JPH07140716A - 電子写真用トナ− - Google Patents

電子写真用トナ−

Info

Publication number
JPH07140716A
JPH07140716A JP5158993A JP15899393A JPH07140716A JP H07140716 A JPH07140716 A JP H07140716A JP 5158993 A JP5158993 A JP 5158993A JP 15899393 A JP15899393 A JP 15899393A JP H07140716 A JPH07140716 A JP H07140716A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
toner
resin
mol
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5158993A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Maeda
郷司 前田
Yasunari Hotsuta
泰業 堀田
Minako Yuuchi
美奈子 有地
Shigeru Yoneda
茂 米田
Yozo Yamada
陽三 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP5158993A priority Critical patent/JPH07140716A/ja
Publication of JPH07140716A publication Critical patent/JPH07140716A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 色相、耐光堅牢度、昇華堅牢度に優れる電子
写真用イエロ−・カラ−トナ−の提供。 【構成】 C.I.SOLVENT YELLOW 1
62 および/またはその誘導体に分類される染料を水
系媒体に分散せしめ、トナ−樹脂結着材粒子をこれらの
染料で液体媒体中にて分散染色することによりイエロ−
に着色されたカラ−トナ−を得る。得られたトナ−は結
着材樹脂に顔料を分散し粉砕することにより得られるト
ナ−に比較し連続複写性、画像透明性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式の複写
機、レ−ザ−プリンタ、等における現像剤に用いられる
電子写真用トナ−に関する。さらに詳しくは、カラ−画
像の形成に用いられるプロセスカラ−トナ−に関し、そ
の中でも特にイエロ−に着色されるトナ−に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式は、複写機、ファクシミ
リ、レ−ザ−プリンタ等に広く用いられてきている。さ
らに近年では電子写真方式のカラ−化が進められてきて
いる。電子写真方式においてカラ−画像を形成するため
に用いられるカラ−トナ−にはプロセスカラ−、すなわ
ち減法混色の三原色:イエロ−、マゼンタ、シアンに着
色されたトナ−が用いられる。トナ−は一般に、熱可塑
性樹脂に着色剤、荷電制御剤、流動性改質剤、粉砕補助
剤、等を加えて混練した後に粉砕、さらに分級する、い
わゆる粉砕法によって作製されている。粉砕法による電
子写真用トナ−をイエロ−色に着色する方法としては、
樹脂に色材を混練した後に粉砕する方法が主として用い
られている。樹脂と色材とを粉砕前にあらかじめ混練す
る場合には、その色材は樹脂との混練時の高温に耐える
必要がある。多くの染料は混練の際の温度により変退色
してしまうため、使用可能な色材はほぼ顔料に限られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来より知られている
無機系の顔料には安全衛生上問題のあるものが多く、実
際問題としてこれらを含むトナ−を一般の複写機、プリ
ンタ−等に用いることは不可能である。有機系の顔料に
関しても同様に安全衛生性の問題を有するものがあり、
実際に色材として使用可能な物は限定される。安全衛生
上の問題が無い物についても、画像保持性に問題がある
ものが多い。すなわち、多くの有機系の色材は紫外線暴
露等により変退色を生じ、特にカラ−画像の保持という
点で満足できるものは少ない。
【0004】顔料による着色では、色材は単にトナ−の
結着剤樹脂に分散しているのみであるため透明性に劣
る。そのため複数の色を重ねた場合の色再現性が不十分
であり、中間色の再現域が狭くなってしまう。また透明
性の影響は、特にオ−バ−ヘッドプロジェクタ用の透明
シ−ト上に画像を形成した場合に顕著に現れる。すなわ
ちトナ−層の透明性が劣るために投影された画像は薄暗
く濁った色調となり、中間色ばかりか、原色の再現さえ
も阻害されてしまう。透明性の問題は、顔料粒子の粒径
を光の波長以下、すなわちサブミクロン程度に小さくす
ることにより、ある程度は改善が可能である。しかしな
がら、顔料をサブミクロンサイズにまで粉砕すろことは
困難であり、色材コストが著しく上昇する。またサブミ
クロン程度にまで粉砕された顔料を樹脂に均一に分散す
ることは困難であり、実際問題としては樹脂中において
ある程度凝集した集合体として存在し、粉砕した効果を
十分に生かすことはできない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み、特にカラ−トナ−としての色再現性に優れるイ
エロ−トナ−を得るべく鋭意研究を重ねた結果、次なる
発明に到達した。すなわち本発明は、C.I.SOLV
ENT YELLOW 162 および/またはその誘
導体に分類される染料を含有することを特徴とする電子
写真用トナ−である。本発明において用いられる染料は
油溶性染料に分類されるピリドンアゾ系の染料である。
該染料の結着材樹脂に対する含有量は、特に限定される
物ではないが、概ね0.1〜15.0、好ましくは0.
2〜10.0、さらに好ましくは0.3〜4.0重量%
程度である。
【0006】本発明は結着材樹脂の種類をなんら限定す
るものではなく、スチレン系、アクリル系などのビニル
系樹脂、ポリエステル系、ポリアミド系等の縮合系樹
脂、あるいはエポキシ系樹脂等、トナ−として用いられ
ている公知のあらゆる樹脂を用いることができる。しか
しながら本発明はポリエステル系樹脂と組合せることに
より、より好ましい結果を得ることができる。ポリエス
テル系樹脂としては飽和ポリエステル系樹脂、不飽和ポ
リエステル系樹脂いずれも用いることができる。本発明
におけるポリエステル樹脂とは、主として、多価カルボ
ン酸樹脂とグリコ−ル成分とからなる。
【0007】ポリエステル樹脂に用いられる多価カルボ
ン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、ス
ルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スル
ホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン
酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スルホ
テレフタル酸、およびまたはそれらの金属塩、アンモニ
ウム塩などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香
酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族
オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキ
サヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不飽和
脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を、また多価カ
ルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン酸、
ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を例示
できる。
【0008】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエル
スリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例
示できる。
【0009】脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−
シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメ
タノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル
A、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示で
きる。芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレング
リコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレング
リコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フ
ェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド
付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示でき
る。さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε−カプロ
ラクトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラク
トン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示することがで
きる。
【0010】ポリエステル高分子末端の極性基を封鎖
し、トナ−帯電特性の環境安定性を改善する目的におい
て単官能単量体がポリエステルに導入される場合があ
る。単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香
酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、スルホ
安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナト
リウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、
n-ドデシルアミノカルボニル安息香酸、タ−シャルブチ
ル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息香
酸、3メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、
フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、
オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、およ
びこれらの低級アルキルエステル、等のモノカルボン酸
類、あるいは脂肪族アルコ−ル、芳香族アルコ−ル、脂
環族アルコ−ル等のモノアルコ−ルを用いることができ
る。
【0011】本発明におけるポリエステル樹脂のより具
体的な例として、(1) 芳香族系単量体を80mol%以上含
有する多価カルボン酸類、と、エチレングリコ−ル0〜
90mol%、プロピレングリコ−ル100〜10mol%とか
ら得られるポリエステル樹脂、(2) 芳香族系単量体を8
0mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、2,3−ブ
タンジオ−ル5〜80mol%、エチレングリコ−ル20〜
95mol%とから得られるポリエステル樹脂、(3) 芳香族
系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、
と、C2 〜C4の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol
%、トリシクロデカン骨格を有するモノand/or多価アル
コ−ルA 類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹
脂、(4) 芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カ
ルボン酸類、と、C2 〜C4の脂肪族系グリコ−ル類7
0〜95mol%、ヒドロキシメチルトリシクロデカン5〜
30mol%とから得られるポリエステル樹脂、(5) 芳香族
系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、
と、C2 〜C4の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol
%、トリシクロデカンジメタノ−ル5〜30mol%とから
得られるポリエステル樹脂、(6) 芳香族系単量体を80
mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、C2 〜C4の
脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、シクロヘキサン
骨格を有するモノand/or多価アルコ−ル類5〜30mol%
とから得られるポリエステル樹脂、(7) 芳香族系単量体
を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、C2 〜
C4の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、シクロヘ
キサンジオ−ル5〜30mol%とから得られるポリエステ
ル樹脂、(8) 芳香族系単量体を80mol%以上含有する多
価カルボン酸類、と、C2 〜C4の脂肪族系グリコ−ル
類70〜95mol%、水添ビフェノ−ル5〜30mol%とか
ら得られるポリエステル樹脂、(9) 芳香族系単量体を8
0mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、C2 〜C4
の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、水添ビスフェ
ノ−ルA5〜30mol%とから得られるポリエステル樹
脂、(10)ナフタレン骨格を有するモノand/or二価以上の
カルボン酸1〜20mol%を含む芳香族系単量体を80mo
l%以上含有する多価カルボン酸類、と、C2 〜C4 の脂
肪族系グリコ−ル類70〜100mol%、脂環族系単量体
0〜30mol%を含有する多価アルコ−ル類、とから得ら
れるポリエステル樹脂、等を例示することができる。
【0012】ここに、「芳香族系単量体」はテレフタル
酸and/orイソフタル酸であることが好ましい。テレフタ
ル酸とイソフタル酸の比率は、テレフタル酸含有率/イ
ソフタル酸含有率=90〜40/10〜60[mol%]が
好ましく、さらに、テレフタル酸含有率/イソフタル酸
含有率=80〜50/20〜50[mol%]、またさらに
テレフタル酸含有率/イソフタル酸含有率=85〜60
/15〜40[mol%]が好ましい。本発明においては、
芳香族系単量体としてトリメリット酸and/orトリメシン
酸and/orピロメリット酸を2〜5mol%含有することがで
きる。本発明においてはかかる多価カルボン酸に加え、
さらに三価以上の多価アルコ−ルの併用を容認するもの
であるが、その目的はポリエステル樹脂の分子量分布を
広げるためであり、樹脂をゲル化させることが目的では
ない。樹脂のゲル化は特にポリエステル重合装置からの
樹脂の取り出しを困難とし、生産性の著しい低下を招
く。本発明においては実質的にゲル化が無く、より具体
的にはクロロホルム不溶分が0.5重量%以下、好まし
くは0.25重量%以下となることが必要である。
【0013】本発明におけるポリエステル樹脂は、芳香
族系単量体として、分岐アルキル基を置換基として有す
る安息香酸5〜20mol%を含有するすることが好まし
い。置換基として分岐アルキル基を有する安息香酸とし
てはタ−シャルブチル安息香酸の使用が好ましい。ポリ
エステル系樹脂の中でも特に好ましく用いられる樹脂
は、酸成分として芳香族多価カルボン酸を用い、アルコ
−ル成分として脂肪族、およびまたは脂環族の多価アル
コ−ルを用いたものである。本発明におけるポリエステ
ル樹脂の酸価は3mgKOH/g以下であることが好まし
く、1mgKOH/gがさらに好ましく、なおさらに0.
5mgKOH/gを越えないように調整することが好まし
い。
【0014】さらに本発明においては、トナ−結着材樹
脂がイオン性基含有樹脂であることが好ましく、イオン
性基含有ポリエステル樹脂がより好ましい。結着材樹脂
に含まれるイオン性基としては、カルボキシル基、スル
ホン酸基、硫酸基、リン酸基、もしくはそれらの塩(水
素塩、金属塩)等のアニオン性基、または第1級ないし
第3級アミン基等のカチオン性基であり、好ましくは、
カルボキシル基、カルボン酸アンモニウム塩基、スルホ
ン酸基、スルホン酸アルカリ金属塩基である。特にポリ
エステル樹脂に共重合可能なスルホン酸金属塩基含有化
合物としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフ
タル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−
2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソ
フタル酸等の金属塩をあげることができる。また特にイ
オン性基を高分子末端に導入する場合にはスルホ安息香
酸等を用いることができる。金属塩としてはLi、N
a、K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特
に好ましいものはNa塩である。樹脂がポリエステル系
樹脂である場合には、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、あるいはスルホ安息香酸を用いることが好ましい。
これらイオン性基の含有量は、特にこれを限定するもの
ではないが、概ね0.02〜0.5当量/1000gの
範囲内が適当である。
【0015】本発明に用いられる樹脂のガラス転移点は
40℃以上であることが好ましくさらには50℃以上、
またさらには60℃以上、なおさらには65℃以上であ
ることが好ましい。ガラス転移点がこれより低い場合に
は、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾向がみられ、
保存安定性に問題を生ずる場合がある。また本発明に用
いられる樹脂の軟化点は80〜150℃の範囲であるこ
とが好ましい。樹脂の軟化温度をこれより低く抑えたト
ナ−においては、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾
向がみられ、特に長期間の保存において、流動性が大き
く悪化する場合がある。軟化点がこれより高い場合には
定着性に支障をきたす。また定着ロ−ルを高温に加熱す
る必要が生じるために、定着ロ−ルの材質、ならびに複
写される基材の材質が制限される。
【0016】本発明において、前述の染料により染色さ
れたトナ−を得る方法としては、染料および結着材樹脂
粉末とを水系媒体に分散せしめ、所定の温度にて処理す
る、いわゆる、分散染色法を用いることができる。染色
の際の処理温度は使用される染料と基材との組合せによ
り異なるため一概に規定することは困難であるが、おお
むね樹脂のガラス転移点から150℃までの範囲であ
る。水の沸点を高めるために加圧下にて染色を行なうこ
とは差し支えない。本発明においては特に樹脂のガラス
転移点よりさらに40℃程度高い温度にて染色を行なう
ことが好ましい。染色の際の水系媒体と分散される樹脂
粒子との比率は、特に限定されないが、染色効率を高め
るために水系分散体全体に対する樹脂粒子の含有率を2
0重量%以上、さらには25%以上とすることが好まし
い。しかしながら本発明においては染料の変退色等が生
じない範囲において、該染料を結着材樹脂に練り込み、
粉砕分級する方法によってトナ−を製造してもよい。
【0017】ここに結着材樹脂粉末とは、平均粒子径が
1〜50μmの範囲に微細化された樹脂粒子を意味する
ものである。微細化する方法は特に限定されず、通常の
トナ−の製法と同様の粉砕分級法、あるいはエマルジョ
ン重合法、懸濁重合法、分散重合法、シ−ド重合法など
の方法により得られる樹脂の粒子を用いることができ
る。本発明においては好ましくは以下に示す方法により
得られる樹脂粒子とを用いることができる。本発明にお
いて特にイオン性基を含有した場合においては、ポリエ
ステル樹脂が水分散性を発現する。この場合、水系媒体
に安定にミクロ分散せしめたイオン性基含有ポリエステ
ル樹脂を、該ミクロ分散粒子を可塑化した状態におい
て、ミクロ分散粒子の表面、および表面近傍に存在する
ミクロ分散微粒子を水系媒体中において安定化させる働
きを持つところのイオン量を、均一に制御された状況下
にて減少せしめる手段により、ミクロ分散粒子の媒体中
での安定状態を崩し、ミクロ分散粒子を合体せしめるこ
とによりイオン性基含有ポリエステル粒子を得ることが
できる。該ミクロ分散粒子の表面、および表面近傍に存
在するイオン量を減少せしめる手段としては、ポリエス
テル樹脂に含有されるイオン性基の、 ・光分解、熱分解、あるいは加水分解等による切り放
し、 ・温度、pH等の走査による解離度の制御、 ・対イオンによるイオン性基の封鎖、 および、 ・電解質の添加による電気二重層の破壊、 等の手段を用いることができる。本発明においては、対
イオン性基を有する反応性単量体を系内に添加し、対イ
オン性基含有単量体を重合せしめることにより形成され
るポリイオンコンプレックスを用いてイオン性基を封鎖
する方法、あるいは、分解触媒などを併用したイオン性
基切り放しによる方法を好ましく用いることができる。
これらの方法によって得られる樹脂粒子は平均粒子径を
Dとした場合に0.5D〜2.0Dの粒子径範囲の粒子
が全体の70重量%以上を占めるというシャ−プな粒度
粒度分布を示しすためトナ−としての特性に優れてい
る。
【0018】本発明はイエロ−トナ−に関するものであ
り、プロセスカラ−を構成する他の色のトナ−、すなわ
ちシアントナ−、マゼンタトナ−の範囲を何等制限する
ものではないが、好ましくはシアントナ−としてC.
I.DISPERSE BLUE 60、87などによ
り着色されたトナ−、マゼンタトナ−としてC.I.D
ISPERSE RED 92、C.I.DISPER
SE VIOLET 26などにより着色されたトナ−
と組み合わせて用いることができる。
【0019】
【作用】先に述べたように、電子写真用トナ−において
は、トナ−の摩擦帯電特性が非常に重要である。一般に
色材(染料、顔料)はアミノ基、ニトロ基、アゾ基等を
有するために、樹脂に配合、染着した場合に樹脂の摩擦
帯電特性に影響を与えることが知られている。樹脂に顔
料を混合し粉砕分級する従来法により得られるトナ−
は、個々のトナ−粒子に含有される顔料のコンテント、
および分布(粒子の表面に露出、表面近傍、内部)がば
らつくために均一な帯電特性を有するトナ−を得ること
はできない。本発明における分散染色法により得られる
トナ−は、個々のトナ−粒子に含有される染料の含有量
が均一であり、さらに、粒子内における分布についても
同一となる。したがって、得られるトナ−は非常に均一
な帯電特性を有するものになる。電子写真用トナ−は帯
電の安定化のために荷電制御剤が用いられる。通常、荷
電制御剤は着色しており、特にカラ−トナ−に用いるに
は問題のあるものが多い。本発明において用いられる染
料は、プロセスカラ−としての色相、彩度、耐光堅牢度
に優れるのみならず、染着された樹脂の摩擦帯電特性を
安定化させる荷電制御剤的な働きを有するものである。
以上の作用により、本発明のトナ−は、トナ−を構成す
る個々の粒子毎のばらつきの無い均一で、しかも安定度
の高い帯電特性を有するとともにプロセスカラ−として
の色相、彩度、耐光堅牢度、昇華堅牢度についても優れ
たものとなる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらになんら限定される物では
ない。温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 95重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 95重量部、 5−ナトリウムスルホジメチルイソフタレ−ト 6重量部、 トリシクロデカンジメチロ−ル 40重量部、 エチレングリコ−ル 60重量部、 ネオペンチルグリコ−ル 91重量部、および テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を250℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続
けた結果、共重合ポリエステル樹脂(R1)を得た。
【0021】共重合ポリエステル樹脂100重量部、ブ
チルセロソルブ30重量部を110℃にて溶解した後8
0℃の水200部を添加し、粒子径約0.1μmの共重
合ポリエステル樹脂の水系ミクロ分散体を得た。さらに
得られた水系ミクロ分散体を蒸留用フラスコに入れ、留
分温度が100℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加
え固形分濃度を30%とした。温度計、コンデンサ−、
撹拌羽根を備えた四つ口の1リットルセパラブルフラス
コに、共重合ポリエステル水系分散体1000重量部、
および、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト8.0重
量部を入れ、80℃に昇温した。次に過硫酸アンモニウ
ム0.2重量部を含む水溶液150重量部を60分間に
わたって滴下した後、さらに60分間80℃に保った状
態で反応を続けた。その結果、共重合ポリエステル水系
分散体に存在したサブミクロンオ−ダ−の粒子径の共重
合体は合体粒子成長し、平均粒径5.2μm、直径をD
とした場合に0.5D〜2Dの範囲の粒径を有する粒子
の占有率92wt%のポリエステル樹脂粒子を得た。得ら
れたポリエステル樹脂粒子に水を添加して25重量%の
ポリエステル樹脂粒子水分散体(P1)とした。
【0022】染料として、C.I.SOLVENT Y
ELLOW 162(商品名NEOPEN YELLO
W 075[BASF社製])20重量部、分散剤ミグ
ノ−ル802[一方社油脂工業製]5重量部、シリコ−
ン系消泡剤IPデフォ−マ6500[一方社油脂工業
製]0.1重量部、脱イオン水74.9重量部の混合比
にてサンドミルに仕込、約1時間粉砕分散を行い、各々
平均粒子径0.2μmの染料分散体(D1)を得た。以
下染料を、 (比較例1)C.I.DISPERSE YELLOW
54 (比較例2)C.I.DISPERSE YELLOW
64 (比較例3)C.I.SOLVENT YELLOW
93 に代え、同様に染料分散体(D2)〜(D4)を得た。
【0023】得られた樹脂粒子の水系分散体(P1)を
100重量部、染料分散体(D1)2.5重量部をテク
サム技研製染色試験機「ミニカラ−」のステンレスポッ
トに仕込み、室温から3℃/分の昇温速度にて130℃
まで昇温し、130℃にて60分関保持した後、室温ま
で冷却、染色粒子を得た。得られた染色粒子を濾過・洗
浄し、スプレ−ドライヤ−にて乾燥し、着色トナ−(T
1)を得た。以下同様に染料分散体を(D2)〜(D
4)に代え、着色トナ−(T2)〜(T4)を得た。
【0024】(比較例4)共重合ポリエステル樹脂(R
1)95重量部と、イエロ−顔料(C.I.PIGME
NT YELLOW 14)5重量部とをボールミルに
て予備混合した後、ロ−ルミルにて溶融混合し、室温ま
で冷却した。さらに得られた着色樹脂塊をステンレスス
チ−ル製乳鉢にて粗粉砕した後、フリ−ザ−ミルにて微
粉砕し、分級して平均粒径が6.8μmの着色トナ−
(T5)を得た。
【0025】得られたトナ−50重量部と、フェライト
系キャリアF−100[パウダ−テック社製]1000
重量部とをボ−ルミルに仕込、約15分間撹拌し現像剤
とした。得られた現像剤にて、アモルファスシリコン感
光ドラムを有するアナログ方式の複写機を用いて平均膜
厚が7μmになるように紙に定着し、耐光堅牢度評価用
サンプルとした。耐光堅牢度評価はフェ−ドメ−タを用
い、カ−ボンア−クランプに20時間暴露した後の変色
度合(CIELAB座標系における色差ΔE)にて評価した。
色度座標の測定には色彩色度計CR−210[ミノルタ
製]を用いた。トナ−を定着した紙の定着面と、昇華型
熱転写プリンタ用の受像紙の受像層とを3mmの間隔に
て対向させて保持し、200℃のドライオ−ブンにて1
0分間加熱した後、昇華型熱転写プリンタ用受像紙の染
料による汚染度合いにより昇華堅牢度を評価した。汚染
度合は耐光堅牢度評価に用いた色彩色度計により昇華型
熱転写プリンタ用受像紙側の変色度合(ΔE)にて評価
した。
【0026】同様にアモルファスシリコン感光ドラムを
有するアナログ方式の複写機を用いて階調画像を透明フ
ィルム上に複写しオ−バ−ヘッドプロジェクタにて観察
し評価した。以上の結果を後記の表1.に示す。さらに
アモルファスシリコン感光ドラムを有するアナログ方式
の複写機を用いて複写を一万枚連続して行った。トナ−
として(T1)を用いた場合においては複写初期と複写
1万枚目との画質に大きな変化はみられなかった。トナ
−(T2)〜(T4)を用いた場合には画像にゴ−スト
上のノイズが生じた。これはトナ−に含有される染料が
定着時の高熱により昇華し、定着ロ−ルを汚染したこと
が原因であった。画像のそのほかの画質要因については
複写初期と複写1万枚目との画質に大きな変化はみられ
なかった。トナ−(T5)を用いた場合には複写700
0枚程度よりカブリが目立ちはじめ、9000枚程度以
降においてはカスレとブラシマ−クが生じた。これらは
トナ−の帯電特性にばらつきが大きいため、複写枚数の
増加に伴って現像機内に残存したトナ−に偏りが生じた
ためである。
【0027】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によるト
ナ−は、帯電特性の均一性に優れるため連続複写時にも
画像形成が安定しており、さらにイエロ−としての色相
に優れ、紫外線暴露によ変退色を生じないため複写画像
の保存性に優れ、また昇華堅牢度に優れるため定着ロ−
ルの汚染等を生じない等々の優れた特性を有するもので
ある。
【0028】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 米田 茂 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C.I.SOLVENT YELLOW
    162 および/またはその誘導体に分類される染料
    を含有することを特徴とする電子写真用トナ−。
JP5158993A 1993-06-29 1993-06-29 電子写真用トナ− Pending JPH07140716A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5158993A JPH07140716A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 電子写真用トナ−

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5158993A JPH07140716A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 電子写真用トナ−

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07140716A true JPH07140716A (ja) 1995-06-02

Family

ID=15683883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5158993A Pending JPH07140716A (ja) 1993-06-29 1993-06-29 電子写真用トナ−

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07140716A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5998075A (en) * 1998-06-19 1999-12-07 Minolta Co., Ltd. Liquid developer
US7833685B2 (en) 2006-11-30 2010-11-16 Canon Kabushiki Kaisha Coloring compound and yellow toner containing the coloring compound
WO2013133449A1 (en) * 2012-03-07 2013-09-12 Canon Kabushiki Kaisha Yellow toner and process for producing the yellow toner
US9170513B2 (en) 2012-08-30 2015-10-27 Canon Kabushiki Kaisha Yellow toner
US9382426B2 (en) 2012-01-20 2016-07-05 Canon Kabushiki Kaisha Water-insoluble coloring compound, ink, thermal transfer recording sheet, and color filter resist composition
US9658553B2 (en) 2013-09-27 2017-05-23 Canon Kabushiki Kaisha Toner
US9811014B2 (en) 2014-03-24 2017-11-07 Canon Kabushiki Kaisha Yellow toner and production method therefor

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5998075A (en) * 1998-06-19 1999-12-07 Minolta Co., Ltd. Liquid developer
US7833685B2 (en) 2006-11-30 2010-11-16 Canon Kabushiki Kaisha Coloring compound and yellow toner containing the coloring compound
US9382426B2 (en) 2012-01-20 2016-07-05 Canon Kabushiki Kaisha Water-insoluble coloring compound, ink, thermal transfer recording sheet, and color filter resist composition
WO2013133449A1 (en) * 2012-03-07 2013-09-12 Canon Kabushiki Kaisha Yellow toner and process for producing the yellow toner
US9323168B2 (en) 2012-03-07 2016-04-26 Canon Kabushiki Kaisha Yellow toner and process for producing the yellow toner
US9170513B2 (en) 2012-08-30 2015-10-27 Canon Kabushiki Kaisha Yellow toner
US9658553B2 (en) 2013-09-27 2017-05-23 Canon Kabushiki Kaisha Toner
US9811014B2 (en) 2014-03-24 2017-11-07 Canon Kabushiki Kaisha Yellow toner and production method therefor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05119522A (ja) 電子写真用トナー
JPH063857A (ja) 電子写真用トナ−
JPH07140716A (ja) 電子写真用トナ−
JPH0619197A (ja) 電子写真用トナ−
JPH05100480A (ja) 電子写真用トナー
JPH06148938A (ja) 電子写真用トナ−
JPH07134443A (ja) 電子写真用トナ−
JPH06214426A (ja) 電子写真用トナ−
JP3068108B2 (ja) 電子写真用トナー
JPH04301649A (ja) 電子写真用トナー
JP3123614B2 (ja) 電子写真用トナー
JPH06214424A (ja) 電子写真用トナ−
JPH06175405A (ja) 電子写真用トナ−
JP3123615B2 (ja) 電子写真用トナー
JPH06222616A (ja) 電子写真用トナ−
JPH07140714A (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP3048004B2 (ja) 電子写真用トナー
JPH06208251A (ja) 電子写真用トナ−
JPH06208249A (ja) 電子写真用トナ−
JPH06214425A (ja) 電子写真用トナ−
JPH06208250A (ja) 電子写真用トナ−
JPH04242266A (ja) 電子写真用トナー
JPH04337741A (ja) 電子写真用トナー
JPH06175406A (ja) 電子写真用トナ−
JPH04195163A (ja) 着色樹脂粒子の製造法