JPH07134443A - 電子写真用トナ− - Google Patents

電子写真用トナ−

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JPH07134443A
JPH07134443A JP5282556A JP28255693A JPH07134443A JP H07134443 A JPH07134443 A JP H07134443A JP 5282556 A JP5282556 A JP 5282556A JP 28255693 A JP28255693 A JP 28255693A JP H07134443 A JPH07134443 A JP H07134443A
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JP
Japan
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acid
toner
resin
color
polyester resin
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Application number
JP5282556A
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English (en)
Inventor
Satoshi Maeda
郷司 前田
Yasunari Hotsuta
泰業 堀田
Shigeru Yoneda
茂 米田
Masanori Kobayashi
正典 小林
Yozo Yamada
陽三 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色相、耐光堅牢度、昇華堅牢度に優れる電子
写真用シアン・カラ−トナ−の提供。 【構成】 C.I.Solvent Blue 64
および/またはその誘導体に分類される染料、イオン性
基含有ポリエステル樹脂、水溶性有機化合物を溶解混合
し、水を添加したる後に水溶性有機化合物を共沸により
除去、さらに水分散体に電解質を作用させ緩凝集域にて
合体粒子成長させることにより所望のトナ−粒子を得
る。得られたトナ−は結着材樹脂に顔料を分散し粉砕す
ることにより得られるトナ−に比較し連続複写性、画像
透明性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式の複写
機、レ−ザ−プリンタ、等における現像剤に用いられる
電子写真用トナ−に関する。さらに詳しくは、カラ−画
像の形成に用いられるプロセスカラ−トナ−に関し、そ
の中でも特にシアンに着色されるトナ−に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式は、複写機、ファクシミ
リ、レ−ザ−プリンタ等に広く用いられてきている。さ
らに近年では電子写真方式のカラ−化が進められてきて
いる。電子写真方式においてカラ−画像を形成するため
に用いられるカラ−トナ−にはプロセスカラ−、すなわ
ち減法混色の三原色:イエロ−、マゼンタ、シアンに着
色されたトナ−が用いられる。トナ−は一般に、熱可塑
性樹脂に着色剤、荷電制御剤、流動性改質剤、粉砕補助
剤、等を加えて混練した後に粉砕、さらに分級する、い
わゆる粉砕法によって作製されている。粉砕法による電
子写真用トナ−をシアン色に着色する方法としては、樹
脂に色材を混練した後に粉砕する方法が主として用いら
れている。樹脂と色材とを粉砕前にあらかじめ混練する
場合には、その色材は樹脂との混練時の高温に耐える必
要がある。多くの染料は混練の際の温度により変退色し
てしまうため、使用可能な色材はほぼ顔料に限られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来より知られている
無機系の顔料には安全衛生上問題のあるものが多く、実
際問題としてこれらを含むトナ−を一般の複写機、プリ
ンタ−等に用いることは不可能である。有機系の顔料に
関しても同様に安全衛生性の問題を有するものがあり、
実際に色材として使用可能な物は限定される。安全衛生
上の問題が無い物についても、画像保持性に問題がある
ものが多い。すなわち、多くの有機系の色材は紫外線暴
露等により変退色を生じ、特にカラ−画像の保持という
点で満足できるものは少ない。
【0004】顔料による着色では、色材は単にトナ−の
結着剤樹脂に分散しているのみであるため透明性に劣
る。そのため複数の色を重ねた場合の色再現性が不十分
であり、中間色の再現域が狭くなってしまう。また透明
性の影響は、特にオ−バ−ヘッドプロジェクタ用の透明
シ−ト上に画像を形成した場合に顕著に現れる。すなわ
ちトナ−層の透明性が劣るために投影された画像は薄暗
く濁った色調となり、中間色ばかりか、原色の再現さえ
も阻害されてしまう。透明性の問題は、顔料粒子の粒径
を光の波長以下、すなわちサブミクロン程度に小さくす
ることにより、ある程度は改善が可能である。しかしな
がら、顔料をサブミクロンサイズにまで粉砕すろことは
困難であり、色材コストが著しく上昇する。またサブミ
クロン程度にまで粉砕された顔料を樹脂に均一に分散す
ることは困難であり、実際問題としては樹脂中において
ある程度凝集した集合体として存在し、粉砕した効果を
十分に生かすことはできない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み、特にカラ−トナ−としての色再現性に優れるシ
アントナ−を得るべく鋭意研究を重ねた結果、次なる発
明に到達した。すなわち本発明は、結着材樹脂としてポ
リエステル樹脂を用い、着色剤としてC.I.Solv
ent Blue 64 および/またはその誘導体に
分類される染料を含有することを特徴とする電子写真用
トナ−である。本発明において用いられる染料は油溶性
染料に分類されるフタロシアニン系の染料である。該染
料の結着材樹脂に対する含有量は、特に限定される物で
はないが、概ね0.5〜20.0、好ましくは1.0〜
10.0、さらに好ましくは3.0〜7.0重量%程度
である。
【0006】本発明では結着材樹脂としてポリエステル
樹脂を用いる。ポリエステル系樹脂としては飽和ポリエ
ステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂いずれも用い
ることができる。本発明におけるポリエステル樹脂と
は、主として、多価カルボン酸樹脂とグリコ−ル成分と
からなる。ポリエステル樹脂に用いられる多価カルボン
酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、
オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、スルホ
テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフ
タル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、
5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スルホテレ
フタル酸、およびまたはそれらの金属塩、アンモニウム
塩などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p
−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシ
カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン
酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒド
ロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不飽和脂肪
族、および、脂環族ジカルボン酸等を、また多価カルボ
ン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン酸、ピロ
メリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を例示でき
る。
【0007】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエル
スリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例
示できる。
【0008】脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−
シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメ
タノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル
A、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示で
きる。芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレング
リコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレング
リコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フ
ェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド
付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示でき
る。さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε−カプロ
ラクトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラク
トン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示することがで
きる。
【0009】ポリエステル高分子末端の極性基を封鎖
し、トナ−帯電特性の環境安定性を改善する目的におい
て単官能単量体がポリエステルに導入される場合があ
る。単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香
酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、スルホ
安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナト
リウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、
n-ドデシルアミノカルボニル安息香酸、タ−シャルブチ
ル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息香
酸、3メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、
フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、
オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、およ
びこれらの低級アルキルエステル、等のモノカルボン酸
類、あるいは脂肪族アルコ−ル、芳香族アルコ−ル、脂
環族アルコ−ル等のモノアルコ−ルを用いることができ
る。
【0010】本発明におけるポリエステル樹脂の主成分
としてのより具体的な例として、(1) 芳香族系単量体を
80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、エチレン
グリコ−ル0〜90mol%、プロピレングリコ−ル100
〜10mol%とから得られるポリエステル樹脂、(2) 芳香
族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、
と、2,3−ブタンジオ−ル5〜80mol%、エチレング
リコ−ル20〜95mol%とから得られるポリエステル樹
脂、(3) 芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カ
ルボン酸類、と、C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類7
0〜95mol%、トリシクロデカン骨格のモノまたは多価
アルコ−ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル
樹脂、(4) 芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価
カルボン酸類、と、C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類
70〜95mol%、シクロヘキサン骨格を有するモノまた
は多価アルコ−ル類5〜30mol%とから得られるポリエ
ステル樹脂、(5) ナフタレン骨格を有するモノまたは二
価以上のカルボン酸1〜20mol%を含む芳香族系単量体
を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、C2 〜
C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜100mol%、脂環族
系単量体0〜30mol%を含有する多価アルコ−ル類、と
から得られるポリエステル樹脂、等を例示することがで
きる。
【0011】ここに、「芳香族系単量体」はテレフタル
酸and/orイソフタル酸であることが好ましい。テレフタ
ル酸とイソフタル酸の比率は、テレフタル酸含有率/イ
ソフタル酸含有率=90〜40/10〜60[mol%]が
好ましく、さらに、テレフタル酸含有率/イソフタル酸
含有率=80〜50/20〜50[mol%]、またさらに
テレフタル酸含有率/イソフタル酸含有率=85〜60
/15〜40[mol%]が好ましい。本発明においては、
芳香族系単量体としてトリメリット酸and/orトリメシン
酸and/orピロメリット酸を2〜5mol%含有することがで
きる。本発明においてはかかる多価カルボン酸に加え、
さらに三価以上の多価アルコ−ルの併用を容認するもの
であるが、その目的はポリエステル樹脂の分子量分布を
広げるためであり、樹脂をゲル化させることが目的では
ない。樹脂のゲル化は特にポリエステル重合装置からの
樹脂の取り出しを困難とし、生産性の著しい低下を招
く。本発明においては実質的にゲル化が無く、より具体
的にはクロロホルム不溶分が0.5重量%以下、好まし
くは0.25重量%以下となることが必要である。
【0012】本発明におけるポリエステル樹脂は、芳香
族系単量体として、分岐アルキル基を置換基として有す
る安息香酸5〜20mol%を含有するすることが好まし
い。置換基として分岐アルキル基を有する安息香酸とし
てはタ−シャルブチル安息香酸の使用が好ましい。ポリ
エステル系樹脂の中でも特に好ましく用いられる樹脂
は、酸成分として芳香族多価カルボン酸を用い、アルコ
−ル成分として脂肪族、およびまたは脂環族の多価アル
コ−ルを用いたものである。本発明におけるポリエステ
ル樹脂の酸価は3mgKOH/g以下であることが好まし
く、1mgKOH/gがさらに好ましく、なおさらに0.
5mgKOH/gを越えないように調整することが好まし
い。
【0013】さらに本発明においては、トナ−結着材樹
脂がイオン性基含有樹脂であることが好ましく、イオン
性基含有ポリエステル樹脂がより好ましい。結着材樹脂
に含まれるイオン性基としては、カルボキシル基、スル
ホン酸基、硫酸基、リン酸基、もしくはそれらの塩(水
素塩、金属塩)等のアニオン性基、または第1級ないし
第3級アミン基等のカチオン性基であり、好ましくは、
カルボキシル基、カルボン酸アンモニウム塩基、スルホ
ン酸基、スルホン酸アルカリ金属塩基である。特にポリ
エステル樹脂に共重合可能なスルホン酸金属塩基含有化
合物としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフ
タル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−
2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソ
フタル酸等の金属塩をあげることができる。また特にイ
オン性基を高分子末端に導入する場合にはスルホ安息香
酸等を用いることができる。金属塩としてはLi、N
a、K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特
に好ましいものはNa塩である。樹脂がポリエステル系
樹脂である場合には、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、あるいはスルホ安息香酸を用いることが好ましい。
これらイオン性基の含有量は、特にこれを限定するもの
ではないが、概ね0.02〜0.5当量/1000gの
範囲内が適当である。
【0014】本発明に用いられる樹脂のガラス転移点は
40℃以上であることが好ましくさらには50℃以上、
またさらには60℃以上、なおさらには65℃以上であ
ることが好ましい。ガラス転移点がこれより低い場合に
は、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾向がみられ、
保存安定性に問題を生ずる場合がある。また本発明に用
いられる樹脂の軟化点は80〜150℃の範囲であるこ
とが好ましい。樹脂の軟化温度をこれより低く抑えたト
ナ−においては、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾
向がみられ、特に長期間の保存において、流動性が大き
く悪化する場合がある。軟化点がこれより高い場合には
定着性に支障をきたす。また定着ロ−ルを高温に加熱す
る必要が生じるために、定着ロ−ルの材質、ならびに複
写される基材の材質が制限される。
【0015】本発明において、前述の染料により染色さ
れたトナ−を得る方法としては、染料および結着材樹脂
粉末とを水系媒体に分散せしめ、所定の温度にて処理す
る、いわゆる、分散染色法を用いることができる。染色
の際の処理温度は使用される染料と基材との組合せによ
り異なるため一概に規定することは困難であるが、おお
むね樹脂のガラス転移点から150℃までの範囲であ
る。水の沸点を高めるために加圧下にて染色を行なうこ
とは差し支えない。本発明においては特に樹脂のガラス
転移点よりさらに40℃程度高い温度にて染色を行なう
ことが好ましい。染色の際の水系媒体と分散される樹脂
粒子との比率は、特に限定されないが、染色効率を高め
るために水系分散体全体に対する樹脂粒子の含有率を2
0重量%以上、さらには25%以上とすることが好まし
い。しかしながら本発明においては染料の変退色等が生
じない範囲において、該染料を結着材樹脂に練り込み、
粉砕分級する方法によってトナ−を製造してもよい。
【0016】ここに結着材樹脂粉末とは、平均粒子径が
1〜50μmの範囲に微細化された樹脂粒子を意味する
ものである。微細化する方法は特に限定されず、通常の
トナ−の製法と同様の粉砕分級法、あるいはエマルジョ
ン重合法、懸濁重合法、分散重合法、シ−ド重合法など
の方法により得られる樹脂の粒子を用いることができ
る。本発明においては好ましくは以下に示す方法により
得られる樹脂粒子とを用いることができる。
【0017】本発明において特にイオン性基を含有した
場合においては、ポリエステル樹脂が水分散性を発現す
る。この場合、水系媒体に安定にミクロ分散せしめたイ
オン性基含有ポリエステル樹脂を、該ミクロ分散粒子を
可塑化した状態において、ミクロ分散粒子の表面、およ
び表面近傍に存在するミクロ分散微粒子を水系媒体中に
おいて安定化させる働きを持つところのイオン量を、均
一に制御された状況下にて減少せしめる手段により、ミ
クロ分散粒子の媒体中での安定状態を崩し、ミクロ分散
粒子を合体せしめることによりイオン性基含有ポリエス
テル粒子を得ることができる。該ミクロ分散粒子の表
面、および表面近傍に存在するイオン量を減少せしめる
手段としては、ポリエステル樹脂に含有されるイオン性
基の、 ・光分解、熱分解、あるいは加水分解等による切り放
し、 ・温度、pH等の走査による解離度の制御、 ・対イオンによるイオン性基の封鎖、 および、 ・電解質の添加による電気二重層の破壊、 等の手段を用いることができる。本発明においては、対
イオン性基を有する反応性単量体を系内に添加し、対イ
オン性基含有単量体を重合せしめることにより形成され
るポリイオンコンプレックスを用いてイオン性基を封鎖
する方法、あるいは、分解触媒などを併用したイオン性
基切り放しによる方法を好ましく用いることができる。
これらの方法によって得られる樹脂粒子は平均粒子径を
Dとした場合に0.5D〜2.0Dの粒子径範囲の粒子
が全体の70重量%以上を占めるというシャ−プな粒度
粒度分布を示しすためトナ−としての特性に優れてい
る。
【0018】本発明はシアントナ−に関するものであ
り、プロセスカラ−を構成する他の色のトナ−、すなわ
ちイエロ−トナ−、マゼンタトナ−の範囲を何等制限す
るものではないが、好ましくはイエロ−トナ−として
「C.I.Disperse Yellow 19
8」、「C.I.Solvent Yellow 16
2」などにより着色されたイエロ−トナ−、マゼンタト
ナ−として「C.I.Disperse Red 9
2」、「C.I.Disperse Violet 2
6」などにより着色されたトナ−と組み合わせて用いる
ことができる。
【0019】先に述べたように、電子写真用トナ−にお
いては、トナ−の摩擦帯電特性が非常に重要である。一
般に色材(染料、顔料)はアミノ基、ニトロ基、アゾ基
等を有するために、樹脂に配合、染着した場合に樹脂の
摩擦帯電特性に影響を与えることが知られている。樹脂
に顔料を混合し粉砕分級する従来法により得られるトナ
−は、個々のトナ−粒子に含有される顔料のコンテン
ト、および分布(粒子の表面に露出、表面近傍、内部)
がばらつくために均一な帯電特性を有するトナ−を得る
ことは困難である。本発明のトナ−は、個々のトナ−粒
子に含有される染料の含有量が均一であり、さらに、粒
子内における分布についても同一となる。したがって、
得られるトナ−は非常に均一な帯電特性を有するものに
なる。
【0020】電子写真用トナ−は帯電の安定化のために
荷電制御剤が用いられる。通常、荷電制御剤は着色して
おり、特にカラ−トナ−に用いるには問題のあるものが
多い。本発明において用いられる染料は、プロセスカラ
−としての色相、彩度、耐光堅牢度に優れるのみなら
ず、染着された樹脂の摩擦帯電特性を安定化させる荷電
制御剤的な働きを有するものである。以上の作用によ
り、本発明のトナ−は、トナ−を構成する個々の粒子毎
のばらつきの無い均一で、しかも安定度の高い帯電特性
を有するとともにプロセスカラ−としての色相、彩度、
耐光堅牢度、昇華堅牢度についても優れたものとなる。
【0021】
【実施例1】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらになんら限定される物で
はない。温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 95重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 95重量部、 5−ナトリウムスルホジメチルイソフタレ−ト 6重量部、 トリシクロデカンジメチロ−ル 40重量部、 エチレングリコ−ル 60重量部、 ネオペンチルグリコ−ル 91重量部、および テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を250℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続
けた結果、共重合ポリエステル樹脂(R1)を得た。共
重合ポリエステル樹脂100重量部、染料「C.I.S
olvent Blue 64」5重量部、ブチルセロ
ソルブ30重量部を110℃にて溶解した後80℃の水
200部を添加し、粒子径約0.1μmの着色共重合ポ
リエステル樹脂の水系ミクロ分散体を得た。さらに得ら
れた水系ミクロ分散体を蒸留用フラスコに入れ、留分温
度が100℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固
形分濃度を30%とした。
【0022】温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた
四つ口の1リットルセパラブルフラスコに、共重合ポリ
エステル水系分散体1000重量部、および、ジメチル
アミノエチルメタクリレ−ト8.0重量部を入れ、80
℃に昇温した。さらに240分間80℃に保った状態で
反応を続けた。その結果、共重合ポリエステル水系分散
体に存在したサブミクロンオ−ダ−の粒子径の共重合体
は合体粒子成長し、平均粒径6.3μm、直径をDとし
た場合に0.5D〜2Dの範囲の粒径を有する粒子の占
有率95wt%のポリエステル樹脂粒子を得た。得られた
ポリエステル樹脂粒子を吸引ロ−トにて脱水洗浄し、真
空乾燥することにより乾燥し、着色トナー(T1 )を得
た。以下染料を、 (比較例1)C.I.Disperse Blue 6
4 (比較例2)C.I.Disperse Blue 7 (比較例3)C.I.Solvent Blue 35 に代え、同様にカラートナーT2 〜T4 を得た。
【0023】(比較例4)共重合ポリエステル樹脂(R
1)95重量部と、シアン顔料(C.I.Pigmen
t Blue 15)5重量部とをボールミルにて予備
混合した後、ロ−ルミルにて溶融混合し、室温まで冷却
した。さらに得られた着色樹脂塊をステンレススチ−ル
製乳鉢にて粗粉砕した後、フリ−ザ−ミルにて微粉砕
し、分級して平均粒径が6.8μmの着色トナ−(T
5)を得た。
【0024】(評価)得られたトナ−50重量部と、フ
ェライト系キャリアF−100[パウダ−テック社製]
1000重量部とをボ−ルミルに仕込、約15分間撹拌
し現像剤とした。得られた現像剤にて、アモルファスシ
リコン感光ドラムを有するアナログ方式の複写機を用い
て平均膜厚が7μmになるように紙に定着し、耐光堅牢
度評価用サンプルとした。耐光堅牢度評価はフェ−ドメ
−タを用い、カ−ボンア−クランプに20時間暴露した
後の変色度合(CIELAB座標系における色差ΔE)にて評
価した。色度座標の測定には色彩色度計CR−210
[ミノルタ製]を用いた。トナ−を定着した紙の定着面
と、昇華型熱転写プリンタ用の受像紙の受像層とを3m
mの間隔にて対向させて保持し、200℃のドライオ−
ブンにて10分間加熱した後、昇華型熱転写プリンタ用
受像紙の染料による汚染度合いにより昇華堅牢度を評価
した。汚染度合は耐光堅牢度評価に用いた色彩色度計に
より昇華型熱転写プリンタ用受像紙側の変色度合(Δ
E)にて評価した。同様にアモルファスシリコン感光ド
ラムを有するアナログ方式の複写機を用いて階調画像を
透明フィルム上に複写しオ−バ−ヘッドプロジェクタに
て観察し評価した。以上の結果を表1.に示す。
【0025】
【表1】 さらにアモルファスシリコン感光ドラムを有するアナロ
グ方式の複写機を用いて複写を一万枚連続して行った。
トナ−として(T1)を用いた場合においては複写初期
と複写1万枚目との画質に大きな変化はみられなかっ
た。トナ−(T2)〜(T4)を用いた場合には画像に
ゴ−スト上のノイズが生じた。これはトナ−に含有され
る染料が定着時の高熱により昇華し、定着ロ−ルを汚染
したことが原因であった。画像のそのほかの画質要因に
ついては複写初期と複写1万枚目との画質に大きな変化
はみられなかった。トナ−(T5)を用いた場合には複
写7000枚程度よりカブリが目立ちはじめ、9000
枚程度以降においてはカスレとブラシマ−クが生じた。
これらはトナ−の帯電特性にばらつきが大きいため、複
写枚数の増加に伴って現像機内に残存したトナ−に偏り
が生じたためである。
【0026】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によるト
ナ−は、帯電特性の均一性に優れるため連続複写時にも
画像形成が安定しており、さらにシアンとしての色相に
優れ、紫外線暴露によ変退色を生じないため複写画像の
保存性に優れ、また昇華堅牢度に優れるため定着ロ−ル
の汚染等を生じない等々の優れた特性を有するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 正典 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂を結着材樹脂として用
    い、着色剤としてC.I.Solvent Blue
    64 および/またはその誘導体に分類される染料を含
    有することを特徴とする電子写真用トナ−。
JP5282556A 1993-11-11 1993-11-11 電子写真用トナ− Pending JPH07134443A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7267922B2 (en) 2003-11-21 2007-09-11 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of preparing particulate phase toner using fractional dissolution and particulate phase toner prepared using the same

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