしまう。すなわちこ
れらの対策を講じたとしても電子写真用トナ−に要求さ
れる多くの機能を有し、かつ前記問題点を完全に解決す
るポリエステル系のトナ−を得るには至っていない。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らはかかる状
況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、酸成分として主として
芳香族ジカルボン酸を用い、アルコ−ル成分として脂肪
族多価アルコ−ルおよびまたは環族多価アルコ−ルを用
いたポリエステル樹脂に特定のモノカルボン酸成分を導
入することにより優れた特性を実現することが可能であ
ること見いだし、次なる発明に到達した。すなわち本発
明は、 a)芳香族ジカルボン酸 60〜98 mol% b)置換基として分岐アルキル基を有する芳香族モノカルボン酸 2〜25 mol% を含有する酸成分と、 c)脂肪族多価アルコ−ル 60〜100 mol% d)脂環族多価アルコ−ル 0〜 40 mol% を含有するアルコ−ル成分の縮合により得られる ・ガラス転移温度が58℃以上、 ・数平均分子量 1000〜6000 のポリエステル樹脂を結着材樹脂の主構成成分として用
いたことを特徴とする電子写真用トナ−である。
【0007】本発明における芳香族ジカルボン酸として
は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、スルホイソ
フタル酸およびまたはそのアンモニウム塩またはアルカ
リ金属塩、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン
酸、4−4' ジフェニルジカルボン酸などを用いること
ができる。本発明では酸成分に対し芳香族ジカルボン酸
を60〜98mol%の範囲で用いることが必須であり、さ
らに70〜95mol%、またさらに80〜95mol%の範囲
で用いることが好ましい。本発明においては多価カルボ
ン酸としてテレフタル酸40〜95mol%、イソフタル酸
5〜60mol%、さらにテレフタル酸とイソフタル酸の総
和が80mol%以上であることが好ましい。テレフタル酸
の含有率は60〜95mol%が、さらには70〜90mol%
がより好ましく、テレフタル酸とイソフタル酸の総和は
90mol%以上がさらに好ましい。
【0008】本発明においては三価以上の多価カルボン
酸として、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリッ
ト酸などを用いることができる。三価以上の多価カルボ
ン酸は0〜8mol%の範囲で用いることができる。また1
〜6mol%、さらには3〜5mol%程度の使用がより好まし
い。
【0009】置換基として分岐アルキル基を有する芳香
族モノカルボン酸としては安息香酸、ナフタレンモノカ
ルボン酸等の誘導体を用いることができ、より具体的に
は、例えばタ−シャルブチル安息香酸、タ−シャルブチ
ルナフタレンカルボン酸等を用いることができ、また特
にタ−シャルブチル安息香酸を使用することがより好ま
しい。該置換基として分岐アルキル基を有する芳香族モ
ノカルボン酸の使用量は酸成分に対して2〜25mol%が
必須であり、さらに5〜20mol%、またさらに8〜16
mol%の使用がより好ましい。置換基として分岐アルキル
基を有する芳香族モノカルボン酸の使用は本発明を最も
特徴づける必須要件である。該モノカルボン酸は揮発性
が低いためにポリエステル組成の制御が容易であり、ま
たその末端停止効果のため三価以上の多価単量体を多用
した分岐ポリエステル重合の際の重合速度制御が容易と
なり、極性を有しないために得られたポリエステル樹脂
の吸湿性を下げ、トナ−としての環境安定性を改善する
働きを有するものである。かくして前述した従来のモノ
カルボン酸併用に伴う問題点はほとんど解決される。
【0010】多価カルボン酸としては他にp−オキシ安
息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳
香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族
ジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、
ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不
飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を用いるこ
とができる。
【0011】本発明における脂肪族多価アルコ−ルとし
ては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、
1,3−プロパンジオ−ル、2,3−ブタンジオ−ル、
1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、
1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル等
のアルキレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプ
ロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプ
ロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等
のポリオキシアルキレングリコ−ルを用いることができ
る。また三価以上のアルコ−ル類としてトリメチロ−ル
エタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタ
エルスリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ルを用
いることができる。該脂肪族多価アルコ−ルはアルコ−
ル成分に対して60〜100mol%の使用が必須であり、
さらに70〜100mol%、またさらに80〜95mol%の
範囲での使用が好ましい。また脂肪族多価アルコ−ルと
してはエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、
2,3−ブタンジオ−ルの使用が特に好ましい。
【0012】本発明においては、脂環族多価アルコ−ル
として、1,4−シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シ
クロヘキサンジメタノ−ル、トリシクロデカンジメタノ
−ル、トリシクロデカンジオ−ル、水添ビフェノ−ル、
水添ビスフェノ−ルA等を用いることができる。該脂環
族多価アルコ−ルはアルコ−ル成分に対し0〜40mol%
の範囲で用いることができ、さらに5〜30mol%、また
さらに10〜20mol%の使用が好ましい。脂環族ジオ−
ル類としてはトリシクロデカンジメタノ−ル、シクロヘ
キサンジオ−ル、水添ビフェノ−ルの使用が特に好まし
い。
【0013】他の多価アルコ−ル類としてはスピログリ
コ−ル、パラキシレングリコ−ル、メタキシレングリコ
−ル、オルトキシレングリコ−ル、1,4−フェニレン
グリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ルのエチレン
オキサイド付加物、等のジオ−ル、ビスフェノ−ルA、
ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプ
ロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノ−ルAのエ
チレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付
加物、ポリエステルポリオ−ルとして、ε−カプロラク
トン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラクトン
系ポリエステルポリオ−ル類等を支障の無い範囲にて用
いることができる。
【0014】本発明におけるポリエステル樹脂のガラス
転移点は55℃以上が必須であり、58℃以上、好まし
くは60℃以上、さらに好ましくは65℃以上、またさ
らに好ましくは70℃以上である。ガラス転移点がこれ
より低い場合には、取扱い中あるいは保存中にブロッキ
ングする傾向がみられ、保存安定性に問題を生ずる場合
がある。本発明のポリエステル樹脂の数平均分子量は1
000以上6000以下の範囲が必須であり、2000
以上5000以下の範囲が好ましく、3000以上40
00以下の範囲がさらに好ましい。数平均分子量が所定
の範囲に満たない場合にはポリエステル樹脂の溶融粘度
が下がりすぎ定着性、保存安定性等に支障をきたす。ま
た数平均分子量が所定の範囲を越える場合には溶融粘度
が上がりすぎ、ポリエステル樹脂の特徴である低温定着
性が発現しない。
【0015】本発明におけるポリエステル樹脂の軟化点
は80〜150℃の範囲が好ましい。樹脂の軟化温度を
これより低く抑えたトナ−においては、取扱い中あるい
は保存中に凝集する傾向がみられ、特に長期間の保存に
おいて、流動性が大きく悪化する場合がある。軟化点が
これより高い場合には定着性に支障をきたす。また定着
ロ−ルを高温に加熱する必要が生じるために、定着ロ−
ルの材質、ならびに複写される基材の材質が制限され
る。本発明のポリエステル樹脂の溶融粘度は、120℃
において5000ポイズ以上100000ポイズ以下で
あることが好ましく、8000ポイズ以上50000ポ
イズ以下、さらに10000ポイズ以上30000ポイ
ズ以下がより好ましい。かかる溶融粘度は従来より電子
写真用トナ−の結着材樹脂に用いられてきたスチレン/
アクリル系樹脂とほぼ同等の値であり、同一の定着機に
てポリエステルカラ−トナ−とスチレン/アクリル系黒
トナ−の定着を可能にするものである。かかる溶融粘度
を実現することにより、近年のディジタル複写機におい
て文書のドキュメント部分は表面光沢の無いスチレン/
アクリル系黒トナ−、グラフィック部分は表面光沢の優
れるポリエステルカラ−トナ−を使い分けて表現するこ
とが可能となる。本発明におけるポリエステル樹脂の流
出開始温度は80℃以上130℃以下の範囲が好まし
く、90℃以上120℃以下の範囲がより好ましく、1
00℃以上110℃以下の範囲がさらに好ましい。本発
明における、溶融粘度、流出開始温度、軟化温度は定荷
重押し出し型細管式レオメ−タとして知られる島津製作
所製フロ−テスタCFT−500型により測定される。
溶融粘度は120℃定温法によるフロ−レ−トより求め
られる。流出開始温度、軟化温度は昇温法による軟化曲
線より求められる。流出開始温度は軟化曲線において、
試料の熱膨張によるピストンのわずかな上昇の後、再び
ピストンが明かに降下しはじめる温度でもって定義され
る。軟化温度は流出曲線の流出開始点と流出終了点の1
/2の位置にピストンが降下したときの温度にて定義さ
れる。なお使用される。細管は直径0.5mm〜2.0
mm、長さ0.5mm〜10.0mm、荷重は5kg〜
50kgの範囲にて適宜選択される。
【0016】本発明におけるポリエステル樹脂は三価以
上多価カルボン酸成分をおよびまたは三価以上の多価ア
ルコ−ルの併用を容認するものであるが、その目的はポ
リエステル樹脂の分子量分布を広げるためであり、樹脂
をゲル化させることが目的ではない。樹脂のゲル化は特
にポリエステル重合装置からの樹脂の取り出しを困難と
し、生産性の著しい低下を招く。本発明においては実質
的にゲル化が無く、より具体的にはクロロホルム不溶分
が0.5重量%以下、好ましくは0.25重量%以下と
なることが必要である。本発明におけるポリエステル樹
脂の酸価は3mgKOH/g以下であることが好ましく、
1mgKOH/gがさらに好ましく、なおさらに0.5mg
KOH/gを越えないように調整することが好ましい。
【0017】本発明のポリエステル樹脂は比重が1.3
以上であることが好ましく、さらには1.31以上、な
おさらには1.32以上がより好ましい。本発明のポリ
エステル樹脂はさらにメチルエチルケトンおよびトルエ
ン、テトラヒドロフランなどの単独溶剤に室温にて溶解
しないことが好ましい。比重ならびに溶剤への溶解性が
低い場合には耐塩ビ可塑剤性が低下する場合がある。溶
剤への溶解性はテレフタル酸とイソフタル酸の共重合比
率、あるいは脂環族多価アルコ−ルと脂肪族多価アルコ
−ル類との組成比にて主に調整可能である。
【0018】本発明ではカルボン酸成分としてスルホン
酸基およびまたはその塩の基を含有するエステル形成性
カルボン酸0.1〜6mol%、を用いてもよい。本成分は
トナ−の帯電安定性を向上する目的において用いられ
る。ポリエステルに共重合可能なスルホン酸金属塩基含
有多価カルボン酸としては、スルホテレフタル酸、5−
スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホ
ナフタレン−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェ
ノキシ〕イソフタル酸、およびまたはそれらの塩を例示
することができる。またスルホ安息香酸の金属塩を併用
することによって高分子末端にスルホン酸金属塩基を導
入することができる。塩としてはアンモニウム系イオ
ン、Li、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩が
あげられ、特に好ましいものはK塩またはNa塩であ
る。本発明においては、トナ−の帯電安定性を向上する
目的において前記スルホン酸またはその塩の基以外のイ
オン性基を有する成分をポリエステル樹脂に含有せしめ
ることができる。イオン性基としては、カルボキシル
基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基
もしくはそれらのアンモニウム塩、金属塩等のアニオン
性基、または第1級ないし第3級アミン基等のカチオン
性基であり、好ましくは、カルボン酸アンモニウム塩基
を用いることができる。これらイオン性基はポリエステ
ルに共重合された形態、あるいは高分子末端に導入され
た形態にて含有されることが好ましい。カルボキシル基
はポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価カ
ルボン酸を系内に導入することにより高分子末端に付加
することができる。さらにこれをアンモニア、水酸化ナ
トリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の基に
交換することができる。これらイオン性基の含有量は、
スルホン酸基およびまたはその塩の基を含め、該ポリエ
ステル樹脂に対し、10〜1000m当量/1000
g、好ましくは20〜500m当量/1000g、なお
好ましくは50〜200m当量/1000g、である。
イオン性基の含有量が所定の量より少ない場合には十分
なる帯電電荷の安定性が得られない。また、イオン性基
含有量が必要以上に多い場合には、特に湿度の影響を受
けやすくなり、長期保存安定性が悪くなる場合がある。
イオン性基を含有した場合、本発明におけるポリエステ
ル樹脂は水分散性を発現する。水分散性とは一般にエマ
ルジョンあるいはコロイダルディスパ−ジョンと称され
る状態を意味するものである。イオン性基は水系媒体中
において解離し、ポリエステル樹脂と水との界面に電気
二重層を形成する。ポリエステル樹脂が微細なミクロ粒
子として水系内に存在する場合には電気二重層の働きに
よりミクロ粒子間には静電的な反発力が生じ、ミクロ粒
子が水系内にて安定的に分散する。
【0019】本発明の電子写真用トナ−の好ましい形態
として平均粒子径Dが1〜30μmの範囲であり、真球
度(短径/長径)0.7以上の粒子が全体の80個数%
を占める実質球形であり、かつ、0.5D〜2.0Dの
粒子径範囲に全体の80重量%以上の粒子が存在するシ
ャ−プな粒子径分布を有する粒子を例示することができ
る。このような好ましい形態を有する電子写真用トナ−
の製法として、イオン性基含有ポリエステル樹脂を水分
散化することによりポリエステルエマルジョン(あるい
はポリエステルディスパ−ジョン)を作製し、水分散し
ているポリエステルのミクロ粒子を可塑化状態下に緩凝
集させることにより得られるポリエステル球状粒子を用
いる方法を例示することができる。水系分散体を凝集さ
せる方法としては、分散粒子の表面電位を減ずる方法、
あるいは分散系内に電解質を添加し電気二重層の厚みを
減ずる方法がある。分散粒子の表面電位を減ずる方法と
しては、ポリエステル樹脂に含有されるイオン性基を、
光分解、熱分解、あるいは加水分解等による切り放す方
法、温度、pH等の走査による解離度を制御する方法、
ポリイオンコンプレックスによりイオン性基を封鎖する
方法などを用いることができる。電解質を添加し電気二
重層の厚みを減ずる方法としては、直接無機塩、あるい
は有機の塩を添加、あるいは希釈して添加する方法を用
いることができるが、より好ましい方法としてアミノア
ルコ−ルとカルボン酸とのエステル化合物の様に系内に
て加水分解する事により二次的に塩を発生する化合物を
用いる方法を例示できる。ミクロ粒子を可塑化状態下に
緩凝集させた場合、粒子が可塑化しているために複数の
粒子が凝集した時に表面張力のために球形化し、より粒
子径の大きな粒子へと粒子成長する。緩凝集域にて粒子
成長した場合には粒子の分散安定性はより高くなり、凝
集が無秩序に進行することはない。したがって粒子の分
散性を常に緩凝集域内に納めれば任意の粒子径の粒子を
得ることができる。このようにして得られたポリエステ
ル粒子は、実質球形であり、かつ、シャ−プな粒子径分
布を有し、高濃度に高温分散染色が可能である。かくし
て得られるポリエステル粒子は平均粒子径Dが1〜15
μmであり、0.5D〜2.0Dの範囲に全体の70重
量%以上の粒子が存在する粒度分布を有し、真球度(短
径/長径)0.9以上の粒子が全体の80重量%以上を
占める実質的に球形の粒子となる。
【0020】本発明の電子写真用トナ−は染料にて着色
された場合においても耐光堅牢度が良好である。そのた
め顔料よりも透明性、色相、彩度に優れる染料を着色材
として使用することができる。 染料としては「常温に
て水に不溶の染料」を用いることが好ましい。これらは
一般に分散染料、あるいは油溶性染料に分類されるもの
である。より具体的には、 ・C.I.Disperse Yellow 198 ・C.I.Disperse Yellow 42 ・C.I.Disperse Red 92 ・C.I.Disperse Violet 26 ・C.I.Disperse Violet 35 ・C.I.Disperse Blue 60 ・C.I.Disperse Blue 87 ・C.I.Solvent Black 3 から選択される少なくとも1種の染料が好ましく用いら
れる。これらは特に耐光堅牢度、昇華堅牢度、色相、彩
度に優れるものであり、プロセスカラ−用三原色として
好ましいものである。他に色相の微調整のために公知の
染顔料を併用してもよいが、使用量は最低限に抑えるべ
きである。ただしブラックトナ−を染料で実現する必要
がある場合にはこれらの染料のみにこだわる必要はな
い。これら染料は特に繊維製品の染色用分散染料として
市販されている形態の染料を直接用いても良く、またそ
のような形態で入手できないものは、染料の原体(コン
クケ−キ)、分散剤、水系媒体とをボ−ルミル、サンド
ミル、シェ−カ−などにより混合し、染料のコンクケ−
キをさらに微粉砕微分散させた形態のものを用いること
ができる。分散剤としてはナフタリンスルホン酸塩のホ
ルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、スチレン
スルホン酸塩とアクリル酸の共重合体などを用いること
ができる。染料をポリエステル樹脂に含有させる方法と
しては染料原体を樹脂に直接練り込む方法、あるいは高
温分散染色法を用いることができる。本発明のポリエス
テル樹脂はイオン性基の作用により水中にて良好なる安
定分散性を示すため、粒子状を保持したまま高濃度な染
色が可能である。黒色のトナ−を得る場合に、カ−ボン
ブラック等を使用することは差し支えない。カ−ボンブ
ラックとしては、サ−マルブラック、アセチレンブラッ
ク、チャンネルブラック、ファ−ネスブラック、ランプ
ブラック等を用いることができる。本発明の電子写真用
トナ−においては、所定の帯電量を与えるために荷電制
御剤を併用してもよい。本発明におけるトナ−において
は、例えばアルミナ微粒子、シリカ微粒子等の流動性改
質剤を添加しても良い。担体粒子(:キャリア)と混合
されないで用いられるトナ−、すなわち一成分系現像剤
の場合にはトナ−は磁性を有する必要がある。このよう
な場合には必要に応じて、鉄、コバルト、ニッケル、あ
るいはそれらを主体とする合金、あるいはフェライト等
の酸化物、を含んでも良い。
【0021】
【作用】本発明を最も特徴付ける必須要件は「置換基と
して分岐アルキル基を有する芳香族モノカルボン酸」の
使用である。前述した様に、モノカルボン酸成分をトナ
−用ポリエステル樹脂に導入する目的は、 ・三価以上の多価単量体を多用した分岐ポリエステル重
合の際の重合速度制御 ・末端停止によりポリエステル樹脂の吸湿性を下げ、環
境安定性を改善 である。ところが、従来一般に用いられるモノカルボン
酸は揮発性を有するために、ポリエステル樹脂を重合す
る際にその一部、またはほとんどが系外に流出し、得ら
れるポリエステル樹脂の末端に残存するモノカルボン酸
成分は僅かとなり本来の効果を得ることができない。不
揮発モノカルボン酸の使用により末端に残存するモノカ
ルボン酸成分の制御は容易となるが、従来一般に用いら
れてきた不揮発モノカルボン酸はいずれも極性基を有す
るために封鎖したCOOH末端およびまたはOH末端よ
りもさらに吸湿性が上がり、これまた本来の目的を達す
ることができない。しかしながら、本発明に用いられる
モノカルボン酸は、揮発性が比較的低く、仕込量のかな
りの部分がポリエステル末端に残存するため組成の制御
が容易であり、その末端停止効果により三価以上の多価
単量体を多用した分岐ポリエステル重合の際の重合速度
制御を容易とする作用を有する。さらに極性を有しない
ために得られたポリエステル樹脂の吸湿性を下げ、トナ
−としての環境安定性を改善する作用を有する。これら
は、従来一般に用いられていたモノカルボン酸では実現
困難な特性であるといえる。またかかる「置換基として
分岐アルキル基を有する芳香族モノカルボン酸」を使用
することによる好ましい効果は芳香族系多価カルボン酸
と脂肪族およびまたは脂環族ジオ−ルを主成分とするポ
リエステル樹脂骨格と組み合わされてさらに実用的意義
を高くするものである。
【0022】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらになんら限定される物で
はない。
【実施例】
[ポリエステル樹脂(A01)〜(A17)の合成]温
度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 138重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 39重量部、 パラタ−シャルブチル安息香酸メチルエステル 20重量部、 エチレングリコ−ル 136重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続
けた結果、共重合ポリエステル樹脂(A01)を得た。
得られた共重合ポリエステル樹脂(A01)の組成、ガ
ラス転移温度、比重、分子量、溶融粘度、流出開始温
度、軟化温度、30℃95%RHの環境下に48時間放
置場合の吸湿率、を表1.に示す。ポリエステルの組成
はNMR分析、ガラス転移温度はDSC、比重は浮沈
法、分子量はGPC、溶融粘度は島津フロ−テスタCF
T−500により、温度120℃、荷重10kg/cm2、細
管直径1mm、細管長10mm、の条件下の定温法により測
定された。また流出開始温度、軟化温度は島津フロ−テ
スタCFT−500により、昇温速度3℃/分、荷重5
0kg/cm2、細管直径0.5mm、細管長1.0mm、の条件
下にて測定された。吸湿率はカ−ルフィッシャ−式水分
率計を用いて測定した。以下、原料を変えて同様に重合
を行い、後記の表1.〜表3.に示すポリエステル樹脂
(A02)〜(A17)を得た。
【0023】[ポリエステル樹脂(A18)の合成]温
度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 136重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 39重量部、 無水トリメリット酸 19重量部 エチレングリコ−ル 96重量部、 プロピレングリコ−ル 49重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとしたところ、粘度が急
激に上昇し約15分後に撹拌羽根が停止し、樹脂は完全
にゲル化した。
【0024】[ポリエステル樹脂(A19)の合成]温
度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 147重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 39重量部、 無水トリメリット酸 8重量部 エチレングリコ−ル 96重量部、 ビスフェノ−ルAプロピレングリコ−ル付加物 120重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして約60分間反応を
続けポリエステル樹脂(A19)を得た。
【0025】[ポリエステル樹脂(A20)の合成]温
度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 安息香酸メチルエステル 14重量部、 ジメチルテレフタレ−ト 82重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 82重量部、 無水トリメリット酸 8重量部、 エチレングリコ−ル 96重量部、 ビスフェノ−ルAプロピレングリコ−ル付加物 120重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして約60分間反応を
続けポリエステル樹脂(A20)を得た。安息香酸の仕
込量は全酸成分に対し10mol%であるが、NMR分析の
結果約2mol%しか残存していなかった。
【0026】[ポリエステル樹脂(A21)の合成]温
度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 安息香酸メチルエステル 14重量部、 ジメチルテレフタレ−ト 78重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 78重量部、 無水トリメリット酸 19重量部、 エチレングリコ−ル 96重量部、 プロピレングリコ−ル 49重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとしたところ、粘度が急
激に上昇し約20分後に撹拌羽根が停止し、樹脂は完全
にゲル化した。 なお、表1.表2、表3.中 TBBA は タ−シャルブチル安息香酸 BA は 安息香酸 NSBA は メタスルホ安息香酸モノナトリウム塩 NDC は 1,5−ナフタレンジカルボン酸 TPA は テレフタル酸 IPA は イソフタル酸 SIP は 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 TMA は トリメリット酸 EG は エチレングリコール PG は プロピレングリコール CHD は シクロヘキサンジオール HBPA は 水添ビスフェノ−ルA HBP は 水添ビフェノ−ル TCDD は トリシクロデカンジメタノ−ル BPP は ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付
加物( 平均分子量400) Tg は ガラス転移温度 を示す。また表3.中のポリエステル樹脂(A18)
(A21)の組成比は仕込比率である。
【0027】[トナ−の調製1]ポリエステル樹脂(A
01)96重量部にフタロシアニン系シアン顔料(C.
I.PIGMENT BLUE15)4重量部を加え、
エクストル−ダ−にて溶融混練した。混練時の温度は1
80℃とした。次いでチョッパ−ミルにて粗粉砕後、超
音速ジェットミルにて微粉砕し、5μm以下、15μm
以上を乾式分級処理にて除去した。得られた微粉砕粒子
100重量部にシリカ微粉末(商品名アエロジル)2重
量部をヘンシェルミキサ−にて混合し平均粒径9.8μ
mのシアントナ−(CP01)を得た。以下同様にポリ
エステル樹脂を替えて表4.に示すトナ−を得た。同様
に、キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.PIGME
NTRED122)、ベンジジン系イエロ−顔料(C.
I.PIGMENT YELLOW17)、カ−ボンブ
ラックを用い、後記の表4.に示すトナ−を得た。
【0028】[トナ−の調製2]ポリエステル樹脂(A
01)97重量部にアントラキノン系シアン染料(C.
I.DISPERSE BLUE60)3重量部を加
え、エクストル−ダ−にて溶融混練した。混練時の温度
は180℃とした。次いでチョッパ−ミルにて粗粉砕
後、超音速ジェットミルにて微粉砕し、5μm以下、1
5μm以上を乾式分級処理にて除去した。得られた微粉
砕粒子100重量部にシリカ微粉末(商品名アエロジ
ル)2重量部をヘンシェルミキサ−にて混合し平均粒径
9.8μmのシアントナ−(CD01)を得た。以下同
様にポリエステル樹脂を替えて表5.に示すトナ−を得
た。同様に、アントラキノン系レッド染料(C.I.D
ISPERSE RED92)とアントラキノン系ヴァ
イオレット染料(C.I.DISPERSE VIOL
ET26)の2:1混合物によるマゼンタ染料、ニトロ
系イエロ−染料(C.I.DISPERSE YELL
OW42)、ジスアゾ系ブラック染料(C.I.SOL
VENT BLACK3)を用い後記の表5.に示すト
ナ−を得た。
【0029】[トナ−の調製3]あらかじめ、アントラ
キノン系シアン染料(C.I.DISPERSE BL
UE87)20重量部、ナフタリンスルホン酸ナトリウ
ムのホルマリン縮合物5重量部、脱イオン水75重量部
をサンドミルにて微分散し分散染料(DDC1)を得
た。以下同様にしてアントラキノン系レッド染料(C.
I.DISPERSE RED92)、ピリドンアゾ系
イエロ−染料(C.I.DisperseYellow
198)、ジスアゾ系ブラック染料(C.I.SOLV
ENT BLACK3)を用い以下に示す分散染料を得
た。 ・分散染料(DDC):使用染料(C.I.Disperse Blue
87) ・分散染料(DDR):使用染料(C.I.Disperse Red 9
2 ) ・分散染料(DDY):使用染料(C.I.Disperse Yello
w 198 ) ・分散染料(DDB):使用染料(C.I.Solvent Black
3 ) ポリエステル樹脂(A08)をチョッパ−ミルにて粗粉
砕後、超音速ジェットミルにて微粉砕し、5μm以下、
15μm以上を乾式分級処理にて除去した。得られた粉
砕微粒子100重量部をナフタリンスルホン酸ナトリウ
ムのホルマリン縮合物0.1重量%を溶解したイオン交
換水300重量部に超音波分散し、粉砕微粒子の水分散
体を得た。得られたポリエステル粒子水分散体400重
量部に、イエロ−分散染料染料(DDY)15重量部を
加え、テクサム技研製染色試験機「ミニカラ−」により
130℃にて1時間、高温染色を行った。吸引ロウトに
て脱水洗浄後真空乾燥して着色乾燥粒子を得た。得られ
た微粉砕粒子100重量部にシリカ微粉末(商品名アエ
ロジル)2重量部をヘンシェルミキサ−にて混合し平均
粒径9.2μmのイエロ−トナ−(YW02)を得た。
以下、同様に後記の表6.にしめすトナ−を得た。
【0030】[トナ−の調製4]ポリエステル樹脂(A
08)340重量部、メチルエチルケトン150重量
部、テトラヒドロフラン140重量部を80℃にて溶解
した後80℃の水680部を添加し、粒子径約0.1μ
mの共重合ポリエステル樹脂の水系ミクロ分散体を得
た。さらに得られた水系ミクロ分散体を蒸留用フラスコ
に入れ、留分温度が100℃に達するまで蒸留し、冷却
後に水を加え固形分濃度を30%とした。温度計、コン
デンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の1リットルセパラ
ブルフラスコに、共重合ポリエステル水系分散体300
重量部を仕込み80℃に昇温した。次いで、ジメチルア
ミノエチルメタクリレ−ト20重量%水溶液40重量部
を60分間に渡って添加し、さらに300分間80℃に
保った状態で撹拌を続けた。系内の伝導度は約1mSか
ら25mSに上昇、pHは10.8から6.7にまで加
工した。これより、添加したジメチルアミノエチルメタ
クリレ−トはほぼ後完全に加水分解し、ジメチルアミノ
エタノ−ルとメタクリル酸の塩になっていることが推察
された。ポリエステル水系ミクロ分散体に存在したサブ
ミクロンオ−ダ−の粒子径の共重合体は時間とともに合
体粒子成長し、平均粒径6.5μm、直径をDとした場
合に0.5D〜2Dの範囲の粒径を有する粒子の占有率
(個数)95%のポリエステル球状粒子を得た。得られ
たポリエステル粒子を濾過、水洗後再度水分散して固形
分濃度25wt%とした。得られたポリエステル粒子水分
散体400重量部に、イエロ−分散染料染料(DDY)
15重量部を加え、テクサム技研製染色試験機「ミニカ
ラ−」により130℃にて1時間、高温染色を行った。
吸引ロウトにて脱水洗浄後スプレ−ドライにより乾燥
し、着色乾燥粒子を得た。得られた粒子100重量部に
シリカ微粉末(商品名アエロジル)2重量部をヘンシェ
ルミキサ−にて混合しイエロ−トナ−(YB08)を得
た。以下、同様に後記の表7.に示すトナ−を得た。
【0031】[評価] (画像評価)前述の複写機を用い連続階調のフルカラ−
画像を複写して画像の評価を行った。 (色評価)トナ−5重量部とフェライト系キャリアF−
100[パウダ−テック社製]95重量部とをボ−ルミ
ルにて撹拌混合し2成分系現像剤を得た。得られた2成
分系現像剤を用い、電子写真方式の複写機により紙上に
7cm四方のベタパタ−ンを形成し、試験片とした。
た。紙上のトナ−層の平均膜厚は約10μmに規格化し
た。得られた試験片の色度座標を色彩色度計CR−21
0[ミノルタ製]にて測定した。 (画像評価)前述の複写機を用い連続階調の画像を複写
して画像の評価を行った。 (帯電の環境安定性)ガラスポットに鉄粉系キャリアTE
FV200/300[パウダ−テック製]9.9gを入れ、さら
に得られたトナ−0.1gを入れた状態にて真空乾燥
器、および30℃95%RHの環境下に48時間放置し
た。ついでガラスポットを取り出してすばやく蓋をし、
30cmストロ−クにて激しく100回振りトナ−を摩
擦飽和帯電させた。得られた混合物のトナ−比電荷Q/
Mをブロ−オフ法にて測定し、真空乾燥した場合の比電
荷を30℃90%RH環境下での帯電量にて除して帯電
安定指数を算出した。ポリエステル樹脂(A01)〜
(A16)を用いたトナ−ではいずれも良好な安定性を
しめしているがポリエステル樹脂(A17)を用いたト
ナ−では帯電量が環境の湿度に大きく影響されることが
わかる。またポリエステル(A19)、(A20)にお
いても安定性が不十分であることがわかる。
【0032】
【効果】以上述べてきたように、本発明におけるポリエ
ステル樹脂は多価成分を多量に導入しているにもかかわ
らず樹脂重合が容易であり生産性に優れている。また本
発明のポリエステル樹脂をもちいた電子写真用トナ−は
特に環境による帯電量の安定性に優れ、高温多湿環境に
おいても乾燥環境下においても良好なる画像再現が可能
である。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)芳香族ジカルボン酸60〜98 mol
    %b)置換基として分岐アルキル基を有する芳香族モノ
    カルボン酸2〜25 mol%を含有する酸成分と、c)脂
    肪族多価アルコ−ル60〜100 mol%d)脂環族多価
    アルコ−ル0〜40 mol%を含有するアルコ−ル成分の
    縮合により得られる ・ガラス転移温度が58℃以上、 ・数平均分子量 1000〜6000 のポリエステル樹脂を結着材樹脂の主構成成分として用
    いたことを特徴とする電子写真用トナ−。
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