JP2006003584A - 静電荷現像用トナー及び現像剤 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献7には、結着樹脂として炭素数22〜102の長鎖アルキル基と末端に水酸基或いはカルボキシル基とを有する化合物で少なくとも一部が変性されたポリエステル樹脂を用いることによって低温定着性、耐ホットオフセット性、環境安定性に優れたトナーを得ることが開示されている。特許文献8には、結着樹脂として分子末端をモノカルボン酸エステルとなった架橋ポリエステル樹脂を用いることによって耐環境安定性に優れたトナーを得ることが開示されている。
特許文献9には、ポリエステル樹脂とエポキシ基含有ビニル系重合体とを反応させて得られる特定の分子量分布曲線を示す変性ポリエステル樹脂をトナーバインダーとすることによって、低温定着が可能で、耐ホットオフセット性、保存安定性に優れたトナーを得ることが開示されている。
(3)前記ポリエステル樹脂のカルボキシル基と前記tert−ブチル基とのモル比が0.02〜5.00の範囲であることを特徴とする上記(1)の静電荷像現像用トナー。
(4)前記ポリエステル樹脂における前記末端基の含有量が1.0〜10.0重量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)の静電荷像現像用トナー。
(5)前記ポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量が1,000〜30,000であることを特徴とする上記(1)〜(4)の静電荷像現像用トナー。
(6)前記ポリエステル樹脂のガラス転移点が35〜65℃であることを特徴とする上記(1)〜(5)の静電荷像現像用トナー。
(7)前記ポリエステル樹脂の酸価が1.0〜50.0KOHmg/gであることを特徴とする上記(1)〜(6)の静電荷像現像用トナー。
(8)前記トナーの酸価が0.5〜40.0KOHmg/gであることを特徴とする上記(1)〜(7)の静電荷像現像用トナー。
(9)前記トナーのガラス転移点が40〜70℃であることを特徴とする上記(1)〜(8)の静電荷像現像用トナー。
(10)前記トナーの体積平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする上記(1)〜(9)の静電荷像現像用トナー。
(11)前記トナーのDv/Dnが1.25以下であることを特徴とする上記(1)〜(10)の静電荷像現像用トナー。
(12)前記トナーの平均円形度が0.92〜1.00であることを特徴とする上記(1)〜(11)の静電荷像現像用トナー。
(13)前記トナーのBET比表面積が1.0〜6.0m2/gであることを特徴とする上記(1)〜(12)の静電荷像現像用トナー。
(14)前記トナーが有機溶媒中で活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体及び着色剤を溶解または分散させ、得られた溶液または分散液を水系溶媒中で分散させ、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥したトナーであることを特徴とする上記(1)〜(13)の静電荷像現像用トナー。
(15)上記(1)〜(14)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを有する二成分現像剤。
以下では、「部」は「重量部」を示す。
製造例1〜5は、ポリエステル樹脂の末端を、一般式(1)で示される末端基(n=0)としたものであって、実施例に相当するものであり、THF可溶分の重量平均分子量、酸価、ガラス転移点、ヒドロキシル基/末端t−ブチル基のモル比、カルボキシル基と末端t−ブチル基のモル比、末端t−ブチル基の含有量を特に好ましい数値の範囲内としたものである。
製造例6はポリエステル樹脂の末端を封止しない例である。
製造例7〜10は、ポリエステル樹脂の末端を、一般式(1)で示される末端基(n=0)としたものであって、実施例に相当するものであるが、THF可溶分の重量平均分子量、酸価、ガラス転移点、ヒドロキシル基/末端t−ブチル基のモル比、カルボキシル基と末端t−ブチル基のモル比、末端t−ブチル基の含有量の少なくとも一つを特に好ましいとされる数値の範囲外としたものである。
(ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物70部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物568部、テレフタル酸245部、イソフタル酸44部を投入し、常圧窒素気流下で、210℃で10時間縮合反応した。次いで4−t−ブチル安息香酸73部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に0〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(A)を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量は3,800、酸価19KOHmg/g、水酸基価32KOHmg/g、ガラス転移点53℃であった。また、ヒドロキシル基とt−ブチル基のモル比は1.39、カルボキシル基とt−ブチル基のモル比は0.83、t−ブチル基の含有量は7.3重量%であった。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイドを2部を投入し、常圧窒素気流下で、210℃で8時間縮合反応した。次いで10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い、プレポリマー(a)を得た。得られたプレポリマーの重量平均分子量は5,000、平均官能基数は2.25であった。
攪拌棒及び温度計のついた反応槽中にイソホロジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応を行いケチミン化合物(1)を得た。
ポリエステル(A)85部、プレポリマー(a)15部、ケチミン化合物(1)2部、脱遊離脂肪酸型カルナバワックス5部、カーボンブラック(#44:三菱化学製)10部、含金属アゾ化合物1部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機を用いて粉砕分級し、トナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5部を添加混合し、最終的なトナー(I)とした。
(ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物73部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物590部、テレフタル酸254部、イソフタル酸46部を投入し、常圧窒素気流下で、210℃で10時間縮合反応した。次いで4−t−ブチル安息香酸38部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に0〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量は4,200、酸価8KOHmg/g、水酸基価48KOHmg/g、ガラス転移点45℃であった。また、ヒドロキシル基とt−ブチル基のモル比は4.00、カルボキシル基とt−ブチル基のモル比は0.67、t−ブチル基の含有量は3.8重量%であった。
ポリエステル(B)85部、プレポリマー(a)15部、ケチミン化合物(1)2部、脱遊離脂肪酸型カルナバワックス5部、カーボンブラック(#44:三菱化学製)10部、含金属アゾ化合物1部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機を用いて粉砕分級し、トナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5部を添加混合し、最終的なトナー(II)とした。
(ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物162部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物470部、テレフタル酸289部、イソフタル酸57部を投入し、常圧窒素気流下で、210℃で10時間縮合反応した。次いで4−t−ブチル安息香酸21部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に0〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量は8,500、酸価30KOHmg/g、水酸基価15KOHmg/g、ガラス転移点60℃であった。また、ヒドロキシル基とt−ブチル基のモル比は2.27、カルボキシル基とt−ブチル基のモル比は4.53、t−ブチル基の含有量は2.1重量%であった。
ポリエステル(C)83部、プレポリマー(a)17部、ケチミン化合物(1)2部、脱遊離脂肪酸型カルナバワックス5部、カーボンブラック(#44:三菱化学製)10部、含金属アゾ化合物1部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機を用いて粉砕分級し、トナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5部を添加混合し、最終的なトナー(III)とした。
(トナーの製造例)
ビーカー内にプレポリマー(a)14.3部、ポリエステル(A)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるライスワックス10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、酢酸エチルを100部ビーズミルに入れ30分間、分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。これをトナー材料油性分散液(1)とする。ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、この水分散液(1)に上記トナー材料油性分散液(1)及びケチミン化合物(1)2.7部を加え、30分攪拌を続けながら反応させた。反応後の分散液(粘度:3500mPa・s)を減圧下1.0時間以内に50℃以下の温度で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行ない、最終的なトナー(IV)を得た。
(ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物662部、テレフタル酸269部、無水トリメリット酸12部を投入し、常圧窒素気流下で、210℃で10時間縮合反応した。
次いで4−t−ブチル安息香酸57部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(D)を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量は12,500、酸価25KOHmg/g、水酸基価60KOHmg/g、ガラス転移点51℃であった。また、ヒドロキシル基とt−ブチル基のモル比は3.34、カルボキシル基とt−ブチル基のモル比は1.39、t−ブチル基の含有量は5.7重量%であった。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイドを2部を投入し、常圧窒素気流下で、210℃で8時間縮合反応した。次いで10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート150部と2時間反応を行い、プレポリマー(b)を得た。得られたプレポリマーの重量平均分子量は5,000、平均官能基数は2.00であった。
ビーカー内にプレポリマー(b)14.3部、ポリエステル(D)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるライスワックス10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、酢酸エチルを100部ビーズミルに入れ30分間、分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。これをトナー材料油性分散液(2)とする。ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、この水分散液(2)に上記トナー材料油性分散液(2)及びケチミン化合物(1)2.7部を加え、30分攪拌を続けながら反応させた。反応後の分散液(粘度:5500mPa・s)を減圧下1.0時間以内に50℃以下の温度で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行ない、最終的なトナー(V)を得た。
(ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物691部、テレフタル酸309部を投入し、常圧窒素気流下で、210℃で10時間縮合反応した。次いで10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(E)を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量は3,500、酸価10KOHmg/g、水酸基価50KOHmg/g、ガラス転移点40℃であった。
ポリエステル(E)85部、プレポリマー(a)15部、ケチミン化合物(1)2部、脱遊離脂肪酸型カルナバワックス5部、カーボンブラック(#44:三菱化学製)10部、含金属アゾ化合物1部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機を用いて粉砕分級し、トナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5部を添加混合し、最終的なトナー(VI)とした。
(ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物70部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物567部、テレフタル酸220部、イソフタル酸12部を投入し、常圧窒素気流下で、210℃で10時間縮合反応した。次いで4−t−ブチル安息香酸131部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に0〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(F)を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量は4,300、酸価38KOHmg/g、水酸基価20KOHmg/g、ガラス転移点58℃であった。また、ヒドロキシル基とt−ブチル基のモル比は0.48、カルボキシル基とt−ブチル基のモル比は0.92、t−ブチル基の含有量は13.1重量%であった。
ポリエステル(F)85部、プレポリマー(a)15部、ケチミン化合物(1)2部、脱遊離脂肪酸型カルナバワックス5部、カーボンブラック(#44:三菱化学製)10部、含金属アゾ化合物1部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機を用いて粉砕分級し、トナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5部を添加混合し、最終的なトナー(VII)とした。
(ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物173部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物501部、テレフタル酸302部、イソフタル酸15部を投入し、常圧窒素気流下で、210℃で10時間縮合反応した。次いで4−t−ブチル安息香酸9部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に0〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(G)を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量は7,200、酸価15KOHmg/g、水酸基価23KOHmg/g、ガラス転移点48℃であった。また、ヒドロキシル基とt−ブチル基のモル比は8.11、カルボキシル基とt−ブチル基のモル比は5.29、t−ブチル基の含有量は0.9重量%であった。
ポリエステル(G)85部、プレポリマー(b)15部、ケチミン化合物(1)2部、脱遊離脂肪酸型カルナバワックス5部、カーボンブラック(#44:三菱化学製)10部、含金属アゾ化合物1部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機を用いて粉砕分級し、トナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5部を添加混合し、最終的なトナー(VIII)とした。
(ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物271部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物354部、テレフタル酸285部、イソフタル酸14部を投入し、常圧窒素気流下で、210℃で10時間縮合反応した。次いで4−t−ブチル安息香酸76部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に0〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(H)を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量は4,000、酸価55KOHmg/g、水酸基価40KOHmg/g、ガラス転移点51℃であった。また、ヒドロキシル基とt−ブチル基のモル比は1.67、カルボキシル基とt−ブチル基のモル比は2.30、t−ブチル基の含有量は7.6重量%であった。
ビーカー内にプレポリマー(a)14.3部、ポリエステル(H)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるライスワックス10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、酢酸エチルを100部ビーズミルに入れ30分間、分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。これをトナー材料油性分散液(3)とする。ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、この水分散液(3)に上記トナー材料油性分散液(3)及びケチミン化合物(1)2.7部を加え、30分攪拌を続けながら反応させた。反応後の分散液(粘度:3800mPa・s)を減圧下1.0時間以内に50℃以下の温度で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行ない、最終的なトナー(IX)を得た。
(ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物661部、テレフタル酸250部、無水トリメリット酸61部を投入し、常圧窒素気流下で、210℃で10時間縮合反応した。
次いで4−t−ブチル安息香酸28部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(I)を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量は30,500、酸価15KOHmg/g、水酸基価10KOHmg/g、ガラス転移点66℃であった。また、ヒドロキシル基とt−ブチル基のモル比は1.70、カルボキシル基とt−ブチル基のモル比は1.13、t−ブチル基の含有量は2.8重量%であった。
ビーカー内にプレポリマー(b)14.3部、ポリエステル(I)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるライスワックス10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、酢酸エチルを100部ビーズミルに入れ30分間、分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。これをトナー材料油性分散液(4)とする。ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、この水分散液(4)に上記トナー材料油性分散液(4)及びケチミン化合物(1)2.7部を加え、30分攪拌を続けながら反応させた。反応後の分散液(粘度:7800mPa・s)を減圧下1.0時間以内に50℃以下の温度で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行ない、最終的なトナー(X)を得た。
製造例1〜10により得られたトナー(I)〜(X)について、低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性を評価した。評価方法は下記に示すとおりである。
また、評価結果を表2に示す。
定着ローラーとしてテフロン(登録商標)ローラーを使用した(株)リコー製複写機 MF2200定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行なった。定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)とホットオフセット温度(耐ホットオフセット温度)を求めた。従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃程度である。なお、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/sec、面圧1.2Kgf/cm2、ニップ幅3mm、高温オフセットの評価条件は紙送りの線速度を50mm/sec、面圧2.0Kgf/cm2、ニップ幅4.5mmと設定した。各特性評価の基準は以下の通りである。
低温定着性(5段階評価)
良 ◎:130℃未満、○:130〜140℃、□:140〜150℃、△:150〜160℃、:160℃以上 悪
ホットオフセット性(5段階評価)
良 ◎:201℃以上、○:200〜191℃、□:190〜181℃、△:180〜171℃、×:170℃以下 悪
トナー試料20gを20mlのガラス瓶に入れ、50回程度ガラス瓶をタッピングし試料を密に固めた後、50℃の高温槽に24時間放置し、その後針入度試験器を用いて針入度を以下のように求めた。
(良)◎:貫通、○:〜25mm、□:25〜20mm、△:20〜15mm、×:15mm以下(悪)
Claims (15)
- 前記ポリエステル樹脂のヒドロキシル基と前記tert−ブチル基とのモル比が0.50〜5.00の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂のカルボキシル基と前記tert−ブチル基とのモル比が0.02〜5.00の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂における前記末端基の含有量が1.0〜10.0重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量が1,000〜30,000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂のガラス転移点が35〜65℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂の酸価が1.0〜50.0KOHmg/gであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーの酸価が0.5〜40.0KOHmg/gであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーのガラス転移点が40〜70℃であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーの体積平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーのDv/Dnが1.25以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーの平均円形度が0.92〜1.00であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーのBET比表面積が1.0〜6.0m2/gであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーが有機溶媒中で活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体及び着色剤を溶解または分散させ、得られた溶液または分散液を水系溶媒中で分散させ、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥したトナーであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを有する二成分現像剤。
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