JP2016128905A - トナー、トナー収容ユニット及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも結着樹脂と離型剤とを含むトナーであって、50%メタノール水溶液への可溶成分量が0.10〜0.60%であり、フローテスター法により求められる流出開始温度(Tfb)が55℃〜100℃であることを特徴とするトナー。
【選択図】図1
Description
しかしながら、トナーの低温定着性を考慮すると、酸価及び水酸基価は好適な範囲があると考えられており、一方的にこれらを減らすことは適当ではない。また、特許文献2では、特定の材料のみの規定であるが、その材料の帯電特性はトナー表面露出量に影響され、このトナー表面露出量は、製造工程(特にトナーを形成する工程)でのバラつきに左右されるため、期待する効果が得られない場合があるという問題がある。
すなわち、本発明は、高温高湿の保管環境においても帯電量の変化が少なく、良好な低温定着特性と耐ホットオフセット性、保存性に優れたトナーを提供することを目的とする。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と離型剤とを含み、必要に応じて着色剤、帯電制御剤、外添剤等のその他の材料を含んでいてもよい。そして、本発明のトナーは、50%メタノール水溶液への可溶成分量が0.10〜0.60%であり、フローテスター法により求められる流出開始温度(Tfb)が55℃〜100℃であることを特徴とする。
本発明者らは、トナーの低温定着性を達成しつつ、高温高湿環境下での帯電安定性、現像安定性も達成できるよう鋭意検討を行った。その結果、このような高温高湿環境下で不具合をもたらすような低分子量成分は、水/メタノール50/50重量%の混合溶液(50%メタノール水溶液)に抽出されることが分かり本発明に至った。
従って、本発明では、トナーの50%メタノール水溶液への可溶成分量が0.10〜0.60%であり、より好ましくは0.20〜0.50%である。
一方、50%メタノール水溶液の可溶成分量が0.10%よりも小さくなると、低温定着に寄与する成分が減ることとなり、良好な低温定着性が得られない。低温定着性への寄与について、詳細は不明だが、豊富なカルボキシル基や水酸基が紙を構成しているセルロースと水素結合などを通じて親和性が高くなるためであると推測される。
次に、50%メタノール水溶液への可溶成分量、の測定方法の一例について説明する。
まず、メタノールを純水と重量比1:1の割合で十分に混合し、50%メタノール水溶液を得る。トナー1.5gを50mlのスクリュー管瓶に計量し、メタノール50%水溶液を8.5g投入し、フタをして数秒程度軽く手振りで攪拌する。なお、50%メタノール水溶液に用いられる水は、例えば純水が挙げられるが、特に制限されるものではない。
最後に、この値を処理トナーの量(1.5g)で除して含有率としての可溶成分量を得る。
本発明のトナーはフローテスター法により求められる流出開始温度(Tfb)が55〜100℃であることを特徴としている。流出開始温度(Tfb)は55〜85℃が好ましく、55〜75℃であることがより好ましい。
流出開始温度(Tfb)が55℃よりも小さいと、軟化点はさらに低くなるのでトナーが機内中の熱で軟化して凝集し、トナーの補給やトナーによる現像に不具合をもたらす。従って、良好な保存性が得られない。一方、流出開始温度(Tfb)が100℃よりも高いと、低温定着に不適なものとなる。
トナーの流出開始温度(Tfb)の測定方法の一例について説明する。
高架式フローテスター(例えば、島津フローテスターCFT−500型、島津製作所製)を用いて行う。まず加圧成形器を用いて成形した重量1.0gの試料を昇温速度3.0℃/min、プランジャー荷重10kgf/cm3、直径0.5mm、長さ1mmのノズルより押し出すようにし、これによりフローテスターのプランジャー降下量を測定する。このとき、フローテスターのプランジャー降下量−温度曲線に基づいて、試料の流出開始点における温度をTfbとして得ることができる。なお、図1に高架式フローテスターによる流出曲線の一例を示す。
本発明ではトナーの酢酸エチルへの不溶成分量が15〜30%であることが好ましい。低温定着を実現するために単純に分子量を小さくすると、ホットオフセット温度も低温化するため高温側での定着性が悪化し、実用に耐えられるものにならない。そのため、高分子量の成分を添加したり、架橋樹脂など添加したり、トナー中で重合反応ないしは金属配位反応などで架橋成分を作ったりする必要がある。
前記酢酸エチル不溶成分量は、ソックスレー抽出による抽出残分として算出することができる。測定の一例を以下に示す。
正確な重量を測定したソックスレー抽出用円筒濾紙内にトナー0.5gを精秤し、平底フラスコ(300ml)に酢酸エチル200gを入れ、ソックスレー抽出管内に前記円筒濾紙を装着する。平底フラスコ、ソックスレー抽出管、冷却管を接続し、マントルヒーターで平底フラスコを加熱し、フラスコ内の酢酸エチルが沸騰し始めてから7時間、抽出操作を行う。抽出後の円筒濾紙を酢酸エチルで充分洗浄した後、溶媒である酢酸エチルを十分に乾燥させる。最初に測定したサンプル重量、円筒濾紙重量及び、抽出・乾燥後の抽出残分量より、トナー中に含まれる酢酸エチル不溶成分量の含有率を算出することができる。
次に、本発明のトナーの組成について、製造方法に触れつつ説明する。以下、乳化重合法でのトナー製造方法を例に挙げて説明するが、本発明のトナーは、乳化重合法、粉砕法いずれの方法によっても製造することができ、特に制限されるものではない。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。以下、ポリエステル樹脂について詳細を説明するが、ポリエステル樹脂以外の樹脂も用いることができる。
前記ポリエステル樹脂以外の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、スチレン−アクリル樹脂、ポリオール樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、結晶性ポリエステル樹脂、未変性ポリエステル樹脂、ポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、優れた低温定着性が得られる点で、前記ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂を50質量%以上含有することが好ましく、100質量%含有することがより好ましい。
トナー粒子中に存在する結晶性ポリエステル樹脂は、高い結晶性を有するが故に、定着開始温度付近において急激な粘度低下を示すという熱溶融特性を有している。つまり、結晶性ポリエステル樹脂を用いることによって、溶融開始温度直前までは結晶性により耐熱保存性が良好であり、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こして定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性を兼ね備えたトナーを設計することができる。
なお、本発明において、結晶性ポリエステル樹脂の融点とは、示差走査熱量計を用いて測定されるDSC曲線において、最大吸熱ピークを示すときの温度をいう。
重量平均分子量(Mw)が30000を超えると低温定着性が低下することがあり、10000未満では、耐熱保存性が低下することがある。
Mw/Mnが10を超えると分子量分布がブロードになり低温定着性と耐熱保存性の両立が困難になることがある。
結晶性ポリエステル樹脂の分散粒径は、樹脂微粒子分散液を機械的に粉砕する他、結晶性ポリエステル樹脂を析出させる際の溶液の濃度や冷却速度によっても調節できる。
非結晶性の未変性ポリエステル樹脂としては、芳香族ポリエステル樹脂であることが好ましい。
未変性ポリエステル樹脂に用いられるアルコール成分としては、2価のアルコール(ジオール)、具体的には、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール及び1,6−ヘキサンジオールなど);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコールなど);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールAなど);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド〔エチレンオキサイド(以下EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)及びブチレンオキサイド(以下BOと略記する)など〕付加物(付加モル数1〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールSなど)の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(EO、PO及びBOなど)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。なお、ポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
まず、試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを加える。次に、100±5℃の温浴中で1〜2時間加熱した後、フラスコを温浴から取り出して放冷する。さらに、水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。次に、無水酢酸を完全に分解させるために、再びフラスコを温浴中で10分以上加熱して放冷した後、有機溶剤でフラスコの壁を十分に洗う。
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume[mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n=1
comb.termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential1 No
Potential2 No
Stop for reevaluation No
トナーの低温定着性を向上させる上で、耐ホットオフセット性や耐熱保存性といった性質をどのようにしてトナーに持たせるかが重要であり、この一つとしてプレポリマーを使用することが好適な手段である。プレポリマーにはイソシアネートやエポキシなどにより変性されたポリエステルプレポリマーを使用することが好ましい。
一般にプレポリマーなど高分子量成分は溶媒に対する溶解度が低い。従って、本発明では、例えばプレポリマーなどの高分子量成分の含有量を制御することによって、トナーの酢酸エチルへの不溶成分量が上記した15〜30%の範囲にすることができる。
また、ベースとなるポリエステル樹脂としては、前述した未変性のポリエステル樹脂を用いてもよい。
前記エポキシ化剤としては、エピクロロヒドリンなどが挙げられる。
変性ポリエステルは、重量平均分子量が5×103以上5×104以下であることが好ましい。
変性ポリエステルと伸長反応又は架橋反応する化合物としては、活性水素基を有する化合物が挙げられ、その代表として、アミン類を挙げることができる。
アミン類としては、ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール化合物、アミノメルカプタン化合物、アミノ酸化合物、及び、これらのアミノ基をブロックした化合物などが挙げられる。
3価以上のポリアミン化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール化合物としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン化合物としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸化合物としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
これらのアミノ基をブロックした化合物としては、前記アミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
なお、ウレア変性ポリエステル樹脂は、非結晶性の未変性ポリエステル樹脂以外に、ウレア結合以外の化学結合で変性されているポリエステル樹脂、例えば、ウレタン結合で変性されているポリエステル樹脂と併用することができる。
一例として、ウレア変性ポリエステル樹脂を製造方法について説明する。
まず、ポリオールとポリカルボン酸を、テトラブトキシチタネート、ジブチルスズオキサイド等の触媒の存在下で、150〜280℃に加熱し、必要に応じて、減圧しながら生成する水を除去して、水酸基を有するポリエステル樹脂を得る。次に、水酸基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートを40〜140℃で反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを得る。さらに、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン類を0〜140℃で反応させ、ウレア変性ポリエステル樹脂を得る。
ウレア変性ポリエステル樹脂の数平均分子量は、通常、1000〜10000であり、1500〜6000が好ましい。
なお、未変性のポリエステル樹脂は、水酸基を有するポリエステル樹脂と同様に製造したものを、ウレア変性ポリエステル樹脂の反応後の溶液に混合してもよい。
前記離型剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロウ類、ワックス類などが挙げられる。
前記ロウ類及び前記ワックス類としては、例えば、植物系ワックス、鉱物系ワックス、石油ワックスなどが挙げられる。
前記植物系ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックスなどが挙げられる。
前記動物系ワックスとしては、例えば、ミツロウ、ラノリンなどが挙げられる。
前記鉱物系ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシンなどが挙げられる。
前記石油ワックスとしては、例えば、パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタムなどが挙げられる。
前記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット等の芳香族溶剤が挙げられる。
そのため、原材料や生成物を溶剤抽出や減圧蒸留操作を用いて精製することで、本発明で使用するエステルワックスを得ることができる。
また、離型剤の含有量は、トナーに対して、1〜10重量%が好ましい。
本発明に用いられる着色剤としては公知の染料及び顔料が使用できる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
マスターバッチの製造に用いられる又はマスターバッチとともに混練される結着樹脂としては、先に挙げたポリエステル樹脂の他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、単独あるいは混合して使用できる。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものを使用できる。例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
本発明のトナーは、流動性や現像性、帯電性あるいはクリーニング性を補助するために外添剤を含有してもよい。流動性や現像性、帯電性を補助し得る外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。
また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
無機微粒子の含有量は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、0.01〜2.0重量%であることがより好ましい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
本発明のトナーの体積平均粒径は、3μm以上7μm以下であることが好ましく、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比が1.2以下であることが好ましい。体積平均粒径3μm未満では、トナー飛散が生じることがあり、7μmを超えると、細線再現性が低下することがある。
また、粒径が2μm以下である成分が10個数%以下であることが好ましい。
本発明に用いられる現像剤は、一成分系現像剤としてもよく、キャリア等を有する二成分系現像剤としてもよい。また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナーあるいは、非磁性トナーとしても用いることができる。
磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えばトナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジ等が挙げられる。
トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも像担持体と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する。前記現像手段は上記トナーを用いるものである。また、本発明の画像形成装置は前記各手段に加えて、クリーニング手段を有することがさらに好ましく、必要に応じて、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してもよい。なお、プロセス線速が300mm/s以上1500mm/s以下であることが好ましい。
現像手段は、本発明のトナーで現像することができれば、特に限定されないが、例えば、本発明のトナーを収容し、静電潜像にトナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものを用いることができる。
リサイクル工程は、クリーニング工程で除去されたトナーを現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段を用いてリサイクルさせることができる。リサイクル手段としては、特に限定されず、公知の搬送手段等を用いることができる。
また、タンデム型現像器120の近傍には、露光装置30が配置されている。露光装置30は、感光体ドラム10上に露光光Lを露光し、静電潜像を形成する。
その後、記録紙は、切換爪55で切り換えて排出ローラー56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導かれて、裏面にも画像を形成した後、排出ローラー56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
なお、複合トナー像が転写された後に中間転写体50上に残留したトナーは、クリーニング装置17により除去される。
本発明におけるプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体に形成された静電潜像を、本発明のトナーを用いて現像する現像手段が一体に支持されており、画像形成装置の本体に着脱可能であ。なお、必要に応じて、他の手段をさらに有していてもよい。
−ポリエステル樹脂1の合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物376部とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物109部をモル比で80/20(ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物)、イソフタル酸116部とアジピン酸44部をモル比で70/30(イソフタル酸/アジピン酸)とし、OH/COOH=1.364(官能基のモル比)で仕込み、500ppmのチタンテトライソプロポキシドとともに常圧で230℃、10時間反応させた。次いで、反応容器に安息香酸16部を加え、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸11部を入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、非晶性の[ポリエステル樹脂1]を得た。
水990部、[ポリエステル樹脂1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸241部、アジピン酸55部、1,4−ブタンジオール314部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.75部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら4時間反応させた。次いで225℃まで徐々に昇温しつつ、窒素気流下、生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら3時間反応させたのち、さらに5〜20mmHgの減圧下で、Mw(重量平均分子量)が約1200に達するまで反応させた。これにより[結晶性樹脂’]を得た。
得られた[結晶性樹脂’]218部を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、酢酸エチル250部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)40部、無水マレイン酸25部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで減圧下で酢酸エチルを留去し、[結晶性樹脂]を得た。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧、230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル]を得た。[中間体ポリエステル]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[ポリエステルプレポリマー]を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170部及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物](活性水素基含有化合物)を合成した。得られた[ケチミン化合物]のアミン価は418であった。
[ポリエステル樹脂1]100部、シアン顔料(C.I.Pigment blue 15:3)100部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)により1000rpmで5分間混合した後、オープンロール混練機(三井鉱山社製)で混練し、ロートプレックス粉砕機で2mm大の顔料分散体粉末を作製して[マスターバッチ]とした。
カルナウバワックス20部、[ポリエステル樹脂1]80部及び酢酸エチル120部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却した。その後、さらにウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用い、40℃に加温して、送液速度1.0Kg/hr、fディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、[ワックス分散液]を作製した。
温度計及び攪拌機を装備した容器に、[結晶性樹脂]20部、酢酸エチル24部を入れ、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させ、[ポリエステル樹脂1]の50%酢酸エチル溶液を102部、[ワックス分散液]66部、[マスターバッチ]10部、[ポリエステルプレポリマー]12部、[ケチミン化合物]0.20部を加え、50℃でTK式ホモミキサー(特殊機化社製)により回転数10,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相1]を得た。
次に、[水相1]70部に、20℃に保たれた[油相1]を50部加え、TKホモミキサー(特殊機化社製)により回転数13,000rpmで1分間混合した。この混合液を減圧雰囲気で液中の酢酸エチル濃度が0.1重量%以下となるまで脱溶剤を実施し、[複合粒子スラリー1]を得た。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後、濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後、濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後、濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
得られたトナー母体に外添処理を実施した。[トナー母体1]100部に対して、平均粒径80nmの疎水性シリカ1.0部と、平均粒径20nmの酸化チタン0.5部と、平均粒径25nmの疎水性シリカ微粉体1.3部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて周速20m/sで1分間、低速混合した。その後1分間待ち、周速35m/sで12分間、高速混合し、[トナー1]を得た。
−トナー2の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から29部に変えた以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂2]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂2]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー2]を得た。
−トナー3の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例におけるOH/COOHが1.330となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂3]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂3]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー3]を得た。
−トナー4の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から29部に変え、OH/COOHが1.330となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂4]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂4]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー4]を得た。
−トナー5の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例におけるOH/COOHが1.324となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂5]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂5]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー5]を得た。
−トナー6の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から29部に変え、OH/COOHが1.324となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂6]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂6]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー6]を得た。
−トナー7の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例におけるOH/COOHが1.312となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂7]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂7]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー7]を得た。
−トナー8の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から29部に変え、OH/COOHが1.312となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂8]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂8]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー8]を得た。
−トナー9の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例におけるOH/COOHが1.310となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂9]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂9]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー9]を得た。
−トナー10の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から29部に変え、OH/COOHが1.310となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂10]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂10]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー10]を得た。
−トナー11の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例におけるOH/COOHが1.293となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂11]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂11]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー11]を得た。
−トナー12の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から29部に変え、OH/COOHが1.293となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂12]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂12]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー12]を得た。
−トナー13の作製−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から26部に変え、OH/COOHが1.345となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂13]を得た。
実施例1のトナー1の作製において、[結晶性樹脂]19部、酢酸エチル24部を入れ、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させ、[ポリエステル樹脂13]の50%酢酸エチル溶液を100部、[ワックス分散液]66部、[マスターバッチ]10部、[ポリエステルプレポリマー]14部、[ケチミン化合物]0.23部を加え、50℃でTK式ホモミキサー(特殊機化社製)により回転数10,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相13]を得た。[油相1]を[油相13]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー13]を得た。
−トナー14の作製−
実施例1のトナー1の作製において、[結晶性樹脂]21部、酢酸エチル24部を入れ、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させ、[ポリエステル樹脂13]の50%酢酸エチル溶液を108部、[ワックス分散液]66部、[マスターバッチ]10部、[ポリエステルプレポリマー]8部、[ケチミン化合物]0.13部を加え、50℃でTK式ホモミキサー(特殊機化社製)により回転数10,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相14]を得た。[油相1]を[油相14]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー14]を得た。
−トナー15の作製−
実施例1のトナー1の作製において、[結晶性ポリエステル樹脂]19部、酢酸エチル24部を入れ、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させ、[ポリエステル樹脂13]の50%酢酸エチル溶液を96部、[ワックス分散液]66部、[マスターバッチ]10部、[ポリエステルプレポリマー]16部、[ケチミン化合物]0.27部を加え、50℃でTK式ホモミキサー(特殊機化社製)により回転数10,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相15]を得た。[油相1]を[油相15]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー15]を得た。
−トナー16の作製−
実施例1のトナー1の製造において、[結晶性樹脂]21部、酢酸エチル24部を入れ、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させ、[ポリエステル樹脂13]の50%酢酸エチル溶液を110部、[ワックス分散液]66部、[マスターバッチ]10部、[ポリエステルプレポリマー]7部、[ケチミン化合物]0.12部を加え、50℃でTK式ホモミキサー(特殊機化社製)により回転数10,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相16]を得た。[油相1]を[油相16]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー16]を得た。
−トナー17の作製−
実施例1のトナー1の作製において、[結晶性樹脂]23部、酢酸エチル24部を入れ、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させ、[ポリエステル樹脂13]の50%酢酸エチル溶液を120部、[ワックス分散液]66部、[マスターバッチ]10部を加え、50℃でTK式ホモミキサー(特殊機化社製)により回転数10,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相17]を得た。[油相1]を[油相17]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー17]を得た。
乳化凝集法により以下のようにして[トナー18]を作製した。
−ポリエステル樹脂分散液の作成−
[ポリエステル樹脂13]60部に、酢酸エチル60質量部を加えて溶解させ[樹脂溶液]を得た。次いで、水120部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンR、第一工業製薬社製)2部、及び2質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4部を混合して[水相18]を得た。この[水相18]160部に、前記[樹脂溶液]120部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーA]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、得られた[乳化スラリーA]を投入し、30℃で4時間脱溶剤して、[ポリエステル樹脂分散液A]を得た。得られた[ポリエステル樹脂分散液A]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、0.15μmであった。
カルナウバワックス25部、アニオン界面活性剤(ネオゲンR、第一工業製薬社製)1部、水200部を混合し、90℃で溶融させた。次いで、この溶融液をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[離型剤分散液A]を得た。
シアン顔料(C.I.Pigment blue 15:3)20部、アニオン界面活性剤(ネオゲンR、第一工業製薬社製)0.5部、及び水80部を混合し、TK式ホモミキサー(特殊機化社製)で分散し、[着色剤分散液A]を得た。
温度計及び撹拌機を備えた容器に、[ポリエステル樹脂分散液A]292部、[離型剤分散液A]45部、[着色剤分散液A]34部、水600部を入れて、30℃で30分間撹拌した。この分散液に、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH10に調節した。次いで、この分散液をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて5000rpmで撹拌しながら、5質量%の塩化マグネシウム水溶液50部を徐々に滴下しながら45℃まで加熱した。凝集粒子の体積平均粒径が5.1μmに成長するまで45℃に維持した。これに2質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH9に保ちながら、90℃まで加熱し、この状態で2時間保持した後、1℃/分で20℃まで冷却し、トナー粒子を形成した。この粒子分散液を、実施例1同様に脱溶剤を実施して[複合粒子スラリー18]を得た。これについて洗浄、乾燥、外添処理を実施例1と同様に施し、[トナー18]を得た。
粉砕法により以下のようにして[トナー19]を作製した。
−トナー19の作製−
[ポリエステル樹脂13]72部、カルナウバワックス6部、及び[マスターバッチ]12部を、へンシェルミキサー(ヘンシェル20B、三井鉱山社製)を用いて1,500rpmで3分間予備混合した後、一軸混練機(小型ブス・コ・ニーダー、Buss社製)にて、設定温度を入口部90℃、出口部60℃、フィード量10kg/Hrの条件で溶融、混練した。得られた混練物を圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)にて粗粉砕した。次いで、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力(6.0atm/cm2)、フィード量(0.5kg/hr)の条件にて微粉砕を行い、さらに分級機(アルピネ社製、132MP)により分級を行って、[トナー母体19]を得た。実施例1と同様の外添処理を施し、[トナー19]を得た。
−トナー20の製造−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例におけるOH/COOHが1.290となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂20]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂20]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー20]を得た。
−トナー21の製造−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から9部に変え、OH/COOHが1.295となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂21]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂21]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー21]を得た。
−トナー22の製造−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から29部に変え、OH/COOHが1.291となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂22]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂22]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー22]を得た。
−トナー23の製造−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から30部に変え、OH/COOHが1.293となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂23]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂23]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー23]を得た。
−トナー24の製造−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から9部に変え、OH/COOHが1.317となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂24]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂24]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー24]を得た。
−トナー25の製造−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から30部に変え、OH/COOHが1.317となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂25]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂25]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー25]を得た。
−トナー26の製造−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例におけるOH/COOHが1.367となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂26]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂26]に変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー26]を得た。
−トナー27の製造−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から9部に変えた以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂27]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂27]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー27]を得た。
−トナー28の製造−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から29部に変え、OH/COOHが1.367となるように調製した以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂28]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂28]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー28]を得た。
−トナー29の製造−
実施例1の[ポリエステル樹脂1]の合成例における安息香酸の仕込み量を16部から30部に変えた以外は、実施例1と同様にして[ポリエステル樹脂29]を得た。実施例1のトナー1の作製において、[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂29]に変えた以外は実施例1と同様にトナーを作製し、[トナー29]を得た。
上記実施例、比較例で得られたトナーにおいて、以下の測定を行った。
まず、メタノールを純水と重量比1:1の割合で十分に混合し、50%メタノール水溶液を得た後、トナー1.5gを50mlのスクリュー管瓶に計量し、メタノール50%水溶液を8.5g投入し、フタをして数秒程度軽く手振りで攪拌した。
その後、超音波洗浄機(エスエヌディー社製US−1KS、高周波出力60W 発振強度38Hz)にかけて30秒トナーを分散させた。その後、トナー分散液の入ったスクリュー瓶を50℃に設定した恒温槽に入れ、1.5時間静置し可溶成分を溶解させた後に遠心分離装置で固液分離し、液相のみをあらかじめ秤量していた別の瓶に投入した。60℃程度で十分に乾燥させた後に、再度秤量し瓶の初期重量との差から可溶成分の量を算出した。最後に、この値を処理トナーの量(1.5g)で除して含有率としての可溶成分量を得た。
装置は高架式フローテスター(島津フローテスターCFT−500型、島津製作所製)を用いた。まず加圧成形器を用いて成形した重量1.0gの試料を昇温速度3.0℃/min、プランジャー荷重10kgf/cm3、直径0.5mm、長さ1mmのノズルより押し出すようにし、これによりフローテスターのプランジャー降下量を測定した。これにより得られた、フローテスターのプランジャー降下量−温度曲線に基づいて、試料の流出開始点における温度をTfbとして得た。
正確な重量を測定したソックスレー抽出用円筒濾紙内にトナー0.5gを精秤し、平底フラスコ(300ml)に酢酸エチル200gを入れ、ソックスレー抽出管内に前記円筒濾紙を装着した。平底フラスコ、ソックスレー抽出管、冷却管を接続し、マントルヒーターで平底フラスコを加熱し、フラスコ内の酢酸エチルが沸騰し始めてから7時間、抽出操作を行った。抽出後の円筒濾紙を酢酸エチルで充分洗浄した後、溶媒である酢酸エチルを十分に乾燥させた。最初に測定したサンプル重量、円筒濾紙重量及び、抽出・乾燥後の抽出残分量より、トナー中に含まれる酢酸エチル不溶成分量の含有率を算出した。
<定着下限温度>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF2200(リコー社製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(リコー社製)に紙面上端より20mmの位置にトナー付着量0.80mg/cm2となるよう調整後、定着温度を変化させてコールドオフセット発生温度(定着下限温度)を求めた。
定着下限温度の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/秒、面圧を1.2kgf/cm2、ニップ幅を3mmとした。また、定着上限温度の評価条件は、紙送りの線速度を50mm/秒、面圧を2.0kgf/cm2、ニップ幅を4.5mmとした。
定着下限温度は、消費電力が抑えられることから、低いことが好ましく、130℃以下であれば、実使用上問題のないレベルである。
◎:123℃よりも低い
○:123℃以上125℃よりも低い
△:125℃以上130℃以下
×:130℃よりも高い
トナー付着量を0.40mg/cm2となるよう調整後、定着下限温度と同様の評価を実施した。定着温度を高温側で変化させてホットオフセット発生温度(定着上限温度)を求めた。多数枚高速印刷時に、定着部材の温度が上昇することから、定着上限温度は高いことが望ましく、170℃以上であれば実用上問題のないレベルである。
◎:185℃よりも高い
○:175℃よりも高く、185℃以下
△:170℃以上175℃以下
×:170℃未満
50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度を測定し、保存性(耐熱保存性)を評価した。このとき、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味する。
○:針入度が25mm以上
△:針入度が20mm以上、25mm未満
×:針入度が20mmよりも小さい
50mlガラス容器にトナーを10g投入後、温度及び湿度が制御できる恒温槽で、温度40℃、湿度75%の環境で10日間保管し、保管前後の帯電量をブローオフ法にて測定し、帯電の変化率を評価した。環境影響に対する現像安定性の面で、この帯電変化率は小さいことが望ましい。
○:保管前の帯電量に対して、保管後の帯電量の変化が0〜15%
×:保管前の帯電量に対して、保管後の帯電量の変化が15%よりも大きい
比較例1、3においてTfbが100℃を超え、定着下限温度が悪化した。
比較例7、9においてはTfbが55℃を下回り保存性が悪化する結果であった。
比較例2、5、8は、50%メタノール水溶液への可溶成分量が0.60%を上回っており、保管後の帯電変化率が大きく悪化した。
比較例4、6、10については50%メタノール水溶液への可溶成分量が0.10%を下回っており、定着下限温度の悪化が見られた。
100A 画像形成装置
10 感光体ドラム
20 帯電ローラー
40 現像器
41 現像剤収容部
42 現像剤供給ローラー
43 現像ローラー
50 中間転写体
51 ローラー
52 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
70 除電ランプ
80 転写ローラー
90 クリーニング装置
95 記録紙
(図3、図4について)
100B 画像形成装置
10 感光体ドラム
14 支持ローラー
15 支持ローラー
16 支持ローラー
17 クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラー
22 二次転写装置
23 ローラー
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラー
28 反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
40 現像器
49 レジストローラー
50 中間転写体
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラー
57 排紙トレイ
58 分離ローラー
60 クリーニング装置
70 除電ランプ
80 転写ローラー
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラー
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラー
146 給紙路
147 搬送ローラー
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ、
400 原稿自動搬送装置(ADF)
(図5について)
10 感光体ドラム
40 現像器
52 コロナ帯電器
80 転写ローラー
90 クリーニング装置
95 記録紙
110 プロセスカートリッジ
Claims (6)
- 少なくとも結着樹脂と離型剤とを含むトナーであって、
50%メタノール水溶液への可溶成分量が0.10〜0.60%であり、フローテスター法により求められる流出開始温度(Tfb)が55℃〜100℃であることを特徴とするトナー。 - 前記流出開始温度(Tfb)が55℃〜85℃であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記流出開始温度(Tfb)が55℃〜75℃であることを特徴とする請求項2に記載のトナー。
- 酢酸エチルへの不溶成分量が15〜30%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のトナーを収容したことを特徴とするトナー収容ユニット。
- 静電潜像担持体と、
該静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記トナーが、請求項1〜4のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
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