JPH1010776A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH1010776A
JPH1010776A JP15969196A JP15969196A JPH1010776A JP H1010776 A JPH1010776 A JP H1010776A JP 15969196 A JP15969196 A JP 15969196A JP 15969196 A JP15969196 A JP 15969196A JP H1010776 A JPH1010776 A JP H1010776A
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JP
Japan
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acid
toner
polyester resin
weight
parts
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JP15969196A
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English (en)
Inventor
Satoshi Maeda
郷司 前田
Yasunari Hotsuta
泰業 堀田
Tetsuo Shimomura
哲生 下村
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱定着機構を有する記録機器において、定着
部にシリコーンオイル等の離型剤塗布を行なうことな
く、また、現像剤にワックス等を配合することなく、定
着性、耐オフセット性、画像品位に優れる静電荷像現像
用トナーを提供する。 【解決手段】 多価カルボン酸類とダイマージオール1
〜30mol%を含む多価アルコールとから得られるポ
リエステル樹脂を、結着材樹脂に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱定着を伴う記録
機器、主としてレーザプリンタ、LEDプリンタ等の電
子写真方式のプリンタ、印刷機器、あるいはイオンフロ
ー、イオンインジェクション、放電記録等の静電記録方
式を用いたプリンタ、印刷機器類において、静電荷によ
る潜像を現像するために用いられる静電荷像現像用トナ
ーに関するものであり、さらに詳しくは、カラー画像記
録品位に優れ、かつ、近年のプリンタ小型化、メンテナ
ンスフリー化により要求が高まっている、熱定着時にお
けるシリコーンオイル等の離型剤を不要とした、静電荷
像現像用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式、静電記録方式等におい
て、静電潜像を現像し、最終的に記録紙あるいはフィル
ム等の基材に転写されて画像を形成する粉体を、トナー
と称する。かかる静電荷像現像用トナーとしては、バイ
ンダ樹脂に着色剤、電荷制御剤等を加えて混練した後に
粉砕、さらに分級し、必要に応じて流動性改質剤等を外
添する、いわゆる粉砕法によって作製される粒子が用い
られている。バインダ樹脂としては、スチレン/アクリ
ル共重合系樹脂が主として使用されてきたが、近年で
は、高速化、カラー化などに伴い、低温定着性と画像表
面光沢に優れるポリエステル樹脂が用いられる傾向にあ
る。主に用いられているポリエステル樹脂は、主とし
て、フマル酸、マレイン酸などの脂肪族不飽和カルボン
酸類とビスフェノール構造を有するジオール類との縮重
合により得られる不飽和ポリエステル樹脂である。最近
では、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族多価カル
ボン酸とエチレングリコール等の脂肪族ジオール、シク
ロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、シクロヘ
キサンジメタノール等の脂環族ジオール、前述のビスフ
ェノール構造を有する芳香族ジオール等からなる飽和ポ
リエステル樹脂に関する特許提案も多数なされてきてい
る。ポリエステル樹脂は、定着後の画像表面の光沢に優
れるため、発色がよく、広い色再現域を実現する。ま
た、特にオーバーヘッドプロジェクタ等の透明フィルム
に画像記録を行なった場合には、光線透過率が高く、投
影画像の品位も高い。
【0003】一般に、乾式電子写真方式、静電記録方式
において、記録紙の静電潜像を現像したトナーは、加熱
定着される。加熱の方法としては、ヒートロールを用い
ることが一般的である。一部の機種においては、耐熱性
のフィルム等を介してサーマルヘッド等にて加熱する方
式が実用化されている。
【0004】かかる熱源に接触することにより、トナー
粒子は溶融し、記録紙に定着されるが、溶融したトナー
樹脂は記録紙のみならず、熱源(ロール表面あるいはフ
ィルム表面)側にも一部付着し、定着ロールないしフィ
ルム表面を汚染する。この現象は、オフセット現象と称
され、汚染された定着ロールによってさらに定着処理を
継続すると、汚染が後続の記録紙に転写し、記録画像の
品位が著しく低下する。
【0005】かかるオフセット現象を防止するため、一
般的には、定着ロールとして離型性の高いシリコーンゴ
ム、フッ素ゴム等が使用され、さらに表面にシリコーン
オイル等の離型剤が塗布される。
【0006】しかしながら、シリコーンオイル等の離型
剤を塗布する方法は、定着装置が大きくなり、コスト高
になるとともに、装置が複雑になり、トラブル等が発生
しやすくなるため好ましくない。また、シリコーンオイ
ルを消耗品としてサプライする必要が生じ、メンテナン
スが煩雑となる。さらに、記録紙にシリコーンオイルが
付着するため、記録紙がべたつく場合がある。特に、オ
ーバーヘッドプロジェクタ用の透明フィルムに記録した
場合に表面のべたつきは顕著であり、指紋などによる画
像の汚染の原因ともなる。
【0007】かかるオフセット現象を防止するために、
トナーのバインダ樹脂においても改良がなされている。
バインダ樹脂の分子量分布を広げること、一部架橋ない
しゲル化させることにより、かかるオフセット現象が軽
減されることが知られており、特許提案も多数なされて
いる。しかしながら、ヒートロールにシリコーンオイル
を塗布することなしに、オフセット現象を完全に防止す
るには至っていない。
【0008】トナーの構成成分における改良に関して
も、多数の提案がなされている。トナーは、バインダ樹
脂に着色剤、電荷制御剤、場合によっては磁性粉等を混
練分散し、ジェットミル等により粉砕分級の後、流動化
剤等を外添することにより製造されるが、かかる成分に
さらにワックス類を配合することにより、オフセット現
象を低減させることが提案されている。
【0009】たとえば、特開昭59−164560公
報、特開昭59−228661公報には、アミドワック
ス、ケトンワックス、特定のアルキルケテンダイマー等
をオフセット防止剤として配合することが提案されてい
る。かかる手法により、ヒートロールにシリコーンオイ
ルを塗布することなしに、オフセット現象を防止するこ
とができることが示されている。しかしながら、かかる
ワックス類を添加した場合には、ワックスとバインダ樹
脂との相分離が生じているため、樹脂層は不透明で白濁
したものとなり、カラー画像品位が著しく低下し、特に
オーバーヘッドプロジェクタ等においては暗く濁った色
調の投影画像しか得ることができなくなる。
【0010】また、特開昭63−121059公報に
は、酸成分として、ダイマー酸をポリエステル樹脂の共
重合成分として導入することにより、定着特性の改良が
可能であるとの主旨の提案がある。係る手段により、定
着特性はいくぶん改良されるが、十分な効果を得ること
ができる領域までダイマー酸の共重合量を増すと、樹脂
のガラス転移温度が下がり、トナーの保存安定性が低下
する。
【0011】たとえば、特開昭59−164560公
報、特開昭61−105562公報、特開昭59−29
257公報、特開昭59−29258公報、特開昭59
−198469公報、特開昭59−223456公報、
特開昭60−4947公報、特開昭61−176948
公報、特開昭61−240248公報、特開平3−15
5563公報、特開平3−122664公報等には、ア
ルキルないしアルケニル置換コハク酸を同様にポリエス
テル樹脂の共重合成分に導入することにより、定着特性
の改良が可能であるとの主旨の提案がなされている。特
に、特開平3−155563公報、特開平3−1226
64公報は、耐熱フィルムとサーマルヘッドを組合せた
定着方法における定着特性の改良を主眼に提案されたも
のである。係る手段により、定着特性はいくぶん改良さ
れるが、ダイマー酸共重合を行なった場合と同様、ガラ
ス転移温度の低下が著しい。また、トナー定着時に臭気
が発生するといった問題が生じる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、静電荷像現像用トナーを用い、熱定着を行なう従来
の画像記録技術ににおいて、特にカラー画像の記録にお
いては、定着機にシリコーンオイル等の離型剤を用いる
ことは必須であり、小型カラー機の普及の足枷となって
いる。また、トナーにワックス等の離型剤を添加する方
法では、シリコーンオイルを用いずに定着が可能となる
ことが一部報告されているが、カラー画像においては十
分に高い画像品位を得ることはできない。
【0013】本発明者らは、かかる状況に鑑み、定着機
にシリコーンオイルを用いることなく、オフセット現象
を回避し、さらに高い画像品位を実現することのできる
トナーを得るべく、鋭意研究を重ねた結果、次なる発明
に到達した。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による静電荷像現
像用トナーは、多価カルボン酸類と、1〜30mol%
のダイマージオールを含む多価アルコール類とから得ら
れるポリエステル樹脂を、結着材樹脂の主構成成分とす
ることを特徴としている。
【0015】好ましくは、多価カルボン酸類は、1〜5
0mol%のナフタレンジカルボン酸を含むとよい。
【0016】また、好ましくは、ポリエステル樹脂は、
20〜2000eq./tonのイオン性基を含有する
ものであるとよい。
【0017】本発明におけるポリエステル樹脂とは、主
として多価カルボン酸類と、多価アルコール類との縮重
合により得られるものである。
【0018】ポリエステル樹脂に用いられる多価カルボ
ン酸類としては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸等の
芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸p−(ヒドロ
キシエトキシ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、
コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、ア
ジピン酸、マゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカル
ボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン
酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、ト
リマー酸、水添ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン
酸、シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和脂肪族、お
よび、脂環族ジカルボン酸等を、用いることができる。
また、多価カルボン酸としては、この他に、トリメリッ
ト酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の三価以上の多
価カルボン酸等も用いることができる。
【0019】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
ール類としては、脂肪族多価アルコール類、脂環族多価
アルコール類、芳香族多価アルコール類等を例示でき
る。
【0020】脂肪族多価アルコール類としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ジメチロールヘプタ
ン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール
類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ペンタエルスリトール等のトリオールおよ
びテトラオール類等を例示できる。
【0021】脂環族多価アルコール類としては、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、スピログリコール、水素化ビスフェノール
A、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオール、トリシクロデカンジメタノール等を例示で
きる。
【0022】芳香族多価アルコール類としては、パラキ
シレングリコール、メタキシレングリコール、オルトキ
レシングリコール、1,4−フェニレングリコール、
1,4−フェニレングリコールのエチレンオキサイド付
加物、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレン
オキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等
を例示できる。
【0023】さらに、ポリエステルポリオールとして、
ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得ら
れる、ラクトン系ポリエステルポリオール類等を例示す
ることができる。
【0024】ポリエステル高分子末端の極性基を封鎖
し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的におい
て、単官能単量体がポリエステルに導入される場合があ
る。単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香
酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、スルホ
安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナト
リウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、
n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、ターシャルブ
チル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息
香酸、3メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル
酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪
酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、
およびこれらの低級アルキルエステル等のモノカルボン
酸類、あるいは脂肪族アルコール、芳香族アルコール、
脂環族アルコール等のモノアルコールを用いることがで
きる。
【0025】本発明におけるポリエステル樹脂は、かか
る多価カルボン酸類と多価アルコール類とからなるポリ
エステル樹脂において、多価アルコール類の1〜30m
ol%の範囲においてダイマージオールを含有すること
が必須である。ダイマージオールの含有量は、2〜20
mol%の範囲がより好ましく、3〜15mol%がさ
らに好ましく、5〜10mol%がなおさらに好まし
い。ダイマージオールの含有量がこの範囲に満たないと
定着特性が発揮されず、この範囲を超えるとポリエステ
ル樹脂のガラス転移温度が下がり、トナーの保存安定性
が低下する。
【0026】ダイマージオールは、一般にダイマー酸か
ら誘導される。ダイマー酸とは、炭素数10〜24、好
ましく18前後の不飽和脂肪酸を主成分とする二量体を
総称するものであり、若干のモノマー酸、トリマー酸を
含むものである。工業的には、オレイン酸、エライジン
酸、それらの混合物であるトール油脂肪酸、リノール酸
等、乾性油、半乾性油等から得られる精製植物性脂肪酸
をモンモリロナイト系粘土等の触媒の存在下に熱重合し
て得られるものが知られている。また、不飽和二重結合
を、水添により飽和化した水添ダイマー酸も知られてい
る。
【0027】ダイマージオールも、ダイマー酸と同様若
干のモノマー、トリマーが含有されることがある。ま
た、シクロヘキセン環等の不飽和結合が残存するもの
と、水添により飽和化したものが知られている。本発明
では、不飽和、飽和、いずれを用いてもよいが、飽和化
した水添ダイマージオールを用いることが好ましい。
【0028】本発明において、好ましく用いることので
きるポリエステル樹脂のより具体的な例として、(1)
テレフタル酸、イソフタル酸を合計で80mol%以
上含有する多価カルボン酸類と、エチレングリコール8
0〜99mol%、ダイマージオール1〜20mol%
とから得られるポリエステル樹脂、(2) 1〜50m
ol%のナフタレンジカルボン酸に加え、テレフタル
酸、イソフタル酸を合計で80mol%以上含有する多
価カルボン酸類と、エチレングリコール80〜99mo
l%、ダイマージオール1〜30mol%とから得られ
るポリエステル樹脂、(3) ナフタレンジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸を合計で80mol%
以上含有する多価カルボン酸類と、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールを
合計で70〜99mol%、ダイマージオール1〜30
mol%とから得られるポリエステル樹脂、(4) 脂
環族ジカルボン酸と、芳香族多価カルボン酸を合計で8
0mol%以上含有する多価カルボン酸類と、シクロヘ
キサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシ
クロデカンジメタノールから選択される1種以上の脂環
族ジオールを合計で1〜50mol%、ダイマージオー
ル1〜30mol%とを含む多価アルコール類から得ら
れるポリエステル樹脂、等を例示できる。
【0029】かかるポリエステル樹脂のうち、特に1〜
50mol%のナフタレンジカルボン酸を含む多価カル
ボン酸類と、1〜30mol%のダイマージオールを含
む多価アルコール類とから得られるポリエステル樹脂を
用いることが好ましい。
【0030】特に、ダイマージオールの含有量を増やし
た場合には、樹脂のガラス転移温度が低下する傾向があ
るため、ダイマージオールの配合量に応じてナフタレン
ジカルボン酸の添加量を増やすことが好ましく、ダイマ
ージオールの添加量(mol%)の2〜5倍(mol
%)量ナフタレンジカルボン酸を配合することが好まし
い。具体的には、(5) 5〜30mol%のナフタレ
ンジカルボン酸に加え、テレフタル酸、イソフタル酸を
合計で80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、
ダイマージオール3〜10mol%とから得られるポリ
エステル樹脂、(6) 20〜50mol%のナフタレ
ンジカルボン酸に加え、テレフタル酸、イソフタル酸を
合計で80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、
ダイマージオール5〜20mol%とから得られるポリ
エステル樹脂、を例示することができる。
【0031】本発明に用いられるポリエステル樹脂のガ
ラス転移点は、40℃以上であることが好ましく、さら
には50℃以上、またさらには60℃以上、なおさらに
は65℃以上であることが好ましい。ガラス転移点がこ
れより低い場合には、取扱い中あるいは保存中に凝集す
る傾向がみられ、保存安定性に問題を生ずる場合があ
る。
【0032】また、本発明に用いられる樹脂の軟化点
は、80〜150℃の範囲であることが好ましい。樹脂
の軟化温度をこれより低く抑えたトナーにおいては、取
扱い中あるいは保存中に凝集する傾向がみられ、特に長
期間の保存において、流動性が大きく悪化する場合があ
る。軟化点がこれより高い場合には、定着性に支障をき
たす。また、定着ロールを高温に加熱する必要が生じる
ために、定着ロールの材質、ならびに複写される基材の
材質が制限される。
【0033】さらに、本発明においては、前記ポリエス
テル樹脂が20〜2000eq./tonのイオン性基
を含有するものであることが好ましい。ポリエステル樹
脂に含まれるイオン性基としては、カルボキシル基、ス
ルホン酸基、硫酸基、リン酸基、もしくはそれらのアル
カリ金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム
塩、アルカノールアンモニウム塩等のアニオン性基、ま
たは第1級ならびに第3級アミン基等のカチオン性基で
あり、好ましくは、カルボキシル基、カルボン酸塩の
基、スルホン酸基、スルホン酸アルカリ金属塩の基であ
る。
【0034】スルホン酸基、スルホン酸アルカリ金属塩
の基は、ポリエステル樹脂に共重合可能なスルホン酸基
ないしスルホン酸金属塩の基を含有する化合物を用いて
得ることができる。具体的には、スルホテレフタル酸、
5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−ス
ルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5[4−スルホ
フェノキシ]イソフタル酸等のアルカリ金属塩を挙げる
ことができる。また、特にイオン性基を分子末端に導入
する場合には、スルホ安息香酸を用いることができる。
金属塩としては、Li、Na、K、Mg、Ca、Cu、
Fe等の塩が挙げられ、特に好ましいものはNa塩であ
る。これらのうち、特に、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、あるいはナトリウムスルホ安息香酸を用いるこ
とが好ましい。
【0035】カルボキシル基は、ポリエステル末端に残
存するカルボキシル基を用いることができる。さらに、
重合末期に無水トリメリット酸、無水フタル酸等の酸無
水物を導入し、末端にカルボキシル基を付加させること
も可能である。このようにして得られたカルボキシル基
を、アルカリ金属の水酸化物、ないし炭酸塩、アンモニ
ア、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、環状ア
ミン類等により中和して、カルボン酸塩の基を得ること
ができる。
【0036】イオン性基の含有量は、20〜2000e
q./tonの範囲が好ましく、30〜1000eq.
/tonがさらに好ましく、50〜500eq./to
nがなお好ましく、80〜300eq./tonがなお
さらに好ましい。
【0037】イオン性基の含有量がこの範囲を下回る
と、トナーの帯電が不安定になり、また、後述する水分
散化を用いるトナー化手法が適用できなくなる。また、
イオン性基の含有量がこの範囲を超えると、トナーの吸
湿率が上がり、環境変化によりトナーの帯電量が変動
し、画像形成に支障をきたす場合がある。
【0038】以上が本発明の静電荷像現像用トナーを特
徴づけるバインダ樹脂としてのポリエステル樹脂であ
り、本発明においては、かかるポリエステル樹脂を全バ
インダ樹脂の主構成成分として用いることが必須であ
る。本ポリエステル樹脂は、バインダ樹脂の50wt%
以上、好ましくは70wt%以上、さらに好ましくは8
0wt%以上配合して用いられる。
【0039】本発明の静電荷像現像剤に配合される着色
剤、電荷制御剤、流動性改質剤などは特に限定されず、
公知既存のものを必要に応じて用いることができる。
【0040】着色剤としては、染料、顔料、あるいはカ
ーボンブラック等を用いればよい。これら染料、顔料、
カーボンブラック等は、単独で用いられてもよく、ある
いは必要に応じて併用されてもよい。特に、分光透過特
性の観点からは、染料を用いることが好ましい。
【0041】着色に顔料を用いる場合には、イエロー着
色にはベンジジン系、アゾ系顔料が、マゼンタ着色には
アゾレーキ系、ローダミンレーキ系、キナクリドン系、
ナフトール系、ジケトピロロピロール系顔料が、シアン
着色にはフタロシアニン系顔料が好ましく用いられる。
黒色のトナーを得る場合に、カーボンブラック等を使用
することは差し支えない。カーボンブラックとしては、
サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブ
ラック、ファーネスブラック、ランプブラック等を用い
ることができる。
【0042】着色に染料を用いる場合には、イエロー着
色にはアゾ系、ニトロ系、キノリン系、キノフタロン
系、メチン系染料が、マゼンタ着色にはアントラキノン
系、アゾ系、キサンテン系染料が、シアン着色にはアン
トラキノン系、フタロシアニン系、インドアニリン系染
料が好ましく用いられる。
【0043】本発明における静電荷像現像用トナーの製
法は特に限定されず、バインダ樹脂に着色剤、電荷制御
剤等を混合した後に、ジェットミル等にて粉砕し、流動
性改質剤等を外添する、いわゆる粉砕法を用いることが
できる。ダイマージオール含有量が比較的多い場合に
は、樹脂の粉砕性が低下するため、粉砕系内を冷却して
粉砕を行なうことが好ましい場合がある。
【0044】また他の手法として、溶剤とバインダ樹脂
からなる溶液に着色剤、電荷制御剤等を混合分散した後
に、溶液を水系に導入し、懸濁ないし粗乳化させ、分級
乾燥させるようなウエットプロセスによるトナー化手法
を用いることができる。
【0045】本発明において、特にポリエステル樹脂が
イオン性基を含有した場合においては、ポリエステル樹
脂が水分散性(自己乳化性)を発現する。この場合、ポ
リエステル樹脂を水系に乳化分散し、得られた分散体に
含まれるポリエステル樹脂微粒子を緩凝集させることに
より、トナーに適する大きさに合体成長させ、トナーを
得る方法を例示することができる。
【0046】ダイマージオール含有量が比較的多い場合
には、樹脂の粉砕性が低下するため、例示したような粉
砕法以外の方法を用いることが好ましい場合がある。
【0047】ポリエステル樹脂を、ケトン類、アルコー
ル類、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、ジオキサン
等の水溶性溶剤に溶解し、次いで水を添加し、共沸によ
り脱溶剤することにより、ポリエステル樹脂の水分散体
を得ることができる。緩凝集は、かかる水分散体系内へ
の適度な電解質添加と温度操作などにより可能である。
特に、アミノアルコール類とカルボン酸類からなるアミ
ノ基含有エステルを添加し、昇温、pH操作等により系
内にて該エステルを加水分解させ、カルボン酸のアミン
塩を生成させる方法が、緩凝集液に導く方法として好ま
しい。緩凝集液において、顔料、カーボンブラック等の
水分散系粒子が共存すれば、顔料(カーボンブラック)
を含む粒子生成が可能である。また、乳化時に染料を共
存させることにより、染料にて着色されたトナー粒子を
得ることも可能であり、また、無色で得られた粒子を高
温分散染色法により後着色することも可能である。
【0048】本発明の共重合ポリエステル樹脂における
第1の必須成分であるダイマージオールは、長い脂肪族
の側鎖をポリエステル樹脂に与えるものであり、樹脂が
溶融状態にあるときの粘着性を抑える働きを有するもの
であると考えられる。
【0049】第2の必須成分であるナフタレンジカルボ
ン酸は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度を上げる働
きを有するものである。ガラス転移温度を上げるために
添加される共重合成分は多数知られているが、グリコー
ル成分にダイマージオールを用いた場合には、ジカルボ
ン酸成分にナフタレンジカルボン酸を組合せることが、
特に優れるトナー特性を実現する上で最も好ましい組合
せの1つであると考えられる。
【0050】また、第3の必須成分であるイオン性基
は、ウエットプロセスにおいてほぼ球形のトナーを作製
する場合に必要となるものである。球形トナーは、近年
の非磁性一成分現像方式等に適性が高いといわれてお
り、小型カラー機に要求されるシリコーンオイルレスの
定着機構を実現可能な本発明のトナーにおいては、これ
と同様に、小型カラー機において有力な現像機構である
非磁性一成分現像に適したトナー組成とすることが、特
に発明の価値を高める上で重要であると考えられる。
【0051】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるもので
はない。
【0052】
【実施例】
(ポリエステル樹脂の重合例)温度計、攪拌機を備えた
オートクレーブ中に、ジメチルテレフタレート97重量
部、ジメチルイソフタレート97重量部、エチレングリ
コール133重量部、ダイマージオール28重量部、お
よびテトラブトキシチタネート0.07重量部を仕込
み、170〜220℃で180分間加熱して、エステル
交換反応を行なった。次いで、反応系を240℃まで昇
温し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を
続けた結果、共重合ポリエステル樹脂(A1)を得た。
【0053】共重合ポリエステル樹脂(A1)の還元粘
度は0.35、ガラス転移温度は58℃であった。ま
た、NMR分析による共重合組成比は、酸成分に対し
て、テレフタル酸が50mol%、イソフタル酸が50
mol%であり、アルコール成分に対して、エチレング
リコールが95mol%、ダイマージオールが5mol
%であった。その他、GPC分析による数平均分子量、
分散比、滴定により求めた酸価、蛍光X線分析により求
めたS(硫黄)当量を、表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】なお、表1中、「TPA」はフレフタル酸
を、「IPA」はイソフタル酸を、「NDC」はナフタ
レンジカルボン酸を、「CHDA」はシクロヘキサンジ
カルボン酸を、「TMA」はトリメリット酸を、「SI
P」は5−ナトリウムスルホイソフタル酸を、「MA」
はマレイン酸を、「EG」はエチレングリコールを、
「DAOH」はダイマージオール(商品名ペスポールH
P−1000[東亜合成])を、「CHOH」はシクロ
ヘキサンジオールを、「BPP」はビスフェノールAプ
ロピレンオキサイド付加物を示し、「酸価」とはカルボ
キシル基含有量に相当し、「S当量」とは硫黄含有量、
スルホン酸ナトリウム塩の基含有量に相当し、「分散
比」とは(重量平均分子量)/(数平均分子量)で算出
される分子量分布の尺度を示す。
【0056】以下、同様に、重合を行ない、表1に示す
共重合ポリエステル(A2)(A3)(A7)を得た。
【0057】温度計、攪拌機を備えたオートクレーブ中
に、ジメチルテレフタレート97重量部、ジメチルイソ
フタレート83重量部、無水トリメリット酸8重量部、
エチレングリコール64重量部、ダイマージオール84
重量部、シクロヘキサンジオール90重量部、およびテ
トラブトキシチタネート0.07重量部を仕込み、17
0〜220℃で180分間加熱して、エステル交換反応
を行なった。
【0058】次いで、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸6重量部を加え、220〜230℃で60分間反応を
続け、さらに反応系を240℃まで昇温し、系の圧力1
〜10mmHgとして60分間反応を続けた結果、共重
合ポリエステル樹脂(A4)を得た。詳細を表1に示
す。
【0059】温度計、攪拌機を備えたオートクレーブ中
に、ジメチルテレフタレート97重量部、ジメチルイソ
フタレート87重量部、エチレングリコール72重量
部、ダイマージオール56重量部、ビスフェノールAの
プロピレンオキサイド付加物(平均分子量400)16
0重量部、およびテトラブトキシチタネート0.07重
量部を仕込み、170〜220℃で180分間加熱し
て、エステル交換反応を行なった。次いで、反応系を2
40℃まで昇温し、系の圧力を徐々に減じて1〜10m
mHgとして、60分間反応を続けた。
【0060】その後、オートクレーブ中を窒素ガスで置
換し、大気圧とし、温度を190℃に保ち、無水トリメ
リット酸8重量部を加え、30分間反応を続けた結果、
共重合ポリエステル樹脂(A5)を得た。詳細を表1に
示す。
【0061】温度計、攪拌機を備えたオートクレーブ中
に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物7
5重量部、無水マレイン酸19.6重量部、ハイドロキ
ノン0.2重量部、を仕込み、反応系内に窒素ガスを導
入し不活性雰囲気に保ち、0.05重量部のジブチル錫
オキサイドを加え200℃にて反応させ、ポリエステル
樹脂(A8)を得た。詳細を表1に示す。
【0062】(実施例1)ポリエステル樹脂の重合例に
て得られた共重合ポリエステル樹脂(A1)95重量部
をチョッパーミルにて粗粉砕し、銅フタロシアニン系シ
アン色顔料ヘリオゲンブルーS7084[BASF社]
5重量部とボールミルにて予備混合した後、熱ロールミ
ルにて混練し、冷却後、再び粗粉砕し、次いでジェット
ミルにて微粉砕の後分級し、平均粒子径8.5μmのシ
アン色トナー(C1)を得た。得られたトナー5重量部
と、フェライト系キャリアF−100[パウダーテック
社製]95重量部とをボールミルに仕込み、約15分間
攪拌し現像剤とした。得られた現像剤を、乾式電子写真
方式の複写機をもとに定着機のヒートロール温度の調整
およびシリコーンオイル使用/非使用を選択できるよう
に改造した試験機に仕込み、画像出しを行なったとこ
ろ、カブリ、カスレのない鮮明な画像が得られた。シリ
コーンオイルを非使用とし、さらにヒートロールの温度
を80℃から10℃ずつ上げて画像出しを行ない、定着
状態およびオフセット発生状態を観察した。定着性はト
ナー厚みが5μm程度以上となっている画像部分にセロ
ハンテープを一定圧力にて貼り付け、一定速度にて引き
剥がしてセロハンテープにトナーが付着しているか否か
によって評価した。記録紙の送り速度は、A4縦方向毎
分20枚程度とした。
【0063】定着開始温度は110℃、オフセット開始
温度は160℃であった。定着開始温度+10℃の温度
にヒートロール温度を設定し、シリコーンオイル非使用
にて透明ポリエステルフィルム上に画像出しおよび定着
を行ない、オーバーヘッドプロジェクタにて投影観察し
た。透明画像は鮮明なるシアン色を呈するものであっ
た。結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】(実施例2〜6、比較例1〜2)ポリエス
テル樹脂の重合例にて得られた共重合ポリエステル樹脂
(A2)を用い、他は実施例1と同様に操作し、トナー
(C2)を得た。以下同様に、共重合ポリエステル樹脂
(A3)〜(A8)から実施例トナー(C3)〜(C
6)、比較例トナー(C7)〜(C8)を得た。以下、
実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】(実施例7〜9)共重合ポリエステル樹脂
(A2)を用い、マゼンタ顔料ホスタパーム・ピンクE
02(トナーグレード)[ヘキスト社製]5重量部、イ
エロー顔料としてノヴァパーム・イエローP−HGVP
2066[ヘキスト社製]5重量部、ブラック顔料とし
てプリンテックス150T[デグサ社製]5重量部に代
え、以下実施例と同様にして、トナー(M2)(Y2)
(K2)を得た。以下、実施例1と同様に評価した結果
を表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】(カラー画像形成試験)カラー印刷用に、
色分解され175線にて網点変換されたYMCK4色の
ポジ画像(風景写真)を原稿とし、実施例2で得られた
トナー(C2)と、前記トナー(M2)(Y2)(K
2)を用い、前述の試験機により、定着温度を4色の定
着開始温度の平均値とオフセット発生温度の平均値の中
間値に設定し、シリコーンオイル非使用にてまずイエロ
ー画像出しを行ない、得られた画像上にマゼンタ画像、
次いでシアン、ブラックの順に色重ねを行ない、フルカ
ラー画像を形成した。得られた画像は多少の位置ずれは
生じたが、鮮明な色彩を示し、色の異なるトナーが重な
り合った部分においてもオフセットを生じることなく良
好な定着性を示し、また、2次色の発色も好ましいもの
であった。同様に、透明フィルム上にフルカラー画像を
形成し、オーバーヘッドプロジェクタにて観察したが、
鮮明な投影画像を得ることができた。
【0070】(実施例10)共重合ポリエステル樹脂
(A4)100重量部、メチルエチルケトン50重量
部、テトラヒドロフラン25重量部、紫外線吸収剤シー
ソーブ706[シプロ化成社製]3重量部、マゼンタ染
料C.I.ディスパースレッド60コンクケーキ[三井
東圧化学社製]5重量部をセパラブルフラスコに仕込
み、約80℃にて溶解した。次いで温度を70℃に下
げ、68℃の水250重量部を添加し、転相自己乳化法
にて粒子径約0.1μmの共重合ポリエステル樹脂の水
分散体を得た。さらに得られた水系ミクロ分散体を蒸留
用フラスコに入れ、留分温度が103℃に達するまで蒸
留し、冷却後に水を加え固形分濃度を25%とした。
【0071】温度計、コンデンサ、攪拌ばねを備えた四
つ口の1リットルセパラブルフラスコに、得られた共重
合ポリエステル水系分散体400重量部を仕込み、70
℃に加熱した。次いで、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート15.8重量部を溶解した水100重量部を入
れ、8時間攪拌を続けた。その結果、共重合ポリエステ
ル水系分散体に存在したサブミクロンオーダの粒子径の
共重合体は合体粒子成長し、平均粒径6.5μm、直径
をDとした場合に0.5D〜2Dの範囲の粒径を有する
粒子の占有率95wt%のほぼ球形のポリエステル樹脂
粒子を得た。得られたポリエステル樹脂粒子を吸引漏斗
を用いて脱水洗浄し、流動乾燥機にて乾燥させ、マゼン
タトナー(M4W)を得た。以下、実施例1と同様に評
価した結果を表5に示す。
【0072】
【表5】
【0073】(実施例11〜13)共重合ポリエステル
樹脂(A4)100重量部、メチルエチルケトン50重
量部、テトラヒドロフラン25重量部、紫外線吸収剤シ
ーソーブ706[シプロ化成社製]3重量部、イエロー
染料ネオペン・イエロー075[BASF社製]5重量
部をセパラブルフラスコに仕込み、以下実施例10と同
様に操作してイエロートナー(Y4W)を得た。
【0074】以下、染料ネオペン・シアンFF4238
[BASF社製]8重量部に代え、シアントナー(C4
W)を得た。さらに、染料オイルブラック860[オリ
エント化学社製]10重量部およびT−77[保土ヶ谷
化学社製]5重量部に代え、後は実施例10と同様に操
作してブラックトナー(K4W)を得た。以下、実施例
1と同様に評価した。結果を表6に示す。
【0075】
【表6】
【0076】実施例7〜実施例10と同様に得られたト
ナー(Y4W)(M4W)(C4W)(K4W)を用い
てフルカラー画像の形成を行なった。得られた画像は顔
料を用いた前実施例に増して鮮明高精細なものであっ
た。オーバーヘッドプロジェクタに投影した画像は、す
こぶる高彩度な色調を示すものであった。
【0077】(実施例14〜17)共重合ポリエステル
樹脂(A6)100重量部、メチルエチルケトン50重
量部、テトラヒドロフラン25重量部、紫外線吸収剤シ
ーソーブ706[シプロ化成社製]3重量部、マゼンタ
染料C.I.ディスパースレッド60コンクケーキ[三
井東圧化学社製]5重量部をセパラブルフラスコに仕込
み、約80℃にて溶解した。次いで温度を70℃に下
げ、トリエタノールアミン3重量部を添加した後に、6
8℃の水250部を添加し、転相自己乳化法にて粒子径
約0.15μmの共重合ポリエステル樹脂の水分散体を
得た。さらに得られた水系ミクロ分散体を蒸留用フラス
コに入れ、留分温度が103℃に達するまで蒸留し、冷
却後に水を加え固形分濃度を25%とした。
【0078】温度計、コンデンサ、攪拌ばねを備えた四
つ口の1リットルセパラブルフラスコに、得られた共重
合ポリエステル水系分散体400重量部を仕込み、80
℃に加熱した。次いで、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート18.9重量部を溶解した水100重量部を入
れ、8時間攪拌を続けた。その結果、共重合ポリエステ
ル水系分散体に存在したサブミクロンオーダの粒子径の
共重合体は合体粒子成長し、平均粒径5.8μm、直径
をDとした場合に0.5D〜2Dの範囲の粒径を有する
粒子の占有率91wt%のポリエステル樹脂粒子を得
た。得られたポリエステル樹脂を吸引漏斗を用いて脱水
洗浄し、流動乾燥機にて乾燥させ、マゼンタトナー(M
6W)を得た。
【0079】以下同様に、染料をネオペン・イエロー0
75[BASF社製]5重量部に代え、イエロートナー
(Y6W)を得た。さらに、ネオペン・シアンFF42
38[BASF社製]8重量部に代え、シアントナー
(C4W)を得た。さらに、染料をオイルブラック86
0[オリエント化学社製]10重量部およびT−77
[保土ヶ谷化学社製]5重量部に代え、後は実施例10
と同様に操作してブラックトナー(K4W)を得た。以
下、実施例と同様に評価した。結果を表7に示す。
【0080】
【表7】
【0081】実施例7〜実施例10と同様に得られたト
ナー(Y6W)(M6W)(C6W)(K6W)を用い
て、フルカラー画像の形成を行なった。得られた画像は
鮮明高精細なものであり、オーバーヘッドプロジェクタ
にて投影した場合には、すこぶる高彩度な色調を示すも
のであった。
【0082】(比較例3〜5)共重合ポリエステル樹脂
(A8)を用い、マゼンタ顔料ホスタパーム・ピンクE
02(トナーグレード)[ヘキスト社製]5重量部、イ
エロー顔料としてノヴァパーム・イエローP−HGVP
2066[ヘキスト社製]5重量部、ブラック顔料とし
てプリンテックス150T[デグサ社製]5重量部に代
え、以下実施例と同様にして、トナー(M8)(Y8)
(K8)を得た。以下、実施例と同様に評価した結果を
表8に示す。
【0083】
【表8】
【0084】比較例において得られたトナー(C8)と
合わせ、実施例と同様にフルカラー画像の形成試験を行
なった。シリコーンオイル非使用では、色重ねを行なう
際に先に定着された色のトナー部分が再オフセットし、
定着ロールの汚染が激しく画像形成試験を継続すること
が困難であり、記録紙を用いた試験は中断した。透明フ
ィルム上に画像を形成することが可能であったが、画像
表面は定着不足により粗い状態で、投影画像も不鮮明な
ものであった。シリコーンオイルを使用した場合は、画
像形成が可能であり、記録紙上にもほぼ鮮明な画像を得
ることができた。また、透明フィルム上にも良好な画像
形成が行なえ、投影画像も鮮明なものであったが、フィ
ルム表面がシリコーンオイルにてべたべたし不快感を持
った。
【0085】(比較例6)ポリエステル樹脂の重合例に
て得られた共重合ポリエステル樹脂(A1)95重量部
をチョッパーミルにて粗粉砕し、銅フタロシアニン系シ
アン色顔料ヘリオゲンブルーS7084[BASF社]
5重量部、軟化点110℃のエチレン/プロピレン共重
合ワックス2重量部、ステアリルケテンダイマー3重量
部とをボールミルにて予備混合した後、熱ロールミルに
て混練し冷却後、再び粗粉砕し、次いでジェットミルに
て微粉砕の後分級し、平均粒子径8.3μmのシアン色
トナー(C1)を得た。以下、実施例と同様に評価し
た。結果を表9に示す。
【0086】
【表9】
【0087】比較例2に比較しオフセット発生温度は上
昇し、ある程度平滑な表面を有する画像を得ることがで
きるようになったが、投影画像は不鮮明なものであっ
た。
【0088】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によるト
ナーは、定着ロールにシリコーンオイル等の離型剤を塗
布することなく、十分な定着温度域(オフセット開始温
度と定着開始温度との差)を実現し、かつ、樹脂層の透
明性に優れ、定着画像の表面平滑性にも優れるため、カ
ラー画像の再現性に優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価カルボン酸類と、1〜30mol%
    のダイマージオールを含む多価アルコール類とから得ら
    れるポリエステル樹脂を、結着材樹脂の主構成成分とす
    ることを特徴とする、静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 1〜50mol%のナフタレンジカルボ
    ン酸を含む多価カルボン酸類と、1〜30mol%のダ
    イマージオールを含む多価アルコール類とから得られる
    ポリエステル樹脂を、結着材樹脂の主構成成分とするこ
    とを特徴とする、静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル樹脂が、20〜200
    0eq./tonのイオン性基を含有するものであるこ
    とを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の静電
    荷像現像用トナー。
JP15969196A 1996-06-20 1996-06-20 静電荷像現像用トナー Withdrawn JPH1010776A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000081728A (ja) * 1998-06-25 2000-03-21 Mitsui Chemicals Inc 熱定着型電子写真用トナ―およびその製造方法
JP2002131971A (ja) * 2000-10-19 2002-05-09 Dainippon Ink & Chem Inc 静電荷像現像用トナー
JP2019099699A (ja) * 2017-12-04 2019-06-24 日華化学株式会社 非結晶性ポリエステル樹脂、トナー用結着樹脂及び静電荷像現像用トナー
JP2019104851A (ja) * 2017-12-13 2019-06-27 日華化学株式会社 結晶性ポリエステル樹脂、トナー用結着樹脂、分散液又は乳化液、及び静電荷像現像用トナー

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