JP6036166B2 - トナー、現像剤及びカラートナーセット - Google Patents

トナー、現像剤及びカラートナーセット Download PDF

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Description

本発明は、トナー、現像剤及びカラートナーセットに関する。
近年、トナーには、出力画像の高品質化のための小粒径化、及び耐高温オフセット性、省エネルギー化のための低温定着性、並びに製造後の保管時や運搬時における高温高湿に耐えうる耐熱保存性が要求されている。特に、定着時における消費電力は画像形成工程における消費電力の多くを占めるため、低温定着性の向上は非常に重要である。
従来、混練粉砕法で作製されたトナーが使用されてきた。混練粉砕法で作製されたトナーは、小粒径化が困難であると共に、その形状が不定形かつ粒径分布がブロードであることから出力画像の品質が十分ではないこと、定着エネルギーが高いことなどの問題点があった。また、定着性向上のためにワックス(離型剤)を添加している場合、混練粉砕法で作製されたトナーは、粉砕の際にワックスの界面で割れるために、ワックスがトナー表面に多く存在してしまう。そのため、離型効果が出る一方で、キャリア、感光体及びブレードへのトナーの付着(フィルミング)が起こりやすくなり、全体的な性能としては、満足のいくものではないとう問題点があった。
そこで、混練粉砕法による上述の問題点を克服するために、重合法によるトナーの製造方法が提案されている。前記重合法で製造されたトナーは、小粒径化が容易であり、粒度分布も粉砕法で製造されたトナーの粒度分布に比べてシャープであり、更に、離型剤の内包化も可能である。前記重合法によるトナーの製造方法としては、低温定着性の改良及び耐高温オフセット性の改良を目的として、トナーバインダーとして、ウレタン変性されたポリエステルの伸長反応物からトナーを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、小粒径トナーとした場合の粉体流動性及び転写性に優れると共に、耐熱保存性、低温定着性及び耐高温オフセット性のいずれにも優れたトナーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
また、安定した分子量分布のトナーバインダーを製造し、低温定着性及び耐高温オフセット性を両立させるための、熟成工程を有するトナーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献4及び5参照)。
しかし、これらの提案の技術は、近年要求される高いレベルの低温定着性を満足するものでない。
そこで、高いレベルの低温定着性を得る目的で、結晶性ポリエステル樹脂を含む樹脂、及び離型剤を含有し、樹脂とワックスが互いに非相溶で海島状の相分離構造を有するトナーが提案されている(例えば、特許文献6参照)。
また、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤及びグラフト重合体を含有するトナーが提案されている(例えば、特許文献7参照)。
これらの提案の技術は、結晶性ポリエステル樹脂が非晶質ポリエステル樹脂に比べて急速に溶融するため低温定着化を成し得る。しかし、海島状の相分離構造における島にあたる結晶性ポリエステル樹脂が融解しても、大部分の海にあたる非晶質ポリエステル樹脂は未だ融解しない。そうすると、結晶性ポリエステル樹脂、及び非晶質ポリエステル樹脂の双方がある程度融解しないと定着しないため、これらの提案の技術は、近年更に高まっている高いレベルの低温定着性を満足するものでない。
また、トナーには、低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性に優れることに加え、高画質画像への要求から、色再現性の良いことが求められている。
ところで、トナー中に蛍光増白剤を入れる技術が提案されている(例えば、特許文献8及び9参照)。しかし、これらの技術において、蛍光増白剤は、可視画像の色再現性を上げる目的では使用されていない。
また、一般的に、トナーには耐熱性及び耐光性に優れた有機顔料が用いられているが、延展性に劣る樹脂をトナー中の樹脂として用いた場合、異なる2色のトナーを重ねて作製するブルー、レッド、グリーンの2次色において、重ね合わされた各色のカラートナーのうち最下層のものがそれより上層のものに隠蔽されてしまい、最下層のトナーの色彩を視認することが困難となって彩度が低下し、画像の色再現性を阻害するという欠点がある。
そのため、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性を向上させると、色再現性が低下するという問題がある。
したがって、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性を有し、かつ色再現性に優れるトナーが求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性を有し、かつ色再現性に優れるトナーを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のトナーは、結着樹脂と着色剤とを含有し、50℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、80℃の損失弾性率が8.0×10Pa以上2.0×10Pa以下であり、かつ160℃の損失弾性率が2.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であることを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性を有し、かつ色再現性に優れるトナーを提供することができる。
(トナー)
本発明のトナーは、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記トナーは、50℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、80℃の損失弾性率が8.0×10Pa以上2.0×10Pa以下であり、かつ160℃の損失弾性率が2.0×10Pa以上1.0×10Pa以下である。
<貯蔵弾性率及び損失弾性率>
前記トナーは、50℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、80℃の損失弾性率が8.0×10Pa以上2.0×10Pa以下であり、かつ160℃の損失弾性率が2.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であることにより、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性を有し、かつ色再現性に優れるトナーを提供することができる。
ここで、50℃という温度は、画像形成装置により連続の画像形成を行った場合に、トナー担持体、感光体、及びそれらの周辺部材の表面温度が達する温度であり、トナーはこの温度域で現像工程に供される。そのため、この温度(50℃)でトナーが変形しやすいと、現像部でトナー同士が凝集したり、トナー担持体へ固着したりすることで、画像上にトナー凝集物由来の点状の汚れや、トナーの感光体への供給異常による白抜けが発生する。また、耐熱保存性が低下する。したがって、この温度ではトナーは変形しにくいことが求められるので、50℃での貯蔵弾性率は1.0×10Pa以上必要である。
なお、例えば、Tgが高い樹脂を用いたり、弾性の低い結晶性樹脂の量を制御することにより、トナーの50℃の貯蔵弾性率を1.0×10Pa以上にすることができる。
前記トナーの50℃の貯蔵弾性率としては、1.0×10Pa以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0×10Pa以上2.0×10Pa以下が好ましく、1.0×10Pa以上1.5×10Pa以下がより好ましい。前記50℃の貯蔵弾性率が、1.0×10Pa未満であると、耐高温オフセット性及び耐熱保存性が不十分となる。前記50℃の貯蔵弾性率が、前記より好ましい範囲内であると、より優れた低温定着性、耐熱保存性を有するトナーが得られる点で有利である。
一方、優れた低温定着性を達成するためには、トナーの損失弾性率が低いことが必要である。前記トナーでは、80℃の損失弾性率が8.0×10Pa以上2.0×10Pa以下である。優れた低温定着性を達成するためには、トナーの溶融する温度を下げる必要があるが、80℃という温度は、高温高湿環境で連続画像形成したときにトナー担持体、感光体、及びそれらの周辺部材の表面温度が達すると考えられる温度であるので、従来は、信頼性確保のために、80℃で1.0×10Pa程度の高い損失弾性率が求められた。一方、本発明のトナーは、80℃での損失弾性率が8.0×10Pa以上2.0×10Pa以下と低くても耐熱保存性を保持することが可能となり、低温定着性と両立することが可能となる。これは、例えば、前記トナーが、後述する超低温域にガラス転移温度を有するが溶融粘性が高く流動しづらい非晶質ポリエステル樹脂Aと、後述するガラス転移温度が40℃以上70℃以下と高い非晶質ポリエステル樹脂Bとを含有することで好適に実現できる。また、前記非晶質ポリエステル樹脂Aと前記非晶質ポリエステル樹脂Bとは、相溶することが好ましい。
また、例えば、後述する非晶質ポリエステル樹脂Aの分子量、ガラス転移温度などの特性値や配合量の制御、後述する結晶性ポリエステル樹脂Cのガラス転移温度などの特性値や配合量の制御などにより、トナーの80℃の損失弾性率を8.0×10Pa以上2.0×10Pa以下にすることができる。
前記トナーの80℃の損失弾性率としては、8.0×10Pa以上2.0×10Pa以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0×10Pa以上1.8×10Pa以下が好ましく、1.0×10Pa以上1.6×10Pa以下がより好ましい。前記80℃の損失弾性率が、8.0×10Pa未満であると、耐熱保存性が不十分で保管後のトナーの流動性や、マシン(画像形成装置)の中で熱がかかった際に固化し搬送不良が起きる原因となる。前記80℃の損失弾性率が、2.0×10Paを超えると、定着に必要な粘度を確保できず低温定着できなくなる。前記80℃の損失弾性率が、前記より好ましい範囲内であると、より優れた低温定着性、及び耐熱保存性を有するトナーが得られる点で有利である。
また、高い耐高温オフセット性と、十分に広い定着温度幅と、定着温度領域で十分に高いトナーの延展性を確保し優れた色再現性とを得るために、前記トナーは、160℃の損失弾性率が2.0×10Pa以上1.0×10Pa以下の関係を満たす。前記160℃の損失弾性率が、2.0×10Pa未満であると、高温オフセットを起こしやすくなる。なお、通常、定着時は、紙などの記録媒体に熱を奪われるため定着温度より20℃くらい低い温度がトナーにかかると考えられる。前記160℃の損失弾性率が、2.0×10Pa以上1.0×10Pa以下のトナーは、例えば、後述する超低温域にガラス転移温度を有するが溶融粘性が高く流動しづらい非晶質ポリエステル樹脂Aを用いることにより好適に実現できる。
また、例えば、後述する非晶質ポリエステル樹脂Aのモノマー組成や配合量を制御することにより、トナーの160℃の損失弾性率を2.0×10Pa以上1.0×10Pa以下にすることができる。
前記トナーの160℃の損失弾性率としては、2.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3.0×10Pa以上8.0×10Pa以下が好ましく、3.0×10Pa以上6.0×10Pa以下がより好ましい。前記160℃の損失弾性率が、2.0×10Pa未満であると、高温オフセットが起きる温度が下がるので十分な定着温度幅を確保できなくなる。前記160℃の損失弾性率が、1.0×10Paを超えると、定着温度幅は確保できるが、トナーの延展性が乏しくなるので、結果として定着時のトナーの色再現域が狭くなる(即ち、色再現性が低下する)。前記160℃の損失弾性率が、前記より好ましい範囲内であると、より優れた低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性を有し、かつより色再現性に優れるトナーが得られる点で有利である。
<<トナーの貯蔵弾性率G’、及び損失弾性率G’’の測定方法>>
前記トナーの前記貯蔵弾性率(G’)、及び前記損失弾性率(G’’)は、例えば、動的粘弾性測定装置(ARES、TAインスツルメント社製)を用いて測定できる。測定の際の周波数は、1Hzである。
具体的には、測定試料を、直径8mm、厚み1mm〜2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて200℃まで昇温速度2.0℃/分間で昇温させて、貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定する。
本明細書では、50℃の貯蔵弾性率をG’(50℃)、80℃の損失弾性率をG’’(80℃)、160℃の損失弾性率をG’’(160℃)と表すことがある。
<変曲点温度>
前記トナーの前記貯蔵弾性率を温度(℃)の関数で表したときの前記関数は、55℃以上65℃以下の範囲に変曲点を有することが好ましく、57℃以上61℃以下の範囲に変曲点があることがより好ましい。
前記変曲点では、前記関数の2次導関数が0になる。また、前記変曲点における温度よりも低い一定の温度領域では、前記関数の2次導関数は、負になり、前記変曲点における温度よりも高い一定の温度領域では、前記関数の2次導関数は、正になる。一定の温度領域とは最低5℃程度の温度幅のことをいう。
前記変曲点が現れる温度よりも低温の場合、トナー内部における分子鎖どうしの絡み合いが強く、分子鎖の身動きがとりにくい状態にあると考えられる。一方、前記変曲点が現れる温度よりも高温の場合、トナー内部の分子の鎖(高分子)の絡み合いが少し緩み、分子鎖が徐々にミクロブラウン運動をしやすくなり、ゴム状態になっていると考えられる。そのため、前記変曲点における温度が、55℃未満であると、耐熱保存性の確保が困難になることがあり、65℃を超えると、十分な低温定着性を確保することが困難になることがある。
前記変曲点における温度は、動的粘弾性測定装置に付属するソフトウェアなどで求めることができるし、マイクロソフト社のエクセルなどの表計算ソフトを利用して求めてもよい。前記エクセルを利用する方法を以下に説明する。動的粘弾性測定装置の測定データをCSV形式で出力し温度及び貯蔵弾性率を前記エクセルで読み取る。読みとった隣り合った2点について、貯蔵弾性率の差を温度の差で割り求めた値を、元々の温度に対してプロットとすると、温度と貯蔵弾性率との関数(前記関数)の1次導関数を求めることができる。同様にして、貯蔵弾性率の差を温度の差で割り求めた値と温度について、隣り合った2点の傾きを求め、元々の温度に対してプロットすると貯蔵弾性率と温度との関数(前記関数)の2次導関数を求めることができる。プロットから、2次導関数が負になる区間から正になる区間を求め、途中のゼロになる点を前記変曲点として求めることができる。
<結着樹脂>
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非線状の反応性前駆体と硬化剤との反応により得られかつガラス転移温度が−60℃以上0℃以下である非晶質ポリエステル樹脂A、及び結晶性ポリエステル樹脂Cを含有することが好ましく、更にガラス転移温度が40℃以上70℃以下である非晶質ポリエステル樹脂Bを含有することがより好ましい。
前記トナーが、前記非晶質ポリエステル樹脂A、及び前記結晶性ポリエステル樹脂Cを含有することで、50℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、80℃の損失弾性率が8.0×10Pa以上2.0×10Pa以下であり、かつ160℃の損失弾性率が2.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であるトナーを容易に得ることができる。また、前記トナーが、前記非晶質ポリエステル樹脂A、前記非晶質ポリエステル樹脂B、及び前記結晶性ポリエステル樹脂Cを含有することで、前記特性を有する本発明のトナーをより容易に得ることができる。
低温定着性をより向上させるためは、一般に、非晶質ポリエステル樹脂を結晶性ポリエステル樹脂と共に溶融するように、ガラス転移温度を低くする方法又は分子量を小さくする方法が考えられる。しかし、単純に非晶質ポリエステル樹脂のガラス転移温度を低くする又は分子量を小さくすることにより溶融粘性を低下させた場合、トナーの耐熱保存性、及び定着時の高温オフセット性が悪化することは容易に想像される。
それに対して、前記トナーにおいて、前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、ガラス転移温度が非常に低いため、低温で変形する性質を有し、定着時の加熱、及び加圧に対して変形し、より低温で紙などの記録媒体に接着しやすくなる性質を有する。また、前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、反応性前駆体が非線状であることから、分子骨格中に分岐構造を有し、分子鎖が三次元的な網目構造となるため、低温で変形するが、流動しないというゴム的な性質を有する。そのため、トナーの耐熱保存性、耐高温オフセット性の保持が容易に可能となる。なお、前記非晶質ポリエステル樹脂Aが、凝集エネルギーの高いウレタン結合又はウレア結合を有する場合には、紙などの記録媒体への接着性がより優れる。また、ウレタン結合又はウレア結合は、擬似架橋点のような挙動を示すことから、ゴム的性質はより強くなり、結果、トナーの耐熱保存性、耐高温オフセット性がより優れる。
即ち、前記トナーは、超低温域にガラス転移温度を有するが、溶融粘性が高く流動しづらい前記非晶質ポリエステル樹脂Aを、前記非晶質ポリエステル樹脂B、及び前記結晶性ポリエステル樹脂Cと併用することで、従来よりトナーのガラス転移温度を低く設定しても耐熱保存性、耐高温オフセット性を保持することが可能となる。更に、トナーのガラス転移温度を低くする(例えば、前記トナーの示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)を20℃以上40℃以下にすることにより、低温定着性に優れる。
<<非晶質ポリエステル樹脂A>>
前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、非線状の反応性前駆体と硬化剤との反応により得られ、かつガラス転移温度が−60℃以上0℃以下である。
前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、紙などの記録媒体への接着性がより優れる点から、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有することが好ましい。また、前記非晶質ポリエステル樹脂Aが、ウレタン結合及びウレア結合のいずれかを有することにより、ウレタン結合又はウレア結合が擬似架橋点のような挙動を示し、前記非晶質ポリエステル樹脂Aのゴム的性質が強くなり、トナーの耐熱保存性、耐高温オフセット性がより優れる。
−非線状の反応性前駆体−
前記非線状の反応性前駆体としては、前記硬化剤と反応可能な基を有するポリエステル樹脂(以下、「プレポリマー」と称することがある。)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記プレポリマーにおける前記硬化剤と反応可能な基としては、例えば、活性水素基と反応可能な基などが挙げられる。前記活性水素基と反応可能な基としては、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、酸クロリド基などが挙げられる。これらの中でも、前記非晶質ポリエステル樹脂Aにウレタン結合又はウレア結合を導入可能な点で、イソシアネート基が好ましい。
前記プレポリマーは、非線状である。前記非線状とは、3価以上のアルコール及び3価以上のカルボン酸の少なくともいずれかによって付与される分岐構造を有することを意味する。
前記プレポリマーとしては、イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂が好ましい。
−−イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂−−
前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物などが挙げられる。前記活性水素基を有するポリエステル樹脂は、例えば、ジオールと、ジカルボン酸と、3価以上のアルコール及び3価以上のカルボン酸の少なくともいずれかとを重縮合することにより得られる。前記3価以上のアルコール及び前記3価以上のカルボン酸は、前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂に分岐構造を付与する。
−−−ジオール−−−
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジオール、オキシアルキレン基を有するジオール、脂環式ジオール、脂環式ジオールにアルキレンオキシドを付加したもの、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
前記脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールなどが挙げられる。
前記オキシアルキレン基を有するジオールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどが挙げられる。
前記アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどが挙げられる。
これらの中でも、炭素数4以上12以下の脂肪族ジオールが好ましい。
これらのジオールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−ジカルボン酸−−−
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、これらの無水物を用いてもよいし、低級(炭素数1以上3以下)アルキルエステル化物を用いてもよいし、ハロゲン化物を用いてもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8以上20以下の芳香族ジカルボン酸が好ましい。前記炭素数8以上20以下の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
これらのジカルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−3価以上のアルコール−−−
前記3価以上のアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3価以上の脂肪族アルコール類、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
前記3価以上の脂肪族アルコール類としては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したものなどが挙げられる。
−−−3価以上のカルボン酸−−−
前記3価以上のカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3価以上の芳香族カルボン酸などが挙げられる。また、これらの無水物を用いてもよいし、低級(炭素数1以上3以下)アルキルエステル化物を用いてもよいし、ハロゲン化物を用いてもよい。
前記3価以上の芳香族カルボン酸としては、炭素数9以上20以下の3価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9以上20以下の3価以上の芳香族カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
−−−ポリイソシアネート−−−
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジイソシアネート、3価以上のイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトカプロン酸メチル、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3−メチルジフェニルメタン、4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
これらのポリイソシアネートは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−硬化剤−
前記硬化剤としては、前記非線状の反応性前駆体と反応し、前記非晶質ポリエステル樹脂Aを生成できる硬化剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物などが挙げられる。
−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物における活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウレア結合を形成可能な点で、アミン類が好ましい。
前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、3価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の3価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミンなどが挙げられる。
前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
前記脂環式ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。
前記脂肪族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
前記3価以上のアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記アミノ基をブロックしたものとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
前記非晶質ポリエステル樹脂AのTgを低くし、低温で変形する性質を付与しやすくするために、前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、構成成分にジオール成分を含み、前記ジオール成分が、炭素数4以上12以下の脂肪族ジオールを50質量%以上含有することが好ましい。
また、前記非晶質ポリエステル樹脂AのTgを低くし、低温で変形する性質を付与しやすくするために、前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、全アルコール成分中に炭素数4以上12以下の脂肪族ジオールを50質量%以上含有することが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂AのTgを低くし、低温で変形する性質を付与しやすくするために、前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、構成成分にジカルボン酸成分を含み、前記ジカルボン酸成分が、炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸を50質量%以上含有することが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度は、−60℃以上0℃以下であり、−40℃以上−20℃以下がより好ましい。前記ガラス転移温度が、−60℃未満であると、低温でのトナーの流動が抑制できずに、耐熱保存性が悪化し、また、耐フィルミング性が悪化することがある。前記ガラス転移温度が、0℃を超えると、定着時の加熱及び加圧によるトナーが十分に変形できず、低温定着性が不十分となることがある。
前記非晶質ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定において、20,000以上1,000,000以下が好ましい。前記非晶質ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量は、前記非線状の反応性前駆体と前記硬化剤を反応させた反応生成物の分子量である。前記重量平均分子量が、20,000未満であると、トナーが低温で流動しやすくなり、耐熱保存性に劣る場合がある。また溶融時の粘性が低くなり、高温オフセット性が低下する場合がある。
前記非晶質ポリエステル樹脂Aの分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1及び990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものを非晶質ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
前記非晶質ポリエステル樹脂Aの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、5質量部〜25質量部が好ましく、10質量部〜20質量部がより好ましい。前記含有量が、5質量部未満であると、低温定着性、及び耐高温オフセット性が悪化することがあり、25質量部を超えると、耐熱保存性の悪化、及び定着後に得られる画像の光沢度が低下することがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性の全てに優れる点で有利である。
<非晶質ポリエステル樹脂B>
前記非晶質ポリエステル樹脂Bは、ガラス転移温度が40℃以上70℃以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bとしては、線状のポリエステル樹脂が好ましい。前記線状のポリエステル樹脂とは、エステル結合を有する側鎖を持たないポリエステル樹脂を意味する。そのため、ポリマーの末端に3価以上のアルコール残基、又は3価以上のカルボン酸残基を有するポリエステル樹脂は、線状のポリエステル樹脂に含まれる。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bとしては、未変性ポリエステル樹脂が好ましい。前記未変性ポリエステル樹脂とは、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られるポリエステル樹脂であって、イソシアネート化合物などにより変性されていないポリエステル樹脂である。
前記多価アルコールとしては、例えば、ジオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物などが挙げられる。
前記ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価カルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸などが挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸などが挙げられる。
前記炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸としては、例えば、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸価、水酸基価を調整する目的で、前記非晶質ポリエステル樹脂Bは、その樹脂鎖の末端に3価以上のカルボン酸及び3価以上のアルコールの少なくともいずれかを含んでいてもよい。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、又はそれらの酸無水物などが挙げられる。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量が低すぎる場合、トナーの耐熱保存性、現像機内での攪拌等のストレスに対する耐久性が劣る場合があり、分子量が高すぎる場合、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性が劣る場合があることから、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定において、重量平均分子量(Mw)3,000以上10,000以下であることが好ましい。また、数平均分子量(Mn)は、1,000以上4,000以下であることが好ましい。また、Mw/Mnは、1.0以上4.0以下であることが好ましい。
前記重量平均分子量(Mw)は、4,000以上7,000以下がより好ましい。前記数平均分子量(Mn)は、1,500以上3,000以下がより好ましい。前記Mw/Mnは、1.0以上3.5以下がより好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mgKOH/g〜50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜30mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が、1mgKOH/g以上であることにより、トナーが負帯電性となりやすく、更には、紙などの記録媒体への定着時に、紙などの記録媒体とトナーの親和性が良くなり、低温定着性を向上させることができる。前記酸価が、50mgKOH/gを超えると、帯電安定性、特に環境変動に対する帯電安定性が低下することがある。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bの水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mgKOH/g以上であることが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は、40℃以上70℃以下であり、50℃以上60℃以下がより好ましい。前記ガラス転移温度が、40℃未満であると、トナーの耐熱保存性、及び現像機内での攪拌等のストレスに対する耐久性が劣り、また、耐フィルミング性が悪化することがある。前記ガラス転移温度が、70℃を超えると、トナーの定着時における加熱及び加圧による変形が十分ではなく、低温定着性が不十分となることがある。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bの分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1及び990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものを非晶質ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、50質量部〜90質量部が好ましく、60質量部〜80質量部がより好ましい。前記含有量が、50質量部未満であると、トナー中の顔料、離型剤の分散性が悪化し、画像のかぶり、乱れを生じやすくなることがあり、90質量部を超えると、結晶性ポリエステル樹脂C、及び非晶質ポリエステル樹脂Aの含有量が少なくなるため、低温定着性に劣ることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高画質、及び低温定着性の全てに優れる点で有利である。
<<結晶性ポリエステル樹脂C>>
前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、高い結晶性をもつために、定着開始温度付近において急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。このような特性を有する前記結晶性ポリエステル樹脂Cを前記非晶質ポリエステル樹脂Bと共に用いることで、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性がよく、溶融開始温度では結晶性ポリエステル樹脂Cの融解による急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし、それに伴い非晶質ポリエステル樹脂Bと相溶し、共に急激に粘度低下することで定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。また、離型幅(定着下限温度と耐高温オフセット発生温度との差)についても、良好な結果を示す。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、例えば、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られる。
なお、本発明において結晶性ポリエステル樹脂Cとは、結晶性を有するポリエステル樹脂であれば、上記のごとく、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等の多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られるものであってもよいし、そのようにして得られる結晶性ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、水酸基を有する結晶性ポリエステル樹脂をポリイソシアネートで変性し、架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂であってもよい。
−多価アルコール−
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオールなどが挙げられる。前記飽和脂肪族ジオールとしては、直鎖飽和脂肪族ジオール、分岐飽和脂肪族ジオールが挙げられるが、これらの中でも、直鎖飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールがより好ましい。前記飽和脂肪族ジオールが分岐型であると、結晶性ポリエステル樹脂Cの結晶性が低下し、融点が低下してしまうことがある。また、前記飽和脂肪族ジオールの炭素数が12を超えると、実用上の材料の入手が困難となる。炭素数としては12以下であることがより好ましい。
前記飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、前記結晶性ポリエステル樹脂Cの結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが好ましい。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−多価カルボン酸−
前記多価カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、飽和脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、更に、これらの無水物やこれらの低級(炭素数1以上3以下)アルキルエステルも挙げられる。
前記飽和脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸などが挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級(炭素数1以上3以下)アルキルエステルなどが挙げられる。
また、前記多価カルボン酸としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸が含まれていてもよい。更に、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸を含有してもよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、炭素数4以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸と、炭素数2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールとから構成されることが好ましい。即ち、前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、炭素数4以上12以下の飽和脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位と、炭素数2以上12以下の飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位とを有することが好ましい。そうすることにより、結晶性が高く、シャープメルト性に優れることから、優れた低温定着性を発揮できる点で好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃以下であることが好ましい。前記融点が、60℃未満であると、結晶性ポリエステル樹脂Cが低温で溶融しやすく、トナーの耐熱保存性が低下することがあり、80℃を超えると、定着時の加熱による結晶性ポリエステル樹脂Cの溶融が不十分で、低温定着性が低下することがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、かつ分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が低下するという観点から、前記結晶性ポリエステル樹脂Cのオルトジクロロベンゼンの可溶分が、GPC測定において、重量平均分子量(Mw)3,000以上30,000以下、数平均分子量(Mn)1,000以上10,000以下、Mw/Mn1.0以上10以下であることが好ましい。
さらには、重量平均分子量(Mw)5,000以上15,000以下、数平均分子量(Mn)2,000以上10,000以下、Mw/Mn1.0以上5.0以下であることが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紙と樹脂との親和性の観点から、所望の低温定着性を達成するためには、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。一方、耐高温オフセット性を向上させるには、45mgKOH/g以下が好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、所望の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには、0mgKOH/g〜50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜50mgKOH/gがより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1又は990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを結晶性ポリエステル樹脂Cとして検出する方法が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、2質量部〜20質量部が好ましく、5質量部〜15質量部がより好ましい。前記含有量が、2質量部未満であると、結晶性ポリエステル樹脂Cによるシャープメルト化が不十分なため低温定着性に劣ることがあり、20質量部を超えると、耐熱保存性が低下すること、及び画像のかぶりが生じやすくなることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高画質、及び低温定着性の全てに優れる点で有利である。
前記非晶質ポリエステル樹脂A(樹脂A)、前記非晶質ポリエステル樹脂B(樹脂B)、及び前記結晶性ポリエステル樹脂C(樹脂C)の質量割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、質量比で、樹脂A:樹脂B:樹脂C=5〜25:50〜90:2〜20が好ましく、10〜20:60〜80:5〜15がより好ましい。
<着色剤>
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料などが挙げられる。これらの中でも、イエロー顔料、マゼンタ顔料、及びシアン顔料のいずれかを含有することが好ましい。
前記黒色顔料は、例えば、ブラックトナーに用いられる。前記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト、ニグロシン染料、鉄黒などが挙げられる。
前記イエロー顔料は、例えば、イエロートナーに用いられる。前記イエロー顔料としては、例えば、シイ・アイ・ピグメントイエロー(C.I.Pigment Yellow)74、93、97、109、128、151、154、155、166、168、180、185、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエローなどが挙げられる。
前記マゼンタ顔料は、例えば、マゼンタトナーに用いられる。前記マゼンタ顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、シイ・アイ・ピグメントレッド(C.I.Pigment Red)48:2、57:1、58:2、5、31、146、147、150、176、184、269等のモノアゾ顔料などが挙げられる。また、前記モノアゾ顔料に前記キナクリドン系顔料を併用してもよい。前記キナクリドン系顔料としては、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Violet 19が好ましく、C.I.Pigment Red 122がより好ましい。
前記シアン顔料は、例えば、シアントナーに用いられる。前記シアン顔料としては、例えば、Cu−フタロシアニン顔料、Zn−フタロシアニン顔料、Al−フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、Al−フタロシアニン顔料、及びZn−フタロシアニン顔料の少なくともいずれかは、Cu−フタロシアニン顔料だとジャパンカラーに対して赤味方向(Lab空間において+a方向)にずれがちなシアンのa値を緑味方向(Lab空間において−a方向)に広げることが可能なので、Cu−フタロシアニン顔料と併用することが好ましい。併用する際の配合比率としては、質量比(Al−フタロシアニン顔料及びZn−フタロシアニン顔料:Cu−フタロシアニン顔料)で40:60〜10:90が好ましい。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、例えば、前記非晶質ポリエステル樹脂Bの他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練してマスターバッチを得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、蛍光増白剤、離型剤、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
−蛍光増白剤−
前記蛍光増白剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外光を吸収して蛍光ピークが350nm〜450nmの蛍光を発する有機材料などが挙げられる。
前記蛍光増白剤としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、スチルベン誘導体、クマリン誘導体、ナフタールイミド誘導体、ベンジジン誘導体などが挙げられる。
前記ベンゾオキサゾール誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(K−A)で表される化合物、下記一般式(K−B)で表される化合物、下記構造式(K−C)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(K−A)中、Rは、アルキル基を表す。前記一般式(K−B)中、Rは、アルキル基を表す。
前記クマリン誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(K−D)で表される化合物などが挙げられる。
前記ナフタールイミド誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(K−E)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(K−D)中、Rは、トリアジン環、及びトリアゾール環の少なくもいずれかを有する置換基を表し、Rは、アルキル基、アルコキシ基、及びアリール基のいずれかを表す。前記一般式(K−E)中、Rは、アルキル基を表し、R、及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、及びアシルアミノ基のいずれかを表す。
これらの中でも、ベンゾオキサゾール誘導体、スチルベン誘導体が好ましく、ベンゾオ
キサゾール誘導体がより好ましい。
前記蛍光増白剤の具体例を以下に例示する。
ただし、上記構造式中、「(t)H−」、「−C(t)」は、tert−ブチル基を表す。「Et」は、エチル基を表す。
前記蛍光増白剤は、やや色を有していてもよいが、電子複写物の模様、色彩等の外観に悪影響を与えないように、少なくともカラートナーにした場合に可視光下では無色乃至白色であることが好ましい。このような観点から、前記蛍光増白剤の蛍光波長ピークは、400nm以下が好ましく、特に380nm以下がより好ましい。
前記蛍光増白剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.01質量部〜1.0質量部が好ましく、0.01質量部〜0.5質量部がより好ましく、0.01質量部〜0.02質量部が特に好ましい。前記含有量が、0.01質量部未満であると、短波長側の光(発色)が不足する結果、彩度が不足することがあり、1.0質量部を超えると、必要以上に短波長側の光(発色)を補充する結果、色相角がずれて色の再現性が下がることがある。前記含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、色相角のずれを抑制しつつ十分な彩度を確保できる点で有利である。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ロウ類、ワックス類などが挙げられる。
前記ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、天然ワックスなどが挙げられる。前記天然ワックスとしては、例えば、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油ワックスなどが挙げられる。
前記植物系ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックスなどが挙げられる。
前記動物系ワックスとしては、例えば、ミツロウ、ラノリンなどが挙げられる。
前記鉱物系ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシンなどが挙げられる。
前記石油ワックスとしては、例えば、パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタムなどが挙げられる。
また、前記離型剤としては、これら天然ワックスのほか、炭化水素系ワックスなどが挙げられる。前記炭化水素系ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
更に、脂肪酸アミド系化合物、低分子量の結晶性高分子樹脂、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子などが挙げられる。前記脂肪酸アミド系化合物としては、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミドなどが挙げられる。前記低分子量の結晶性高分子樹脂としては、例えば、ポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)などが挙げられる。
これらの中でも、炭化水素系ワックスが好ましく、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスがより好ましい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃以下が好ましい。前記融点が、60℃未満であると、低温で離型剤が溶融しやすくなり、耐熱保存性が劣る場合がある。前記融点が、80℃を超えると、樹脂が溶融して定着温度領域にある場合でも、離型剤が充分溶融せずに定着オフセットを生じ、画像の欠損を生じる場合がある。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、2質量部〜10質量部が好ましく、3質量部〜8質量部がより好ましい。前記含有量が、2質量部未満であると、定着時の耐高温オフセット性、及び低温定着性に劣ることがあり、10質量部を超えると、耐熱保存性が低下すること、及び画像のかぶりなどが生じやすくなることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高画質化、及び定着安定性を向上させる点で有利である。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー母体粒子作製後固定化させてもよい。
−外添剤−
前記外添剤としては酸化物微粒子の他に、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は1nm〜100nmが好ましく、5nm〜70nmの無機微粒子がより好ましい。
また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。また、BET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマーなどが挙げられる。
好適な添加剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子が挙げられる。シリカ微粒子としては、例えば、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル社製)などが挙げられる。また、チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。
疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えば、T−805(日本アエロジル株式会社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
疎水化処理されたシリカ微粒子、疎水化処理されたチタニア微粒子、及び疎水化処理されたアルミナ微粒子は、例えば、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。またシリコーンオイルを必要ならば熱を加えて無機微粒子に処理した、シリコーンオイル処理酸化物微粒子、無機微粒子も好適である。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが挙げられる。前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.3質量部〜3質量部がより好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以下が好ましく、3nm以上70nm以下がより好ましい。この範囲より小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。またこの範囲より大きいと、感光体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪酸金属塩、ソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。前記脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。前記ソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などが挙げられる。前記ソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
<コアシェル構造>
前記トナーは、コアとシェルとからなるコアシェル構造を有することが、耐熱保存性及び保管後の流動性確保の点から好ましい。
前記コアシェル構造としては、例えば、前記結着樹脂、前記着色剤などを含有するトナー粒子本体である前記コアの表面に、前記シェルとしてのアクリル樹脂微粒子が付着している構造などが挙げられる。
前記コアシェル構造は、例えば、後述するトナーの製造方法により形成することができる。
トナーがコアシェル構造を有しているかどうかは、トナーの断面を透過型電子顕微鏡観察することにより判断することができる。
<<コア>>
前記コアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂及び前記着色剤を含有することが好ましい。
<<シェル>>
前記シェルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アクリル樹脂微粒子により形成されるシェルであることが好ましい。
−アクリル樹脂微粒子−
前記アクリル樹脂微粒子の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体などが挙げられる。
また、前記アクリル樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を構成成分に含んでなる共重合体を用いることもできる。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
前記アクリル樹脂微粒子は、通常、構成成分にスチレンを含有しない。
前記アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜500nmが好ましく、100nm〜400nmがより好ましい。このような体積平均粒径を有する前記アクリル樹脂微粒子が、前記コアの表面に付着していることにより、スペーサ効果によりトナー粒子の非静電的付着力を低減することができるとともに、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合においても前記アクリル樹脂微粒子がトナーの表面に埋没することによる非静電的付着力の増加を抑制することが可能となり、長期に渡り十分な転写効率を維持することができる。特に中間転写方式での一次転写工程と二次転写工程との二度の転写工程を有する場合に、非常に有効である。比較的高速の画像形成プロセス(転写線速300mm/sec〜1,000mm/sec、二次ニップ部での転写時間が0.5msec〜20msec)において特にその効果が大きく発揮できる。
前記体積平均粒径が10nm未満であると、スペーサ効果が十分に得られないためトナー粒子の非静電的付着力を低減することができず、更に、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合には、トナーの表面にアクリル樹脂微粒子や外添剤が埋没しやすくなり、長期に渡り十分な転写効率を維持することができないことがある。また、前記体積平均粒径が500nmよりも大きい場合には、トナーの流動性が悪くなり、均一転写性を阻害することがある。
前記体積平均粒径は、例えば、LA−920(株式会社堀場製作所製)で測定することができる。
前記シェルのガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃以上100℃以下が好ましく、50℃以上90℃以下がより好ましく、70℃以上90℃以下が特に好ましい。前記ガラス転移温度(Tg)が、50℃未満であると、トナーの保存性が悪化してしまい、保管時及び現像機内でブロッキングを発生してしまうことがある。前記ガラス転移温度(Tg)が、100℃を超えると、前記アクリル樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまうことがある。
前記シェルが前記アクリル樹脂微粒子により形成される場合、前記シェルのガラス転移温度は、前記アクリル樹脂微粒子のガラス転移温度ということもできる。
一般に、現像機に充填されたトナーは、主に現像機内部での機械的ストレスによってトナー表面の樹脂微粒子がトナーの内部に埋め込まれたりトナー粒子本体の表面の凹部に移動したりして、付着力の低減効果が失われる。また外添剤が同様のストレスにさらされることによってトナー内部に埋没し、トナーの付着力が増大する。
しかし、前記コアシェル構造を有し、前記シェルが前記アクリル樹脂微粒子から形成されるトナーにおいては、前記アクリル樹脂微粒子が比較的大きくトナー粒子本体に埋没しにくい。特に、前記アクリル樹脂微粒子がアクリル酸エステル重合体、又はメタクリル酸エステル重合体を含む架橋樹脂の微粒子であることが好ましい。このようなアクリル樹脂微粒子は、架橋されていて比較的硬いため、現像器内での機械的ストレスによってトナー粒子表面で変形することなく、スペーサ効果も保つため外添剤の埋没も防止し、上述の付着力維持にはさらに適している。
前記シェルの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記シェルのテトラヒドロフランの可溶分が、GPC測定において、重量平均分子量(Mw)10,000以上1,000,000以下の範囲内であることが好ましい。前記シェルのMwが、10,000未満であると、有機溶媒(例えば、酢酸エチル)に対するシェルの溶解性が上がり、前記シェルを構成する材料(例えば、アクリル樹脂微粒子)をトナー表面に付着させることが困難になることがあり、1,000,000を超えると、シェルの樹脂粘性が上がり、低温定着性が悪化することがある。
前記シェルの平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜500μmが好ましく、20μm〜300μmがより好ましく、30μm〜200μmが特に好ましい。前記平均厚みが、10μm未満であると、耐熱保存性が不足したり、耐ストレス性が不足することがあり、500μmを超えると、定着下限が不十分であったり、トナーの流動性が悪化し転写均一性が確保できなかったりすることがある。前記平均厚みが、前記特に好ましい範囲内であると、マシン(画像形成装置)内のストレスによる埋没を防ぎ長期間に渡り十分な転写効率を維持できる点で有利である。
ここで、前記シェルの平均厚みは、例えば、以下の方法で測定することができる。いずれの方法においても、無作為に抽出した10個のトナーについてシェル厚みを測定し、その平均値をシェルの平均厚みとする。
(1)透過型電子顕微鏡(TEM)による評価
まず、トナーをスパチュラ一杯程度のエポキシ系樹脂に包埋して硬化させる。四酸化ルテニウムで試料を5分間ガス暴露することでシェルとコアを識別染色する。ナイフで断面出ししてウルトラミクロトーム(Leica社製、ULTRACUT UCT、ダイヤナイフ使用)でトナーの超薄切片(厚み200nm)を作製する。その後、透過型電子顕微鏡(TEM;H7000、日立ハイテク株式会社製)により加速電圧100kVで観察する。
(2)FE−SEM(走査型電子顕微鏡)による評価
まず、トナーをスパチュラ一杯程度のエポキシ系樹脂に包埋して硬化させる。四酸化ルテニウムで試料を5分間ガス暴露することでシェルとコアを識別染色する。ナイフで断面出ししてウルトラミクロトーム(Leica社製、ULTRACUT UCT、ダイヤナイフ使用)でトナー断面を作製する。その後FE−SEM(走査型電子顕微鏡;Ultra55、Zeiss社製)により加速電圧0.8kVで反射電子像を観察する。
(3)SPMによる評価
まず、トナーをスパチュラ一杯程度のエポキシ系樹脂に包埋して硬化させる。ナイフで断面出ししてウルトラミクロトーム(Leica社製、ULTRACUT UCT、ダイヤナイフ使用)でトナー断面を作製する。その後SPM(走査型プローブ顕微鏡;MMAFM型マルチモードSPMユニット、Veeco社製)によりタッピングモードで位相イメージにより粘弾性、付着性の違いによる層イメージを観察する。
前記シェルの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.5質量部〜5質量部が好ましく、1質量部〜4質量部がより好ましい。前記含有量が、0.5質量部未満であると、スペーサ効果が十分に得られないためトナー粒子の非静電的付着力を低減することができないことがあり、5質量部を超えると、トナーの流動性が悪くなり、均一転写性を阻害したり、前記シェルを構成する材料(例えば、アクリル樹脂微粒子)がトナーに充分固定化できずに離脱しやすくなり、キャリアや感光体などに付着し、感光体などを汚染してしまうことがある。
前記シェルと前記非晶質ポリエステル樹脂Aとは、非相溶であることが、前記トナーの製造における乳化時に前記シェルがトナー表面に固定化されやすい点で好ましい。
前記シェルと前記非晶質ポリエステル樹脂Bとは、非相溶であることが、前記トナーの製造における乳化時に前記シェルがトナー表面に固定化されやすい点で好ましい。
前記シェルと前記結晶性ポリエステル樹脂Cとが、非相溶であることが、前記トナーの製造における乳化時に前記シェルがトナー表面に固定化されやすい点で好ましい。
ここで、本発明において、前記シェルと樹脂とが「非相溶」であるとは、トナー材料の乳化液滴にシェルが付着した際にシェルがトナー材料中の樹脂に溶解しないことをいう。そして、「非相溶」かどうかは、例えば、後述のように、ポリエステル樹脂溶液にシェル(例えば、アクリル樹脂微粒子)を混合し、分離するか否かを目視することにより確認できる。
前記トナーは、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が、20℃以上40℃以下であることが好ましい。
従来のトナーであると、Tgが50℃以下程度になると、夏場や熱帯地方を想定したトナーの輸送時、及び保管環境での温度変化によりトナーの凝集が発生しやすくなる。その結果、トナーボトル中での固化、及び現像機内でのトナーの固着が発生する。また、トナーボトル内でのトナー詰りによる補給不良、及び現像機内でのトナー固着による画像異常が発生しやすくなる。
本発明の前記トナーは、従来のトナーよりTgを低くしても、例えば、トナー中の低Tg成分である前記非晶質ポリエステル樹脂Aが非線状であるため、前記トナーは、耐熱保存性を保持することができる。特に、前記非晶質ポリエステル樹脂Aが凝集力の高いウレタン結合又はウレア結合を有する場合には、耐熱保存性を保持する効果がより顕著になる。
前記Tg1stが、20℃未満であると、耐熱保存性の低下、現像機内でのブロッキング、及び感光体へのフィルミングが発生することがあり、40℃を超えると、トナーの低温定着性が低下することがある。
また、前記トナーの示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目のガラス転移温度(Tg1st)と昇温2回目のガラス転移温度(Tg2nd)との差(Tg1st−Tg2nd)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10℃以上であることが好ましい。前記差の上限は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃以下が好ましい。
前記差が10℃以上であると、より低温定着性に優れる点で有利である。前記差が10℃以上であることは、例えば、加熱前(昇温1回目の前)には非相溶状態で存在していた結晶性ポリエステル樹脂Cと、非晶質ポリエステル樹脂A及び非晶質ポリエステル樹脂Bとが、加熱後(昇温1回目の後)には相溶状態になることを意味する。なお、加熱後の相溶状態は、完全な相溶状態である必要はない。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上7μm以下であることが好ましい。また、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比は1.2以下であることが好ましい。また、体積平均粒径が2μm以下である成分を1個数%以上10個数%以下含有することが好ましい。
<トナー及びトナー構成成分の各種特性の算出方法及び分析方法>
前記非晶質ポリエステル樹脂A、前記非晶質ポリエステル樹脂B、前記結晶性ポリエステル樹脂C、及び離型剤のSP値、Tg、酸価、水酸基価、分子量、及び融点は、それぞれ、それ自体について測定してもよいが、実際のトナーからゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)等により分離を行い、その分離した各成分について後述の分析手法を採ることで、SP値、Tg、分子量、融点、構成成分の質量比を算出してもよい。
GPCによる各成分の分離は、例えば、以下の方法により行うことができる。
THF(テトラヒドロフラン)を移動相としたGPC測定において、溶出液についてフラクションコレクターなどにより分取を行い、溶出曲線の全面積分のうちの所望の分子量部分に相当するフラクションをまとめる。
このまとめた溶出液をエバポレーターなどにより濃縮及び乾燥した後、固形分を重クロロホルム又は重THFなどの重溶媒に溶解させ、H−NMR測定を行い、各元素の積分比率から、溶出成分における樹脂の構成モノマー比率を算出する。
また、他の手法としては、溶出液を濃縮後、水酸化ナトリウムなどにより加水分解を行い、分解生成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などにより定性定量分析することで構成モノマー比率を算出する。
なお、前記トナーの製造方法が、前記非線状の反応性前駆体と前記硬化剤との伸長反応及び/又は架橋反応により非晶質ポリエステル樹脂Aを生成しながら、トナー母体粒子を形成する場合には、実際のトナーからGPC等により分離を行い、前記非晶質ポリエステル樹脂AのTgなどを求めてもよいし、別途、前記非線状の反応性前駆体と前記硬化剤との伸長反応及び/又は架橋反応により非晶質ポリエステル樹脂Aを合成し、その合成した非晶質ポリエステル樹脂AからTgなどを測定してもよい。
<<トナー構成成分の分離手段>>
前記トナーを分析する際の各成分の分離手段の一例を詳細に示す。
まず、トナー1gを100mLのTHF中に投入し、25℃の条件下、30分間攪拌しながら可溶分が溶解した溶解液を得る。
これを目開き0.2μmのメンブランフィルターにてろ過し、トナー中のTHF可溶分を得る。
次いで、これをTHFに溶解してGPC測定用の試料とし、前述の各樹脂の分子量測定に用いるGPCに注入する。
一方、GPCの溶出液排出口にフラクションコレクターを配置して、所定のカウントごとに溶出液を分取しておき、溶出曲線の溶出開始(曲線の立ち上がり)から面積率で5%毎に溶出液を得る。
次いで、各溶出分について、1mLの重クロロホルムに30mgのサンプルを溶解させ、基準物質として0.05体積%のテトラメチルシラン(TMS)を添加する。
溶液を5mm径のNMR測定用ガラス管に充填し、核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製、JNM−AL400)を用い、23℃〜25℃の温度下、128回の積算を行い、スペクトルを得る。
トナーに含まれる前記非晶質ポリエステル樹脂A、前記非晶質ポリエステル樹脂B、及び前記結晶性ポリエステル樹脂Cなどのモノマー組成、及び構成比率は得られたスペクトルのピーク積分比率から求めることができる。
例えば、以下のようにピークの帰属を行い、それぞれの積分比から構成モノマーの成分比率を求める。
ピークの帰属は、例えば、
8.25ppm付近:トリメリット酸のベンゼン環由来(水素1個分)
8.07ppm〜8.10ppm付近:テレフタル酸のベンゼン環由来(水素4個分)
7.1ppm〜7.25ppm付近:ビスフェノールAのベンゼン環由来(水素4個分)
6.8ppm付近:ビスフェノールAのベンゼン環由来(水素4個分)及びフマル酸の二重結合由来(水素2個分)
5.2ppm〜5.4ppm付近:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のメチン由来(水素1個分)
3.7ppm〜4.7ppm付近:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のメチレン由来(水素2個分)及びビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のメチレン由来(水素4個分)
1.6ppm付近:ビスフェノールAのメチル基由来(水素6個分)
とすることができる。
これらの結果から、例えば、前記非晶質ポリエステル樹脂Aが90質量%以上を占めるフラクションに回収された抽出物を前記非晶質ポリエステル樹脂Aとして扱うことができる。同様に前記非晶質ポリエステル樹脂Bが90質量%以上を占めるフラクションに回収された抽出物を前記非晶質ポリエステル樹脂Bとして扱うことができる。前記結晶性ポリエステル樹脂Cが90質量%以上を占めるフラクションに回収された抽出物を前記結晶性ポリエステル樹脂Cとして扱うことができる。
<<樹脂の水酸基価の測定方法>>
樹脂の水酸基価は、JIS K0070−1966に準拠した方法を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料0.5gを100mLのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mLを加える。次に、100±5℃の温浴中で1時間〜2時間加熱した後、フラスコを温浴から取り出して放冷する。更に、水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。次に、無水酢酸を完全に分解させるために、再びフラスコを温浴中で10分間以上加熱して放冷した後、有機溶剤でフラスコの壁を十分に洗う。
更に、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で水酸基価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、以下の通りである。
〔測定条件〕
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CHONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume[mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n=1
comb.termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential1 No
Potential2 No
Stop for reevaluation No
<<樹脂の酸価の測定方法>>
酸価は、JIS K0070−1992に準拠した方法を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料0.5g(酢酸エチル可溶分では0.3g)をトルエン120mLに添加して、23℃で約10時間撹拌することにより溶解させる。次に、エタノール30mLを添加して試料溶液とする。なお、試料が溶解しない場合は、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いる。さらに、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で酸価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、上記した樹脂の水酸基価の測定方法の場合と同様である。
酸価は、以上のようにして測定することができるが、具体的には、予め標定された0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、滴定量から、酸価[mgKOH/g]=滴定量[mL]×N×56.1[mg/mL]/試料[g](ただし、Nは、0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液のファクター)により酸価を算出する。
<<樹脂、及び離型剤の融点、並びにガラス転移温度(Tg)の測定方法>>
本発明における樹脂、及び離型剤の融点、並びにガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いて測定することができる。
具体的には、対象試料の融点、ガラス転移温度は、下記手順により測定できる。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、−80℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する(昇温1回目)。その後、150℃から降温速度10℃/minにて−80℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱(昇温2回目)する。この昇温1回目、及び昇温2回目のそれぞれにおいて、示差走査熱量計(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目におけるガラス転移温度を求めることができる。また同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目におけるガラス転移温度を求めることができる。
また、得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目における吸熱ピークトップ温度を融点として求めることができる。また同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目における吸熱ピークトップ温度を融点として求めることができる。
本明細書では、対象試料としてトナーを用いた際の、1回目昇温時におけるガラス転移温度をTg1st、2回目昇温時におけるガラス転移温度をTg2ndとする。
また、本明細書では、前記非晶質ポリエステル樹脂A、前記非晶質ポリエステル樹脂B、及び前記結晶性ポリエステル樹脂C、更には前記離型剤等のその他構成成分のガラス転移温度、融点については、特に断りが無い場合、2回目昇温時における吸熱ピークトップ温度、Tgを各対象試料の融点、Tgとする。
<<粒度分布の測定方法>>
前記トナーの体積平均粒径(D)と個数平均粒径(D)、その比(D/D)は、例えば、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)等を用いて測定することができる。本発明ではコールターマルチサイザーIIを使用した。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル(非イオン性の界面活性剤))を0.1mL〜5mL加える。ここで、電解水溶液とは1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加える。試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D)、個数平均粒径(D)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
<<分子量の測定>>
トナーの各構成成分の分子量は、例えば、以下の方法で測定することができる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム:TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー株式会社製)
温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流速:0.35mL/min
試料:0.15質量%の試料を0.4mL注入
試料の前処理:試料をテトラヒドロフラン(THF、安定剤含有、和光純薬社製)に0.15質量%で溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を測定試料として用いる。前記THF試料溶液を100μL注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580を用いる。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
<トナーの製造方法>
前記トナーの製造方法としては、得られるトナーの50℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、80℃の損失弾性率が8.0×10Pa以上2.0×10Pa以下であり、かつ160℃の損失弾性率が2.0×10Pa以上1.0×10Pa以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記非晶質ポリエステル樹脂A、前記結晶性ポリエステル樹脂C、及び前記着色剤を含み、好ましくは前記非晶質ポリエステル樹脂Bを含み、更に必要に応じて、前記離型剤などを含むトナー材料を含有する油相を水系媒体中で分散させることにより造粒されることが好ましい。
また、前記トナーは、前記非線状の反応性前駆体、前記結晶性ポリエステル樹脂C、及び前記着色剤を含み、好ましくは前記非晶質ポリエステル樹脂Bを含み、更に必要に応じて、前記硬化剤、前記離型剤などを含むトナー材料を含有する油相を水系媒体中で分散させることにより造粒されることが好ましい。
このような前記トナーの製造方法の一例としては、公知の溶解懸濁法が挙げられる。
前記トナーの製造方法の一例として、前記非線状の反応性前駆体と前記硬化剤との伸長反応及び/又は架橋反応により非晶質ポリエステル樹脂Aを生成しながら、トナー母体粒子を形成する方法を以下に示す。このような方法においては、水系媒体の調製、トナー材料を含有する油相の調製、トナー材料の乳化乃至分散、有機溶媒の除去、及び加熱を行う。
<<油相の調製>>
前記トナー材料を含有する油相の調製は、前記非線状の反応性前駆体と、前記結晶性ポリエステル樹脂Cと、前記着色剤とを少なくとも含み、好ましくは前記非晶質ポリエステル樹脂Bを含み、更に必要に応じて前記硬化剤、前記離型剤などを含むトナー材料を、有機溶媒中に溶解乃至分散させることにより行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、除去が容易である点で、沸点が150℃未満の有機溶媒が好ましい。
前記沸点が150℃未満の有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
<<水系媒体相(水相)の調製>>
前記水系媒体相の調製は、例えば、水系媒体にアクリル樹脂微粒子を分散させ、更に必要に応じて水系媒体中にスチレン/アクリル樹脂微粒子を水系媒体に分散させることにより行うことができる。前記アクリル樹脂粒子の水系媒体中の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水系媒体100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部が好ましい。
前記水系媒体相が、前記アクリル樹脂微粒子を含有することにより、コアシェル構造を有するトナーを製造することができる。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶媒、これらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、水が好ましい。
前記水と混和可能な溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、低級ケトン類などが挙げられる。前記アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどが挙げられる。前記低級ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
前記水系媒体相の調製は、例えば、アニオン性界面活性剤の存在下で前記スチレン/アクリル樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行う。
前記アニオン性界面活性剤と前記スチレン/アクリル樹脂微粒子の前記水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、それぞれ、前記水系媒体に対して0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記アクリル樹脂微粒子は、その後前記水系媒体に加えられる。前記アクリル樹脂微粒子が前記アニオン性界面活性剤と凝集性を有する場合は、前記水系媒体を乳化前に高速せん断分散機にて分散させておくことが好ましい。
前記アニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセリールボレイト脂肪酸エステルなどが挙げられる。
前記スチレン/アクリル樹脂微粒子としては、前記アクリル樹脂微粒子とは異なる微粒子であって、構成成分にスチレンを有する樹脂微粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積平均粒子径が、5nm〜50nmであることが好ましい。また、前記スチレン/アクリル樹脂微粒子は、前記アクリル樹脂微粒子よりも体積平均粒子径が小さいことが好ましい。
前記アクリル樹脂微粒子は、前記アニオン性界面活性剤を含む前記水系媒体中で凝集体を生成する性質を有することが好ましい。前記トナーの製造方法において、前記水系媒体に前記アクリル樹脂微粒子が添加された時に、前記アクリル樹脂微粒子が前記トナー材料の液滴に付着せずに独立して安定に存在することは好ましくない。前記アニオン性界面活性剤を含む前記水系媒体中で前記アクリル樹脂微粒子が凝集体を作る性質を有することによって、乳化乃至分散時又は乳化乃至分散後に水系媒体相側に存在していた前記アクリル樹脂微粒子が前記トナー材料の液滴表面に移動し、容易にトナー材料の液滴表面に付着することができる。即ち、前記アニオン性界面活性剤を含む前記水系媒体中では、前記アクリル樹脂微粒子が不安定で、通常であれば凝集してしまうところ、前記トナー材料の液滴があると前記トナー材料の液滴との引力が強い場合異種粒子の複合体が形成される。
<<乳化乃至分散>>
前記トナー材料の乳化乃至分散は、前記トナー材料を含有する油相を、前記水系媒体中に分散させることにより行うことができる。そして、前記トナー材料を乳化乃至分散させる際に、前記硬化剤と前記非線状の反応性前駆体とを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより前記非晶質ポリエステル樹脂Aが生成する。
前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、例えば、以下の(1)〜(3)の方法により生成させることができる。
(1)前記非線状の反応性前駆体と前記硬化剤とを含む油相を、水系媒体中で乳化又は分散させ、水系媒体中で前記硬化剤と前記非線状の反応性前駆体とを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより前記非晶質ポリエステル樹脂Aを生成させる方法。
(2)前記非線状の反応性前駆体を含む油相を、予め前記硬化剤を添加した水系媒体中で乳化又は分散させ、水系媒体中で前記硬化剤と前記非線状の反応性前駆体とを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより前記非晶質ポリエステル樹脂Aを生成させる方法。
(3)前記非線状の反応性前駆体を含む油相を水系媒体中で乳化又は分散させた後で、水系媒体中に前記硬化剤を添加し、水系媒体中で粒子界面から前記硬化剤と前記非線状の反応性前駆体とを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより前記非晶質ポリエステル樹脂Aを生成させる方法。
なお、粒子界面から前記硬化剤と前記非線状の反応性前駆体とを伸長反応及び/又は架橋反応させる場合、生成するトナーの表面に優先的に前記非晶質ポリエステル樹脂Aが形成され、トナー中に前記非晶質ポリエステル樹脂Aの濃度勾配を設けることもできる。
前記非晶質ポリエステル樹脂Aを生成させるための反応条件(反応時間、反応温度)としては、特に制限はなく、前記硬化剤と、前記非線状の反応性前駆体との組み合わせに応じて、適宜選択することができる。
前記反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
前記反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。
前記水系媒体中において、前記非線状の反応性前駆体を含有する分散液を安定に形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系媒体相中に、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した油相を添加し、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。
前記分散のための分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機などが挙げられる。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒子径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましい。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間〜5分間が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記トナー材料を乳化乃至分散させる際の、水系媒体の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対して、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。
前記水系媒体の使用量が、50質量部未満であると、前記トナー材料の分散状態が悪くなって、所定の粒子径のトナー母体粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記非晶質ポリエステル樹脂Aを生成させる際の伸長反応及び/又は架橋反応には、触媒を用いることができる。
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズラウレートなどが挙げられる。
<<有機溶媒の除去>>
前記乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶媒を除去する方法などが挙げられる。
<<加熱>>
前記加熱の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)静止状態で加熱処理する方法、(2)攪拌下で加熱処理する方法などが挙げられる。前記加熱が行われると、表面が平滑なトナー粒子が形成される。また、前記加熱は、トナー粒子がイオン交換水で分散されている場合は、洗浄前に実施しても洗浄後に実施してもよい。
加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーの製造に用いる各種樹脂のガラス転移温度よりも高い温度が好ましい。
前記加熱工程を行うことにより、前記アクリル樹脂微粒子は、トナー表面に強固に固定化できる。
前記加熱を経ることにより、前記非晶質ポリエステル樹脂A、前記非晶質ポリエステル樹脂B、前記結晶性ポリエステル樹脂C、及び前記着色剤を含むトナー粒子本体であるコアの表面に、前記コアの表面に、前記シェルとしての前記アクリル樹脂微粒子が付着しているコアシェル構造のトナー母体粒子が得られる。
前記トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、さらに分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
得られたトナー母体粒子は、前記外添剤、前記帯電制御剤等の粒子と混合してもよい。このとき、機械的衝撃力を印加することにより、トナー母体粒子の表面から前記外添剤等の粒子が脱離するのを抑制することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
このため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。なお、現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
前記現像剤を一成分現像剤として用いる場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するブレード等の部材へのトナーの融着が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
前記現像剤を二成分現像剤として用いる場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
−芯材−
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、50emu/g〜90emu/gのマンガン−マグネシウム系材料などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜150μmが好ましく、40μm〜100μmがより好ましい。前記体積平均粒子径が10μm未満であると、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特に、ベタ部の再現が悪くなることがある。
前記トナーを二成分系現像剤に用いる場合には、前記キャリアと混合して用いればよい。前記二成分現像剤中の前記キャリアの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記二成分現像剤100質量部に対して、90質量部〜98質量部が好ましく、93質量部〜97質量部がより好ましい。
(カラートナーセット)
本発明のカラートナーセットは、イエロー顔料を含有する本発明の前記トナーであるイエロートナー、マゼンタ顔料を含有する本発明の前記トナーであるマゼンタトナー、及びシアン顔料を含有する本発明の前記トナーであるシアントナーの少なくとも2種を有し、更に必要に応じて、ブラックトナーなどのその他の成分を有する。
なお、「カラートナーセット」とは、電子写真方式のフルカラー画像形成装置にトナー供給を行うことを目的として、組み合わせ使用すべき複数の有彩色トナー一式をいう。
<イエロートナー>
前記イエロートナーは、イエロー顔料を含有する本発明の前記トナーである。前記イエロー顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナーの説明において例示した前記イエロー顔料などが挙げられる。
<マゼンタトナー>
前記マゼンタトナーは、マゼンタ顔料を含有する本発明の前記トナーである。前記マゼンタ顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナーの説明において例示した前記マゼンタ顔料などが挙げられる。
<シアントナー>
前記シアントナーは、シアン顔料を含有する本発明の前記トナーである。前記シアン顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナーの説明において例示した前記シアン顔料などが挙げられる。
前記カラートナーセットにおいては、彩度の向上の点から、前記マゼンタトナー及び前記シアントナーの少なくともいずれかが、蛍光増白剤を含有することが好ましい。
また、前記カラートナーセットにおいては、色相角のズレを抑える観点から、前記マゼンタトナーのみが蛍光増白剤を含有することがより好ましい。
前記蛍光増白剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナーの説明において例示した前記蛍光増白剤などが挙げられる。
前記イエロートナー、前記マゼンタトナー、又は前記シアントナーにおける前記蛍光増白剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー100質量部に対して、0.01質量部〜1.0質量部が好ましく、0.01質量部〜0.5質量部がより好ましく、0.01質量部〜0.02質量部が特に好ましい。前記含有量が、0.01質量部未満であると、短波長側の光(発色)が不足する結果、彩度が不足することがあり、1.0質量部を超えると、必要以上に短波長側の光(発色)を補充する結果、色相角がずれて色の再現性が下がることがある。前記含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、色相角のずれを抑制しつつ十分な彩度を確保できる点で有利である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。なお、特に明記しない限り、「部」は「質量部」を指し、「%」は「質量%」を指す。ただし、実施例20を参考例に読み替える。
まず、各特性値の測定方法を以下に示す。測定結果を表1−1〜表1−6に示す。
<融点(mp)、及びガラス転移温度(Tg)の測定方法>
融点(mp)、及びガラス転移温度(Tg)は、DSCシステム(示差走査熱量計)(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いて測定した。
具体的には、対象試料の融点、ガラス転移温度は、下記手順により測定した。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、−80℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱した(昇温1回目)。その後、150℃から降温速度10℃/minにて−80℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱(昇温2回目)した。この昇温1回目、及び昇温2回目のそれぞれにおいて、示差走査熱量計(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いてDSC曲線を計測した。
得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目におけるガラス転移温度を求めた。また同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目におけるガラス転移温度を求めた。
また、得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目における吸熱ピークトップ温度を融点として求めた。また同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目における吸熱ピークトップ温度を融点として求めた。
対象試料としてトナーを用いた際の、1回目昇温時におけるガラス転移温度をTg1st、2回目昇温時におけるガラス転移温度をTg2ndとした。
非晶質ポリエステル樹脂A、非晶質ポリエステル樹脂B、結晶性ポリエステル樹脂C、及び離型剤のガラス転移温度、融点については、2回目昇温時における吸熱ピークトップ温度、Tgを各対象試料の融点、Tgとした。
<<重量平均分子量(Mw)の測定>>
トナーの各構成成分の重量平均分子量(Mw)は、以下の方法で測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム:TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー株式会社製)
温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流速:0.35mL/min
試料:0.15質量%の試料を0.4mL注入
試料の前処理:試料をテトラヒドロフラン(THF、安定剤含有、和光純薬社製)に0.15質量%で溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を測定試料として用いた。前記THF試料溶液を100μL注入して測定した。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580を用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
<トナーの貯蔵弾性率G’、及び損失弾性率G’’の測定方法>
トナーの貯蔵弾性率(G’)、及び損失弾性率(G’’)は、動的粘弾性測定装置(ARES、TAインスツルメント社製)を用いて測定した。測定の際の周波数は、1Hzである。
具体的には、測定試料を、直径8mm、厚み1mm〜2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて200℃まで昇温速度2.0℃/分間で昇温させて、貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定した。
<変曲点温度>
トナーの貯蔵弾性率を温度(℃)の関数で表したときの前記関数における変曲点の温度を求めた。なお、この変曲点における温度は、前記関数の2次導関数が0になる温度である。また、前記変曲点における温度よりも低い一定の温度領域では、前記関数の2次導関数は、負になり、前記変曲点における温度よりも高い一定の温度領域では、前記関数の2次導関数は、正になる。
具体的には、上記トナーの貯蔵弾性率の測定方法に従ってトナーの貯蔵弾性率を測定し、前述の方法(エクセルを用いた算出方法)によって求めた。
<相溶、非相溶>
[非晶質ポリエステル樹脂A]、[非晶質ポリエステル樹脂B]、及び[結晶性ポリエステル樹脂C]の各々と、各アクリル樹脂微粒子をトナー配合比率で混合したもの50部を酢酸エチル50部中に添加して、溶解状態下記のように相溶性を判断した。
〔評価基準〕
相溶:混合液が透明になる。
非相溶:混合液中にアクリル樹脂微粒子が確認できる。
<コアシェル構造>
コアシェル構造かどうかは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて確認した。具体的にはシェルの平均厚みを測定する下記方法においてコアシェル構造を確認した。
<シェルの平均厚み>
シェルの平均厚みは、無作為に抽出した10個のトナーについて以下の方法によりシェル厚みを測定し、その平均値をシェルの平均厚みとした。
<<透過型電子顕微鏡(TEM)による評価>>
まず、トナーをスパチュラ一杯程度のエポキシ系樹脂に包埋して硬化させた。四酸化ルテニウムで試料を5分間ガス暴露することでシェルとコアを識別染色した。ナイフで断面出ししてウルトラミクロトーム(Leica社製、ULTRACUT UCT、ダイヤナイフ使用)でトナーの超薄切片(厚み200nm)を作製した。その後、透過型電子顕微鏡(TEM;H7000、日立ハイテク株式会社製)により加速電圧100kVで観察した。
(製造例1)
<ケチミンの合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部、及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
(製造例A−1)
<非晶質ポリエステル樹脂A−1の合成>
−プレポリマーA−1の合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、イソフタル酸、アジピン酸、及び無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がイソフタル酸40mol%及びアジピン酸60mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し中間体ポリエステルA−1を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステルA−1とイソホロンジイソシアネート(IPDI)とをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、プレポリマーA−1を得た。
−非晶質ポリエステル樹脂A−1の合成−
得られたプレポリマーA−1を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更にプレポリマーA−1中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、非晶質ポリエステル樹脂A−1を得た。
(製造例A−2)
<非晶質ポリエステル樹脂A−2の合成>
−プレポリマーA−2の合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール、イソフタル酸、アジピン酸、及び無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が1,6−ヘキサンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がイソフタル酸80mol%及びアジピン酸20mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し中間体ポリエステルA−2を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステルA−2とイソホロンジイソシアネートとをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、プレポリマーA−2を得た。
−非晶質ポリエステル樹脂A−2の合成−
得られたプレポリマーA−2を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更にプレポリマーA−2中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、非晶質ポリエステル樹脂A−2を得た。
(製造例A−3)
<非晶質ポリエステル樹脂A−3の合成>
−プレポリマーA−3の合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、アジピン酸、及び無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がアジピン酸100mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し中間体ポリエステルA−3を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステルA−3とイソホロンジイソシアネートとをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、プレポリマーA−3を得た。
−非晶質ポリエステル樹脂A−3の合成−
得られたプレポリマーA−3を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更にプレポリマーA−3中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、非晶質ポリエステル樹脂A−3を得た。
(製造例A−4)
<非晶質ポリエステル樹脂A−4の合成>
−プレポリマーA−4の合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、イソフタル酸、及び無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がイソフタル酸100mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し中間体ポリエステルA−4を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステルA−4とイソホロンジイソシアネートとをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、プレポリマーA−4を得た。
−非晶質ポリエステル樹脂A−4の合成−
得られたプレポリマーA−4を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更にプレポリマーA−4中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、非晶質ポリエステル樹脂A−4を得た。
(製造例A−5)
<非晶質ポリエステル樹脂A−5の合成>
−プレポリマーA−5の合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、デカン二酸、及び無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がデカン二酸100mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し中間体ポリエステルA−5を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステルA−5とイソホロンジイソシアネートとをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、プレポリマーA−5を得た。
−非晶質ポリエステル樹脂A−5の合成−
得られたプレポリマーA−5を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更にプレポリマーA−5中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、非晶質ポリエステル樹脂A−5を得た。
(製造例A−6)
<非晶質ポリエステル樹脂A−6の合成>
−プレポリマーA−6の合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で7時間反応させ、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応させて中間体ポリエステルA−6を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステルA−5とイソホロンジイソシアネートとをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、プレポリマーA−6を得た。
−非晶質ポリエステル樹脂A−6の合成−
得られたプレポリマーA−6を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更にプレポリマーA−6中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、非晶質ポリエステル樹脂A−6を得た。
(製造例B−1)
<非晶質ポリエステル樹脂B−1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物、イソフタル酸、及びアジピン酸を、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物とがモル比(ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物)で85/15であり、イソフタル酸とアジピン酸とがモル比(イソフタル酸/アジピン酸)で80/20であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.3となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に常圧で230℃で8時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応し、非晶質ポリエステル樹脂B−1を得た。
(製造例B−2)
<非晶質ポリエステル樹脂B−2の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物、イソフタル酸、及びアジピン酸を、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物とがモル比(ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物)で75/25であり、イソフタル酸とアジピン酸とがモル比(イソフタル酸/アジピン酸)で70/30であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.4となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に常圧で230℃で8時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応し、非晶質ポリエステル樹脂B−2を得た。
(製造例B−3)
<非晶質ポリエステル樹脂B−3の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物、イソフタル酸、及びアジピン酸を、イソフタル酸とアジピン酸とがモル比(イソフタル酸/アジピン酸)で90/10であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.2となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)と共に常圧で230℃で10時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応し、非晶質ポリエステル樹脂B−3を得た。
(製造例B−4)
<非晶質ポリエステル樹脂B−4の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物、イソフタル酸、及びアジピン酸を、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物とがモル比(ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物)で75/25であり、イソフタル酸とアジピン酸とがモル比(イソフタル酸/アジピン酸)で65/35であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.4となるようにで仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に常圧で230℃で8時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応し、非晶質ポリエステル樹脂B−4を得た。
(製造例B−5)
<非晶質ポリエステル樹脂B−5の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物、イソフタル酸、及びアジピン酸を、イソフタル酸とアジピン酸とがモル比(イソフタル酸/アジピン酸)で95/5であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.15となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)と共に常圧で230℃で10時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応し、非晶質ポリエステル樹脂B−5を得た。
(製造例B−6)
<非晶質ポリエステル樹脂B−6の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、1,2−プロパンジオール、テレフタル酸、及びフマル酸を入れ、テレフタル酸とフマル酸とがモル比(テレフタル酸/フマル酸)で75/25であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.3となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に常圧で230℃で8時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応し、非晶質ポリエステル樹脂B−6を得た。
(製造例C−1)
<結晶性ポリエステル樹脂C−1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ドデカン二酸、及び1,6−ヘキサンジオールを、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが0.9となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、更に8.3kPaの圧力にて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂C−1を得た。
(製造例C−2)
<結晶性ポリエステル樹脂C−2の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、アジピン酸、1,6−ヘキサンジオール、及び1,4−ブタンジオールを、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが0.9であり、酸成分の構成比がアジピン酸100mol%であり、アルコール成分の構成比が1,6−ヘキサンジオール50mol%及び1,4−ブタンジオール50mol%となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、更に8.3kPaの圧力にて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂C−2を得た。
(製造例C−3)
<結晶性ポリエステル樹脂C−3の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、テレフタル酸、1,6−ヘキサンジオール、及び1,4−ブタンジオールを、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが0.9であり、酸成分の構成がテレフタル酸100mol%であり、アルコール成分の構成が1,6−ヘキサンジオール50mol%及び1,4−ブタンジオール50mol%となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、更に8.3kPaの圧力にて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂C−3を得た。
(製造例C−4)
<結晶性ポリエステル樹脂C−4の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸241部、アジピン酸31部、1,4−ブタンジオール164部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.75部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで225℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ6,000に達するまで反応を行った。
得られた結晶性樹脂218部を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、酢酸エチル250部、及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)82部を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させ[結晶性ポリエステル樹脂C−4](変性結晶性ポリエステル樹脂)を得た。
(製造例D−1)
<マスターバッチ1(MB1)の合成>
水1,200部、Pigment Blue15:3(PB15:3、DIC株式会社製)を1,200部、及び非晶質ポリエステル樹脂B−1 1,800部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で30分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
(製造例D−2)
<マスターバッチ2(MB2)の合成>
水1,200部、亜鉛−フタロシアニン(Zn−Pc、DIC株式会社製)を500部、Pigment Blue15:3(PB15:3、DIC株式会社製)を700部、及び非晶質ポリエステル樹脂B−1 1,800部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で30分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ2]を得た。
(製造例D−3)
<マスターバッチ3(MB3)の合成>
水1,200部、アルミニウム−フタロシアニン(Al−Pc、山陽色素株式会社製)を500部、Pigment Blue15:3(PB15:3、DIC株式会社製)を700部、及び非晶質ポリエステル樹脂B−1 1,800部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で30分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ3]を得た。
(製造例D−4)
<マスターバッチ4(MB4)の合成>
水900部、Pigment Red 269(PR269、DIC株式会社製)1,350部、Pigment Red 122(PR122、DIC株式会社製)450部、及び非晶質ポリエステル樹脂B−1 1,200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で30分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ4]を得た。
(製造例D−5)
<マスターバッチ5(MB5)の合成>
水1,200部、Pigment Yellow 74(PY74、BASF社製)1,200部、及び非晶質ポリエステル樹脂B−1 1,800部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で30分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ5]を得た。
(実施例1)
<WAX分散液の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に離型剤1としてパラフィンワックス50部(日本精鑞株式会社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)、及び酢酸エチル450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時間、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行ない[WAX分散液1]を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に結晶性ポリエステル樹脂C−1 50部、及び酢酸エチル450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時間、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行ない[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を得た。
<油相の調製>
[WAX分散液1]400部、[プレポリマーA−1]260部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]500部、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]630部、[マスターバッチ1]150部及び[ケチミン化合物1]2部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相1]を得た。
<スチレン/アクリル樹脂微粒子の合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸n−ブチル110部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度を75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成してスチレン/アクリル樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液1]を得た。
[スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液1]をLA−920(株式会社堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、14nmであった。前記スチレン/アクリル樹脂微粒子の酸価は、45mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は300,000、ガラス転移温度(Tg)は60℃であった。
<アクリル樹脂微粒子1の合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオンDS、花王株式会社製)10部、メタクリル酸メチル176部、アクリル酸n−ブチル18部、過硫酸アンモニウム1部、及びエチレングリコールジメタクリレート2部を仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度を65℃まで昇温し10時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成してアクリル樹脂微粒子1の水性分散液[アクリル樹脂微粒子分散液1]を得た。
[アクリル樹脂微粒子分散液1]をLA−920(株式会社堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、35nmであった。前記アクリル樹脂微粒子1の酸価は2mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は30,000、ガラス転移温度(Tg)は82℃であった。
<水相の調製>
水660部、[スチレン/アクリル樹脂微粒子分散液1]25部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%の水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)25部、及び酢酸エチル60部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。更に[アクリル樹脂微粒子1]50部を加え、[水相1]を得た。光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。[水相1]をTKホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると該凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。したがって、この後行われるトナー材料の乳化工程においても[アクリル樹脂微粒子1]は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このようにアクリル樹脂微粒子は凝集を生じるがせん断によってほぐれることがトナー表面に均一に付着させる上で重要である。
<乳化・脱溶剤>
[油相1]が入った容器に、[水相1]1,200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
<洗浄・乾燥>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過し[濾過ケーキ]を得た後、
(1):[濾過ケーキ]にイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過し[濾過ケーキ]を得た。
(2):(1)で得られた[濾過ケーキ]に10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過し[濾過ケーキ]を得た。
(3):(2)で得られた[濾過ケーキ]に10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過し[濾過ケーキ]を得た。
(4):(3)で得られた[濾過ケーキ]にイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過し[濾過ケーキ]を得る、という前記(1)〜(5)の操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー1]を得た。
(実施例2)
実施例1において、[プレポリマーA−1]を[プレポリマーA−2]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー2]を得た。
(実施例3)
実施例1において、[プレポリマーA−1]を[プレポリマーA−3]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー3]を得た。
(実施例4)
実施例1において、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]を[非晶質ポリエステル樹脂B−2]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー4]を得た。
(実施例5)
実施例1において、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]を[非晶質ポリエステル樹脂B−3]に代え、『油相の調製』において、[プレポリマーA−1]260部を500部に変え、[非晶質ポリエステル樹脂B−3]630部を510部に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー5]を得た。
(実施例6)
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂C−1]を[結晶性ポリエステル樹脂C−2]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー6]を得た。
(実施例7)
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂C−1]を[結晶性ポリエステル樹脂C−3]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー7]を得た。
(実施例8)
実施例1において、[マスターバッチ1]を[マスターバッチ2]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー8]を得た。
(実施例9)
実施例1において、[マスターバッチ1]を[マスターバッチ4]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー9]を得た。
(実施例10)
実施例1において、[マスターバッチ1]を[マスターバッチ5]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー10]を得た。
(実施例11)
実施例1において、[油相1]を下記[油相2]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー11]を得た。
<油相2の調製>
[WAX分散液]400部、[プレポリマーA−1]260部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]500部、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]630部、[マスターバッチ1]150部、[ケチミン化合物1]2部、及び蛍光増白剤としてベンゾオキサゾール誘導体(2,5−チオフェンジイルビス(5−t−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、商品名:Tinopal OB、BASF社製)1.4部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相2]を得た。
(実施例12)
実施例11において、[マスターバッチ1]を[マスターバッチ2]に代えた以外は、実施例11と同様にして、[トナー12]を得た。
(実施例13)
実施例11において、[マスターバッチ1]を[マスターバッチ3]に代えた以外は、実施例11と同様にして、[トナー13]を得た。
(実施例14)
実施例11において、[マスターバッチ1]を[マスターバッチ4]に代えた以外は、実施例11と同様にして、[トナー14]を得た。
(実施例15)
実施例1において、[油相1]を下記[油相3]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー15]を得た。
<油相3の調製>
[WAX分散液]400部、[プレポリマーA−1]140部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]5,000部、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]240部、[マスターバッチ1]150部、[ケチミン化合物1]2部、及び蛍光増白剤としてベンゾオキサゾール誘導体(2,5−チオフェンジイルビス(5−t−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、商品名:Tinopal OB、BASF社製)1.4部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相3]を得た。
(実施例16)
実施例1において、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]を[非晶質ポリエステル樹脂B−6]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー16]を得た。
(実施例17)
実施例1において、[油相1]を下記[油相4]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー17]を得た。
<油相4の調製>
[WAX分散液1]400部、[プレポリマーA−1]200部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]500部、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]660部、[マスターバッチ1]150部、及び[ケチミン化合物1]2部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相4]を得た。
(実施例18)
実施例1において、[油相1]を下記[油相5]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー18]を得た。
<油相5の調製>
[WAX分散液1]400部、[プレポリマーA−1]400部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]500部、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]560部、[マスターバッチ1]150部、及び[ケチミン化合物1]2部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相5]を得た。
(実施例19)
実施例1の『水相の調製』において、[アクリル樹脂微粒子分散液1]を下記[アクリル樹脂微粒子分散液2]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー19]を得た。
<アクリル樹脂微粒子2の合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水688部、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオンDS、花王株式会社製)5部、メタクリル酸メチル144部、アクリル酸n−ブチル47部、メタクリル酸5部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度65℃まで昇温し10時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体)であるアクリル樹脂微粒子2の水性分散液[アクリル樹脂微粒子分散液2]の水性分散液を得た。
[アクリル樹脂微粒子分散液2]をLA−920(株式会社堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、50nmであった。前記アクリル樹脂微粒子2の酸価は13mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は30,000、ガラス転移温度(Tg)は55℃であった。
(実施例20)
実施例1において、[油相1]を下記[油相6]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー20]を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液4の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に結晶性ポリエステル樹脂C−4 50部、及び酢酸エチル450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時間、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行ない[結晶性ポリエステル樹脂分散液4]を得た。
<油相6の調製>
[WAX分散液1]400部、[プレポリマーA−1]260部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液4]6,800部、[マスターバッチ1]150部、及び[ケチミン化合物1]2部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相6]を得た。
(比較例1)
実施例1において、[プレポリマーA−1]を[プレポリマーA−4]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー21]を得た。
(比較例2)
実施例1において、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]を[非晶質ポリエステル樹脂B−4]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー22]を得た。
(比較例3)
実施例1において、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]を[非晶質ポリエステル樹脂B−5]に代え、『油相の調製』において、[プレポリマーA−1]260部を600部に変え、[非晶質ポリエステル樹脂B−5]630部を460部に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー23]を得た。
(比較例4)
実施例1の『油相の調製』において、[プレポリマーA−1]260部を[プレポリマーA−4]200部に変え、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]630部を660部に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー24]を得た。
(比較例5)
実施例1の『油相の調製』において、[プレポリマーA−1]260部を[プレポリマーA−5]400部に変え、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]630部を560部に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例6の[トナー25]を得た。
(比較例6)
実施例1の『油相の調製』において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液C−1]500部を0部に変え、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]630部を680部に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー26]を得た。
(比較例7)
実施例1において、[油相1]を下記[油相7]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー27]を得た。
<油相7の調製>
[WAX分散液]400部、[プレポリマーA−1]70部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]7,000部、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]75部、[マスターバッチ1]150部、[ケチミン化合物1]2部、及び蛍光増白剤としてベンゾオキサゾール誘導体(2,5−チオフェンジイルビス(5−t−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、商品名:Tinopal OB、BASF社製)1.4部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相7]を得た。
(比較例8)
実施例1において、[油相1]を下記[油相8]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー28]を得た。
<油相8の調製>
[WAX分散液1]400部、[プレポリマーA−1]0部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]500部、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]760部、[マスターバッチ1]150部、及び[ケチミン化合物1]2部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相8]を得た。
(比較例9)
実施例1において、[油相1]を下記[油相9]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー29]を得た。
<油相9の調製>
[WAX分散液1]400部、[プレポリマーA−1]500部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]500部、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]510部、[マスターバッチ1]150部、及び[ケチミン化合物1]2部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相9]を得た。
(比較例10)
実施例1において、[プレポリマーA−1]を[プレポリマーA−6]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー30]を得た。
(比較例11)
実施例9において、[アクリル樹脂微粒子分散液1]を用いなかったこと以外は、実施例9と同様にして、[トナー31]を得た。
<評価>
得られたトナーについて以下の方法により現像剤を作製し、以下の評価を行った。結果を表1−1〜表1−6に示す。
<<現像液の作製>>
−キャリアの作製−
トルエン100部に、シリコーン樹脂オルガノストレートシリコーン(SR2440,東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(SH6020,東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に前記樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
−現像剤の作製−
ボールミルを用いて、各実施例で作製したトナー5部と前記キャリア95部とを混合し、現像剤を作製した。
<<低温定着性、及び耐高温オフセット性>>
株式会社リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、タイプ6200紙(株式会社リコー製)にベタ画像で、0.85±0.01mg/cmのトナー付着量で定着評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
具体的には、定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)及び高温オフセット温度(定着上限温度)を求めた。
定着下限温度の評価条件は、紙送りの線速度を150mm/秒間、面圧を1.2kgf/cm、ニップ幅を3mmとした。
また、定着上限温度の評価条件は、紙送りの線速度を50mm/秒間、面圧を2.0kgf/cm、ニップ幅を4.5mmとした。
<<耐熱保存性>>
トナーを50℃で8時間保管した後、42メッシュ(355μm)の篩で2分間篩い、金網上の残存率を測定した。このとき、耐熱保存性が良好なトナー程、残存率は小さい。
なお、耐熱保存性の評価基準は以下の通りとした。
◎:残存率が10%未満
○:残存率が10%以上20%未満
△:残存率が20%以上30%未満
×:残存率が30%以上
表1−1〜表1−6中、構成比は、樹脂Aと樹脂Bと樹脂Cと離型剤と顔料との合計量を100質量部とした場合の含有量(質量部)を表す。
表1−1〜表1−6中、シェルのTgは、アクリル樹脂微粒子のTgを測定することにより求めた。
表1−1〜表1−6中、「BisA−EO」は、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物を表す。「BisA−PO」は、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物を表す。「BisA−PO2」は、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物を表す。「PO」は、1,2−プロパンジオールを表す。「ヘキサンジオール」は、1,6−ヘキサンジオールを表す。「ブタンジール」は、1,4−ブタンジオールを表す。「HDI」は、ヘキサメチレンジイソシアネートを表す。各樹脂のジオール、及びジカルボン酸の組成における「%」は、「モル%」である。
実施例1〜20は、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性を有し、かつ色再現性に優れていた。
一方、比較例1は、80℃の損失弾性率が2.0×10Paを超えるため、低温定着性が不十分であった。比較例2は、50℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満のため、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性が不十分であった。比較例3は、80℃の損失弾性率が2.0×10Paを超えるため、低温定着性が不十分であった。比較例4は、80℃の損失弾性率が2.0×10Paを超えるため、低温定着性が不十分であった。比較例5は、50℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満のため、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性が不十分であった。比較例6は、80℃の損失弾性率が2.0×10Paを超えるため、低温定着性が不十分であった。比較例7は、80℃の損失弾性率が8.0×10Pa未満のため、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性が不十分であった。比較例8は、160℃の損失弾性率が2.0×10Pa未満のため、耐高温オフセット性が不十分であった。比較例9は、160℃の損失弾性率が1.0×10Paを超えるため、後述の比較例20でも明らかになるように、色の再現性が不十分であった。比較例10は、80℃の損失弾性率が2.0×10Paを超え、かつ160℃の損失弾性率が1.0×10Paを超えるため、低温定着性が不十分であった。比較例11は、耐熱保存性が不十分であった。
(実施例21〜40及び比較例12〜22)
<<単色測色評価条件>>
単色測色評価:株式会社リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、PODグロスコート紙(王子製紙社製、秤量158g/cm)にシアン、マゼンタ、イエローいずれかの単色のベタ画像で、0.30±0.01mg/cmのトナー付着量で現像後、定着させた後に評価した。結果を表3−1〜表3−6に示す。
下記の測色条件にて、画像部の色を評価した。
−測色条件−
L*、a*、b*の測定は、X−Rite938(Xrite社製)を用い、以下の条件で行った。
光源:D50
測光:0°受光、45°照明、
測色:2°視野
光沢紙10枚重ね上で測定した。
−彩度−
彩度C*は下式により計算し求めた。
彩度(C*)=〔(a*)+(b*)1/2
<<2次色測色評価条件>>
2次色測色評価:株式会社リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、PODグロスコート紙(王子製紙社製、秤量158g/cm)にシアン、マゼンタ、イエローいずれかの単色のベタ画像で、0.30±0.01mg/cmのトナー付着量で現像後、シアン、マゼンタ、イエローいずれかの単色のベタ画像で、0.30±0.01mg/cmのトナー付着量で重ねて現像したうえで、画像を定着させた後に評価した。結果を表3−1〜表3−6に示す。
下記の測色条件にて、画像部のL*、a*、b*を測定した。測色条件は、単色測色と同じ条件である。
なお、色再現性については、ジャパンカラー2007のL*a*b*値とそこから計算される彩度(下記表2参照)と、各実施例、比較例での彩度とを比較して、下記評価基準で評価した。
<イエロー、グリーン、シアン、ブルー、マゼンタ>
◎:〔ジャパンカラー彩度〕≦〔彩度〕
○:〔ジャパンカラー彩度−2.0〕≦〔彩度〕<〔ジャパンカラー彩度〕
△:〔彩度〕<〔ジャパンカラー彩度−2.0〕
2次色測色評価においては、表3−1〜表3−6中の単色のトナーを下層の画像を形成するトナーとして用い、表3−1〜表3−6中の2次色のトナーを上層の画像を形成するトナーとして用いた。
表3−5中「ホットオフセット」とは、定着上限値が低く(170℃)、ホットオフセット(高温オフセット)が発生し、評価ができなかったことを示す。
実施例21〜40は、2次色測色評価において、下層のトナーの色彩を視認することができることから、彩度の低下などがなく、所望の2次色を得ることができた。
一方、比較例13、及び16においては、比較例2、及び5のトナーを用いた下層を形成した際にホットオフセットが発生したことから、評価ができなかった。
本発明の態様としては、例えば、以下の通りである。
<1> 結着樹脂と着色剤とを含有し、
50℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、80℃の損失弾性率が8.0×10Pa以上2.0×10Pa以下であり、かつ160℃の損失弾性率が2.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であることを特徴とするトナーである。
<2> 貯蔵弾性率を温度(℃)の関数で表したときの前記関数が、55℃以上65℃以下の範囲に変曲点を有する前記<1>に記載のトナーである。
<3> 示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が、20℃以上40℃以下であり、
結着樹脂が、非線状の反応性前駆体と硬化剤との反応により得られかつガラス転移温度が−60℃以上0℃以下である非晶質ポリエステル樹脂Aと、ガラス転移温度が40℃以上70℃以下である非晶質ポリエステル樹脂Bと、結晶性ポリエステル樹脂Cとを含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> コアとシェルとからなるコアシェル構造を有し、
前記シェルのガラス転移温度が、50℃以上100℃以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> シェルと非晶質ポリエステル樹脂Aとが、非相溶であり、
前記シェルと非晶質ポリエステル樹脂Bとが、非相溶であり、
前記シェルと結晶性ポリエステル樹脂Cとが、非相溶である前記<4>に記載のトナーである。
<6> シェルが、アクリル樹脂微粒子により形成される前記<4>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 着色剤が、イエロー顔料、マゼンタ顔料、及びシアン顔料のいずれかを含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> イエロー顔料を含有する前記<7>に記載のトナーであるイエロートナー、
マゼンタ顔料を含有する前記<7>に記載のトナーであるマゼンタトナー、及び
シアン顔料を含有する前記<7>に記載のトナーであるシアントナーの少なくとも2種を有することを特徴とするカラートナーセットである。
<9> マゼンタトナー及びシアントナーの少なくともいずれかが、蛍光増白剤を含有する前記<8>に記載のカラートナーセットである。
<10> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
特開平11−133665号公報 特開2002−287400号公報 特開2002−351143号公報 特許第2579150号公報 特開2001−158819号公報 特開2004−46095号公報 特開2007−271789号公報 特開平4−349474号公報 特開2005−221891号公報

Claims (9)

  1. 結着樹脂と着色剤とを含有するトナーであって
    50℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、80℃の損失弾性率が8.0×10Pa以上2.0×10Pa以下であり、かつ160℃の損失弾性率が2.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であり、
    前記トナーの示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が、20℃以上40℃以下であり、
    前記結着樹脂が、非線状の反応性前駆体と硬化剤との反応により得られかつガラス転移温度が−60℃以上0℃以下である非晶質ポリエステル樹脂Aと、ガラス転移温度が40℃以上70℃以下である非晶質ポリエステル樹脂Bと、結晶性ポリエステル樹脂Cとを含有することを特徴とするトナー。
  2. 貯蔵弾性率を温度(℃)の関数で表したときの前記関数が、55℃以上65℃以下の範囲に変曲点を有する請求項1に記載のトナー。
  3. コアとシェルとからなるコアシェル構造を有し、
    前記シェルのガラス転移温度が、50℃以上100℃以下である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. シェルと非晶質ポリエステル樹脂Aとが、非相溶であり、
    前記シェルと非晶質ポリエステル樹脂Bとが、非相溶であり、
    前記シェルと結晶性ポリエステル樹脂Cとが、非相溶である請求項3に記載のトナー。
  5. シェルが、アクリル樹脂微粒子により形成される請求項3から4のいずれかに記載のトナー。
  6. 着色剤が、イエロー顔料、マゼンタ顔料、及びシアン顔料のいずれかを含有する請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. イエロー顔料を含有する請求項6に記載のトナーであるイエロートナー、
    マゼンタ顔料を含有する請求項6に記載のトナーであるマゼンタトナー、及び
    シアン顔料を含有する請求項6に記載のトナーであるシアントナーの少なくとも2種を有することを特徴とするカラートナーセット。
  8. マゼンタトナー及びシアントナーの少なくともいずれかが、蛍光増白剤を含有する請求項7に記載のカラートナーセット。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
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