JPH05113693A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JPH05113693A
JPH05113693A JP3302465A JP30246591A JPH05113693A JP H05113693 A JPH05113693 A JP H05113693A JP 3302465 A JP3302465 A JP 3302465A JP 30246591 A JP30246591 A JP 30246591A JP H05113693 A JPH05113693 A JP H05113693A
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JP
Japan
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particles
toner
weight
particle size
acid
Prior art date
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Pending
Application number
JP3302465A
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English (en)
Inventor
Minako Yuuchi
美奈子 有地
Tetsuo Shimomura
哲生 下村
Yoshihiro Ubusawa
佳弘 生沢
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【発明の名称】 電子写真用トナ− 【目的】画像特性、定着特性、保存安定性、帯電安定性
等に優れ、かつ低コストな電子写真用トナ−の提供。 【構成】主として芳香族多価カルボン酸と、脂肪族多価
アルコ−ルおよびまたは脂環族多価アルコ−ルから得ら
れるイオン性基含有ポリエステル樹脂を水分散せしめワ
ックスの存在下にミクロ分散粒子を合体粒子成長させて
所定の粒径、粒度分布のトナ−を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナ−に関する。さら
に詳しくは、電子写真方式の複写機、レ−ザ−プリン
タ、等における現像剤に用いられるトナ−に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真方式とは、セレン、アモ
ルファスシリコン、酸化亜鉛等の無機系、ある浮「 は、
ジアゾ化合物、色素等の有機系の(多くの場合ドラム状
に加工された)光導電性物質(:感光ドラム)を、まず
一様に帯電させ、次いで画像変調された光を照射するこ
とにより静電潜像を形成、該静電潜像に静電気力にて粉
体を付着せしめることにより現像し、必要に応じて紙あ
るいはフィルム等の基材上に粉体を転写した後、加圧、
加熱等の方法により定着するものである。電子写真方式
は現在、複写機、レ−ザ−プリンタ等に広く用いられて
いる。電子写真方式において感光ドラム上の静電潜像を
現像し、最終的には紙あるいはフィルム等の基材に転写
されて画像を形成する粉体をトナ−と称する。これらト
ナ−は、通常、ガラスビ−ズ、鉄粉、フェライト等の担
体粒子(:キャリア)と混合され、いわゆる現像剤とし
て用いられる。従来、電子写真の現像剤に用いられるト
ナ−としては、熱可塑性樹脂に着色剤、荷電制御剤、流
動性改質剤、粉砕補助剤、等を加えて混練した後に粉
砕、さらに分級する、いわゆる粉砕法によって作製され
る粒子が用いられてきた。あるいは、近年では一部に、
エマルジョン重合法、懸濁重合法、シ−ド重合法等によ
るトナ−の研究が行なわれている。
【0003】これらトナ−には種々の物理的あるいは化
学的特性が要求される。前述したように、電子写真方式
における画像複写プロセスは帯電したトナ−の静電転写
の繰り返しである。従ってトナ−の帯電特性に対する要
求には多くのものがある。トナ−に電荷を付与する方法
には種々の方法が提案され、また実用化されてきている
が、多くの場合、ともに混合することにより現像剤を構
成するところの担体粒子(:キャリア)との摩擦により
帯電させる方法が一般的である。この場合においては、
トナ−の帯電量は摩擦の程度、時間によらず一定値であ
ることが望まれる。なぜならば、トナ−の帯電量が変化
した場合、感光ドラム上の静電潜像上に付着するトナ−
量が変化するために、複写画像の濃度の変動が生ずるか
らである。担体粒子(:キャリア)との摩擦帯電をすみ
やかに行うためには、また感光ドラム上の静電潜像へ、
あるいは、感光ドラム上から紙、フィルム等の基材へす
みやかな転写が行われるためには、当然のことながらト
ナ−は良好なる流動性を示すことが必要である。
【0004】感光ドラム上の静電潜像とトナ−は静電気
力にて結合している。そのため、感光ドラムから紙、フ
ィルム等の基材へ転写する際には、基材側にバイアス電
圧を印加することがある。基材およびトナ−はこの電圧
に耐えるだけの絶縁性を有することが必要である。多く
の場合基材として用いられる紙はその性質上湿度によっ
て絶縁性が大きく低下する。そのため、この絶縁性は、
事実上トナ−のみが担うことになる。基材上に転写され
たトナ−は加熱あるいは加圧等により定着される。加熱
あるいは加圧されたトナ−はすみやかに溶融あるいは塑
性変形し基材に密着する必要がある。この際に、必要以
上に粘性が低下するなどして画像の品質を落とすことが
あってはならない。また同時に定着ロ−ル側に付着する
こと等があってはならない。以上の述べてきたこれらト
ナ−に要求される特性は、当然のことながら、長期の保
存、あるいは繰り返しの使用においても変化するような
ことがあってはならない。複写画像となった後において
も、長期間にわたり画像品質を保持しなければならな
い。また他への移行、転写等があってはならない。カラ
−画像の複写を行う場合には、減法混色の3原色、シア
ン、マゼンタ、イエロ−の各色のトナ−を揃える必要が
ある。これらのカラ−トナ−には印刷用のプロセスイン
クと同様に、各々に所定の反射分光特性、および色重ね
を行った際の色再現性が要求される。またこれらカラ−
トナ−は、透明フィルム上に複写を行い、オ−バ−ヘッ
ドプロジェクタ等によりスクリ−ン上に投影することに
より画像を観察する場合にも備え、優れた分光透過特性
をも併せ持つ必要がある。近年では、複写画像の品質を
高めるために、より小さい粒径とシャ−プな粒度分布が
トナ−に要求される傾向にある。さらに複写画像そのも
のを形成するこれらトナ−は、人体に危害を及ぼし、健
康を損なうような毒劇物成分を含むことなど論外であ
り、十分なる安全性、衛生性を有する必要があることは
云うまでもない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上、トナ−に要求さ
れる特性等について述べてきたが、従来より用いられて
きたトナ−はそれらを完全に満足するものではない。多
くのトナ−では連続使用による繰り返し現像において、
トナ−と担体粒子との衝突、およびそれら粒子と感光ド
ラム表面との接触による、トナ−、担体粒子および感光
ドラム表面の相互劣化によって、得られる画像の濃度が
変化しあるいは背景濃度が増大し画像品質が低下する。
感光ドラム上の静電潜像上に付着するトナ−量を増すこ
とにより複写画像の濃度を増大しようとすると通常背景
濃度が増大する、いわゆるカブリを生ずる。感光ドラム
上の静電潜像から紙等の基材に、バイアス電圧の印加に
よりトナ−を転写する際、特に湿度の影響により基材の
絶縁性が低下した状況下において、トナ−が十分な絶縁
性を有していないために、感光ドラムとの間に放電を生
じ、感光ドラム上の電荷が中和されるために静電潜像が
破壊され、静電潜像に付着していたトナ−が四散し、結
果として複写画像品質が著しく低下(いわゆる白抜け)
することがある。紙あるいはフィルム等の基材上に転写
されたトナ−の定着に関しては、トナ−の軟化温度の制
御、さらに詳しくは、温度と溶融粘度との関係を厳しく
管理する必要がある。より具体的には定着温度までは固
体として機能し、かつ所定の定着温度においてすみやか
に溶融する、いわゆるシャ−プメルト特性が要求される
訳であるが、これを実現するのは困難であり、実際には
かなりの高温での定着が行なわれているのが現状であ
る。また基材への定着性を優先するあまり、定着ロ−ル
への付着が皆無とは云いがたい状態にある。多くの場合
この問題点を解決するために、定着ロ−ルにシリコンオ
イル等の離型補助剤を塗布するなどの対策がとられる。
その場合、逆に離型補助剤の基材への付着が問題にな
る。また定期的に離型補助剤の補充が等、装置の保守管
理が面倒になる。軟化温度を低く抑えたトナ−において
は、熱によって容易に溶解する性質ゆえに、多くは取扱
い中あるいは保存中に凝集する傾向にあり、特に長期間
の保存において、流動性が大きく悪化する。また、多く
のトナ−は環境の温湿度の影響によって、その摩擦帯電
性および流動特性が悪化する。
【0006】複写画像の品質を高めるために、近年強く
要求される傾向にある、より小さい粒径のトナ−におい
ては、さらに製造上の問題を議論からはずすことはでき
ない。すなわち、従来より多くの場合、トナ−の製造方
法とされてきた粉砕法においては、平均粒径において約
10μm以下の粒子を工業的に得ることは困難である。
樹脂そのものを単に粉砕するだけであれば、現状の粉砕
機において、10μm以下の粒子を得ることはそれほど
困難ではない。しかしながら、粉砕した粒子すべてが所
望の粒径になるわけではないから当然分級という操作が
伴う。これはすなわち分留まりが非常に落ちることを意
味している。さらに、粉砕法において微小粒径トナ−を
製造する場合においては、主成分である熱可塑性樹脂に
加えられる着色剤、荷電制御剤、流動性改質剤、粉砕補
助剤等を、あらかじめ、要求される粒径以下に小さく粉
砕しておかねばならず、製造コストの大幅な増加は免れ
得ない。これらの理由が、粉砕法による微小粒径のトナ
−の製造を工業的に成立せしめることを困難ならしめて
いる。粉砕法により得られるトナ−の形状は当然のこと
ながら不定形でありブロ−ドな粒度分布を示すものしか
得られない。
【0007】近年、一部で行われている、エマルジョン
重合法、懸濁重合法、シ−ド重合法等によるトナ−に関
する研究は、以上に述べてきた粉砕法の問題点に対処す
る目的をもって行われているものである。重合法により
得られる粒子は、形状が球形であるために流動性に優
れ、そのため均一な摩擦帯電が期待でき、さらには、重
合を適度に制御することにより熱溶融特性をコントロ−
ルできる、等の優れた特性を期待できるものである。エ
マルジョン重合法は、水中において、界面活性剤にて安
定化された重合性単量体のミセル中で重合を行い微粒子
粉体を得るものである。エマルジョン重合法において
は、シャ−プな粒度分布を有する粒子を得ることができ
る。しかしながら、安定に存在しうるミセルの大きさに
より粒径が決定されるためその粒径は約0.01〜0.
5μm程度の範囲に限られ、およそ1μm以上の粒径を
持つ粒子を作成することは困難である。トナ−に要求さ
れる粒径はほぼ数μm〜十数μmに限られるため、エマ
ルジョン重合法より得られる粒子をそのまま電子写真用
トナ−に用いることはできない。またミセルの安定化の
ために必須となる界面活性剤が粒子表面に残存した場合
には、粒子の流動性あるいは帯電特性に影響を及ぼす可
能性がある。
【0008】懸濁重合法は、水と重合性単量体とを撹拌
することにより得られる懸濁系において、重合性単量体
を重合し粒子を得る方法である。懸濁重合法において、
安定した系での重合は容易ではなく、また重合により均
一な粒度分布を持つ微細な重合体粒子を得ることは技術
的に難しい。この理由は造粒中に粒子の合一が生じるた
めである。粒子の合一を防止し、重合を安定化させるた
めに、たとえば、懸濁重合においては、重合性単量体を
水系分散系中で重合するに際し、重合の進行にともな
い、粒子の合一を防止するために懸濁安定剤を使用す
る。懸濁安定剤としては、一般に、難溶性の無機化合
物、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、リン酸カル
シウム等の難溶性塩類、シリカ、カルシア、マグネシ
ア、酸化チタン等の金属酸化物、珪藻土、粘土、カオリ
ン等の鉱物、およびそれらの混合物等、あるいは水溶性
混合物、例えば、ポリビニルアルコ−ル、ゼラチン、澱
粉等が用いられる。これら懸濁安定剤は、粒子表面に残
存した場合に粒子の帯電特性に悪影響を及ぼすことが知
られているため、重合粒子を得た後に洗浄等が必須とな
るが、これらを完全に取り除くことは非常に困難であ
る。実際にはこれら懸濁安定剤を使用した場合において
も、懸濁重合法により得られる粒子の粒径範囲はおよそ
数十μm以上であり、また粒度分布もブロ−ドなものと
なるため、電子写真用トナ−に要求される、ほぼ数μm
〜十数μmの範囲の粒径を得ることは困難である。
【0009】シ−ド重合法はこれらの問題点を解決すべ
く提案されている重合法である。シ−ド重合法は、例え
ば、エマルジョン重合法等の他の方法により得られた粒
子をシ−ド粒子とし、シ−ド粒子を溶剤および重合性単
量体にて膨潤させ、膨潤したシ−ド粒子内にて重合する
ことによりシ−ド粒子を大きく成長させる方法である。
シ−ド重合法においては、適当なるシ−ド粒子を選択す
ることにより、シャ−プな粒度分布を持った粒子を得る
ことができる。また粒子の粒径は、シ−ド粒子と重合性
単量体との膨潤率にて制御可能である。しかしながら、
シ−ド粒子の膨潤率をむやみに上げることはできない。
例えば、粒子径を十倍ことは体積を千倍にすることに相
当する。シ−ド粒子を重合性単量体によっておよそ千倍
に膨潤させた場合においては、すでにシ−ド粒子は粒子
としての形を保つことができず、場合によっては崩壊す
る。すなわち、膨潤率を極端に大きくすることはでき
ず、一度に成長させることができる粒径範囲にはおのず
と限界があり、せいぜい2〜3倍程度である。より大き
く粒子を成長させたい場合には場合には、シ−ド重合を
繰り返す必要がある。シ−ド重合では、技術的には、数
μm〜十数μmの粒径範囲において、シャ−プな粒度分
布を持った粒子を得ることができる。しかしながら、シ
−ド粒子として適当な粒子を見いだすことは容易ではな
く、また工程の複雑さにおいて、なによりもその製造コ
ストが膨大になるために、およそ工業レベルにおいて電
子写真用のトナ−を供給する方法にはなりえない。
【0010】すなわち、電子写真用トナ−に要求され
る、ほぼ数μm〜十数μmの粒径範囲において、シャ−
プな粒度分布を持った粒子を、工業的に低コストで製造
することは、従来の重合法では非常に困難である。な
お、さらに、従来の重合法において得られる樹脂粒子は
スチレン/アクリル系樹脂等に代表される、いわゆるビ
ニル系樹脂粒子に限られている。しかもこれら重合法に
より得られる樹脂粒子に対し、電子写真用トナ−に必須
である多くの物性を付与するために用いられる帯電制御
剤、着色剤、オフセット防止剤、流動性向上剤等などを
添加することは容易ではない。すなわち従来の重合法に
より得られる樹脂粒子においても、トナ−に要求される
多くの問題点を解消するに到たっていないのが現状であ
る。以上述べてきたように、従来のトナ−は、耐湿性、
すなわち帯電特性、流動特性、絶縁性等の湿度依存性、
また定着性、シャ−プメルト性、耐オフセット性、粒度
分布、透明性、色再現性、さらには製造コスト等などに
多くの問題点を有する物であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み、これら多くの要求特性を総合的に満足し、かつ
工業的に生産が行えるトナ−を得るべく鋭意研究を重ね
た結果、次なる発明に到達した。すなわち本発明は、主
として芳香族多価カルボン酸と、樹脂族多価アルコ−ル
および、または脂環族多価アルコ−ルから得られ、20
〜500当量/106gのイオン性基を含有するポリエス
テル樹脂を結着材樹脂の主構成成分とし、着色剤および
ワックスを含有し、平均粒子径Dが2〜20μm、0.
5D〜2.0Dの粒子径占有率が、70重量%以上ある
ことを特徴とする電子写真用トナ−である。
【0012】本発明における、平均粒子径Dが2〜20
μmであり、0.5D〜2.0Dの範囲の粒子径を有す
る粒子の占有率70重量%というシャ−プな粒度分布を
もつポリエステル樹脂粒子を得る方法としては、水系媒
体に安定にミクロ分散せしめたイオン性基含有ポリエス
テル樹脂を、該ミクロ分散粒子を可塑化した状態におい
て、ミクロ分散粒子の表面、および表面近傍に存在する
ミクロ分散微粒子を水系媒体中において安定化させる働
きを持つところのイオン量を、均一に制御された状況下
にて減少せしめる手段により、ミクロ分散粒子の媒体中
での安定状態を崩し、ミクロ分散粒子を合体せしめるこ
とによりイオン性基含有ポリエステルの球状粒子を得る
方法を例示できる。該ミクロ分散粒子の表面、および表
面近傍に存在するイオン量を減少せしめる手段として
は、ポリエステル樹脂に含有されるイオン性基の、光分
解、熱分解、あるいは加水分解等による切り放し、温
度、pH等の走査による解離度の制御、対イオンによる
イオン性基の封鎖、および、電解質の添加による電気二
重層の破壊、等の手段を用いることができる。本発明に
おいては、対イオン性基を有する反応性単量体を系内に
添加し、対イオン性基含有単量体を重合せしめることに
より形成されるポリイオンコンプレックスを用いてイオ
ン性基を封鎖する方法、あるいは、エステル結合等を介
して高分子鎖に導入されたイオン性基またはイオン性基
をその一部として有する単量体部などを過水分解媒体を
併用して切り放す方法を好ましく用いることができる。
【0013】ここに、ポリエステル樹脂とは、主とし
て、多価カルボン酸類と多価アルコ−ル類とからなる。
多価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン
酸などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p
−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシ
カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン
酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒド
ロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不飽和脂肪
族、および、脂環族ジカルボン酸等がある。必要により
トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のト
リおよびテトラカルボン酸を少量含んでも良い。
【0014】多価アルコ−ル類としては、例えば、エチ
レングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロ
パンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペン
タンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチ
ルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレング
リコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタン
ジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジオ−ル、1,4−
シクロヘキサンジメタノ−ル、トリシクロデカンジオ−
ル、トリシクロデカンジメタノ−ル、ジシクロヘキシ
ル、4,4−ジオ−ル、スピログリコ−ル、1,4−フ
ェニレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ルの
エチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコ−ル、
ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ
−ル等のジオ−ル、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ル
Aのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサ
イド付加物、水素化ビスフェノ−ルA、水素化ビスフェ
ノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレン
オキサイド付加物、等がある。必要により、トリメチロ
−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペ
ンタエルスリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル
を少量含んでも良い。ポリエステルポリオ−ルとして
は、他に、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重
合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類
があげられる。
【0015】ポリエステル樹脂に含まれるイオン性基と
しては、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン
酸基、ホスホン酸基、ホスフィレ酸基、もしくはそれら
の塩の基等のアニオン性基、または第1級ないし第3級
アミン基等のカチオン性基であり、好ましくは、スルホ
ン酸金属塩の基がある。ポリエステルに共重合可能なス
ルホン酸金属塩基含有芳香族ジカルボン酸としては、ス
ルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スル
ホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン
酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸等の金属
塩をあげることができる。金属塩としてはLi、Na、
K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられる。特に
好ましいものは5−ナトリウムスルホイソフタル酸であ
る。スルホン酸金属塩基含有芳香族ジカルボン酸は、概
ね20〜500当量/1000000gの範囲内が必須
である。本発明においてポリエステル樹脂は、単独ある
いは必要により2種以上併用することができる。また、
溶融状態、溶液状態で、アミノ樹脂、エポキシ樹脂イソ
シアネ−ト化合物等と混合することもでき、またさら
に、これらの化合物と一部反応させることもできる。得
られた部分反応生成物は同様に水系分散体の原料として
供されることも可能である。
【0016】本発明のイオン性基含有ポリエステル樹脂
を主成分とする水系分散体は公知の任意の方法によって
製造することができる。すなわち、ポリエステル樹脂と
水溶性有機化合物とを50〜200℃であらかじめ混合
し、これに水を加えるか、あるいはポリエステル樹脂と
水溶性有機化合物との混合物を水に加え、40〜120
℃で撹拌することにより製造される。あるいは水と水溶
性有機化合物との混合溶液中にポリエステル樹脂を添加
し、40〜100℃で撹拌して分散させる方法によって
も製造される。本発明における「対イオン基を含有する
反応性単量体」とは、ポリエステル樹脂に含有されるイ
オン性基の反対のイオン性基(ポリエステル樹脂に含有
されるイオン性基がアニオン性基のときの対イオン性基
はカチオン性基、また、ポリエステル樹脂に含有される
イオン性基がカチオン性基のときの対イオン性基はアニ
オン性基)を有する化合物を意味する。かかるイオン性
基は、ポリエステル樹脂の安定な水系分散体を形成させ
る上で必須である。
【0017】カチオン性基含有化合物としては、例え
ば、2−アミノエチル(メタ)アクリレ−ト、2−N,
N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、2−
N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、
2−N,N−ジプロピルアミノ(メタ)アクリレ−ト、
2−N,t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレ−
ト、2−(4−モルホリノ)−エチル(メタ)アクリレ
−ト、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、アミ
ノスチレン等があげられる。また、アニオン性基含有化
合物としては(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フロト
ン酸、マレイン酸、フマル酸、等のカルボキシル基また
はその塩を含有するモノマ−、スチレンスルホン酸、ビ
ニルトルエンスルホン酸、ビニルエチルベンゼンスルホ
ン酸、イソプロペニルベンゼンスルホン酸、2−クロロ
スチレンスルホン酸、2−メチル−4−クロルスチレン
スルホン酸、ビニルオキシベンゼンスルホン酸、ビニル
スルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アク
リル酸のスルホエチル、もしくはスルホプロピルエステ
ル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸等の、スルホン酸基またはその塩を含有するモノマ
−、アジドホスホキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ア
ジドホスホキシプロピル(メタ)アクリレ−ト3−クロ
ロ−2−アジドホスホキシプロピルメタクリレ−ト、ビ
ス(メタ)アクリロキシエチルホスフェ−ト、ビニルホ
スフェ−ト等のリン酸基またはその塩を含有するモノマ
−等があげられる。 得られたポリエステル樹脂粒子の
水系分散液は、濾過、凍結乾燥、噴霧乾燥等の常法に従
って乾燥粉体として取り出される。
【0018】本発明において用いられるワックスとして
は、オレフィン系、パラフィン系、フッソ系、シリコ−
ン系、天然ワックス系等を用いることができる。好まし
くはシリコ−ン系ワックスを用いることができる。ワッ
クスの含有量は特に限定されないが、0.1〜30重量
%、さらに1〜20重量%、またさらには3〜10重量
%程度が好ましい。ワックスの含有量がこの範囲に満た
さない場合には定着時にトナ−の一部が定着ロ−ルに付
着する場合がある。 本発明においては、ワックスがポ
リエステル粒子に含有される形態を限定しない。ワック
スは例えば、粒子に吸着させてもよく、被覆させてもよ
く、また、粒子中に分散されてた形態でもって含有され
ても良い。粒子中に分散されてた形態でもってワックス
が含有されと粒子を作製する方法としては、前述したポ
リエステル粒子の製法において、「イオン性基含有ポリ
エステル樹脂を主成分とする水系分散体」を製造する際
に、あらかじめ「ワックスを分散したポリエステル樹
脂」を用いる方法、あるいは、ポリエステルのミクロ分
散粒子を合体粒子成長せしめる際にワックスの水分散体
を共有させる方法を例示することができる。
【0019】本発明におけるポリエステル樹脂のガラス
転移点は55℃以上、好ましくは60℃以上さらに好ま
しくは65℃以上である。ガラス転移点がこれより低い
場合には、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾向がみ
られ、保存安定性に問題を生ずる場合がある。
【0020】本発明におけるポリエステル樹脂の着色方
法には特に限定されず、公知既存の着色剤である顔料、
または染料、あるいはカ−ボンラック等を用いればよ
い。これら染料、顔料、カ−ボンラック等は、単独でも
ちいられてもよく、あるいは必要に応じて併用されても
よい。特に分光透過特性の観点からは染料を用いること
が好ましい。着色染料を用いる場合には、イエロ−着色
にはアゾ系、ニトロ系、キノリン系、キノフタロン系、
メチン系染料が、マゼンタ着色にはアントラキノン系、
アゾ系、キサンテン系染料が、シアン着色にはアントラ
キノン系染料が好ましく用いられる。染料の形態として
は分散染料あるいは油溶性染料を用いることが好まし
い。
【0021】これらは特に繊維製品の染色用分散染料と
して市販されている形態の染料を直接用いても良く、ま
たそのような形態で入手できないものは、染料の原体
(コンクケ−キ)、分散剤、水系媒体とをボ−ルミル、
サンドミル、シェ−カ−などにより混合し、染料のコン
クケ−キをさらに微粉砕微分散させた形態のものを用い
ることができる。分散剤としてはナフタリンスルホン酸
塩の縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、スチレンスル
ホン酸塩とアクリル酸の共重合体などを用いることがで
きる。着色に顔料を用いる場合にはイエロ−着色にはベ
ンジン系、アゾ系顔料が、マゼンタ着色にはアゾレ−キ
系、ロ−ダミンレ−キ系、キナクリドン系顔料が、シア
ン着色にはフタロシアニン系顔料が好ましく用いられ
る。黒色のトナ−を得る場合に、カ−ボンブラック等を
使用することは差し支えない。カ−ボンブラックとして
は、サ−マルブラック、アセチレンブラック、チャンネ
ルブラック、ファ−ネスブラック、ランプブラック等を
用いることができる。
【0022】本発明における電子写真用トナ−において
は安定した電荷を与えるために荷電制御剤を使用しても
良い。担体粒子(:キャリア)との摩擦により、トナ−
に正帯電を与える荷電制御剤としては、例えば、Ca、
Ba等のチタネ−ト、あるいはカ−ボネ−ト、アルコキ
シ化アミン、ナイロン等のポリアミド樹脂、フタロシア
ニンブル−、キナクリドンレッド、アゾ系金属コンプレ
ックスグリ−ン、等に代表される正のゼ−タ電位を持つ
顔料、アジン系化合物、ステアリン酸変性アジン化合
物、オレイン酸変性アジン化合物、ニグロシン等のアジ
ン系顔料、四級アンモニウム塩系化合物等がある。担体
粒子(:キャリア)との摩擦によりトナ−に負電荷を与
える荷電制御剤としては、例えば、カ−ボンブラック、
ハロゲン化フタロシアニングリ−ン、フラバンストンイ
エロ−、ペリレンレッド等の負のゼ−タ電位を持つ顔
料、銅、亜鉛、鉛、鉄等の含金属アゾ系化合物等があげ
られる。
【0023】本発明におけるトナ−においては、例えば
アルミナ微粒子、シリカ微粒子等の流動性改質剤を添加
しても良い。添加量は、特に限定されるものではない
が、適正なる流動性を付与する観点より、好ましくはト
ナ−に対し0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.
1〜2重量%程度である。 担体粒子(:キャリア)と混合されないで用いられるト
ナ−:一成分系現像剤の場合にはトナ−は磁性を有する
必要がある。このような場合には必要に応じて、鉄、コ
バルト、ニッケル、あるいはそれらを主体とする合金、
あるいはフェライト等の酸化物、を含んでも良い。以上
述べてきた着色剤、荷電制御剤、流動性改質剤、等を粒
子に処理する方法としては本発明においては特に限定さ
れるものではなく公知既存の処理方法を用いることがで
きる。これらは例えば、粒子中に分散されてもよいし、
粒子に吸着させてもよく、被覆させてもよく、また、例
えば乾式プロセスであるメカノフュ−ジョン法等により
粒子表面に打ち込んでもよい。
【0024】本発明のトナ−において用いられるポリエ
ステル樹脂は、室温において融着、凝集等がなく、また
定着時においては、すみやかに粘度が低下し、さらに離
型剤であるワックスを合有するために良好なる定着性を
示す。本発明によるトナ−は、シャ−プな粒度分布を有
し、しかも実質球形であるために複写画像の再現性、特
に細線の再現性にすぐれている。本発明によるトナ−
は、その主成分であるポリエステル樹脂の物性にすぐ
れ、過酷なる湿熱環境下においても、帯電特性および流
動性が変化しないという優れた耐湿性を有する。
【0025】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらになんら限定される物で
はない。なお、実施例、比較例中に樹脂の物性は以下の
方法により測定した。 ・ガラス転移点 示差走査型熱量計(島津製作所製)
により、昇温速度10℃/分にて測定した。 ・数平均分子量(蒸気圧法) 分子量測定装置(日立製作所製)により測定した。
【0026】(実施例1)温度計、撹拌機を備えたオ−
トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 97 重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 93 重量部、 ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸 4 重量部 エチレングリコ−ル 56 重量部、 プロピレングリコ−ル 99 重量部、および テトラブトキシチタネ−ト 0.1 重量部 を仕込み220〜220℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、240℃まで昇温した
後、系の圧力1〜10mmHgとして120分間反応を
続けた結果、共重合ポリエステル樹脂(A1)を得た。
【0027】得られた共重合ポリエステル樹脂(A1)
の分子量は3500、スルホン酸金属塩基は95当量/
1000000gであった。スルホン酸金属塩基の量は
共重合ポリエステル樹脂中の硫黄濃度の測定により求め
た。また、共重合ポリエステル樹脂(A1)の組成はN
MR分析の結果、酸成分として、 テレフタル酸 50 mol % イソフタル酸 48 mol %、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 2 mol %、 アルコ−ル成分として、 エチレングリコ−ル 50 mol %、 プロピレングリコ−ル 50 mol % であった。
【0028】得られた共重合ポリエステル樹脂(A1)
を粗粉砕したもの100重量部と、カーボンブラック
(エフテックス8、キャボット社製)5重量部、パラフ
ィン系ワックス10重量部とをボ−ルミル混合、粉砕し
た後、ロ−ルミルにて溶融混合し、着色共重合ポリエス
テル樹脂(B1)を得た。温度計、コンデンサ−、撹拌
羽根を備えた四つ口の1リットルセパラブルフラスコ
に、得られた着色共重合ポリエステル樹脂(B1)10
0重量部とメチルエチルケトン50重量部イソプロピル
アルコ−ル20重量部とを、70℃にて溶解した後、8
0℃の水200重量部を添加し平均粒子径約0.1μm
の着色共重合ポリエステル樹脂の水系ミクロ分散体(C
1)を得た。さらに得られた水系ミクロ分散体を蒸留用
フラスコに入れ、留分温度が100℃に達するまで蒸留
し、冷却後に水を加え固形分濃度を30%とした。
【0029】温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた
四つ口の1リットルセパラブルフラスコに、共重合ポリ
エステル水系分散体330重量部、ポリメタクリル酸と
ジメチルアミノエタノ−ルとの塩10重量部を入れ、9
0℃に昇温した。240分間70℃に保った状態で撹拌
を続けた。その結果、ポリエステル水系ミクロ分散体に
存在したサブミクロンオ−ダ−の粒子径の共重合体は合
体粒子成長し、平均粒径7.3μm、直径をDとした場
合に0.5D〜2Dの範囲の粒径を有する粒子の占有率
(個数)95%の着色ポリエステル粒子を得た。得られ
たポリエステル粒子を濾過、水洗し再び脱イオン水を加
え固形分濃度20重量%の着色粒子水分散体とした。得
られた水分散体500重量部に水分散性シリカ微粉末3
重量%を加え、20粉間撹拌した後噴霧乾燥し、トナ−
(D1)を得た。得られたトナ−5重量部をキャリア
(平均粒径80μmの球状還元鉄粉)95重量部と混合
し、2成分系電子写真用現像剤を得た。キャリアと混合
後のトナ−の帯電量は−35μC/gであった。これら
の現像剤を用い、アモルファス・シリコンを感光体とす
る電子写真方式の複写機により紙上に連続2万枚の複写
を行った。得られた複写物はカブリおよびカスレが無
く、鮮明で良好なる画像を示し、さらに定着ロ−ルの汚
染もなかった。
【0030】(実施例2)実施例1において得られた共
重合ポリエステル樹脂(A1)100重量部、カ−ボン
ブラック(エフテックス−8、キャボット社製)5重量
部、オレフィン系ワックス10重量部、ブチルセロソル
ブ31重量部とを、110℃にて溶解し、さらにホモミ
キサ−にて混合分散した後、80℃の水173重量部を
添加し着色共重合ポリエステルの水系分散体(C2)を
得た。
【0031】温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた
四つ口の1リットルセパラブルフラスコに、共重合ポリ
エステル水系分散体(C2)834重量部、脱イオン水
35重量部、および、ジメチルアミノエチルメタクリレ
−ト5.3重量部を入れ、70℃に昇温し、さらに60
分間70℃に保った状態で反応を続けた。その結果、共
重合ポリエステル水系分散体に存在したサブミクロンオ
−ダ−の粒子径の共重合体は粒子成長し、平均粒径4.
8μm、直径をDとした場合に0.5D〜2Dの範囲の
粒径を有する粒子の占有率(個数)92%の着色ポリエ
ステル粒子を得た。以下実施例1と同様にして電子写真
用トナ−(D2)を得た。得られたトナ−それぞれ5重
量部をキャリア(平均粒径80μmの球状還元鉄粉)9
5重量部と混合し、2成分系電子写真用現像剤を得た。
キャリアと混合後のトナ−の帯電量は−102μC/g
であった。これらの現像剤を用い、アモルファス・シリ
コンを感光体とする電子写真方式の複写機により紙上に
連続2万枚の複写を行った。得られた複写物はカブリお
よびカスレが無く、鮮明で良好なる画像を示し、また特
に微細線の再現に優れ、解像力は800DPI以上であ
った。また、帯電特性、流動特性、絶縁性等の湿度依存
性、また定着性、シャ−プメルト性、耐オフセット性、
等にも特に問題は認められず、定着ロ−ルの汚染は全く
なかった。2万枚連続複写試験に際し、2000枚、5
000枚、1万枚複写経過毎にトナ−をサンプリングし
その帯電量をチェックした。帯電量は初期の値に対して
±10%以内の値であり優れた帯電安定性を示している
ことが実証された。
【0032】(実施例3)温度計、撹拌機を備えたオ−
トクレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 136 重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 47 重量部、 トリメリット酸 8 重量部、 ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸 6 重量部 エチレングリコ−ル 50 重量部、 プロピレングリコ−ル 89 重量部、 トリシクロデカンジメタノ−ル 10 重量部および テトラブトキシチタネ−ト 0.1 重量部 を仕込み220〜220℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、240℃まで昇温した
後、系の圧力1〜10mmHgとして120分間反応を
続けた結果、共重合ポリエステル樹脂(A3)を得た。
【0033】得られた共重合ポリエステル樹脂(A3)
の分子量は3200、スルホン酸金属塩基は92当量/
1000000gであった。スルホン酸金属塩基の量は
共重合ポリエステル樹脂中の硫黄濃度の測定により求め
た。また、共重合ポリエステル樹脂(A3)の組成はN
MR分析の結果、酸成分として、 テレフタル酸 70 mol %、 イソフタル酸 24 mol %、 トリメリット酸 4 mol %、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 2 mol %、 アルコ−ル成分として、 エチレングリコ−ル 43 mol %、 プロピレングリコ−ル 47 mol %、 トリシクロデカンジメタノ−ル 10 mol% であった。
【0034】温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた
四つ口の1リットルセパラブルフラスコに、得られた共
重合ポリエステル樹脂(A3)100重量部とメチルエ
チルケトン50重量部イソプロピルアルコ−ル20重量
部とを、70℃にて溶解した後、80℃の水200重量
部を添加し平均粒子径約0.1μmの共重合ポリエステ
ル樹脂の水系ミクロ分散体(C3)を得た。さらに得ら
れた水系ミクロ分散体を蒸留用フラスコに入れ、留分温
度が100℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え固
形分濃度を30%とした。カ−ボンブラック(エフテッ
クス−8、キャボット社製)10重量部、分散剤(タフ
チックAD、日本エクスラン工業製)1重量部、脱イオ
ン水89重量部とをペイントシェ−カ−にて180分間
分散しカ−ボンブラック水分散体を得た。
【0035】温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた
四つ口の1リットルセパラブルフラスコに、共重合ポリ
エステル水系分散体(C3)330重量部、カ−ボンブ
ラック水分散体50重量部、水系シリコ−ン樹脂(Mコ
−ト56、信越化学工業製)20重量部、ポリメタクリ
ル酸とジメチルアミノエタノ−ルとの塩10重量部を入
れ、90℃に昇温した。240分間70℃に保った状態
で撹拌を続けた。その結果、ポリエステル水系ミクロ分
散体に存在したサブミクロンオ−ダ−の粒子径の共重合
体は合体粒子成長し、平均粒径7.4μm、直径をDと
した場合に0.5D〜2Dの範囲の粒径を有する粒子の
占有率(個数)94%の着色ポリエステル粒子を得た。
得られたポリエステル粒子を濾過、水洗し再び脱イオン
水を加え固形分濃度20重量%の着色粒子水分散体とし
た。得られた水分散体500重量部に水分散性シリカ微
粉末3重量%を加え、20粉間撹拌した後噴霧乾燥し、
トナ−(D3)を得た。
【0036】得られたトナ−5重量部をキャリア(平均
粒径80μmの球状還元鉄粉)95重量部と混合し、2
成分系電子写真用現像剤を得た。キャリアと混合後のト
ナ−の帯電量は−98μC/gであった。これらの現像
剤を用い、アモルファス・シリコンを感光体とする電子
写真方式の複写機により紙上に連続2万枚の複写を行っ
た。得られた複写物はカブリおよびカスレが無く、鮮明
で良好なる画像を示し、さらに定着ロ−ルの汚染もなか
った。
【0037】(実施例4)温度計、コンデンサ−、撹拌
羽根を備えた四つ口の1リットルセパラブルフラスコ
に、実施例3にて得られた共重合ポリエステル水系分散
体(C3)330重量部、水系シリコ−ン樹脂(Mコ−
ト56、信越化学工業製)20重量部、ポリメタクリル
酸とジメチルアミノエタノ−ルとの塩10重量部を入
れ、90℃に昇温した。180分間70℃に保った状態
で撹拌を続けた。その結果、ポリエステル水系ミクロ分
散体に存在したサブミクロンオ−ダ−の粒子径の共重合
体はシリコ−ン樹脂を抱含しつつ合体粒子成長し、平均
粒径5.2μm、直径をDとした場合に0.5D〜2D
の範囲の粒径を有する粒子の占有率(個数)96%のポ
リエステル粒子を得た。得られたポリエステル粒子を濾
過、水洗し再び脱イオン水を加え固形分濃度25重量%
のポリエステル粒子水分散体とした。
【0038】分散染料コンクパウダ−として「C.I.
Disperse Red 92」7重量部、「C.
I.Disperse Violet 31」3重量
部、分散剤(タフチックAD、日本エクスラン工業製)
2重量部、脱イオン水88重量部とをペイントシェ−カ
−にて180分間分散しマゼンタ分散染料を得た。得ら
れたポリエステル粒子水分散体370重量部、マゼンタ
分散染料30重量を染色試験機ミニカラ−[テクサム技
研製]のステンレスポットに仕込み、130℃にて60
分間染色した。その後室温まで冷却し、脱水後水洗し再
び脱イオン水を加え固形分濃度20重量%の着色粒子水
分散体とした。得られた水分散体500重量部に水分散
性シリカ微粉末3重量%を加え、20粉間撹拌した後粉
霧乾燥しマゼンタトナ−(M4)を得た。
【0039】得られたトナ−5重量部をキャリア(平均
粒径80μmの球状還元鉄粉)95重量部と混合し、2
成分系電子写真用現像剤を得た。キャリアと混合後のト
ナ−の帯電量は−134μC/gであった。これらの現
像剤を用い、アモルファス・シリコンを感光体とする電
子写真方式の複写機により紙上に連続2万枚の複写を行
った。得られた複写物はカブリおよびカスレが無く、鮮
明で良好なる画像を示し、さらに定着ロ−ルの汚染もな
かった。2万枚連続複写試験に際し、2000枚、50
00枚、1万枚複写経過毎にトナ−をサンプリングしそ
の帯電量をチェックした。帯電量は初期の値に対して±
10%以内の値であり優れた帯電安定性を示しているこ
とが実証された。またOHP用の透明シ−ト上に複写さ
れた画像は透明性に優れ、投影された画像は非常に鮮明
なる色調であった。
【0040】(比較例1)実施例1において得られた着
色共重合ポリエステル樹脂(B1)をさらに、細川式微
粉砕機にて粉砕、分球して3〜20μm(平均粒径12
μm、0.5D〜2.0Dの占有率53重量%)を選別
し、トナ−(D5)を得た。収率は75%であった。得
られたトナ−をキャリア(平均粒径80μmの球状還元
鉄粉)95重量部と混合し、2成分系電子写真用現像剤
を得た。キャリアと混合後のトナ−の帯電量は−18μ
C/gであった。実施例1と同様にこれらの現像剤を用
い、アモルファス・シリコンを感光体とする電子写真方
式のカラ−複写機により紙上に連続5000万枚の複写
を行った。得られた複写物にカスレが多く鮮明な画像を
得ることはできなかった。
【0041】(比較例2)比較例1において、さらに、
細川式微粉砕機にて微粉砕し、分級して3〜10μm
(平均粒径7.8μm、0.5D〜2.0D占有率46
重量%)を選別し、トナ−(D6)を得た。収率はわず
か20%であった。また流動性も満足なものではなかっ
た。得られたトナ−をキャリア(平均粒径80μmの球
状還元鉄粉)95重量部と混合し、2成分系電子写真用
現像剤を得た。キャリアと混合後のトナ−の帯電量は−
31μC/gであった。実施例1と同様にこれらの現像
剤を用い、アモルファス・シリコンを感光体とする電子
写真方式のカラ−複写機により紙上に連続5000万枚
の複写を行った。得られた複写物は複写当初よりカブリ
を生じた。さらに複写枚数の増加に伴って、尾引き、お
よびブラシマ−クが増大、2000枚以降は画像の判別
すら困難な状態に陥り、実質的に複写を続けることがで
きなかった。複写機内部においては粒子の飛散が激し
く、感光ドラムおよび光学系が著しく汚染されていた。
【0042】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によるト
ナ−は、シャ−プな粒度分布、優れた定着性、優れた耐
オフセット性、低い製造コスト等々の優れた特性を有す
るものである。また、本発明によるトナ−は、そのシャ
−プな粒度分布ゆえに特に微細線の複写再現性に優れた
画像を提供するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として芳香族多価カルボン酸と、脂肪
    族多価アルコ−ルおよび、または脂環族多価アルコ−ル
    から得られ、20〜500当量/106gのイオン性基を
    含有するポリエステル樹脂を結着材樹脂の主構成成分と
    し、着色剤およびワックスを含有し、平均粒子径Dが2
    〜20μm、0.5D〜2.0Dの粒子径占有率が70
    重量%以上であることを特徴とする電子写真用トナ−。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002072534A (ja) * 2000-08-30 2002-03-12 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、画像形成方法、並びに画像形成装置
JP2004271584A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Konica Minolta Holdings Inc トナー製造方法、トナーおよび濃縮液
JP2015057458A (ja) * 2013-08-09 2015-03-26 日本化薬株式会社 粉体凝集の抑制方法
JP2015057459A (ja) * 2013-08-09 2015-03-26 日本化薬株式会社 粉体凝集の抑制方法
JP2015131934A (ja) * 2013-08-09 2015-07-23 日本化薬株式会社 ブリードアウトの抑制方法

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