JP3048004B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JP3048004B2
JP3048004B2 JP3056084A JP5608491A JP3048004B2 JP 3048004 B2 JP3048004 B2 JP 3048004B2 JP 3056084 A JP3056084 A JP 3056084A JP 5608491 A JP5608491 A JP 5608491A JP 3048004 B2 JP3048004 B2 JP 3048004B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式の複写
機、レ−ザ−プリンタ、ファクシミリ等における現像剤
に用いられるトナ−に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真方式とは、セレン、アモ
ルファスシリコン、酸化亜鉛等の無機系、あるいは、ジ
アゾ化合物、色素等の有機系の(多くの場合ドラム状に
加工された)光導電性物質(:感光ドラム)を、まず一
様に帯電させ、次いで画像変調された光を照射すること
により静電潜像を形成、該静電潜像に静電気力にて粉体
を付着せしめることにより現像し、必要に応じて紙ある
いはフィルム等の基材上に粉体を転写した後、加圧、加
熱等の方法により定着するものである。電子写真方式は
現在、複写機、レ−ザ−プリンタ、ファクシミリ等に広
く用いられている。
【0003】電子写真方式において感光ドラム上の静電
潜像を現像し、最終的には紙あるいはフィルム等の基材
に転写されて画像を形成する粉体をトナ−と称する。こ
れらトナ−は、通常、ガラスビ−ズ、鉄粉、フェライト
等の担体粒子(:キャリア)と混合され、いわゆる現像
剤として用いられる。電子写真の現像剤に用いられるト
ナ−としては、結着材樹脂に着色剤、荷電制御剤、流動
性改質剤、粉砕補助剤、等を加えて混練した後に粉砕、
さらに分級する、いわゆる粉砕法によって作製される粒
子が用いられている。結着材樹脂としては、スチレン/
アクリル共重合系樹脂が主として使用されてきたが、近
年では電子写真の高速化カラ−化などに伴い低温定着性
に優れるポリエステル樹脂が用いられる傾向にある。従
来より用いられているポリエステル樹脂は主として、フ
マル酸、マレイン酸などの脂肪族不飽和カルボン酸類と
ビスフェノ−ル構造を有するジオ−ル類との縮重合によ
り得られる不飽和ポリエステル樹脂である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの不飽和ポリエ
ステル樹脂を用いたトナ−は、良好な低温定着性を示す
ものの、 ・樹脂自体のガラス転移温度が低いために保
存安定性に欠ける、 ・不飽和基を有するため化学的安定性が低い、 ・染料にて着色された場合に耐光堅牢度が低い、 ・塩化ビニル系樹脂に使用される可塑剤が移行しやす
い、 等の欠点が指摘されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み、これら多くの要求特性を総合的に満足し、かつ
工業的に生産が行えるトナ−を得るべく鋭意研究を重ね
た結果、次なる発明に到達した。すなわち本発明は、結
着材樹脂として、主として多価カルボン酸と多価アルコ
−ルの縮重合により得られるポリエステル樹脂を用いた
電子写真用トナ−において、該多価カルボン酸の60mo
l %以上が芳香族ジカルボン酸類からなり、該多価アル
コ−ルの0.5から80mol %がトリシクロデカン骨格
を有する脂環族ジオ−ルからなることを特徴とする電子
写真用トナ−である。
【0006】本発明における多価カルボン酸は、主とし
てジカルボン酸類からなる。ジカルボン酸類としては、
例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、1,5−ナフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、p
−オキシ安息香酸p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸
などの芳香族オキシカルボン酸、等を用いることができ
る。芳香族ジカルボン酸は多価カルボン酸成分の60mo
l %以上が必須であり、80mol %以上が好ましく、9
5mol %以上がさらに好ましい。芳香族ジカルボン酸の
含有率がこの範囲に満たない場合には樹脂のガラス転移
温度が低下し、保存安定性に支障をきたす場合がある。
本発明において好ましく用いられるジカルボン酸類とし
てはテレフタル酸、イソフタル酸である。これらは芳香
族ジカルボン酸の内80mol %以上使用されることが好
ましい。本発明においては他のジカルボン酸類としてコ
ハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマ−ル
酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、
テトラヒドロフタル酸、等の不飽和脂肪族、および、脂
環族ジカルボン酸等を使用することができる。本発明に
おいては必要によりトリメリット酸、トリメシン酸、ピ
ロメリット酸等のトリおよびテトラカルボン酸を少量含
んでも良い。
【0007】本発明においては多価アルコール成分とし
てトリシクロデカン骨格を有する脂環族ジオールを用い
る。該脂環族ジオールは多価アルコール成分の0.5m
olから80mol(%)の範囲が必須であり、10m
ol%以上80mol%以下の範囲が好ましく、15m
ol%以上60mol%以下の範囲がさらに好ましい。
係る範囲の下限に満たない場合には樹脂のガラス転移温
度が低下し、保存安定性に支障をきたす場合がある。ま
たかかる範囲の上限を越える場合には溶融粘度が上がり
すぎ、定着性に支障を生ずる場合がある。
【0008】他の多価アルコ−ル成分としては、例え
ば、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,
3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,
5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネ
オペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロ
ピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−
ル、スピログリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−
ル、1,4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイ
ド付加物、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレング
リコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等のジオ−
ル、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およ
びプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノ−ル
Aのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサ
イド付加物等々のジオ−ル類、さらに必要により、トリ
メチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリ
ン等のトリオ−ル、ペンタエルスリト−ル等のテトラオ
−ル等、他に、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開
環重合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオ−
ル類を用いることができる。
【0009】本発明においてポリエステル樹脂は、単独
あるいは必要により2種以上併用することができる。ま
た、溶融状態、溶液状態で、アミノ樹脂、エポキシ樹脂
イソシアネ−ト化合物等と混合することもでき、またさ
らに、これらの化合物と一部反応させることもできる。
【0010】本発明におけるポリエステル樹脂のガラス
転移点は40℃以上である。ガラス転移点がこれより低
い場合には、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾向が
みられ、保存安定性に問題を生ずる場合がある。本発明
におけるポリエステル樹脂の軟化点は80〜150℃の
範囲である。樹脂の軟化温度をこれより低く抑えたトナ
−においては、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾向
がみられ、特に長期間の保存において、流動性が大きく
悪化する場合がある。軟化点がこれより高い場合には定
着性に支障をきたす。また定着ロ−ルを高温に加熱する
必要が生じるために、定着ロ−ルの材質、ならびに複写
される基材の材質が制限される。
【0011】本発明においては、トナ−の帯電安定性を
向上する目的においてイオン性基を有する成分を樹脂に
含有せしめることができる。樹脂に含まれるイオン性基
としては、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リ
ン酸基、もしくはそれらの塩(水素塩、金属塩)等のア
ニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基等のカ
チオン性基であり、好ましくは、カルボキシル基、カル
ボン酸アンモニウム塩基、スルホン酸基、スルホン酸ア
ルカリ金属塩基等を用いることができる。これらイオン
性基は樹脂に共重合された形態にて含有されることが好
ましく、樹脂に共重合可能なスルホン酸金属塩基含有化
合物としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフ
タル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−
2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソ
フタル酸等の金属塩をあげることができる。金属塩とし
てはLi、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩が
あげられ、特に好ましいもの はNa塩である。これら
イオン性基の含有量は、該ポリエステル樹脂に対し、
0.01〜0.2当量/1000g、好ましくは0.0
2〜0.15当量/1000g、なお好ましくは0.0
5〜0.1当量/1000g、である。イオン性基の含
有量が所定の量より少ない場合には十分なる帯電電荷の
安定性が得られない。また、イオン性基含有量が必要以
上に多い場合には、特に湿度の影響を受けやすくなり、
長期保存安定性が悪くなる場合がある。
【0012】本発明において特にイオン性基を含有した
場合においては、ポリエステル樹脂が水分散性を発現す
る。この場合、水系媒体に安定にミクロ分散せしめたイ
オン性基含有ポリエステル樹脂を、該ミクロ分散粒子を
可塑化した状態において、ミクロ分散粒子の表面、およ
び表面近傍に存在するミクロ分散微粒子を水系媒体中に
おいて安定化させる働きを持つところのイオン量を、均
一に制御された状況下にて減少せしめる手段により、ミ
クロ分散粒子の媒体中での安定状態を崩し、ミクロ分散
粒子を合体せしめることにより実質球状の、粒子径が1
〜30μmのイオン性基含有ポリエステル粒子を得るこ
とができ、この球状ポリエステルを本発明のトナーに適
用することが、より好ましい態様となる。該ミクロ分散
粒子の表面、および表面近傍に存在するイオン量を減少
せしめる手段としては、ポリエステル樹脂に含有される
イオン性基の、 ・光分解、熱分解、あるいは加水分解等による切り放
し、 ・温度、pH等の走査による解離度の制御、 ・対イオンによるイオン性基の封鎖、 および、 ・電解質の添加による電気二重層の破壊、 等の手段を用いることができる。本発明においては、対
イオン性基を有する反応性単量体を系内に添加し、対イ
オン性基含有単量体を重合せしめることにより形成され
るポリイオンコンプレックスを用いてイオン性基を封鎖
する方法、あるいは、分解触媒などを併用したイオン性
基切り放しによる方法を好ましく用いることができる。
【0013】本発明における電子写真用トナ−の製造法
はとくに限定されるものではなく、上述した粒子化方法
を用いてもよく、また一般的な、主構成成分であるポリ
エステル樹脂に着色剤、荷電制御剤、流動性改質剤、粉
砕補助剤、等を加えて混練した後に粉砕・分級する、い
わゆる粉砕法を用いてもよい。本発明におけるポリエス
テル樹脂の着色方法は特に限定されず、公知既存の着色
剤である顔料、または染料、あるいはカ−ボンブラック
等を用いればよい。これら染料、顔料、カ−ボンブラッ
ク等は、単独で用いられてもよく、あるいは必要に応じ
て併用されてもよい。特に分光透過特性の観点からは染
料を用いることが好ましい。着色に染料を用いる場合に
は、イエロ−着色にはアゾ系、ニトロ系、キノリン系、
キノフタロン系、メチン系染料が、マゼンタ着色にはア
ントラキノン系、アゾ系、ロ−ダミン系染料が、シアン
着色にはアントラキノン系染料が好ましく用いられる。
染料の形態としては分散染料あるいは油溶性染料を用い
ることが好ましい。これらは特に繊維製品の染色用分散
染料として市販されている形態の染料を直接用いても良
く、またそのような形態で入手できないものは、染料の
原体(コンクケ−キ)、分散剤、水系媒体とをボ−ルミ
ル、サンドミル、シェ−カ−などにより混合し、染料の
コンクケ−キをさらに微粉砕微分散させた形態のものを
用いることができる。分散剤としてはナフタリンスルホ
ン酸塩の縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、スチレン
スルホン酸塩とアクリル酸の共重合体などを用いること
ができる。着色に顔料を用いる場合にはイエロ−着色に
はベンジジン系、アゾ系顔料が、マゼンタ着色にはアゾ
レ−キ系、ロ−ダミンレ−キ系、キナクリドン系顔料
が、シアン着色にはフタロシアニン系顔料が好ましく用
いられる。黒色のトナ−を得る場合に、カ−ボンブラッ
ク等を使用することは差し支えない。カ−ボンブラック
としては、サ−マルブラック、アセチレンブラック、チ
ャンネルブラック、ファ−ネスブラック、ランプブラッ
ク等を用いることができる。本発明の電子写真用トナ−
においては、所定の帯電量を与えるために荷電制御剤を
併用してもよい。本発明におけるトナ−においては、例
えばアルミナ微粒子、シリカ微粒子等の流動性改質剤を
添加しても良い。担体粒子(:キャリア)と混合されな
いで用いられるトナ−、すなわち一成分系現像剤の場合
にはトナ−は磁性を有する必要がある。このような場合
には必要に応じて、鉄、コバルト、ニッケル、あるいは
それらを主体とする合金、あるいはフェライト等の酸化
物、を含んでも良い。
【0014】本発明にの電子写真用トナ−は良好なる定
着性と保存安定性を両立する。これは本発明に用いられ
るポリエステル樹脂が約60℃程度以上のガラス転移温
度を保持した状態において高温での低溶融粘度を実現す
るためである。本発明のポリエステル樹脂は塩化ビニル
系樹脂に用いられている可塑剤との親和性が低いため、
複写物を透明シ−ト等に接触させた状態において長期間
保存した場合においても色材の移行、シ−トへの樹脂の
付着等を生じない。本発明のポリエステル樹脂は、染色
における発色性に優れ、また染料に対する安定性が高い
ため、高い耐光堅牢度を示す。また本発明におけるトナ
−は、透明性に優れるため、単色の場合の発色のみなら
ず、他の色と重ねた場合の混色性が良好であるため、中
間色の再現性に優れている。またオ−バ−ヘッドプロジ
ェクタ−等に用いられる透明フィルム上に画像を形成し
た場合には、スクリ−ンに投影された画像においても良
好なる色調を示す。
【0015】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらになんら限定される物では
ない。なお、実施例、比較例中に示す樹脂の物性は以下
の方法により測定した。・ガラス転移点示差走査型熱量
計(島津製作所製)により、昇温速度10℃/分にて測
定した。・数平均分子量(蒸気圧法)分子量測定装置
(日立製作所製)により測定した。
【0016】(ポリエステル樹脂の合成)温度計、撹拌
機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 87重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 87重量部、 トリシクロデカンジメチロ−ル 98重量部、 エチレングリコ−ル 105重量部、
および テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、170度まで冷却してセ
バシン酸を20重量部添加し90分間反応させた後、反
応系を250℃まで昇温し、系の圧力1〜10mmHg
として60分間反応を続けた結果、共重合ポリエステル
樹脂(A1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂
(A1)の組成、数平均分子量、ガラス転移温度を表
1.に示す。以下、原料を変えて同様に重合を行い、表
1.に示すポリエステル樹脂(A2)〜(A7)を得
た。
【0017】温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中
に、ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサイド付加物7
0重量部、無水マレイン酸28重量部、ハイドロキノン
0.05重量部を仕込み、反応系内に窒素ガスを導入し
不活性雰囲気に保ち、0.05重量部のジブチル錫オキ
サイドを加え200度にて反応させポリエステル樹脂
(A8)を得た。ポリエステル樹脂(A8)の組成、数
平均分子量、ガラス転移温度を後記の表1.に示す。
【0018】(トナ−の調製1:粉砕・分級−染色法)
共重合ポリエステル樹脂(A1)を微粉砕機にて粉砕
後、ジグザグ分級機にて分級し平均粒径11μmの樹脂
粉末を得た。得られた樹脂粉末100重量部と、タモ−
ル系分散剤ミグノ−ル802[一方社油脂工業( 株)
製]10重量部とを380重量部の脱イオン水に入れ、
超音波洗浄器と撹拌機を併用して樹脂粉末の水分散体を
得た。得られた樹脂粉末の水分散体100重量部に市販
の分散染料スミカロン・イエロ− SE−3GL(C.
I.DISPERSE YELLOW 64)[住友化
学製]4重量部を添加し、95℃にて60分間、高速撹
拌化に染色した。その後、室温まで冷却し、洗浄、濾
過、真空乾燥を行ってイエロ−に着色されたトナ−(T
1Y)を得た。同様にマゼンタ染料としてミケトン・ポ
リエステル・レッド FB(C.I.DISPERSE
RED 60)[三井東圧染料製]6重量部、シアン
染料としてスミカロン・ブリリアントブル− S−BL
(C.I.DISPERSE BLUE 87)[住友
化学製]10重量部を用い、マゼンタトナ−(T1
M)、シアントナ−(T1C)を得た。以下同様にして
他の共重合ポリエステル樹脂(A2)〜(A5)および
(A8)を用いて、それぞれの共重合ポリエステル樹脂
につき、イエロ−、マゼンタ、シアンに着色されたトナ
−(T2Y)、(T2M)、(T2C)〜(T6Y)、
(T6M)、(T6C)を得た。
【0019】(トナ−の調製2:エマルジョン合体造粒
−染色法)共重合ポリエステル樹脂(A2)34重量
部、ブチルセロソルブ10重量部を110℃にて溶解し
た後80℃の水56部を添加し、粒子径約0.1μmの
共重合ポリエステル樹脂の水系ミクロ分散体を得た。さ
らに得られた水系ミクロ分散体を蒸留用フラスコに入
れ、留分温度が100℃に達するまで蒸留し、冷却後に
水を加え固形分濃度を38%とした。温度計、コンデン
サ−、撹拌羽根を備えた四つ口の1リットルセパラブル
フラスコに、共重合ポリエステル水系分散体834重量
部、脱イオン水35重量部、および、ジメチルアミノエ
チルメタクリレ−ト5.6重量部を入れ、70℃に昇温
した。次に過硫酸アンモニウム0.2重量部を含む水溶
液100重量部を30分間にわたって滴下した後、さら
に20分間70℃に保った状態で反応を続けた。その結
果、共重合ポリエステル水系分散体に存在したサブミク
ロンオ−ダ−の粒子径の共重合体は合体粒子成長し、平
均粒径5.2μm、直径をDとした場合に0.5D〜2
Dの範囲の粒径を有する粒子の占有率(個数)92%の
ポリエステル粒子を得た。得られたポリエステル粒子に
水を添加して25重量%のポリエステル粒子水分散体を
得た。得られたポリエステル粒子水分散体を前記イエロ
−、マゼンタ、シアン染料を用いて、同様の方法にて染
色し、イエロ−トナ−(T7Y)、マゼンタトナ−(T
7M)、シアントナ−(T7C)を得た。以下同様の方
法にて共重合ポリエステル樹脂(A3)から(T8
Y)、(T8M)、(T8C)を、共重合ポリエステル
樹脂(A4)から(T9Y)、(T9M)、(T9C)
を得た。
【0020】(トナ−の調製3:顔料混練−粉砕・分級
法)共重合ポリエステル樹脂(A4)96重量部にベン
ジジン系ジスアゾ顔料(C.I.PIGMENTYEL
LOW 17)4重量部を加え、ホットロ−ルミルにて
溶融混練した。次いで微粉砕機にて粉砕後、ジグザグ分
級機にて分級し平均粒径11μmのイエロ−トナ−(T
10Y)を得た。同様にキナクリドン系マゼンタ顔料
(C.I.PIGMENT RED 122)、フタロ
シアニン系シアン顔料(C.I.PIGMENT BL
UE 15)を用い、マゼンタトナ−(T10M)、シア
ントナ−(T10C)を得た。以下同様に共重合ポリエス
テル樹脂(A6)〜(A8)と前記顔料を用い、同様に
着色トナ−(T11Y)、(T11M)、(T11C)〜(T
13Y)、(T13M)、(T13C)を得た。
【0021】(保存安定性評価)得られたトナ−を50
℃90%RHの加湿雰囲気下に100時間放置した後の
ブロッキングの有無にて保存安定性を評価した。ブロッ
キングが認められなかったものを良好、不ロッキングを
生じたものを不良とした。以上の結果を後記の表2.表
3.表4.に示す。
【0022】(耐光堅牢度評価)得られたトナ−5重量
部とフェライト系キャリアF−100[パウダ−テック
社製]95重量部とをボ−ルミルにて撹拌混合し2成分
系現像剤を得た。得られた2成分系現像剤を用い、アモ
ルファス・シリコンを感光体とする電子写真方式の複写
機により紙上に7cm四方のベタパタ−ンを形成した。
紙上のトナ−層の平均膜厚は8μmに規格化した。得ら
れたベタパタ−ンの色度座標(CIELAB)を色彩色
度計CR−210[ミノルタ社製]を用いて測定、紫外
線暴露試験(フェ−ドメ−タ:カ−ボンア−ク灯照射2
0時間、照射環境温度63℃)後に再度測定して色差Δ
Eを求めた。結果を表2.表3.表4.に示す。結果は
N=5の平均値を小数点以下を四捨五入して表示した。
なお実用的にトナ−として使用できる限度はΔΕ<5程
度の範囲である。
【0023】(初期画像特性評価)得られた2成分系現
像剤を用い、アモルファス・シリコンを感光体とする電
子写真方式の複写機により紙上に連続階調画像を複写し
た。目視にて観察した結果を表2.表3.表4.に示
す。
【0024】(連続複写画像特性評価)初期画像特性評
価を行った後、さらに同じ連続階調画像の複写を500
0枚連続して行った。5000枚目の複写画像の目視評
価結果を表2.表3.表4.に示す。
【0025】
【表1】 表1において、TPAはテレフタル酸を、IPAはイソ
フタル酸を、SIPは5−ナトリウムイソフタル酸を、
SAはセバシン酸を、MAはマレイン酸を、TCDはト
リシクロデカンジメチロールを、EGはエチレングリコ
ールを、NPGはネオペンチルグリコールを、BPPは
ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を各々示
す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明による電
子写真用トナ−は、湿熱環境下においてもブロッキング
を生じない優れた保存安定性を有することが示された。
また本発明による電子写真用トナ−は染料着色された場
合においても良好なる耐光堅牢度を有し、画像保持性の
上でも優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−126133(JP,A) 特開 昭61−124961(JP,A) 特開 平2−269364(JP,A) 特開 平1−105957(JP,A) 特開 平1−204064(JP,A) 特開 昭61−284772(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着材樹脂の主構成成分として、多価カ
    ルボン酸と多価アルコ−ルの縮重合により得られるポリ
    エステル樹脂を用いた電子写真用トナ−において、該多
    価カルボン酸の60mol %以上が芳香族ジカルボン酸類
    からなり、該多価アルコ−ルの0.5〜80mol %がト
    リシクロデカン骨格を有する脂環族ジオ−ルからなるこ
    とを特徴とする電子写真用トナ−。
JP3056084A 1991-02-26 1991-02-26 電子写真用トナー Expired - Fee Related JP3048004B2 (ja)

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